JP3800291B2 - 塗布方法及び塗布装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布方法及び塗布装置の技術に関し、特に、例えばレジスト膜のような溶剤による液状塗布膜を半導体ウェハあるいはマスク基板等の被処理基板上やこの上に形成された層の上に均一に塗布するための塗布方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体製造装置用の半導体ウェハ、各種表示器やフォトマスク製造用のガラス基板等の精密パターン形成用の基板(以下、「基板」という。)に対して塗布液を滴下し、回転遠心力によって被処理基板全面に塗布液を拡げて塗布する、いわゆる回転塗布装置による塗布技術が知られている。
【0003】
周知のように、半導体技術の分野では、半導体ウェハの上に形成された半導体層、絶縁体層、電極層を選択的に所定のパターンにエッチングする場合に、パターン部のマスキングとして層の表面にレジスト膜を形成することが行なわれている。
【0004】
このレジスト膜の形成方法として、上記の回転塗布装置による塗布方法によりウェハ上面の中心部に溶剤と感光性樹脂とからなるレジスト液を滴下し、そのレジスト液をウェハの回転力と遠心力とによりウェハ中心部から周縁部に向けて拡散させて塗布を行う。
【0005】
この方法においては、レジスト液がウェハの中心位置から周縁部に向けて拡散していく過程において、レジスト液中の溶剤が蒸発する。このために拡散する方向でレジスト液の粘度が異なり、中心部と周辺部とでは形成されたレジスト膜の厚さが異なる。すなわち、均一な塗布に限界があった。
【0006】
このため、従来では、レジスト液塗布前にレジスト液の溶媒をウェハ表面に滴下する方法が提案されている。さらに、均一に溶媒の塗布が行われうようにウェハ上に溶媒を気体と混合して均一に噴霧して塗布を行う二流体ノズルを使用するスプレー式の塗布装置が用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、溶媒として使用する溶剤は揮発性を有するため、ノズルが長時間置かれると溶剤の揮発によりノズル配管内での溶剤の下流端液面が後退し、配管内での溶剤量が変動してしまう。よって、次回の溶剤の吐出量が変動してしまうという問題があった。この溶剤の吐出量がばらついてしまう結果、レジスト塗布のムラとなっていた。
【0008】
この状態は、溶剤の塗布停止時から塗布開始時までの塗布待機時間が比較的長時間になると顕著になる。このことは、変動量が小さくともレジスト液塗布前の溶媒塗布を少量の溶剤で実施する上で、溶剤全体量に占める割合が大きくなるため、ウェハ毎の処理のばらつきが大きくなる問題があった。
【0009】
この発明は揮発性の大きい液体において塗布待機時間の長短に関係なく最適量の塗布液を排出させることができ、塗布の均一化を図ることができる塗布方法及び塗布装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すわなち、請求項1に係る発明は、液体と気体とを同時に供給してスプレイノズルの先端部で混合して、被処理基板に噴霧塗布する塗布方法であって、噴霧塗布工程の直前に気体のみを所定時間供給する工程を経て、被処理基板への噴霧塗布工程を行い、かつ、前記気体のみの供給工程の前に液体のみを所定時間供給して前記スプレイノズルに溜まった液体を吐出廃棄する処理工程を行うことを特徴とする。
【0011】
(削除)
【0012】
請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の塗布方法であって、前記液体は揮発性を有することを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る発明は、液体と気体とを同時に供給してスプレイノズルの先端部で混合して、被処理基板に噴霧塗布する塗布装置であって、前記スプレイノズルに液体を供給する液体供給系と、前記液体供給系に合流する気体を供給する気体供給系と、前記液体供給系と気体供給系の作動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は噴霧塗布を行う直前にて前記スプレイノズルへ気体供給系より所定時間気体のみを供給するよう制御し、かつ、前記気体供給系より気体のみを供給する前に、前記液体供給系より液体のみを所定時間供給して前記スプレイノズルに溜まった液体を吐出廃棄するよう制御することを特徴とする。
【0015】
請求項4に係る発明は、前記請求項3に記載の塗布装置であって、前記制御手段は、前記液体供給系と気体供給系の作動のタイミングを指示するタイミング指示手段と、前記タイミング指示手段からの信号に応じて前記液体供給系と気体供給系からの液体または気体の吐出を制御する吐出制御手段と、を備え、前記タイミング指示手段からの気体供給系からの気体供給の完了の信号により、前記吐出制御手段により噴霧塗布を行うことを特徴とする。
【0016】
(削除)
【0017】
本発明の作用は次のとおりである。請求項1に係る発明の塗布方法においては、気体と液体とを同時に供給して噴霧塗布を行う工程の直前において、気体のみ所定時間供給する工程を行う。そして、その工程を経て噴霧工程が行われる。そのため、噴霧工程の直前においては、スプレイノズルの気体と液体の混合部位の下流側で気体により液体が吹き飛ばされる。よって、噴霧工程における液体の下流端液面は常に混合部位に位置することとなり、液体の吐出量が一定となる。
【0018】
また、請求項1に係る発明の塗布方法においては、前記気体のみの供給工程の前に液体のみを所定時間供給して前記スプレイノズルに溜まった液体が吐出廃棄される。そのためスプレイノズルに溜まった液体に特性変化が生じていた場合にも、そのような液体は廃棄されるので均一的な塗布が行える。また、この液体のみの吐出廃棄が行われてスプレイノズル内の先端部まで液体が残留しても、その後で気体のみが供給されスプレイノズルの気体と液体の混合部位の下流側で気体により液体が吹き飛ばされる。よって、噴霧工程における液体の下流端液面は常に混合部位に位置することとなり、液体の吐出量が一定となる。
【0019】
請求項2に係る発明の塗布方法においては、前記請求項1に記載の塗布方法で使用される液体は揮発性を有する。揮発性を有する液体の場合、スプレイノズル内で液体量の変動が揮発により著しい。しかしながら気体のみの供給工程で液体の下流端液面が常に混合部位に規定され、液体の吐出量が一定となる。
【0021】
請求項3に係る発明の塗布装置においては、液体供給系と気体供給系とを制御手段により制御して、気体と液体とを同時に供給して噴霧塗布を行う直前において、気体のみ所定時間供給を行う。そのため、噴霧塗布を行う直前においては、スプレイノズルの気体と液体の混合部位の下流側で気体により残留する液体が吹き飛ばされる。よって、噴霧塗布における液体の下流端液面は常に混合部位に位置することとなり、液体の吐出量が一定となる。さらに、請求項3に係る発明においては、気体供給系より気体のみを供給する前に、液体供給系より液体のみを所定時間供給してスプレイノズルに溜まった液体が吐出廃棄される。そのためスプレイノズルに溜まった液体に特性変化が生じていた場合にも、そのような液体は廃棄されるので均一的な塗布が行える。また、この液体のみの吐出廃棄が行われてスプレイノズル内の先端部まで液体が残留しても、その後で気体のみが供給されスプレイノズルの気体と液体の混合部位の下流側で気体により残留する液体が吹き飛ばされる。
【0022】
請求項4に係る発明の塗布装置においては、タイミング指示手段からの気体供給系からの気体供給の完了の信号により、吐出制御手段が気体と液体とを同時に供給して噴霧塗布を行う。即ち、気体のみの供給により液体の下流端液面が液体と気体の混合部位に設定された後に噴霧工程が実施されるので、液体がさらに揮発して液面位置が変動することが防止できる。
【0023】
(削除)
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は、本発明方法を適用した本発明装置による回転式基板塗布装置の概略構成を示す図である。
【0025】
図中、符号1は、吸引式スピンチャックであって基板Wをほぼ水平姿勢で吸着支持する。この吸引式スピンチャック1は、中空の回転軸2を介して回転モータ3によって駆動されるようになっており、回転モータ3の駆動により基板Wとともに鉛直軸回りで回転される。吸引式スピンチャック1の周囲には、塗布液であるフォトレジスト液などの飛散を防止するための飛散防止カップ5が配設されている。図示省略されているが、飛散防止カップ5と回転軸2とは相対昇降するように構成されており、これらを相対昇降させた状態で未処理基板Wを飛散防止カップ5内に搬入したり、処理済の基板Wを飛散防止カップ5外へ搬出するようになっている。
【0026】
飛散防止カップ5の上方であって、基板Wのほぼ回転中心の上方には、フォトレジスト液を基板Wに対して吐出する塗布液吐出ノズル11が配設されている。この塗布液吐出ノズル11は、塗布液供給部13から塗布液であるフォトレジスト液を供給されるようになっており、駆動部15によってその先端部を図1に示す供給位置と、飛散防止カップ5の側方に離れた図示しない待機位置とにわたって揺動移動されるようになっている。
【0027】
また、溶媒(液体)を霧状にして基板Wに噴射するための溶媒噴霧ノズル(以下、スプレイノズルと称す)17が塗布液吐出ノズル11に並設され溶媒供給機構6が構成されている。溶媒供給機構6は、このスプレイノズル17に配管接続される溶媒を供給する溶媒(液体)供給系8及び溶媒を霧状にするために混合されるN2等の気体を供給する気体供給系7とを備えている。
【0028】
スプレイノズル17は、溶媒供給源19からの溶媒を噴霧するため後述する二流体ノズルで構成されており、処理室のスピンチャック1に保持された基板Wの上面へ溶媒を吐出して、塗布する。また、スプレイノズル17には、電磁開閉弁21を通して加圧されたN2ガスが供給されるようになっている。したがって、図1中に点線で示すように、電磁開閉弁21を開放すると溶媒がスプレイノズル17の先端部に取り付けられたスプレイガン17aから噴霧され、ほぼ基板Wの半径を覆う範囲に溶媒が噴霧されるようになっている。なお、スプレイガン17aは、噴霧範囲が基板Wの全面を覆うものであってもよい。
【0029】
また、スプレイノズル17は、駆動部23により図1に示す供給位置と飛散防止カップ5の側方に位置する待機位置とにわたって揺動移動されるように構成されている。それとともに、基板Wを回転させない状態で溶媒を噴霧する場合には、基板Wの全面にわたって溶媒を噴霧できるように上記の供給位置から一定範囲をスキャンするように移動可能に構成されている。尚、待機位置では吐出廃棄される溶媒を受ける容器が配置されてあってもよい。
【0030】
次に図2を参照してスプレイガン17aと溶媒供給系8及び気体供給系7に関して説明する。溶媒供給系8は、溶媒を貯留する容器81や図示しない貯留された溶媒を加圧圧送する加圧器等からなる溶媒供給源19、流量計82、濾過機(フィルタ)83、電磁開閉弁19aを介して、配管19bによりスプレイガン17aへ配管接続される。
【0031】
気体供給系は配管7aに順次、溶媒液を霧状にするためのN2等の気体の気体供給体71、流量系72、フィルタ73を備え、電磁開閉弁21を介してスプレイガン17aに連結される。
【0032】
スプレイガン17aは図2に示すように、溶媒供給系8に接続される液体供給ノズル17bと液体供給ノズル17bの先端部近傍で気体供給系7に接続される気体供給ノズル17cとで構成され、この合流点が溶媒と気体の混合される混合部位に規定される。スプレイガン17aの先端孔内壁に設けられる拡散孔17dの空洞と上記の混合部位との間で溶媒とN2が混合されて溶媒が霧状に噴出されるようになっている。この拡散孔17dの開き角度は小さ過ぎると霧状にならず、大き過ぎると横方向に無駄な噴出があるため、スプレー形状例えば45〜90度程度が望ましい。
【0033】
上述した回転モータ3と、塗布液供給部13と、駆動部15と、溶媒供給機構6と、電磁開閉弁19a,21と、駆動部23とは制御部31によって制御されるようになっている。なお、制御部31は、メモリ33に予め格納されている、後述するタイムチャートに応じた処理プログラムによって上記各部の制御を行うようになっている。すなわち、制御部31やメモリ33が本発明の制御手段を構成し、タイムチャートによりタイミング指示を行う制御部31の機能がタイミング指示手段に、スプレイノズル17からの吐出の動作を司る機能が吐出制御手段に相当する。
【0034】
以上の構成の塗布装置において、塗布液供給部13から供給されるフォトレジスト液は、例えばキノンジアジド系の感光材とアルカリ可溶のフェノール系樹脂と有機溶剤とからなるポジ型のものがあり、含有する有機溶剤の例としては、ECA(エチルセロソルブアセテート)、EL(乳酸エチル)、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)等を主成分とするものがあげられる。
【0035】
なお、上記の溶媒供給源19が貯留する溶媒としては、フォトレジスト液に含まれている溶媒と同種の有機溶剤を使用すればよい。例えば、フォトレジスト液の主溶媒として利用されているPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)やEL(乳酸エチル)などが利用できる。
【0036】
次に、図3のタイムチャートを参照して、フォトレジスト液塗布処理について説明する。なお、このタイムチャートに相当する処理プログラムは、図1に示したメモリ33に予め格納されており、制御部31によって実行される。また、処理対象の基板Wは、既に吸引式スピンチャック1に載置されて吸着保持されており、スプレイノズル17が待機位置に待機されているものとする。
【0037】
まず、回転モータ3の回転駆動を開始する。具体的には、スピンチャック1がt1時点で回転数R1(例えば、100rpm)に達するように制御部31が回転モータ3を正転駆動する。一方、スプレイノズル17はt11時点で電磁開閉弁19aを開き溶媒のみを少量だけ吐出廃棄する処理(以下、プリディスペンス)をt12時点まで行う。これは、スプレイガン17a先端部にて一定時間以上待機置いた溶媒で特性変化した部分を吐出廃棄することで塗布液の均一性を保つ目的で行われる。
【0038】
次に、t12時点で電磁開閉弁19aと閉じて電磁開閉弁21を開きN2を供給する。このN2の供給はt13まで継続する。これにより、前述のプリディスペンスによりスプレイガン17aの混合部位より下流側にて残留する溶媒は吹き飛ばされる。溶媒の下流端液面は、この気体による吹き飛ばしにより混合部位に規定されることとなる。なお、プリディスペンスから気体のみの供給工程への移行はタイミング的に同時でなくとも、タイムラグを設けて処理を続けるようにしてもよい。
【0039】
そして、t13時点で電磁開閉弁21を閉じると、スプレイノズル17が駆動部23により待機位置から供給位置へ移動される。t14時点でスプレイノズル17が供給位置に位置すると溶媒噴霧塗布の工程が実施される。
【0040】
基板Wの回転数が回転数R1で安定した時点でt14時点において、電磁開閉弁19aと21を開放してスプレイノズル17から溶媒を霧状にして供給開始し、t15時点においてまず電磁開閉弁19aを閉じやや遅れて電磁開閉弁21を閉止してその供給を停止する。すなわち、上記のt14時点からt15時点までが溶媒噴霧時間であり、この間に供給される溶媒の量は、例えば、0.3ミリリットルである。ここで電磁開閉弁21を遅れて閉じるのは、スプレイガン17a先端からの液ダレ防止のためである。
【0041】
ここで、電磁開閉弁21を遅れて閉じるため溶媒の下流端液面は工程(t12〜t13)と同様に混合部位に規定される。そして、次回の溶媒塗布までの待機期間置かれることとなり、その期間に溶媒が揮発し混合部位より液面が後退する場合がある。下流端液面が混合部位より後退してしまうと、気体のみを供給しても液面を規定する作用をはたさないが、第一の実施例ではプリディスペンス工程(t11〜t12)が実施されるため、液面規定の作用を損ねる事はない。
【0042】
なお、溶媒の供給を停止したt15時点以降において、駆動部23がスプレイノズル17を待機位置に移動するとともに、それに代えて駆動部15が塗布液吐出ノズル11を供給位置にまで移動する。
【0043】
次いで、t3時点において基板Wの回転数が回転数R2(例えば、1000rpm)に達するように、t2時点で回転数を上げてゆく。そして、この回転数R2が安定した時点tsにおいて、塗布液吐出ノズル11から一定流量でフォトレジスト液を供給開始し、その時点から供給時間Tseになるte時点においてフォトレジスト液の供給を停止する。
【0044】
そこで、基板Wの表面に供給されたフォトレジスト液Rによって基板Wの表面全体が覆われる前に、回転数を回転数R2(1000rpm)よりも高い回転数R3(例えば、2500rpm)に上げ始める(t4時点)。このとき回転数をt4時点から上げ始めてt5時点で回転数R3に到達するように制御するが、この間は例えば、約0.1secである。
【0045】
なお、基板Wの表面全体には上述したように予め溶媒が塗布されているので、フォトレジスト液と基板W表面との接触角が非常に小さくなっている。したがって、フォトレジスト液の径の拡大が速くなり、フォトレジスト液により基板Wの表面全体が覆われるまでの時間が従来に比較して大幅に短縮される。
【0046】
このようにして基板Wの表面全体がフォトレジスト液によって覆われ、t7時点で基板Wの回転数を回転数R4(例えば、1500rpm)に下げ、この回転数R4をt7時点からt8時点まで保持することにより、基板Wの表面全体を覆っているフォトレジスト液のうち僅かな余剰分を振り切る。これにより基板Wの表面に所望膜厚のフォトレジスト被膜が形成される。
【0047】
上述したように基板Wのフォトレジスト液を供給する前に溶媒を塗布しておき、フォトレジスト液と基板W表面との接触角を小さくしているので、その後に供給されたフォトレジスト液の径を容易に拡げることができる。また、フォトレジスト液に先立って供給する溶媒を噴霧するようにしたため短時間で広範囲にわたり供給することができ、基板Wの表面に回路パターン等の凹凸が形成されていたとしてもその部分に溶媒を滞留しにくくすることができるので、溶媒に起因するムラがフォトレジスト被膜に生じることを防止できる。
【0048】
さらに溶媒の吐出量は、溶媒塗布の直前に行われる気体のみの供給工程(t12〜t13)にて常にスプレイノズル17内における溶媒下流端液面が一定位置に規定されるため、吐出量も一定となる。すなわち、溶媒がその揮発性によりスプレイノズル17内をその下流端液面を後退させて行くことによりスプレイノズル17内の溶媒量は変動するが、吐出量は一定とすることができる。
【0049】
また、気体のみの供給工程は、スプレイノズル17の移動期間(t13〜t14)を間にして溶媒噴霧塗布工程(t14〜t15)の直前に行われるので、液面が規定されてからの溶媒の揮発量の変動が最小限に抑えられる。
【0050】
次に、図4のタイムチャートを参照して参考例によるフォトレジスト液塗布処理について説明する。なお、この塗布処理を実施する装置は、上記の図1に示した構成と同一であり、そのメモリ33に格納されている処理プログラムが以下のように異なるだけである。
【0051】
まず、第一の実施例と異なって参考例では溶媒のプリディスペンスを行わない。そこでスプレイノズル17が待機位置で気体のみの供給工程(t22〜t23)を行い、スプレイノズル17を移動後(t24)で基板Wを吸引式スピンチャック1に吸着保持させた状態で、回転モータ3を駆動することなく、つまり、基板Wを静止させた状態で溶媒を噴霧する(t24〜t25)。具体的には、t24時点でスプレイノズル17から基板Wの表面に溶媒を噴霧して供給開始しつつ、t25時点までの溶媒噴霧時間内に溶媒が基板Wの表面全体にゆきわたるように駆動部23でスプレイガン17aを移動する。
【0052】
このt25時点で溶媒の噴霧を停止する時、気体供給系7よるN2の供給を停止した後に溶媒供給系8による溶媒の供給を停止するように制御する。この停止手順のタイミングは僅かに溶媒供給系8の停止をずらせばよく、こうすることでN2の供給停止後に溶媒のみ僅かに供給されることとなり、常に溶媒の下流端液面はスプレイガン17aにおける混合部位より下流に規定されることとなる。
【0053】
次に、ts時点において塗布液吐出ノズル11からフォトレジスト液を供給開始し、供給時間Tseが経過するとte時点でその供給を停止する。つまり、基板Wを静止させた状態でフォトレジスト液の供給を完了する。
【0054】
te時点においてフォトレジスト液の供給を停止するとともに、基板Wの回転数を回転数R2に向けて上昇させ、これをt1時点からt2時点まで維持した後、t3時点で基板Wの回転数が回転数R3に到達するようにt2時点から加速を開始する。この時点t2は、基板Wの表面全体を覆う前に設定されている。
【0055】
以上、上記参考例では、プリディスペンスを行わないが溶媒の噴霧塗布の停止時に積極的に溶媒の下流端液面が混合部位より下流側に位置するようにしている。そうすることにより次回に気体のみの供給工程を実施する際に常に混合部位から下流側に存在する溶媒を吹き出すことで液面を規定するものである。
【0056】
また、噴霧塗布の停止時の制御としては、溶媒とN2との供給を同時に停止するようにしてもよい。こうすることでスプレイガン17aの混合部位の下流側には吹き飛ばされた溶媒が少なからず残留することとなり、次回の気体のみの供給工程(t11〜t12)で吹き飛ばされることとなる。
【0057】
なお、第一実施例および参考例では、塗布液としてフォトレジスト液を例に採って説明したが、本発明方法はSOG液(Spin On Glass、シリカ系被膜形成材とも呼ばれる)やポリイミド樹脂などの塗布液であっても適用可能である。
【0058】
また、上記の説明では、溶媒の噴霧を塗布装置内で実施するようにしているが、別体の装置で溶媒噴霧だけを実施した後、塗布装置で塗布液の塗布を行うようにしてもよい。
【0059】
【発明の効果】
請求項1の発明では、液体と気体とを同時に供給してスプレイノズルの先端部で混合して被処理基板に噴霧塗布する塗布方法であって、噴霧塗布工程の直前に気体のみを所定時間供給する工程を経て、被処理基板への噴霧塗布工程を行う、ことを特徴し、気体と液体とを同時に供給して噴霧塗布を行う工程の直前において、気体のみ所定時間供給する工程を行う。そして、その工程を経て噴霧工程が行われる。そのため、噴霧工程の直前においては、スプレイノズルの気体と液体の混合部位の下流側で気体により残留液体が吹き飛ばされる。よって、噴霧工程における液体の下流端液面は常に混合部位に位置することとなり、液体の吐出量が一定となる。しかも、気体のみの供給工程の前に液体のみを所定時間供給してスプレイノズルに溜まった液体を吐出廃棄するので、スプレイノズルに溜まった液体に特性変化が生じていた場合にも、そのような液体は廃棄されて均一的な塗布を行うことができる。
【0060】
請求項3に係る発明は、液体と気体とを同時に供給してスプレイノズルの先端部で混合して、被処理基板に噴霧塗布する塗布装置であって、前記スプレイノズルに液体を供給する液体供給系と、前記液体供給系に合流する気体を供給する気体供給系と、前記液体供給系と気体供給系の作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は噴霧塗布を行う直前にて前記スプレイノズルへ気体供給系より所定時間気体を供給するよう制御することで、気体と液体とを同時に供給して噴霧塗布を行う直前において気体のみ所定時間供給を行う。そのため、噴霧塗布を行う直前においては、スプレイノズルの気体と液体の混合部位の下流側で気体により液体が吹き飛ばされる。よって、噴霧塗布における液体の下流端液面は常に混合部位に位置することとなり、液体の吐出量が一定となる塗布装置が提供される。しかも、気体供給系より気体のみを供給する前に、液体供給系より液体のみを所定時間供給してスプレイノズルに溜まった液体を吐出廃棄するので、スプレイノズルに溜まった液体に特性変化が生じていた場合にも、そのような液体は廃棄されて均一的な塗布を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法を適用した回転式基板塗布装置の概略構成を示す図である。
【図2】 スプレイノズルの構成を示す概略構成図である。
【図3】 第一実施例に係るフォトレジスト液塗布方法を示すタイムチャート図である。
【図4】 参考例に係るフォトレジスト液塗布方法を示すタイムチャート図である。
【符号の説明】
1 吸引式スピンチャック
5 飛散防止カップ
6 溶媒供給機構
7 気体供給系
8 溶媒(気体)供給系
11 塗布液吐出ノズル
13 塗布液供給部
15、23 駆動部
17 スプレイノズル
17a スプレイガン
19 溶媒供給源
19a、21 電磁開閉弁
31 制御部
33 メモリ
W 基板
Claims (4)
- 液体と気体とを同時に供給してスプレイノズルの先端部で混合して、被処理基板に噴霧塗布する塗布方法であって、
噴霧塗布工程の直前に気体のみを所定時間供給する工程を経て、被処理基板への噴霧塗布工程を行い、
かつ、前記気体のみの供給工程の前に液体のみを所定時間供給して前記スプレイノズルに溜まった液体を吐出廃棄する処理工程を行う、
ことを特徴とする塗布方法。 - 前記請求項1に記載の塗布方法であって、
前記液体は揮発性を有する、ことを特徴とする塗布方法。 - 液体と気体とを同時に供給してスプレイノズルの先端部で混合して、被処理基板に噴霧塗布する塗布装置であって、
前記スプレイノズルに液体を供給する液体供給系と、
前記液体供給系に合流する気体を供給する気体供給系と、
前記液体供給系と気体供給系の作動を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は噴霧塗布を行う直前にて前記スプレイノズルへ気体供給系より所定時間気体のみを供給するよう制御し、かつ、前記気体供給系より気体のみを供給する前に、前記液体供給系より液体のみを所定時間供給して前記スプレイノズルに溜まった液体を吐出廃棄するよう制御することを特徴とする塗布装置。 - 前記請求項3に記載の塗布装置であって、
前記制御手段は、前記液体供給系と気体供給系の作動のタイミングを指示するタイミング指示手段と、
前記タイミング指示手段からの信号に応じて前記液体供給系と気体供給系からの液体または気体の吐出を制御する吐出制御手段と、
を備え、
前記タイミング指示手段からの気体供給系からの気体供給の完了の信号により、前記吐出制御手段により噴霧塗布を行うことを特徴とする塗布装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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