JP3805565B2 - 電子線画像に基づく検査または計測方法およびその装置 - Google Patents

電子線画像に基づく検査または計測方法およびその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3805565B2
JP3805565B2 JP16587299A JP16587299A JP3805565B2 JP 3805565 B2 JP3805565 B2 JP 3805565B2 JP 16587299 A JP16587299 A JP 16587299A JP 16587299 A JP16587299 A JP 16587299A JP 3805565 B2 JP3805565 B2 JP 3805565B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron beam
sample
image
ultraviolet light
inspection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP16587299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000357483A (ja
Inventor
規正 西村
朗 嶋瀬
正浩 渡辺
朝宏 久邇
二宮  拓
裕史 宮井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP16587299A priority Critical patent/JP3805565B2/ja
Priority to US09/589,065 priority patent/US6465781B1/en
Publication of JP2000357483A publication Critical patent/JP2000357483A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3805565B2 publication Critical patent/JP3805565B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/026Means for avoiding or neutralising unwanted electrical charges on tube components
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/26Electron or ion microscopes; Electron or ion diffraction tubes
    • H01J37/28Electron or ion microscopes; Electron or ion diffraction tubes with scanning beams
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/004Charge control of objects or beams
    • H01J2237/0041Neutralising arrangements
    • H01J2237/0044Neutralising arrangements of objects being observed or treated
    • H01J2237/0047Neutralising arrangements of objects being observed or treated using electromagnetic radiations, e.g. UV, X-rays, light
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/248Components associated with the control of the tube
    • H01J2237/2482Optical means
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/26Electron or ion microscopes
    • H01J2237/28Scanning microscopes
    • H01J2237/2813Scanning microscopes characterised by the application
    • H01J2237/2817Pattern inspection

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に電子走査顕微鏡等の荷電粒子線装置、並びに荷電粒子線装置を用いた荷電粒子線画像に基づく半導体基板等のパターンの検査または計測方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術としては、特開昭63−133640号公報(従来技術1)、特開平1−119668号公報(従来技術2)、特開平1−243449号公報(従来技術3)、および特開平4−152519号公報(従来技術4)が知られている。
【0003】
従来技術1には、半導体試料に電子ビームを照射し、試料より放出される2次電子を検出して試料の各部位における電位を評価する電子ビームテスティングにおいて、半導体試料にレーザ光源やタングステンランプ等の光源からの光を照射することによる光導電効果によって電子ビームの照射により試料表面に蓄積された電荷を放散して帯電を防止することが記載されている。
また、従来技術2には、イオン源、イオン分析部及び加速部を有するイオン注入装置において、セットされた表面をSiO2の絶縁膜で被覆されたSiウエハ全面に低圧水銀灯またはArFレーザ(λ=193nm)光源からの紫外線光を照射してSiO2中にキャリアを励起させ、イオン注入による+電荷をディスクあるいはクランプを通じて直ちに放電させ、イオン注入によるチャージアップ起因する不具合(薄いSiO2の絶縁膜破壊)をなくすことが記載されている。即ち、従来技術2においては、SiとSiO2の界面にエネルギを入射する必要があるためSiO2を透過する紫外線を用いることが記載されている。
【0004】
また、従来技術3には、処理室内の半導体装置のSi基板の表面に絶縁膜が形成された配線修正箇所にイオンビームを照射してスパッタ加工する際、並びにスパッタ処理によって開けられた穴および新たな配線を形成する位置にW(CO)6等のガス雰囲気においてイオンビームを照射してW配線を形成する際、紫外線を照射することによって絶縁膜の表面を励起する電子により中和することが記載されている。
また、従来技術4には、半導体装置の製造に際し、ドライエッチング、アッシング、プラズマCVD、電子ビーム露光、インプラ、純水洗浄、ウエハSEMのいずれかの半導体基板内に電荷が蓄積される処理を行った後、該半導体基板表面に、絶縁膜がSiO2の場合398〜141nmの波長、絶縁膜がSi34の場合617.3〜246.9nmの波長の紫外線を照射して荷電粒子のチャージアップの処理を行うことが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、半導体基板等に形成されている配線パターンが益々微細化されてきている。そのため、半導体基板等の試料に対して電子ビーム等の荷電粒子ビームを照射し、試料から得られる2次電子、反射電子等の荷電粒子を検出し、この検出される荷電粒子の信号に基いて試料に形成された微細なパターンの異物等を含む欠陥の検査や微細パターンの寸法を計測する必要が生じてきている。
また、半導体基板等の試料においては、SiO2やSi34等の絶縁膜が少なくとも一部分に形成されていて、この試料の表面に電子ビーム等の荷電粒子ビームを照射すると帯電してしまうことになる。
【0006】
しかしながら、上記従来技術1〜4の何れにも、半導体基板等の試料の表面に対して電子ビーム等の荷電粒子ビームを照射し、試料から得られる2次電子、反射電子等の荷電粒子の信号を検出する際、上記荷電粒子ビームの照射によって絶縁物上に帯電する電荷によって生じる荷電粒子信号のずれやコントラストの低下などを防止すると共に絶縁物上に紫外線を照射したとき発生する光電子の影響を受けないようにする点について考慮されていなかった。
また、電子線装置などの荷電粒子線装置の鏡筒内にある例えばアパーチヤなどに電子線などの荷電粒子線が照射されることによって焦げつきが生じて絶縁物が生成され、この絶縁物に荷電粒子線が照射されることによってチャージアップが生じて鏡筒から照射される電子ビーム等の荷電粒子ビームの位置およびスポット径などに変化が生じてしまうことになる。しかしながら、上記従来技術1〜4の何れにおいても、この点について考慮されていなかった。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、紫外光を照射することによって試料上の絶縁膜に電荷が帯電するのを防止すると共に紫外光の照射によるノイズ成分が含まれない正確で、かつ高コントラストの荷電粒子画像を安定して検出できるようにして、高感度で、かつ信頼性の高い試料上の微細パターンや微細な異物等の欠陥を検査または微細パターンの寸法計測を実現できるようにした荷電粒子線画像に基づく検査または計測方法およびその装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、半導体基板等の試料に対して、紫外光照射によるSiO2、Si34等の絶縁膜の下層へのダメージを極力少なくし、しかも紫外光を照射することによって試料上の絶縁膜に電荷が帯電するのを防止すると共に紫外光の照射によるノイズ成分が含まれない正確で、かつ高コントラストの荷電粒子画像を安定して検出できるようにして、高感度で、かつ信頼性の高い試料上の微細パターンや微細な異物等の欠陥を検査または微細パターンの寸法計測を実現できるようにした荷電粒子線画像に基づく検査または計測方法およびその装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の更に他の目的は、鏡筒内へのチャージアップによる電子ビームなどの荷電粒子ビームの位置・焦点位置・非点収差等の変動を防止した荷電粒子線装置を提供することにある。
また、本発明の更に他の目的は、鏡筒内の電子銃等の荷電粒子源からの荷電粒子線の放出効率を高めた荷電粒子線装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、荷電粒子源から発せられた荷電粒子を荷電粒子光学系で集束し、この集束された荷電粒子ビームを偏向手段によって偏向させて絶縁膜を有する試料上に対して走査照射し、この走査照射された荷電粒子ビームによって試料から発生する荷電粒子を荷電粒子検出器で検出して荷電粒子画像を得、この得られた荷電粒子画像を画像処理手段で画像処理して前記試料の検査または計測を行う検査または計測過程と、前記試料に対して紫外光照射手段により紫外光を照射して絶縁膜中の電子を励起して導通化して帯電した電荷を逃がす導通化過程とを有することを特徴とする荷電粒子線画像に基づく検査または計測方法である。
また、本発明は、荷電粒子源から発せられた荷電粒子を荷電粒子光学系で集束し、この集束された荷電粒子ビームを偏向手段によって偏向させて絶縁膜を有する試料上に対して走査照射し、この走査照射された荷電粒子ビームによって試料から発生する荷電粒子を荷電粒子検出器で検出して荷電粒子画像を得、この得られた荷電粒子画像を画像処理手段で基準荷電粒子画像と比較処理して前記試料上のパターンの検査または計測を行う検査または計測過程と、前記試料に対して紫外光照射手段により紫外光を照射して絶縁膜中の電子を励起して導通化して帯電した電荷を逃がす導通化過程とを有することを特徴とする荷電粒子線画像に基づく検査または計測方法である。
【0010】
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測方法において、導通化過程における紫外光の照射を、検査または計測過程における荷電粒子ビームを試料上の検査または計測の不要領域に対して走査照射している期間において行うことを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測方法において、導通化過程における紫外光の照射を、検査または計測過程における荷電粒子ビームを試料上へ走査照射していない期間(例えばブランキング期間)に同期させて行うことを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測方法において、導通化過程における紫外光の照射を、検査または計測過程における荷電粒子ビームを試料上へ走査照射していない期間(例えばブランキング期間)において行うことを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測方法において、導通化過程における紫外光の照射を光量についてほぼ一定にして行うことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測方法において、導通化過程における紫外光の照射を光量についてほぼ一定にして行い、検査または計測過程における荷電粒子検出器で検出される2次元荷電粒子画像から前記紫外光の照射に基づくノイズ成分を除去して2次元荷電粒子画像を得ることを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測方法において、導通化過程における紫外光の照射を光量について周期的に変化させて行い、検査または計測過程における荷電粒子検出器で検出される2次元荷電粒子画像から前記紫外光の照射に基づく周期的なノイズ成分を除去して2次元荷電粒子画像を得ることを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測方法において、導通化過程における紫外光の照射を、試料上において検査または計測過程における荷電粒子検出器で検出する視野外に行うことを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測方法において、導通化過程における紫外光の波長を、200nm以下にすることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、絶縁膜を有する試料を載置するステージと、荷電粒子源と、該荷電粒子源から発せられた荷電粒子を集束する荷電粒子光学系と、該荷電粒子光学系で集束された荷電粒子ビームを偏向させて前記ステージ上に載置された試料に対して走査照射する走査手段と、該走査手段によって走査照射された荷電粒子ビームによって試料から発生する荷電粒子を検出して荷電粒子画像を得る荷電粒子検出器と、該荷電粒子検出器から得られた荷電粒子画像を画像処理して前記試料の検査または計測を行う画像処理手段と、前記試料上に紫外光を照射して絶縁膜中の電子を励起して導通化して帯電した電荷を逃がす紫外光照射手段とを備えたことを特徴とする荷電粒子線画像に基づく検査または計測装置である。
また、本発明は、絶縁膜を有する試料を載置するステージと、荷電粒子源と、該荷電粒子源から発せられた荷電粒子を集束する荷電粒子光学系と、該荷電粒子光学系で集束された荷電粒子ビームを偏向させて前記ステージ上に載置された試料に対して走査照射する走査手段と、該走査手段によって走査照射された荷電粒子ビームによって試料から発生する荷電粒子を検出して荷電粒子画像を得る荷電粒子検出器と、該荷電粒子検出器から得られた荷電粒子画像を基準荷電粒子画像と比較処理して前記試料の検査または計測を行う画像処理手段と、前記試料上に紫外光を照射して絶縁膜中の電子を励起して導通化して帯電した電荷を逃がす紫外光照射手段とを備えたことを特徴とする荷電粒子線画像に基づく検査または計測装置である。
【0013】
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測装置において、更に、紫外光照射手段における紫外光の照射を、走査手段により荷電粒子ビームを試料上の検査または計測の不要領域に対して走査照射している期間において行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測装置において、更に、紫外光照射手段における紫外光の照射を、走査手段により荷電粒子ビームを試料上へ荷電粒子ビームを走査照射していない期間に同期させて行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測装置において、更に、紫外光照射手段における紫外光の照射を、走査手段により荷電粒子ビームを試料上へ荷電粒子ビームを走査照射していない期間に行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測装置において、紫外光照射手段を、照射される紫外光の光量がほぼ一定になるように構成することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測装置における画像処理手段において、荷電粒子検出器から得られた荷電粒子画像から前記紫外光の照射に基づくノイズ成分を除去して2次元荷電粒子画像を得るノイズ除去手段を有することを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測装置において、紫外光照射手段を、照射される紫外光の光量が周期的に変化するように構成することを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測装置における画像処理手段において、荷電粒子検出器から得られた荷電粒子画像から前記紫外光の照射に基づく周期的なノイズ成分を除去して2次元荷電粒子画像を得るノイズ除去手段を有することを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測装置において、紫外光照射手段を、紫外光の照射が試料上において前記荷電粒子検出器で検出する視野外に行われるように構成することを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子線画像に基づく検査または計測装置における紫外光照射手段において、照射する紫外光の波長が、200nm以下になるように構成することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、荷電粒子源と該荷電粒子源から発せられた荷電粒子を集束する荷電粒子光学系と該荷電粒子光学系で集束された荷電粒子ビームを偏向させて前記ステージ上に載置された試料に対して走査照射する走査手段とを備えた荷電粒子線の鏡筒を設け、該鏡筒内の偏向手段によって走査照射された荷電粒子ビームによって試料から発生する荷電粒子を検出して荷電粒子画像を得る荷電粒子検出器を設け、更に、前記荷電粒子線の鏡筒内に紫外光を照射する紫外光照射手段を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置である。
また、本発明は、荷電粒子源と該荷電粒子源から発せられた荷電粒子を集束する荷電粒子光学系と該荷電粒子光学系で集束された荷電粒子ビームを偏向させて前記ステージ上に載置された試料に対して走査照射する走査手段とを備えた荷電粒子線の鏡筒を設け、該鏡筒内の偏向手段によって走査照射された荷電粒子ビームによって試料から発生する荷電粒子を検出して荷電粒子画像を得る荷電粒子検出器を設け、更に、前記荷電粒子線の鏡筒内に紫外光を照射して鏡筒内の帯電の除去あるいは汚染の清掃を行う紫外光照射手段を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置である。
【0016】
また、本発明は、前記荷電粒子線装置において、紫外光照射手段は、紫外線を荷電粒子源に照射して荷電粒子線の放出効率を高めるように構成したことを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子線装置において、紫外光照射手段は、紫外線を前記荷電粒子源または走査手段を構成するアパーチヤに照射するように構成したことを特徴とする。
【0017】
以上説明したように、前記構成によれば、紫外光を照射することによって試料上の絶縁膜に電荷が帯電するのを防止すると共に紫外光の照射によるノイズ成分が含まれない正確で、かつ高コントラストの荷電粒子画像を安定して検出できるようにして、高感度で、かつ信頼性の高い試料上の微細パターンや微細な異物等の欠陥の検査または微細パターンの寸法計測を実現することができる。
また、前記構成によれば、半導体基板等の試料に対して、紫外光照射によるSiO2、Si34等の絶縁膜の下層へのダメージを極力少なくし、しかも紫外光を照射することによって試料上の絶縁膜に電荷が帯電するのを防止すると共に紫外光の照射によるノイズ成分が含まれない正確で、かつ高コントラストの荷電粒子画像を安定して検出できるようにして、高感度で、かつ信頼性の高い試料上の微細パターンや微細な異物等の欠陥の検査または微細パターンの寸法計測を実現することができる。
【0018】
また、前記構成によれば、電子線装置などの荷電粒子線装置の鏡筒内へのチャージアップによる電子ビームなどの荷電粒子ビームの位置・焦点位置・非点収差等の変動を防止することができ、安定した荷電粒子線装置を実現することができ、その結果、高感度で、かつ信頼性の高い試料上の微細パターンや微細な異物等の欠陥を検査または微細パターンの寸法計測などを実現することができる。
また、前記構成によれば、電子線装置などの荷電粒子線装置の鏡筒内の電子銃等の荷電粒子源からの荷電粒子線の放出効率を高めることができ、高効率の荷電粒子線装置を実現することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に係る荷電粒子線画像に基づく検査または計測方法およびその装置並びに荷電粒子線装置の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る荷電粒子線装置の一実施例である電子線装置の構成を示す図である。電子線装置10は、真空排気される鏡筒2内に、電子線を出射する電子銃とコンデンサレンズと引き出し電極とを有する電子線源11と、電子線の照射をON、OFFするブランキング機構17と、電子線を偏向させる偏向素子12と、電子線を試料16上に焦点を結ぶ電磁レンズ13と、試料16から放出された例えば2次電子、反射電子等の電子を検出する電子検出部とを設置し、更に真空排気される試料室3内に、試料16を載置した試料台21を搭載するXYステージ15と、該XYステージ15の位置を正確に測長する位置モニタ用測長器(図示せず)と、試料16の近傍に設けられたグリッド電極24と、試料の高さを測定する高さ測定器19とを設置して構成される。電子線源11としては、電子ビーム電流を大きくとれる熱電界放射型電子銃等で構成される。偏向素子12としては、偏向速度の速い静電偏向器等で構成される。電子検出部は、例えば2次電子、反射電子等の電子を検出する電子検出器14を例えば対物レンズ13の上方に設置して構成する。電子検出器14としては高速駆動可能な半導体検出器が用いられる。そして、電子検出器14の出力信号は、鏡筒2の外に設置されたアンプ271で増幅される。また、高さ測定器19は、レーザビームを試料上に斜め方向から照射するレーザ光照射光学系および試料の表面からの反射光のシフト位置を検出するリニアイメージセンサを有する検出光学系から構成される。
【0020】
更に、電子線装置10の鏡筒2には、鏡筒内に紫外光を照射して鏡等内の汚染やチャージアップを防ぐ紫外光照射系30と、電子線による走査と同時に試料16に対して紫外光の照射を行って帯電の除去を行う紫外光源31とを備える。紫外光源31は、Arガスを励起して126nmの紫外光からなる励起光を放出するエキシマランプや、Nd:YAGレーザの第3高調波(例えば118nmのVUV光)や、Ar2のエキシマレーザ光源(126nmの紫外光)や、Kr2のエキシマレーザ光源(146nmの紫外光)等で構成され、例えば半導体基板等の試料16上にあるSiO2やSi34等の絶縁膜に対して150nm以下の紫外光を照射して絶縁膜において価電子帯(充満体)中の電子を伝導帯まで励起させて導通化して(電子的電気伝導を起こさせて)絶縁膜に帯電した電荷を負電位の試料台21に逃がすためのものである。紫外光源31としては、上記光源の他、Arガス等のプラズマ光源から分光器等で150nm以下の紫外光を取り出すように構成することも可能である。紫外光照射系30における光源も、同様な光源で構成することができる。特に、紫外光源31、および紫外光照射系30の光源としてレーザ光源等を用いて絶縁膜等が加工されてしまう場合には、出射される紫外レーザ光について高速で走査してドーズ量を低減したり、MgF2、LiF等の拡散板を用いて拡散させればよい。
【0021】
走査制御装置(偏向信号発生装置)18は、CPU等から構成された全体制御装置8からの電子線走査指令に基いて、ブランキング機構(電極)17を制御することにより電子線照射のON、OFFを制御し、偏向素子12を制御することにより電子線の偏向を制御するものである。即ち、偏向信号発生装置18は、偏向素子12に対して偏向信号を発生するが、このとき、試料表面16の高さ変動にともなう像倍率変動、電磁レンズ13の制御にともなう像回転を補償するように偏向信号に補正を加えるものでもある。
焦点位置制御装置20は、全体制御装置8からの電子線走査に先立つ試料上の箇所について高さ検出手段19で検出された試料16の表面の高さデータに基いて電子線を試料16上に焦点を結ぶように電磁レンズ13を制御するものである。また、焦点位置制御装置20は、ステージ15をXYZステージとして、焦点位置を直接制御する代わりに、ステージ15の高さを制御するようにしてもよい。
線源電位調整装置9は、全体制御装置8からの電位調整指令に基いて電子線源11に対する電位を調整するものである。グリッド電位調整手段25は、全体制御装置8からの電位調整指令に基いてグリッド電極24に対するほぼ接地電位である電位を調整するものである。試料台電位調整手段22は、全体制御装置8からの電位調整指令に基いて試料台21に対する負電位を調整するものである。これら線源電位調整装置9、グリッド電位調整手段25、および試料台電位調整手段22の各々は、電子線源11、グリッド電極24、および試料台21に対する電位を調整することによって、電子線の検出条件が変化し、得られる画像のコントラスト等の像質が制御されるものである。
【0022】
ステージ制御装置23は、全体制御装置8からの指令に基いてXYステージ15の位置を正確にモニタしながらXYステージ15の走行を制御する。
【0023】
このように電子線源11から出射された電子ビームは、電子線源11に設けられたコンデンサレンズ(図示せず)、および電磁レンズ(対物レンズ)13によって試料面において画素サイズ程度のビーム径に絞られて合焦点状態で照射されることになる。この際、試料台21によって試料16に負電位を印加し、グリッド電極24にほぼ接地電位を印加することによって、対物レンズ13と試料16との間で電子ビームを減速することで低加速電圧領域で高分解能化をはかる。
更に、試料16に電子ビームが照射されると、試料16から電子が発生することになる。そして偏向素子12による電子線の例えばX方向への繰り返し走査と、ステージ15による試料16のY方向の連続的な移動に同期して電子検出器14による試料16から発生する電子を検出することで、試料の2次元の電子線像が連続的に得られる。
【0024】
ところで、リターディング方式では、グリッド電極24、および試料台電極21により電位分布を作り出して、実効的な加速電圧を低下させている。ところが、ステージ15を移動させて検査・計測個所が試料16の周辺部に来たときでも、中央の時と変わらない電位分布であるならば静的な歪みは生じないが、それには電極(グリッド電極24、および試料台電極21)を無限に大きくする必要がある。しかしながら、電極を無限に大きくできないことからして、リターディング方式では、試料上の周辺部と中央部の磁界分布を等しくすることが難しく、中央部の静的な歪みがないと定義すれば、周辺部において静的な歪みが生じることになる。このように、試料上において磁界分布が歪むことにより、電子ビームの走査が乱れ、その結果検出画像にも静的な歪みが生じることになる。この対策として、検査・計測に先立ち、予め既知の寸法または形状を有する繰り返しパターンを形成した標準試料を試料台21に載置してステージ15に搭載し、該標準試料からの検出画像を画像取り出し部27で取り出して例えば画像メモリ277に記憶させ、例えば全体制御装置8内のCPUによって検出画像の歪みを計測しておく。検査・計測時には、全体制御装置8は、この計測歪みデータを用いて走査制御装置18に指令を出し、走査制御装置18により電子ビームの走査速度、走査地点(X座標およびY座標)を制御することにより上記検出画像の静的な歪みが補正される。
【0025】
画像取り出し部27は、図2に示すように、電子検出器14によって検出される電子検出信号を増幅するアンプ271と、該アンプ271により増幅された電子検出信号をデジタル画像データ(階調画像データ)に変換するA/D変換器272と、該A/D変換器272の出力を光信号に変換する光変換手段(発光素子)273と、該光変換手段273で変換された光信号を伝送する伝送手段(光ファイバケーブル)274と、該伝送手段274で伝送された光信号をデジタル画像データに戻す電気変換手段(受光素子)275と、該電気変換手段275から得られるデジタル画像データ(階調画像データ)に対して前処理(画像補正)を行う前処理回路(画像補正回路)276と、該前処理回路276で補正されたデジタル画像信号を一時記憶する画像メモリ277と、該画像メモリ277に記憶されたデジタル画像信号を所望の時間だけ遅延させて比較すべき比較画像信号(階調画像信号)g0を作る遅延回路278とによって構成される。なお、画像メモリ277からは検出画像信号(階調画像信号)f0が出力される。
【0026】
このように光信号に変換して伝送するのは、反射板26からの電子を半導体検出器14に導くために、半導体検出器14から光変換手段273までの構成要素(半導体検出器14、アンプ271、A/D変換器272、および光変換手段273)を正の高電位にフローティングする必要があるからである。その結果、伝送手段274は、高絶縁材料で形成されているため、光変換手段273において正の高電位レベルにあった画像信号が伝送手段274を通過後、電気変換手段275からはアースレベルの画像信号が得られることになり、画像処理回路28において画像処理が可能となる。
前処理回路276においては、図3に示すように、受光素子275から得られるデジタル画像データ(階調画像データ)に対して、暗レベル補正回路2761において暗レベル補正が行われ、電子線の揺らぎ補正回路2762において電子ビーム電流の揺らぎ補正が行われ、シェーディング補正回路2763においてシェーディング補正が行われ、その後補正されたデジタル画像データに対してフィルタリング処理回路2764においてガウシアンフィルタ、平均値フィルタ、あるいはエッジ強調フィルタなどのフィルタリング処理を行って、画質を改善する。更に、必要に応じて歪み補正回路2765において画像の静的な歪みが補正されて2次元の画像メモリ277に格納される。この歪み補正回路2765は、一旦検出された画像上で静的な歪みを補正するものである。即ち、補正前の画素の座標を(x,y)、補正後の画素の座標を(X,Y)としたとき、これらの補正式の関係を予め求めておくことによって静的な歪み(予め予測することができる歪み)を補正することが可能となる。
【0027】
暗レベル補正回路2761における暗レベル補正は、図4に示すように、全体制御部8から得られる走査ライン同期信号42に基いて、受光素子275から抽出されるビーム・ブランキング期間中における検出信号41を基準に暗レベルを補正する。即ち、暗レベルを補正する基準信号は、ビーム・ブランキング期間中の例えば特定位置における特定数画素の階調値の平均を暗レベルとし、走査ライン毎に更新する。このように暗レベル補正回路2761において、ビーム・ブランキング期間中に検出される検出信号が、ライン毎に更新される基準信号に暗レベル補正が行われる。特に、暗レベルを算出する際、紫外光源31から紫外光を試料16に対して照射するのを中止するか、遮光手段38で遮光し、紫外光照射によって生じる光電子によるノイズ成分(暗レベル)の発生をなくする必要がある。この場合は、ブランキング期間または検査・計測不要領域に電子ビームを走査照射する期間において紫外光源31からの紫外光を試料16上に照射しない場合である。
次いで、電子線の揺らぎ補正回路2762における電子線の揺らぎ補正は、図4に示すように、暗レベル補正がなされた検出信号43を、補正周期(例えば100kHzのライン単位)で上記ビーム電流を検出するファラデーカップ(図示せず)でモニタされたビーム電流44で正規化して行う。電子線の揺らぎには、急激な変動がないので、1〜数ライン前に検出されたビーム電流を用いてもよい。
【0028】
次いで、シェーディング補正回路2763におけるシェーディング補正は、図4に示すように、電子線の揺らぎ補正された検出信号45に対して、全体制御装置8から得られるビーム走査位置46による光量変動を補正するものである。即ち、シェーディング補正は、予め検出した基準明るさデータ47を基に画素毎に補正(正規化)を行うものである。シェーディング補正用基準データ47は、予め、シェーディング補正機能をoffにした上で検出し、この検出された画像データを一旦画像メモリ(例えば277)に格納し、この格納された画像データを、全体制御装置8内に設けられた計算機または上位の計算機においてソフトウエアで処理して作成する。
【0029】
画像メモリ277は、紫外光を紫外光照射系30から照射して鏡等内の汚染やチャージアップを防ぐ状態や、紫外光を紫外光源31から電子線による走査と同時に試料16に対して照射して帯電の除去を行った状態から検出される画像信号について全体制御装置8が例えば表示手段34等に出力して最適であるか否かを評価するために設けた。
更に、シフトレジスタ等で構成される遅延回路278は、前処理回路276から画質が改善されたデジタル画像信号(階調画像信号)を一定時間だけ遅延させるが、遅延時間を、全体制御装置8から得て、例えばステージ15がチップピッチ分移動する時間にすれば、図8に示すように、遅延されたチップ(ダイ)n画像(g0)と遅延されていないチップ(ダイ)m画像(f0)とは隣り合うチップ(ダイ)の同じ箇所での画像信号となり、チップ比較検査が可能となる。また、遅延時間を、全体制御装置8から得て、ステージ15がメモリセルのピッチ分移動する時間にすれば、図9に示すように、遅延された信号(g0)と遅延されていない信号(f0)とは隣り合うメモリセルの同じ箇所での画像信号となり、セル比較検査が可能となる。このように遅延回路278は、全体制御装置8から得られる情報に基いて、読み出す画素位置を制御することによって任意の遅延時間を選択できるように構成される。以上のようにして、画像取り出し部27から、比較すべきデジタル画像信号(階調画像信号)f0、g0が取り出されることになる。なお、比較画像信号g0は、比較する際の基準となる画像であればよく、試料から選びだされたセル画像もしくはチップ(ダイ)画像でもよく、また設計情報に基いて作成された画像でもよい。
【0030】
画像処理回路28は、全体制御装置8からの指定されたアドレスに基いて読み出す領域を自由に設定できる機能を有し、連続検出画像信号f0と連続比較画像信号g0との各々を記憶する2次元の画像メモリ60a、60bと、位置ずれ検出部281と、検出画像信号f4と比較画像信号g4との各々を記憶して出力する画像メモリ61a、61bと、欠陥判定部282と、欠陥編集部283とで構成される。
位置ずれ検出部281は、画素単位の位置合わせ部2811と、階調補正部2812と、画素単位以下の位置ずれ検出部2813とから構成される。画素単位の位置合わせ部2811においては、2次元の画像メモリ60a、60bの各々から、動的な歪み(ステージ15等の振動や試料上のパターン分布によって生じる磁界の変化などがもたらす歪み)を無視できる領域単位で切り出された各領域毎の検出画像信号f1(x,y)に対する比較画像信号g1(x,y)の位置ずれ量が0〜1画素の間になるように、いいかえれば、f1(x,y)とg1(x,y)との「整合度」が最大となる位置が0〜1画素の間(即ち、画素単位)になるように、例えばg1(x,y)の位置をずらすことによって、検出画像信号としてはf2、比較画像信号としてはg2が得られる。
【0031】
階調補正部2812は、画素単位の位置合わせ部2811において、動的な歪み各領域毎に画素単位の位置合わせ後、検出画像信号f2と比較画像信号g2との階調値を補正する回路である。従って、階調補正部2812に入力された段階では、互いに異なった階調値の平均値と標準偏差を持っていたf2とg2とは、階調補正部2812を経ることによって階調値の平均値と標準偏差とが互いに等しい画像信号f3とg3とになる。
画素単位以下の位置ずれ検出部2813は、上記領域単位に亘る画素以下の位置ずれ量(位置ずれ量は0〜1の実数となる。)を算出する。領域単位に亘る画素以下の位置ずれとは、図6に示すような状況である。図6において、鎖線で示された四角の升目が画素を示し、電子検出器14で検出されてA/D変換器272でサンプリングされてデジタル値(階調値)に変換される単位である。同図では領域単位毎の(領域単位に亘る)比較画像g3が領域単位毎の(領域単位に亘る)検出画像f3に対して、x方向に2*δx、y方向に2*δyだけ位置がずれている。整合度の測度としては、例えば、「差の2乗和」(ΣΣ(f3−g3)2)を採用した例を示す。
【0032】
領域単位毎の検出画像f3(x,y)と領域単位毎の比較画像g3(x,y)との中間位置を位置ずれ量0とする。すなわち、図6に示す状況では、f3はx方向に−δx、y方向に−δy、g3はx方向に+δx、y方向に+δyだけずれていると仮定する。δx、δyは整数ではないため、δx、δyだけずらすには、画素と画素の間の値を定義する必要がある。領域単位毎の検出画像f3をx方向に+δx、y方向に+δyだけずらした領域単位毎の検出画像f4、g2をx方向に−δx、y方向に−δyだけずらした領域単位毎の比較画像g4を、次に示す(数1)式および(数2)式のように定義する。
f4(x,y)=f3(x+δx,y+δy) (数1)
g4(x,y)=g3(x−δx,y−δy) (数2)
(数1)(数2)式はいわゆる線形補間である。f4とg4との整合度e3(δx,δy)は「差の2乗和」を採用すると次に示す(数3)式のようになる。
e3(δx,δy)=ΣΣ(f4(x,y)−g4(x,y))2 (数3)
ΣΣは領域単位内の合計である。画素以下の位置ずれ検出部2813の目的は、領域単位においてe3(δx,δy)が最小値をとるδxの値δx0、δyの値δy0を求めることである。それには、上記(数3)式をδx,δyで偏微分した式を0とおいて、それをδx,δyについて解けばよい。このようにして画素以下の位置ずれ検出部2813は、領域単位毎に画素以下の位置ずれ量δx0、δy0が求まることになる。
シフトレジスタ等で構成された遅延回路61a、61bは、領域単位毎の画素以下の位置ずれ検出部2813でδx0、δy0を求めるのに要する時間分だけ画素信号f3、g3を遅延させるためのものである。
【0033】
次に、欠陥判定部282について説明する。欠陥判定部282では、差分抽出回路2821において領域単位毎の検出画像f3と領域単位毎の比較画像g3との差画像を作成する一方、閾値演算回路2822において各画素に対する閾値を算出し、閾値処理部2823において差画像の階調値と閾値を比較して欠陥か否かを判定する。
差分抽出回路2821は、計算上2*δx0、2*δy0の位置ずれを有する領域単位の検出画像f3と領域単位の比較画像g3との領域単位毎の差画像sub(x,y)を求める。この領域単位毎の差画像sub(x,y)は、(数4)式のように表わされる。
sub(x,y)=g3(x,y)−f3(x,y) (数4)
閾値演算回路2822は、遅延回路61を経た領域単位毎の画像f3、g3および、画素以下の位置ずれ検出部2813から得られる領域単位毎の画素以下の位置ずれ量δx0、δy0を用いて、欠陥候補か否かを判定する、領域単位毎の二つの閾値thH(x,y)、thL(x,y)を算出する。thH(x,y)は、領域単位毎に得られる差画像sub(x,y)の上限を規定する閾値であり、thL(x,y)は、領域単位毎に得られる差画像sub(x,y)の下限を規定する閾値である。閾値演算回路2822の構成を図7に示す。閾値演算回路2822における演算の内容を(数5)式および(数6)式で表すと次のようになる。
【0034】
thH(x,y)=A(x,y)+B(x,y)+C(x,y) (数5)
thL(x,y)=A(x,y)−B(x,y)−C(x,y) (数6)
ただし、A(x,y)は、次に示す(数7)式の関係で示され、領域単位毎に得られる画素以下の位置ずれ量δx0、δy0を用いて、実質的に領域単位毎に得られる差画像sub(x,y)の値に応じて閾値を補正するための項である。
【0035】
またB(x,y)は、次に示す(数8)式の関係で示され、分割単位毎に得られる検出画像f3と分割単位毎に得られる比較画像g3との間において、パターンエッジの微小な位置ずれ(パターン形状の微小な差異、パターン歪みも局所的に見ればパターンエッジの微小な位置ずれに帰着する)を許容するための項である。またC(x,y)は、次に示す(数9)式の関係で示され、領域単位毎に得られる検出画像f3と領域単位毎に得られる比較画像g3との間において、階調値の微小な差異を許容するための項である。
【0036】
A(x,y)={dx1(x,y)*δx0−dx2(x,y)*(−δx0)}+{dy1(x,y)*δy0−dy2(x,y)*(−δy0)}={dx1(x,y)+dx2(x,y)}*δx0+{dy1(x,y)+dy2(x,y)}*δy0 (数7)
B(x,y)=|{dx1(x,y)*α−dx2(x,y)*(−α)}|+|{dy1(x,y)*β−dy2(x,y)*(−β)}|=|{dx1(x,y)+dx2(x,y)}*α|+|{dy1(x,y)+dy2(x,y)}*β| (数8)
C(x,y)=((max1+max2)/2)*γ+ε (数9)
ここで、α、βは0〜0.5の実数、γは0以上の実数、εは0以上の整数である。
dx1(x,y)は、次に示す(数10)式の関係で示され、領域単位毎に得られる検出画像f3(x,y)におけるx方向+1隣りの画像との階調値の変化分を示す。
dx1(x,y)=f3(x+1,y)−f3(x,y) (数10)
また、dx2(x,y)は、次に示す(数11)式の関係で示され、領域単位毎に得られる比較画像g3(x,y)におけるx方向−1隣りの画像との階調値の変化分を示す。
dx2(x,y)=g3(x,y)−g3(x−1,y) (数11)
また、dy1(x,y)は、次に示す(数12)式の関係で示され、領域単位毎に得られる検出画像f3(x,y)におけるy方向+1隣りの画像との階調値の変化分を示す。
【0037】
dy1(x,y)=f3(x,y+1)−f3(x,y) (数12)
また、dy2(x,y)は、次に示す(数24)式の関係で示され、領域単位毎に得られる比較画像g3(x,y)におけるy方向−1隣りの画像との階調値の変化分を示す。
dy2(x,y)=g3(x,y)−g3(x,y−1) (数13)
max1は、次に示す(数14)式の関係で示され、領域単位毎に得られる検出画像f3(x,y)における自身も含め、x方向+1隣りの画像、y方向+1隣りの画像の最大階調値を示す。また、max2は、次に示す(数15)式の関係で示され、領域単位毎に得られる検出画像g3(x,y)における自身も含め、x方向−1隣りの画像、y方向−1隣りの画像の最大階調値を示す。
max1=max{f3(x,y),f3(x+1,y),f3(x,y+1),f3(x+1,y+1)} (数14)
max2=max{g3(x,y),g3(x−1,y),g3(x,y−1),g3(x−1,y−1)} (数15)
なお、閾値演算回路2822に入力されるパラメータα,β,γ,εは、試料16である検査対象の種類(ウエハの品種、工程など)ごとにパラメータα,β,γ,εの適切な値を記述した検査パラメータファイルを例えば全体制御装置8に接続した記憶装置36に準備しておき、検査開始時に、検査対象の品種を入力すると、そのファイルが自動的に全体制御装置8にロードされて閾値演算回路2822に提供できるようにしておくと好都合である。
閾値処理部2823は、差画像抽出回路2821から得られる領域単位毎の差画像sub(x,y)、並びに閾値演算回路2822から得られる領域単位毎の下限の閾値thL(x,y)、および上限の閾値thH(x,y)を用いて、次に示す(数16)式の関係を満たせば、ある領域単位における位置(x,y)の画素は非欠陥候補、満たさなければ位置(x,y)の画素は欠陥候補と判定する。閾値処理部2823は、ある領域単位において非欠陥候補画素は0、欠陥候補画素は1の値を持つ2値画像def(x,y)を出力する。
【0038】
thL(x,y)≦sub(x,y)≦thH(x,y) (数16)
欠陥編集部283では、ノイズ除去処理(例えば、2値画像def(x,y)に対して縮小・膨張の処理を行う。例えば3×3画素の全てに亘って同時に欠陥候補画素ではないときには、その中心の画素として例えば0(非欠陥候補画素)にして縮小処理を行って消去し、それを膨張処理して元に戻すことを行う)によってノイズ的(例えば3×3画素の全てに亘って同時に欠陥候補画素ではない。)な出力を削除したあと、近隣の欠陥候補部を一つにまとめる欠陥候補部のマージ処理を行う。その後、各領域単位毎において、一まとまりごとに、重心座標、XY投影長(x方向およびy方向における最大長さを示す。なお、(X投影長の2乗+Y投影長の2乗)の平方根は最大長さとなる。)、面積などの特徴量62を算出して全体制御装置8に対して出力する。
【0039】
以上説明したように、全体制御装置8によって制御される画像処理回路28からは、電子ビームが照射されて電子検出器14で検出させる被検査対象物(試料)16上における所望の領域から被検査対象物16上の座標に応じて欠陥候補部の特徴量(例えば、重心座標、XY投影長、面積など)62が得られることになる。
【0040】
全体制御装置8では、検出画像上での欠陥候補部の位置座標を被検査対象物(試料)16上の座標系に変換し、疑似欠陥の削除を行い、最終的に、被検査対象物(試料)16上での位置と画像処理回路28における領域単位毎の欠陥編集部283から算出された特徴量とからなる欠陥データをまとめる。
なお、各画像メモリ61a、61bと閾値演算回路2822との間に、画素以下の位置ずれ検出部2813から得られる領域単位毎に画素以下の位置ずれ量δx0、δy0を基に検出画像f3と比較画像g3との間で画素単位以下の位置ずれを補正する画素単位以下の位置ずれ補正回路を設けてもよい。この場合、閾値演算回路2822からの出力は、上記(数5)式および(数6)式におけるA(x,y)項を削除することができる。
【0041】
以上説明したように、ステージ15を連続移動しながら、偏向素子12を駆動して電子ビームをステージの移動方向に交差する方向(例えば直交する方向)に走査する。このとき試料16から発生する例えば2次電子を電子検出器14で検出して画像切り出し部27に入力してSEM画像を連続的に得る。画像処理回路28は、遅延回路278で遅延された電子線比較画像と遅延されていない電子線検出画像とを比較することによって比較検査を実現することができる。この場合、画像の遅延量は繰り返しパターンピッチと一致させればよい。即ち、画像の遅延量は、図8に示すチップ(ダイ)比較においては、チップ(ダイ)の繰り返し間隔であり、図9に示すセル比較においては、セルの繰り返し間隔となる。なお、比較画像は、設計情報から生成された基準画像であってもよいことは言うまでもない。即ち、半導体ウエハなどに形成された微細回路パターンから検出される電子顕微鏡画像に基づく比較により欠陥検査を行うことができる。
【0042】
また、以上の説明では、欠陥検査を行う場合について説明したが、画像処理回路28において、比較画像信号gとして基準パターンを用いれば、検出画像信号fと基準パターンとの間の位置ずれ量が求まり、この求まった位置ずれ量に応じてステージ15等を移動させることによって検出画像信号を基準パターンに合わせるアライメントを実現することもできる。また、画像処理回路28において、検出画像信号fに対してパターンの線幅等について画素以下の精度で測定することも可能となる。即ち、半導体装置の製造プロセス条件の設定やモニタなどに使用される微細回路パターンの線幅や穴径などを測定する走査型電子顕微鏡による測長装置においても、同様に画像処理回路28における画像処理により測長を行うことができる。
【0043】
次に、励起光(紫外光)の照射によるノイズ成分が含まれず、しかも帯電する電荷による位置ずれのない正確で、かつ高コントラストな電子線画像を画像切り出し回路27から得られるようにして、画像処理回路28において試料16上の微細なパターンや微細な異物等の検査や試料16上の微細なパターン幅などの測長などを行う実施例について説明する。
まず、電子線エネルギーと2次電子放出効率との関係について図10を用いて説明する。即ち、電子線のエネルギーが低い領域では2次電子放出効率が1以上で正に帯電しやすく、電子線のエネルギーが高い領域では2次電子放出効率が1以下で負に帯電しやすい。ところで、試料16の電気的特性(導電性パターンと絶縁性パターンとが混在する被検査対象)を画像として検出する電位コントラストモードでは、電子線のエネルギーを低くして正に帯電しやすい領域を使い、荷電粒子線のビーム径を絞って微細欠陥を検出するためには、電子線のエネルギーを高くして負に帯電しやすい領域を使うことが望ましい。即ち、電子線のエネルギーを低くして2次電子放出効率を1以上にすることによって、電位コントラストを高め、絶縁物上の配線パターンなどを観察しやすくすることができ、また最表面のみを観察することができる。また、電子線のエネルギーを高くして2次電子放出効率を1以下にすることによって、解像度を向上させて微細欠陥を検出しやすくすることができる。何れにしても、絶縁物を有する半導体基板等の試料16の表面には電子ビームを照射することによって正または負に帯電することになる。
【0044】
ところが、この絶縁物を有する半導体基板等の試料16へ電荷が蓄積される(チャージアップが生じる)と、電子検出器14で検出される電子線画像の像質が変化することになり、その結果例えば比較検査においては虚報が生じ、測長においては誤差が生じることになる。例えば、図11(a)に示すチャージアップが生じていない電子線画像110に対して、チャージアップが局所的に生じると、図11(b)に示すようなコントラストが局所的に変化した電子線画像111が電子検出器14で検出され、チャージアップが全体に及んだ場合には図11(c)に示すような電子線画像112が電子検出器14で検出されることになる。その結果、セル比較検査の場合において、チャージアップによって電子線画像のコントラストが局所的に変化すると、正常部でも隣接セル間で明るさ(階調値)が異なってきて虚報が生じることになる。また、チップ(ダイ)比較検査の場合において、チャージアップによってチップ(ダイ)nのコントラストがチップ(ダイ)mのコントラストと異なる場合にはいたるところで虚報が生じることになる。
【0045】
また、電子線画像に基づく測長の場合、例えば、図12に示すチャージアップが生じていない電子線画像(線幅がW1)120に対して、チャージアップが生じると図13に示すような線幅W2が膨張した電子線画像121が電子検出器14で検出されることになり、その結果線幅W2が大きめに測長されることになる。図12(a)はチャージアップが生じていない電子線画像120を示し、図12(b)は走査線aにおいて測長される線幅W1を示す。図13(a)はチャージアップが生じた場合の電子線画像121を示し、図13(b)は走査線aにおいて大きめに測長される線幅W2を示す。また、チャージアップによって見かけ上の倍率が異なり、図14に示すように本来同じであるべき線幅W3、W4が測定個所によって異なってくることになる。
【0046】
そこで、紫外光源31から励起光である150nm以下の紫外光を、半導体基板等の試料16上の電子線による観察視野とほぼ同じ個所に照射し、試料16上に存在するSiO2やSi34等の絶縁膜において、価電子帯(充満体)中の電子を伝導帯まで励起させて導電化して(電子的電気伝導を起こさせて)、絶縁膜に帯電した電荷を負の電位が印加された試料台21に逃がすことによって帯電の除去が行われる。なお、絶縁膜上に導電配線パターンが存在した場合には、150nm以下の紫外光を照射することによって導電化して絶縁膜に帯電した電荷を導電配線パターンを介して負の電位が印加された試料台21に逃がすことも可能である。また、150nm以下の紫外光を照射するので、半導体基板等において上記絶縁膜の下層に存在する能動素子等にダメージを及ぼすこともない。
即ち、紫外光の波長としては、光伝導効果を生じさせる波長であり、且つデバイスに損傷を与えないものであることが望ましい。よって、チャージアップを生じさせる絶縁膜表面で吸収される波長が良い。例えば、チャージアップを生じさせる絶縁膜の材質がSiO2の場合、およそ155nm以下の波長で吸収が始まり、光伝導効果を生じさせるためには、およそ130nm以下の波長が必要である。但し、光伝導効果を生じさせる波長は、SiO2の組成や光の照射領域の状態により変化するため、SiO2の場合は、150nm以下の光伝導効果を生じさせる波長の光を照射する。Si34の場合は、およそ205nmの波長から吸収が始まり、230nmの波長より光伝導効果が生じる。よって、Si34の場合は200nm以下の波長を用いると良い。
【0047】
しかし、150nm以下の紫外光39を上記絶縁膜に照射した際、光電子が生起されて電子検出器14によりノイズ成分として検出されることになる。
【0048】
そこで、照射制御装置32は、紫外光39、39’が、電子線の視野と同じ箇所を照射するため、これと干渉しないように制御するためのものである。即ち、照射制御装置32は、図15に示すように走査制御装置18からの水平走査信号151(特にこの信号に含まれるブランキング信号)を受けてこれと同期した紫外光照射信号152を作成し、この作成され紫外光照射信号152を基に例えばブランキングする期間において紫外光源31を励起、またはその先にあるシャッタ手段(回動等の運動するミラーも含む)38を開放することによって紫外光39を照射するように制御する。
また、照射制御装置32は、図16に示すように全体制御装置8から得られる検査領域信号161を基に、電子ビームが検査領域外を走査している間にONとなる紫外線照射信号162を作成し、この作成され紫外光照射信号162を基に例えば電子ビームが検査領域外を走査している期間において紫外光源31を励起、またはその先にあるシャッタ手段(回動等の運動するミラー38bも含む)38を開放して紫外光39を照射するように制御する。
【0049】
なお、試料台21に投入されて搭載される半導体基板等の試料16の表面には、投入する前の搬送等によって帯電してしまう可能性があるので、電子線画像検出する前に、全体制御装置8からの指令で、照射制御装置32は、紫外光源31を励起、またはその先にあるシャッタ手段(回動等の運動するミラーも含む)38を開放することによって紫外光39、39’を照射して半導体基板等の試料16の絶縁膜を導電化し、蓄積電荷を試料台21へと逃がす必要がある。
【0050】
図17(a)は、紫外光39を照射するためのシャッタ手段38の第1の実施例38aを示すものである。即ち、シャッタ手段38の第1の実施例38aは、紫外光39を通過する窓を穿設した回転部材で構成する。そして、この回転部材を、例えばブランキング信号に同期するように回動させることによって、ブランキング期間において紫外光39を試料16上に照射することが可能となる。
図17(b)は、紫外光39を照射するためのシャッタ手段38の第2の実施例38bを示すものである。即ち、シャッタ手段38の第1の実施例38bは、紫外光39を反射するミラーを回動等の運動するように構成する。そして、この回動ミラーを、例えば電子ビームが検査領域を走査している期間において回動させて紫外光39を検査領域から外し、電子ビームが検査領域外を走査している期間においては回動させて戻すことにより紫外光39を試料16上に照射することが可能となる。
【0051】
また、上記回動ミラーを用いることによって紫外光39を試料16上において直線状に走査することが可能となり、絶縁膜上において直線状に沿って順順に導通化が行われことになり、スリット状(細帯状)の紫外光39’を照射する場合とほぼ同様になる。
図18は、試料台21まで亘るようにスリット状(細帯状)の紫外光39’を照射する光学系と半導体基板16上にスリット状(細帯状)の紫外光39’が照射された状態とを示したものである。即ち、この光学系は、図18(b)に示すように、紫外光源31から出射した紫外光をMgF2、LiF等の材料で形成されたレンズで構成されたエキスパンダ55によってビーム径を拡げ、MgF2、LiF等の材料で形成されたシリンドリカルレンズ56で一軸方向に集束させることによってスリット状(細帯状)の紫外光39’を、負の電位が印加された試料台21まで亘るように半導体基板16上に照射するものである。そして、この光学系を用いることによって、紫外光39’をスリット状(細帯状)にして負の電位が印加された試料台21まで亘るように照射することができ、半導体基板16の中央部における絶縁膜上に帯電した電荷を試料台21にすばやく逃がすことが可能となる。当然、絶縁膜上に配線パターンが形成されている場合でも、該配線パターンを介して絶縁膜上に帯電した電荷を逃がす必要も低減することができ、下層に位置する能動素子に対してダメージを及ぼすことも低減することができる。
【0052】
また、図17に示す紫外光の照射をON、OFFさせる光学系と図18に示す光学系とを組み合わせることも可能である。
以上説明したように、図15に示すように、電子ビームの水平走査の合間(ブランキング期間)に同期して紫外光39、39’を照射するか、あるいは図16に示すように、試料16上の検査不要領域を電子ビームがスキャンしている間だけ紫外光39、39’を照射することにより、光電子による影響を受けず、しかもチャージアップを低減した電子線画像を電子検出器14によって検出することが可能となる。即ち、チャージアップによって電子線画像の像質に変化が生じる試料に対しても、電子線画像を検出または解析しない期間に紫外光を照射することによって電子線画像に基づく安定した検査・測定を行うことができる。
【0053】
なお、検査不要領域を電子ビームがスキャンしている間だけ紫外光39、39’を照射する場合、図19(b)に示す如く検査不要領域であっても検査必要領域に近い領域について電子ビームを走査している期間においては紫外光39、39’を照射しなくても良い。図19(a)は、試料16上において電子ビームを走査する領域に対する検査必要領域と検査不要領域とを示したものである。図19(b)は、電子ビームを走査している期間において紫外光39、39’を照射する期間を示したものである。この検査必要領域と検査不要領域については、CADシステムに接続されたネットワークや記録媒体等で構成される入力手段35を用いて入力される半導体基板等の試料16の設計情報を基に全体制御装置8において設定されて記憶装置36に格納される。また、電子線装置を用いて詳細解析をしたい場合には、予め光学顕微鏡等を用いて半導体基板等の試料上の欠陥の検査が行われるので、光学顕微鏡等から検出される欠陥検査の座標データをネットワークや記録媒体等で構成される入力手段35を用いて入力し、この入力される欠陥検査の座標データを基に詳細解析をしたい検査必要領域が全体制御装置8において設定されて記憶装置36に格納されることになる。そこで、全体制御装置8は、この記憶装置36に設定された検査必要領域について画像処理回路28から編集された欠陥情報について解析すればよい。また、全体制御装置8は、記憶装置36に設定された検査必要領域のデータを画像処理回路28に提供することによって、画像処理回路28において欠陥情報について編集もしくは解析すればよい。
【0054】
また、紫外光源31として、例えばACエキシマランプのように、例えば10μs〜50μs程度の周期でポンピングが必要で、出射される紫外光の強度が周期的に変動する場合には、走査制御装置18は、全体制御装置8または照射制御装置32から得られる図20に示すように紫外光源31の発光周期に同期して紫外光の発光強度が弱まった期間Teにおいて、ブランキングをOFFして電子ビームを試料16上の検査・測定領域に走査照射して電子検出器14で電子線画像を検出するようにすれば、紫外光照射による光電子の影響を受けずに、チャージアップを低減した電子線画像を検出することが可能となる。
以上説明した実施例によれば、電子ビームを検査必要領域に走査照射していない期間に紫外光を照射することによって、帯電する電荷による位置ずれのない正確で、かつ高コントラストな電子線画像を画像切り出し回路27から得ることができ、その結果、画像処理回路28において安定し、かつ高精度の検査・測定を行うことができる。
【0055】
また、図18に示すようなスリット状の紫外光(紫外光ビームを図17(b)に示す回動されるミラー38bを用いて直線状に走査する場合も含む。)39’を、ステージ15で走行する試料16上において電子ビームを走査照射する走査線(該走査線の方向は、ステージ15の走行方向にほぼ直交する方向を向いている。)の箇所に後追いさせて近接させ、しかも電子検出器14の視野外(試料16上において偏向素子12によって電子ビームが走査される領域外)に照射することによって、絶縁膜を導通化して帯電した電荷を逃がすことを可能にし、しかも紫外光照射によって発生する光電子を電子検出器14で検出するのを防止することができる。即ち、紫外光照射光学系(31、55、56;38b)による紫外光の照射位置を、電子検出器14の視野外(試料16上において偏向素子12によって電子ビームが走査される領域外)で、できるだけ電子ビームの光軸(電子ビームを走査照射する走査線)に近づけるように構成する。この構成により、ステージ15の走行によって、電子ビームが走査照射されて帯電された絶縁膜上の箇所が後追いする状態で紫外光が照射されて導通化され、電荷を逃がすことが可能となる。従って、電子ビームの走査照射によって絶縁膜上に電荷が蓄積されていくことを防止でき、しかも紫外光照射によって発生する光電子を電子検出器14で検出するのを防止することができ、その結果歪みのない、高コントラストの電子線画像を検出することが可能となり、高感度で、かつ信頼性の高い微細パターンに対する欠陥検査および寸法計測を実現することができる。
【0056】
次に、画像切り出し回路27内の前処理回路276によって、紫外光照射による光電子の影響を除去し、しかも紫外光照射によるチャージアップのない電子検出画像を得る実施例について説明する。即ち、紫外光源31が例えばDCエキシマランプのように、励起光である150nm以下の紫外光を時間的に変動せずに安定して発光可能なものである場合には、これによる光電子は電子検出器14で検出される電子検出画像に小さなオフセットとして乗ってくるだけなので、図3に示す暗レベル補正回路2761で暗レベルとして補正除去すれば、紫外光源31から紫外光を照射したままで、チャージアップのない電子検出画像を前処理回路276から得ることができる。その結果、前処理回路276から得られる電子線画像に基いて安定し、かつ高精度の検査・測定を行うことができる。
また、紫外光源31として、例えばACエキシマランプやエキシマレーザ光源を用いて、発光周期が一定(fu)の場合には、図21に示すように、前処理回路276のフィルタリング処理回路2764にノッチフィルタ2764aを設けることにより、発光周波数(fu)をカットするようにすれば、また、図22に示すように、前処理回路276のフィルタリング処理回路2764にフーリエ変換回路2764baとフィルタリング回路2764bbと逆フーリエ変換回路2764bcとからフィルタ回路2764bを設けることにより、発光周波数(fu)をカットするようにすれば、紫外光源31から紫外光を一定の周期で発光したままで、紫外光照射による光電子の影響を除去し、しかもチャージアップのない電子検出画像を前処理回路276から得ることができる。
【0057】
次に、鏡筒内の汚染やチャージアップを防止することにより、電子ビームの位置・焦点位置・非点収差等の変動を防止して電子線画像に基づく検査・測長の精度を向上させる実施例について説明する。即ち、鏡筒内の汚染やチャージアップを防ぐために、図1に示すように、紫外光を鏡筒内に照射する紫外光照射系30を設けたことにある。この紫外光照射系30も、全体制御装置8からの指令に基いて照射制御装置32によって制御される。紫外光照射系30の具体的構成を図23に示す。図1では、紫外光照射系30により鏡筒2の横方向から紫外光を直接照射したが、図23では、紫外光源301からの紫外光を光ファイバ或いは光を透過するガラスロッド302により、電子銃111やアパーチャ部(引き出し電極におけるものとブランキング電極におけるものとを含む)112などの必要な箇所に照射するよう構成した。なお、113は、電子銃111から引き出される電子線を集束させるコンデンサレンズである。また、114は、電子銃取付部である。そして、電子銃111は、電源に接続される。
【0058】
このように電子銃111に紫外光を照射することによって、電子線の放出効率を高め、輝度の向上を期待することができる。また、アパーチャ部112に紫外光を照射することによって、電子線によるアパーチャの焦げつき(絶縁物質化)で発生するチャージアップを防止することができる。なお、光ファイバやガラスロッド302を用いず、ミラーなどで反射し、所望の領域に紫外光を照射しても良い。
以上説明したように、紫外光照射系30で紫外光を鏡筒内に照射するように構成したことにより、鏡筒内の汚染やチャージアップを防止することが可能となり、電子ビームの位置・焦点位置・非点収差等の変動を防止して電子線画像に基づく検査・測長の精度を向上させることが可能となる。
なお、以上電子線装置の実施の形態について説明したが、集束イオンビーム装置等ほかの集束荷電ビーム装置でも同様に構成できる。その場合、11をイオン源に代えればよい。この場合、電子検出器14は荷電粒子検出器で構成すればよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、紫外光を照射することによって試料上の絶縁膜に電荷が帯電するのを防止すると共に紫外光の照射によるノイズ成分が含まれない正確で、かつ高コントラストの荷電粒子画像を安定して検出できるようにして、高感度で、かつ信頼性の高い試料上の微細パターンや微細な異物等の欠陥の検査または微細パターンの寸法計測を実現することができる効果を奏する。
また、本発明によれば、半導体基板等の試料に対して、紫外光照射によるSiO2、Si34等の絶縁膜の下層へのダメージを極力少なくし、しかも紫外光を照射することによって試料上の絶縁膜に電荷が帯電するのを防止すると共に紫外光の照射によるノイズ成分が含まれない正確で、かつ高コントラストの荷電粒子画像を安定して検出できるようにして、高感度で、かつ信頼性の高い試料上の微細パターンや微細な異物等の欠陥の検査または微細パターンの寸法計測を実現することができる効果を奏する。
【0060】
また、本発明によれば、電子線装置などの荷電粒子線装置の鏡筒内へのチャージアップによる電子ビームなどの荷電粒子ビームの位置・焦点位置・非点収差等の変動を防止することができ、安定した荷電粒子線装置を実現することができ、その結果、高感度で、かつ信頼性の高い試料上の微細パターンや微細な異物等の欠陥を検査または微細パターンの寸法計測などを実現することができる。
また、本発明によれば、電子線装置などの荷電粒子線装置の鏡筒内の電子銃等の荷電粒子源からの荷電粒子線の放出効率を高めることができ、高効率の荷電粒子線装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る荷電粒子線装置の一実施例である電子線装置(電子線画像に基づく検査・計測装置)の構成を示す図である。
【図2】図1に示す画像切り出し回路の一実施例を示す構成図である。
【図3】図2に示す前処理回路の一実施例を示す構成図である。
【図4】図3に示す前処理回路で行う各種補正について説明するための図である。
【図5】図1に示す画像処理回路の一実施例を示す構成図である。
【図6】図5に示す画像処理回路において検出画像f3と比較画像g3との間において画素単位以下の位置ずれが生じた場合を説明するための図である。
【図7】図5に示す閾値演算回路の具体的構成を示す図である。
【図8】ダイ(チップ)比較検査について説明するための図である。
【図9】セル比較検査について説明するための図である。
【図10】電子線エネルギーと2次電子放出効率との関係を示す図である。
【図11】チャージアップによって像質の変化を説明するための図で、チャージアップがない場合の電子線画像と、チャージアップが局所的に変化する場合の電子線画像と、全体がチャージアップした場合の電子線画像とを示す図である。
【図12】チャージアップによって寸法の変化を説明するための図で、チャージアップがない場合の線幅計測(測長)画像を示す図である。
【図13】チャージアップによって寸法の変化を説明するための図で、チャージアップによって線幅が膨張した場合の線幅計測(測長)画像を示す図である。
【図14】チャージアップによって寸法の変化を説明するための図で、中央部と周辺部とで画像が歪んで測定箇所において異なった線幅計測結果が得られることを示す図である。
【図15】照射制御装置によって制御される紫外光の照射タイミングの第1の実施例を説明するための図である。
【図16】照射制御装置によって制御される紫外光の照射タイミングの第2の実施例を説明するための図である。
【図17】図1に示す紫外光源に備えられたシャッタ手段の実施例を示す図である。
【図18】試料上にスリット状の紫外光を照射する紫外光照射光学系の一実施例を説明するための図である。
【図19】試料上において電子ビーム走査領域に対する紫外光照射期間領域を示す図である。
【図20】紫外光の強度を変化させる場合の走査制御装置によって制御される電子検出時間を説明するための図である。
【図21】検出される電子線画像信号から所定の周波数fuの紫外光の照射によるノイズ成分をノッチフィルタで除去する実施例を説明するための図である。
【図22】検出される電子線画像信号から所定の周波数fuの紫外光の照射によるノイズ成分をフーリエ変換、フィルタリング、逆フーリエ変換によって除去する実施例を説明するための図である。
【図23】電子線装置の鏡筒内に紫外光を照射した場合の図1に示す構成と異なる実施例を示した図である。
【符号の説明】
2…鏡筒、3…試料室、8…全体制御装置、9…線源電位調整装置、10…電子線装置、11…電子線源(イオン源)、12…偏向素子(走査手段)、13…電磁レンズ(対物レンズ)、14…電子検出器、15…ステージ、16…試料、17…ブランキング機構、18…走査制御装置、19…高さ測定器、20…焦点位置制御装置、21…試料台、22…試料台電位調整装置、23…ステージ制御装置、24…グリッド電極、25…グリッド電位調整装置、26…反射板、27…画像取り出し部、28…画像処理回路、30…紫外光照射系、31…紫外光源、32…照射制御装置、34…表示手段、35…入力手段、36…記憶装置、38…シャッタ手段(紫外光走査手段)、60a、60b…画像メモリ、61a、61b…遅延回路、272…A/D変換器、273…発光素子、274…伝送手段、275…受光素子、276…前処理回路、277…画像メモリ、278…遅延回路、2761…暗レベル補正回路、2762…電子線の揺らぎ補正回路、2764…フィルタリング処理回路、2765…歪み補正回路、281…位置ずれ検出部、2811…画素単位の位置合わせ部、2812…階調補正部、2813…画素単位以下の位置ずれ検出部、282…欠陥判定部、2821…差分抽出回路、2822…閾値演算回路、2823…閾値処理部、283…欠陥編集部。

Claims (10)

  1. 絶縁物を有する試料を載置したステージを連続的に移動しながら、電子ビームを前記ステージの移動方向に交差する方向に偏向させて前記試料に対して走査照射して前記試料から発生する二次電子を電子検出器で検出して二次電子画像を得、該得られる二次電子画像を画像処理手段で画像処理して前記試料の検査または計測を行う検査または計測過程と、
    前記試料に対して紫外光照射手段により紫外光を照射して絶縁膜中の電子を励起して導通化して帯電した電荷を逃がす導通化過程とを有し、
    該導通化過程における紫外光の照射を、前記検査または計測過程における電子ビームを試料上の検査または計測の不要領域に対して走査照射している期間において行うことを特徴とする電子線画像に基づく検査または計測方法。
  2. 絶縁物を有する試料を載置したステージを連続的に移動しながら、電子ビームを前記ステージの移動方向に交差する方向に偏向させて前記試料に対して走査照射して前記試料から発生する二次電子を電子検出器で検出して二次電子線画像を得、該得られる二次電子線画像を画像処理手段で画像処理して前記試料の検査または計測を行う検査または計測過程と、
    前記試料に対して紫外光照射手段により紫外光を照射して絶縁膜中の電子を励起して導通化して帯電した電荷を逃がす導通化過程とを有し、
    前記導通化過程において前記紫外光の照射を光量について周期的に変化させて行い、前記検査または計測過程において前記電子検出器で検出される2次元電子線画像から前記紫外光の照射に基づく周期的なノイズ成分を除去して前記二次電子線画像を得ることを特徴とする電子線画像に基づく検査または計測方法。
  3. 絶縁膜を有する試料を載置したステージを連続的に移動させながら、電子ビームを前記ステージの移動方向に交差する方向に偏向させて前記試料に対して走査照射して前記試料から発生する二次電子を電子検出器で検出して二次電子線画像を得、該得られる二次電子線画像を画像処理手段で画像処理して前記試料の検査または計測を行う検査または計測過程と、
    前記試料に対して紫外光照射手段により紫外光を照射して絶縁膜中の電子を励起して導通化して帯電した電荷を逃がす導通化過程とを有し、
    前記導通化過程における前記紫外光の照射を、前記ステージの連続的な移動に伴って移動する試料上における前記検査または計測過程における前記電子検出器で検出する視野外に後追いさせて行うことを特徴とする電子線画像に基づく検査または計測方法。
  4. 前記検査または計測過程において、前記得られる二次電子線画像を前記画像処理手段で基準二次電子線画像と比較処理することによって前記試料上のパターンの検査または計測を行うことを特徴とする請求項1乃至の何れか一つに記載の電子線画像に基づく検査または計測方法。
  5. 前記導通化過程における紫外光の波長を、200nm以下にすることを特徴とする請求項1乃至の何れか一つに記載の電子線画像に基づく検査または計測方法。
  6. 絶縁膜を有する試料を載置して連続的に移動するステージと、
    電子線源から発せられた電子線を集束する電子線光学系と、
    該電子線光学系で集束された電子ビームを前記ステージの移動方向に交差する方向に偏向させて前記ステージ上に載置されて連続的に移動する試料に対して走査照射する走査手段と、
    該走査手段によって走査照射された電子ビームによって試料から発生する二次電子を検出して二次電子線画像を得る二次電子検出器と、
    該二次電子検出器から得られる二次電子線画像を画像処理して前記試料の検査または計測を行う画像処理手段と、
    前記試料上に紫外光を照射して絶縁膜中の電子を励起して導通化して帯電した電荷を逃がす紫外光照射手段とを備え、
    更に、前記紫外光照射手段における紫外光の照射を、前記走査手段により荷電粒子ビームを試料上の検査または計測の不要領域に対して走査照射している期間において行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とする電子線画像に基づく検査または計測装置。
  7. 絶縁膜を有する試料を載置して連続的に移動するステージと、
    電子線源から発せられた電子線を集束する電子線光学系と、
    該電子線光学系で集束された電子ビームを前記ステージの移動方向に交差する方向に偏向させて前記ステージ上に載置されて連続的に移動する試料に対して走査照射する走査手段と、
    該走査手段によって走査照射された電子ビームによって試料から発生する二次電子を検出して二次電子線画像を得る二次電子検出器と、
    該二次電子検出器から得られる二次電子線画像を画像処理して前記試料の検査または計測を行う画像処理手段と、
    前記試料上に紫外光を照射して絶縁膜中の電子を励起して導通化して帯電した電荷を逃がす紫外光照射手段とを備え、
    前記紫外光照射手段を、照射される紫外光の光量が周期的に変化するように構成し、
    前記画像処理手段において、前記二次電子検出器で検出して得られる二次電子線画像から前記紫外光の照射に基づく周期的なノイズ成分を除去して前記二次電子線画像を得るノイズ除去手段を有することを特徴とする電子線画像に基づく検査または計測装置。
  8. 絶縁膜を有する試料を載置して連続的に移動するステージと、
    電子線源から発せられた電子線を集束する電子線光学系と、
    該電子線光学系で集束された電子ビームを前記ステージの移動方向に交差する方向に偏向させて前記ステージ上に載置されて連続的に移動する試料に対して走査照射する走査手段と、
    該走査手段によって走査照射された電子ビームによって試料から発生する二次電子を検出して二次電子線画像を得る二次電子検出器と、
    該二次電子検出器から得られる二次電子線画像を画像処理して前記試料の検査または計測を行う画像処理手段と、
    前記試料上に紫外光を照射して絶縁膜中の電子を励起して導通化して帯電した電荷を逃がす紫外光照射手段とを備え、
    該紫外光照射手段において、前記紫外光の照射が、前記ステージの連続的な移動に伴って移動する試料上における前記二次電子検出器で検出する視野外に後追いさせて行われるように構成したことを特徴とする電子線画像に基づく検査または計測装置。
  9. 前記画像処理手段において、前記二次電子検出器から得られる二次電子線画像を基準二次電子線画像と比較処理することによって前記試料上のパターンの検査または計測を行うように構成したことを特徴とする請求項乃至の何れか一つに記載の電子線画像に基づく検査または計測装置。
  10. 前記紫外光照射手段において、照射する紫外光の波長が、200nm以下になるように構成することを特徴とする請求項乃至の何れか一つに記載の電子線画像に基づく検査または計測装置。
JP16587299A 1999-06-11 1999-06-11 電子線画像に基づく検査または計測方法およびその装置 Expired - Lifetime JP3805565B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16587299A JP3805565B2 (ja) 1999-06-11 1999-06-11 電子線画像に基づく検査または計測方法およびその装置
US09/589,065 US6465781B1 (en) 1999-06-11 2000-06-08 Method and apparatus for inspecting or measuring a sample based on charged-particle beam imaging, and a charged-particle beam apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16587299A JP3805565B2 (ja) 1999-06-11 1999-06-11 電子線画像に基づく検査または計測方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000357483A JP2000357483A (ja) 2000-12-26
JP3805565B2 true JP3805565B2 (ja) 2006-08-02

Family

ID=15820595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16587299A Expired - Lifetime JP3805565B2 (ja) 1999-06-11 1999-06-11 電子線画像に基づく検査または計測方法およびその装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6465781B1 (ja)
JP (1) JP3805565B2 (ja)

Families Citing this family (54)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3666267B2 (ja) * 1998-09-18 2005-06-29 株式会社日立製作所 荷電粒子ビーム走査式自動検査装置
EP1162645A3 (en) * 2000-06-09 2007-09-26 Jeol Ltd. Specimen inspection instrument
JP4034500B2 (ja) * 2000-06-19 2008-01-16 株式会社日立製作所 半導体装置の検査方法及び検査装置、及びそれを用いた半導体装置の製造方法
JP3751841B2 (ja) * 2001-02-26 2006-03-01 株式会社日立製作所 電子線を用いた検査装置及び電子線を用いた検査方法
FR2826730B1 (fr) * 2001-06-29 2003-09-05 Commissariat Energie Atomique Procede de charge d'une structure comportant un corps isolant
TW589723B (en) * 2001-09-10 2004-06-01 Ebara Corp Detecting apparatus and device manufacturing method
JP2003100246A (ja) * 2001-09-25 2003-04-04 Toshiba Corp 荷電ビーム装置並びにパターン測定方法およびパターン描画方法
JP3984019B2 (ja) * 2001-10-15 2007-09-26 パイオニア株式会社 電子ビーム装置及び電子ビーム調整方法
WO2003050841A1 (en) * 2001-11-30 2003-06-19 Kla Tencor Corporation A photoelectron emission microscope for wafer and reticle inspection
JP2005523459A (ja) * 2002-04-17 2005-08-04 株式会社荏原製作所 試料表面の検査装置及び方法
US6872942B1 (en) * 2003-04-01 2005-03-29 Kla-Tencor Technologies Corporation High-speed inspection of flat substrates with underlying visible topology
JP4154282B2 (ja) * 2003-05-14 2008-09-24 株式会社日立ハイテクノロジーズ 回路パターンの検査装置
US7211796B2 (en) * 2003-05-27 2007-05-01 Kabushiki Kaisha Toshiba Substrate inspection apparatus, substrate inspection method and method of manufacturing semiconductor device
US7294590B2 (en) 2004-01-21 2007-11-13 Hermes-Microvision, Inc. System and method for removing charges with enhanced efficiency
JP4426871B2 (ja) * 2004-02-25 2010-03-03 エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 Fib/sem複合装置の画像ノイズ除去
US7017933B2 (en) * 2004-05-27 2006-03-28 Mickley Anthony M Lighted guide post assembly for boat trailers
US7315022B1 (en) * 2004-08-02 2008-01-01 Kla-Tencor Technologies Corporation High-speed electron beam inspection
JP4519567B2 (ja) * 2004-08-11 2010-08-04 株式会社日立ハイテクノロジーズ 走査型電子顕微鏡およびこれを用いた試料観察方法
US7205539B1 (en) * 2005-03-10 2007-04-17 Kla-Tencor Technologies Corporation Sample charging control in charged-particle systems
US7253410B1 (en) 2005-03-16 2007-08-07 Kla-Tencor Technologies Corporation Charge-control pre-scanning for e-beam imaging
JP2007113992A (ja) * 2005-10-19 2007-05-10 Renesas Technology Corp プロービング装置
EP1777728A1 (en) * 2005-10-20 2007-04-25 Carl Zeiss SMS GmbH Lithography system
US7560939B1 (en) 2006-02-17 2009-07-14 Kla-Tencor Technologies Corporation Electrical defect detection using pre-charge and sense scanning with prescribed delays
JP4504946B2 (ja) * 2006-05-16 2010-07-14 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置
US7514681B1 (en) * 2006-06-13 2009-04-07 Kla-Tencor Technologies Corporation Electrical process monitoring using mirror-mode electron microscopy
US7488938B1 (en) 2006-08-23 2009-02-10 Kla-Tencor Technologies Corporation Charge-control method and apparatus for electron beam imaging
JP5134804B2 (ja) * 2006-10-06 2013-01-30 株式会社日立ハイテクノロジーズ 走査電子顕微鏡および走査電子顕微鏡像の歪み校正
JP5054960B2 (ja) * 2006-10-13 2012-10-24 株式会社日立ハイテクノロジーズ 電子線を用いた試料の観察方法
DE102006053074B4 (de) * 2006-11-10 2012-03-29 Qimonda Ag Strukturierungsverfahren unter Verwendung chemisch verstärkter Fotolacke und Belichtungsvorrichtung
JP5004659B2 (ja) * 2007-05-22 2012-08-22 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置
JP4988444B2 (ja) * 2007-06-19 2012-08-01 株式会社日立製作所 検査方法および装置
JP4606443B2 (ja) * 2007-08-10 2011-01-05 株式会社日立製作所 荷電粒子線を用いた回路パターン用基板検査方法および基板検査装置
JP2008032742A (ja) * 2007-09-25 2008-02-14 Hitachi High-Technologies Corp 回路パターンの検査装置
US8283631B2 (en) * 2008-05-08 2012-10-09 Kla-Tencor Corporation In-situ differential spectroscopy
FR2942070B1 (fr) * 2009-02-11 2011-03-11 Commissariat Energie Atomique Procede de correction d'astigmatisme en imagerie par spectromicroscopie a emission d'electrons
JP5227902B2 (ja) * 2009-06-16 2013-07-03 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子顕微鏡装置及び荷電粒子ビーム制御方法
JP5454099B2 (ja) * 2009-11-20 2014-03-26 株式会社リコー 静電潜像の評価方法
JP2011232265A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Honda Motor Co Ltd 表面検査装置及び表面検査方法
JP5963453B2 (ja) 2011-03-15 2016-08-03 株式会社荏原製作所 検査装置
US8618513B2 (en) * 2011-05-23 2013-12-31 Kla-Tencor Corporation Apparatus and methods for forming an electrical conduction path through an insulating layer
US10371632B2 (en) * 2012-06-06 2019-08-06 Sony Corporation Data correction method in fine particle measuring device and fine particle measuring device
JP2016528698A (ja) * 2013-08-15 2016-09-15 スウィンバーン・ユニバーシティ・オブ・テクノロジーSwinburne University of Technology 装置及び方法
JP5673866B2 (ja) * 2014-01-08 2015-02-18 株式会社リコー 静電潜像の評価方法
JP6310864B2 (ja) * 2015-01-13 2018-04-11 株式会社日立ハイテクノロジーズ 検査装置
US9536697B2 (en) * 2015-05-19 2017-01-03 Hermes Microvision Inc. System and method for calibrating charge-regulating module
US10056224B2 (en) 2015-08-10 2018-08-21 Kla-Tencor Corporation Method and system for edge-of-wafer inspection and review
WO2017158744A1 (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 株式会社 日立ハイテクノロジーズ 欠陥検査方法及び欠陥検査装置
US10522320B2 (en) * 2016-03-28 2019-12-31 Hitachi High-Technologies Corporation Charged particle beam device and method for adjusting charged particle beam device
DE112019007206T5 (de) * 2019-05-21 2022-01-05 Hitachi High-Tech Corporation Ladungsteilchenstrahlvorrichtung
DE102019005364B3 (de) 2019-07-31 2020-10-08 Carl Zeiss Multisem Gmbh System-Kombination eines Teilchenstrahlsystem und eines lichtoptischen Systems mit kollinearer Strahlführung sowie Verwendung der System-Kombination
JP7189103B2 (ja) * 2019-08-30 2022-12-13 株式会社日立ハイテク 荷電粒子線装置
US11404240B2 (en) * 2020-12-22 2022-08-02 Globalfoundries Singapore Pte. Ltd. Inspection devices and methods of inspecting a sample
WO2023145015A1 (ja) * 2022-01-28 2023-08-03 株式会社日立ハイテク 検査装置および膜質検査方法
WO2024069737A1 (ja) * 2022-09-27 2024-04-04 株式会社日立ハイテク 検査方法および荷電粒子線装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57183034A (en) * 1981-05-07 1982-11-11 Toshiba Corp Electron bean transfer device
GB8609740D0 (en) * 1986-04-22 1986-05-29 Spectros Ltd Charged particle energy analyser
US4877964A (en) * 1987-08-05 1989-10-31 Kureha Chemical Industry Co., Ltd. Ultraviolet sterilizing apparatus
US5118941A (en) * 1991-04-23 1992-06-02 The Perkin-Elmer Corporation Apparatus and method for locating target area for electron microanalysis
US6023068A (en) * 1991-05-30 2000-02-08 Canon Kabushiki Kaisha Semiconductor device manufacturing apparatus
DE4225831A1 (de) * 1992-08-05 1994-02-10 Hoechst Ag Nachbehandlungsgerät für bildmäßig belichtete Druckplatten
US5444242A (en) * 1992-09-29 1995-08-22 Physical Electronics Inc. Scanning and high resolution electron spectroscopy and imaging
US5432345A (en) * 1992-10-08 1995-07-11 Kelly; Michael A. Method and apparatus for control of surface potential

Also Published As

Publication number Publication date
US6465781B1 (en) 2002-10-15
JP2000357483A (ja) 2000-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3805565B2 (ja) 電子線画像に基づく検査または計測方法およびその装置
US6909092B2 (en) Electron beam apparatus and device manufacturing method using same
US6797954B2 (en) Patterned wafer inspection method and apparatus therefor
US6373054B2 (en) Electron beam inspection method and apparatus and semiconductor manufacturing method and its manufacturing line utilizing the same
US7012252B2 (en) Method and an apparatus of an inspection system using an electron beam
US7329889B2 (en) Electron beam apparatus and method with surface height calculator and a dual projection optical unit
US6627884B2 (en) Simultaneous flooding and inspection for charge control in an electron beam inspection machine
US20060163480A1 (en) Inspection method and apparatus using charged particle beam
US20090194690A1 (en) Inspection Method And Inspection System Using Charged Particle Beam
US6828571B1 (en) Apparatus and methods of controlling surface charge and focus
JP2004031379A (ja) 電子線を用いた検査方法及び検査装置
JP3906866B2 (ja) 荷電粒子ビーム検査装置
US6512227B2 (en) Method and apparatus for inspecting patterns of a semiconductor device with an electron beam
US20060028218A1 (en) Inspection method and apparatus for circuit pattern
US6930309B1 (en) Dual-energy electron flooding for neutralization of charged substrate
JP3751841B2 (ja) 電子線を用いた検査装置及び電子線を用いた検査方法
JP3420037B2 (ja) 寸法測定装置及び寸法測定方法
JPH1126530A (ja) 回路パターンの検査装置及び検査方法
JPH1140631A (ja) パターン検査装置及び検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060317

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060317

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060425

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060510

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3805565

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110519

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110519

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130519

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130519

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term