JP3802123B2 - 多色画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法による多色画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式でカラー画像を形成するには、例えば、図1に見られるように、原稿2のカラー画像をCCD3により色分解して、画像処理装置4により画像処理及び色補正して得られる複数色の画像信号を、色別に、例えば、半導体レーザー5を用いて変調されたレーザー光線として、Se、アモルファスシリコン等の無機感光体、またはフタロシアニン顔料、ビスアゾ顔料等を電荷発生層として用いる有機感光体8に、一色ずつ複数回照射することにより数個の静電潜像を形成する。次に、得られた静電潜像を、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びK(黒)の4色のカラートナーで順次現像して、これらのトナー像を感光体8から用紙等の転写体13に転写し、熱定着器16等で加熱定着する方法が用いられる。
【0003】
また、上記カラートナーは、結着樹脂に着色剤として顔料等を分散含有させた1〜15μmの粒子に、5〜100nm程度の無機微粒子または樹脂微粒子を付着させることにより得られている。
【0004】
一般に、上記の方法で得られたカラートナー像は、加熱定着によって表面が平滑化されるため、用紙表面と異なった光沢度を有している。また、トナーの樹脂の種類、定着方式、定着温度等によって、定着時のトナーの粘度が変化するために、光沢度が変化することが知られている。
【0005】
ところで、画像の光沢度については多様な好みがあり、作成する画像の種類、使用目的等によって異なることが知られている。特に、カラー複写機においては、人物や風景等の写真原稿の場合、鮮明な画像を得るために高光沢な画像が好まれることが多い。例えば、特開平2−293867号公報、特開平3−2765号公報及び特開昭63−259575号公報等には、高光沢が得られるようにトナーの設計及び定着条件の設定が行なわれている。このため、一般にカラー複写機では、低光沢なものが好まれる文字部分の画像までもが高光沢な画像になってしまうという問題がある。
【0006】
また、画像の光沢度を任意に変化させる方法として、単に従来から用いられている結着樹脂、着色剤、帯電制御剤及び流動化剤からなるトナーを用いて、定着速度、定着温度、定着圧力及び定着方式等の定着条件のみを変化させた場合には、低光沢画像では、定着画像と用紙との接着強度が不十分となり、また、擦られたり、折り曲げられたりすると、画像が大きく欠損することになり、一方、高光沢画像では、トナー樹脂が転写体にしみ込んでしまって十分な光沢が得られない。このような現象を防止するために、トナー用の結着樹脂について、その分子量を大きくしたり、架橋成分を増加させたり、分子量分布を広げたりすることが提案されているが、この方法では、低光沢画像では一定の定着強度が得られるものの、十分な高光沢画像のものを得ることはできない。
【0007】
すなわち、上記した方法等で得られたカラー画像では、転写体との十分な定着強度を確保すること、定着によりトナーの粒子形状を潰して高光沢を達成すること及び結着樹脂の転写体への過剰なしみ込みを防止し、転写体の凹凸形状が画像表面に現れないようにすること等の条件を同時に満たすことは困難である。
【0008】
また、有色トナー樹脂の分子量、分子量分布及び溶融粘度を厳密に規定して、光沢度を任意に変化させるために、定着速度、定着温度、定着圧力、定着方式のみを変化させる方法が特開平6−148935号公報に提案されている。この方法では、低光沢画像においては転写体との十分な定着強度を得ることができるものの、定着によりトナーの粒子形状を潰して十分な高光沢を達成することと、溶融トナーの転写体への過剰なしみ込みを防いで転写体の凹凸形状が画像表面に現れないようにすることとを両立させることは困難である。
【0009】
さらに、黒トナーの粘度や弾性率を他のカラートナーより高くすることにより、カラー画像に比べて黒文字の光沢度を低くする方法が、特開昭63−300254号公報、特開平1−142740号公報及び特開平4−204669号公報等に提案されている。しかしながら、これらの方法では、カラー画像や色文字の光沢度を任意に制御することはできないという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記した実情に鑑み、その問題点を解消するためになされたものである。
すなわち、本発明の目的は、多色画像の複写時において、光沢度を任意に制御できるとともに、粒状性が良好であり、かつ色調が高く滑らかで、定着強度を有する高画質の多色画像形成方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、検討を重ねた結果、有色トナーとして、結着樹脂の他に、無機微粒子及び/又は有機微粒子を5〜30体積%添加したものを使用して、このトナーを転写体上に転写、定着する過程において、定着条件を制御することにより多色複写画像の表面光沢度を任意に制御することができ、かつ、十分な定着強度を得ることができる画像形成方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明の多色画像形成方法は、複数の有色トナー像を転写体上に形成し、加熱定着する工程を有する多色画像形成方法であって、該トナー像を形成するトナーとして、結着樹脂中に着色剤と、微粒子5〜30体積%とを分散混合せしめてなる粒子を用い、かつ加熱定着する工程には、複数の光沢度に制御可能な手段を有することを特徴とする。また、複数の光沢度に制御可能な手段が、定着速度、定着圧力、定着温度及び定着領域の距離から選ばれる少なくとも1つの条件を変化させる手段、または、複数の定着器を用いて行うことが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明において用いられる有色トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤及び微粒子を含有するものである。
本発明に用いられる結着樹脂としては、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、その他のビニル系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、エポキシ系及びポリウレア系の樹脂等のトナーの結着樹脂として用いられる公知のものがすべて使用可能である。特に、低温定着性、定着強度及び保存性等のトナー特性が得られ易いポリエステル系樹脂が好ましい。
【0014】
また、着色剤としては、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びK(黒)着色剤として、それぞれ使用されている公知の顔料及び染料等の着色剤がいずれも使用可能である。具体的には、Y着色剤として、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー及びハンザイエロー、M着色剤として、ローダミンB、ローズベンガル及びピグメントレッド、C着色剤として、フタロシアニンブルー、アニリンブルー及びピグメントブルー及びK着色剤として、カーボンブラック及びアニリンブラック、更にはカラー顔料のブレンド等が、それぞれ例示される。
【0015】
本発明に用いる有色トナーには、トナー中に微粒子が5〜30体積%の範囲で含まれていることが必要であるが、特に、10〜15体積%の範囲が好ましい。トナー中の微粒子の配合量が、5体積%未満であると、低光沢の画像を得ようとしたときの定着強度と高光沢画像を得ようとしたときの十分な光沢度とを両立させることができない。また、添加量が30体積%を越えると、高光沢画像を得ようとしても十分な光沢度を得ることができない。
【0016】
本発明において、トナー中に使用可能な微粒子としては、無機微粒子及び/又は有機微粒子が使用される。無機微粒子としては、シリカ、二酸化チタン、酸化錫、酸化モリブデン等が挙げられる。また、結着樹脂への分散性等を考慮して、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等により表面改質処理した無機微粒子も使用できる。ここに示した無機微粒子は一例であり、これらに限られない。また、有機微粒子としては、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、その他のビニル系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、エポキシ系、ポリウレア系、フッ素系の樹脂等が挙げられる。また、トナー樹脂への分散性等を考慮して、グラフト等の反応によって表面改質した樹脂微粒子も使用できる。ここに挙げた無機微粒子及び有機微粒子は一例であり、本発明に使用される微粒子はこれらに限られるものではない。
【0017】
本発明においては、使用する結着樹脂と微粒子との屈折率差の絶対値が0.0〜0.5の範囲とすることが好ましい。これにより、良好な色再現性が達成される。屈折率差の絶対値が0.5を越えると結着樹脂と微粒子との界面において光散乱が発生して色再現性が低下する。さらに、好ましくい色再現性を得るためには、結着樹脂と微粒子の屈折率差の絶対値ΔNと、結着樹脂に対する樹脂微粒子、無機微粒子又は結晶性有機微粒子の含有率R(重量%)との関係が、下記の条件を満たすことが望ましい。
【0018】
0≦ΔN×R≦5.0
また、使用する上記微粒子の平均粒径は、0.005〜1.0μmの範囲にあることが好ましい。粒径が0.005μm未満の場合には、定着条件による光沢度の変化と定着強度とが両立しない。また、1.0μmを越えた場合には、定着条件を変えても高光沢画像が得られない。さらに、光沢度変化を十分に得られる好ましい微粒子の粒径範囲としては、0.01〜0.3μm、より好ましくは0.01〜0.1μmである。
【0019】
トナー粒子中に、上記微粒子を添加した場合に、定着強度を損なうことなく、定着条件を変更することにより、光沢度が大きく変化する理由については必ずしも明らかではないが、我々の考察によれば、微粒子の添加によるチクソトロピー性の増加に因るものと考えられる。すなわち、樹脂に微粒子を混合したトナーは、微粒子を含まないトナーに比べて、定着時における実効的なトナーの粘度が定着条件によって変化し易いために、光沢度の変化が大きくなるものと考えられる。そして、転写体とトナー像との接着力や定着後のトナー粒子間の接着力は、樹脂自体が有する性質で決まるものであるから、低光沢を得ようとした場合でも十分な定着強度が得られるものと推定される。
【0020】
本発明において、結着樹脂に上記した着色剤及び微粒子を分散混合してトナー粒子を得る方法としては、一般的な有色トナーに帯電制御剤や着色剤を混合する公知の方法を適用することができる。すなわち、公知の溶融撹拌式の混練装置を用いて、結着樹脂等に微粒子を一様に分散混合させることにより得ることができる。また、従来の湿式重合によっても分散混合させることも可能である。すなわち、トナー用樹脂溶液中に前記微粒子を撹拌分散し、その後、重合反応によってトナー粒子を造粒し、溶剤を乾燥除去して乾式トナー粒子を作製することができる。さらに、その他の公知の分散混合法を適用することもできる。
【0021】
本発明に使用する有色トナー粒子には、所望の光沢度をムラなく均一に得るために、トナーの流動性及び帯電性を制御することが望ましい。このためには、トナー粒子表面に、外部添加剤として無機微粒子及び/又は樹脂微粒子を付着させることが好ましい。外部添加剤として使用可能な無機微粒子としては、シリカ、二酸化チタン、酸化錫、酸化モリブデン等が挙げられる。また、帯電性等の安定性を考慮して、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等で疎水化処理したものも使用できる。また、同じく有機微粒子としては、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ビニル系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、エポキシ系、ポリウレア系及びフッ素系の樹脂等の微粒子が挙げられる。上記した無機微粒子及び有機微粒子は、その一例にすぎず、その他に従来より外部添加剤として用いられている公知の微粒子も使用可能である。この外部添加剤として用いる上記微粒子の粒径は、0.005〜1μmであることが好ましい。その粒径が0.005μmを下回ると、トナー表面に付着させたときに凝集してしまって期待された効果が得られない。また、粒径が1μmを越えると、より高光沢な画像を得ることが困難になる。また、トナー粒子表面に上記微粒子を外添付着させるには、従来の方式で作製したトナー粒子表面に高速混合機等を用いる方法もある。
さらに、本発明において高光沢の画像を得るためには、着色剤の顔料と結着樹脂との界面における乱反射を抑えることが重要であり、例えば、特開平4−242752号に示されているような小粒径の顔料と高分散した着色剤とを組合せて使用することが有効である。
【0022】
次に、本発明の多色画像形成方法において、加熱定着する工程について説明する。本発明においては、加熱定着工程が複数の光沢度に制御できる手段を有するものであり、次のような手段等を適宜採用する。例えば、(1)低い光沢度を得ようとする場合には定着速度を速くし、他方、高い光沢度を得ようとする場合には定着速度を遅くする。(2)低い光沢度を得ようとする場合には定着領域に加える圧力を小さくし、他方、高い光沢度を得ようとする場合には定着領域に加える圧力を大きくする。(3)低い光沢度を得ようとする場合には定着温度を低くし、他方、高い光沢度を得ようとする場合には定着温度を高くする。(4)低い光沢度を得ようとする場合には定着領域を短くし、他方、高い光沢度を得ようとする場合には定着領域を長くする。
本発明における上記(1)〜(4)等の方法の特長は、単に定着条件を変更することのみで、十分な定着強度を有し、かつ、転写体への過剰なトナーのしみ込みによる画質劣化を起こすことなく、複数水準の光沢度レベルを実現することができることにある。
【0023】
上記したトナーの定着速度を変更させる方法としては、定着ロールの回転数を変化させて定着速度を変える方法がある。また、定着圧力を変更させる方法としては、定着ロールと対向する加圧ロールとの間の圧力を決定するバネのバネ常数を変化させる方法がある。また、定着領域を変更する方法としては、硬度の異なる表面層を有する複数の定着ロールを準備し、その光沢レベルに応じて使用するロールを変更することにより、画像と定着ロールの接触幅を変化させる方法がある。さらに、複数の定着ロールを用いる方法としては、1つの定着装置内に複数のロールを配置し、光沢度により使い分ける方法、または定着装置を複数設けることにより行うことができるが、前者の場合には、機械をより小型化できることから好ましく用いられる。これらの定着条件の変更は、いずれもその一例を挙げたものであり、特にこれらに限定されるものではない。
また、光沢度の変化量をより一層大きくするためには、熱加圧ロール定着装置およびオーブンまたはラジアント定着装置等の複数の定着装置を用い、高光沢画像については熱加圧ロール定着装置を用い、また、低光沢画像についてはオーブンまたはラジアント定着装置を用いることが好ましい。
【0024】
次に、本発明の方法により得られた複写画像の評価方法を説明する。
定着強度の評価は、レーザー出力100%で作成したシアン画像を二つ折にして、その上に金属性の円柱(直径100mm×長さ100mm、重さ6kg)を転がして加圧した後、画像を観察して画像の平均欠落幅を観察することにより行った。欠落幅が、0.5mm未満のものを○、0.5mm以上1.5mm未満のものを△、1.5mm以上のものを×として表示した。
オフセットの評価は、目視でグレード付けを行い、未発生のものを○、少量のオフセットが見られるものを△、オフセットの発生が見られるものを×として表示した。
【0025】
粒状性の評価は、2×2cmの平均反射濃度の異なる均一画像を使って目視評価により行った。20人の評価者に、1.非常にきめが粗い、2.きめが粗い、3.普通、4.きめが細かい、5.非常にきめが細かいの5段階に分類してもらい、その平均値を求める方法を採った。平均値が2未満の場合を×、2以上4未満の場合を△、4以上の場合を○とした。
【0026】
色再現性の測定は、X−rite 404(X−rite社製)を用いて、マゼンタ画像密度100%領域における画像濃度を測定して、1.4未満を×、1.4以上1.7未満を△、1.7以上を○とした。
画像全体の官能評価は、人物写真の目視評価により行った。20人の評価者を対象として、1.非常に悪い、2.悪い、3.普通、4.良い、5.非常にきめが細かくて良いの5つに分類してもらい、その平均値を求めた。平均値が2未満の場合を×、2以上4未満の場合を△、4以上の場合を○とした。
鏡面光沢度(グロス)の測定には、Gloss Meter GM−26D (村上色彩技術研究所)を用いて、シアンのベタ画像を評価した。画像に対する光の入射角は75度とした。
光沢度は、出力100%のシアン画像で評価した。
光沢度S/Wは、@−1〜@−4で光沢度(100%)差が30以上のものを○、20以上30未満のものを△、20未満のものを×とした。
【0027】
また、使用したトナー材料の評価は、以下のとおり実施した。
粘度の測定には、回転平板レオメータRD−2(レオメトリックス社製)を用い、測定温度は実際の定着時のトナー温度を測定して同一の値に設定し、動的粘弾性の周波数が0.1rad/secのときの粘度を求めて比較した。
分子量の測定は、ゲルパーミッションクロマトグラフィによって行い、その溶剤としてはテトラヒドロフランを用いた。
トナーの平均粒径は、コールターカウンターを用いて測定し、重量平均のd50を適用した。
トナー樹脂に添加した微粒子の平均粒径は、100個の微粒子を走査型電子顕微鏡写真で撮影して、100個の長径と短径の和の1/2の値を求め、その平均値を採用した。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1−1
上記材料をエクストルーダーで溶融混練して、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級してd50=7μmのトナー粒子を作製した。
このトナー粒子100重量部に、それぞれ下記した2種類の無機微粒子を高速混合機で外添させることにより、各色トナーを得た。
【0029】
(現像剤の製造)
キャリアとして、スチレン−メチルメタクリレート共重合体で被覆した粒径約50μmの球形フェライト粒子を用いた。このキャリア100重量部に対して、各色トナーを、それぞれ8重量部の割合で添加し、これをタンブラーシェイカーミキサーで混合して、シアン、マゼンタ及びイエローの各色用の2成分現像剤を得た。
【0030】
(画像形成)
本発明における画像形成装置は、図1に示す富士ゼロックス社製のA−color630を改造したものを使用した。図1を参照して説明すると、照明1から原稿2のカラー画像に照射した反射光を、カラーCCD3により読み取って、これを画像処理装置4によりY、M、Cの三色に色分解し、画像処理を加えた信号として、一色づつ順番に、半導体レーザー5から光信号として出力し、光学系6を通して、予め帯電器7によって帯電された感光体8に露光し、画像部分が低電位となる静電潜像を作製した。上記の方法で得られた帯電した有色トナーの現像剤を、それぞれY現像器9、M現像器10及びC現像器11に仕込んで、現像バイアスを印加することにより、有色トナーを静電気力によって感光体8上に現像した。現像されたトナーを、転写ドラム15に静電吸着された転写体13上に、一色ずつ、転写コロトロン14で与えられた電界により転写した。これをY現像器、M現像器及びC現像器の順に3回繰り返し、転写体上に3色が重ねられたカラートナー像を得た。これを熱定着器16によって加熱定着し、カラー画像を得た。なお、図1において、12はK現像器、17はオーブン定着器である。
【0031】
図2は、本発明に使用した熱定着器の概略断面図である。図2において、定着ロール21は、バネにより加圧ロール22の方向に加圧されており、加圧ロール22は本体に固定されている。定着ロール及び加圧ロール表面には、それぞれ厚さ2mmのフッ素系ゴムと無機フィラーからなる定着ロール弾性体層25及び加圧ロール弾性体層26が設けられている。23は定着ロールコア、24は加圧ロールコアであり、27は定着ロール離型層、28は加圧ロール離型層である。また、29は加熱源である。31〜37は、定着ロールの表面に離型剤を塗布するための離型剤供給装置30であつて、31、32は離型剤供給ロール、33は芯金、34はゴム状弾性体、35は多孔質フィルム、36は離型剤貯蔵タンク、37は離型剤を示す。40はロールのニツプ巾である。また、定着圧力は7kg/cm2 とした。
【0032】
定着には、カラートナー像39を有する転写体(用紙)38を、定着温度150℃、定着器通過時に160mm/secの速度で通過させた。また、測定に用いた転写体は、富士ゼロックス社製のカラー用紙(製品名:J紙)を用いた。現像された有色トナーの重量は、各色ともに画像濃度が最大の部分で7.0g/m2 とした。
【0033】
実施例1−2
定着器通過時の用紙速度を60mm/secとしたこと以外は、実施例1−1と同様にしてカラー画像を作製した。
実施例1−3
定着ロールと加圧ロールの間に加えた圧力を2倍としたこと以外は、実施例1−1と同様にしてカラー画像を作製した。
実施例1−4
定着器をオーブン定着器として、定着温度180℃、定着時間10秒としたこと以外は、実施例1−1と同様にしてカラー画像を作製した。
【0034】
実施例2−1〜2−4
トナーの作製方法を以下に変更したこと以外は、実施例1−1〜1−4と同様にしてカラー画像を作製した。
上記材料をジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級してd50=7μmのトナー粒子を作製した。このトナー粒子100重量部に、下記の樹脂微粒子及び無機微粒子を高速混合機で外添させることにより、各色のトナーを得た。
【0035】
実施例3−1〜3−4
トナーの作製方法を以下に変更したこと以外は、実施例1−1〜1−4と同様にしてカラー画像を作製した。
上記材料をエクストルーダーで溶融混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級してd50=7μmのトナー粒子を作製した。このトナー粒子100重量部に、下記の無機微粒子を高速混合機で外添させた。
【0036】
実施例4−1〜4−4
トナーの作製方法を以下に変更したこと以外は、実施例1−1〜1−4と同様にしてカラー画像を作製した。
上記材料をエクストルーダーで溶融混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級してd50=7μmのトナー粒子を作製した。このトナー粒子100重量部に、下記の無機微粒子を高速混合機で外添させた。
【0037】
実施例5−1〜5−4
トナーの作製方法を以下に変更したこと以外は、実施例1−1〜1−4と同様にしてカラー画像を作製した。
上記材料をエクストルーダーで溶融混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級してd50=7μmのトナー粒子を作製した。このトナー粒子100重量部に、下記の無機微粒子を高速混合機で外添させた。
【0038】
比較例1−1〜1−4
シアン、マゼンタ、イエローのトナーとして、それぞれ結着樹脂93重量部、着色顔料5重量部、無機外添剤2重量部からなるA−Color用製品トナーを用いたこと以外は、実施例1−1〜1−4と同様にしてカラー画像を作製した。
比較例2−1〜2−4
トナーを以下のように変更したこと以外は、実施例1−1〜1−4と同様にしてカラー画像を作製した。
【0039】
比較例3−1〜3−4
トナー作製方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1−1〜1−4と同様にしてカラー画像を作製した。
上記材料をエクストルーダーで溶融混練して、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級してd50=7μmのトナー粒子を作製した。このトナー粒子100重量部に、下記の2種類の無機微粒子を高速混合機で外添させた。
【0040】
上記実施例1〜5において作製したカラー画像の評価結果を表1に示す。
【表1】
【0041】
上記比較例1〜3において作製したカラー画像の評価結果を表2に示す。
【表2】
【0042】
【発明の効果】
本発明の多色画像形成方法は、特定のトナー粒子を用いて定着条件を変更するという簡単な操作で、所望の光沢度に制御できるという優れた効果を奏することができるものであり、また、粒状性が良好であり、かつ色調の高い、滑らかな高画質の多色画像を再現させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電子写真方式でカラー画像の形成に用いられる画像形成装置の概念図である。
【図2】 本発明に用いる定着器の概略断面図である。
【符号の説明】
1…照明、2…原稿、3…CCD、4…画像処理装置、5…半導体レーザー、6…光学系、7…帯電器、8…感光体、9…Y現像器、10…M現像器、11…C現像器、12…K現像器、13…転写体、14…転写コロトロン、15…転写ドラム、16…熱定着器、17…オーブン定着器、21…定着ロール、22…加圧ロール、23…定着ロールコア、24…加圧ロールコア、25…定着ロール弾性体層、26…加圧ロール弾性体層、27…定着ロール離型層、28…加圧ロール離型層、29…加熱源、30…離型剤供給装置、31、32…離型剤供給ロール、33…芯金、34…ゴム状弾性体、35…多孔質フィルム、36…離型剤貯蔵タンク、37…離型剤、38…転写体、39…カラートナー像、40…ニップ巾。
Claims (3)
- 複数の有色トナー像を転写体上に形成し、加熱定着する工程を有する多色画像形成方法において、該トナー像を形成するトナーとして、結着樹脂中に着色剤と微粒子5〜30体積%とを分散混合せしめてなる粒子を用い、かつ加熱定着する工程には、複数の光沢度に制御可能な手段を有することを特徴とする多色画像形成方法。
- 複数の光沢度に制御可能な手段が、定着速度、定着圧力、定着温度及び定着領域から選ばれる少なくとも1つの条件を変化させる手段であることを特徴とする請求項1に記載の多色画像形成方法。
- 複数の光沢度に制御可能な手段が、複数の定着器を用いて行うことを特徴とする請求項1に記載の多色画像形成方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1996
- 1996-04-01 JP JP07852596A patent/JP3802123B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8718523B2 (en) | 2010-11-09 | 2014-05-06 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Heating and pressurizing device and image forming apparatus for controlling a contact pressure between a pair of heating and pressurizing members |
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