JP7136543B2 - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板を処理する技術に関する。
従来、半導体基板(以下、単に「基板」という。)の製造工程では、基板に対して様々な処理が施される。例えば、表面上にレジストのパターン(すなわち、多数の微細な構造体要素の集合である構造体)が形成された基板上に、ノズルから薬液を吐出することにより、基板の表面に対してエッチング等の薬液処理が行われる。
また、基板に対する薬液処理後には、基板に純水を供給して薬液を除去するリンス処理、および、基板を高速に回転して基板上の液体を除去する乾燥処理がさらに行われる。基板上に多数の微細なパターン要素が形成されている場合、リンス処理および乾燥処理を順に行うと、乾燥途上において、隣接する2つのパターン要素の間に純水の液面が形成される。この場合に、パターン要素に作用する純水の表面張力に起因して、パターン要素が倒壊するおそれがある。
そこで、特許文献1では、パターン要素の間に充填材溶液を充填し、ポリマー等の充填材を固化させた後に乾燥処理を行うことにより、乾燥処理におけるパターン要素の倒壊を防止する手法が提案されている。基板上にて固化した充填材は、例えば、乾燥処理後に他の装置においてドライエッチング等が行われることにより、ガス化されて除去される。
また、特許文献2では、エッチング処理後の基板を貯留槽に貯溜された純水に浸漬してリンス処理を行い、貯溜槽中の純水をIPA(イソプロピルアルコール)に置換した後、当該IPAにナフタレン等の充填材を溶解させている。そして、IPAを蒸発させることにより基板表面に充填材の膜を形成し、乾燥処理を行った後、大気中でナフタレン膜を昇華させる。
特開2016-219471号公報 特開2008-10638号公報
ところで、特許文献2のように、基板が浸漬されたIPAに充填材を溶解させて充填材の膜を形成しようとすると、多量の充填材が必要となる。一方、特許文献1のような枚葉式の基板処理装置では、薬液処理等により基板表面が疎水面となっている場合、純水によるリンス処理の際に基板表面が部分的に露出し、パターン要素が倒壊する可能性がある。そこで、基板処理装置で一般的に利用されるIPAにて基板表面を被覆することも考えられるが、この場合、水溶性ポリマー等の充填材をIPAの液膜に滴下すると、充填材が凝集して基板上に充填材の塗布膜を好適に形成することが難しい。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、塗布膜の形成前に基板の上面が露出することを防止するとともに、基板上に塗布膜を好適に形成することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、基板を処理する基板処理方法であって、a)基板を水平状態で保持する工程と、b)前記基板の上面にリンス液を供給する工程と、c)水溶性有機溶剤と水性溶媒とを混合し、前記リンス液よりも表面張力が小さい置換液を生成する工程と、d)前記b)工程および前記c)工程よりも後に、前記基板の前記上面に前記置換液を供給し、上下方向を向く中心軸を中心として前記基板を回転させることにより、前記基板の前記上面上の前記リンス液を前記置換液に置換して前記置換液の液膜である置換液膜を前記上面上に形成する工程と、e)前記d)工程よりも後に、前記置換液よりも比重が大きい水溶性高分子溶液である塗布液を前記置換液膜上に供給し、前記基板の前記上面上に前記塗布液の膜である塗布膜を形成する工程とを備え、前記置換液における前記水溶性有機溶剤の体積濃度は、15%以上かつ30%以下であり、前記基板の前記上面に構造体が予め形成されており、前記e)工程では、前記基板の前記上面全体を覆う前記置換液膜上に前記塗布液の液膜を形成し、前記基板の回転速度を前記d)工程における前記置換液膜の保持時の回転速度よりも減少させることにより、前記置換液と前記塗布液との比重差によって前記置換液膜と前記塗布液の液膜との上下が入れ替わって前記塗布液の液膜上に前記置換液膜が位置し、前記構造体における隙間が前記塗布液で満たされる
請求項に記載の発明は、請求項に記載の基板処理方法であって、前記c)工程において、前記水性溶媒に混合される前記水溶性有機溶剤の割合が調節可能である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の基板処理方法であって、前記c)工程において、前記塗布膜の形成処理に関する入力情報に基づいて、前記水性溶媒に混合される前記水溶性有機溶剤の割合が調節される。
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれか1つに記載の基板処理方法であって、前記水溶性有機溶剤がイソプロピルアルコールである。
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれか1つに記載の基板処理方法であって、前記リンス液が、前記置換液の前記水性溶媒と同じ種類の液体である。
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれか1つに記載の基板処理方法であって、前記d)工程において前記置換液の供給が開始される直前の前記基板の前記上面が疎水面である。
請求項に記載の発明は、基板を処理する基板処理装置であって、基板を水平状態で保持する基板保持部と、前記基板の上面にリンス液を供給するリンス液供給部と、前記基板の前記上面に置換液を供給することにより、前記基板の前記上面上の前記リンス液を前記置換液に置換して前記置換液の液膜である置換液膜を前記上面上に形成する置換液供給部と、前記置換液よりも比重が大きい水溶性高分子溶液である塗布液を前記置換液膜上に供給し、前記基板の前記上面上に前記塗布液の膜である塗布膜を形成する塗布液供給部と、上下方向を向く中心軸を中心として前記基板を前記基板保持部と共に回転する基板回転機構とを備え、前記置換液供給部が、水溶性有機溶剤と水性溶媒とを混合し、前記リンス液よりも表面張力が小さい前記置換液を生成する混合部と、前記混合部から送出された前記置換液を前記基板に向けて吐出する置換液吐出部とを備え、前記置換液膜が形成される際に、前記基板回転機構により前記基板が回転され、前記置換液における前記水溶性有機溶剤の体積濃度は、15%以上かつ30%以下であり、前記基板の前記上面に構造体が予め形成されており、前記塗布液供給部が、前記基板の前記上面全体を覆う前記置換液膜上に前記塗布液の液膜を形成し、前記基板回転機構が、前記基板の回転速度を前記置換液膜の保持時の回転速度よりも減少させることにより、前記置換液と前記塗布液との比重差によって前記置換液膜と前記塗布液の液膜との上下を入れ替えて前記塗布液の液膜上に前記置換液膜を位置させ、前記構造体における隙間を前記塗布液で満たす
請求項に記載の発明は、請求項に記載の基板処理装置であって、前記置換液供給部が、前記混合部において前記水性溶媒に混合される前記水溶性有機溶剤の割合を調節する混合割合調節部をさらに備える。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の基板処理装置であって、前記置換液供給部が、前記塗布膜の形成処理に関する入力情報に基づいて前記混合割合調節部を制御する濃度制御部をさらに備える。
請求項10に記載の発明は、請求項ないしのいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記水溶性有機溶剤がイソプロピルアルコールである。
請求項11に記載の発明は、請求項ないし10のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記リンス液が、前記置換液の前記水性溶媒と同じ種類の液体である。
請求項12に記載の発明は、請求項ないし11のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記置換液の供給が開始される直前の前記基板の前記上面が疎水面である。
本発明では、塗布膜の形成前に基板の上面が露出することを防止するとともに、基板上に塗布膜を好適に形成することができる。
一の実施の形態に係る基板処理装置の側面図である。 基板処理装置の側面図である。 処理液供給部を示すブロック図である。 基板の平面図である。 基板の処理の流れを示す図である。 基板の処理中の回転速度を示す図である。 実験結果を示す図である。 実験結果を示す図である。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る基板処理装置1の構成を示す側面図である。基板処理装置1は、半導体基板9(以下、単に「基板9」という。)を1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、基板9に処理液を供給して処理を行う。図1では、基板処理装置1の構成の一部を断面にて示す。
基板処理装置1は、基板保持部31と、基板回転機構33と、カバープレート35と、カップ部4と、処理液供給部5とを備える。基板保持部31は、基板9の下側の主面(以下、「下面92」と呼ぶ。)の中央部を真空吸着により保持するいわゆるバキュームチャックである。基板保持部31は、上下方向を向く中心軸J1を中心として回転可能に設けられる。基板9は、基板保持部31の上方に配置される。基板9は、水平状態にて基板保持部31により吸着保持される。基板回転機構33は、基板保持部31の下方に配置される。基板回転機構33は、中心軸J1を中心として基板9を基板保持部31と共に回転する。
カバープレート35は、中心軸J1を中心とする略円環板状の部材である。カバープレート35は、基板保持部31に保持された基板9の下方に位置し、基板9の下面92と上下方向に対向する。図1に示す例では、カバープレート35の外径は、基板9の直径と略同じである。カバープレート35は、図示省略の昇降機構により、図1に示す第1位置と、図2に示す第2位置との間にて上下方向に移動する。第2位置は、第1位置よりも下側に位置する。図2に示すように、カバープレート35が第2位置に位置する状態では、カバープレート35は基板回転機構33と係合しており、基板9および基板保持部31と共に回転する。一方、図1に示すように、カバープレート35が第1位置に位置する状態では、カバープレート35は基板回転機構33から離間しているため回転しない。
処理液供給部5は、基板9に複数種類の処理液を個別に供給する。当該複数種類の処理液には、例えば、後述する薬液、リンス液、置換液、充填材溶液および剥離液が含まれる。処理液供給部5は、第1ノズル51と、第2ノズル52と、第3ノズル53と、第4ノズル64とを備える。また、処理液供給部5は、後述する図3に示すように、混合部71と、混合割合調節部72と、濃度制御部73とをさらに備える。
第1ノズル51、第2ノズル52および第3ノズル53はそれぞれ、基板9の上方から基板9の上側の主面(以下、「上面91」という。)に向けて処理液を供給する。図1に示す状態では、第1ノズル51が基板の上方に位置し、第1ノズル51から基板9に処理液の供給が行われる。このとき、第2ノズル52および第3ノズル53は、基板9の外縁よりも径方向外側へと退避している。第2ノズル52から基板9に処理液の供給が行われる際には、第1ノズル51および第3ノズル53が基板9の外縁よりも径方向外側へと退避し、第2ノズル52が基板9の上方に位置する。第3ノズル53から基板9に処理液の供給が行われる際には、第1ノズル51および第2ノズル52が基板9の外縁よりも径方向外側へと退避し、第3ノズル53が基板9の上方に位置する。
第4ノズル64は、基板9よりも下側に配置される。第4ノズル64は、基板9の下方から、基板9の下面92の外縁部に向けて処理液を供給する。第4ノズル64は、図1に示すように、カバープレート35が第1位置に位置する状態で、カバープレート35の外周部に設けられた開口351に挿入され、処理液を吐出する。一方、図2に示すように、カバープレート35が第2位置に位置する状態では、第4ノズル64は、ノズル移動機構641により下方へと移動されてカバープレート35よりも下側に退避している。第4ノズル64がカバープレート35よりも下側に退避している状態では、第4ノズル64から基板9への処理液の供給は行われない。
図1および図2に示すカップ部4は、中心軸J1を中心とする環状の部材である。カップ部4は、基板9、基板保持部31およびカバープレート35の周囲に配置され、基板9、基板保持部31およびカバープレート35の側方および下方を覆う。カップ部4は、回転中の基板9から周囲に向かって飛散する処理液等を受ける受液部である。カップ部4の内側面は、例えば撥水性材料により形成される。カップ部4は、基板9の回転および静止に関わらず、周方向において静止している。カップ部4の底部には、カップ部4にて受けられた処理液等を基板処理装置1の外部へと排出する排液ポート(図示省略)が設けられる。カップ部4は、図1に示す基板9の周囲の位置である処理位置と、当該処理位置よりも下側の退避位置との間を、図示省略の昇降機構により上下方向に移動する。
図3は、基板処理装置1の処理液供給部5を示すブロック図である。図3では、処理液供給部5以外の構成も併せて示す。第1ノズル51は、薬液供給源54およびリンス液供給源55に接続される。第2ノズル52は、混合部71を介してリンス液供給源55および溶剤供給源56に接続される。第3ノズル53は、充填材溶液供給源57に接続される。第4ノズル64は、溶剤供給源56に接続される。
第1ノズル51は、薬液供給源54から送出された薬液を、基板9の上面91の中央部に供給する。薬液としては、例えば、希フッ酸(DHF)を含む洗浄液が利用される。本実施の形態では、DHFが薬液として利用される。なお、薬液供給源54からは、他の種類の洗浄液、または、洗浄液以外の薬液が第1ノズル51へと送出されてもよい。また、第1ノズル51は、薬液供給源54からの薬液の送出が停止された状態で、リンス液供給源55から送出されたリンス液を、基板9の上面91の中央部に供給する。リンス液としては、例えば、DIW(De-ionized Water)、炭酸水、オゾン水または水素水等の水性処理液が利用される。本実施の形態では、DIWがリンス液として利用される。
第1ノズル51は、基板9の上面91に薬液を供給する薬液供給部に含まれる。当該薬液供給部には、上述の薬液供給源54も含まれてよい。また、第1ノズル51は、基板9の上面91にリンス液を供給するリンス液供給部にも含まれる。当該リンス液供給部には、上述のリンス液供給源55も含まれてよい。第1ノズル51の下端には、例えば、薬液用の吐出口、および、リンス液用の吐出口が個別に設けられており、種類の異なる処理液は、異なる配管および吐出口を介して基板9の上面91に供給される。また、第1ノズル51は、薬液用の処理液ノズルと、リンス液用の処理液ノズルとを備えていてもよい。
混合部71は、リンス液供給源55から送出されたリンス液(すなわち、水性溶媒)と、溶剤供給源56から送出された溶剤とを混合することにより、後述する置換処理にて利用される処理液である置換液を生成する。置換液は、溶剤をリンス液によって希釈した希釈溶剤である。当該溶剤としては、例えば、IPA(イソプロピルアルコール)、メタノール、エタノール、アセトン、PGEE(プロピレングリコールエチルエーテル)、PGME(プロピレングリコールメチルエーテル)またはEL(乳酸エチル)等の水溶性有機溶剤が利用される。当該溶剤は、上述のリンス液よりも表面張力が小さい。本実施の形態では、溶剤としてIPAが利用される。すなわち、混合部71にて生成される置換液は、IPAをDIWにて希釈した希釈IPAである。置換液の表面張力も、リンス液の表面張力よりも小さい。
混合部71は、例えば、駆動部を有しないスタティックミキサ(すなわち、静止型混合器)であってもよく、攪拌羽根等を回転させることによりリンス液および溶剤を攪拌して混合するダイナミックミキサーであってもよい。また、混合部71は、リンス液および溶剤のうち一方の処理液を貯溜槽に一時的に貯溜し、当該貯溜槽内の上記一方の処理液に他方の処理液を供給することにより、リンス液と溶剤とを混合してもよい。
第2ノズル52は、混合部71から送出された上記置換液を、基板9の上面91の中央部に向けて吐出する置換液吐出部である。第2ノズル52および混合部71は、基板9の上面91に置換液を供給する置換液供給部7に含まれる。置換液供給部7には、リンス液供給源55および溶剤供給源56も含まれてよい。
混合割合調節部72は、混合部71においてリンス液に混合される溶剤の割合を調節する。図3に示す例では、混合割合調節部72は、バルブ721,722を備える。バルブ721は、リンス液供給源55と混合部71との間に配置され、リンス液供給源55から混合部71に供給されるリンス液の流量を変更する。バルブ722は、溶剤供給源56と混合部71との間に配置され、溶剤供給源56から混合部71に供給される溶剤の流量を変更する。
濃度制御部73は、混合割合調節部72を制御することにより、混合部71においてリンス液に混合される溶剤の割合を所望の割合とする。換言すれば、濃度制御部73は、混合部71において生成される置換液の成分を所望のものに調整する。基板処理装置1では、混合割合調節部72によってリンス液および溶剤の流量が調節されることにより、リンス液に混合される溶剤の割合を維持した状態で、混合部71から送出される置換液の流量を変更することもできる。濃度制御部73および混合割合調節部72は、上述の置換液供給部7に含まれる。
第3ノズル53は、充填材溶液供給源57から送出された充填材溶液を、基板9の上面91の中央部に供給する。充填材溶液は、固体の溶質を溶媒に溶かした溶液である。当該溶質としては、水溶性高分子(以下、単に「ポリマー」と呼ぶ。)が利用される。すなわち、充填材溶液は、水溶性高分子溶液である。当該ポリマーは、例えば、アクリル樹脂等の水溶性高分子樹脂である。充填材溶液の溶媒は水性であり、例えば、DIW、PGEE、PGMEまたはELが利用される。充填材溶液は、上述の置換液よりも比重が大きい。
充填材溶液は、基板9の上面91に塗布される塗布液である。基板9の上面91に塗布された充填材溶液の膜(すなわち、塗布膜)中の上記ポリマーは、溶媒が気化することにより固化する。また、基板9が加熱されてポリマー中の残留溶媒成分が除去されてもよい。第3ノズル53は、基板9の上面91に当該塗布液を供給して当該塗布液の膜である塗布膜を上面91上に形成する塗布液供給部に含まれる。当該塗布液供給部には、上述の充填材溶液供給源57も含まれてよい。
第4ノズル64は、溶剤供給源56から送出された溶剤(すなわち、剥離液)を、基板9の下面92の外縁部に向けて吐出する。第4ノズル64から基板9の下面92に供給された剥離液は、基板9の側面(すなわち、外縁)を経由して上面91に回り込み、上面91の周縁領域93(すなわち、エッジ部)に供給される。第4ノズル64は、基板9の上面91の周縁領域93に剥離液を供給する剥離液供給部に含まれる。剥離液供給部には、溶剤供給源56も含まれてよい。
図4は、基板9を示す平面図である。図4では、図の理解を容易にするために、基板9の上面91において周縁領域93の径方向内側の領域である内側領域94上に平行斜線を付し、周縁領域93と内側領域94との境界を二点鎖線にて示す。基板9の上面91では、多数の微細な構造体要素の集合である構造体(例えば、製品にて使用される回路パターン)が、内側領域94に予め形成されている。周縁領域93には、当該構造体は形成されていない。
基板処理装置1における基板9の処理は、例えば、薬液処理、リンス処理、置換処理、充填材充填処理、剥離処理(すなわち、エッジリンス処理)および乾燥処理の順で行われる。図5は、基板処理装置1における基板9の処理の流れの一例を示す図である。図6は、基板9の処理中の回転速度の一例を示す図である。図6の横軸は、実際の処理時間とは無関係である。
まず、上面91に上述の構造体が形成された基板9が、基板保持部31により水平状態で保持される(ステップS11)。続いて、基板9の回転が開始され、比較的高い回転速度(例えば、800rpm)にて回転中の基板9に対して、第1ノズル51から薬液が供給される。そして、薬液の供給が所定時間継続されることにより、基板9に対する薬液処理が行われる(ステップS12)。本実施の形態では、薬液としてDHFが利用され、基板9の上面91に対する洗浄処理が行われる。これにより、基板9の上面91が疎水面となる。
基板9に対する薬液処理中は、カバープレート35が第1位置に位置しており、基板9とカバープレート35の間の間隙に、径方向内側から径方向外方に向かう不活性ガスの気流が形成されている。これにより、基板9の上面91に供給された薬液が、基板9の側面を経由して下面92に回り込むことが防止または抑制される。
薬液の供給が停止されると、比較的高い回転速度(例えば、ステップS12と同様の800rpm)にて回転中の基板9に対して、第1ノズル51からリンス液が供給される。そして、リンス液の供給が所定時間継続されることにより、基板9に対するリンス処理が行われる(ステップS13)。リンス処理では、基板9上の薬液が、第1ノズル51から供給されるリンス液(例えば、DIW)により洗い流される。基板9に対するリンス処理中も、カバープレート35が第1位置に位置しており、基板9とカバープレート35の間の間隙に、径方向内側から径方向外方に向かう不活性ガスの気流が形成されている。これにより、基板9の上面91に供給されたリンス液が、基板9の側面を経由して下面92に回り込むことが防止または抑制される。
基板処理装置1では、例えば基板9のリンス処理と並行して、混合部71において水性溶媒であるリンス液と、水溶性有機溶剤である溶剤とが混合されて置換液が生成される(ステップS14)。ステップS14では、上述のように、混合部71においてリンス液に混合される溶剤の割合が調節可能である。具体的には、塗布膜の形成処理に関する入力情報が濃度制御部73に予め格納されており、当該入力情報に基づいて濃度制御部73が混合割合調節部72を制御することにより、混合部71においてリンス液に混合される溶剤の割合が調節される。
当該入力情報には、例えば、塗布膜を形成する充填材溶液の種類、基板9の上面91の性質、または、上述の薬液処理の種類等が含まれる。ステップS14では、置換液における溶剤の体積濃度は、15%以上かつ30%以下であることが好ましい。換言すれば、混合部71において置換液を生成する際の溶剤とリンス液との体積混合比は、3:17~3:7である。なお、本発明の関連技術では、置換液における溶剤の体積濃度は、15%未満であってもよく、30%よりも大きくてもよい。
ステップS13,S14が終了すると、基板9の回転速度を漸次減少させつつリンス液の供給が停止され、第2ノズル52から基板9の上面91に対して置換液が供給される。このとき、基板9の回転速度は、上述の回転速度よりも十分に低い回転速度である。基板9の回転速度は、例えば、0rpm~10rpmである。基板9上に供給された置換液は、上面91の中央部から径方向外方へと拡がる。
そして、基板9に対する置換液の供給を継続しつつ、比較的高い回転速度(例えば、800rpm)まで基板9の回転速度を漸次増加させる。これにより、基板9の上面91の中央部から置換液が径方向外方へと拡がり、基板9上のリンス液が径方向外方へと移動する。そして、基板9上からリンス液が除去され(すなわち、リンス液が置換液に置換され)、基板9の上面91上には、置換液の薄い液膜(以下、「置換液膜」という。)が形成されて保持される。基板処理装置1では、置換液膜の厚さが所望の厚さとなるように、置換液膜が形成される際の基板9の回転速度が設定される。
当該置換液は、表面張力が小さいため、基板9の上面91の構造体における隙間(すなわち、構造体において隣接する構造体要素の間の空間)に入り込みやすい。このため、構造体における隙間が置換液で満たされる(ステップS15)。置換液膜は、少なくとも構造体の高さをほぼ覆う程度、または、それ以上の厚さを有する。置換液によるリンス液の置換処理が終了すると、置換液の供給が停止される。
基板9に対する置換液の供給中も、カバープレート35が第1位置に位置しており、基板9とカバープレート35の間の間隙に、径方向内側から径方向外方に向かう不活性ガスの気流が形成されている。これにより、基板9の上面91に供給された置換液が、基板9の側面を経由して下面92に回り込むことが防止または抑制される。
ステップS15にて使用される置換液は、水性溶媒と水溶性有機溶剤とを混合して生成されるのであれば、必ずしも、リンス液供給源55からのリンス液と、溶剤供給源56からの溶剤とを混合して生成される必要はない。例えば、リンス液供給源55とは異なる供給源から供給された水性溶媒と、溶剤供給源56とは異なる供給源から供給された水溶性有機溶剤とが、混合部71にて混合されて置換液が生成されてもよい。上述の水性溶媒は、リンス液供給源55から送出されるリンス液とは異なる種類の液体(例えば、炭酸水、オゾン水または水素水)であってもよい。また、水溶性有機溶剤も、溶剤供給源56から送出される溶剤とは異なる種類の液体(例えば、PGEE、PGME、EL、メタノール、エタノールまたはアセトン)であってもよい。
ステップS15が終了すると、ステップS15における比較的高い回転速度を維持した状態で回転中の基板9に対して、第3ノズル53から塗布液である充填材溶液が供給される。所定量の充填材溶液が基板9上に供給されると、充填材溶液の供給は停止される。第3ノズル53から基板9上の置換液膜に供給された充填材溶液は、基板9の回転により上面91の中央部から径方向外方へと拡がる。これにより、基板9上の置換液膜上に充填材溶液の液膜が形成される。なお、充填材溶液の液膜が形成される際の基板9の回転数は、必ずしも一定に維持される必要はなく、適宜変動してもよい。例えば、基板9の回転が停止された状態で充填材溶液が供給され、その後、基板9が回転されることにより、置換液膜上に充填材溶液の液膜が形成されてもよい。
その後、基板9の回転速度が減少され、例えば、10rpmとされる。上述のように、基板9の上面91の略全体は置換液膜により覆われており、置換液膜の上面の略全体は充填材溶液の液膜により覆われている。充填材溶液の比重は置換液よりも大きいため、置換液膜と充填材溶液の液膜との上下が入れ替わる。これにより、基板9の上面91上の構造体における隙間に存在する置換液が、充填材溶液により置換され、構造体における隙間が充填材溶液により満たされる(ステップS16)。換言すれば、ステップS16は、構造体において隣接する構造体要素の間に充填材を埋め込む充填材充填処理(すなわち、充填材埋め込み処理)である。基板9上では、上面91上に充填材溶液の液膜が位置し、充填材溶液の液膜上に置換液膜が位置する。
ステップS16が終了すると、基板9の回転速度が増加され、充填材溶液の液膜上の置換液膜が基板9上から除去される。また、充填材溶液の余剰も、基板9上から除去される。このときの基板9の回転速度は、ステップS16において基板9の構造体における隙間(すなわち、隣接する構造体要素の間)に埋め込まれた充填材が遠心力で外方に抜けてしまわない程度の速度である。例えば、基板9は、300rpm~500rpmにて回転される。これにより、基板9の上面91上に、充填材溶液の液膜である塗布膜が形成される(ステップS17)。当該塗布膜は、構造体の全体を覆うために必要な厚さを有する。基板9上では、充填材溶液に含まれる溶媒が気化することにより、塗布膜の固化が進行する。
基板9に対する充填材溶液の供給中は、カバープレート35は第2位置において基板9および基板保持部31と共に、基板回転機構33により回転する。これにより、カバープレート35に付着している処理液(例えば、薬液、リンス液または置換液)が、径方向外方へと移動し、カバープレート35の外縁から径方向外方へと飛散する。
続いて、基板9を回転させた状態で、第4ノズル64から基板9の下面92の外縁部に向けて剥離液が吐出される。基板9の回転速度は、例えば、ステップS17と同様に300~500rpmであってもよく、ステップS17の回転速度よりも高い速度まで段階的に増速されてもよい。第4ノズル64から基板9の下面92に供給された剥離液は、基板9の側面を経由して上面91に回り込み、回転中の基板9の上面91の周縁領域93に、全周に亘って供給される。これにより、基板9の上面91上の塗布膜(すなわち、充填材溶液の液膜)のうち周縁領域93上の部位を基板9から剥離させて除去する剥離処理が行われる(ステップS18)。ステップS18では、基板9の上面91の周縁領域93に加えて、基板9の側面および下面92の外縁部に付着した充填材溶液も除去される。基板9に対する剥離処理中は、カバープレート35が第1位置に位置している。
ステップS18が終了すると、基板9の乾燥処理が行われる(ステップS19)。ステップS19では、基板9を基板保持部31により保持した状態で高速にて基板保持部31を回転する。これにより、基板9の周縁領域93に付与された剥離液が、遠心力により基板9の外縁から径方向外方へと飛散し、基板9上から除去される。上述のステップS12~S19中に基板9上から径方向外方へと飛散した薬液、リンス液、置換液、充填材溶液および剥離液等の処理液は、カップ部4により受けられ、基板処理装置1の外部へと排出される。
乾燥処理が終了した基板9は、基板処理装置1から搬出され、次の処理装置(図示省略)へと搬送される。そして、当該次の処理装置にて基板9が加熱され、基板9上の構造体における隙間(すなわち、隣接する構造体要素の間)に埋め込まれた充填材を固化させる処理が行われる。基板9が基板処理装置1から次の処理装置へと搬送される際には、基板9の周縁領域93の充填材は除去されているため、搬送機構が充填材により汚染されることが防止される。基板処理装置1では、上述のステップS11~S19の処理が、複数の基板9に対して順次行われる。
以上に説明したように、基板処理装置1は、基板保持部31と、リンス液供給部と、置換液供給部7と、塗布液供給部とを備える。基板保持部31は、基板9を水平状態で保持する。リンス液供給部は、基板9の上面91にリンス液を供給する。置換液供給部7は、基板9の上面91に置換液を供給することにより、基板9の上面91上のリンス液を置換液に置換して、置換液の液膜である置換液膜を上面91上に形成する。塗布液供給部は、水溶性高分子溶液である塗布液(すなわち、充填材溶液)を置換液膜上に供給し、基板9の上面91上に塗布液の膜である塗布膜を形成する。置換液供給部7は、混合部71と、置換液吐出部である第2ノズル52とを備える。混合部71は、水溶性有機溶剤と水性溶媒とを混合し、リンス液よりも表面張力が小さい置換液を生成する。第2ノズル52は、混合部71から送出された置換液を基板9に向けて吐出する。
このように、水溶性有機溶剤と水性溶媒とを混合してリンス液よりも表面張力が小さい置換液を生成し、当該置換液にて基板9上のリンス液を置換することにより、基板9の上面91を置換液膜にて好適に被覆することができる。これにより、リンス処理と充填材充填処理との間において、基板9の上面91がリンス液膜から露出するして外気と接触することを防止することができる。換言すれば、塗布膜の形成前に基板9の上面91が液膜から露出することを防止することができる。また、上述のように、置換液には水性溶媒が含まれているため、充填材溶液が置換液膜中にて凝集することが防止される。その結果、基板9上において、塗布膜を好適に形成することができる。
基板処理装置1は、基板回転機構33をさらに備える。基板回転機構33は、上下方向を向く中心軸J1を中心として、基板9を基板保持部31と共に回転する。基板処理装置1では、置換液膜が形成される際に(ステップS15)、基板回転機構33により基板9が回転される。これにより、置換液膜の厚さを、容易に所望の厚さとすることができる。その結果、置換液膜の厚さが過剰に大きくなることを防止することができるため、ステップS16において置換液膜に供給される充填材溶液の量を少なくすることができる。
上述のように、置換液供給部7は、混合部71において水性溶媒に混合される水溶性有機溶剤の割合を調節する混合割合調節部72をさらに備える。これにより、塗布膜を形成する充填材溶液の種類、基板9の上面91の性質、または、上述の薬液処理の種類等に合わせて、置換液中における水溶性有機溶剤の好ましい体積濃度を容易に実現することができる。
また、置換液供給部7は、塗布膜の形成処理に関する入力情報に基づいて混合割合調節部72を制御する濃度制御部73をさらに備える。これにより、塗布膜を形成する充填材溶液の種類、基板9の上面91の性質、または、上述の薬液処理の種類等に合わせて、置換液中における水溶性有機溶剤の体積濃度を自動的に調節することができる。
上述のように、置換液における水溶性有機溶剤の体積濃度は、好ましくは15%以上かつ30%以下である。これにより、基板9の上面91の露出防止と、基板9上への塗布膜の形成とを好適に両立することができる。
図7および図8はそれぞれ、第1実施例および第2実施例における実験結果を示す図である。第1実施例および第2実施例では、置換液における水溶性有機溶剤の複数の体積濃度について、基板9に対して上述のステップS11~S17を施している。第1実施例と第2実施例とでは、充填材溶液に含まれる充填材の種類が異なる点を除き、処理条件は同じである。図中の○印は、基板9の上面91の露出防止、または、基板9上への塗布膜の形成が好適に行われていることを示す。図中の×印は、基板9の上面91が露出した、または、基板9上に塗布膜が好適に形成されなかったことを示す。図中の△印は、○印と×印との中間の状態を示す。図7および図8から、置換液における水溶性有機溶剤の体積濃度を15%以上かつ30%以下とすることにより、基板9の上面91の露出防止と、基板9上への塗布膜の形成とを好適に両立することができることがわかる。
基板処理装置1では、上述の水溶性有機溶剤がIPAである。このように、基板処理装置1において基板9の他の処理(上記例では、剥離処理)にも利用されるIPAを用いて置換液を生成することにより、置換液の生成に関する構造を簡素化することができる。その結果、基板処理装置1の構造も簡素化することができる。
上述のように、リンス液供給源55から送出されるリンス液は、置換液の水性溶媒と同じ種類の液体である。これにより、置換液の生成に関する構造を簡素化することができ、その結果、基板処理装置1の構造も簡素化することができる。また、溶剤供給源56から送出される溶剤は、置換液の水溶性有機溶剤と同じ種類の液体である。したがって、基板処理装置1の構造をさらに簡素化することができる。
上述のように、基板9の上面91には構造体が予め形成される。そして、基板処理装置1では、基板9の上面91上に上述の塗布膜が形成されることにより、当該構造体における隙間が塗布液で満たされる。その結果、構造体に作用する処理液の表面張力に起因して構造体が倒壊することを防止または抑制することができる。
基板処理装置1では、ステップS15において置換液の供給が開始される直前の基板9の上面91が疎水面である。したがって、基板9上の供給されているリンス液を置換液へと切り替えることにより、塗布膜の形成前に基板9の上面91が液膜から露出することを好適に防止することができる。
上述の基板処理装置1では、様々な変更が可能である。
例えば、上述の例では、基板9に対してDHFによる洗浄処理が施されることにより基板9の上面91が疎水面となるが、基板9の材質等に起因して基板9の上面91が元から疎水面である場合であっても、基板処理装置1において、基板9の上面91の露出防止と、基板9上への塗布膜の形成とを両立することができる。基板処理装置1は、上面91が疎水面ではない(すなわち、親水面である)基板9の処理に利用されてもよい。
本発明の関連技術では、基板処理装置1では、ステップS15における置換液膜の形成の際に、基板9は回転することなく静止していてもよい。この場合、基板処理装置1から基板回転機構33が省略されてもよい。
置換液供給部7では、濃度制御部73が省略されてもよい。この場合、充填材溶液の種類等の上記入力情報に基づいて作業者が混合割合調節部72を操作することにより、混合部71において水性溶媒に混合される水溶性有機溶剤の割合が調節される。また、置換液供給部7では、水性溶媒に混合される水溶性有機溶剤の割合は一定であってもよい。この場合、混合割合調節部72が省略されてもよい。
上述の基板処理装置1は、半導体基板以外に、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等の平面表示装置(Flat Panel Display)に使用されるガラス基板、あるいは、他の表示装置に使用されるガラス基板の処理に利用されてもよい。また、、上述の基板処理装置1は、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板および太陽電池用基板等の処理に利用されてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 基板処理装置
7 置換液供給部
9 基板
31 基板保持部
33 基板回転機構
51 第1ノズル
52 第2ノズル
53 第3ノズル
71 混合部
72 混合割合調節部
73 濃度制御部
91 (基板の)上面
J1 中心軸
S11~S19 ステップ

Claims (12)

  1. 基板を処理する基板処理方法であって、
    a)基板を水平状態で保持する工程と、
    b)前記基板の上面にリンス液を供給する工程と、
    c)水溶性有機溶剤と水性溶媒とを混合し、前記リンス液よりも表面張力が小さい置換液を生成する工程と、
    d)前記b)工程および前記c)工程よりも後に、前記基板の前記上面に前記置換液を供給し、上下方向を向く中心軸を中心として前記基板を回転させることにより、前記基板の前記上面上の前記リンス液を前記置換液に置換して前記置換液の液膜である置換液膜を前記上面上に形成する工程と、
    e)前記d)工程よりも後に、前記置換液よりも比重が大きい水溶性高分子溶液である塗布液を前記置換液膜上に供給し、前記基板の前記上面上に前記塗布液の膜である塗布膜を形成する工程と、
    を備え、
    前記置換液における前記水溶性有機溶剤の体積濃度は、15%以上かつ30%以下であり、
    前記基板の前記上面に構造体が予め形成されており、
    前記e)工程では、前記基板の前記上面全体を覆う前記置換液膜上に前記塗布液の液膜を形成し、前記基板の回転速度を前記d)工程における前記置換液膜の保持時の回転速度よりも減少させることにより、前記置換液と前記塗布液との比重差によって前記置換液膜と前記塗布液の液膜との上下が入れ替わって前記塗布液の液膜上に前記置換液膜が位置し、前記構造体における隙間が前記塗布液で満たされることを特徴とする基板処理方法。
  2. 請求項1に記載の基板処理方法であって、
    前記c)工程において、前記水性溶媒に混合される前記水溶性有機溶剤の割合が調節可能であることを特徴とする基板処理方法。
  3. 請求項2に記載の基板処理方法であって、
    前記c)工程において、前記塗布膜の形成処理に関する入力情報に基づいて、前記水性溶媒に混合される前記水溶性有機溶剤の割合が調節されることを特徴とする基板処理方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の基板処理方法であって、
    前記水溶性有機溶剤がイソプロピルアルコールであることを特徴とする基板処理方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の基板処理方法であって、
    前記リンス液が、前記置換液の前記水性溶媒と同じ種類の液体であることを特徴とする基板処理方法。
  6. 請求項1ないしのいずれか1つに記載の基板処理方法であって、
    前記d)工程において前記置換液の供給が開始される直前の前記基板の前記上面が疎水面であることを特徴とする基板処理方法。
  7. 基板を処理する基板処理装置であって、
    基板を水平状態で保持する基板保持部と、
    前記基板の上面にリンス液を供給するリンス液供給部と、
    前記基板の前記上面に置換液を供給することにより、前記基板の前記上面上の前記リンス液を前記置換液に置換して前記置換液の液膜である置換液膜を前記上面上に形成する置換液供給部と、
    前記置換液よりも比重が大きい水溶性高分子溶液である塗布液を前記置換液膜上に供給し、前記基板の前記上面上に前記塗布液の膜である塗布膜を形成する塗布液供給部と、
    上下方向を向く中心軸を中心として前記基板を前記基板保持部と共に回転する基板回転機構と、
    を備え、
    前記置換液供給部が、
    水溶性有機溶剤と水性溶媒とを混合し、前記リンス液よりも表面張力が小さい前記置換液を生成する混合部と、
    前記混合部から送出された前記置換液を前記基板に向けて吐出する置換液吐出部と、
    を備え、
    前記置換液膜が形成される際に、前記基板回転機構により前記基板が回転され、
    前記置換液における前記水溶性有機溶剤の体積濃度は、15%以上かつ30%以下であり、
    前記基板の前記上面に構造体が予め形成されており、
    前記塗布液供給部が、前記基板の前記上面全体を覆う前記置換液膜上に前記塗布液の液膜を形成し、前記基板回転機構が、前記基板の回転速度を前記置換液膜の保持時の回転速度よりも減少させることにより、前記置換液と前記塗布液との比重差によって前記置換液膜と前記塗布液の液膜との上下を入れ替えて前記塗布液の液膜上に前記置換液膜を位置させ、前記構造体における隙間を前記塗布液で満たすことを特徴とする基板処理装置。
  8. 請求項に記載の基板処理装置であって、
    前記置換液供給部が、前記混合部において前記水性溶媒に混合される前記水溶性有機溶剤の割合を調節する混合割合調節部をさらに備えることを特徴とする基板処理装置。
  9. 請求項に記載の基板処理装置であって、
    前記置換液供給部が、前記塗布膜の形成処理に関する入力情報に基づいて前記混合割合調節部を制御する濃度制御部をさらに備えることを特徴とする基板処理装置。
  10. 請求項ないしのいずれか1つに記載の基板処理装置であって、
    前記水溶性有機溶剤がイソプロピルアルコールであることを特徴とする基板処理装置。
  11. 請求項ないし10のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、
    前記リンス液が、前記置換液の前記水性溶媒と同じ種類の液体であることを特徴とする基板処理装置。
  12. 請求項ないし11のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、
    前記置換液の供給が開始される直前の前記基板の前記上面が疎水面であることを特徴とする基板処理装置。
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