JP3801526B2 - 無線送信装置及び無線受信装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、適応変調技術またはスケジューリング技術を用いて複数の無線受信装置からの要求に応じたデータを送信するようになされた無線送信装置及びそのデータを受信する無線受信装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、複数の相手局に対してパケットデータの伝送を行う通信システムにおいて、適応変調技術やスケジューリング技術が導入されている。
【０００３】
適応変調技術は、パケットデータの送信時に通信路の状態に応じて変調多値数や符号化率を変化させることで、所望の誤り率を達成しながらできるだけ高速にデータを伝送する技術である。具体的には、通信路の状態が良い相手局に対しては、変調多値数を上げかつ符号化率を高めることにより、高速なデータを伝送する。一方、通信路の状態が悪い相手局に対しては、変調多値数を下げかつ符号化率を低くすることで、所望の誤り率を満たすようになされている。
【０００４】
スケジューリング技術は、適応変調技術としばしば組み合わせて使用される技術で、スケジューラは、通信路の状態の良い相手局に対して優先的にパケットデータの送信を許可することにより、システム全体でのスループットを向上させる。代表的なスケジューラとして、通信路の品質を示すＣＩＲ（Carrier to Interference Ratio）が大きい通信局に対して優先的にパケットデータを送信する「ＭＡＸ Ｃ／Ｉスケジューラ」がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ＭＡＸ Ｃ／Ｉスケジューラを用いた通信システムでは、通信路の状態が悪くなったときには、送信側装置は通信路の状態が悪い相手局への送信を許可しないので、相手局に対してデータが送信されなくなる。また適応変調技術を導入しているシステムでは、通信路の状態があまりにも悪くなった場合には、変調多値数を下げ、かつ符号化率を低くしても所望の誤り率を満たせず、データを送信することができなくなってしまう。
【０００６】
ここで連続したパケットデータ（例えばストリーミングデータ）を送信している場合について検討する。受信側では、データが受信できないので、受信に必要なバッファ（メモリ）やプロセッサの処理能力をデータが受信できるまで予約しておく。また受信機の下位レイヤにおいては、ある程度まとまったデータが受信されてはじめて上位レイヤにデータを引き渡す構造となっているために、まとまったデータを受信完了するまではデータを上位アプリケーションに渡さず、上位レイヤに対してデータがなかなか渡されなくなる。
【０００７】
そのため、通信路の状態が悪くなった受信局では、データが送信されないにもかかわらず受信バッファが予約されたりプロセッサの処理が予約されたりするのでメモリや処理能力の無駄が生じるという問題が発生する。
【０００８】
また下位レイヤが上位レイヤにデータを渡さないので、動画アプリケーションなどでは、下位レイヤがデータの一部だけでも渡してくれれば画面の一部だけでも表示することができるにも拘わらず、画面全体が表示されなくなったりする。
【０００９】
また上記ストリーミングデータが送信機の先にネットワーク（インターネット等）を介して接続されている構成においては、上位レイヤはデータの送信を行っているサーバやネットワークに問題があるのか、送信機と受信機の間の通信路の状態が悪くなったのかが判断できないので、ネットワークの先に接続されているサーバに対して再送制御を行う。つまり、通信路の状態が悪くなっただけならば、サーバではなく、無線送信装置に対して再送リクエストを行えばよいのに、何故データが送信されないのか判断できないため、ネットワークの先に接続されたサーバに対して再送リクエストを行うので、サーバの負荷が増大するとともに、ネットワークへのトラヒックも増大してしまうという課題がある。
【００１０】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、適応変調やスケジューリング技術を用いてデータを送信する場合に、受信側での無駄な処理を低減して効率的な無線受信処理を実現し得る無線送信装置及び無線受信装置を提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明は、以下の構成を採る。
【００１２】
（１）本発明の無線送信装置は、通信相手局からの送信要求信号を受信する受信手段と、要求に応じた送信データを通信相手局に送信する送信手段と、送信データを相手局に送信しないとき又は送信できないときに、送信データを送信しないことを示す不送信情報を通信相手局に通知する不送信情報通知手段とを具備する構成を採る。
【００１３】
この構成によれば、送信データを受信する無線受信装置では、不送信情報を受け取ると、受信を待機しているデータが送られてこないことを認識できるので、無駄な待機時間を費やすことがなくなる。この結果、この待機時間中に割り当てているメモリやプロセッサ等を他の処理に割り当てることができるようになるので、効率的な受信処理を行うことができるようになる。
【００１４】
（２）本発明の無線送信装置は、（１）において、不送信情報通知手段は、不送信情報に、送信しないデータのサイズに関する情報を含ませて通知する構成を採る。
【００１５】
この構成によれば、無線受信装置では、送信されないデータのサイズを認識できるようになるので、例えばそのサイズに応じたサイズのダミーデータを埋め込むなどの補間処理を施すことにより、欠落したデータを適宜補って次の処理（例えば上位レイヤにデータを受け渡す処理）へと進むことができるようになる。
【００１６】
（３）本発明の無線送信装置は、（１）又は（２）において、不送信情報通知手段は、次に送信データを送信する予定の時刻、次に送信する予定のパケットデータのスロット番号又はフレーム番号を通知する構成を採る。
【００１７】
この構成によれば、無線受信装置では、次の送信データを受信するまでにどのくらい待機すればよいかを認識できるようになるので、例えばその送信データの受信を待ってスロットやフレームの組み立てを行う場合には、受信バッファをいつまで予約しておけばよいかを認識できるようになる。
【００１８】
（４）本発明の無線送信装置は、（１）から（３）のいずれかにおいて、不送信情報通知手段は、通信相手局に対してスケジュール情報を通知する構成を採る。
【００１９】
この構成によれば、無線受信装置では、通知されたスケジュール情報に基づいて、どのくらい待機すれば次の送信データが送られてくるか、または次の送信データは送られてこないのかを認識できるので、無駄な待機時間を費やすことが無くなる。この結果、待機時間中に割り当てているメモリやプロセッサ等を他の処理に割り当てることができるようになるので、効率的な受信処理を行うことができるようになる。
【００２０】
（５）本発明の無線送信装置は、（１）から（４）のいずれかにおいて、不送信情報通知手段は、送信手段が送信データを送信するチャネルとは別のチャネルを用いて、不送信情報を通信相手局に通知する構成を採る。
【００２１】
この構成によれば、データを送信するチャネルの容量等を考えることなく、不送信情報に対して誤り率特性の良い変調方式や符号化率等を割り当てることができるようになるので、不送信情報を確実に相手局に送ることができるようになる。
【００２２】
（６）本発明の無線送信装置は、（１）から（５）のいずれかにおいて、不送信情報通知手段は、通信相手局に対して送信データの存在を通知するために使用する共通チャネルを用いて、不送信情報を通知する構成を採る。
【００２３】
この構成によれば、無線受信装置では、ＣＣＰＣＨ（Common Control Physical CHannel）等の送信データの存在を通知するために使用する共通チャネルを常時受信するだけで、不送信情報を受信することができるようになる。この結果、追加のチャネルを受信する回路が必要無くなるので、簡易な構成により不送信情報を受信できるようになる。
【００２４】
（７）本発明の無線送信装置は、（１）から（６）のいずれかにおいて、不送信情報通知手段は、送信しないデータの種類に応じて、不送信情報を通知するか否かを選択する構成を採る。
【００２５】
この構成によれば、無線受信装置において、データが送られてこないという不送信情報が必要となるケースは、画像などのリアルタイムデータやストリーミングデータの場合なので、そのようなデータのときだけ不送信情報を送信することにより、無線帯域を無駄に使用することを回避できる。
【００２６】
（８）本発明の無線送信装置は、（１）、（２）、（３）、（４）又は（７）において、不送信情報通知手段は、送信手段が送信データを送信するチャネルと同じチャネルを用いて、不送信情報を通知する構成を採る。
【００２７】
この構成によれば、新たなチャネルを追加する必要が無くなる。
【００２８】
（９）本発明の無線送信装置は、（１）から（８）のいずれかにおいて、無線送信装置は、通信相手局との間の回線状態に応じて適応的に送信データに対する変調方式及び符号化率を変えて送信するようになっており、不送信情報通知手段は、不送信情報に対して、無線送信装置で決められた変調方式及び符号化率の中で最も誤り率訂正能力が高い変調方式及び符号化率を割り当てる構成を採る。
【００２９】
この構成によれば、不送信情報を送信する相手局は回線状態が悪い可能性が非常に高いことに着目して、不送信情報に対して誤りの生じ難い変調方式及び符号化率を割り当てることで、不送信情報を確実に相手局に伝えることができるようになる。
【００３０】
（１０）本発明の無線送信装置は、（１）から（９）のいずれかにおいて、複数の通信相手局に対して送信データを送信するスケジュールを作成するスケジューリング手段をさらに具備し、当該スケジューリング手段は、不送信情報に対する送信優先度を高くする構成を採る。
【００３１】
この構成によれば、無線受信装置では、不送信情報を早く受け取ることができるようになるので、送信されないデータに関する待機時間を一段と短縮化することができるようになる。
【００３２】
（１１）本発明の無線送信装置は、（１）から（１０）のいずれかにおいて、不送信情報通知手段は、送信手段が送信データを送信しなくなってから決められた一定時間が経過したときに不送信情報を通知する構成を採る。
【００３３】
この構成によれば、無線受信装置に設けられた受信バッファの容量等に合わせて上記一定時間を設定すれば、無線受信装置での待ち受け時間を適宜設定することができるようになる。
【００３４】
（１２）本発明の無線受信装置は、相手局から受信した送信データを復調する復調手段と、復調したデータを格納するデータ格納手段と、当該データ格納手段に所定量の復調データが格納されたとき、当該データ格納手段に格納された復調データを読み出し所定のデータ処理を施して上位レイヤに受け渡すデータ処理手段と、相手局から送信データを送信しないことを示す不送信情報を受信する不送信情報取得手段と、を具備し、データ処理手段は、不送信情報取得手段によって相手局から不送信情報が取得されたとき、データ格納手段に所定量の復調データが格納されていなくても、格納されている復調データを上位レイヤに受け渡す構成を採る。
【００３５】
この構成によれば、不送信情報が送られてくると、次のデータを待ち受けることなく、データ格納手段に格納されている復調データを上位レイヤに受け渡すので、上位レイヤでは例えば画像が長時間表示できないといった不都合が回避される。また不送信情報により、相手側に送信要求が届いていないのではなく、回線状態が悪いことが原因でデータを受け取ることができないことを認識することができるので、ネットワークの先に接続されたサーバへの無駄な再送リクエストを行わなくなる。この結果、サーバの負荷を軽減できるとともに、ネットワークへのトラヒックを削減できるようになる。
【００３６】
（１３）本発明の無線受信装置は、（１２）において、格納されている復調データを上位レイヤに受け渡す際に、誤り検出符号において誤りが検出されないようなデータを埋め込んで上位レイヤに受け渡す構成を採る。
【００３７】
この構成によれば、上位レイヤにデータの欠落した復調データを受け渡しても、上位レイヤで誤りが検出されないので、上位レイヤではこの復調データを使ってスムーズに処理を行うことができるようになる。
【００３８】
（１４）本発明の無線基地局装置は、（１）から（１１）のいずれかに記載の無線送信装置を具備する構成を採る。
【００３９】
（１５）本発明の通信端末装置は、（１）から（１１）のいずれかに記載の無線送信装置を具備する構成を採る。
【００４０】
（１６）本発明の無線基地局装置は、（１２）又は（１３）に記載の無線受信装置を具備する構成を採る。
【００４１】
（１７）本発明の通信端末装置は、（１２）又は（１３）に記載の無線受信装置を具備する構成を採る。
【００４２】
これらの構成によれば、受信側での無駄な処理を低減して効率的な無線受信処理を実現し得る無線基地局装置及び通信端末装置を得ることができる。
【００４３】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、適応変調やスケジューリングに基づいて複数の無線局にパケットデータを送信する送信局が、送信要求があるにも拘わらずある一定期間以上パケットデータを送信できない相手受信局に対して、送信データを送信しないことを示す不送信情報を通知することである。これにより、ある期間送信データを受信できない受信局では、データが送られてこないことを認識できるので、データが送られてくるのを待機するといった無駄な処理を無くして、効率的な処理を行うことができるようになる。
【００４４】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【００４５】
図１において、１００は全体として、本発明の無線送信装置を具備する無線基地局装置の構成を示す。無線基地局装置１００はアンテナＡＮ１により受信した信号に対して無線受信部（受信ＲＦ）１０１によりダウンコンバート処理やアナログディジタル処理等の所定の無線受信処理を施し、続く復調部１０２によって復調処理を施した後、ＣＩＲ（Carrier to Interference Ratio）情報抽出部１０３に入力する。
【００４６】
ＣＩＲ情報抽出部１０３では、各通信相手局で測定され、各通信相手局から送られてきたＣＩＲ情報を抽出し、これをスケジューラ１０４に送出する。スケジューラ１０４は各通信相手局からのＣＩＲを比較し、ＣＩＲが良い相手局ほど優先度を高くしてパケットデータの送信優先度を決定する。
【００４７】
つまり、無線基地局装置１００では、送信要求があった相手局に対して同時にパケットデータを送信するのではなく、ダウンリンクシェアードチャネル等の複数の送信相手局との間で共有する共通チャネルを用い、スケジューラ１０４で決めた順番で順次通信相手局にパケットデータを送信するようになっている。
【００４８】
なお図には示していないが、無線基地局装置１００は、アンテナＡＮ１を介して通信相手局からの送信要求信号を受信し、この要求信号に応じたデータをスケジューラ１０４で決めた順番で通信相手局に送信するようになっている。
【００４９】
ここで各通信相手局に送信するパケットデータはバッファ１０６に格納されており、選択部１０５がスケジューリング情報に基づく順番でバッファ１０６に格納されたパケットデータを読み出して、続く符号化部１０７及び変調部１０８に送出する。
【００５０】
ＭＣＳ（Modulation and Coding Scheme）選択部１０９は、スケジューラ１０４から、スケジューリング情報と共に相手局との間のＣＩＲを受け取り、ＣＩＲに応じた符号化率及び変調方式を決定して、これらを符号化部１０７及び変調部１０８にそれぞれ送出する。具体的には、ＣＩＲが良いほど符号化率を高くしかつ変調多値数の大きい変調方式を選択する。
【００５１】
多重部１１１では、ＭＣＳ選択部１０９で選択され変調部１１０で変調された符号化率及び変調方式の情報と、符号化部１０７及び変調部１０８により符号化及び変調処理が施されたパケットデータが多重される。多重化後のデータは、無線送信部（送信ＲＦ）１１２によって、ディジタルアナログ変換やアップコンバート等の所定の無線送信処理が施された後、アンテナＡＮ１から送信される。
【００５２】
かかる構成に加えて、無線基地局装置１００は、通知情報作成部１１４を有する。通信情報作成部１１４は、スケジューラ１０４により得られたスケジューリング情報に基づき、ある一定期間以上データの送信が行われない相手局が存在する場合には、その相手局に対して送信データは存在するがそのデータは送らないということを通知するデータ不送信情報を作成する。この実施の形態の場合には、不送信情報として、データを送らないという情報と共に送らないデータのサイズを示す情報を含めて通知するようになっている。
【００５３】
また無線基地局装置１００では、バッファ監視部１１３によって、バッファ１０６に不送信対象となるデータが存在するか否かを監視し、通知情報作成部１１４がその存在を把握し、バッファ管理部１１５によってそのパケットデータをバッファ１０６から削除するようになされている。この結果、いつまでも送信しないデータをバッファ１０６に格納しておかなくて済むので、バッファ１０６を有効活用できるようになる。
【００５４】
通知情報作成部１１４により作成されたデータ不送信情報は、変調部１１６によって変調され、続く多重部１１１によってパケットデータやＭＣＳ情報と多重され、送信ＲＦ１１２、アンテナＡＮ１を介して相手局に送信される。
【００５５】
因みに、この実施の形態の場合には、不送信情報に対して、無線基地局装置１００で決められた変調方式及び符号化率の中で最も誤り率訂正能力が高い変調方式及び符号化率を割り当てるようになっている。これにより、相手局では不送信情報を誤り無く確実に受信できるようになる。すなわち、不送信情報を送るということは、その相手局との間の回線状態は非常に悪い可能性が高いので、不送信情報に対して誤りの生じ難い変調方式及び符号化率を割り当てることで、不送信情報を誤り無く確実に通知できるようになる。
【００５６】
次に図２を用いて、無線基地局装置１００と通信を行う通信端末装置２００の構成を説明する。通信端末装置２００は、無線基地局装置１００から送信されるパイロット信号をアンテナＡＮ２、無線受信部（受信ＲＦ）２０１及び復調部２０２を介してＣＩＲ測定部２０３に入力する。ＣＩＲ測定部２０３は復調されたパイロット信号に基づいて無線基地局装置１００との間の回線品質であるＣＩＲを測定する。この測定は常時行う。そして測定したＣＩＲをＣＩＲ値埋め込み部２０４によって他の送信データに埋め込んだ後、変調部２０５、無線送信部（送信ＲＦ）２０６及びアンテナＡＮ２を介して無線基地局装置１００に送信する。
【００５７】
また無線基地局装置１００から送信されたＭＣＳ選択情報は、復調部２０７により復調された後、ＭＣＳ解読部２０８により解読される。またパケットデータは、復調部２０９及び復号部２１０よって、ＭＣＳ解読部２０８により解読された変調方式及び符号化率に対応する復調処理及び復号処理が行われた後、バッファ２１１に格納される。さらに不送信情報が復調部２１２により復調された後、不送信情報取得部２１３に送出される。
【００５８】
ここで、復号されたデータはある程度のサイズ（例えばＩＰデータグラム１つ分）にまとまるまでバッファ２１１に蓄積される。つまり、無線基地局装置１００からの送信時には誤りが発生するので、ＩＰデータグラム１つ分のデータを構成するパケットの途中で誤りが発生してデータの抜けが発生することがある。従って、バッファ２１１では、この抜けの部分のデータが到着するまでデータの受信を待っている。
【００５９】
不送信情報取得部２１３は不送信情報を取得すると、バッファ２１１に対してそれまで蓄積したデータをパケット組み立て部２１４に送出することを指示する読出し制御信号を出力する。つまり、不送信情報が受信されると、バッファ２１１に所定量のデータが格納されていなくても、蓄積されたデータをパケット組み立て部２１４に送出するようになっている。
【００６０】
パケット組み立て部２１４では、続くデータの送信が行われないことがわかると、図３に示すように、その部分についてはダミーデータを埋め込んでＩＰデータグラムを構成して上位レイヤに渡す。またデータの受信のために待機していたバッファ２１１をクリアする。ダミーデータとしては、上位レイヤの誤り検出符号において誤りが検出されないようなデータを埋め込む。この結果、上位レイヤにデータの欠落した復調データを受け渡しても、上位レイヤで誤りが検出されないので、上位レイヤではこの復調データを使ってスムーズに処理を行うことができるようになる。
【００６１】
次にこの実施の形態での無線基地局装置１００及び通信端末装置２００の動作について説明する。無線基地局装置１００は、通信端末装置２００との間の回線状態が悪く、パケットデータを送信できなくなった場合には、データを送信しないことを示す不送信情報を送信する。
【００６２】
通信端末装置２００では、不送信情報を受け取ると、次のデータを受信するために待機することを止めて、バッファ２１１に蓄積されたデータに不送信データに対応するサイズのダミーデータを埋め込んで、上位レイヤに送出する。
【００６３】
この結果、上位レイヤではダミーデータが埋め込まれたデータを使って処理を進めることができるようになる。例えば画像データであった場合には、とりあえず渡されたデータを使って画面の一部を表示することができるので、画面全体を表示できないといった事態を回避できる。またバッファ２１１を次の処理に使うことができるようになるので、バッファ２１１を無駄に待機させることが無くなり、有効活用できる。
【００６４】
ここで図４に示すように、図１に示す構成を有する無線基地局装置１００が、図２に示す構成を有する複数の通信端末装置Ａ、Ｂ、Ｃに対して下り送信を行う場合について説明する。
【００６５】
各通信端末装置Ａ、Ｂ、Ｃの移動に応じて、各通信端末装置Ａ、Ｂ、Ｃとの間の回線品質が図５（Ｂ）に示すように変動したものとする。無線基地局装置１００は、ＭＡＸ Ｃ／Ｉ方式によりスケジューリングを行うので、図５（Ａ）に示すように、最もＣＩＲの高い通信端末を優先してパケットデータの送信先とする。
【００６６】
ここで時点ｔ１〜ｔ２の期間は通信端末装置ＣのＣＩＲが最も高いので、時点ｔ１〜ｔ２の期間は通信端末装置Ｃにパケットデータを送信する。しかし、その後は通信端末装置Ｃとの間の回線品質は劣悪となるので、無線基地局装置１００は、時点ｔ４で通信端末装置Ｃへのパケットデータの送信をあきらめて、通信端末装置Ｃにデータ不送信情報を送信する。通信端末装置Ｃはこのデータ不送信情報を受け取ると、該当データを待ち受けることを止めて、上述したような処理を行う。
【００６７】
因みに、図６（Ａ）は、無線基地局装置から通信端末装置への一般的な送信手順を示し、無線基地局装置と通信端末装置Ｃとの間の回線品質が劣悪であり（図６（Ｂ））、通信端末装置Ｃには送信が割り当てられないにも拘わらず、通信端末装置Ｃは時点ｔ６以降もデータが送られてくるのを待機していなければならない。
【００６８】
以上の構成によれば、通信端末装置２００から送信要求があったにも拘わらず、スケジューリングの関係上、パケットデータを送信しない受信局に対して、送信データを送信しないことを示す不送信情報を通知するようにしたことにより、通信端末装置２００での無駄な待機時間を無くすることができ、効率的な受信処理を行うことができるようになる。
【００６９】
なお上述の実施の形態では、スケジューリングの関係上、パケットデータを送信しない受信局に対して、送信データを送信しないことを示す不送信情報を通知する場合について述べたが、本発明はスケジューリングを行う場合に限らず、相手局から要求があった送信データを送信できない又は送信しない場合に広く適用できる。例えば、単なる適応変調を行うシステムにおいても、伝播環境が悪すぎて、最も誤り難いＭＣＳを割り当てても所望の誤り率を満たせないときに、不送信情報を送信すれば、上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【００７０】
また上述の実施の形態では、通信端末装置２００が不送信情報を受け取ったときに、次のデータを待ち受けるのを止めてバッファ２１１に蓄積したデータを上位レイヤに受け渡す場合について述べたが、例えば不送信情報として、次に送信データを送信する予定の時刻、次に送信する予定のパケットデータのスロット番号又はフレーム番号等を送信するようにしてもよい。このようにすれば、通信端末装置２００は、次の送信データを受信するまでにどのくらい待機すればよいかを認識できるようになるので、例えばその送信データの受信を待ってスロットやフレームの組み立てを行う場合には、バッファ２１１をいつまで予約しておけばよいかを前もって認識できるようになる。
【００７１】
また上述の実施の形態では、不送信情報として、次の送信すべきデータを送信しないこととそのデータのサイズとを通知する場合について述べたが、不送信情報として、スケジューラ１０４で作成したスケジューリング情報を通知するようにしてもよい。このようにすれば、通信端末装置２００では、通知されたスケジューリング情報に基づいて、どのくらい待機すれば次の送信データが送られてくるか、または次の送信データは送られてこないのかを認識できるので、無駄な待機時間を費やすことが無くなる。この結果、待機時間中に割り当てているメモリやプロセッサ等を他の処理に割り当てることができるようになるので、効率的な受信処理を行うことができるようになる。
【００７２】
また上述の実施の形態では、不送信情報を送信するチャネルについては言及しなかったが、送信データを送信するチャネルとは別のチャネルを用いて不送信情報を送信すれば、データを送信するチャネルの容量等を考えることなく、不送信情報に対して誤り率特性の良い変調方式や符号化率等を割り当てることができるようになるので、不送信情報を確実に相手局に送ることができるようになる。
【００７３】
また通信相手局に対して送信データの存在を通知するために使用する共通チャネルを用いて不送信情報を送信すれば、通信端末装置２００では、ＣＣＰＣＨ（Common Control Physical CHannel）等の送信データの存在を通知するために使用する共通チャネルを常時受信するだけで、不送信情報を受信することができるようになる。この結果、追加のチャネルを受信する回路が必要無くなるので、簡易な構成により不送信情報を受信できるようになる。
【００７４】
また、送信データを送信するチャネルと同じチャネルを用いて不送信情報を送信するようにしてもよい。このようにすれば、新たなチャネルを追加する必要が無くなる。
【００７５】
また上述の実施の形態の構成に加えて、無線基地局装置１００が、送信しないデータの種類に応じて、不送信情報を通知するか否かを選択するようにしてもよい。このようにすれば、通信端末装置２００において、データが送られてこないという不送信情報が必要となるケースは、画像などのリアルタイムデータの場合なので、そのようなデータのときだけ不送信情報を送信することにより、無線帯域を無駄に使用することを回避できる。
【００７６】
また上述の実施の形態の構成に加えて、無線基地局装置１００がデータの送信優先度よりも不送信情報に対する送信優先度を高くすれば、通信端末装置２００では、不送信情報を早く受け取ることができるようになるので、送信されないデータに関する待機時間を一段と短縮化することができるようになる。
【００７７】
また上述の実施の形態の構成に加えて、無線基地局装置１００が送信データを送信しなくなってから通信端末装置２００との間で決められた一定時間が経過したときに不送信情報を通知するようにすれば、通信端末装置２００に設けられたバッファ２１１の容量等に合わせて上記一定時間を設定することで、通信端末装置２００での待ち受け時間を適宜設定することができるようになる。
【００７８】
さらに上述の実施の形態では、本発明による無線送信装置を無線基地局装置１００に設け、無線受信装置を通信端末装置２００に設けるようにした場合について述べたが、これとは逆に、本発明による無線送信装置を通信端末装置に設け、無線受信装置を無線基地局装置に設けるようにしてもよい。
【００７９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、送信要求があるにも拘わらずある一定期間以上パケットデータを送信しない又はできない受信局に対して、送信データを送信しないことを示す不送信情報を通知するようにしたことにより、受信側での無駄な処理を低減して効率的な無線受信処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態に係る無線基地局装置の構成を示すブロック図
【図２】実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図
【図３】受信側でのダミーデータの挿入処理の説明に供する図
【図４】実施の形態の動作の説明に供する図
【図５】実施の形態の動作の説明に供する図
【図６】実施の形態による送信処理と比較するための、一般的な送信処理の例を示す図
【符号の説明】
１００ 無線基地局装置
１０４ スケジューラ
１１４ 通知情報作成部
１１６ 変調部
２００ 通信端末装置
２１１ バッファ
２１３ 不送信情報取得部
２１４ パケット組み立て部
【発明の属する技術分野】
本発明は、適応変調技術またはスケジューリング技術を用いて複数の無線受信装置からの要求に応じたデータを送信するようになされた無線送信装置及びそのデータを受信する無線受信装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、複数の相手局に対してパケットデータの伝送を行う通信システムにおいて、適応変調技術やスケジューリング技術が導入されている。
【０００３】
適応変調技術は、パケットデータの送信時に通信路の状態に応じて変調多値数や符号化率を変化させることで、所望の誤り率を達成しながらできるだけ高速にデータを伝送する技術である。具体的には、通信路の状態が良い相手局に対しては、変調多値数を上げかつ符号化率を高めることにより、高速なデータを伝送する。一方、通信路の状態が悪い相手局に対しては、変調多値数を下げかつ符号化率を低くすることで、所望の誤り率を満たすようになされている。
【０００４】
スケジューリング技術は、適応変調技術としばしば組み合わせて使用される技術で、スケジューラは、通信路の状態の良い相手局に対して優先的にパケットデータの送信を許可することにより、システム全体でのスループットを向上させる。代表的なスケジューラとして、通信路の品質を示すＣＩＲ（Carrier to Interference Ratio）が大きい通信局に対して優先的にパケットデータを送信する「ＭＡＸ Ｃ／Ｉスケジューラ」がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ＭＡＸ Ｃ／Ｉスケジューラを用いた通信システムでは、通信路の状態が悪くなったときには、送信側装置は通信路の状態が悪い相手局への送信を許可しないので、相手局に対してデータが送信されなくなる。また適応変調技術を導入しているシステムでは、通信路の状態があまりにも悪くなった場合には、変調多値数を下げ、かつ符号化率を低くしても所望の誤り率を満たせず、データを送信することができなくなってしまう。
【０００６】
ここで連続したパケットデータ（例えばストリーミングデータ）を送信している場合について検討する。受信側では、データが受信できないので、受信に必要なバッファ（メモリ）やプロセッサの処理能力をデータが受信できるまで予約しておく。また受信機の下位レイヤにおいては、ある程度まとまったデータが受信されてはじめて上位レイヤにデータを引き渡す構造となっているために、まとまったデータを受信完了するまではデータを上位アプリケーションに渡さず、上位レイヤに対してデータがなかなか渡されなくなる。
【０００７】
そのため、通信路の状態が悪くなった受信局では、データが送信されないにもかかわらず受信バッファが予約されたりプロセッサの処理が予約されたりするのでメモリや処理能力の無駄が生じるという問題が発生する。
【０００８】
また下位レイヤが上位レイヤにデータを渡さないので、動画アプリケーションなどでは、下位レイヤがデータの一部だけでも渡してくれれば画面の一部だけでも表示することができるにも拘わらず、画面全体が表示されなくなったりする。
【０００９】
また上記ストリーミングデータが送信機の先にネットワーク（インターネット等）を介して接続されている構成においては、上位レイヤはデータの送信を行っているサーバやネットワークに問題があるのか、送信機と受信機の間の通信路の状態が悪くなったのかが判断できないので、ネットワークの先に接続されているサーバに対して再送制御を行う。つまり、通信路の状態が悪くなっただけならば、サーバではなく、無線送信装置に対して再送リクエストを行えばよいのに、何故データが送信されないのか判断できないため、ネットワークの先に接続されたサーバに対して再送リクエストを行うので、サーバの負荷が増大するとともに、ネットワークへのトラヒックも増大してしまうという課題がある。
【００１０】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、適応変調やスケジューリング技術を用いてデータを送信する場合に、受信側での無駄な処理を低減して効率的な無線受信処理を実現し得る無線送信装置及び無線受信装置を提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明は、以下の構成を採る。
【００１２】
（１）本発明の無線送信装置は、通信相手局からの送信要求信号を受信する受信手段と、要求に応じた送信データを通信相手局に送信する送信手段と、送信データを相手局に送信しないとき又は送信できないときに、送信データを送信しないことを示す不送信情報を通信相手局に通知する不送信情報通知手段とを具備する構成を採る。
【００１３】
この構成によれば、送信データを受信する無線受信装置では、不送信情報を受け取ると、受信を待機しているデータが送られてこないことを認識できるので、無駄な待機時間を費やすことがなくなる。この結果、この待機時間中に割り当てているメモリやプロセッサ等を他の処理に割り当てることができるようになるので、効率的な受信処理を行うことができるようになる。
【００１４】
（２）本発明の無線送信装置は、（１）において、不送信情報通知手段は、不送信情報に、送信しないデータのサイズに関する情報を含ませて通知する構成を採る。
【００１５】
この構成によれば、無線受信装置では、送信されないデータのサイズを認識できるようになるので、例えばそのサイズに応じたサイズのダミーデータを埋め込むなどの補間処理を施すことにより、欠落したデータを適宜補って次の処理（例えば上位レイヤにデータを受け渡す処理）へと進むことができるようになる。
【００１６】
（３）本発明の無線送信装置は、（１）又は（２）において、不送信情報通知手段は、次に送信データを送信する予定の時刻、次に送信する予定のパケットデータのスロット番号又はフレーム番号を通知する構成を採る。
【００１７】
この構成によれば、無線受信装置では、次の送信データを受信するまでにどのくらい待機すればよいかを認識できるようになるので、例えばその送信データの受信を待ってスロットやフレームの組み立てを行う場合には、受信バッファをいつまで予約しておけばよいかを認識できるようになる。
【００１８】
（４）本発明の無線送信装置は、（１）から（３）のいずれかにおいて、不送信情報通知手段は、通信相手局に対してスケジュール情報を通知する構成を採る。
【００１９】
この構成によれば、無線受信装置では、通知されたスケジュール情報に基づいて、どのくらい待機すれば次の送信データが送られてくるか、または次の送信データは送られてこないのかを認識できるので、無駄な待機時間を費やすことが無くなる。この結果、待機時間中に割り当てているメモリやプロセッサ等を他の処理に割り当てることができるようになるので、効率的な受信処理を行うことができるようになる。
【００２０】
（５）本発明の無線送信装置は、（１）から（４）のいずれかにおいて、不送信情報通知手段は、送信手段が送信データを送信するチャネルとは別のチャネルを用いて、不送信情報を通信相手局に通知する構成を採る。
【００２１】
この構成によれば、データを送信するチャネルの容量等を考えることなく、不送信情報に対して誤り率特性の良い変調方式や符号化率等を割り当てることができるようになるので、不送信情報を確実に相手局に送ることができるようになる。
【００２２】
（６）本発明の無線送信装置は、（１）から（５）のいずれかにおいて、不送信情報通知手段は、通信相手局に対して送信データの存在を通知するために使用する共通チャネルを用いて、不送信情報を通知する構成を採る。
【００２３】
この構成によれば、無線受信装置では、ＣＣＰＣＨ（Common Control Physical CHannel）等の送信データの存在を通知するために使用する共通チャネルを常時受信するだけで、不送信情報を受信することができるようになる。この結果、追加のチャネルを受信する回路が必要無くなるので、簡易な構成により不送信情報を受信できるようになる。
【００２４】
（７）本発明の無線送信装置は、（１）から（６）のいずれかにおいて、不送信情報通知手段は、送信しないデータの種類に応じて、不送信情報を通知するか否かを選択する構成を採る。
【００２５】
この構成によれば、無線受信装置において、データが送られてこないという不送信情報が必要となるケースは、画像などのリアルタイムデータやストリーミングデータの場合なので、そのようなデータのときだけ不送信情報を送信することにより、無線帯域を無駄に使用することを回避できる。
【００２６】
（８）本発明の無線送信装置は、（１）、（２）、（３）、（４）又は（７）において、不送信情報通知手段は、送信手段が送信データを送信するチャネルと同じチャネルを用いて、不送信情報を通知する構成を採る。
【００２７】
この構成によれば、新たなチャネルを追加する必要が無くなる。
【００２８】
（９）本発明の無線送信装置は、（１）から（８）のいずれかにおいて、無線送信装置は、通信相手局との間の回線状態に応じて適応的に送信データに対する変調方式及び符号化率を変えて送信するようになっており、不送信情報通知手段は、不送信情報に対して、無線送信装置で決められた変調方式及び符号化率の中で最も誤り率訂正能力が高い変調方式及び符号化率を割り当てる構成を採る。
【００２９】
この構成によれば、不送信情報を送信する相手局は回線状態が悪い可能性が非常に高いことに着目して、不送信情報に対して誤りの生じ難い変調方式及び符号化率を割り当てることで、不送信情報を確実に相手局に伝えることができるようになる。
【００３０】
（１０）本発明の無線送信装置は、（１）から（９）のいずれかにおいて、複数の通信相手局に対して送信データを送信するスケジュールを作成するスケジューリング手段をさらに具備し、当該スケジューリング手段は、不送信情報に対する送信優先度を高くする構成を採る。
【００３１】
この構成によれば、無線受信装置では、不送信情報を早く受け取ることができるようになるので、送信されないデータに関する待機時間を一段と短縮化することができるようになる。
【００３２】
（１１）本発明の無線送信装置は、（１）から（１０）のいずれかにおいて、不送信情報通知手段は、送信手段が送信データを送信しなくなってから決められた一定時間が経過したときに不送信情報を通知する構成を採る。
【００３３】
この構成によれば、無線受信装置に設けられた受信バッファの容量等に合わせて上記一定時間を設定すれば、無線受信装置での待ち受け時間を適宜設定することができるようになる。
【００３４】
（１２）本発明の無線受信装置は、相手局から受信した送信データを復調する復調手段と、復調したデータを格納するデータ格納手段と、当該データ格納手段に所定量の復調データが格納されたとき、当該データ格納手段に格納された復調データを読み出し所定のデータ処理を施して上位レイヤに受け渡すデータ処理手段と、相手局から送信データを送信しないことを示す不送信情報を受信する不送信情報取得手段と、を具備し、データ処理手段は、不送信情報取得手段によって相手局から不送信情報が取得されたとき、データ格納手段に所定量の復調データが格納されていなくても、格納されている復調データを上位レイヤに受け渡す構成を採る。
【００３５】
この構成によれば、不送信情報が送られてくると、次のデータを待ち受けることなく、データ格納手段に格納されている復調データを上位レイヤに受け渡すので、上位レイヤでは例えば画像が長時間表示できないといった不都合が回避される。また不送信情報により、相手側に送信要求が届いていないのではなく、回線状態が悪いことが原因でデータを受け取ることができないことを認識することができるので、ネットワークの先に接続されたサーバへの無駄な再送リクエストを行わなくなる。この結果、サーバの負荷を軽減できるとともに、ネットワークへのトラヒックを削減できるようになる。
【００３６】
（１３）本発明の無線受信装置は、（１２）において、格納されている復調データを上位レイヤに受け渡す際に、誤り検出符号において誤りが検出されないようなデータを埋め込んで上位レイヤに受け渡す構成を採る。
【００３７】
この構成によれば、上位レイヤにデータの欠落した復調データを受け渡しても、上位レイヤで誤りが検出されないので、上位レイヤではこの復調データを使ってスムーズに処理を行うことができるようになる。
【００３８】
（１４）本発明の無線基地局装置は、（１）から（１１）のいずれかに記載の無線送信装置を具備する構成を採る。
【００３９】
（１５）本発明の通信端末装置は、（１）から（１１）のいずれかに記載の無線送信装置を具備する構成を採る。
【００４０】
（１６）本発明の無線基地局装置は、（１２）又は（１３）に記載の無線受信装置を具備する構成を採る。
【００４１】
（１７）本発明の通信端末装置は、（１２）又は（１３）に記載の無線受信装置を具備する構成を採る。
【００４２】
これらの構成によれば、受信側での無駄な処理を低減して効率的な無線受信処理を実現し得る無線基地局装置及び通信端末装置を得ることができる。
【００４３】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、適応変調やスケジューリングに基づいて複数の無線局にパケットデータを送信する送信局が、送信要求があるにも拘わらずある一定期間以上パケットデータを送信できない相手受信局に対して、送信データを送信しないことを示す不送信情報を通知することである。これにより、ある期間送信データを受信できない受信局では、データが送られてこないことを認識できるので、データが送られてくるのを待機するといった無駄な処理を無くして、効率的な処理を行うことができるようになる。
【００４４】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【００４５】
図１において、１００は全体として、本発明の無線送信装置を具備する無線基地局装置の構成を示す。無線基地局装置１００はアンテナＡＮ１により受信した信号に対して無線受信部（受信ＲＦ）１０１によりダウンコンバート処理やアナログディジタル処理等の所定の無線受信処理を施し、続く復調部１０２によって復調処理を施した後、ＣＩＲ（Carrier to Interference Ratio）情報抽出部１０３に入力する。
【００４６】
ＣＩＲ情報抽出部１０３では、各通信相手局で測定され、各通信相手局から送られてきたＣＩＲ情報を抽出し、これをスケジューラ１０４に送出する。スケジューラ１０４は各通信相手局からのＣＩＲを比較し、ＣＩＲが良い相手局ほど優先度を高くしてパケットデータの送信優先度を決定する。
【００４７】
つまり、無線基地局装置１００では、送信要求があった相手局に対して同時にパケットデータを送信するのではなく、ダウンリンクシェアードチャネル等の複数の送信相手局との間で共有する共通チャネルを用い、スケジューラ１０４で決めた順番で順次通信相手局にパケットデータを送信するようになっている。
【００４８】
なお図には示していないが、無線基地局装置１００は、アンテナＡＮ１を介して通信相手局からの送信要求信号を受信し、この要求信号に応じたデータをスケジューラ１０４で決めた順番で通信相手局に送信するようになっている。
【００４９】
ここで各通信相手局に送信するパケットデータはバッファ１０６に格納されており、選択部１０５がスケジューリング情報に基づく順番でバッファ１０６に格納されたパケットデータを読み出して、続く符号化部１０７及び変調部１０８に送出する。
【００５０】
ＭＣＳ（Modulation and Coding Scheme）選択部１０９は、スケジューラ１０４から、スケジューリング情報と共に相手局との間のＣＩＲを受け取り、ＣＩＲに応じた符号化率及び変調方式を決定して、これらを符号化部１０７及び変調部１０８にそれぞれ送出する。具体的には、ＣＩＲが良いほど符号化率を高くしかつ変調多値数の大きい変調方式を選択する。
【００５１】
多重部１１１では、ＭＣＳ選択部１０９で選択され変調部１１０で変調された符号化率及び変調方式の情報と、符号化部１０７及び変調部１０８により符号化及び変調処理が施されたパケットデータが多重される。多重化後のデータは、無線送信部（送信ＲＦ）１１２によって、ディジタルアナログ変換やアップコンバート等の所定の無線送信処理が施された後、アンテナＡＮ１から送信される。
【００５２】
かかる構成に加えて、無線基地局装置１００は、通知情報作成部１１４を有する。通信情報作成部１１４は、スケジューラ１０４により得られたスケジューリング情報に基づき、ある一定期間以上データの送信が行われない相手局が存在する場合には、その相手局に対して送信データは存在するがそのデータは送らないということを通知するデータ不送信情報を作成する。この実施の形態の場合には、不送信情報として、データを送らないという情報と共に送らないデータのサイズを示す情報を含めて通知するようになっている。
【００５３】
また無線基地局装置１００では、バッファ監視部１１３によって、バッファ１０６に不送信対象となるデータが存在するか否かを監視し、通知情報作成部１１４がその存在を把握し、バッファ管理部１１５によってそのパケットデータをバッファ１０６から削除するようになされている。この結果、いつまでも送信しないデータをバッファ１０６に格納しておかなくて済むので、バッファ１０６を有効活用できるようになる。
【００５４】
通知情報作成部１１４により作成されたデータ不送信情報は、変調部１１６によって変調され、続く多重部１１１によってパケットデータやＭＣＳ情報と多重され、送信ＲＦ１１２、アンテナＡＮ１を介して相手局に送信される。
【００５５】
因みに、この実施の形態の場合には、不送信情報に対して、無線基地局装置１００で決められた変調方式及び符号化率の中で最も誤り率訂正能力が高い変調方式及び符号化率を割り当てるようになっている。これにより、相手局では不送信情報を誤り無く確実に受信できるようになる。すなわち、不送信情報を送るということは、その相手局との間の回線状態は非常に悪い可能性が高いので、不送信情報に対して誤りの生じ難い変調方式及び符号化率を割り当てることで、不送信情報を誤り無く確実に通知できるようになる。
【００５６】
次に図２を用いて、無線基地局装置１００と通信を行う通信端末装置２００の構成を説明する。通信端末装置２００は、無線基地局装置１００から送信されるパイロット信号をアンテナＡＮ２、無線受信部（受信ＲＦ）２０１及び復調部２０２を介してＣＩＲ測定部２０３に入力する。ＣＩＲ測定部２０３は復調されたパイロット信号に基づいて無線基地局装置１００との間の回線品質であるＣＩＲを測定する。この測定は常時行う。そして測定したＣＩＲをＣＩＲ値埋め込み部２０４によって他の送信データに埋め込んだ後、変調部２０５、無線送信部（送信ＲＦ）２０６及びアンテナＡＮ２を介して無線基地局装置１００に送信する。
【００５７】
また無線基地局装置１００から送信されたＭＣＳ選択情報は、復調部２０７により復調された後、ＭＣＳ解読部２０８により解読される。またパケットデータは、復調部２０９及び復号部２１０よって、ＭＣＳ解読部２０８により解読された変調方式及び符号化率に対応する復調処理及び復号処理が行われた後、バッファ２１１に格納される。さらに不送信情報が復調部２１２により復調された後、不送信情報取得部２１３に送出される。
【００５８】
ここで、復号されたデータはある程度のサイズ（例えばＩＰデータグラム１つ分）にまとまるまでバッファ２１１に蓄積される。つまり、無線基地局装置１００からの送信時には誤りが発生するので、ＩＰデータグラム１つ分のデータを構成するパケットの途中で誤りが発生してデータの抜けが発生することがある。従って、バッファ２１１では、この抜けの部分のデータが到着するまでデータの受信を待っている。
【００５９】
不送信情報取得部２１３は不送信情報を取得すると、バッファ２１１に対してそれまで蓄積したデータをパケット組み立て部２１４に送出することを指示する読出し制御信号を出力する。つまり、不送信情報が受信されると、バッファ２１１に所定量のデータが格納されていなくても、蓄積されたデータをパケット組み立て部２１４に送出するようになっている。
【００６０】
パケット組み立て部２１４では、続くデータの送信が行われないことがわかると、図３に示すように、その部分についてはダミーデータを埋め込んでＩＰデータグラムを構成して上位レイヤに渡す。またデータの受信のために待機していたバッファ２１１をクリアする。ダミーデータとしては、上位レイヤの誤り検出符号において誤りが検出されないようなデータを埋め込む。この結果、上位レイヤにデータの欠落した復調データを受け渡しても、上位レイヤで誤りが検出されないので、上位レイヤではこの復調データを使ってスムーズに処理を行うことができるようになる。
【００６１】
次にこの実施の形態での無線基地局装置１００及び通信端末装置２００の動作について説明する。無線基地局装置１００は、通信端末装置２００との間の回線状態が悪く、パケットデータを送信できなくなった場合には、データを送信しないことを示す不送信情報を送信する。
【００６２】
通信端末装置２００では、不送信情報を受け取ると、次のデータを受信するために待機することを止めて、バッファ２１１に蓄積されたデータに不送信データに対応するサイズのダミーデータを埋め込んで、上位レイヤに送出する。
【００６３】
この結果、上位レイヤではダミーデータが埋め込まれたデータを使って処理を進めることができるようになる。例えば画像データであった場合には、とりあえず渡されたデータを使って画面の一部を表示することができるので、画面全体を表示できないといった事態を回避できる。またバッファ２１１を次の処理に使うことができるようになるので、バッファ２１１を無駄に待機させることが無くなり、有効活用できる。
【００６４】
ここで図４に示すように、図１に示す構成を有する無線基地局装置１００が、図２に示す構成を有する複数の通信端末装置Ａ、Ｂ、Ｃに対して下り送信を行う場合について説明する。
【００６５】
各通信端末装置Ａ、Ｂ、Ｃの移動に応じて、各通信端末装置Ａ、Ｂ、Ｃとの間の回線品質が図５（Ｂ）に示すように変動したものとする。無線基地局装置１００は、ＭＡＸ Ｃ／Ｉ方式によりスケジューリングを行うので、図５（Ａ）に示すように、最もＣＩＲの高い通信端末を優先してパケットデータの送信先とする。
【００６６】
ここで時点ｔ１〜ｔ２の期間は通信端末装置ＣのＣＩＲが最も高いので、時点ｔ１〜ｔ２の期間は通信端末装置Ｃにパケットデータを送信する。しかし、その後は通信端末装置Ｃとの間の回線品質は劣悪となるので、無線基地局装置１００は、時点ｔ４で通信端末装置Ｃへのパケットデータの送信をあきらめて、通信端末装置Ｃにデータ不送信情報を送信する。通信端末装置Ｃはこのデータ不送信情報を受け取ると、該当データを待ち受けることを止めて、上述したような処理を行う。
【００６７】
因みに、図６（Ａ）は、無線基地局装置から通信端末装置への一般的な送信手順を示し、無線基地局装置と通信端末装置Ｃとの間の回線品質が劣悪であり（図６（Ｂ））、通信端末装置Ｃには送信が割り当てられないにも拘わらず、通信端末装置Ｃは時点ｔ６以降もデータが送られてくるのを待機していなければならない。
【００６８】
以上の構成によれば、通信端末装置２００から送信要求があったにも拘わらず、スケジューリングの関係上、パケットデータを送信しない受信局に対して、送信データを送信しないことを示す不送信情報を通知するようにしたことにより、通信端末装置２００での無駄な待機時間を無くすることができ、効率的な受信処理を行うことができるようになる。
【００６９】
なお上述の実施の形態では、スケジューリングの関係上、パケットデータを送信しない受信局に対して、送信データを送信しないことを示す不送信情報を通知する場合について述べたが、本発明はスケジューリングを行う場合に限らず、相手局から要求があった送信データを送信できない又は送信しない場合に広く適用できる。例えば、単なる適応変調を行うシステムにおいても、伝播環境が悪すぎて、最も誤り難いＭＣＳを割り当てても所望の誤り率を満たせないときに、不送信情報を送信すれば、上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【００７０】
また上述の実施の形態では、通信端末装置２００が不送信情報を受け取ったときに、次のデータを待ち受けるのを止めてバッファ２１１に蓄積したデータを上位レイヤに受け渡す場合について述べたが、例えば不送信情報として、次に送信データを送信する予定の時刻、次に送信する予定のパケットデータのスロット番号又はフレーム番号等を送信するようにしてもよい。このようにすれば、通信端末装置２００は、次の送信データを受信するまでにどのくらい待機すればよいかを認識できるようになるので、例えばその送信データの受信を待ってスロットやフレームの組み立てを行う場合には、バッファ２１１をいつまで予約しておけばよいかを前もって認識できるようになる。
【００７１】
また上述の実施の形態では、不送信情報として、次の送信すべきデータを送信しないこととそのデータのサイズとを通知する場合について述べたが、不送信情報として、スケジューラ１０４で作成したスケジューリング情報を通知するようにしてもよい。このようにすれば、通信端末装置２００では、通知されたスケジューリング情報に基づいて、どのくらい待機すれば次の送信データが送られてくるか、または次の送信データは送られてこないのかを認識できるので、無駄な待機時間を費やすことが無くなる。この結果、待機時間中に割り当てているメモリやプロセッサ等を他の処理に割り当てることができるようになるので、効率的な受信処理を行うことができるようになる。
【００７２】
また上述の実施の形態では、不送信情報を送信するチャネルについては言及しなかったが、送信データを送信するチャネルとは別のチャネルを用いて不送信情報を送信すれば、データを送信するチャネルの容量等を考えることなく、不送信情報に対して誤り率特性の良い変調方式や符号化率等を割り当てることができるようになるので、不送信情報を確実に相手局に送ることができるようになる。
【００７３】
また通信相手局に対して送信データの存在を通知するために使用する共通チャネルを用いて不送信情報を送信すれば、通信端末装置２００では、ＣＣＰＣＨ（Common Control Physical CHannel）等の送信データの存在を通知するために使用する共通チャネルを常時受信するだけで、不送信情報を受信することができるようになる。この結果、追加のチャネルを受信する回路が必要無くなるので、簡易な構成により不送信情報を受信できるようになる。
【００７４】
また、送信データを送信するチャネルと同じチャネルを用いて不送信情報を送信するようにしてもよい。このようにすれば、新たなチャネルを追加する必要が無くなる。
【００７５】
また上述の実施の形態の構成に加えて、無線基地局装置１００が、送信しないデータの種類に応じて、不送信情報を通知するか否かを選択するようにしてもよい。このようにすれば、通信端末装置２００において、データが送られてこないという不送信情報が必要となるケースは、画像などのリアルタイムデータの場合なので、そのようなデータのときだけ不送信情報を送信することにより、無線帯域を無駄に使用することを回避できる。
【００７６】
また上述の実施の形態の構成に加えて、無線基地局装置１００がデータの送信優先度よりも不送信情報に対する送信優先度を高くすれば、通信端末装置２００では、不送信情報を早く受け取ることができるようになるので、送信されないデータに関する待機時間を一段と短縮化することができるようになる。
【００７７】
また上述の実施の形態の構成に加えて、無線基地局装置１００が送信データを送信しなくなってから通信端末装置２００との間で決められた一定時間が経過したときに不送信情報を通知するようにすれば、通信端末装置２００に設けられたバッファ２１１の容量等に合わせて上記一定時間を設定することで、通信端末装置２００での待ち受け時間を適宜設定することができるようになる。
【００７８】
さらに上述の実施の形態では、本発明による無線送信装置を無線基地局装置１００に設け、無線受信装置を通信端末装置２００に設けるようにした場合について述べたが、これとは逆に、本発明による無線送信装置を通信端末装置に設け、無線受信装置を無線基地局装置に設けるようにしてもよい。
【００７９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、送信要求があるにも拘わらずある一定期間以上パケットデータを送信しない又はできない受信局に対して、送信データを送信しないことを示す不送信情報を通知するようにしたことにより、受信側での無駄な処理を低減して効率的な無線受信処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態に係る無線基地局装置の構成を示すブロック図
【図２】実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図
【図３】受信側でのダミーデータの挿入処理の説明に供する図
【図４】実施の形態の動作の説明に供する図
【図５】実施の形態の動作の説明に供する図
【図６】実施の形態による送信処理と比較するための、一般的な送信処理の例を示す図
【符号の説明】
１００ 無線基地局装置
１０４ スケジューラ
１１４ 通知情報作成部
１１６ 変調部
２００ 通信端末装置
２１１ バッファ
２１３ 不送信情報取得部
２１４ パケット組み立て部
Claims (16)
- 通信相手局からの送信要求信号を受信する受信手段と、前記要求に応じた送信データ又は前記通信相手局に一定期間以上前記送信データを送信しないことを示す不送信情報を前記通信相手局に送信する送信手段と、を具備し、
前記送信手段は、前記不送信情報に、送信しないデータのサイズに関する情報を含ませて前記不送信情報を送信する、ことを特徴とする無線送信装置。 - 通信相手局からの送信要求信号を受信する受信手段と、前記要求に応じた送信データ又は前記通信相手局に一定期間以上前記送信データを送信しないことを示す不送信情報を前記通信相手局に送信する送信手段と、を具備し、
前記送信手段は、前記不送信情報に、次に送信データを送信する予定の時刻、次に送信する予定のパケットデータのスロット番号又は次に送信する予定のフレーム番号を含ませて前記不送信情報を送信する、ことを特徴とする無線送信装置。 - 通信相手局からの送信要求信号を受信する受信手段と、前記要求に応じた送信データ又は前記通信相手局に一定期間以上前記送信データを送信しないことを示す不送信情報を前記通信相手局に送信する送信手段と、を具備し、
前記送信手段は、前記不送信情報として、送信スケジュール情報を送信する、ことを特徴とする無線送信装置。 - 通信相手局からの送信要求信号を受信する受信手段と、前記要求に応じた送信データ又は前記通信相手局に一定期間以上前記送信データを送信しないことを示す不送信情報を前記通信相手局に送信する送信手段と、を具備し、
前記送信手段は、前記送信データを送信するチャネルとは別のチャネルを用いて、前記不送信情報を通信相手局に送信する、ことを特徴とする無線送信装置。 - 通信相手局からの送信要求信号を受信する受信手段と、前記要求に応じた送信データ又は前記通信相手局に一定期間以上前記送信データを送信しないことを示す不送信情報を前記通信相手局に送信する送信手段と、を具備し、
前記送信手段は、通信相手局に対して前記送信データの存在を通知するために使用する共通チャネルを用いて、前記不送信情報を送信する、ことを特徴とする無線送信装置。 - 前記送信手段は、送信しないデータの種類に応じて、前記不送信情報を送信するか否かを選択する、ことを特徴とする請求項１から請求項５のいずれかに記載の無線送信装置。
- 前記送信手段は、前記送信データを送信するチャネルと同じチャネルを用いて、前記不送信情報を送信する、ことを特徴とする請求項１、請求項２、請求項３、請求項４又は請求項６に記載の無線送信装置。
- 前記無線送信装置は、通信相手局との間の回線状態に応じて適応的に前記送信データに対する変調方式及び符号化率を変えて送信するようになっており、前記送信手段は、前記不送信情報に対して、前記無線送信装置で決められた変調方式及び符号化率の中で最も誤り率訂正能力が高い変調方式及び符号化率を割り当てる、ことを特徴とする請求項１から請求項７のいずれかに記載の無線送信装置。
- 複数の通信相手局に対して送信データを送信するスケジュールを作成するスケジューリング手段をさらに具備し、当該スケジューリング手段は、前記不送信情報に対する送信優先度を高くする、ことを特徴とする請求項１から請求項８のいずれかに記載の無線送信装置。
- 前記送信手段は、前記送信データを送信しなくなってから決められた一定時間が経過したときに前記不送信情報を送信する、ことを特徴とする請求項１から請求項９のいずれかに記載の無線送信装置。
- 通信相手局から受信した送信データを復調する復調手段と、復調したデータを格納するデータ格納手段と、当該データ格納手段に所定量の復調データが格納されたとき、当該データ格納手段に格納された復調データを読み出して所定のデータ処理を施して上位レイヤに受け渡すデータ処理手段と、通信相手局から送信データを送信しないことを示す不送信情報を受信する不送信情報取得手段と、を具備し、前記データ処理手段は、前記不送信情報取得手段によって通信相手局から不送信情報が取得されたとき、前記データ格納手段に前記所定量の復調データが格納されていなくても、格納されている復調データを前記上位レイヤに受け渡す、ことを特徴とする無線受信装置。
- 前記格納されている復調データを前記上位レイヤに受け渡す際に、誤り検出符号において誤りが検出されないようなデータを埋め込んで上位レイヤに受け渡すことを特徴とする請求項１１に記載の無線受信装置。
- 請求項１から請求項１０のいずれかに記載の無線送信装置を具備することを特徴とする無線基地局装置。
- 請求項１から請求項１０のいずれかに記載の無線送信装置を具備することを特徴とする通信端末装置。
- 請求項１１又は請求項１２に記載の無線受信装置を具備することを特徴とする無線基地局装置。
- 請求項１１又は請求項１２に記載の無線受信装置を具備することを特徴とする通信端末装置。
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