JP3808204B2 - アセトアルデヒドが低減された非耐熱性容器及びその成形方法 - Google Patents

アセトアルデヒドが低減された非耐熱性容器及びその成形方法 Download PDF

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  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アセトアルデヒドが低減された容器及びその成形方法に関し、特に、食品包装用に用いられるポリエステル樹脂製の容器特に非耐熱性容器の成形方法及び非耐熱容器に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、ミネラルウォーターや炭酸飲料等の容器として、ポリエチレンテレフタレートなどの飽和ポリエステルを二軸延伸ブロー成形して得られる容器(PETボトル)が広く用いられている。
【0003】
このような容器に用いられるポリエステル樹脂には、その材料中にアセトアルデヒドを含有していることが知られている。このアセトアルデヒドは、ポリエステル材料中に含有されているもののほか、射出成形時や押出し成形時の滞留やせん断発熱などによってポリエステルが熱分解することで新たに生成されるものである。
【0004】
このアセトアルデヒドは、特有の香りを持った有機物であり、ポリエステルを容器の成形材料として選択した場合、内容物の味覚に影響を与えるという問題を提起する。
【0005】
このため、容器中のアセトアルデヒドをできる限り低減することが望まれており、このアセトアルデヒドの低減に関する提案はこれまでにも数多くなされてきた。
【0006】
それらの提案のほとんどは、ポリエステル材料中に存在するアセトアルデヒドの低減に関するものであり、その提案のいくつかは市販の材料でも実績があるが、通常の材料よりも非常に高価で、製品がコスト高になってしまう。
【0007】
しかも、このような高価な材料を用いても、射出成形時等に発生するアセトアルデヒドを飛躍的に低下させることはできなかった。
【0008】
また、本願出願人は、特公平6−88314号公報、特公平8−5118号公報及び特公平6−55418号公報に示される耐熱容器の製造方法を提案しっている。
【0009】
これらの提案は、いずれもプリフォームを延伸ブロー成形して容器形状の一次ブロー成形品を成形し、この一次ブロー成形品を加熱炉内で加熱して結晶化度を向上させ、また、加熱により熱収縮を行わせた後、最終成形品である耐熱容器に延伸ブロー成形するものである。
【0010】
特に、特公平6−88314号公報及び特公平8−5118号公報の製造方法は、加熱によってアセトアルデヒドの発生を著しく低減することができるという画期的なものである。
【0011】
しかし、この製造方法においては、一次ブロー成形品を長い加熱炉を通過させることで、20〜120秒、好ましくは30秒以上という比較的長い時間をかけて加熱するようにしている。
【0012】
このように加熱に比較的長い時間を要すると、成形サイクルが長くなって、時間当たりの生産量が低下し、ランニングコストが高くなる。また、加熱炉を用いて加熱を行うと、装置の全長が長くなって、装置が大型化し、設備費や維持費が高くなる。これらは、結果として容器の単価を高くしてしまうこととなる。
【0013】
耐熱容器であれば、耐熱性という付加価値があるため、非耐熱性容器と比べて高価であっても良いが、非耐熱性容器はよりコストダウンしなければならない。
【0014】
このため、特に非耐熱性容器にてアセトアルデヒドを低減する試みは、成形材料と射出条件の選択によるほかなく、それによってもアセトアルデヒドの低減には限界があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、特に耐熱性が求められない容器の成形方法にあえて耐熱性容器の成形方法を採用し、しかも耐熱容器の成形方法よりも加熱時間を大幅に短縮しながらもアセトアルデヒドを低減することができる容器及びその成形方法を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、一次ブロー成形品を薄肉化して加熱時間を短縮することにより、装置の大型化や生産量の低下を招くことなく、アセトアルデヒドの低減を効率よく行うことのできる容器及びその成形方法を提供することにある。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、一次成形品を接触加熱することで、より一層加熱時間を短縮して、成形効率をより向上させることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、ポリエステル樹脂製のプリフォームを一次ブロー金型内で一次ブロー成形品に延伸ブロー成形する一次ブロー成形工程と、
前記一次ブロー成形品を加熱した金型の内面に接触させ、一次ブロー成形品からアセトアルデヒドを低減させるアセトアルデヒド低減工程と、
アセトアルデヒド低減された一次ブロー成形品を最終容器に延伸ブロー成形する最終ブロー成形工程と、
を有し、
前記一次ブロー成形工程、大きさが前記最終容器より大きく、延伸された胴部の平均肉厚が前記最終容器の胴部の平均肉厚よりも薄い0.3mm以下の一次ブロー成形品を成形し、
前記アセトアルデヒド低減工程により、内壁からのアセトアルデヒドの現出量を低減させた、65℃以下の内容物を充填するための非耐熱性容器を成形することを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、通常の樹脂材料または低アセトアルデヒドの樹脂材料を用いて成形されたプリフォームを、一次ブロー成形品に延伸ブロー成形し、この一次ブロー成形品をアセトアルデヒド低減処理することで、アセトアルデヒド現出量の極めて低い非耐熱性容器を容易に成形することができる。
【0020】
特に、一次ブロー成形品は最終容器より大きく、その胴部の平均肉厚は、最終容器よりも薄い0.3mm以下となっており、極めて薄い状態であるため、アセトアルデヒド低減工程での加熱を短時間で行え、生産性を向上させることができる。その上、最終容器の内壁からのアセトアルデヒド現出量を低減させることができ、効率的なアセトアルデヒドの低減処理を行うことができる。また、加熱が短時間ですむので、加熱のためのスペースも少なくてすみ装置の小型化、低コスト化が可能となる。
【0021】
さらに、最終ブロー成形工程前にアセトアルデヒド低減のために加熱されるため、最終ブロー成形時における賦形性が向上することとなる。
【0022】
このようにして得られる容器は、耐熱性はさほど得られないため、65℃以下の温度にて内容物特にミネラルウォータなどの飲料または飲食物が充填される非耐熱性容器として好適に使用できる。アセトアルデヒド特有の芳香が大幅に低減されるからである。
【0023】
ここで、胴部の平均肉厚が0.3mm以下の一次ブロー成形品を延伸ブロー成形して得られる最終容器の胴部の平均肉厚は、0.3mm未満であることが好ましい。
【0024】
最終容器の胴部の平均肉厚は、0.3mm未満とするには、より一層一次ブロー成形品の胴部の平均肉厚が薄くなり、アセトアルデヒドの低減処理に要する時間を短縮して、成形効率を向上させることができる。
【0025】
アセトアルデヒド低減工程は、加熱温度140℃以上にて一次ブロー成形品を加熱する工程を含むことが好ましい。加熱温度140℃を境にして、それ以上の温度でアセトアルデヒドが急激に減少するからである。この場合、一次ブロー成形品を加熱する加熱時間6秒以下に短縮できる。また、加熱時間を190℃以上とすれば、加熱時間1秒以下となる。このように、極めて短時間で、高いアセトアルデヒドの低減効果を得ることができ、より一層生産性を向上させることができる。
【0026】
アセトアルデヒド低減工程では、1次ブロー成形品のアセトアルデヒド現出量が0.0040μg/cm以下となるように、一次ブロー成形品を加熱することが好ましい。こうすると、最終ブロー成形後の最終容器を22℃で24時間保管した状態での単位表面積あたりのアセトアルデヒド現出量を、0.0020μg/cm2以下まで低減できる。
【0027】
アセトアルデヒド低減工程では、一次ブロー成形品と実質的に同じ大きさの加熱された金型内面に前記一次ブロー成形品を接触させて加熱することが好ましい。
【0028】
一次ブロー成形品の薄肉の胴部を一次ブロー成形品と実質的に同じ大きさの加熱された金型内面に接触させて加熱することで、加熱時間を短縮して生産性を向上させることができる。しかも、加熱のためのスペースは金型分のスペースですむため、ブロー成形機の小型化に寄与でき、低コスト化を図ることができる。
【0029】
ここで、前記一次ブロー成形工程で、表面積に対する重量の割合が0.06g/cm以下になるように前記一次ブロー成形品を成形することを特徴とする。
【0030】
表面積に対する重量の割合が0.06g/cm以下とすると、一次ブロー成形品の胴部の平均肉厚が極めて薄くなる。このため、アセトアルデヒド低減工程での加熱を短時間で行え、生産性を向上させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施の形態に係る容器の成形方法を示す図である。図1では、プリフォーム10のネック部10aを下向きとした倒立状態で搬送し、一次ブロー成形品12を経て最終容器14を成形する方法を示している。
【0033】
図1の第1工程は、プリフォーム10の射出成形工程を示しており、第2工程は、プリフォーム10を容器の形態を有する一次ブロー成形品12に一次ブロー成形する工程を示している。第3工程は、一次ブロー成形品12に対してアセトアルデヒド低減処理を行うアセトアルデヒド低減工程を示している。そして、第4工程は、アセトアルデヒドの低減された一次ブロー成形品12を最終容器14にブロー成形する最終ブロー成形工程を示している。
【0034】
プリフォーム10は、ポリエステル樹脂を射出成形して得られる。このプリフォーム10は、最終容器14の所望の品質、容器に応じて、肉厚、長さ等が設定される。
【0035】
ポリエステル樹脂は、市販の低アセトアルデヒドを目的としたもの、あるいは、低アセトアルデヒドを目的としていない通常のもののいずれをも採用できる。
【0036】
また、プリフォーム10は、射出成形時の温度を保有した状態にて、あるいは、予め射出成形されたものを加熱して延伸ブロー成形に適した温度に調整された後に、一次ブロー成形品12に二軸延伸ブロー成形される。
【0037】
非耐熱性容器を成形するために用いるプリフォーム10の重量は、最終容器14の容器が500mlの場合に14〜25g、1000mlの場合で22〜35g、1500mlの場合で30〜45gであり、耐熱性容器を成形するために用いるプリフォームの重量より軽い。ちなみに、耐熱性容器を成形するために用いるプリフォーム10の重量は、最終容器14の容量が500mlの場合に30〜45g、1000mlの場合で45〜50g、1500mlの場合で55〜60gである。
【0038】
一次ブロー成形工程では、一次ブロー金型16を用いて延伸ブロー成形を行い一次ブロー成形品12が得られる。
【0039】
この一次ブロー成形品12は、プリフォーム10に対する延伸倍率は、縦軸方向で2.2〜2.6倍である。また、一次ブロー成形品12は、最終容器14よりも大きく形成され、最終容器14に対して容量比で例えば1.15〜1.3倍程度大きく成形される。
【0040】
本実施例の一次ブロー成形工程での延伸倍率は、特公平6−88314号公報及び特公平8−5118号公報に開示された耐熱容器の成形方法での一次ブロー成形工程の延伸倍率よりも小さい。なぜなら、本実施例では耐熱性の確保は企図しないので、耐熱容器の場合ほどの高延伸は不要となるからである。また、耐熱容器の場合ほどの高延伸を実施すれば、一次ブロー成形品は肉厚が薄くなりすぎて破裂してしまうであろう。
【0041】
ちなみに、耐熱容器の場合には、一次ブロー成形品のプリフォームに対する延伸倍率は、縦軸方向で2.7〜3.0倍程度である。
【0042】
また、この一次ブロー成形品12の12a胴部の平均肉厚は、最終容器14の胴部14aの平均肉厚よりも薄く、0.3mm以下の薄肉に形成される。ここで、一次ブロー成形品12の胴部12aとは、ネック部12b(ねじ部、サポートリング等を含む)、ネック部12bの近傍の延伸度の低い厚肉部及びボトム部12cを除く領域である。一次ブロー成形品12の胴部12aの平均肉厚は、薄いほど効果的にアセトアルデヒドの減少効果を短時間の内に得やすく、平均0.3mm以下であることが好ましく、また、通常ポリエステル樹脂の延伸ブロー成形においては、0.15mm未満だと一次ブロー成形時に破裂したり白化するなどの好ましくない影響がある。従って、一次ブロー成形品12の胴部12aの平均肉厚をTとしたとき、0.15mm≦T≦0.3mmとすることが好ましい。
【0043】
より好ましくは、一次ブロー成形品12を最終ブロー成形して得られる最終容器14の胴部の平均肉厚が0.3mmよりも薄くなるように設定することで、比較的厚肉の耐熱容器の場合よりも、より短時間でアセトアルデヒドの減少効果を得ることができるようにするとよい。ちなみに、耐熱容器を成形する場合の一次ブロー成形品の胴部の平均肉厚はほぼ0.35mm以上であり、本実施例の場合よりも16%以上厚くなる。
【0044】
この胴部の平均肉厚は、ネック部12bの下(サポートリング下)20mmの位置から接地面上20mmの位置までの間の延伸された胴部の高さ方向で数段階(3〜6箇所)の位置で円周方向に数箇所(4から8箇所)を測定した平均値である。
【0045】
また、このときの一次ブロー成形品12の表面積に対する重量の割合を測定してみた。一次ブロー成形品12の重量はプリフォーム重量と一致する。また、一次ブロー成形品12の表面積は、胴部12aの他、ネック部12b及びボトム部12cを含む表面積である。本実施例での一次ブロー成形品12の表面積に対する重量の割合は、0.06g/cm2以下となる。なお、重量の割合の小さなものは、0.04g/cm2程度であり、これ未満になると、延伸ブロー成形が困難になると思われる。従って、一次ブロー成形品12の表面積をSとし、その重量をWとしたとき、0.04g/cm2≦W/S≦0.06g/cm2とすることが好ましい。ちなみに、耐熱容器の場合の一次ブロー成形品12の表面積に対する重量の割合は、0.07g/cm2程度である。
【0046】
ここで得られた一次ブロー成形品12のアセトアルデヒド現出量は、0.0030μg/cm2〜0.0080μg/cm2程度であるが、最終容器14のアセトアルデヒド現出量が、0.0020μg/cm2とするためには、一次ブロー成形品12のアセトアルデヒド現出量がほぼ0.0040μg/cm2以下となるように、プリフォーム10の成形条件や、材料の乾燥条件など、通常知られた工夫をすることが望ましい。
【0047】
アセトアルデヒド低減工程では、金型18を用いてアセトアルデヒド低減工程が行われる。金型18は、一次ブロー金型16と同一形状の内面を有し、図示せぬ加熱手段により加熱されるようになっている。
【0048】
そして、金型18内に一次ブロー成形品12を配置し、一次ブロー成形品12の内部から加圧することで、瞬時に金型18の内面に一次ブロー成形品12を接触させることができる。これにより、薄肉の胴部12aを高温で加熱することで、アセトアルデヒドの発生を低減させるようにしている。
【0049】
このアセトアルデヒド低減のメカニズムは未だ解明されていないが、高温で薄肉の胴部12aを加熱することで、アセトアルデヒドを胴部12aから放出(蒸発)させるか、あるいは、分子の配列状態の変化によってアセトアルデヒドの動きを制約するのではないかと考えられる。
【0050】
この場合、加熱温度140℃以上、加熱時間1秒〜6秒の加熱条件にて加熱を行うことが好ましい。加熱温度が120℃であると、アセトアルデヒドの低減が顕著になるまでの加熱時間は20秒以上必要となり、加熱に要する時間が長すぎて、成形効率があまりよくない。加熱温度が140℃以上では加熱時間が6秒以下となり、加熱温度190℃以上では加熱時間が1秒程度という非常に短時間でアセトアルデヒドが急激に低減する。
【0051】
また、通常、220℃を越えると一次ブロー成形品12が金型表面に付着し、その表面が肌荒れする現象が起こるので好ましくない。
【0052】
このアセトアルデヒド低減工程では、その後の最終ブロー成形工程にて得られる最終容器14のアセトアルデヒド含有値が0.0020μg/cm2以下になるまで、一次ブロー成形品120加熱することが好ましい。このアセトアルデヒド低減工程は、非常に薄い胴部12aを高温の金型18内面に接触させて行うことで、極めて短時間の内にアセトアルデヒドの発生量を半減させることができ、生産性を低下させることなく行われる。
【0053】
なお、金型18から取り出された一次ブロー成形品12は、高さ方向において最終容器14と同じか若干小さくなるように収縮する。
【0054】
最終ブロー成形工程では、最終ブロー金型20を用いて一次ブロー成形品12を最終容器14に延伸ブロー成形する。
【0055】
この場合、アセトアルデヒド低減工程で、一次ブロー成形品12が加熱され、高温状態を維持したまま延伸ブロー成形を行うことで、賦形性が著しく向上する。 さらに賦形性を向上させるために、最終ブロー金型20を20℃〜60℃程度に温調しておくとよい。
【0056】
実験例
日精エー・エス・ビー機械(株)製プリフォーム成形機PM−45を用いて、日本ユニペット(株)のブロー成形用ポリエステル樹脂(製品番号RT−543K)を溶融後、射出成形して透明なプリフォームを得た。このポリエステル樹脂は、低アセトアルデヒドを目的とした材料で、材料中に含まれるアセトアルデヒドは1ppm以下である。
【0057】
従来、射出成形して得られたプリフォームのアセトアルデヒド含有量(ppm)を低くするために、ポリエステル樹脂の固相重縮合工程での工夫や射出装置の温度管理、スクリューデザイン、スクリュー回転数、射出速度、ホットランナーデザインなどの様々な工夫がなされた。
【0058】
これらの工夫によって得られるプリフォームのアセトアルデヒド含有量は、最小でも6ppm程度で、ボトルに成形した後のアセトアルデヒド発生量が重要であるが、この程度では、ミネラルウォーター等の味覚を重要視する業界では満足できるものではない。
【0059】
この実験において、プリフォームのアセトアルデヒドの含有量を比較することはあまり重要ではなく標準的な測定規格もないが、本実験では6ppm〜10ppm程度であった。
【0060】
得られたプリフォームを日精エー・エス・ビー機械(株)製ブロー成形機HS−45−6にてブロー成形して容器を成形した。
【0061】
このブロー成形機は、プリフォームを延伸適温まで加熱する赤外線ヒータが複数配置された加熱部と、型締め機構に取り付けられた一次ブロー金型内で延伸適温のプリフォームを一次延伸ブロー成形する一次ブロー成形部と、一次ブロー金型と同じ形状をした熱処理型内で一次ブロー成形部で得られた一次ブロー成形品を熱処理する熱処理部と、熱処理して得られた高温の一次ブロー成形品を型締め機構に取り付けられた最終ブロー金型内で再度延伸ブロー成形して容量500mlの最終容器を得るものである。
【0062】
この実験で成形された一次ブロー成形品は、胴部の平均肉厚が約0.3mmで、単位表面積あたりの重量が0.06g/cm2以下であり、最終成形品よりも容量で16%程度大きく、最終ブロー成形品は、充填容量で500mlである。
【0063】
この実験では、アセトアルデヒドの低減状態を比較するために、成形された容器を22℃で24時間保管後、その容器中に発生した単位表面積あたりのアセトアルデヒド量を測定した。容器内に現出するアセトアルデヒドの量は、表面積の大きさに影響されるので、内容量の違う容器でも単位表面積あたりの現出量であれば、アセトアルデヒドの低減の度合いを比較することができる。
【0064】
この実験の熱処理型壁面温度と、熱処理時間と、最終成形品を成形直後に22℃で24時間保管したときの単位表面積あたりのアセトアルデヒド現出量を測定した実験結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0003808204
表1において、実験番号1は、熱処理を施さない一次ブロー成形品のアセトアルデヒド量を比較のために示した。
【0066】
この表1の実験結果から、アセトアルデヒドは、熱処理温度が120℃付近から低下が顕著となり、20秒ほどで0.0020μg/cm2以下まで低減できることが判明した(実験番号2)。しかし、この熱処理時間は、成形効率上、十分に満足できる時間とはいえない。
【0067】
さらに熱処理温度が140℃以上になると、急激にアセトアルデヒドは低減し、熱処理時間2秒ほどで120℃、20秒の熱処理と同等の結果が得られることが判明した(実験番号3)。
【0068】
また、熱処理温度を140℃に設定した場合、熱処理時間を6秒まで延ばすことで、アセトアルデヒドは、熱処理しない一次ブロー成形品(実験番号1)の半分以下まで低減することが判った(実験番号4)。
【0069】
プリフォームの射出成形時間分を熱処理時間に当てることができる1ステージ方式の成形機では、120℃、20秒という実験番号2の条件でも十分生産性はあるが、射出成形サイクルの影響を受けないコールドパリソン方式の装置などでは、より生産効率を向上させるため、140℃以上の熱処理温度で、6秒以下の成形サイクルを用いることが産業利用上は好ましい。
【0070】
実験番号7の結果から熱処理温度が190℃以上であれば、1秒以下の熱処理時間でも実験番号6(180℃、2秒)と同等の十分なアセトアルデヒド低減ができることが判るが、金型への接触時間が短いため、成形品毎のばらつきが大きくなるので、少なくとも1秒以上の熱処理時間を設定することが品質安定性を求める業者には望ましい。
【0071】
また、表1には記載しなかったが、同様に熱処理温度を180℃に設定し、10秒間熱処理を行ったところ、アセトアルデヒドの発生量は0.0007μg/cm2となり、熱処理時間を延長することで、さらにアセトアルデヒドが効果的に低減することが判っている。このように、加熱時間と加熱温度との組合せにより、アセトアルデヒドの発生量を0.0010μg/cm2以下にすることも可能である。
【0072】
更に、前述の実験では、500mlの容器で測定を行ったが、1500mlの容器で実験、測定したところほぼ同様の結果が得られた。
【0073】
なお、この実験に用いた装置では、熱処理を金型の内壁面に接触させることで熱処理しているが、熱処理の方法は、外部からの赤外線ヒータや熱風あるいはマイクロ波による加熱などでも可能である。
【0074】
しかし、金型の内壁面に接触した場合、一次ブロー成形品の壁面温度が急激に目的の温度に達するため、昇温のための温度がほとんど必要ないが、非接触の場合にはどうしても昇温時間が必要になる。
【0075】
したがって、その場合には、熱処理時間を一次ブロー成形品の壁面温度が前記熱処理型の温度に達してからの時間と考えればよい。
【0076】
また、この実験に用いた装置では、プリフォーム成形装置と、ブロー成形装置が別体であったが、射出成形から最終ブロー成形までを1つの成形機上で行う1ステージ方式の装置でもよく、さらに、一次ブロー金型と熱処理型を別体としていたが、一次ブロー金型を加熱して熱処理型と兼用してもよい。ただし、このような場合、一次ブロー成形時の肉厚部分を調整しにくいという不利益な面もある。
【0077】
また、さらに熱処理型の時間をさらに短縮するために、熱処理型から取り出された一次ブロー成形品を外部ヒータで加熱することも可能である。
【0078】
本実験にて成形された最終容器に、65℃を越える温度で高温殺菌されなることのないミネラルウォータなどの飲料、飲食物を充填したところ、アセトアルデヒド特有の芳香はほとんど感じられなかった。
【0079】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一実施の形態にかかる容器の成形方法を示す図である。
【符号の説明】
10 プリフォーム
12 一次ブロー成形品
14 最終容器
16 一次ブロー金型
18 金型
20 最終ブロー金型

Claims (7)

  1. ポリエステル樹脂製のプリフォームを一次ブロー金型内で一次ブロー成形品に延伸ブロー成形する一次ブロー成形工程と、
    前記一次ブロー成形品を加熱した金型の内面に接触させ、一次ブロー成形品からアセトアルデヒドを低減させるアセトアルデヒド低減工程と、
    アセトアルデヒドが低減された一次ブロー成形品を最終容器に延伸ブロー成形する最終ブロー成形工程と、
    を有し、
    前記一次ブロー成形工程は、大きさが前記最終容器より大きく、延伸された胴部の平均肉厚が前記最終容器の胴部の平均肉厚よりも薄い0.3mm以下の一次ブロー成形品を成形し、
    前記アセトアルデヒド低減工程により、内壁からのアセトアルデヒドの現出量を低減させた、65℃以下の内容物を充填するための非耐熱性容器の成形方法。
  2. 請求項1において、
    前記最終ブロー成形工程では、前記最終容器の胴部の平均肉厚を0.3mm未満とすることを特徴とする非耐熱性容器の成形方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記アセトアルデヒド低減工程は、加熱温度140℃以上にて前記一次ブロー成形品を加熱する工程を有することを特徴とする非耐熱性容器の成形方法。
  4. 請求項3において、
    前記アセトアルデヒド低減工程は、加熱時間6秒以下にて前記一次ブロー成形品を加熱する工程を有することを特徴とする非耐熱性容器の成形方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記アセトアルデヒド低減工程では、前記一次ブロー成形品のアセトアルデヒド現出量を0.0040μg/cm以下となるまで前記一次ブロー成形品を加熱することを特徴とする非耐熱性容器の成形方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記アセトアルデヒド低減工程は、前記一次ブロー成形品と実質的に同じ大きさの加熱された金型内面に前記一次ブロー成形品を接触させて加熱する工程を有することを特徴とする非耐熱性容器の成形方法。
  7. 請求項1において、
    前記一次ブロー成形工程で、表面積に対する重量の割合が0.06g/cm以下になるように前記一次ブロー成形品を成形することを特徴とする非耐熱性容器の成形方法。
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