JP3806568B2 - 手術用顕微鏡装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡を併用して手術を行う手術用顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
特願平11−089399号は、内視鏡を補助観察装置として併用する例えば脳神経外科等におけるマイクロサージャリー用の手術用顕微鏡を開示する。この手術用顕微鏡は、照明光学系を2つに分岐する分岐手段を設けてあり、一方を手術用顕微鏡へ他方を補助観察用の内視鏡に導くことができる。
【0003】
この手術用顕微鏡によれば、手術用顕微鏡の照明光学系を内視鏡用光学系にも共用することで、手術台近傍に内視鏡専用の光源装置を設ける必要がないので十分な手術空間を確保できるとともに、1つの光源で顕微鏡と内視鏡を照明できるので安価なシステムを構築することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この特願平11−089399号に記載の手術用顕微鏡によれば、光源装置を手術台近傍に置かない点では手術空間を確保できるものの、しかし、内視鏡併用のマイクロサージャリーでは、複数の術者が内視鏡画像を観察できるのが望ましく、そのためには内視鏡にTVカメラを接続し、観察画像をモニターに表示することが必要となる。
【0005】
この場合には、TVカメラ制御装置を設置したトロリー(不潔物なので清潔物である手術用顕微鏡から離す必要がある)から内視鏡まで、長距離にわたってケーブルを延出する必要があり、このような長いケーブルの引き回しは煩雑さを招く原因となる。
【0006】
また、顕微鏡や内視鏡では見えない体の内側を見る際には超音波(以下US)プローブ併用で手術が行われるが、このケーブルの引き回しについても同様に煩雑さを招いていた。
【0007】
本発明は、上述の事情に基づいてなされたもので、補助観察装置併用のマイクロサージャリーにおける補助観察装置の長いケーブル引き回しによる煩雑さを解消する手術用顕微鏡装置を提供することを目的とする。
【0008】
更に本発明は、上記補助観察装置を顕微鏡近傍で使用する際に、顕微鏡周りの滅菌性が確実に確保される手術用顕微鏡を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様では、術部を実体観察するための実体顕微鏡光学系と手術用顕微鏡鏡体部とを備えた第1の観察手段と、前記第1の観察手段の死角を補助観察する第2の観察手段とを備えた手術用顕微鏡装置において、前記第2の観察手段からの観察像を受け取る観察像受取手段と、前記術部を照明する照明光供給手段と、からなる接続部を前記手術用顕微鏡鏡体部に備えたことを特徴とする手術用顕微鏡装置が提供される。
本発明の第2の態様では、上記第1の態様において、前記第2の観察手段がイメージガイドを備えた内視鏡であることを特徴とする手術用顕微鏡装置が提供される。
本発明の第3の態様では、術部を観察するための実体顕微鏡光学系と手術用顕微鏡鏡体部とを備えた観察手段と、前記観察手段の死角を補助観察する第2の観察手段としての超音波プローブとを備えた手術用顕微鏡装置において、前記超音波プローブからの観察像を受け取る観察像受取手段と、前記超音波プローブに回転駆動力を供給する駆動力供給手段と、からなる接続部を前記手術用顕微鏡鏡体部に備えたことを特徴とする手術用顕微鏡装置が提供される。
本発明の第4の態様では、上記第1又は第2の態様において、前記観察像受取手段が撮像素子を備えたことを特徴とする手術用顕微鏡装置が提供される。
本発明の第5の態様では、上記第1乃至4の態様において、前記第2の観察手段が、滅菌可能な部材を介し空間的に分離して前記第1の観察手段に設けられた前記接続部に対して接続されることを特徴とする手術用顕微鏡装置が提供される。
本発明の第6の態様では、上記第1乃至第5の態様において、前記接続部の接続方向が前記手術用顕微鏡鏡体部の前後方向であることを特徴とする手術用顕微鏡装置が提供される。
【0010】
上記手術用顕微鏡鏡体部が、上記補助観察手段を上記手術用顕微鏡鏡体部近傍に着脱可能に保持する保持部を備えることが好ましい。
【0011】
また、上記保持部が、上記手術用顕微鏡鏡体部を覆うことで滅菌性を保つ滅菌ドレープの外部から手術用顕微鏡鏡体部に接続する取付部と上記補助観察手段を保持する収容部とを設けた保持具を備え、上記取付部と収容部とが離隔した位置に配置されていることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図1から図3を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
【0013】
(構成)
図1は内視鏡を組み合わせた手術用顕微鏡システムの概略構成を示す。
本実施形態の手術用顕微鏡1は、床面に設置された架台部2と、この架台部2に接続されたアーム部3と、このアーム部3に支持された顕微鏡鏡体部4とを有し、この顕微鏡鏡体部4で術部を拡大観察する。顕微鏡鏡体部4はアーム部3によって支持され、空間内を3次元的に移動及び傾斜可能である。上記架台部2の支柱内には光源装置5が設置されている。この光源装置5はランプ5a及び集光レンズ5bを備え、接続された可撓性ライトガイドファイバー6に照明光を入射する。このライトガイドファイバー6は、架台部2及びアーム部3の内部を通して顕微鏡鏡体部4まで導かれている。
【0014】
上記架台部2の支柱内には、後述する内視鏡の観察像をモニター7に表示するためのカメラコントロールユニット8が設けられている。カメラコントロールユニット8にはカメラケーブル9が接続され、架台部2及びアーム部3の内部を通り、顕微鏡鏡体部4まで導かれている。カメラケーブル9の端部にはCCDを内蔵したカメラヘッド10が設けられている。顕微鏡鏡体部4の下側には、補助観察手段としての後述する内視鏡を接続・保持するための内視鏡接続・保持装置11を設けてある。
【0015】
図2は、図1のA方向から見た内視鏡接続・保持装置11の外観を示す。この内視鏡接続・保持装置11には、接続部としての内視鏡接続部12と、保持部としての内視鏡保持部13とが設けられている。
内視鏡接続部12は、観察系接続部12aと照明系接続部12bとから構成されている。また、内視鏡保持部13は、内視鏡接続・保持装置11の図中右側に挙上された台座14とこれに固定された保持具15とから構成されている。
【0016】
図3に示すように、台座14と保持具15とは、台座14の凹部14aに保持具15の取付部である凸部15aが入り込むことにより、固定されている。保持具15には、また、補助観察手段の収容部としてのC型収容部15bが設けられている。このC型収容部15bは、通常は後述する内視鏡の外径よりも小さな内径であり、内視鏡を押し込むと、径が大きくなる方向に弾性変形し、その後、元の径に戻ることで内視鏡を保持する機能を備えている。このC型収容部15bは滅菌可能な材質で作られている。
【0017】
尚、手術用顕微鏡1と内視鏡接続・保持装置11とには、これらを滅菌に保つ滅菌ドレープ16が被せられている。台座14の凹部14aと保持具15の凸部15aとを固定する際は、凸部15aが滅菌ドレープ16ごと凹部14aに押し込まれる構成となっている。また、これらの凹部14aと凸部15aとの間の押込、引抜に要する力の大きさは、C型収容部15bと内視鏡との間で必要とするものよりも十分大きい値に設定されている。
【0018】
図2を再度参照すると、内視鏡接続部12の観察系接続部12aの後ろには、上記カメラヘッド10が設けられ、照明系接続部12bの後ろには、前記ライトガイドファイバー6の端面が設けられている。これらカメラヘッド10のカメラケーブル9およびライトガイドファイバー6は、穴17を通して内視鏡接続・保持装置11の外部に延出され、手術用顕微鏡1の顕微鏡鏡体部4の下側に設けられた図示しない穴を通して顕微鏡鏡体部4内に導かれる。
【0019】
更に、図1には、手術用顕微鏡1の顕微鏡鏡体部4による視野観察における死角を観察するための内視鏡18を示してある。この内視鏡18は挿入部18aと本体部18bを備え、本体部18bからは、内視鏡ケーブル18cが延出し、その端部にコネクター18dが形成されている。
【0020】
この内視鏡18のコネクター部18dは、観察系コネクター19aと、照明系コネクター19bとから構成される。これらのコネクターにはそれぞれ図示しないイメージガイドファイバー、対物レンズ等の観察光学系、および、ライトガイドファィバー等の照明光学系が接続され、内視鏡18の挿入部18aの先端まで光学的に連結している。
【0021】
上記コネクター部18dは、内視鏡接続・保持装置11の内視鏡接続部12に接続可能な寸法形状となっている。また、この内視鏡接続部12のまわりでは、ドレープにコネクタ挿入用のミシン目が切ってあり、コネクター挿入時には切って挿入する構成になっている。
【0022】
(作用)
この第1実施形態の手術用顕微鏡1を使用する場合は、まず、手術用顕微鏡1と内視鏡接続・保持装置11とを覆うように滅菌ドレープ16を被せる。そして、図3に示すように台座14の凹部14aに滅菌済みの保持具15の凸部15aを、滅菌ドレープ16の上から押し込む。そして内視鏡18のコネクター部18dをドレープのミシン目を切って内視鏡接続部12に接続する。
【0023】
これにより、図2に示すように、ライトガイドファイバ6より照明光が内視鏡18に供給され、内視鏡18の観察光学系からの観察像がカメラヘッド10により撮像される。撮像された画像は電気信号に変換され、カメラケーブル9で伝達されて図1のカメラコントロールユニットによりモニター7上に表示される。
【0024】
内視鏡18を使わない時は、図3に示す保持具15のC型収容部15bに内視鏡18を押し込む。この際、C型収容部15bが弾性変形し、内視鏡18が中に入った状態で元の大きさに戻り、内視鏡18を保持する。再度使う場合は、逆の手順で取り外す。
【0025】
尚、本実施形態では、内視鏡保持具13を図中右側に配置したがこれに限らず左側に配置する構成としても良い。また、内視鏡も観察系がファイバーであるファイバースコープに限らずCCDを内蔵したビデオスコープとしてもよい。この時観察系コネクターは電気接点となる。
【0026】
(効果)
本実施形態によれば、内視鏡18のコネクター部18dを、手術用顕微鏡1の顕微鏡鏡体部4の下側に配置した内視鏡接続・保持装置11に接続するため、内視鏡ケーブル18cを最も短くすることができ、邪魔にならない。また、この内視鏡18およびコネクター部18dは、着脱可能であるため、内視鏡18が必要となったときに直ちに使用可能でかつ使用後は直ちに片付け可能であると共に、手技に合わせて内視鏡18を、例えば別の視野方向のものに交換することも簡単に行える。
【0027】
更に、この内視鏡接続・保持装置11にカメラヘッド10が配置されているため、長いケーブルを引き回すことなく、モニターを通じて複数の術者が内視鏡画像を観察できる。
【0028】
また、保持具15自体を顕微鏡鏡体部4に滅菌ドレープ16の外部から接続する凸部15aと、内視鏡18を保持するC型収容部15bとを空間的に分離したため、内視鏡18の取付け及び取外しの際に、滅菌ドレープ16が破れることはない。凸部15aが滅菌ドレープ16を破ってしまった場合でも、空間的に分離されているため内視鏡18の滅菌性が常に確保される
[第2実施形態]
(構成)
図4は、本発明の第2実施形態を示す。本実施形態では、補助観察手段として、第1実施形態における内視鏡に加え、超音波プローブの接続及び把持も可能とし、更に、その保持位置を選択可能に構成したものである。なお、以下の実施形態では、上述と同様な部材については、同様な符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0029】
本実施形態における内視鏡接続・保持装置21は、接続部として、内視鏡接続部12及び超音波(US)プローブ接続部23が設けられ、保持部として、内視鏡保持部22及びUSプローブ保持部24が設けられている。
【0030】
図4の右側には、内視鏡保持部22が設けられ、内視鏡接続・保持装置21から挙上された台座25とこれに固定された保持具15より構成される。ここで、台座25には変位手段として自由に選択可能な3つの凹部25a,25b,25cが設けられている。図4において、保持具15は凹部25cに押し込まれている。
【0031】
また、左側にはUSプローブ保持部24が設けられている。USプローブ保持部24の形状は上述の内視鏡保持部22と左右対称であり、内視鏡接続・保持装置21から挙上された台座26とこれに固定された図示しない保持具15とから構成される。ここで、台座26には図示しない3つの凹部が設けられている。
【0032】
符号27は超音波観察を行うためのUSプローブである。このUSプローブ27は、挿入部27aと本体部27bとを備え、本体部27bからはUSケーブル27cが延出し、その端部にコネクター27dが形成されている。上記コネクター27dには、図示しないUSプローブ先端に設けられた超音波振動子を回転し、この超音波振動子に信号を伝達するフレキシブルシャフト及び信号線等の伝達機構などからなるUS伝達部28が設けられている。
【0033】
USプローブ27のコネクター27dは、内視鏡接続・保持装置21のUSプローブ接続部23に接続可能な寸法形状となっている。USプローブ接続部23の中にはUSドライブ装置29が内蔵されており、USプローブ27接続時に、前記US伝達部28に対して、回転力及び信号を伝達することができる。
【0034】
USドライブ装置29から延出したUSケーブル29aは、前述したライトガイドファイバー6およびカメラケーブル9と同様に、穴21aを通して内視鏡接続・保持装置21外に出て、図示しない顕微鏡鏡体部の下側の穴を通して鏡体部内に入り、その後アーム部と架台部との内部を経由した後、モニターに接続されている。
【0035】
(作用)
使用する場合は、図示しない手術用顕微鏡と内視鏡接続・保持装置21とに滅菌ドレープ16を被せた後、凹部25a〜25cのうちの内視鏡18の保持に好適な場所の近くに位置するいずれかの凹部に、滅菌済みの保持具15の凸部15aを滅菌ドレープと共に押し込む。そして、内視鏡18のコネクター部18dを内視鏡接続部12に接続した後、内視鏡18の本体部18bを保持具15のC型収容部15bに押し込むことにより、内視鏡18を保持する。
【0036】
同様に、US保持部24上でUSプローブ27を保持したい位置の近くの凹部にも滅菌済みの保持具15の凸部15aを押し込んだ後、USプローブ27のコネクター部27dをUSプローブ接続部23に接続する。これによりUSドライブ装置29からの回転、信号伝達が可能になる。
そしてUSプローブ27の本体部27bを保持具15のC型収容部15bに押し込むことで内視鏡27が保持される。
尚、本実施形態では、内視鏡保持部22を図中右側に、USプローブ保持部24を左側配置したがこれに限らず各々逆に配置しても良いし、内視鏡保持部22とUSプローブ保持部24とのいづれか一つだけ配置してもよい。また、片側に2つ配置しても良い。
凹部の数も本実施形態では3個備えているが、これに限らず、2個でも4個以上でも良い。
【0037】
(効果)
第1実施形態の手術用顕微鏡装置に加え、USプローブも使用できるので、手術用顕微鏡や内視鏡では見えない組織の内側の状態も観察できる。また、内視鏡保持位置が細かく設定できるので、(保持を意識しなくても)自然に保持できる位置に設定でき、手術に専念することができ良好な手術が行える。
【0038】
[第3実施形態]
(構成)
図5は第3実施形態を示し、ここでは、上述の第1実施形態で固定位置に形成されていた内視鏡接続位置を可変にしたものである。
【0039】
本実施形態における内視鏡接続・保持装置31には、接続部としての内視鏡接続部32が設けられている。この内視鏡接続部32は、変位手段としての溝33に沿って図中左右方向に移動可能に支持されている。ここで、図示しない滅菌ドレープは、接続部32の付近で、接続時に切り離し可能なミシン目を有し、このミシン目の周囲には、内視鏡接続部32の左右方向の移動に十分耐える弛みを持たせている。
【0040】
内視鏡接続部32には、また観察系接続部32aと照明系接続部32bとが設けられている。これらの後ろにはそれぞれカメラヘッド10とライトガイドファイバー6とが同軸上に配置されている。カメラヘッド10とライトガイドファイバー6とは、観察系接続部32aと照明系接続部32bとに対し、内視鏡接続部内で位置が変わらないように固定されている。
【0041】
カメラヘッド10のカメラケーブル9やライトガイドファイバー6は、内視鏡接続部32の左右方向の移動に十分な弛みをもって配置されており、穴17を通して内視鏡接続・保持装置11外に出て、手術用顕微鏡1の顕微鏡鏡体部4の下側に設けられた図示しない穴を通して顕微鏡鏡体部内に導かれる構成となっている。
【0042】
(作用)
図5において図示しない手術用顕微鏡と内視鏡接続・保持装置31に滅菌ドレープを被せる時は、内視鏡接続部32を真ん中にした時に被るドレープの弛みを左右略均一にしておき、ミシン目を除去して内視鏡18のコネクター18dを内視鏡接続部32に接続する。
【0043】
この状態で、ドレープ越しに内視鏡接続部32を左右にスライドさせ、好みの位置にする。この時、内視鏡接続部32内の光学的な接続系は動かず、動くのはライトガイドファイバー6とカメラケーブル9だけである。他は第1実施形態と同じなので説明を割愛する。尚、本実施形態ではスライド方向を左右にしたが、これに限らず上下でも斜めでも良い。
【0044】
(効果)
第1実施形態の手術用顕微鏡による効果に加え、接続部の位置が可変なので、ケーブルの引き回しが変えることができ、手術に応じた引き回しをすることができ操作性が向上する。
【0045】
[第4実施形態]
(構成)
図6から図8は本発明の第4実施形態を示す。
本実施形態は内視鏡接続・保持装置を顕微鏡鏡体部の両側で、任意の側に切り替えて配置できるようにしたものである。
図6は、顕微鏡鏡体部41と内視鏡接続・保持装置42との外観を示し、図7は、顕微鏡鏡体部41と内視鏡42との光学的及び機械的連結状態を上方向から見た状態の断面図である。
【0046】
顕微鏡鏡体部41には、内視鏡接続・保持装置42が、変位手段として軸Bを中心に回動自在に軸支されている。顕微鏡鏡体部41内に配置されるフランジ42aは、内視鏡接続・保持装置42が顕微鏡鏡体部41から抜出るのを防いでいる。これにより内視鏡接続・保持装置42は顕微鏡鏡体部41に対し、軸B周りで回転自在である。
【0047】
図7において、内視鏡接続・保持装置42には、内視鏡接続・保持装置42を顕微鏡鏡体部41に固定するための固定ネジ43を収納するケーシング42bが設けられている。固定ネジ43には、抜け止め用のフランジ43aが設けられ、圧縮バネ44により顕微鏡鏡体部41側に付勢されている。顕微鏡鏡体部41には内視鏡接続・保持装置42が水平状態になった時に固定ネジ43と対向する雌ネジ41a,41bが設けられている。
【0048】
ここで、顕微鏡鏡体部41内の軸B上にはカメラヘッド10が配置されており、これと対向する向きに内視鏡接続・保持装置42内の軸B上にレンズ、プリズム等の光学要素からなる観察光学系45(太い実線で記載)が配置されている。これらの観察光学系45とカメラヘッド10とが、共に軸B上に同軸に配置されているため、顕微鏡鏡体部41に対し内視鏡接続・保持装置42が(軸B上で)回転しても、偏心することなく、像だけが回転することができる。上記観察光学系45は、図示しないプリズム等の光学要素で方向を変換され、内視鏡接続・保持装置42の先端Cまで導かれている。
【0049】
また図7中、顕微鏡鏡体部41内の軸Bより左側にはライトガイドファイバー6が配置されている。このライトガイドファイバー6と対向する内視鏡接続・保持装置42内には、第1の照明光伝達部46が設けられている。軸Bに対して第1の照明光伝達部46と点対称な位置には第2の照明光伝達部47が設けられている。これらの照明光伝達部46,47には、例えばプラスチック製の単ファイバーを使用している。これらも内視鏡接続・保持装置42の先端まで導かれ、第1の照明光伝達部46が紙面向かって手前側、第2の照明光伝達部47が紙面向かって奥側に配置されている。つまり図6においては、第1の照明光伝達部46が上、第2の照明光伝達部47が下側に位置することになる。
【0050】
一方、内視鏡接続・保持装置42は、顕微鏡鏡体部41に対して図6および図7に示す位置の反対側にセットする場合は、軸Bを中心に180度回転される。ライトガイドファイバー6は、第2の照明光伝達部47と対向し、この第2の照明光伝達部47が上に配置され、第1の照明光伝達部46が下側に配置されることになる。つまり、ライトガイドファイバー6と対向する照明伝達部は常に上側に位置することになる。
【0051】
図6に戻り、符号48は前記観察光学系45の伝達像を回転させる像回転リングである。この像回転リング48は、観察光学系45内の図示しないイメージローテータを回転させる。
符号49はズームリングで、観察光学系45内の図示しないズームレンズを軸方向に動かすことにより、像の拡大、縮小を行う。符号50は偏心調整っまみを示し、X調整つまみ50aと、Y調整つまみ50bと、Z調整つまみ50cとを有する。Y調整つまみ50bは軸Bを中心に反対側に回した時にもつまみを上側から操作できるように、上下方向に貫通させて設けられている。X調整つまみ50aとY調整つまみ50bとは、観察光学系45内の図示しない調整レンズをX,Y方向に動かすことで内視鏡から観察光学系45間の伝達像の偏心を補正する。調整つまみ50cは観察光学系45内の図示しないフォーカスレンズを軸方向に動かすことで内視鏡から観察光学系45間の焦点の調整を行う。これらのつまみは、術者が感覚で操作方向を認識することができるように、図6に示す配置で設けられており、内部の図示しないリンク等の機構部によってレンズを動かす構造になっている。符号51は接続部としての滅菌アダプターである。
【0052】
図8は、このような滅菌アダプター51近傍の接続を示す図である。
内視鏡接続・保持装置42の先端には、滅菌アダプター接続部52が形成されている。滅菌アダプター接続部52には長方形凹部53が設けられ、この凹部53内には、観察光入射部53aと、第1の照明光出射端53bと、第2の照明光出射出53cとが設けられている。これらの後端には、観察光学系45と第1の照明光伝達部46と第2の照明光伝達部47がそれぞれ設けられている。滅菌アダプター接続部52の外周には、突起52aが設けられている。
【0053】
符号54は顕微鏡鏡体部41と内視鏡接続・保持装置42を覆う滅菌ドレープである。前記滅菌アダプター接続部52に取り付ける弾性材料からなる取付リング55が設けられており、このリングの内面には溝55aが設けられている。
【0054】
滅菌アダプター51は例えばステンレス等の高圧蒸気滅菌やEOG(エチレンオキサイドガス)滅菌に耐え得る材質で構成されており、長方形凸部57とU型凹部58とフック59が設けられている。U型凹部58内には観察光出射端58aと照明光出射端58bが設けられている。これら観察光出射端58aと照明光出射端58bには、図示しないカバーガラスが設けられており、滅菌できないために不潔な観察光入射部53aと、第1の照明光出射端53bと、第2の照明光出射端53cとを、後述する滅菌して清潔に保つ必要がある内視鏡コネクターの観察系接続部および照明系接続部とから分離している。
【0055】
符号60は内視鏡コネクターである。滅菌アダプター51のU型凹部58に嵌まる形状をしており、観察系接続部60aと照明系接続部60bを備える。ここで、内視鏡の内視鏡コネクター60はU型凹部58に1方向にしか嵌まらない形状をしているが、滅菌アダプター51の長方形凸部57は滅菌アダプター接続部52の長方形凹部53に上下入れ替えて2方向に嵌まるようになっている。
【0056】
(作用)
手術を行う際はまず、内視鏡接続・保持装置42を鏡体に対しどちら側に配置するか決める。ここで図6に示す側に配置するように決めたとする。ここで、図7に示すように内視鏡接続・保持装置42を水平になるように回していくと、雌ネジ41aの所で固定ネジ43の先端が圧縮バネ44の付勢力により中に入り込む。この状態で固定ネジ43を捩じ込むことで内視鏡接続・保持装置42が顕微鏡鏡体部41に固定される。
【0057】
この状態においては、図7に示すようにライトガイドファイバー6と対向しているのは第1の照明光伝達部46であり、これは第1の照明光出射端53bと連結している。つまり照明光は照明光出射端53bより出射される。
【0058】
次に図8に示す滅菌ドレープ54を滅菌アダプター接続部52に取り付ける。取付リング55内の溝55aを突起52aに嵌めることで固定される。
この状態で滅菌済みの滅菌アダプター51をフック59が上になるように滅菌アダプター接続部52に取り付ける。
【0059】
これにより、U型凹部58内に設けられた照明光出射端58bと前記照明光出射端53bが導通することになる。滅菌アダプター51のU型凹部58に合わせて内視鏡コネクタ60を接続することで、照明系接続部60bと照明光出射端58bとが導通する。これにより、ライトガイドファイバー6からの照明光は照明系接続部60bまで導かれることで、内視鏡先端から照明がなされる。尚、内視鏡のケーブルは必要に応じてフック59に引っかける。
【0060】
別の手術で、顕微鏡鏡体部41に対し内視鏡接続・保持装置42を図6とは逆側にセットする場合は、滅菌ドレープをかける前に以下の作業を行う。
図7に示す固定ネジ43を緩め、雌ネジ41aから抜出す。軸Bを中心に内視鏡接続・保持装置42を回転させる。雌ネジ41bの所で固定ネジ43が入り込み、同様に固定ネジ43を締め込むことで固定される。180度回転によりライトガイドファイバー6と対向するのは第2の照明光伝達部47となる。また、180度回転により、第2の照明光伝達部47と第2の照明光出射端53cは上側に位置する。この状態で滅菌ドレープ54を被せ、滅菌アダプター51のケーブルフックを上向きにして取り付け、内視鏡コネクタ60を接続する。
【0061】
ライトガイドファイバー6からの照明光は、第2の照明光伝達部47と第2の照明光出射端53cと照明光出射端58bとを介し、照明系接続部60bまで導かれ、内視鏡先端から照明される。
【0062】
次に、内視鏡の観察画像に偏心があるかを確認し、ある場合は偏心調整つまみ50のX調整つまみ50aとY調整つまみ50bとを回して図示しないレンズを動かし、観察像がモニターの中央にくるように調整する。次にフォーカスが適切かを確認し、ボケがあったらZ調整つまみ50cで調整する。
【0063】
ここまでの調整が終わったらスコープを取り術部を観察する。
視野方向に対してモニターの像が回転しているときは、像回転リング48を回して方向を合わせる。倍率が適切でなければズームリング49を回して倍率を適切にする。
【0064】
内視鏡を使わない時は保持具15に、この内視鏡を保持させる。また視野方向の異なる内視鏡に交換する場合は、内視鏡コネクタ60を抜いて、別の内視鏡の内視鏡コネクタを接続する。内視鏡コネクタは滅菌不能で不潔な内視鏡接続・保持装置42に対し、滅菌可能で清潔な滅菌アダプター56を介して接続することで常に清潔に保たれているので容易に交換できる。
【0065】
(効果)
第1実施形態の手術用顕微鏡による効果に加え、内視鏡接続・保持装置42を、軸Bを中心に顕微鏡鏡体部41の両側に大きく動かすことができるため、術者の利き腕の側で好適に内視鏡の接続・保持が行える。また、滅菌アダプター56を用いることで術中の内視鏡の交換が可能である。
【0066】
[第5実施形態]
(構成)
図9は、本発明の第5実施形態に関わる。本実施形態は第4実施形態の変形例で、内視鏡接続・保持装置を顕微鏡鏡体部に対して着脱自在となっている。
【0067】
顕微鏡鏡体部71には、内視鏡接続・保持装置72を正確に接続させる接続部73が設けられている。接続部73には、その間にあり溝73aを形成する断面台形形状の一対のガイドレールと、抜け止め部73bと、付勢ネジ75とが設けられている。更に、この接続部73には、図示しない顕微鏡鏡体部71内の光学系と、内視鏡接続・保持装置72内の図示しない光学系とを遮断せずに通過可能にする開口部73cが設けられている。
【0068】
符号74はカバーである。カバー74からは、断面台形形状のレールを備えたありほぞ74aが突出している。このありほぞ74a上には前記付勢ネジ75が押す位置にV溝74bが設けられている。尚、ありほぞ74aの形状を分かり易くするために、カバー74はこのありほぞ74aを手前側に向けて示したが、取付時にはこのありほぞ74aが反対側を向くことになる。
【0069】
内視鏡接続・保持装置72には、取付台座76が設けられている。この取付台座76と内視鏡接続・保持装置72との間は、軸Bを中心として回転自在でかつ軸方向には不動である関係に構成されている。また、符号43は取付台座76と内視鏡接続・保持装置72とを180度離隔した2つの点で固定する固定ネジである。これらの具体的構成は第4実施形態の顕微鏡鏡体部および内視鏡接続保持装置の構造と同様なので説明は割愛する。前記取付台座76の紙面下側(顕微鏡鏡体部側)の面には、先のカバー74と同じありほぞと、V溝とが設けられている。
【0070】
(作用)
手術用顕微鏡に内視鏡を併用しない場合は、顕微鏡鏡体部71に形成されたあり溝73aに、カバー74のありほぞ74aを紙面の下側に向けて図中右側から挿入する。挿入後、付勢ネジ75で突起部74aをあり溝73aに下側に付勢する。ここで、付勢ネジ75はV溝74bの斜面を押す位置に設けられており、付勢ネジ75はあり溝73aを図中下側および左側に付勢する。これにより、ありほぞ74aは、あり溝73aの下側のガイドレールと抜け止め部73bとに押し付けられることで接続される。
【0071】
一方、手術用顕微鏡と内視鏡とを併用する場合には逆の手順でカバー74を取り外した後、内視鏡接続・保持装置72のありほぞを同様に接続する。あり継手による接続であるため、で高い位置精度で接続できる。接続時には開口部73cを通じて光学系の伝達がなされる。後は第4実施形態と同じ為説明を割愛する。
【0072】
尚、本実施形態では、内視鏡の接続向きを鏡体部に対し前向き(図9において紙面奥向き)での接続としたが、これに限らず、鏡体部の後向き(紙面手前向き)の接続としても良い。
【0073】
また、本実施形態では、接続時にありほぞ(挿入部)の先端側があり溝の左側の突き当て部に当たる構成としたがこれに限らず、あり溝の両端を抜け止め部として、ありのほぞ(挿入部)後端側がこれに当たる構成としても良い。この様に構成することで、あり溝に対してありほぞを左右のいずれの側からも差し込むことができ、内視鏡接続・保持装置に回転機構が無くても鏡体部に対し内視鏡接続・保持装置を左右両側に切り替え可能となる。
【0074】
(効果)
内視鏡を併用しない時は、内視鏡接続・保持装置72を顕微鏡鏡体部71から取外すことができるため、スペースを無用に占拠せず、広い手術空間が得られる。また内視鏡接続・保持装置72を取り外すことで顕微鏡鏡体部71を軽くでき、取り回し性が向上する。
【0075】
[第6実施形態]
(構成)
図10は本発明の第6実施形態を示す。本実施形態は、第1実施形態の取付部に関する変形例である。取付部以外の構成は同一なので、取付部と内視鏡接続・保持装置との関連のみを示す。
【0076】
内視鏡接続・保持装置81には、取付凹部81aが設けられており、取付凹部81aの周囲には補助凹部81b,81cが設けられている。尚、符号16は滅菌ドレープである。一方、保持具82には取付凸部82aが設けられており、取付凸部82aの周囲には補助凸部82b,82cが設けられている。更に、この保持具82には、図示しない内視鏡を保持するC型収容部82dが設けられている。
【0077】
(作用)
使用に際し、内視鏡接続・保持装置81に滅菌ドレープ16を被せた後、保持具82を取付ける。この場合は、取付凸部82aを滅菌ドレープ16と共に、取付凹部81aに挿入することにより、内視鏡接続・保持装置81に保持具82が固定される。また、補助凸部82bが補助凹部81bに、補助凸部82cが補助凹部81cにそれぞれ挿入される。
【0078】
この場合、滅菌ドレープ16の変形量が多い取付凸部82aと取付凹部81aとの間の部位で滅菌ドレープ16が裂けても、周囲の補助凸部82bと補助凹部81bとの間の部位、および、補助凸部82cと補助凹部81cとの間の部位で滅菌ドレープ16が把持され、ドレープが破れた部分から内視鏡接続・保持装置81の不潔な部分が露出することがない。
【0079】
なお、補助凹部および補助凸部の数は2個に限らず、それぞれ1個でも良く、あるいは、3個以上でも良い。
【0080】
(効果)
第1実施形態の効果に加え、内視鏡接続・保持装置81と保持具82との間の固定により滅菌ドレープ16が破れた場合にも、清潔な環境を保つことができる。
【0081】
[第7実施形態]
(構成)
図11は本発明の第7実施形態を示す。本実施形態は第6実施形態の変形例である。
内視鏡接続・保持装置86には、取付凹部86aが設けられており、取付凹部86aの周囲には円環状の両面粘着テープ87の片側が貼り付けられている。尚、符号16は滅菌ドレープである。一方、保持具88には、取付凸部87aが設けられており、更に、図示しない内視鏡を保持するためのC型収容部88bも設けられている。
【0082】
(作用)
第6実施形態と同様に、使用に際しては、内視鏡接続・保持装置86に滅菌ドレープ16を被せた後、保持具88の固定を行う。
取付凸部88aを押圧し、この取付凸部88aを滅菌ドレープ16と共に取付凹部86aに挿入することで、内視鏡接続・保持装置86に保持具88が固定される。この時、滅菌ドレープ16は、保持具88で粘着テープ78上に押されることで内視鏡接続・保持装置86に貼り付く。
【0083】
ここで、滅菌ドレープ16の変形量が多い取付凸部88aと取付凹部86aとの間の部位で滅菌ドレープ16が裂けても、周囲の滅菌ドレープ16は周囲の両面粘着テープ87に貼りつくため、ドレープが破れた部分から内視鏡接続・保持装置86の不潔な部分が露出することがない。
【0084】
なお、両面粘着テープ78の形状は円環状に限らず、小さなものを複数個、周囲を囲むように設けても良い。また、両面粘着テープ78は粘着性が低下した場合に交換できるように構成しても良い。また、両面粘着テープの代わりにマジックテープを内視鏡接続・保持装置86と滅菌ドレープ16の各々に、あるいは滅菌ドレープ16と保持具88の各々に設けても良い。
【0085】
(効果)
第6実施形態と同様に、内視鏡接続・保持装置86と保持具88との間で滅菌ドレープ16が固定されるため、滅菌ドレープ16が破れた場合にも、清潔な環境を保つことができる。
【0086】
[第8実施形態]
(構成)
図12は本発明の第8実施形態を示す。本実施形態は第6実施形態の変形例である。
本実施形態の内視鏡接続・保持装置91には、途中にくびれのある取付凸部91aが設けられている。一方、保持具92には、取付凹部92aと、図示しない内視鏡を保持するC型収容部92bとが設けられている。また、保持具92には滅菌ドレープ93が一体成形されている。
【0087】
(作用)
内視鏡接続・保持装置91に滅菌ドレープ93を被せた後、保持具92の固定を行う。取付凸部91aが取付凹部92aに挿入されることで、内視鏡接続・保持装置91に保持具92が固定される。固定の際に滅菌ドレープには力が加わらないので破れる危険はない。
【0088】
(効果)
本実施形態では、固定の際に補助凸部や両面テープによる固定を行う必要がないので、極めて迅速に手術準備を行うことができる。
【0089】
尚、本発明は前述した各実施形態のものに限定されるものではない。また、上記各実施形態の説明によれば少なくとも以下に列記する事項及びそれらを任意に組み合わせた事項が得られる。
【0090】
以下の1〜4項に記載の手術用顕微鏡装置は、補助観察装置併用のマイクロサージャリーにおける補助観察装置の長いケーブル引き回しによる煩雑さを解消するものである。
【0091】
また、5〜7項に記載の手術用顕微鏡装置は、補助観察装置併用のマイクロサージャリーにおける補助観察装置の長いケーブル引き回しによる煩雑さを解消するものである。
【0092】
<付記>
1. 術部を実体観察するための実体顕微鏡光学系を備えた第1の観察手段と、前記第1の観察手段の死角を補助観察する第2の観察手段とを備えた手術用顕微鏡装置において、
前記第2の観察手段を接続する接続部を、前記第1の観察手段を備えた手術用顕微鏡鏡体部に設けたことを特徴とする手術用顕微鏡装置。
【0093】
2. 術部を実体観察するための実体顕微鏡光学系を備えた手術用顕微鏡鏡体部と、前記手術用顕微鏡鏡体部の死角を補助観察する内視鏡とを備えた手術用顕微鏡装置において、
前記内視鏡に照明光を供給する照明光供給手段と前記内視鏡からの観察像を受け取る観察像受取手段とからなる接続部を、前記手術用顕微鏡鏡体部に備えたことを特徴とする手術用顕微鏡装置。
【0094】
3. 術部を実体観察するための実体顕微鏡光学系を備えた手術用顕微鏡鏡体部と、前記手術用顕微鏡鏡体部の死角を補助観察する超音波プローブとを備えた手術用顕微鏡装置において、
前記超音波プローブに回転駆動力を供給する駆動力供給手段と前記超音波プローブとの超音波信号の授受を行う超音波信号授受手段とからなる接続部を、前記手術用顕微鏡鏡体部に備えたことを特徴とする手術用顕微鏡装置。
【0095】
4. 前記手術用顕微鏡鏡体部が、前記補助観察手段を前記手術用顕微鏡鏡体部近傍に着脱可能に保持する保持部を備えたことを特徴とする上記1に記載の手術用顕微鏡装置。
【0096】
5. 前記保持部が、前記手術用顕微鏡鏡体部を覆うことで滅菌性を保つ滅菌ドレープの外部から手術用顕微鏡鏡体部に接続する保持部接続部(取付部)と、前記補助観察手段を保持する補助観察手段保持部(収容部)を備えるとともに、前記保持部接続部と補助観察手段保持部とが空間的に分離されていることを特徴とする上記4に記載の手術用顕微鏡装置。
【0097】
6. 前記保持部あるいは手術用顕微鏡の少なくとも何れかに、前記滅菌ドレープを固定する滅菌ドレープ固定手段を備えたことを特徴とする上記4又は5に記載の手術用顕微鏡装置。
【0098】
7. 前記保持部が前記滅菌ドレープに一体的に取り付けられていることを特徴とする上記4から6のいずれかに記載の手術用顕微鏡装置。
【0099】
8. 前記接続部と前記保持部の少なくとも何れかの、手術用顕微鏡鏡体部上での位置を切り替える位置切替手段を備えたことを特徴とする上記1から7のいずれかに記載の手術用顕微鏡。
【0100】
9. 前記位置切替手段が取付体と、前記取付体が取り付けられる複数の取付体受部、より構成されることを特徴とする上記8に記載の手術用顕微鏡。
【0101】
10. 前記位置切替手段がスライド体と、前記スライド体をスライド可能に支持するスライド体支持部、より構成されることを特徴とする上記8に記載の手術用顕微鏡。
【0102】
11. 前記位置切替手段が回転体と、前記回転体を回転可能に支持する回転体支持部、より構成されることを特徴とする上記8に記載の手術用顕微鏡。
【0103】
12. 前記接続部と前記保持部の少なくとも何れかの、手術用顕微鏡鏡体部上への装着・分離状態を切り替える装着・分離切替手段を備えたことを特徴とする上記1から7のいずれかに記載の手術用顕微鏡。
【0104】
【発明の効果】
以上明らかなように、本発明によると、手術用顕微鏡鏡体に手術用顕微鏡の死角を補助観察する補助観察手段を接続する接続部を設けたので、補助観察手段のケーブルの引き回し距離が短くなり手術の邪魔にならない。
【0105】
また、手術用顕微鏡鏡体に補助観察手段を保持する保持部を設けることにより、補助観察手段を保持部から取り外すことで直ぐ使えると共に、使用後は、保持部に取り付けることで素早く片付けられ、手術を円滑に行うことができる。
【0106】
更に、保持部が、保持具自体を顕微鏡鏡体部に滅菌ドレープ外から接続する取付部と補助観察手段を保持する収容部とを設けた保持具を備え、これらの取付部と収容部とが離間した位置に配置されるため、観察手段の取付けおよび取外しの際に滅菌ドレープが破れることはなく、取付部が滅菌ドレープを破ってしまっても、空間的に分離されているため補助観察手段の滅菌性が常に確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による手術用顕微鏡装置の概略構成を示す説明図。
【図2】図1の顕微鏡装置に用いる内視鏡接続・保持装置の概略図。
【図3】図2に示す内視鏡接続・保持装置に対する保持具の取付状態を説明する説明図。
【図4】他の実施形態による内視鏡接続・保持装置の概略図。
【図5】更に他の実施形態による内視鏡接続・保持装置の概略図。
【図6】更に他の実施形態による内視鏡接続・保持装置の概略図。
【図7】顕微鏡鏡体部に取付けられた状態の図6に示す内視鏡接続・保持装置の内部構造を示す断面図。
【図8】図6に取付けられる滅菌アダプターの概略的な説明図。
【図9】内視鏡鏡体部に対して着脱自在に形成した更に他の実施形態による内視鏡接続・保持装置の説明図。
【図10】更に他の実施形態による保持具の取付状態を示す図3と同様な説明図。
【図11】更に他の実施形態による保持具の取付状態を示す図3と同様な説明図。
【図12】更に他の実施形態による保持具の取付状態を示す図3と同様な説明図。
【符号の説明】
1…手術用顕微鏡、2…架台部、3…アーム部、4…顕微鏡体部、5…光源措置、6…ライトガイドファイバー、7…モニター、8…カメラコントロールユニット、9…カメラケーブル、10…カメラヘッド、11…内視鏡接続・保持装置、12…内視鏡接続部(接続部)、13…内視鏡保持部(保持部)、14…台座、15…保持具、15a…凸部(取付部)、15b…C型収容部(収容部)、16…ドレープ、18…内視鏡、18d…コネクター部。
Claims (6)
- 術部を実体観察するための実体顕微鏡光学系と手術用顕微鏡鏡体部とを備えた第1の観察手段と、前記第1の観察手段の死角を補助観察する第2の観察手段とを備えた手術用顕微鏡装置において、
前記第2の観察手段からの観察像を受け取る観察像受取手段と、
前記術部を照明する照明光供給手段と、
からなる接続部を前記手術用顕微鏡鏡体部に備えたことを特徴とする手術用顕微鏡装置。 - 前記第2の観察手段がイメージガイドを備えた内視鏡であることを特徴とする請求項1記載の手術用顕微鏡装置。
- 術部を観察するための実体顕微鏡光学系と手術用顕微鏡鏡体部とを備えた観察手段と、前記観察手段の死角を補助観察する第2の観察手段としての超音波プローブとを備えた手術用顕微鏡装置において、
前記超音波プローブからの観察像を受け取る観察像受取手段と、
前記超音波プローブに回転駆動力を供給する駆動力供給手段と、
からなる接続部を前記手術用顕微鏡鏡体部に備えたことを特徴とする手術用顕微鏡装置。 - 前記観察像受取手段が撮像素子を備えたことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の手術用顕微鏡装置。
- 前記第2の観察手段が、滅菌可能な部材を介し空間的に分離して前記第1の観察手段に設けられた前記接続部に対して接続されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の手術用顕微鏡装置。
- 前記接続部の接続方向が前記手術用顕微鏡鏡体部の前後方向であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の手術用顕微鏡装置。
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