JP3788912B2 - 電動送風機及び電気掃除機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシ装置を有する電動機部で得られる回転力によりファンを回転させて送風作用を営む電動送風機、及びこの送風機を搭載して運転される電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気掃除機用の電動送風機には、一般的にAC(交流)モータの一種である整流子モータを電動機部としたものが多用されているが、バッテリー駆動式電気掃除機用の電動送風機には、ブラシ装置付きDC(交流)モータを電動機部としたものが使用されている。
【0003】
これらの電動送風機は、いずれも整流子及びこの整流子の外周面に押付けられるブラシを有したブラシ装置からなる整流部を備えた電動機部と、この電動機部の回転子軸に固定されたファン及びこのファンを覆うファンカバーを備えた送風部と、電動機部が有する固定子とファンとの間に配置された送風整流体とを備えて形成されている。
【0004】
そして、前記電動機部は、その軸方向中間位置に固定子を支持するモータフレームに一対の軸受を取付け、これら軸受によって固定子の内側に配置される回転子の回転子軸を支持するとともに、この回転子軸に固定された整流子に対応して一対のブラシ装置をモータフレームに取付けている。この電動機部の駆動によって回転されるファンから吐出された風は、送風整流体を通って静圧化されながら電動機部側に導かれ、この電動機部を冷却しつつ流通する。
【0005】
従来、電動送風機の前記整流部は、電動機部の固定子を境にファン及び送風整流体とは反対側に配置され、そのブラシ装置も前記反対側に位置するモータフレーム部分に取付けられている。
【0006】
この場合、モータフレームが固定子を挟んで設けられる2分割の構成においては、固定子を境にファン及び送風整流体とは反対側に位置するモータフレーム部分を合成樹脂製として、これに取付けられるブラシ装置との絶縁を図るとともに、ブラシ装置にホルダ絶縁を有しないものを採用している。又、モータフレームが固定子を境にファンとは反対側部分も金属製である構成においては、ブラシ装置にホルダ絶縁を有したものを使用し、このホルダ絶縁によりモータフレームとブラシ装置の導電部分との絶縁を図っている。
【0007】
前記整流部を既述のように配置した従来の構成では、ファン及び送風整流体と整流部との間に固定子及び回転子のアーマチャコア及びアーマチャコイル部分が配置されていて、これらが整流部のブラシ装置に対する通風を邪魔をするとともに、この通風は回転子のアーマチャコイルの発熱によって温められるので、整流部、特にそのブラシ装置の冷却効果を向上させるには難がある。特に、整流子モータのように固定子がフィールドコイルを有していて発熱するものではなお更である。
【0008】
ところで、ブラシ装置付きDCモータを電動機部としたバッテリー駆動の電動送風機の電源電圧は、一般にDC6V〜DC30Vであり、中でもDC12Vの電源電圧が主流である。このようなバッテリー駆動の電動送風機において電源電圧を高くすると、バッテリーの使用本数が増えるので、製品(電気掃除機等)の重量が増えて取扱いづらくなる。そのため、なるべく低い電源電圧で電動送風機を駆動することが要請されており、こうした条件下でDCモータを電動機部とした電動送風機の入力及び出力を大きくするには大電流を流す必要がある。
【0009】
しかし、このように大電流を流すと、ブラシ装置のブラシでの抵抗による発熱が増え、このブラシの温度が異常に高まりその寿命低下の恐れがある。そのため、現状のものでは60W程度の入力しか得ることができない。しかし、この程度のものでは、大きい吸込み仕事率が要求されているキャニスタ型の電気掃除機用の電動送風機としては実用上適当ではなく、その改善が望まれている。
【0010】
又、前記従来の電動機部では、その固定子より送風下流側では風がよどみ易いので、整流子の回転に伴いブラシから発生する摩耗粉が、固定子より送風下流側に位置するモータフレーム部分の内面に付着し易い。この付着によるブラシ摩耗粉の堆積が進行すると、異極である一対のブラシ装置が堆積したブラシ摩耗粉によって短絡するおそれが考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、寿命低下を来たすことなく入力を大きくできるとともに、ブラシ摩耗粉による絶縁不良を改善でき、しかも振動を小さく抑制できる電動送風機、及びこの送風機を備えて吸込み仕事率を向上できる電気掃除機を得ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、回転子軸を有する回転子、前記回転子軸を支持する軸受、前記回転子を囲む固定子、前記回転子軸に固定された整流子、及びこの整流子に押付けられるブラシを有するブラシ装置付き電動機部と、前記回転子軸に連結されたファン及びこのファンを覆うファンカバーを備える送風部と、前記ファンカバーの内側に入り込んだ外周部に設けられ前記ファンから吐出される風を受入れる複数の風入口、及びこの風入口を通過した風を導く整流風路を互いの間に形成する複数の整流ブレードを有して、この整流ブレードを前記固定子側に向けて前記ファンと前記固定子との間に配設される送風整流体とを具備する電動送風機を前提とする。
【0013】
そして、前記課題を解決するために請求項1の発明は、前記送風整流体を電気絶縁材製とし、前記軸受のうち前記ファン側の軸受が嵌合して取付けられる軸受ブラケット部を、前記送風整流体の中央部に一体に設け、前記送風整流体に前記固定子側に向けて突出する3以上の固定子取付け凸部を一体に設け、これら凸部にわたって前記固定子を取付けて、この固定子と前記整流ブレードとの間でかつ前記固定子取付け凸部間に位置して前記整流子を配置するとともに、前記固定子と前記送風整流体との間に配置される前記ブラシ装置を、前記整流ブレードに直接接触させて前記送風整流体の裏面に固定して、前記整流ブレードを挟む前記送風整流体の整流風路に前記ブラシ装置全体を臨ませたことを特徴としている。
【0014】
同様に前記課題を解決するために請求項2の発明は、前記送風整流体を金属製とし、前記軸受のうち前記ファン側の軸受が嵌合して取付けられる軸受ブラケット部を、前記送風整流体の中央部に一体に設け、前記送風整流体に前記固定子側に向けて突出する2以上の固定子取付け凸部を一体に設け、これら凸部にわたって前記固定子を取付けて、この固定子と前記整流ブレードとの間でかつ前記固定子取付け凸部間に位置して前記整流子を配置するとともに、前記固定子と前記送風整流体との間に配置される前記ブラシ装置を、前記整流ブレードに絶縁層を介して電気絶縁状態に配置させて前記送風整流体の裏面に固定して、前記整流ブレードを挟む前記送風整流体の整流風路に前記ブラシ装置全体を臨ませたことを特徴としている。
【0015】
これら請求項1、2の発明において、電動機部は、AC電源で駆動されるものであっても、DC電源で駆動されるものであってもよく、DC電源駆動の場合にはDC電源にバッテリーを用いることもできる。請求項1、2の発明において、ブラシ装置のブラシには例えばカーボンブラシを好適に使用できる。更に、請求項1、2の発明において、ファンカバーは送風整流体の外周に嵌合して支持してもよく、或は電動機部がモータフレームを有する場合には、このフレームの送風整流体側の端部に嵌合して支持してもよい。しかも、請求項1、2の発明において、送風整流体にブラシ装置を支持させる手段は、後述の実施形態で説明するように押さえ具を用いて実施できる他、接着剤を用いても良く、圧入、爪係合、ねじ止め等でも実施できる。又、請求項1、2の発明において、固定子取付け凸部は、その先端面で固定子を支持する構成に限らず、この凸部の先端部に段部を設けて、そこに固定子の周部を当接させて固定子を支持する構成であってもよい。
【0017】
前記請求項1の発明においては、ファンから吐出された風を整流しつつ固定子側に流出させる送風整流体にブラシ装置を支持したことにより、送風整流体から流出されて電動機部の固定子及び回転子のアーマチャコイル部に到達する前の高速でかつ前記コイル部等で温められない風をブラシ装置に吹き当てて、この装置を効果的に冷却できる。又、ブラシ装置の下流側に位置する固定子及び回転子に至るブラシ摩耗粉は、固定子及び回転子に吹き当る風によって吹き飛ばされる。しかも、固定子の下流側においてブラシ摩耗粉が付着堆積することがあっても、この摩耗粉とブラシ装置とは遠く隔たっているだけではなく、両者間に固定子が介在しているので、前記摩耗粉がブラシ装置にまで達することがない。又、金属製に比較して強度が低い電気絶縁材製の送風整流体から一体に突設された固定子取付け凸部は、これに固定した固定子とファンの整流ブレードとの間に整流子及びブラシ装置を配設するスペースを確保するために、ある程度の長さが必要である。しかし、電気絶縁材製の固定子取付け凸部を3以上として、これらにわたって固定子を取付けたから、固定子とアーマチャコイル部との間に働く磁気的な吸引・反発作用の繰り返しに拘らず、固定子取付け凸部がその根元を中心に固定子を伴って振動しないように固定子を確実に取付けることができる。
【0018】
同様に、請求項2の発明においては、ファンから吐出された風を整流しつつ固定子側に流出させる送風整流体にブラシ装置を支持したことにより、送風整流体から流出されて電動機部の固定子及び回転子のアーマチャコイル部に到達する前の高速でかつ前記コイル部等で温められない風をブラシ装置に吹き当てて、この装置を効果的に冷却できる。しかも、送風整流体の中央部近傍に配置されてブラシ装置のブラシが押し当てられる整流子にも、高速でかつ前記コイル部等で温められない風を吹き当てて冷却できるので、ブラシと整流子との間に生じるスパークによるブラシ及び整流子の温度上昇についても抑制できる。又、ブラシ装置の下流側に位置する固定子及び回転子に至るブラシ摩耗粉は、固定子及び回転子に吹き当る風によって吹き飛ばされる。しかも、固定子の下流側においてブラシ摩耗粉が付着堆積することがあっても、このブラシ摩耗粉とブラシ装置とは遠く隔たっているだけではなく、両者間に固定子が介在しているので、前記摩耗粉がブラシ装置にまで達することがない。又、金属製の送風整流体から一体に突設された固定子取付け凸部は、これに固定した固定子とファンの整流ブレードとの間に整流子及びブラシ装置を配設するスペースを確保するために、ある程度の長さが必要である。しかし、金属製である故に強度が高い固定子取付け凸部を2以上として、これらにわたって固定子を取付けたから、固定子とアーマチャコイル部との間に働く磁気的な吸引・反発作用の繰り返しに拘らず、固定子取付け凸部がその根元を中心に固定子を伴って振動しないように固定子を確実に取付けることができる。
【0020】
又、請求項2の発明においては、請求項3の発明のように、送風整流体と固定子との間にこれらに挟まれる支えを1以上設けることは妨げない。この場合、支えはファン又は固定子から一体に設ければよく、この支えは、固定子の振動を一層抑制するための振動抑制補助手段として機能できる点で優れている。
【0022】
又、請求項1,2の発明においては、送風整流体に一体に設けた軸受ブラケット部に一方の軸受を嵌め込んで支持できるから、この軸受を支持するために特別な軸受ブラケットを不要にでき、構成が簡単でコスト低減に有効である。
【0023】
請求項4の発明は、前記電動機部を永久磁石フィールドを有するDCモータとしたことを特徴としている。
【0024】
この請求項4の発明によれば、低いDC電源電圧でブラシに大電流を流してもその温度上昇を抑制できるので、長寿命でかつ高入力のDC電源駆動式の電動送風機とすることができる。
【0025】
請求項5の発明は、前記固定子のヨークが、その有効磁路の外側に位置し径方向に沿って互いに逆向きに突出する2対の凸部を有するとともに、その内の一方の対の凸部を結ぶ直線と他方の対の凸部を結ぶ直線とがなす第1交差角度が鋭角で第2交差角度が鈍角となっている形状であって、かつ、少なくとも一方の対の凸部に前記固定子取付け凸部との連結用固定孔を設けたことを特徴としている。
【0026】
この請求項5の発明においては、固定子取付け凸部に連結される固定孔がヨークの有効磁路から外れているので、固定孔で有効磁路が狭められることがない。しかも、第1、第2の凸部の配置に伴ってヨークの形状を、前記有効磁路の最大径に略等しい寸法の短辺、及び第1、第2の凸部を結ぶ直線間の長さに略等しい寸法の長辺を有する略長方形とできるから、その材料取りを良くできる。
【0027】
請求項6の発明は、集塵室を有する掃除機本体に内蔵された請求項1〜5の内のいずれか1項に記載の電動送風機を備えることを特徴としている。
【0028】
この請求項6の発明によれば、既述のように寿命低下を来たすことなく入力を大きくできるとともに、ブラシ摩耗粉による絶縁不良を改善でき、しかも振動を小さく抑制できる請求項1〜5の内のいずれかに記載の電動送風機を備えるから、吸込み仕事率を向上できる電気掃除機を提供できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0030】
図1はバッテリー駆動式のキャニスタ型電気掃除機全体を示す斜視図であり、この電気掃除機1は、床面上を自在に移動できる掃除機本体2、電動送風機3、フィルタとしての集塵袋4、吸塵ホース5、延長管6、及び吸込み口体7などを備えている。
【0031】
掃除機本体2の内部には図示しないが送風機室及びこの送風機室の上流側に位置された集塵室が夫々設けられているとともに、この掃除機本体2には図示しないバッテリー収容部が設けられている。集塵室の開口は掃除機本体2の一部をなす開閉可能な蓋2aによって気密に閉じられており、集塵室には蓋2aを開けた状態で出し入れ可能な集塵袋4が収容されている。前記バッテリー収容部にはDC電源としての図示しないバッテリーが収容されている。前記送風機室には後で詳しく説明するとともに、前記バッテリーを電源として駆動される電動送風機3が収容されている。図示しない吸塵ホース5及び延長管6は集塵室と吸込み口体7とを連通して設けられる吸込み管体をなしている。可撓性ホースからなる吸塵ホース5の一端部は掃除機本体2に着脱可能に接続され、このホース5の他端部は手元操作スイッチ付きのハンドル5aを有している。ハンドル5aには硬質な延長管6の一端部が着脱可能に接続され、この延長管6の他端部には吸込み口体7が着脱可能に接続されている。
【0032】
この電気掃除機1の電動送風機3を駆動させることにより、電動送風機3の送風力で、吸込み口体7から被掃除面上の塵を吸込んで延長管6及び吸塵ホース5を介して掃除機本体2の集塵室に導き、この室内の集塵袋4で前記塵を捕捉できる。集塵袋4を通過した空気は、電動送風機3に吸込まれてこの送風機3を通り抜けた後、掃除機本体2にその送風機室と連通して設けた排気口を通して掃除機本体2の外部に排出される。以上により被掃除面を掃除できる。
【0033】
次に、図2〜図5を参照して電動送風機3について説明する。図2及び図3に示すように電動送風機3は、電動機部11と、送風部12と、送風整流体13とを具備して構成されている。
【0034】
電動機部11は、例えば前記バッテリーの電力により直流駆動される2極のDCモータとして構成されたものであって、回転子21、一対の軸受22、23、固定子24、整流子25、及び一対のブラシ装置26を備えている。
【0035】
図2に示すように回転子21は、回転子軸21aにアーマチャコア21bおよびアーマチャコイル21cを夫々装着して形成されている。回転子軸21aの一端部は一方の転がり型の軸受22で支持され、かつ、回転子軸21aの他端部側は他方の転がり型の軸受23で支持される。回転子軸21aの他端部は軸受23を貫通している。回転子軸21aにはそのアーマチャコア21bと軸受23との間に位置して整流子25が装着されている。整流子25が有する各整流子片25aには夫々アーマチャコイル21cの端末部が接続されている。なお、整流子25は、回転子軸21aに嵌着する合成樹脂製整流子ベースの外周部に各整流子片25aを埋め込むとともに、これら整流子片25aの表面部を露出させて形成されている。
【0036】
図3に示すように固定子24は、ヨーク24aと、フィールド(界磁)を作る一対の永久磁石24b、24cとからなる。この固定子24は図2に示すように回転子21のアーマチャコイル21c部を囲んで配置される。ヨーク24aは環状の積層鋼板で形成されている。
【0037】
本実施形態においてヨーク24aには、例えば図5(A)に示すものを使用しているが、これに代えて図5(B)又は図5(C)或は図5(D)に示すものを使用することもできる。図5(A)〜図5(C)に示すヨーク24aは、同図中に2点鎖線の平行斜線を付して示した有効磁路Eの外側に位置し径方向に沿って互いに逆向きに突出する2対の凸部24a1、24a2を有し、これら合計4この凸部24a1、24a2の夫々に厚み方向に貫通する固定孔24eを設けている。しかも、図5(A)〜図5(C)に示すヨーク24aは、一方の対の凸部24a1を結ぶ直線Aと他方の対の凸部24a2を結ぶ直線とがなす第1交差角度θ1が鋭角で第2交差角度θ2が鈍角となっている形状であって、それにより、有効磁路Eの最大径に略等しい寸法Cの短辺、及び第1、第2の凸部を結ぶ直線間の長さに略等しい寸法Dの長辺を有する略長方形とできる(2点鎖線参照)。そのため、これらのヨーク24aにおいては、それを形成する珪素鋼板等の積層鋼板の材料取りを良くできるとともに、それに伴いコストの低減を図り易い。
【0038】
図5(D)に示すヨーク24aは、同図中に2点鎖線の平行斜線を付して示した有効磁路Eの外側に位置して3以上例えば3この凸部24a3を周方向に等間隔に有し、これら凸部24a3の夫々に厚み方向に貫通する固定孔24eを設けて形成されている。前記のように有効磁路Eを外れた位置に固定孔24eを有する凸部24a1、24a2又は24a3を設けた図5(A)〜図5(D)のヨーク24aにおいては、固定孔24eによって有効磁路Eが狭められることがないので、必要な有効磁路Eを確保でき、よって、電動機部11の性能低下をもたらすことがない。
【0039】
前記永久磁石24b、24cは円弧状に成型されたセグメント形であって、これらはヨーク24aの内周面に相対向して装着されている。永久磁石24b、24cには、フェライト磁石、希土類磁石、又はこれらをプラスチックに混ぜて成形してなる複合磁石等を用いることができる。
【0040】
前記バッテリーから供給される直流を前記整流子25とともに交流に変換する一対のブラシ装置26は、図2に示すようにブラシ27、導電性のブラシホルダ28、及びコイルばね29を備えて形成されている。ブラシ27には、主成分である黒鉛に銅粉などの添加物を適宜入れたものを合成樹脂バインダで角柱形に固めてなるカーボンブラシを好適に使用でき、このブラシ27の一端部にはピッグテール27aが接続されている。ブラシ27が移動可能に収容されるブラシホルダ28は、黄銅板や亜鉛鉄板等の金属板によりブラシ形状に応じた角筒状(図3参照)に形成されている。このホルダ28の長手方向の一端には、この一端開口を略閉じるようにばね受け28aが一体に折り曲げられており、又、ホルダ28の長手方向の他端は開口されている。ブラシホルダ28に収容されるコイルばね29は、その内部にピッグテール27aを収めて、このピッグテール27aが突出されたブラシ27の端面とばね受け28aとの間に挟設されている。
【0041】
図2に示すように送風部12は、金属製の遠心型ファン31及びこれを覆う金属製ファンカバー32を備えて構成されている。ファン31は回転子軸21aの軸受23を貫通した軸端部に、この軸端部に螺合して締付けられたナット33により連結されている。ファンカバー32は、ファン31の吸込み口に入り込む中央開口32aを有している。
【0042】
ファン31の外周部の出口から吐出された風をディフューザ作用により静圧化して下流の固定子24側に導くために用いられる前記送風整流体13は、ファン31と前記固定子24との間に配置されている。この送風整流体13は、電動送風機3の基体となる部材であって、本実施形態では、電気絶縁材製、例えば好ましい例として耐熱性の合成樹脂により以下のように形成されている。
【0043】
図3及び図4に示すように送風整流体13は、円形をなし、その外周に外側に張出すフランジ41を有し、かつ、中央部に回転子軸21aが貫通する軸通孔42(図2参照)を有しているとともに、前記中央部裏面に軸通孔42より大径な軸受ブラケット部43を有している。更に、送風整流体13の外周部には、ファン31から吐出された風を受入れる複数の風入口44が周方向に等間隔に設けられている。そして、送風整流体13の裏面には、夫々円弧状をなす整流ブレード45が各風入口44から軸受ブラケット部43に向けて設けられていて、隣接する整流ブレード45相互間は整流風路Pとして形成されている。各整流風路Pの一端部はいずれも対応する風入口44で形成されており、又、各整流風路Pの他端部(終端部)はいずれも軸受ブラケット部43に対向している。これらの整流風路Pは、送風整流体13の外周部の風入口44から導入された風を、送風整流体13の中央部の軸受ブラケット部43に向けて導く。
【0044】
図2〜図4に示すように送風整流体13の裏面には固定子支え46が設けられている。固定子取付け凸部46は例えば4本設けられている。これら固定子取付け凸部46は、整流風路Pに導かれる風に対する風路抵抗が極力少なくなるように、円筒状をなしているとともに、整流ブレード45の中間部から前記固定子24側に向けて一体に突設されている。各固定子取付け凸部46の先端に開口する内空部はねじ受け孔として用いられ、この孔の整流ブレード45側端部は閉じられている。
【0045】
図4等に示すように送風整流体13の裏面には、軸受ブラケット部43の径方向両側に位置して、第1、第2の回り止め47、48と、第1、第2の位置決49、50と、ねじ受け51とが夫々設けられている。
【0046】
後述のように送風整流体13の裏面に直に接して支持されるブラシ装置26を所定位置に保持する両回り止め47、48は、いずれも送風整流体13の裏面から一体に突出する突起からなる。一対の第1の回り止め47は、いずれもブラシホルダ28の整流子側端部における回転子21の回転方向下流側側面を支持するように、対応する位置の整流ブレード45における軸受ブラケット部43側端部の側面から一体に突設されている。一対の第2の回り止め48は、いずれもブラシホルダ28の反整流子側端部における回転子21の回転方向上流側側面を支持するように、送風整流体13の裏面から一体に突設されている。なお、図4中矢印は回転子21の回転方向を示している。
【0047】
一対の第1の位置決め49は、いずれも第1の回り止め47に対応して、これら回り止め47との間にブラシホルダ28の整流子側端部を挟むように他の整流ブレード45における軸受ブラケット部43側端部の側面から一体に突設されている。一対の第2の位置決め50は、いずれも第2の回り止め48に対応して、これら回り止め48との間にブラシホルダ28の反整流子側端部を挟むように送風整流体13の裏面から一体に突設されている
一対のねじ受け51は、いずれも第2の位置決め50の近傍に位置して、対応する位置の整流ブレード45における軸受ブラケット部43側端部から一体に突設されている。これらのねじ受け51の高さはブラシホルダ28の高さ(つまりブラシ装置26の厚み)と同じであるとともに、両ねじ受け51はいずれもブラシホルダ28に接する平面とは直角なブラシ位置決め面51a(図4参照)を有している。なお、このねじ受け51は例えばブラシホルダ28に接するように設けられるので、第2の位置決め50は省略してもよい。
【0048】
図2及び図3中55は端子金具を兼ねる押さえ具を示し、これはL形状をなし、その一片がねじ56によりねじ受け51に固定される。この押さえ具55の他片は前記バッテリーに電気的に接続される。更に、図2及び図3中57は金属製又は合成樹脂製の軸受ブラケットを示している。このブラケット57は前記固定孔24eに個別に対応する4つの固定片57aを有し、これら固定片57aの夫々にはねじ58が通される。
【0049】
次に、前記電動送風機3の組立てについて説明する。
【0050】
まず、送風整流体13の軸受ブラケット部43内には予め軸受23を嵌着して置くとともに、軸受ブラケット57にも予め軸受22を嵌着して置く。そして、回転子21の回転子軸21aにおける整流子25側の軸端部を軸受23に送風整流体13の裏側から挿通させて、回転子21を送風整流体13に仮組みする。次に、ブラシ装置26の整流子側端部を、第1の回り止め47と第1の位置決め49との間に嵌合するとともに、ブラシ装置26の反整流子側端部を、第2の回り止め48と第2の位置決め50及びねじ受け51の間に嵌合して、両ブラシ装置26を送風整流体13に仮組みする。この場合、ブラシ装置26のブラシ27はコイルばね29の付勢力により整流子25の外周面に軽く押付けられる。
【0051】
この後、固定子24の内側に回転子21を通しながら、その一方の軸受23を送風整流体13の軸受ブラケット部43内に嵌合支持させるとともに、前記回転子前記固定子24の四隅をなしている前記各凸部24a1、24a2を、夫々4本の固定子取付け凸部46上に載置する。次に、この固定子24上に軸受ブラケット57を載せるとともに、このブラケット57に予め取付けられている軸受22に回転子軸21aの他端部を挿入させる。そして、4本のねじ58を軸受ブラケット57の固定片57a及びヨーク24aの固定孔24eに通して対応する固定子取付け凸部46のねじ受け孔にねじ込む。
【0052】
それにより、固定子24が、送風整流体13の裏側(送風下流側)に固定子取付け凸部46の根元から先端(固定子支持部)までの長さに応じて各整流ブレード45の側面45aから離れて支持される。固定子24を基準にして言い換えれば、この固定子24より送風上流側に送風整流体13が、その整流ブレード45の側面45aを固定子24側に向けて配置される。以上の組立てにより、送風整流体13と固定子24との間には、整流部、つまり、整流子25とブラシ装置26とを配置するためのスペースが確保され、このスペースは送風整流体13および固定子24と各固定子取付け凸部46とで囲まれる開口を通して外部に開放されている。しかも、前記ねじ58による連結によって、固定子24を貫通した回転子21が送風整流体13と軸受ブラケット57とにわたって軸受22、23を介して回転自在に両端支持される。この段階で回転子21に固定されている整流子25は、送風整流体13の軸受ブラケット部43の間近に配置される(図2、3参照)。
【0053】
次に、先に仮付けした一対のブラシ装置26の夫々を整流子25側に寄せる。この場合、図4に示すようにブラシホルダ28の側面からほぼ直角に切起こしたストッパ片28bを、ねじ受け51のブラシ位置決め面51aに当てて位置決めする。それにより、ブラシ装置26が所定位置に配置されるとともに、それに伴い圧縮されたコイルばね29の付勢力により、ブラシ27が適正圧力で整流子25の外周面に押付け保持される。
【0054】
そして、この状態を保持したままで、ブラシホルダ28とねじ受け51とにわたって押さえ具55の一片を重ねて、この一片をねじ56によりねじ受け51に固定する。それに伴い、ブラシホルダ28が固定子24側から押さえ付けられて、送風整流体13に支持される。
【0055】
このようにして送風整流体13の裏面に固定されたブラシ装置26は、送風整流体13と固定子24との間に配置されて、そのブラシホルダ28の一面(送風整流体13側の面)を、図2に示すように送風整流体13の周部裏面13a及びこの面13aと同一高さ位置にある整流ブレード45の固定子側に向いた側面45aに直接接触させて設けられる。
【0056】
このように配置されたブラシ装置26は、送風整流体13を裏側から見たときに図4に示すように例えば1枚の整流ブレード45を横切って設けられているので、前記整流ブレード45を挟む整流風路Pに臨んでいる。又、一対のブラシ装置26は、図2及び図4に示すように送風整流体13の外周の内側に配置されており、したがって、電動送風機3を正面から見たときの送風部12の投影領域内に一対のブラシ装置26が配置されている。この構成では、電動送風機3の取扱いにおいてブラシ装置26が損傷を受ける可能性が少なくできるとともに、電動送風機3を掃除機本体2に組込む際に、ブラシ装置26が引っ掛って邪魔になることが少ないので、容易に組込むことができる点で有利である。
【0057】
又、以上のようにして送風整流体13に電動機部11を組付けた後には、送風整流体13の軸通孔42を貫通している電動機部11の回転子軸21aにファン31を通して、このファン31をナット33を介して回転子軸21aに固定する。この後、ファン31を覆うファンカバー32を送風整流体13の外周部に嵌合して取付ける。この場合の嵌合深さは、ファンカバー32の開口縁が送風整流体13のフランジ41に当ることによって適正に規制される。
【0058】
以上の手順により電動送風機3が組立てられる。組立てが完了した状態は図2に示されている。
【0059】
前記構成の電動送風機3は図示しないバッテリーから供給される電流値の大きな直流が印加されることにより駆動される。この駆動に伴い電動送風機3は、ブラシ27での抵抗に応じて発熱するとともに、このブラシ27と整流子25との間で発生するスパークを原因として発熱する。なお、これらの主たる発熱の他、アーマチャコイル21cでも発熱し、又、軸受22、23と回転子軸21aとの間でも摩擦により発熱をするが、この摩擦発熱の程度は前記主たる発熱に比較して格段に小さい。しかも、この電動送風機3の電動機部11は永久磁石24b、24cによってフィールドを形成するDCモータであるから、固定子24は殆ど発熱しない。
【0060】
そして、前記DC駆動に伴いファン31の回転による送風作動が営まれる。この場合、ファンカバー32の開口32aからファン31に吸込まれて、このファン31の外周部の出口から吐出される風は、ファンカバー32の内周面に沿って旋回しながら送風整流体13の各風入口44に導入された後、この整流体13の各整流風路Pでのディフューザ作用によって静圧化されながら軸受ブラケット部43側に向けて導かれつつ、各整流風路Pから固定子24に向けて流出される。このような送風作用により既述の掃除が行なわれる。
【0061】
以上の送風経路によれば、ファン31から吐出されて送風整流体13を通って直後の勢いのある風が、整流風路Pの一部に空間を置くことなく直接に臨んでいる一対のブラシ装置26の夫々に吹き当りながら固定子24側に流出するとともに、その一部は図2において軸受ブラケット部43の直下に位置する整流子25にも吹き当るので、一対のブラシ装置26及び整流子25の夫々を高速の風によって冷却できる。しかも、発熱するアーマチャコイル21cは、一対のブラシ装置26及び整流子25よりも下流側に位置しているので、前記コイル21c等の発熱箇所で温められた風が一対のブラシ装置26に吹付けられることがない。そのため、一対のブラシ装置26及び整流子25を効果的に空冷して、それらの温度上昇を抑制できる。特に、本実施形態ではブラシ装置26のブラシホルダ28が金属製で熱伝導性が良いので、その内面に接しているブラシ27の熱をブラシホルダ28を介して速やかに放出できる。
【0062】
しかも、第1の回り止め47とこれに対応する第1の位置決め49とが、これらが挟んだブラシ装置26の整流子側端部とともに一部の整流風路Pの終端部を閉じている(図4参照)から、この整流風路Pに導かれた風が整流子25側に吹き抜けることがなくなり、前記整流風路Pを流れる風を積極的に整流子25及びブラシ装置26に吹き当てることができる。
【0063】
したがって、既述のように大電流が流されるにも拘らず、このブラシ装置26及び整流子25の寿命低下、ひいては電動機部11の寿命低下を来たすことがない。このように電動送風機3のDC電源であるバッテリーで大電流を流して入力を大きくできるから、この電動送風機3を用いることによってキャニスタ型電気掃除機1に十分適する大きな吸込み仕事率を得ることができる。しかも、以上のように入力を大きくするのにバッテリーの電圧を高くする必要がないから、掃除機本体2へのバッテリーの搭載本数を少なくできる。したがって、掃除機本体2のバッテリー収容部を小さくできるに伴い、この本体2を小型化する場合に有利であるとともに、掃除機本体2の移動を軽く行なわせることができる。
【0064】
又、既述のようにブラシ装置26及び整流子25を、ファン31で送風される風で、回転子21のアーマチャコア21b及びアーマチャコイル21c及び固定子24より上流側で空冷した風は、その直後に回転子21のアーマチャコア21b及びアーマチャコイル21c及び固定子24に吹き当ってから、主に固定子24の送風整流体13と対向する面に沿って、この固定子24の周囲に放出される。こうした風の流れによって、発熱するアーマチャコア21bを空冷してその温度上昇を抑制できる。これとともに、ブラシ27の摩耗粉を以上の風の流れによって固定子24の周囲に吹き飛ばすことができるから、前記摩耗粉が回転子21及び固定子24に付着し堆積することが防止される。
【0065】
以上の風の流れにより、固定子24より下流の軸受ブラケット57側には前記摩耗粉が到達することは少ない。そして、軸受ブラケット57側にブラシ27の摩耗粉が付着堆積することがあっても、軸受ブラケット57回りにはブラシ装置26が存在しないので、異極のブラシ装置26同士が前記摩耗粉によって短絡する恐れがない。すなわち、この電動送風機3においては、ブラシ27の摩耗粉による絶縁不良の恐れがないものである。又、軸受ブラケット57はブラシ装置26を支持しないので、その材質的な制約がなく、金属又は合成樹脂製とすることができる。
【0066】
前記運転に伴い、一対のブラシ27は整流子25の回転方向に引き摺られようとするが、これらブラシ27を収容しているブラシホルダ28はその両側面を第1、第2の回り止め47、48で支持されているので、ブラシ装置26が整流子25によって不用意に所定位置から動かされることがない。このようにブラシ装置26の不用意な動きを防止するので、適正な整流作用が営まれるように整流子25とブラシ装置26との位置関係が保持されて、整流子25とブラシ27との間でのチャタリングの発生を防止できる。
【0067】
更に、金属よりも強度が低い合成樹脂製の送風整流体13がその裏面に一体に有した各固定子取付け凸部46は、これに連結した固定子24とファン31の整流ブレード45との間に整流子25及びブラシ装置26を配設するスペースを確保しており、そのために、各固定子取付け凸部46はある程度の長さを有している。そして、各固定子取付け凸部46にわたって固定された固定子24と、この固定子24の中央部を貫通して配置された回転子21のアーマチャコイル部との間には、磁気的な吸引・反発作用が繰り返し働き、それに伴い固定子24は動かされようとする。
【0068】
しかし、ある程度長く、それ故に変形可能性が高い固定子取付け凸部46は、4本設けてあって、これらにわたって固定子24を取付けたから、前記磁気的な吸引・反発作用の繰り返しに拘らず、各固定子取付け凸部46がその根元を中心に固定子24を伴って振動することを互いに抑制して、固定子24が振動しないようにこれを確実に支持できる。そのため、固定子24に軸受ブラケット57及び軸受22を介して支持されている回転子21の動揺が抑制されるので、適正な整流作用が営まれるように整流子25とブラシ装置26との位置関係が保持されて、整流子25とブラシ27との間でのチャタリングの発生を防止できる。そして、既述のように固定子24及び回転子21の動揺(振動)が抑制されるので、寿命低下が防止されるとともに、電動機部11での騒音、ひいては電気掃除機1の運転騒音を低減できる。
【0069】
又、前記構成の電動送風機3では、送風整流体13を電気絶縁性の合成樹脂製とし、この送風整流体13の裏面にブラシ装置26の金属製ブラシホルダ28を直に接触させて支持したので、ブラシ装置26を支持するための部品を他に要しないとともに、ブラシ装置26と送風整流体13との間に電気絶縁措置を講じる必要がない。そのため、部品点数が少なく構成が簡単となり、かつ、コストも低減できる。
【0070】
しかも、押さえ金具55でブラシ装置26の端子金具を兼用したから、前記両金具を別々に設ける必要がない。この点においても、部品点数が少なく構成が簡単となりコストを低減できる。
【0071】
更に、前記構成の電動送風機3は、送風整流体13に軸受ブラケット部43を設けて、そこに一方の軸受23を嵌め込んで支持したから、この軸受23を支持するために特別な軸受ブラケットが不要である。そのため、この点においても、部品点数が少なく構成が簡単となりコストを低減できる。
【0072】
図6及び図7は本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態は、基本的には第1実施形態と同じであるので、同一構成については第1実施形態と同一符号を付してその説明を省略し、以下第1実施形態とは異なる構成について説明する。
【0073】
この第2実施形態では送風整流体13をアルミダイキャスト成形品等よりなる金属製としてあり、その裏面には、固定子24方向に突出する2本の固定子取付け凸部46と、振動抑制補助手段としての2本の支え146とが夫々一体に設けられている。これらの固定子取付け凸部46及び支え146はいずれも同じ太さ及び長さの柱状であって、支え146にはねじ受け孔は設けられていないが、同様な孔を設けることもできる。
【0074】
固定子24のヨーク24aが有する固定孔24eは対角線方向に一対のみ設けられていて、これらを通るねじ58により、固定子24が2本の金属製固定子取付け凸部46にわたって取付けられている。この取付けに伴い、前記固定孔24eが設けられた凸部24a1とは別の対の凸部24a2に、支え146の先端面が夫々当接され、こうして2本の固定子取付け凸部46と2本の支え146とにわたって固定子24が支持されている。
【0075】
金属製の送風整流体13を採用した関係で、金属製のブラシホルダ28と送風整流体13の裏面との間には絶縁層71が設けられている。この絶縁層71は、例えばシート状のゴム板で作られていて、ブラシホルダ28の送風整流体13側の面よりも大きい。又、ブラシ装置26を固定しかつ端子金具を兼ねる押さえ具55を送風整流体13のねじ受け51にねじ止めするねじ156には、合成樹脂製のねじが用いられている。これらにより、金属製の送風整流体13の裏面にブラシ装置26が電気絶縁状態に取付けられている。なお、以上の点以外の構成は、図6及び図7に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。
【0076】
この第2実施形態においても、送風整流体13がその裏面に一体に有した2本の固定子取付け凸部46と2本の支え146とは、これらにわたって支持された固定子24とファン31の整流ブレード45との間に整流子25及びブラシ装置26を配設するスペースを確保するために、ある程度の長さを有している。しかし、固定子取付け凸部46は送風整流体13と一体に作られているために、第1実施形態の固定子取付け凸部46に比較して強度が格段に強く、容易に変形しない。そのため、電動送風機3の運転時において固定子24と回転子21のアーマチャコイル部との間に繰り返し働く磁気的な吸引・反発作用に拘らず、2本の固定子取付け凸部46がその根元を中心に固定子24を伴って振動することを互いに抑制でき、それにより、固定子24を振動しないように確実に支持できる。更に、2本の支え146によっても固定子24が動揺しないように支持しているので、これら支え146でのストッパ作用により固定子24が振動しようとすることを一層抑制できる。
【0077】
したがって、固定子24に軸受ブラケット57及び軸受22を介して支持されている回転子21の動揺が抑制されるので、適正な整流作用が営まれるように整流子25とブラシ装置26との位置関係が保持されて、整流子25とブラシ27との間でのチャタリングの発生を防止できる。しかも、既述のように回転子21及び固定子24の振動が抑制されるので、寿命低下が防止されるとともに、電動機部11での騒音、ひいては電気掃除機1の運転騒音を低減できる。又、重複説明を省略するが、この第2実施形態においても、ブラシ装置26を、送風整流体13の裏面に支持して固定子24と送風整流体13殿間に配置したので、ブラシ27の寿命低下を来たすことなく入力を大きくでき、かつブラシ27の摩耗粉による絶縁不良を改善できる等、第1実施形態と同様な作用効果を奏する。
【0078】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0079】
請求項1、2の発明によれば、送風整流体から流出される風によってブラシ装置を効果的に冷却して、その温度上昇を抑制するので、大電流を流しても、ブラシ装置ひいては電動機部の寿命低下を来たすことがなく、それにより入力を大きくできる。しかも、ブラシ摩耗粉によって異極のブラシ装置同志が短絡する恐れがないので、ブラシ摩耗粉による絶縁不良を改善できる。又、固定子とアーマチャコイル部との間に働く磁気的な吸引・反発作用の繰り返しに拘らず、振動を小さく抑制できる。更に、回転子軸を支持するファン側の軸受用の軸受ブラケットを省略できるので、構成が簡単でコストを低減できる等の効果を有する電動送風機を提供できる。
【0080】
請求項3の発明によれば、振動を更に小さく抑制できる電動送風機を提供できる。
【0082】
請求項4の発明によれば、低いDC電源電圧でブラシに大電流を流してもこのブラシ等の寿命を損ないずらいから、長寿命でかつ高入力のDC電源駆動式の電動送風機を提供できる。
【0083】
請求項5の発明によれば、固定子のヨークにおける有効磁路の減少による電動機部の性能低下がもたらされることがないとともに、ヨークの材料取りが良い電動送風機を提供できる。
【0084】
請求項6の発明によれば、寿命低下を来たすことなく入力を大きくできるとともに、ブラシ摩耗粉による絶縁不良を改善でき、しかも振動を小さく抑制できる請求項1〜5の内のいずれかに記載の電動送風機を備えるから、吸込み仕事率を向上できる電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気掃除機を示す斜視図。
【図2】図1の電気掃除機が備える電動送風機を一部断面して示す側面図。
【図3】図2の電動送風機を分解して示す斜視図。
【図4】(A)は図2中Z−Z線に沿って示す断面図。
(B)は図4(A)において押さえ金具を取除いて示す図4(A)相当の断面図。
【図5】(A)〜(D)は図2の電動送風機に使用可能な夫々異なる固定子を示す平面図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る電動送風機を一部断面して示す側面図。
【図7】図6の電動送風機を分解して示す斜視図。
【符号の説明】
1…電気掃除機
2…掃除機本体
3…電動送風機
11…電送機部
12…送風部
13…送風整流体
21…回転子
21a…回転子軸
21c…アーマチャコイル
22、23…軸受
24…固定子
24a…ヨーク
24a1…ヨークの第1の凸部
24a2…ヨークの第2の凸部
A、B…直線
θ1…第1交差角度
θ2…第2交差角度
24b、24c…永久磁石
24e…固定孔
25…整流子
26…ブラシ装置
27…ブラシ
27a…ピッグテール
28…ブラシホルダ
28a…ばね受け
29…コイルばね
31…ファン
32…ファンカバー
43…軸受ブラケット部
44…風入口
45…整流ブレード
45a…整流ブレードの側面
P…整流風路
46…固定子路値付け凸部
57…軸受ブラケット
58…ねじ
146…支え

Claims (6)

  1. 回転子軸を有する回転子、前記回転子軸を支持する軸受、前記回転子を囲む固定子、前記回転子軸に固定された整流子、及びこの整流子に押付けられるブラシ付きブラシ装置を備える電動機部と、
    前記回転子軸に連結されたファン及びこのファンを覆うファンカバーを備える送風部と、
    前記ファンカバーの内側に入り込んだ外周部に設けられ前記ファンから吐出される風を受入れる複数の風入口、及びこの風入口を通過した風を導く整流風路を互いの間に形成する複数の整流ブレードを有して、この整流ブレードを前記固定子側に向けて前記ファンと前記固定子との間に配設される送風整流体とを具備する電動送風機において、
    前記送風整流体を電気絶縁材製とし、前記軸受のうち前記ファン側の軸受が嵌合して取付けられる軸受ブラケット部を、前記送風整流体の中央部に一体に設け、前記送風整流体に前記固定子側に向けて突出する3以上の固定子取付け凸部を一体に設け、これら凸部にわたって前記固定子を取付けて、この固定子と前記整流ブレードとの間でかつ前記固定子取付け凸部間に位置して前記整流子を配置するとともに、前記固定子と前記送風整流体との間に配置される前記ブラシ装置を、前記整流ブレードに直接接触させて前記送風整流体の裏面に固定して、前記整流ブレードを挟む前記送風整流体の整流風路に前記ブラシ装置全体を臨ませたことを特徴とする電動送風機。
  2. 回転子軸を有する回転子、前記回転子軸を支持する軸受、前記回転子を囲む固定子、前記回転子軸に固定された整流子、及びこの整流子に押付けられるブラシ付きブラシ装置を備える電動機部と、
    前記回転子軸に連結されたファン及びこのファンを覆うファンカバーを備える送風部と、
    前記ファンカバーの内側に入り込んだ外周部に設けられ前記ファンから吐出される風を受入れる複数の風入口、及びこの風入口を通過した風を導く整流風路を互いの間に形成する複数の整流ブレードを有して、この整流ブレードを前記固定子側に向けて前記ファンと前記固定子との間に配設される送風整流体とを具備する電動送風機において、
    前記送風整流体を金属製とし、前記軸受のうち前記ファン側の軸受が嵌合して取付けられる軸受ブラケット部を、前記送風整流体の中央部に一体に設け、前記送風整流体に前記固定子側に向けて突出する2以上の固定子取付け凸部を一体に設け、これら凸部にわたって前記固定子を取付けて、この固定子と前記整流ブレードとの間でかつ前記固定子取付け凸部間に位置して前記整流子を配置するとともに、前記固定子と前記送風整流体との間に配置される前記ブラシ装置を、前記整流ブレードに絶縁層を介して電気絶縁状態に配置させて前記送風整流体の裏面に固定して、前記整流ブレードを挟む前記送風整流体の整流風路に前記ブラシ装置全体を臨ませたことを特徴とする電動送風機。
  3. 前記送風整流体と前記固定子との間にこれらに挟まれる1 以上の支えを前記送風整流体に一体に設けたことを特徴とする請求項2に記載の電動送風機。
  4. 前記電動機部を永久磁石フィールドを有するDCモータとしたことを特徴とする請求項1〜3の内のいずれか1項に記載の電動送風機。
  5. 前記固定子のヨークが、その有効磁路の外側に位置し径方向に沿って互いに逆向きに突出する2対の凸部を有するとともに、その内の一方の対の凸部を結ぶ直線と他方の対の凸部を結ぶ直線とがなす第1交差角度が鋭角で第2交差角度が鈍角となっている形状であって、かつ、少なくとも一方の対の凸部に前記固定子取付け凸部との連結用固定孔を設けたことを特徴とする請求項4に記載の電動送風機。
  6. 集塵室を有する掃除機本体に内蔵された請求項1〜5の内のいずれか1項に記載の電動送風機を備えることを特徴とする電気掃除機。
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