JP3802189B2 - 光学的情報記録再生装置及び記録再生方法 - Google Patents

光学的情報記録再生装置及び記録再生方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク形状の光情報記録媒体に、情報を記録・再生もしくは消去する光学的情報記録再生装置及び方法に関する。特に、本発明は、ディスク基板上にあらかじめ形成されたグルーブ(グルーブトラック)と、グルーブとグルーブとの間のランド(ランドトラック)との両方を情報トラックとして用いる光ディスクの記録再生装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、映像もしくは音声信号などの情報信号を記録再生できる光情報記録媒体、とりわけ光ディスクの開発が盛んである。書き換え可能な光ディスクでは、予め案内溝(グルーブ)が光ディスクの基板に刻まれて情報トラックが形成されている。また、グルーブとグルーブの間の領域はランドと呼ばれる。グルーブもしくはランドの平坦部にレーザ光が集光されることによって、情報の記録もしくは再生が行われる。この情報は、ユーザが自分で記録できるという意味で、ユーザデータと呼ぶ。現在市販されている一般的な光ディスクにおいては、グルーブもしくはランドのどちらか一方にのみ情報が記録され、他方は隣合うトラックを分離するためのガードバンドとなっている。また、書き換え可能型の光ディスクでは、ディスク上の位置情報(セクタアドレスなど)を表す識別データを凹凸状のピット(プリピットと呼ばれる)としてディスク上に予め記録しておくのが一般的である。
【0003】
光ディスクの記録容量を増加させるための技術として、特公昭63−57859号公報にあるように、グルーブとランドの両方に情報信号を記録することにより、トラック密度を大きくする方法が提案されている。これらは、グルーブトラック及びランドトラックと呼ばれる。一方、書き換え可能な光ディスクにおいては、ユーザによるアクセスを可能とするために、ディスク上の位置情報などを表す識別データを予めディスク上に記録しておく必要がある。本願発明者らは、隣接するグルーブトラックとランドトラックとの中間に、これらの隣合う一組のグルーブトラック及びランドトラックに対して1つの識別データを記録することにより、光ディスクを製造する工程を簡略化する技術を提案している(特開平6−176404号公報:USP No. 5,452,284)。このように、隣接するグルーブトラックとランドトラックとの中間に記録された識別データを「中間アドレス」と呼び、またこのような中間アドレスを用いることにより、識別データを隣接する情報トラックに共有させて記録する方式を「中間アドレス方式」と呼ぶ。
【0004】
以下、図面を参照しながら、中間アドレス、光ディスクから情報を読みとるためのトラッキング制御方法、及び中間アドレスの信号の読み取りについて説明する。
【0005】
図12(a)及び(b)は、セクタ構成を有する従来の光ディスク200の概要を示している。図12(a)に示されるように、従来の光ディスク200には、ディスク基板上に情報トラック201がスパイラル状あるいは同心円状に形成されている。図12(b)に示されるように、情報トラック201は、セクタ202に分割され、各セクタ202は識別データが記録されるヘッダ領域203及びデータ領域204を含んでいる。
【0006】
また、図13は、上述の中間アドレス方式を採用した従来の光ディスク200における情報トラックの構成を示している。図13に示されるように、情報トラック201は、隣接して形成されたグルーブトラック208及びランドトラック209からなる。データ領域204において、データは、グルーブトラック208及びランドトラック209の両方に、情報(データ)が記録マーク207によって記録される。ヘッダ領域203において、識別データは、プリピット(アドレスピット)206によって記録される。情報トラック201のデータは、ビームスポット201を用いて再生される。
【0007】
図13に示されるように、グルーブトラック208及びランドトラック209の幅は等しく、トラックピッチと同じTpである。また、アドレスピット206は、その中心がグルーブトラック208の中心からTp/2だけ、ディスク基板の半径方向(即ち、情報トラック201に垂直な方向)にずれるように配置される。アドレスピット206は、グルーブトラック208とランドトラック209との境界線上に、ピッチ2Tpで(即ち1つおきの境界線上に)配置される。
【0008】
図14は、従来の光ディスク200に情報を記録もしくは再生する光学的情報記録再生装置400を模式的に示すブロック図である。図13に示したように、従来の光ディスク200上には情報トラック201が形成されており、情報トラック201はグルーブトラック208あるいはランドトラック209である。光学的情報記録再生装置400は、光ディスクドライブ及びホストコンピュータ239を有している。光ディスクドライブは、図14に示すように、光ヘッド410、トラッキング制御及び駆動部420、再生信号処理部430、記録信号処理部440、光ディスク200を回転させるスピンドルモータ236、及びシステムコントローラ237を備えている。
【0009】
光ヘッド410は、半導体レーザ211、半導体レーザ211から出射されたレーザ光を平行光に変換するコリメートレンズ212、平行光束上に設けられたハーフミラー213、ハーフミラー213を透過した平行光を光ディスク200の情報面に集光する対物レンズ214、及び対物レンズ214を支持するアクチュエータ216を備えており、光ディスク200の情報トラック201にビームスポット210を照射する。光ヘッド410は、また、光ディスク200面上で反射し、対物レンズ214及びハーフミラー213を経由してきた光を受光する光検出器215を備えている。光検出器215は、トラッキング誤差信号を得るために、情報トラック201の延長する方向に平行に2分割して形成され、2つの受光部215a及び215bを具備している。半導体レーザ211、コリメートレンズ212、ハーフミラー213、対物レンズ214、光検出器215及びアクチュエータ216は、図示しないヘッドベースに取り付けられ、光ヘッド410を構成している。
【0010】
トラッキング制御及び駆動部420は、光検出器215の受光部215a及び215bの各々から出力される検出信号の差信号を出力する差動アンプ218、差信号を受け取るローパスフィルタ219(以下、LPF219と略記する)、極性反転回路220、トラッキング制御回路221、及び駆動回路222を備えている。LPF219は、差動アンプ218から出力される差信号に所定のフィルタリングを行い、信号S1として出力する。極性反転回路220は、LPF219から出力される信号S1と、後述するシステムコントローラ237から出力される制御信号L1とを受け取り、トラッキング制御回路221に信号S2を出力する。トラッキング制御回路221は、極性反転回路220から出力される信号S2を受け取り、駆動回路222にトラッキング制御信号を出力する。駆動回路222は、トラッキング制御回路221からトラッキング制御信号を受け取り、アクチュエータ216に駆動電流を出力する。
【0011】
再生信号処理部430は、光検出器215の受光部215a及び215bの各々から出力される検出信号の和信号を出力する加算アンプ223、和信号を受け取り、周波数特性を変換して出力する波形等化回路224、波形等化回路224からの出力を受け取り、2値化した信号を出力するデータスライス回路225、2値化した信号に同期した再生クロックを生成し、この再生クロックに同期してディジタル再生信号を出力するPLL(Phase Locked Loop)226、ディジタル再生信号が入力されるAM(Address Mark)検出回路227及びセレクタ228、データ復調回路229、誤り訂正回路230、アドレス復調回路231、及び誤り判別回路232を有している。
【0012】
AM検出回路227は、PLL226からのディジタル再生信号を受け取り、セレクタ228に制御信号L2を出力する。セレクタ228は、PLL226からのディジタル再生信号と、AM検出回路227からの制御信号L2とを受け取り、制御信号L2に基づいて、ディジタル再生信号をデータ復調回路229とアドレス復調回路231とのどちらか一方に選択的に出力する。データ復調回路229は、セレクタ228を通じてディジタル再生信号を入力され、誤り訂正回路230に復調データを出力する。誤り訂正回路230は、データ復調回路229からの復調データを受け取り、ホストコンピュータ239に復号データを出力する。アドレス復調回路231は、セレクタ228を通じてディジタル再生信号を入力され、誤り判別回路232に復調アドレスを出力する。誤り判別回路232は、アドレス復調回路231からの復調アドレスを受け取り、システムコントローラ237にアドレスデータを出力する。
【0013】
記録信号処理部440は、記録信号処理回路234及びレーザ駆動回路235を備えている。記録信号処理回路234は、ホストコンピュータ239からのディジタル映像音声データやコンピュータデータなどの情報信号と、システムコントローラ237から出力される制御信号L3とを受け取り、記録用データをレーザ駆動回路235に出力する。レーザ駆動回路235は、システムコントローラ237から出力される制御信号L3と、記録信号処理部234から出力される記録用データとを受け取り、半導体レーザ211に駆動電流を出力する。
【0014】
システムコントローラ237は、誤り判別回路232からのアドレスデータを受け取り、ホストコンピュータ239に対して制御データの入出力を行う。また、システムコントローラ237は、制御信号L1及びL3を出力することにより、極性反転回路220、記録信号処理部234、及びレーザ駆動回路235を制御する。
【0015】
ホストコンピュータ239は、光ディスクドライブの外部にあって、ディジタル映像音声データやコンピュータデータなどの情報信号及び制御データの入出力を行う。
【0016】
以下、上記のように構成された従来の光学的情報記録再生装置400の動作について説明する。
【0017】
まず、光ディスク200から情報を読み出すときの動作を説明する。レーザ駆動回路235は、システムコントローラ237から出力される制御信号L3を受けて再生モードとなり、半導体レーザ211に駆動電流を出力し、半導体レーザ211を一定の強度で発光させる。
【0018】
次に、ビームスポット210の焦点方向(フォーカス方向)の位置制御が行われる。ビームスポット210の焦点方向の位置制御は、非点収差法等の一般的なフォーカス制御によって実現されていることを前提とし説明は省略する。
【0019】
半導体レーザ211から放射されたレーザビームは、コリメートレンズ212によって平行光に変換され、ビームスプリッタ213を経由して、対物レンズ214により光ディスク200の上に集光される。光ディスク200表面で反射される光ビームには、回折(反射光量の分布)によって情報トラック201上の情報が与えられる。反射された光ビームは、対物レンズ214を経由して、ビームスプリッタ213により光検出器215に導かれる。
【0020】
光検出器215の受光部215a及び215bは、入射される光ビームの光量分布の変化を電気信号(電流)に変換し、それぞれ、差動アンプ218及び加算アンプ223に出力する。差動アンプ218は、受光部215a及び215bからの入力電気信号を各々電圧信号に変換した後、その差動をとって、差信号としてLPF219に出力する。
【0021】
LPF219は、この差信号から低周波成分を抜き出し、信号S1として極性反転回路220に出力する。極性反転回路220は、システムコントローラ237から入力される制御信号L1に応じて、信号S1をそのまま通過させるか、あるいは、信号S1の正負の極性を反転させて、信号S2としてトラッキング制御回路221に出力する。信号S2はいわゆるプッシュプル信号であり、光ディスク200の情報面に集光されたビームスポット210と、情報トラック201とのトラッキング誤差量に対応している。ここでは、記録もしくは再生したい情報トラックがグルーブトラックである場合には、信号S1をそのまま通過させ、記録もしくは再生したい情報トラックがランドトラックである場合には、信号S1の正負の極性を反転させるものとする。
【0022】
トラッキング制御回路221は、入力された信号S2のレベルに応じて、駆動回路222にトラッキング制御信号を出力する。駆動回路222は、このトラッキング制御信号に応じて、アクチュエータ216に駆動電流を出力し、対物レンズ214の位置を情報トラック201を横切る方向に移動させる。これにより、ビームスポット210は情報トラック201上を正しく走査することができる。
【0023】
ビームスポット210が光ディスク200の情報トラック201上に正しく位置決めされると、情報トラック201の記録マーク207及びアドレスピット206においては、光が干渉することで反射光量が減少するため、受光部215a及び215bの出力が低下する。記録マーク207及びアドレスピット206がない部分ではビームスポット210の反射光量が増加するため、受光部215a及び215bの出力は高くなる。記録マーク207あるいはアドレスピット206からの反射光量に対応する出力は、受光部215a及び215bからの出力を加算アンプ223で加え合わせた和信号として波形等化回路224に出力される。
【0024】
波形等化回路224は、符号間干渉を低減するため、高域の周波数特性を強調するように和信号を変調する。データスライス回路225は、変調された和信号を所定のスライスレベルで2値化して「0」及び「1」の信号列(2値化信号)に変換する。PLL226は、この2値化信号からデータ及び読み出し用クロックを抽出し、ディジタル再生信号としてAM検出回路227及びセレクタ228の入力端子に出力する。
【0025】
AM検出回路227は、PLL226から出力される2値化信号の中から、ヘッダ領域を識別するためのAM信号を検出した場合に、セレクタ228を切替えて、ディジタル再生信号をアドレス復調回路231に入力する。アドレス復調回路231は、ディジタル再生データを復調し、外部で処理可能な復調アドレスに変換する。誤り判別回路232は、読み取られた復調アドレスに誤りがあるか否かを判定し、誤りがなければアドレスデータとしてシステムコントローラ237出力する。
【0026】
また、AM検出回路227は、AM信号を検出した後所定の時間を経て、ビームスポットがデータ領域に達すると、セレクタ228を切替えて、ディジタル再生信号をデータ復調回路229に入力する。データ復調回路229は、ディジタル再生信号を復調し、外部で処理可能な復調データに変換して誤り訂正回路230に出力する。誤り訂正回路230は、復調データの誤りを訂正し、復号データとしてホストコンピュータ239に出力する。
【0027】
一方、光ディスク200に情報を記録する場合、システムコントローラ237は、制御信号L3を出力し、記録信号処理部234及びレーザ駆動回路235に記録モードであることを知らせる。ホストコンピュータ239は、記録すべき情報、例えば、ディジタル化された映像音声データもしくはコンピュータデータなどを記録データとして記録信号処理部234に出力する。記録信号処理部234は、入力された記録データに誤り訂正符号等を付加し、さらに再生同期をとるための変調を施し、変調された記録データとしてレーザ駆動回路235に出力する。
【0028】
レーザ駆動回路235は、制御信号L3によって記録モードに設定されていると、入力される記録データに応じて半導体レーザ211に印加する駆動電流を変調する。これにより、光ディスク200上に照射されるビームスポットの光強度が記録データに応じて変化し、光ディスク200上に記録データに応じた記録マークが形成される。
【0029】
以上の各動作が行われている間、スピンドルモータ236は、光ディスク200を一定の角速度や線速度で回転させる。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の光学的情報記録再生装置400では、ヘッダ領域203の識別データ、即ち、ランドトラックとグルーブトラックとの中間に形成されたアドレスピット(プリピット)206から得られる出力信号(AM信号)を、光検出器215の出力の和信号を用いて検出しているため、ビームスポット210がオフトラックした場合に識別データの検出精度が悪化する。例えば、ビームスポット210がアドレスピット206から離れる方向にオフトラックした場合、ヘッダ領域203から得られる和信号の再生振幅が低下するという問題がある。
【0031】
また、ヘッダ領域203とデータ領域204のどちらにおいても、ビームスポット210はプリピット206あるいは記録マーク207によって光学的な変調を受ける。従って、加算アンプ223は、何らかの変調を受けた和信号を出力し続け、対応するディジタル再生信号がAM検出回路227に入力される。このため、データ領域204中のディジタル再生信号をAM信号と誤って検出する可能性がある。
【0032】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、中間アドレス方式を採用する光情報記録媒体の記録再生において、(1)ヘッダ領域に記録された識別データを確実に検出できる光学的情報記録再生装置及び方法を提供し、更に(2)回路規模を大きくせずに識別データの確実な検出を実現できる光学的情報記録再生装置及び方法を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明による光学的情報記録再生装置は、光学的記録媒体に光ビームを照射することによって情報の記録・再生もしくは消去を行う光学的情報記録再生装置である。該光学的記録媒体は、ディスク基板上にスパイラル状もしくは同心円状に交互に配置されたグルーブトラックとランドトラックとからなる情報トラックを有し、各情報トラックは、該ディスク基板上の位置情報を示す識別データがプリピットによって記録されているヘッダ領域とユーザデータが記録されるデータ領域とを有し、該プリピットは、所定個のプリピットを含むブロック毎に該ディスク基板の内周側と外周側に交互にずれるように配置され、ずれの幅は、該情報トラック中心から該ディスク基板の半径方向にトラックピッチの約2分の1であり、該プリピットは該半径方向に沿って該情報トラックピッチの2倍のピッチで繰り返して配置されている。該装置は、光ビームを集光スポットとして該光情報記録媒体の該情報トラック上に照射する光学系と、該情報トラックの延長方向に沿って2分割された受光面を有し、該光情報記録媒体で反射された該光ビームを受光する光検出手段と、該2分割された受光面から得られる2つの出力の差信号及び該2つの出力の和信号を生成する信号生成手段と、該差信号に基づいて、該集光スポットが該ヘッダ領域及び該データ領域のどちらをトレースしているのかを判別するヘッダ領域判別手段と、該差信号から該識別データを読み出し、該和信号から該データ領域の情報を読み出す少なくとも1つの読み出し手段と、を備えており、そのことにより上記目的が達成される。
【0034】
1つの実施形態において、前記ヘッダ領域判別手段は、前記差信号のエンベロープを検出するエンベロープ検出回路を備えており、該エンベロープが所定のレベルを超えた場合に前記ヘッダ領域がトレースされていると判定する。
【0035】
1つの実施形態において、前記光学的情報記録再生装置は、更に、前記ヘッダ領域判別手段の結果に従って、前記読み出し手段への前記差信号及び前記和信号の入力を切り替える選択手段を備えており、該選択手段は、前記ヘッダ領域判別手段によって前記ヘッダ領域のトレースが判定された場合に、該差信号を該読み出し手段に入力し、該ヘッダ領域判別手段によって前記データ領域のトレースが判定された場合に、該和信号を該読み出し手段に入力する。
【0036】
1つの実施形態において、前記ヘッダ領域は再生信号同期用の同期データを含んでおり、前記ヘッダ領域判別手段は、前記差信号から該同期データに対応する同期信号を検出する同期信号検出回路を備えており、該同期信号が検出された場合に前記ヘッダ領域をトレースしていると判定する。
【0037】
1つの実施形態において、前記光的情報記録再生装置は、入力される信号の周波数特性を変換する波形等化手段と、該波形等化手段から出力される信号を所定のしきい値に基づいて2値化する2値化手段と、を更に備えており、該波形等化手段は、第1の特性を用いて前記和信号の周波数特性を変換し、第2の特性を用いて前記差信号の周波数特性を変換する。
【0038】
1つの実施形態において、前記波形等価手段は、前記ヘッダ領域判別手段の判別結果に基づいて、前記第1の特性及び第2の特性のいずれかを選択する手段を備えている。
【0039】
1つの実施形態において、前記光学的情報記録再生装置は、前記2値化された信号を復調することにより、復調信号を生成する復調手段と、前記ヘッダ領域判定手段の結果に応じて、該復調手段から出力される該復調信号を選択的に出力する手段であって、前記ヘッダ領域がトレースされている場合には該復調信号を復調アドレスとして出力し、前記データ領域がトレースされている場合には、該復調信号を復調データとして出力する、出力手段と、該復調アドレスを受け取って該復調アドレスの誤り判別を行う手段と、該復調データを受け取って該復調データの誤り訂正を行う手段と、を含む。
【0040】
1つの実施形態において、前記波形等化手段は、前記第2の特性によって変換される差信号が、前記第1の特性によって変換される和信号よりも、その高周波数領域が強調されるように変換を行う。
【0041】
本発明による光学的情報記録再生方法は、光学的記録媒体に光ビームを照射することによって情報の記録・再生もしくは消去を行う光学的情報記録再生方法であって、該光学的記録媒体は、ディスク基板上に形成された情報トラックを有し、各情報トラックは、該ディスク基板上の位置情報を示す識別データがプリピットによって記録されているヘッダ領域とユーザデータが記録されるデータ領域とを有し、該プリピットは、所定個のプリピット毎に該ディスク基板の内周側と外周側に交互にずれるように配置され、ずれの幅は、該情報トラック中心から該ディスク基板の半径方向にトラックピッチの約2分の1であり、該プリピットは該半径方向に沿って該情報トラックピッチの2倍のピッチで繰り返して配置されている。この方法は、光ビームを集光スポットとして該光情報記録媒体の該情報トラック上に照射するステップと、該情報トラックの延長方向に沿って2分割された受光面を有する光検出器を用いて該光情報記録媒体で反射された該光ビームを検出するステップと、該2分割された受光面から得られる2つの出力の差信号と、該2つの出力の和信号とを生成するステップと、該差信号に基づいて、該集光スポットが該ヘッダ領域及び該データ領域のどちらをトレースしているのかを判別するステップと、該差信号が選択された場合に、該差信号から該識別データを読み出すステップと、該和信号が選択された場合に、該和信号から該データ領域の情報を読み出すステップと、を含んでおり、そのことにより上記目的が達成される。
【0042】
1つの実施形態において、前記判別するステップは、前記差信号のエンベロープを検出するステップと、該エンベロープが所定のレベルを超えた場合に、前記ヘッダ領域をトレースしていると判定するステップと、を含む。
【0043】
1つの実施形態において、前記光学的情報記録再生方法は、更に、前記判別するステップの結果に従って、前記差信号及び前記和信号のいずれかを選択するステップを含んでおり、該選択するステップにおいて、該判別するステップにおいて前記ヘッダ領域のトレースが判定された場合に、該差信号が選択され、該判別するステップにおいて前記データ領域のトレースが判定された場合に、該和信号が選択される。
【0044】
1つの実施形態において、前記ヘッダ領域は再生信号同期用の同期データを含んでおり、前記判別するステップは、前記差信号から該同期データに対応する同期信号を検出するステップと、該同期信号が検出された場合に、該ヘッダ領域をトレースしていると判定するステップと、を含んでいる。
【0045】
1つの実施形態において、前記光的情報記録再生方法は、前記和信号が選択された場合に、第1の特性を用いて該和信号の周波数特性を変換し、前記差信号が選択された場合に、第2の特性を用いて該差信号の周波数特性を変換する、波形等化ステップと、該波形等化ステップによって波形等化された信号を所定のしきい値に基づいて2値化するステップと、を更に含む。
【0046】
1つの実施形態において、前記光学的情報記録再生方法は、前記2値化された信号を復調することにより、復調信号を生成する復調ステップと、前記判定するステップの判定の結果、前記ヘッダ領域がトレースされている場合には該復調信号を復調アドレスとして誤り判別を行うステップと、該判定するステップの判定の結果、前記データ領域がトレースされている場合には、該復調信号を復調データとして誤り訂正を行うステップと、を含む。
【0047】
1つの実施形態によれば、前記波形等化ステップにおいて、前記第2の特性によって変換される差信号は、前記第1の特性によって変換される和信号よりも、その高周波数領域が強調される。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、実施の形態によって本発明をさらに具体的に説明する。尚、以下の実施の形態においては、光情報記録媒体として、実反射率の変化によって記録を行う記録再生可能な相変化型の記録材料を用いた光ディスクを例として説明し、光ディスクの回転の制御方式としてCAV(コンスタント・アンギュラー・ベロシティ:角速度一定)を用いる場合について説明する。但し、本発明の光学的情報記録再生装置及び記録再生方法で用いる光情報記録媒体としては、相変化型、光磁気型、色素型等のいわゆる光学的手段によって情報を記録・再生することができる媒体であればよく、また、反射型に限らず透過型であってもよい。
【0049】
(実施の形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態による光学的情報記録再生装置を説明する。図1は、本実施の形態の光学的情報記録再生装置100のブロック図である。
【0050】
図1に示されるように、光学的情報記録再生装置100は、光ディスク1を駆動する光ディスクドライブ170及びホストコンピュータ180を有している。光ディスク1上には情報トラック2が形成されており、情報トラック2はグルーブトラックあるいはランドトラックである。
【0051】
光ディスクドライブ170は、図1に示すように、光ヘッド110、トラッキング制御及び駆動部120、再生信号処理部130、記録信号処理部140、光ディスク1を回転させるスピンドルモータ150、及びシステムコントローラ160を備えている。
【0052】
光ヘッド110は、半導体レーザ3、半導体レーザ3から出射されたレーザ光を平行光に変換するコリメートレンズ4、平行光束上に設けられたハーフミラー5、ハーフミラー5を透過した平行光を光ディスク1の情報面に集光する対物レンズ6、及び対物レンズ6を支持するアクチュエー8を備えており、光ディスク1の情報トラック2にビームスポットを照射する。光ヘッド110は、また、光ディスク1面上で反射し、対物レンズ6及びハーフミラー5を経由してきた光を受光する光検出器7を備えている。光検出器7は、情報トラック2の延長する方向に平行に2分割して形成され、2つの受光部7a及び7bを具備している。半導体レーザ3、コリメートレンズ4、ハーフミラー5、対物レンズ6、光検出器7及びアクチュエータ8は、図示しないヘッドベースに取り付けられ、光ヘッド110を構成している。
【0053】
光検出器7の受光部7a及び7bの各々から出力される検出信号は、再生信号処理部130の加算アンプ15及び差動アンプ10に出力される。加算アンプ15は、2つの検出信号の和信号を出力し、差動アンプ10は2つの検出信号の差信号を出力する。
【0054】
トラッキング制御及び駆動部120は、差動アンプ10から出力される差信号を受け取るローパスフィルタ11(以下、LPF11と略記する)、極性反転回路12、トラッキング制御回路13、及び駆動回路14を備えている。LPF11は、差動アンプ10から出力される差信号に所定のフィルタリングを行い、信号S10として出力する。極性反転回路12は、LPF11から出力される信号S10と、後述するシステムコントローラ160から出力される制御信号L10とを受け取り、トラッキング制御回路13に信号S20を出力する。トラッキング制御回路13は、極性反転回路12から出力される信号S20を受け取り、駆動回路14にトラッキング制御信号を出力する。駆動回路14は、トラッキング制御回路13からトラッキング制御信号を受け取り、アクチュエータ8に駆動電流を出力する。
【0055】
再生信号処理部130は、光検出器7の受光部7a及び7bの各々から出力される検出信号の和信号を出力する加算アンプ15、検出信号の差信号を出力する差動アンプ10、和信号及び差信号を受け取り、そのいずれかを選択的に出力する第1のセレクタ16、第1のセレクタ16から与えられる信号の周波数特性を変換して出力する波形等化回路17、波形等化回路17からの出力を受け取り、2値化した信号を出力するデータスライス回路18、2値化した信号に同期した再生クロックを生成し、この再生クロックに同期してディジタル再生信号を出力するPLL(Phase Locked Loop)19、ディジタル再生信号を受け取り、復調信号を出力する復調回路20、第2のセレクタ21、誤り訂正回路24及び誤り判別回路25を有している。第2のセレクタ21は、復調回路20から与えられる復調データを、誤り訂正回路24及び誤り判別回路25のいずれかに選択的に出力する。誤り訂正回路24は、受け取った復調データに誤り訂正を行い、復号データとしてホストコンピュータ180に出力する。誤り判別回路25は、受け取った復調データに対して誤り判別を行い、アドレスデータとしてシステムコントローラ160に出力する。
【0056】
再生信号処理部130は、更に、差動アンプ10からの差信号を受け取り、そのエンベロープを検出するエンベロープ検出回路22及びORゲート23を含むヘッダ領域検出部30を備えている。ORゲート23は、エンベロープ検出回路22から一方の端子に与えられるエンベロープ検出信号D60と、システムコントローラ160から他方の端子に与えられる制御信号L50とに基づいて、制御信号L40を出力する。制御信号L40は第1のセレクタ16及び第2のセレクタ21に与えられる。第1のセレクタ16は、制御信号L40に基づいて和信号及び差信号のいずれかを波形等化回路17に出力し、第2のセレクタ21は、制御信号L40に基づいて、復調信号を誤り訂正回路24及び誤り判別回路25のいずれかに出力する。
【0057】
記録信号処理部140は、記録信号処理回路27及びレーザ駆動回路28を備えている。記録信号処理回路27は、ホストコンピュータ180からのディジタル映像音声データやコンピュータデータなどの情報信号と、システムコントローラ160から出力される制御信号L30とを受け取り、記録用データをレーザ駆動回路28に出力する。レーザ駆動回路28は、システムコントローラ160から出力される制御信号L30と、記録信号処理部27から出力される記録用データとを受け取り、半導体レーザ3に駆動電流を出力する。
【0058】
システムコントローラ160は、誤り判別回路25からのアドレスデータを受け取り、ホストコンピュータ180に対して制御データの入出力を行う。システムコントローラ160は、また、制御信号L10、L30、及びL50を出力することにより、極性反転回路12、記録信号処理部27、レーザ駆動回路28、及びORゲート23を制御する。
【0059】
ホストコンピュータ180は、光ディスクドライブ170の外部にあって、ディジタル映像音声データやコンピュータデータなどの情報信号及び制御データの入出力を行う。
【0060】
図2(a)及び(b)は、本実施の形態で用いる光ディスク1の概要を示している。図2(a)に示されるように、光ディスク1には、ディスク基板上に情報トラック2がスパイラル状あるいは同心円状に形成されている。光ディスク1には、所定の物理フォーマットに従い、情報トラック2に沿って複数のセクタ36が連続して配置されている。セクタ36が情報の記録・再生のためのアクセスの単位となる。図2(b)に示されるように、セクタ36は、そのセクタの光ディスク1上での位置を示す識別データ35を記録するヘッダ領域37と、ユーザデータを記録するデータ領域38とを含んでいる。識別データ及びユーザデータは、光ディスク1に適した信号に変調して記録されるが、本実施形態においては両者は同一の変調方式を用いて記録されている。
【0061】
図3は識別データ35(ヘッダ領域37)の論理フォーマットの一例を示す。図3に示されるように、識別データ35(ヘッダ領域37)は、4つのアドレスブロック46〜49を含んでいる。ここでは一例として、各アドレスブロックにはセクタアドレス(ID)を記録し、このセクタアドレスを4回重複して配置している。図3においては、アドレスブロック46〜49において重複するセクタアドレスとして、順にID1、ID2、ID3、ID4としている。
【0062】
アドレスブロック46〜49の各々は、一般にVFOとよばれる同期信号40、アドレスマーク(AM)41、ID番号42、セクタのアドレス番号43、CRC(Cyclic Redundancy check)44、ポストアンブル(PA)45を含んでいる。
【0063】
VFO40は、光ディスク1の回転に変動があっても確実にアドレス信号を再生できるようにするための連続的な繰り返しパターンを有するデータである。このVFO40のパターンにPLLをロックさせることにより、データ読み出し用クロックを生成する。AM41は、アドレスデータ(アドレス番号43)の開始位置を示すための特殊なコードパターンで構成される。ID番号42は、アドレスブロックの繰り返し番号(この例では1〜4)を示す。アドレス番号43は、対応するセクタ36の光ディスク1上での位置を示すデータである。CRC44は、アドレス番号43とID番号42から生成される誤り検出符号である。PA45は、誤り検出符号の変調後の語長がCRC44の区間に収まりきらないときに、調整区間として使用される。
【0064】
なお、上述のアドレスブロック46〜49は、本実施形態に最低限必要な情報のみで構成されるように示しているが、他の付加情報を含むアドレスブロックの構成でもよい。
【0065】
図4は、光ディスク1上のヘッダ領域37におけるアドレスブロック46〜49の物理的な配置を示す図である。図4において、横方向が情報トラック2の延長する方向で、縦方向が光ディスク1の半径方向である。尚、見易くするため、ディスク半径方向に比べてトラック方向を短く表示している。ここで、ビームスポット(図示せず)は、図4の左側から右側にトレースするとする。情報トラック2は、交互に配置されたグルーブトラック54とランドトラック55とから構成される。
【0066】
図4に示されるように、1つのセクタ36において、先頭のヘッダ領域37とそれに続くデータ領域38との間には、ミラー領域51が形成されている。データ領域38の先頭は、ギャップ領域52である。また、セクタ36の前のセクタのデータ領域38の終端部は、バッファ領域53となっている。ギャップ領域52及びバッファ領域53には、グルーブトラック54あるいはランドトラック55の情報トラック2が形成されている。ヘッダ領域37においては、4つのアドレスブロック46〜49(重複番号1〜4として、各々PID1〜PID4に対応する)が形成される。実際は、各アドレスブロックは、プリピットから構成される。
【0067】
ここで、図4に示されるように、アドレスブロックPID1及びPID2はグルーブトラック54の中心からビームスポットの進行方向に対して左側にずれ、アドレスブロックPID3及びPID4は右側にずれている。かつ、アドレスブロックPID1〜PID4の中心は、対応するグルーブトラック54とその隣接するランドトラック55との境界線上に位置するよう配置される。すなわち、アドレスブロックPID1及びPID2の中心は、対応するグルーブトラック54のビームスポット進行方向左側の境界線上にあり、アドレスブロックPID3及びPID4の中心は、対応するグルーブトラック54のビームスポット進行方向右側の境界線上にある。従って、後に詳述するように、PID1〜PID4を構成するプリピット列の、対応するグルーブトラック54の中心からのずれ量は、トラックピッチの2分の1になる。
【0068】
ここで、トラックピッチとは、1つの情報トラック(グルーブ又はランド)の中心から、半径方向に隣接する情報トラック(ランド又はグルーブ)の中心迄の距離Tpであり、各情報トラックの幅に実質的に等しい。また、図4から分かるように、各アドレスブロックの中心線から、半径方向に隣接する対応するアドレスブロックの中心線までの距離(即ち、同一ID番号のアドレスブロックの半径方向のピッチ)は、トラックピッチの2倍(2Tp)である。
【0069】
図5は、ヘッダ領域37付近の平面拡大図である。図5に示すように、情報トラック2としてグルーブトラック54(54a〜54c)及びランドトラック55(55a〜55b)が交互に形成されている。また、64はグルーブトラック54の中心線を示し、65はランドトラック55の中心線を示している。データ領域38においては、情報は、書換可能な記録マーク68によって記録され、ヘッダ領域37においては、情報(識別データ)は、プリピット67によって記録される。ビームスポット60は、トレースすべき情報トラックの中心線上を矢印の方向に進行するとする。
【0070】
図5に示されるように、ヘッダ領域37においては、アドレスブロック46〜49に対応する区間に、PID1、PID2、PID3及びPID4がプリピット67によって形成される。アドレスブロックPID1及びPID2では、プリピット67は、ビームスポット60の進行方向に対して対応する情報トラックの中心線から左側にずれ、アドレスブロックPID3及びPID4では右側に同じ量だけずれている。アドレスブロックの左右へのずれ量はトラックピッチTpの2分の1である。
【0071】
ミラー領域51には、プリピットやグルーブは形成されない。データ領域38には、上述のように、グルーブトラック54及びランドトラック55が形成される。データ領域38には、映像、音声もしくはコンピュータデータ等のユーザデータに応じ、光ディスク1の記録層の反射特性などの光学特性を変化させることにより、記録マーク68が形成される。例えば、記録マーク68は、結晶状態の未記録部に対してアモルファス状態の部分として形成される。
【0072】
図5から分かるように、識別データを表すプリピット67は、グルーブトラック54の中心線64とランドトラック55の中心線65との間の領域に形成され、その半径方向の幅は、実質的に情報トラック幅に等しい。アドレスブロックID1及びID2においては、いずれのグルーブトラック54に対しても、プリピット67はその(ビームスポット進行方向)左側にずれるように配置され、アドレスブロックID3及びID4においては、いずれのグルーブトラック54に対しても、プリピット67はその(ビームスポット進行方向)右側にずれるように配置される。従って、ヘッダ領域37において半径方向に沿って隣接する2つのプリピット67の距離は、その中心間の距離で2トラックピッチ(2Tp)となる。このピッチ(2Tp)を、プリピットピッチとする。プリピット67の半径方向の幅が情報トラック幅(トラックピッチTp)に実質的に等しいため、ヘッダ領域37においては、プリピット67とその幅が1トラックピッチTpに等しいランド部とが半径方向に沿って交互に形成されることになる。
【0073】
従って、ビームスポット60がヘッダ領域37を通過するときには、グルーブトラック54上をトレースする場合及びランドトラック55上をトレースする場合のいずれにおいても、ビームスポット60一部がプリピット67上を通過し、プリピット67によってビームスポット60の反射光量が変調される。その結果、グルーブトラック45においてもランドトラック55においても、識別データ(位置情報)を得ることができる。
【0074】
次に、上記のように構成された光学的情報記録再生装置100の動作について、図1に戻って説明する。
【0075】
まず、光ディスク100から情報を読み出す再生動作を説明する。ホストコンピュータ180は、再生モードを示すコマンドをシステムコントローラ160に入力する。システムコントローラ160は、再生モードを示すコマンドに対応して制御信号L3をレーザ駆動回路28に出力する。このことにより、レーザ駆動回路28は再生モードとなり、半導体レーザ3に駆動電流を出力し、半導体レーザ3を一定の強度で発光させる。
【0076】
次に、ビームスポットの焦点方向(フォーカス方向)の位置制御が行われる。ビームスポットの焦点方向の位置制御は、非点収差法等の一般的なフォーカス制御によって実現されていることを前提とし説明は省略する。
【0077】
半導体レーザ3から放射されたレーザビームは、コリメートレンズ4によって平行光に変換され、ビームスプリッタ5を経由して、対物レンズ6により光ディスク1の上に集光される。光ディスク1で反射された光ビームには、回折(反射光量の分布)によって情報トラック2上の情報が与えられる。反射された光ビームは、対物レンズ6を経由して、ビームスプリッタ5によって光検出器7に導かれる。
【0078】
光検出器7の受光部7a及び7bは、入射される光ビームの光量分布の変化を電気信号(電流)に変換し、それぞれ、差動アンプ10及び加算アンプ15出力する。差動アンプ10は、受光部7a及び7bからの入力電流を各々電圧信号に変換した後、その差動をとって、差信号としてLPF11に出力する。
【0079】
LPF11は、この差信号から低周波成分を抜き出し、信号S10として極性反転回路12に出力する。極性反転回路12は、システムコントローラ160から入力される制御信号L10に応じて、信号S10をそのまま通過させるか、あるいは、信号S10の正負の極性を反転させて、信号S20としてトラッキング制御回路13に出力する。
【0080】
信号S20はいわゆるプッシュプル信号であり、光ディスク1の情報面に集光されたビームスポット60と、情報トラック2とのトラッキング誤差量に対応している。ここでは、記録もしくは再生したい情報トラック2がグルーブトラック54である場合には、信号S10をそのまま通過させ、記録もしくは再生したい情報トラック2がランドトラック55である場合には、信号S10の正負の極性を反転させるものとする。
【0081】
トラッキング制御回路13は、入力された信号S20のレベルに応じて、駆動回路14にトラッキング制御信号を出力する。駆動回路14は、このトラッキング制御信号に応じて、アクチュエータ8に駆動電流を出力し、対物レンズ6の位置を情報トラック2を横切る方向に移動させる。これにより、ビームスポット60は情報トラック2上を正しく走査することができる。
【0082】
ビームスポット60が光ディスク1の情報トラック2上に正しく位置決めされると、差動アンプ10から常時出力される差信号に対し、エンベロープ検出回路22がエンベロープ検波を行う。図5に示されるように、ビームスポット60がヘッダ領域37をトレースし始めると、エンベロープ信号が一定のしきい値を越える。このことにより、エンベロープ検出回路22は差信号のエンベロープを検出し、ディジタルハイのエンベロープ検出信号D60をORゲート23に出力する。即ち、差信号をエンベロープ検波することによって、ヘッダ領域37を検出している。
【0083】
ORゲート23は、エンベロープ検出信号D60とシステムコントローラ160から与えられる制御信号L50との論理和をとることにより、制御信号L40をハイレベルにして、第1のセレクタ16及び第2のセレクタ21に出力する。制御信号L40がハイレベルのとき、第1のセレクタ16は差動アンプ10を波形等化回路17に接続し、差信号を波形等化回路17に入力する。波形等化回路17は、差信号の符号間干渉を低減するために高域の周波数特性を強調するように差信号を変調する。データスライス回路18は、変調された信号を所定のスライスレベルで2値化して、「0」及び「1」の信号列(2値化信号)に変換する。PLL19は、この2値化信号からデータ及び読み出し用クロックを抽出し、ディジタル再生信号として復調回路20に出力する。
【0084】
復調回路20は、ディジタル再生データを復調し、外部で処理可能な復調アドレスに変換し、第2のセレクタ21に出力する。第2のセレクタ21は、制御信号L40がハイレベルのときは復調回路20を誤り判別回路25に接続することにより、復調アドレスを誤り判別回路25に入力する。誤り判別回路25は、読み取った復調アドレスに誤りがあるか否かを判定し、誤りがなければアドレスデータとしてシステムコントローラ160に出力する。
【0085】
システムコントローラ160は、受け取ったアドレスデータを元に、検索、再生、記録等の処理を行っていく。また、システムコントローラ160は、最初にアドレスデータを受け取る前は、制御信号L50をローレベルに保っているが、アドレスデータをいったん受け取ると、その後はヘッダ領域37の長さに相当する時間(以後、時間THDとする)だけ周期的に制御信号L50をハイレベルにする。この周期(以後、周期TSCとする)は、1つのセクタを光ビーム60がトレースするのに要する時間に等しい。これにより、第1のセレクタ16及び第2のセレクタ21を周期的に切り替え、差信号中に周期的に現れる識別データ(アドレスブロックID1〜ID4)を漏れなく検出することができる。
【0086】
ここで、差信号によって識別データを読み取れる理由及び、差信号のエンベロープ検波によってヘッダ領域を検出できる理由について説明する。差信号は、いわゆるプッシュプル信号であるため、オフトラックしていなければ(即ち、光ビーム60が情報トラック2の中心線上をトレースしていれば)、情報トラックの中心線上に配置された記録マーク68によって変調されることはない。従って、データ領域38においては差信号のレベルはほとんどゼロである。
【0087】
これに対し、ヘッダ領域37においては、図5に示されるように、ビームスポット60は、その中心がプリピット67の列の中心からプリピットピッチの1/4だけずれたところをトレースするため、差信号は、プリピット67による変調度が最も高くなる。なぜなら、識別データの「1」及び「0」のビット列に対応するように断続的に形成されたグルーブを、グルーブピッチの1/4だけオフトラックしてトレースした場合の、ラジアルプッシュプル信号に対応するからである。
【0088】
上述のようにして、差信号をエンベロープ検波し、その信号レベルの高い区間を検出することにより、ヘッダ領域37を検出できる。ここで、エンベロープ検出回路22は、例えば、識別データの周波数帯域に比べて十分長い時定数を持ったローパスフィルタ等で実現することができる。
【0089】
図6(a)、(b)及び(c)は、図5において、ビームスポット60がグルーブトラック54の中心線64に沿ってグルーブトラック54をトレースした場合の、加算アンプ15の出力する和信号、差動アンプ10の出力する差信号及びエンベロープ検出信号の波形の一例を示している。和信号は、記録マーク68及びプリピット67のいずれよっても変調されるため、図6(a)に示すように、データ領域38及びヘッダ領域37のいずれにおいても何らかの出力レベルを有している。ビームスポット60は、プリピット67の中心からトラックピッチの半分(Tp/2)だけオフトラックした状態でグルーブトラック54をトレースするため、ヘッダ領域37における和信号の変調度は、データ領域38における和信号の変調度に比べても、それほど大きくならない。
【0090】
一方、差信号は、ビームスポット60がオフトラックしていない限り、グルーブトラック54の中心に沿って配置された記録マーク68によって変調されることはない。従って、、図6(b)に示すように、データ領域38における差信号の出力振幅は実質的にゼロとなる。また、差信号は、ビームスポット60がプリピット67の中心からプリピットピッチの1/4だけオフトラックした場合が最も変調度が高い。従ってヘッダ領域37における差信号の変調度は和信号の変調度(図6(a))に比べて大きくなる。また、アドレスブロックPID1及びPID2と、アドレスブロックPID3及びPID4のずれの方向が逆になっているため、対応する差信号の極性が反対になる。
【0091】
また、図6(b)に示す差信号に対してエンベロープ検波を行った結果を図6(c)に示す。図6(c)に示すように、差信号中に識別データによる振幅変調パターンが現れる間は、エンベロープ検出回路22の出力はハイレベルとなる。
【0092】
ヘッダ領域37を検出した後、所定の時間THDを経て、ビームスポット60がミラー領域51あるいはギャップ領域52(データ領域38)に達すると(図5参照)、差信号のエンベロープはほとんど0になるので、エンベロープ検出回路22の出力はローレベルになる。
【0093】
図1に戻って説明を続けると、エンベロープ検出回路22の出力D60がローレベルになると(所定時間THD後)、上述のように、システムコントローラ160からの制御信号L50もローレベルになるので、OR回路23から出力される制御信号L40もローレベルになる。このことにより、第1のセレクタ16の入力端子は(それまでの差動アンプ10の出力から)加算アンプ15の出力に接続するように切り替えられ、同時に、第2のセレクタ21の出力端子は(それまで誤り判別回路25に接続されていたのが)誤り訂正回路24に接続するように切替えられる。
【0094】
データ領域38のトレースおいては、記録マーク68によってビームスポット60の反射光量が減少し、受光部7a及び7bからの出力が低下する。記録マーク68がない部分では反射光量が増加するため、受光部7a及び7bからの出力が大きくなる。反射光量に対応した受光部7a及び7bからの出力信号は、加算アンプ15で加え合わせられ、和信号として第1のセレクタ16を介して波形等化回路17に出力される。
【0095】
本実施形態においては、ヘッダ領域37の識別データとデータ領域38のユーザデータとは同一の変調方式を用いて変調されている、波形等化回路17、データスライス回路18、PLL19及び復調回路20は、前述の差信号の場合と同様の信号処理によって和信号を処理することができる。和信号は、復調回路20によって外部で処理可能な復調信号に復調され、第2のセレクタ21を介して誤り訂正回路24に出力される。誤り訂正回路24は、復調信号の誤りを訂正し、復号データとしてホストコンピュータ180に出力する。
【0096】
一方、光ディスク1に情報を記録する場合、システムコントローラ160は、制御信号L30を出力し、記録信号処理回路27及びレーザ駆動回路28に記録モードであることを知らせる。ホストコンピュータ180は、記録すべき情報、例えば、ディジタル化された映像音声データもしくはコンピュータデータなどを記録データとして記録信号処理回路27に出力する。記録信号処理回路27は、入力された記録データに誤り訂正符号等を付加し、さらに記録同期をとるための変調を施し、変調された記録データとしてレーザ駆動回路28に出力する。
【0097】
レーザ駆動回路28は、制御信号L30によって記録モードに設定されていると、入力される記録データに応じて半導体レーザ3に印加する駆動電流を変調する。これにより、光ディスク1上に照射されるビームスポットの光強度が記録データに応じて変化し、光ディスク1上に記録データに応じた記録マーク68が形成される。
【0098】
以上の各動作が行われている間、スピンドルモータ150は、光ディスク1を一定の角速度や線速度で回転させる。
【0099】
次に、本実施の形態によるデータフォーマットについて更に詳しく説明する。図7(a)〜(e)は本実施の形態の光ディスク1のセクタフォーマットの構成の一例を示す図である。前述したように、光ディスク1の1周分の情報トラック2は複数のセクタ36に分割される。ここでは、図7(a)に示すように1周分の情報トラック2はn個のセクタに分割されているとする。それぞれのセクタ36は、図7(b)に示すように、ヘッダ領域37、ミラー領域51、ギャップ領域52、第1のプリアンブル領域(VFO)57、主情報領域58、ガードデータ領域59、及びバッファ領域53から構成されている。
【0100】
ヘッダ領域37は、識別信号領域とも呼ばれ、プリピット列が形成される。ミラー領域51は、プリピットもグルーブも形成されない領域である。ミラー領域51にビームスポットを照射したときの反射光量(基準となる反射光量)を検出することで、照射光量の制御等を行うことができる。ギャップ領域52、第1のプリアンブル領域57、主情報領域58、ガードデータ領域59及びバッファ領域53はデータ領域38を構成しており、グルーブトラックもしくはランドトラックが形成される。ギャップ領域52は、ビームスポットがヘッダ領域37(識別データ)を通過した後、第1のプリアンブル領域57に達するまでに、信号処理のための時間的余裕を与えるために設けられる。第1のプリアンブル領域57は、VFOとも呼ばれ、主情報領域58のデータを再生するときの同期用クロックを生成させるため、単一周期の記録マークが記録される。ガードデータ領域59には、主情報領域58に記録される記録マークに引き続いて、ダミーデータが記録マークとして記録される。これは、多数回の書き換えや記録を行ったときに、一連の記録マークの終端部分から始まる熱負荷による記録面のダメージが、主情報領域58にまで達することを防ぐ。バッファ領域53は、記録中に光ディスクの回転速度誤差が生じて、1セクタあたりの記録マーク列の全長が長くなった場合にも、すべての記録マーク列をデータ領域内に収めるために設けられる。
【0101】
ヘッダ領域37は、図7(c)に示すように4つのアドレスブロック、すなわち、PID1、PID2、PID3及びPID4から構成される。それぞれのアドレスブロックは、図7(d)に示すように、第2のプリアンブル領域40、アドレスマーク(AM)領域41、識別情報(Address)領域43、誤り検出符号(CRC)領域44及びポストアンブル(PA)領域45からなる。以上は、図3におけるVFO40、AM41、Address43、CRC44、PA45にそれぞれ対応している。
【0102】
さらに、識別情報領域43は、図7(e)に示すように、セクタ情報部と絶対アドレス番号部を含む。セクタ情報は、PID番号、ゾーンの種類(リードイン、リードアウトもしくは書換可能ゾーン)、セクターの種類(再生専用もしくは書換可能)等を示すフラグなどである。また、絶対アドレス番号はセクタ番号である。
【0103】
一方、主情報領域に記録される主情報信号は、次のような信号処理プロセスにより生成される。まず、1セクタあたり、例えば、図8(b)に示すように、2048バイトのメインデータ74、データID71、データIDの誤り訂正符号72、予備情報データ(リザーブ)73及び予備情報データ73に対する誤り検出符号75が付加される。これらを一つの単位として、第1のデータユニット70と呼ぶ(図8(a))。第1のデータユニット70は、その内部でデータがスクランブルされる。
【0104】
次に、16個のスクランブル後の第1のデータユニット70を1つのブロックとして、リードソロモン法による誤り訂正符号が付加され、16個の第2のデータユニットが生成される。最後に、各々の第2のデータユニットのデータは、1シンボル8ビットのデータを、所定の規則に従って16チャンネルビットに変換する8−16変調が施された後、同期パターンが挿入され、16個の第3のデータユニットに変換される。この第3のデータユニットが、主情報領域58に記録される。
【0105】
データID71は、データ領域情報76とデータ領域番号77とからなる。データ領域情報76は、例えば情報トラックの種類(グルーブトラックもしくはランドトラック)、ゾーンの種類(リードイン、リードアウトもしくは書換可能ゾーン)、データの種類(再生専用もしくは書換可能)等を示すフラグなどである。データ領域番号77は、前述の絶対アドレス番号と同じものである。
【0106】
以上詳細に述べてきたように、本実施の形態の光学的情報記録再生装置100によれば、識別データがプリピット67によって記録されたヘッダ領域37が、光ディスクの半径方向に内周側と外周側に交互にずらして配置された複数のアドレスブロック(例えば、4つのアドレスブロック46〜49)より構成されている光情報記録媒体を用いている。このため、ビームスポット60がオフトラックしても、内周側あるいは外周側にずらされたブロックのどちらか一方にビームスポット60が近づくため、近づいたアドレスブロックのプリピット67による識別データを確実に検出することができる。
【0107】
更に、本実施の形態による光学的情報記録再生装置100は、ヘッダ領域37(即ち、情報トラック2の中心から半径方向にトラックピッチTpの約2分の1の幅でずらされたプリピット67の列)を再生する場合に、光検出器7の2分割された受光面7a及び7bから得られる2つの出力の差信号を用いている。この差信号の振幅は、光検出器7の2分割された受光面7a及び7bから得られる2つの出力の和信号の振幅よりも大きくなる。また、データ領域38において、データは、情報トラック2の中心に沿って配置される記録マーク68によって記録されるため、データ領域38の再生中において差信号は実質的にゼロとなる。従って、データ領域38の再生中においては差信号によるディジタル再生信号が現れないため、ヘッダ領域37とデータ領域38との分離が容易となり、ヘッダ領域37の検出精度が向上する。更に、差信号の振幅が大きくなるため、識別データ自体の読み取り精度も向上する。
【0108】
さらに、差信号は記録マーク68によって変調を受けず、プリピット67にのみ変調されるため、エンベロープ検出回路22が差信号のエンベロープを検出するだけで、ヘッダ領域37の検出を容易に行うことができる。
【0109】
また、差信号のエンベロープ検出によってヘッダ領域37を検出するため、ヘッダ領域37に記録された識別データ自体のパターンを読み取る必要がない。従って、識別データの同期を取る前にヘッダ領域37の検出を行い、現在再生されているのがヘッダ領域37であるのかデータ領域38であるのかを判定できる。この判定に基づいて、波形等化、2値化(データスライス)、同期化(PLL)、及び復調を行うべき再生信号として、差信号及び和信号のいずれかを選択できる。従って、波形等化回路17、データスライス回路18、PLL19、及び復調回路20を差信号(ヘッダ領域37の再生)及び和信号(データ領域38再生)に対して共有できるため、これらの回路をヘッダ領域用及びデータ領域用に2系統設ける必要がなく、装置の回路規模を小さくすることができる。
【0110】
更に、本実施形態によれば、たとえ識別データ(VFO)にエラーが生じた場合でも、エンベロープ検出によってヘッダ領域37を検出することが可能である。
【0111】
(実施の形態2)
図9は、本発明の第2の実施の形態による光学的情報記録再生装置の再生信号処理部132を中心とする部分の構成を示すブロック図である。図9において、図1に示した第1の実施の形態による光学的情報記録再生装置100と同一の構成要素に対しては、同一番号を付してその詳細な説明は省略する。
【0112】
図9に示されるように、再生信号処理部132は、光検出器7の受光部7a及び7bの各々から出力される検出信号の和信号を出力する加算アンプ15、検出信号の差信号を出力する差動アンプ10、差動アンプ10から与えられる差信号の周波数特性を変換して出力する第1の波形等化回路81、第1の波形等化回路81からの出力を受け取り、2値化した信号を出力する第1のデータスライス回路82、第1のデータスライス回路82から与えられる2値化した信号に同期した再生クロックを生成し、この再生クロックに同期して第1のディジタル再生信号を出力する第1のPLL(Phase Locked Loop)83、加算アンプ15から与えられる和信号の周波数特性を変換して出力する第2の波形等化回路84、第2の波形等化回路84からの出力を受け取り、2値化した信号を出力する第2のデータスライス回路85、第2のデータスライス回路85から与えられる2値化した信号に同期した再生クロックを生成し、この再生クロックに同期して第2のディジタル再生信号を出力する第2のPLL(Phase Locked Loop)86、第1及び第2のディジタル信号を受け取り、そのいずれかを選択的に出力する第3のセレクタ89、第3のセレクタ89から与えられるディジタル再生信号を受け取り、復調信号を出力する復調回路20、第2のセレクタ21、誤り訂正回路24及び誤り判別回路25を有している。尚、本実施の形態においては、第2及び第3のセレクタ21及び89を用いているが、第1の実施の形態における第1のセレクタに対応するセレクタは用いられない。
【0113】
第2のセレクタ21は、復調回路20から与えられる復調データを、誤り訂正回路24及び誤り判別回路25のいずれかに選択的に出力する。誤り訂正回路24は、受け取った復調データに誤り訂正を行い、復号データとしてホストコンピュータ180に出力する。誤り判別回路25は、受け取った復調データに対して誤り判別を行い、アドレスデータとしてシステムコントローラ160に出力する。
【0114】
本実施形態による再生信号処理部132は、更に、第1のPLL83から第1のディジタル再生信号を受け取り、VFOを検出してVFO検出信号を出力するVFO検出回路87及びORゲート88を含むVFO検出部32を備えている。ORゲート88は、VFO検出回路87から一方の端子に与えられるVFO検出信号と、システムコントローラ160から他方の端子に与えられる制御信号L52とに基づいて、制御信号L42を出力する。制御信号L42は第3のセレクタ89及び第2のセレクタ21に与えられる。第3のセレクタ89は、制御信号L42に基づいて第1及び第2のディジタル再生信号のいずれかを復調回路20に出力し、第2のセレクタ21は、制御信号L42に基づいて、復調回路20から与えられる復調信号を誤り訂正回路24及び誤り判別回路25のいずれかに選択的に出力する。
【0115】
その他の部分の構成は第1の実施形態による光学的情報記録再生装置100と同様である。
【0116】
次に、上記のように構成された光学的情報記録再生装置の動作について、第1の実施形態による光学的情報記録再生装置100(図1)と異なる部分についてのみ説明する。
【0117】
差動アンプ10が出力する差信号は、第1の波形等化回路81、第1のデータスライス回路82及び第1のPLL83によって第1のディジタル再生信号に変換され、VFO検出回路87及び第3のセレクタ89に出力される。VFO検出回路87は、第1のPLL83から出力されてくる信号列の中から、図3で説明したVFO成分の有無をモニタする。ビームスポット60がヘッダ領域37をトレースし始めると、差信号中にアドレスブロック46の先頭に配されたVFO成分が現れる。VFO検出回路87は、このVFO成分を検出するとディジタルハイのVFO検出信号をORゲート88に出力する。即ち、本実施形態においては、VFO検出回路87によって差信号中のVFO成分を検出することにより、ヘッダ領域を検出している。
【0118】
ORゲート88は、VFO検出信号とシステムコントローラ160からの制御信号L52の論理和をとることにより、制御信号L42をハイレベルにし、第3のセレクタ89及び第2のセレクタ21に出力する。制御信号L42がハイレベルのときは、第3のセレクタ89は復調回路20に第1のPLL83からの出力を接続し、差信号からの第1のディジタル再生信号を復調回路20に入力する。復調回路20は第1のディジタル信号を復調アドレスに変換し、第2のセレクタ21を介して誤り判別回路25に出力する。
【0119】
また、システムコントローラ160は、制御信号L52をORゲート88に出力し、第1の実施形態の場合と同様に、第3のセレクタ89及び第2のセレクタ21を周期的に切り替え、VFO検出回路87を用いたヘッダ領域37の検出を円滑にする。VFO成分の具体的な検出方法は、例えば、第1のPLL83が出力する第1のディジタル再生信号の周期を、同じく第1のPLL83が出力する読み出し用クロックで計数することにより行われる。VFOはクロックのN倍(Nは特定の整数)の周期を持つ単一パターンの繰り返しであるから、繰り返し周期Nを計数できればVFOを検出できる。
【0120】
次に、データ領域38においては、差信号中にVFO成分は検出されないのでVFO検出回路87の出力はローレベルになる。この時、システムコントローラ160からの制御信号L52も、所定の時間THD後にローレベルになるので、OR回路88から出力される制御信号L42もローレベルになる。このことにより、第3のセレクタ89の入力端子は(それまでの第1のPLL83の出力から)第2のPLL86の出力に接続するように切り替えられ、同時に、第2のセレクタ21の出力端子は(それまで誤り判別回路25に接続されていたのが)誤り訂正回路24に接続するように切替えられる。
【0121】
加算アンプ15からの和信号は、第2の波形等化回路84、第2のデータスライス回路85、第2のPLL86及び復調回路20において、前述の差信号の場合と同様の信号処理が施され、外部で処理可能な復調データとして第2のセレクタ21を通じて誤り訂正回路24に出力される。
【0122】
以上のように、本実施の形態の光学的情報記録再生装置において、VFO検出回路87が差信号からVFO成分を検出することにより、ヘッダ領域37の検出を確実に行うことができる。
【0123】
なお、VFO成分の検出は第1のPLL83が出力する再生クロックを用いて行うと述べたが、システムコントローラ160等が使用する内部クロックを用いて、第1のデータスライス回路82が出力する2値化信号から、VFO成分の繰り返し周期Nを計数するようにしても良い。これにより、第1及び第2のPLLを共通化することができる。
【0124】
本実施形態では、図7(d)のVFO40の固有パターンをVFO検出回路87によって検出している。VFO固有のパターンとしては、例えば、DVD規格(specifications)の8−16変調を用いた場合、チャネルビットをTとすると、最短のマーク長(ピット長)は3Tであり、VFOは3T等の単一信号の繰り返しパターンとなる。
【0125】
VFO固有のパターンを用いる代わりに、例えば、アドレスマーク(AM)41の固有のパターンを検出する、AM検出回路を用いても良い。この場合、アドレスマークはヘッダ領域37のみにしか存在しないので、データ領域38をヘッダ領域37と間違えて検出することが無くなり、より確実な検出を行うことができる。DVD規格の8−16変調による最長のパターンは11Tであるため、ありえるパターンは3T〜11Tとなる。従って、アドレスマークのパターンを、例えば12T以上のパターンを含む複合パターンとすることにより、このパターンはヘッダ領域以外には存在しなくなる。
【0126】
(実施の形態3)
図10は、本発明の第3の実施の形態による光学的情報記録再生装置の再生信号処理部133を中心とする部分の構成を示すブロック図である。図10において、図1に示した第1の実施の形態による光学的情報記録再生装置100と同一の構成要素に対しては、同一番号を付してその詳細な説明は省略する。
【0127】
図10に示されるように、再生信号処理部133は、光検出器7の受光部7a及び7bの各々から出力される検出信号の和信号を出力する加算アンプ15、検出信号の差信号を出力する差動アンプ10、差動アンプ10からの差信号を受け取り、そのエンベロープを検出するエンベロープ検出回路22とORゲート23とを含むヘッダ領域検出部30、和信号及び差信号を受け取り、そのいずれかを選択的に出力する第1のセレクタ16、第1のセレクタ16から与えられる信号の周波数特性を変換して出力する第3の波形等化回路91、第3の波形等化回路91からの出力を受け取り、2値化した信号を出力するデータスライス回路18、2値化した信号に同期した再生クロックを生成し、この再生クロックに同期してディジタル再生信号を出力するPLL(Phase Locked Loop)19、ディジタル再生信号を受け取り、復調信号を出力する復調回路20、第2のセレクタ21、誤り訂正回路24及び誤り判定回路25を有している。第2のセレクタ21は、復調回路20から与えられる復調データを、誤り訂正回路24及び誤り判別回路25のいずれかに選択的に出力する。誤り訂正回路24は、受け取った復調データに誤り訂正を行い、復号データとしてホストコンピュータ180に出力する。誤り判別回路25は、受け取った復調データに対して誤り判別を行い、アドレスデータとしてシステムコントローラ160に出力する。
【0128】
本実施形態による再生信号処理部133は、更に、第4のセレクタ92、第1の特性設定回路93及び第2の特性設定回路94を備えている。尚、本実施形態においては、実施形態2の第3のセレクタ89に対応するセレクタは用いていない。また、第1及び第2の波形等化回路81及び84に対応する波形等化回路も用いていない。
【0129】
本実施形態において、ORゲート23は、エンベロープ検出回路22から一方の端子に与えられるエンベロープ検出信号D60と、システムコントローラ160から他方の端子に与えられる制御信号L50とに基づいて、制御信号L40を出力する。制御信号L40は第1のセレクタ16、第2のセレクタ21、及び第4のセレクタ92に与えられる。第1のセレクタ16は、制御信号L40に基づいて和信号及び差信号のいずれかを第3の波形等化回路91に出力し、第2のセレクタ21は、制御信号L40に基づいて、復調信号を誤り訂正回路24及び誤り判別回路25のいずれかに出力する。第4のセレクタは、制御信号L40に基づいて、第1の特性設定回路93から一方の入力端子に与えられる第1の設定信号と、第2の特性設定回路94から他方の入力端子に与えられる第2の設定信号とのいずれかを選択し、特性設定信号として第3の波形等化回路91に出力する。第3の波形等化回路91は、第4のセレクタ92から入力される特性設定信号に基づいて、第1のセレクタ16から入力される差信号または和信号のいずれかの周波数特性を変換する。
【0130】
本実施形態による光学的情報記録再生装置のその他の部分の構成は第1の実施形態による光学的情報記録再生装置100と同様である。
【0131】
次に、上記のように構成された光学的情報記録再生装置の動作について、第1の実施形態による光学的情報記録再生装置100(図1)と異なる部分についてのみ説明する。
【0132】
エンベロープ検出部30(エンベロープ検出回路22及びORゲート23)によってヘッダ領域37が検出され、ORゲート23が出力する制御信号L40がハイレベルになると、第1のセレクタ16は差動アンプ10を選択し、第2のセレクタ21は誤り判別回路25を選択する。同時に、第4のセレクタ92は、第1の特性設定回路93が出力する第1の設定信号を選択し、特性設定信号としてて第3の波形等化回路91に入力する。
【0133】
第3の波形等化回路91は、符号間干渉を低減するために高域の周波数特性を強調するが、この強調量を入力される特性設定信号に応じて切り替える。この場合、入力された差信号を、第1の設定信号に従って高域周波数特性が第1の強調量になるように変換する。これにより、差信号には十分な波形等化が施される。波形等化された差信号は、更に、データスライス回路18、PLL19及び復調回路20を通じて復調され、復調アドレスとして第2のセレクタ21を通じて誤り判別回路25に出力される。
【0134】
一方、データ領域38において、上述のように制御信号L40がローレベルになると、第1のセレクタ16は加算アンプ15を選択し、第2のセレクタ21は誤り訂正回路24を選択する。同時に、第4のセレクタ92は、第2の特性設定回路94が出力する第2の設定信号を特性設定信号として第3の波形等化回路91に入力する。第3の波形等化回路91は、入力される和信号を、第2の設定信号に従って高域周波数特性が第2の強調量になるように変換する。これにより、和信号には適切な波形等化が施される。波形等化された和信号は、更に、データスライス回路18、PLL19及び復調回路20を通じて復調され、復調データとして第2のセレクタ21を通じて誤り訂正回路24に出力される。
【0135】
ここで、第1及び第2の強調量の関係について説明する。ヘッダ領域37が再生されている場合に差動アンプ10が出力する差信号は、図5に示されるように、ビームスポット60がプリピット67の中心線からトラックピッチTpの半分だけオフトラックしたときの変調信号である。従って、その再生周波数特性は、データ領域38の再生においてビームスポット60が記録マーク68にオントラックしたときの加算アンプ15が出力する和信号の周波数特性に比較して、その高域の減衰が大きくなる。従って、第1の強調量を第2の強調量よりも大きくなるように予め定めておけば、差信号及び和信号の各々に対して最適に波形等化する事ができ、再生信号のジッタが減少する等の効果がある。
【0136】
図11は、差信号及び和信号に対する第3の波形等化回路91の周波数特性の一例を示す。本実施の形態による光学的情報記録再生装置においては、ヘッダ領域37の識別データ及びデータ領域38のユーザデータの変調方式を同一にしているので、強調する中心周波数fcも差信号と和信号とでほぼ同じになる。
【0137】
以上のように、本実施の形態の光学的情報記録再生装置によれば、第3の波形等化回路91が、入力された信号が差信号及び和信号のどちらであるかに応じて、周波数特性の高域の強調量を切り替える。このことにより、各々に対して最適な波形等化が施され、識別データ及びユーザデータ両者において再生信号のジッターが減少し、再生マージンが拡大する。
【0138】
また、本実施の形態においては、エンベロープ検出によってヘッダ領域37を検出することにより、検出信号(和信号あるいは差信号)の波形等化を行う前にヘッダ領域37の検出が可能となる。このことにより、差信号であるか和信号であるかに応じて波形等化の周波数強調の特性を選択できるため、例えば、同期を取るためのVFO検出もより確実に行うことができ、より正確な識別データ及びユーザデータの再生が可能となる。
【0139】
なお、上述の実施の形態による光学的情報記録再生装置に用いる光ディスクは、図2に示したようにグルーブトラックもしくはランドトラックが連続してスパイラル状に設けられていた。しかし、本発明はこれに限られず、例えば、特開平7−29185号広報の図1に記載のように、光ディスクの一回転毎に、グルーブトラックとランドトラックとが交互に繰り返して形成されている光ディスクについても、各実施の形態が適用可能であることは言うまでもない。
【0140】
また、以上の実施の形態による光学的情報記録再生装置においては、例えば、グルーブピッチは約1.48μm、記録ビット長を約0.4μm/bitとし、レーザ光が波長約650nmで対物レンズの開口数が約0.6の記録再生光学系を用いることにより、良好な信号品質が得られている。この場合、ランドトラックとグルーブトラックの両者を情報トラックとしているので、トラックピッチとしては0.74μmとなる。
【0141】
さらに、光ディスク基板としては、ガラス、ポリカーボネート、アクリルなどを用いることができる。
【0142】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明による光学的情報記録再生装置及び記録再生方法は、識別データがプリピットによって記録されたヘッダ領域が、光ディスクの半径方向に内周側と外周側に交互にずらして配置された複数のブロックより構成されている光情報記録媒体を用いている。このため、ビームの集光スポットがオフトラックしても、内周側あるいは外周側にずらされたブロックのどちらか一方に集光スポットが近づくため、近づいたブロックのプリピットによる識別データを確実に検出することができる。
【0143】
本発明による光学的情報記録再生装置及び方法は、ヘッダ領域(即ち、情報トラックの中心から半径方向にトラックピッチの約2分の1の幅でずらされたプリピット列)を再生する場合に、光検出器の2分割された受光面から得られる2つの出力の差信号を用いている。この差信号の振幅は、光検出器の2分割された受光面から得られる2つの出力の和信号の振幅よりも大きくなる。また、データ領域において、データは情報トラックの中心に沿って配置される記録マークによって記録されるため、データ領域の再生中において差信号は実質的にゼロとなる。従って、データ領域の再生中においては差信号によるディジタル再生信号が現れないため、ヘッダ領域の検出精度が向上し、更に、差信号の振幅が大きくなるため、識別データ自体の読み取り精度が向上する。
【0144】
また、差信号のエンベロープ検出によりヘッダ領域を検出する場合、ヘッダ領域に記録された識別データ自体のパターンを読み取る必要がない。従って、識別データの同期を取らずにヘッダ領域を検出し、現在再生されているのがヘッダ領域であるのかデータ領域であるのかを判定できる。この判定に基づき、2値化、同期化、及び復調を行うべき再生信号として、差信号(ヘッダ領域再生の場合)及び和信号(データ領域再生の場合)のいずれかを選択することができる。従って、2値化、同期化、及び復調のための回路を、ヘッダ領域用及びデータ領域用に2系統設ける必要がなく、回路規模を小さくすることができる。
【0145】
また、差信号は、上述のようにデータ領域の情報(トラック中心上の記録マーク)によっては変調を受けず、ヘッダ領域の識別データ(トラック中心からずらして配置されたプリピット)によってのみ変調される。従って、差信号のエンベロープを検出することにより、ヘッダ領域の検出を容易に行うことができる。また、差信号からヘッダ領域に特有の同期信号を検出することによっても、ヘッダ領域の検出を容易に行うことができる。
【0146】
更に、差信号のエンベロープ検出によりヘッダ領域を検出する場合、波形等化を行う前にヘッダ領域の再生かどうかを判定できる。従って、差信号(ヘッダ領域再生)及び和信号(データ領域再生)の各々の再生周波数特性に応じて最適な波形等化を行うことができ、ヘッダ領域の識別データの読み取り精度が向上する。特に、差信号の周波数特性は、和信号に比べて高域の減衰が大きいため、差信号に対して和信号よりも高域の強調量を大きくすることにより、差信号に対しても波形等化を十分に施すことができ、2値化の誤りを防ぎ、識別データの読み取り精度がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態による光学的情報記録再生装置のブロック図である。
【図2】(a)及び(b)は、本発明の1つの実施の形態による光学的情報記録再生装置で用いる光ディスクの概要を示す図である。
【図3】本発明の1つの実施の形態による光学的情報記録再生装置で用いる光ディスクのヘッダ領域における識別データの論理フォーマットの一例を説明する図である。
【図4】本発明の1つの実施の形態による光学的情報記録再生装置で用いる光ディスクのヘッダ領域のアドレスブロックの配置を示す図である。
【図5】図4に示す光ディスクのヘッダ領域付近の平面拡大図である。
【図6】(a)〜(c)は、各々、本発明の1つの実施の形態による光学的情報記録再生装置における和信号、差信号、及びエンベロープ検出信号の波形を示す図である。
【図7】(a)〜(e)は、本発明の1つの実施の形態による光学的情報記録再生装置で用いる光ディスクのセクタフォーマットの構成の一例を示す図である。
【図8】第1のデータユニットの構成例を示す図である。
【図9】本発明のもう1つの実施の形態による光学的情報記録再生装置の再生信号処理部を中心とする構成を示すブロック図である。
【図10】本発明のもう1つの実施の形態による光学的情報記録再生装置の再生信号処理部を中心とする構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示す光学的情報記録再生装置の再生信号処理部の波形等化回路の周波数特性を示す図である。
【図12】(a)及び(b)は、従来のセクタ構成の光ディスクの概要を示す図である。
【図13】従来の光ディスクのヘッダ領域の拡大図である。
【図14】従来の光学的情報記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 光ディスク
2 情報トラック
3 半導体レーザ
4 コリメータレンズ
5 ハーフミラー
6 対物レンズ
7 光検出器
7a,7b 受光部
8 アクチュエータ
10 差動アンプ
15 加算アンプ
16 第1のセレクタ
17 波形等化回路
18 データスライス回路
19 PLL
20 復調回路
21 第2のセレクタ
22 エンベロープ検出回路
23 ORゲート
24 誤り訂正回路
25 誤り判別回路
100 光学的情報記録再生装置
110 光ヘッド
120 トラッキング制御及び駆動部
130 再生信号処理部
140 記録信号処理部
150 スピンドルモータ

Claims (17)

  1. 光学的記録媒体に光ビームを照射することによって情報の記録・再生もしくは消去を行う光学的情報記録再生装置であって、
    該光学的記録媒体は、ディスク基板上に情報トラックを有し、情報トラックは、プリピットが形成されるヘッダ領域と記録マークが形成されるデータ領域とを有し、該プリピットは、所定個のプリピット毎に該ディスク基板の内周側と外周側に交互にずれるように配置されており、
    該装置は、
    光ビームを該光情報記録媒体に照射する光学系と、
    該光情報記録媒体で反射された該光ビームを複数の受光部で受光する光検出手段と、
    該複数の受光部の各々から得られる出力の差信号と和信号とを生成する信号生成手段と、
    該差信号に基づいて、該光ビームが前記ヘッダ領域及び前記データ領域のどちらをトレースしているのかを判別するヘッダ領域判別手段と、
    前記差信号又は和信号の周波数特性を変換する波形等化手段と、
    前記差信号から前記ヘッダ領域における情報を読み出し、前記和信号から前記データ領域における情報を読み出す少なくとも1つの読み出し手段とを備えており、
    前記波形等化手段は、第1の特性を用いて前記和信号の周波数特性を変換し、第2の特性を用いて前記差信号の周波数特性を変換し、前記第2の特性によって変換される差信号が、前記第1の特性によって変換される和信号よりも、その周波数特性が強調されるように変換を行う、光学的情報記録再生装置。
  2. 前記ヘッダ領域判別手段は、前記差信号のエンベロープを検出するエンベロープ検出回路を備えており、該エンベロープが所定のレベルを超えた場合に前記ヘッダ領域がトレースされていると判定する、請求項1に記載の光学的情報記録再生装置。
  3. 更に、前記ヘッダ領域判別手段の結果に従って、前記読み出し手段への前記差信号及び前記和信号の入力を切り替える選択手段を備えており、
    該選択手段は、
    前記ヘッダ領域判別手段によって前記ヘッダ領域のトレースが判定された場合に、前記差信号を前記読み出し手段に入力し、
    前記ヘッダ領域判別手段によって前記データ領域のトレースが判定された場合に、前記和信号を前記読み出し手段に入力する、請求項1に記載の光学的情報記録再生装置。
  4. 前記ヘッダ領域は再生信号同期用の同期データを含んでおり、
    前記ヘッダ領域判別手段は、前記差信号から該同期データに対応する同期信号を検出する同期信号検出回路を備えており、該同期信号が検出された場合に前記ヘッダ領域をトレースしていると判定する、請求項1記載の光的情報記録再生装置。
  5. 前記波形等化手段から出力される信号を所定のしきい値に基づいて2値化する2値化手段を更に備える、請求項1に記載の光学的情報記録再生装置。
  6. 前記波形等価手段は、前記ヘッダ領域判別手段の判別結果に基づいて、前記第1の特性及び第2の特性のいずれかを選択する手段を備えている、請求項5に記載の光学的情報記録再生装置。
  7. 前記2値化手段によって2値化された信号を復調することにより、復調信号を生成する復調手段と、
    前記ヘッダ領域判別手段の結果に応じて、該復調手段から出力される該復調信号を選択的に出力する手段であって、前記ヘッダ領域がトレースされている場合には該復調信号を復調アドレスとして出力し、前記データ領域がトレースされている場合には、該復調信号を復調データとして出力する、出力手段と、
    該復調アドレスを受け取って該復調アドレスの誤り判別を行う手段と、
    該復調データを受け取って該復調データの誤り訂正を行う手段と、を含む、請求項5に記載の光学的情報記録再生装置。
  8. 光学的記録媒体に光ビームを照射することによって情報の記録・再生もしくは消去を行う光学的情報記録再生方法であって、
    該光学的記録媒体は、ディスク基板上に形成された情報トラックを有し、各情報トラックは、プリピットが形成されるヘッダ領域と記録マークが形成されるデータ領域とを有し、該プリピットは、所定個のプリピット毎に該ディスク基板の内周側と外周側に交互にずれるように配置されており
    該方法は、
    光ビームを該光情報記録媒体に照射するステップと、
    複数の受光部を有する光検出器を用いて該光情報記録媒体で反射された該光ビームを検出するステップと、
    該複数の受光部の各々から得られる出力の差信号と和信号とを生成するステップと、
    該差信号に基づいて、該光ビームが前記ヘッダ領域及び前記データ領域のどちらをトレースしているのかを判別するステップと、
    該判別するステップの結果に従って、前記差信号及び前記和信号のいずれかを選択するステップと、
    該選択するステップにおいて、前記和信号が選択された場合に、第1の特性を用いて該和信号の周波数特性を変換し、前記差信号が選択された場合に、第2の特性を用いて該差信号の周波数特性を変化する、波形等化ステップと、
    次いで、前記和信号が選択された場合に、該和信号から前記データ領域における情報を読み出し、前記差信号が選択された場合に、該差信号から前記ヘッダ領域における情報を読み出すステップとを含み、
    前記波形等化ステップにおいて、前記第2の特性によって変換される差信号は、前記第1の特性によって変換される和信号よりも、その周波数特性が強調される、光学的情報記録再生方法。
  9. 前記判別するステップは、
    前記差信号のエンベロープを検出するステップと、
    該エンベロープが所定のレベルを超えた場合に、前記ヘッダ領域をトレースしていると判定するステップと、
    を含む、請求項8に記載の光学的情報記録再生方法。
  10. 前記選択するステップにおいて、前記判別するステップ前記ヘッダ領域のトレースが判定された場合に、該差信号が選択され、該判別するステップ前記データ領域のトレースが判定された場合に、該和信号が選択される、請求項8に記載の光学的情報記録再生方法。
  11. 前記ヘッダ領域は再生信号同期用の同期データを含んでおり、
    前記判別するステップは、
    前記差信号から該同期データに対応する同期信号を検出するステップと、
    該同期信号が検出された場合に、該ヘッダ領域をトレースしていると判定するステップと、
    を含んでいる、請求項8記載の光的情報記録再生方法。
  12. 前記波形等化ステップによって波形等化された信号を所定のしきい値に基づいて2値化するステップを更に含む、請求項8に記載の光学的情報記録再生方法。
  13. 前記2値化された信号を復調することにより、復調信号を生成する復調ステップと、
    前記判別するステップの判定の結果、前記ヘッダ領域がトレースされている場合には該復調信号を復調アドレスとして誤り判別を行うステップと、
    該判別するステップの判定の結果、前記データ領域がトレースされている場合には、該復調信号を復調データとして誤り訂正を行うステップと、
    を含む、請求項12に記載の光学的情報記録再生方法。
  14. 前記ずれの幅は、前記情報トラック中心から前記ディスク基板の半径方向にトラックピッチの約2分の1になっている、請求項1に記載の光学的情報記録再 生装置。
  15. 前記第2の特性によって変換される差信号が、前記第1の特性によって変換される和信号よりも、その高周波数領域が強調されるように変換を行う、請求項1に記載の光学的情報記録再生装置。
  16. 前記ずれの幅は、前記情報トラック中心から前記ディスク基板の半径方向にトラックピッチの約2分の1になっている、請求項8に記載の光学的情報記録再生方法。
  17. 前記波形等化ステップにおいて、前記第2の特性によって変換される差信号は、前記第1の特性によって変換される和信号よりも、その高周波数領域が強調される、請求項8に記載の光学的情報記録再生方法。
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