JP3799122B2 - プレス装置のかす上がり検出機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプレス抜き加工で使用するプレス装置のかす上がり検出機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
プレス加工によって製造するリードフレームあるいはコンタクト部品等では、長尺な金属帯状体を金型の加工ステージ上で順送りしながらプレス抜き等を行って製造する方法が一般的である。プレス抜き加工はダイおよびポンチで金属帯状体を抜いて所定形状に成形する。ポンチで抜き落とされた抜きかすは、ダイ孔から下方に落下するのであるが、場合によって抜きかすがポンチが戻る際に浮き上がり(かす上がり)、被加工材料の表面に付着してしまうことがある。かす上がりが生じると、被加工材料の表面に抜きかすが付着してそのまま次工程に送られるから、次工程での加工の際に打痕が生じたりして不良発生の原因となる。
【0003】
このようなかす上がりを防止する方法にはダイの孔形状を変えたり、ポンチの形状を変えたりする方法があるが、ダイ等の金型構造を変えるかわりにかす上がりが生じたことを検出して、装置をいったん停止させるといった方法もある。かす上がりを検出する方法には、画像処理により正常パターンと比較判定して検出する方法や、かす上がりが生じるとストリッパープレートが傾いたり、ストリッパープレートが正規位置よりも僅かに浮き上がったりすることを近接センサ等で検出することによる方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、画像処理によってかす上がりを検出する方法は、画像処理のための処理時間がかかるから、かなりの高速で材料を順送りしながら加工するプレス装置で全数検査することは困難であり、抜き取り式によらざるを得ない。しかしながら、抜き取り式の検査はかす上がりがいつ起きるかわからないことを考えると有効ではない。また、全数検査を行う場合はプレス装置の加工速度を上げることができない。
【0005】
また、ストリッパープレートの傾きやストリッパープレートが正規位置から浮いた状態を検出する方法は、ストリッパープレートの押さえ圧が強い場合はかすが潰れてしまい、センサで確実に検出することが困難である。この場合に、センサの検出精度を高く設定すると正常加工による変位であっても異常と判定してしまう場合があるといった問題点がある。
【0006】
本発明はこれらの問題点を解消すべくなされたものであり、その目的とするところは、複雑な構成を採用することなく、かす上がりを確実に検出することができ、加工工程中に製品の全数について容易にかす上がりを検出することができるプレス装置のかす上がり検出機構を提供するにある。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明は上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、ダイホルダにダイを支持し、電気的導体である被加工材料をガイド移送するためのガイドリフタを上方に付勢しつつ上下動可能に前記ダイに設け、前記ダイに対向して上下動可能にストリッパープレートを設け、該ストリッパープレートにパンチガイドを設け、ストリッパープレートが下降しパンチガイドにより前記ガイドリフタに支持された被加工材料を前記ダイに押接して前記パンチにより被加工材料をプレス抜きするプレス装置のかす上がり検出機構であって、前記ダイおよび前記ガイドリフタを前記ダイホルダに対し電気的に絶縁して設け、前記ストリッパープレートと前記ダイホルダの上面とが対向する範囲内に、前記ストリッパープレートあるいは前記ダイホルダの一方に、ストリッパープレートあるいはダイホルダと電気的に絶縁し、ストリッパープレートあるいはダイホルダから端面が突出する向きに付勢した検出ピンを設け、該検出ピンが、対向するダイホルダあるいはストリッパープレートに当接する状態と離間する状態を前記検出ピンがプレス装置と導通するか否かにより検出する論理回路Aを設け、前記被加工材料が前記ダイに押接されることにより、あるいは前記被加工材料の抜きかすを介して、前記ダイとプレスベースとが電気的に導通するか否かを検出する論理回路Bを設け、前記ストリッパープレートが上位置にある状態で、前記検出ピンが前記パンチガイドの押接面あるいはダイの外面を基準として突出する量をL、前記被加工材料の材厚をT、前記パンチの前記パンチガイドの下面からの引き込み量をaとした場合、前記検出ピンの突出量LをT<L<2T−aと設定して、前記論理回路Aと論理回路Bが開閉するタイミングによりかす上がりを判断する判定部を設けたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は本発明に係るかす上がり検出機構を備えたプレス装置の実施形態を示す断面図である。
同図で10はダイホルダ12を支持するプレスベースである。14はダイホルダ12に支持されたダイである。16はダイホルダ12とダイ14との間に設置した絶縁ベースである。この絶縁ベース16は電気的絶縁性を有する材料によって形成したもので、ダイ14の底面および外側面を覆ってダイ14をダイホルダ12から電気的に絶縁する。
【0009】
絶縁ベース16はダイホルダ12にダイ14を支持するものであるから、ダイ14の設置位置を正確に位置出し可能であることと、プレス圧力に十分に耐えられる強度が求められる。絶縁ベース16の素材としては、研削加工等による高精度の加工が可能で、加工時の荷重に耐えられるものとして、たとえばセラミック材が使用できる。なお、絶縁ベース16はダイ14をダイホルダ12に対して電気的に絶縁することを目的とするものであり、かならずしも一体形成しなければならないものではない。たとえば、内層に電気的絶縁層を設けてダイ14をダイホルダ12に対して電気的に絶縁してもよい。
【0010】
14aはダイ14に設けたダイ孔である。被加工材料をプレス抜きした際に生じる抜きかすは、このダイ孔14aから下方に排出される。
18a、18bは被加工材料20の側縁をガイドして被加工材料20を所定の搬送方向にガイド移送するためのガイドリフタである。このガイドリフタ18a、18bも絶縁ベース16と同様に電気的絶縁性を有する素材、たとえばセラミック材によって形成する。ガイドリフタ18a、18bを電気的絶縁性を有する材料で形成するのは被加工材料20をダイホルダ12に対して電気的に絶縁して支持するためである。したがって、電気的に絶縁できる構成であれば、必ずしもガイドリフタ18a、18bを電気的絶縁性を有する素材で一体形成しなければならないものではない。
ガイドリフタ18a、18bはスプリング19により常時上向きに付勢されて支持されている。したがって、型開き時には図のようにダイ14の加工面から若干離間して被加工材料20が支持される。この支持状態は被加工材料20が次ステ−ジに移送される状態である。
【0011】
22はダイホルダ12の上方に、上下動可能に支持したストリッパープレートである。ストリッパープレート22はピン24を介してパンチホルダ26に吊持されている。28はストリッパープレート22とパンチホルダ26との間を弾発するスプリングである。30はパンチホルダ26を支持するプレスベースである。ストリッパープレート22でダイ14に対向する位置にはパンチガイド32が設置され、パンチホルダ26に支持したパンチ34の先端部がパンチガイド32によってガイドされている。
【0012】
36は被加工材料20のかす上がりを検出するための検出ピンである。検出ピン36は電気的絶縁性素材により形成した検出ピンホルダ38に支持され、ストリッパープレート22に対して電気的に絶縁されている。検出ピン36の背面側には弾発スプリング40が装着され、検出ピン36はストリッパープレート22のダイホルダ12に当接する面から突出するように付勢されて支持されている。
【0013】
本実施形態のプレス金型は検出ピン36のストリッパープレート22の下面から突出する寸法Lを次のように設定することにより、かす上がりを電気的に検出する。
すなわち、被加工材料20の材厚をT、金型が開いた状態でパンチ34の先端がパンチガイド32の表面から引き込まれている量をaとすると、T<L<2T−aとなるように設定する。なお、ガイドリフタ18a、18bによって被加工材料20が上位置に支持されている状態で被加工材料とダイ14の上面との離間距離(リフト量)をbとする。
【0014】
かす上がりが生じたか否かは被加工材料20をプレス抜き加工する際に、被加工材料20を仲介とする電気的導通を検出して判定する。そのため、検出ピン36から導線を導き、検出ピン36とプレス機本体との電気的導通を監視する論理回路Aに接続し、一方、ダイ14から導線を導き、ダイ14とプレス機本体との電気的導通を監視する論理回路Bとを接続する構成とする。
【0015】
以下では被加工材料20をプレス抜き加工する各工程とそのときの論理回路A、Bの開閉状態を対比してかす上がりを検出する方法について説明する。
図2〜5は被加工材料20をプレス抜き加工する際における各部の動作状態を示す説明図である。図6はこれらの各動作状態おける論理回路A、Bの開閉状態を示すグラフである。グラフの横軸は時間をあらわす。
【0016】
図6の論理回路AのグラフでA1 点はプレスを駆動してパンチプレート26とともにストリッパープレート22を下降させ、まず検出ピン36の端面がダイホルダ12の上面に当接した状態を示す。
検出ピン36がダイホルダ12に当接した際に、パンチガイド32は被加工材料20の上面に当接している場合と当接していない場合がある。これは、検出ピン36の突出量Lと被加工材料20の厚さT及び前述したリフト量bとの関係によっている。
【0017】
すなわち、T<L<2T−aの条件下で、i)T+b>Lの場合、パンチガイド32が被加工材料20に当接したときには検出ピン36はダイホルダ12に当接していない状態にあり、パンチガイド32がさらに被加工材料20を押し下げたところで検出ピン36がダイホルダ12に当接する。ii)T+b<Lの場合、検出ピン36がダイホルダ12に当接した瞬間にはパンチガイド32は被加工材料20に当接せず、さらにパンチガイド32が押し下げられたところでパンチガイド32が被加工材料20に当接する。iii)T+b=Lの場合は、検出ピン36がダイホルダ12に当接するのと被加工材料20にパンチガイド32が当接するのが同時になる。
【0018】
図2はパンチガイド32が被加工材料20に当接した瞬間を示す。この例は、パンチガイド32が被加工材料20に当接する前に検出ピン36がダイホルダ12に当接する設定の場合で、パンチガイド32が被加工材料20に接触した際に検出ピン36が若干押し込まれている。検出ピン36がダイホルダ12に当接している間は論理回路Aが閉になる。
この場合、論理回路Bについてみると、ダイ14は絶縁ベース16に支持されており、被加工材料20を支持するガイドリフタ18a、18bも電気的絶縁体であるから、被加工材料20がダイ14に接触するまでは開いた状態にある(図6の論理回路B)。
【0019】
図6でB1 点は、ストリッパープレート22がさらに下降し、被加工材料20がパンチガイド32によってダイ14の表面に押接された状態を示す。被加工材料20がダイ14に押接されると、被加工材料20を介して論理回路Bが閉となる。この論理回路Bが閉となるループには、パンチガイド32−パンチ34−パンプレート26−プレス(接地電位)、パンチガイド32−ストリッパーポスト23−パンチプレート26−プレス、ストリッパー吊りボルト24−パンチプレート26−プレスがある。ストリッパープレート22とパンチプレート26との電気的導通を確実にするため、ストリッパープレート22とパンチプレート26とを導線によって接続してもよい。
【0020】
図6のグラフAとグラフBで、A1 点とB1 点との時間差t1 は検出ピン36がダイホルダ12に当接した後、被加工材料20がダイ14の表面に接触するまでの時間である。
被加工材料20はスプリング19の弾発力に抗してガイドリフタ18a、18bに支持されたまま、ガイドリフタ18a、18bとともに押し下げられ、ダイ14に押接された状態でパンチ34によって抜き加工される。
図3はプレスが下死点位置にある状態で、被加工材料20がパンチ34によって打ち抜かれた状態である。
【0021】
プレス抜きが終了すると、まずパンチ34が上昇しはじめ、一定位置までパンチ34が上昇した後、ストリッパープレート22が上昇する。ストリッパープレート22の上昇開始時をパンチ34よりも遅らせるのは、パンチガイド32で被成形品20を押さえた状態でパンチ34を抜くようにするためである。ストリッパープレート22が上昇しはじめると被加工材料20はガイドリフタ18a、18bによって押し上げられる。ガイドリフタ18a、18bはスプリング19によって常時、被加工材料20を押し上げようとしているからである。
【0022】
図6のグラフBでのB2 点は、ガイドリフタ18a、18bによって被加工材料20が押し上げられ、ダイ14の上面から被加工材料20の下面が離れた時点を示す。なお、被加工材料20がダイ14の表面から離間しても検出ピン36は依然としてダイホルダ12の加工面に当接している。これは検出ピン36の突出量Lを被加工材料20の厚さTよりも大きく設定したことによる。B2 点を過ぎると被加工材料20を介して論理回路Bを閉じるループが切れるから、論理回路Bは開き状態になる。
【0023】
検出ピン36とダイホルダ12が離間するのは、ストリッパープレート22がさらに上昇して検出ピン36が検出ピンホルダ38の端面から検出ピン36が完全に突出した後である。被加工材料20がダイ14の表面から離れ、検出ピン36がダイホルダ12から離れるまでの時間は前記t1 と同じである。検出ピン36がダイホルダ12から離間すると、論理回路Aは開き状態になる。図6でA2 点は、検出ピン36がダイホルダ12から離間して論理回路Aが開き状態になる時点である。
【0024】
こうして、1回のプレス抜き加工操作における論理回路A、論理回路Bの開閉状態が図6のように表される。
図で論理回路Aは、検出ピン36がダイホルダ12に当接した時点のA1 から、ダイホルダ12から離れる時点のA2 までが閉状態になっている。論理回路Bは、ダイ14の表面に被加工材料20がパンチガイド32に押接されて当接した時点のB1 から、被加工材料20がダイ14から離れる時点のB2 までが閉状態になっている。これらの閉状態を対比すると、被加工材料20がパンチガイド32によってダイ14の加工面に押接されている間が論理回路AおよびBがともに閉状態になるときであり、検出ピン36と被加工材料20がダイ14に押接される時間差が図6のタイミングt1 として表れる。
この時間差t1 はプレス機の加工速度が変動した際には、その加工速度に比例した時間差として検出することができる。
【0025】
一方、図5はプレス抜きした際にかす上がりが生じた場合を示す。図で20aが抜きかすで、ダイ孔14aから下方に落下すべき抜きかす20aが被加工材料20とダイ14との間に入り込んだ状態である。かす上がりが生じるパターンには、ダイ14に抜きかす20aが付着する場合、被加工材料20に抜きかす20aが付着する場合、被加工材料20とダイ14との間に単に入り込んだだけで付着にいたらない場合がある。
【0026】
上述したように、プレス抜き後に被加工材料20がダイ14の表面から離れると論理回路Bは開き状態になるのであるが、かす上がりが生じると、被加工材料20がダイ14から離れていても抜きかす20aを介して論理回路Bが閉状態を維持するようになる。被加工材料20がさらに上昇すると、抜きかす20aもダイ14から離間して論理回路Bは開き状態になるのであるが、抜きかす20aが被加工材料20とダイ14との間に入り込んだ場合は論理回路Bの開閉状態が正常時とは異なるパターンになる。
【0027】
図6でB3 はかす上がりが生じた際に論理回路Bが開状態になる時点を示す。かす上がりが生じると、上記のように抜きかす20aがダイ14から離れるまでのタイミングが遅れるから、B3 点はB2 点よりも遅れるようになる。
なお、本発明では、かす上がりの有無を確実にかつ簡単に検出できるようにするため、かす上がりが生じて抜きかす20aが離れるB3 点よりも検出ピン36がダイホルダ12から離れるA2 点をタイミング的に前に設定している。
【0028】
このようにタイミングがずれるように設定するには、L<2Tとすればよい。かす上がりが生じた場合には、抜きかす20aがダイ14から離間するまでの移動距離が被加工材料20の2枚分の厚さに相当するから、検出ピン36の突出長さをこれよりも小さく設定することで、検出ピン36がダイホルダ12から離れた後に抜きかす20aがダイ14から離間するタイミングにできるからである。図6でt2 は検出ピン36がダイホルダ12から離間した後、抜きかす20aがダイ14から離れるまでの時間を示す。
【0029】
なお、かす上がりは常に、被加工材料20とダイ14との間に抜きかす20aが挟まれた状態で生じるわけではない。すなわち、プレス抜きした際に抜きかす20aがパンチ34の端面に付着してそのままパンチ34とともにパンチガイド32に引き込まれる場合もある。この場合は、次のプレス抜き加工の際に被加工材料20の上に抜きかす20aが乗った状態で抜き加工がなされることになる。図7は抜きかす20aがパンチ34に付着した状態でプレス抜きする状態である。
【0030】
このように抜きかす20aがパンチ34に付着してかす上がりした場合には、パンチガイド32が被加工材料20に当接するよりも前に抜きかす20aが被加工材料20の上面に当接するから、この状態で加工すると論理回路BはB1 点よりも早く、図のB4 点で閉となる。
【0031】
図1に示すようにパンチ34の端面はパンチガイド32の端面からaだけ引き込んでセットしているから、B3 点をA2 点よりも後となるタイミングに設定するには検出ピン36の突出量LをL<2T−aとすればよい。本実施形態ではこのようなパンチ34のセットを考慮してT<L<2T−aとした。
【0032】
なお、かす上がりの形態としては図8に示すように、抜きかす20aがパンチ34の端面位置から横にずれた状態で付着する場合がある。このような場合でも、検出ピン36の突出量Lを T<L<2T−a と設定しておけば、検出ピン36がダイホルダ12に接する前に、抜きかす20aを介する回路Bが閉ループとなり論理回路Bが閉状態になる。
【0033】
以上のように、被加工材料20をパンチ34でプレス抜き加工した際には抜きかす20aが被加工材料20とダイ14との中間にある場合と、被加工材料20とパンチ34との側にある場合とが生じる。このような相違により、論理回路Bが閉状態から開状態になるタイミングB3 は、抜きかす20aがダイ14から離れる場合と被加工材料20がダイ14から離れる場合があることになる。
【0034】
上述したようにかす上がりの形態には種々の形態があるが、本実施形態に係るかす上がり検出機構によれば、上記論理回路AおよびBの出力信号を常時監視することによって確実にかす上がりを検出することができる。すなわち、本実施形態のかす上がり検出機構は、論理回路Aの開閉タイミングに対して論理回路Bの開閉タイミングがどのようにずれているかを検出してかす上がりの有無を検出するものであり、論理回路Aが開いている状態で論理回路Bが閉じている場合に、かす上がりがあると判定し、異常とするものである。論理回路AとBを判定部で常時監視し、異常があった場合はプレス装置を直ちに停止させ、あるいは警報を発することによって、不良が連続して発生しないようにすることができる。
【0035】
このような一方が開状態で他方が閉状態になっているか否かを判定する方法は論理回路の判定方法として、きわめて容易であり、また確実な方法である。そして、このような論理回路による判定はプレス機の加工速度が変動した場合でも、速度に関係なく検出できる方法であり、したがって、種々の製品を加工するプレス機に汎用的に利用することができる方法である。また、論理回路による判定は容易であり全数検査が容易にできるという利点がある。
【0036】
なお、かす上がりを検出する方法は論理回路Aと論理回路Bの開閉状態を対比する方法がもっとも簡単であるが、プレス機の加工速度が変動しない加工機の場合は、論理回路BのB1 点とB4 点、B2 点とB3 点との時間差が所定値からずれているか否か、あるいは論理回路BのB1 点と論理回路AのA1 点、B2 点とA2 点の時間差が所定値からずれているか否かを判断してかす上がりの有無を検出することが可能である。ただし、この方法は1回ごとに時間差を検出する必要があるから処理速度がかかって全数検査が難しかったり、所定値からのずれからかす上がりの有無を確実に判定することが難しいという問題がある。
【0037】
本実施形態ではストリッパープレート22に検出ピン36を装着して論理回路A、Bの開閉からかす上がりを検出する構成としたが、ストリッパープレート22に装着するかわりにダイホルダ12に検出ピン36を装着して上記と同様な論理回路A、Bを構成することも可能である。検出ピン36はある意味で、ストリッパープレート22がダイホルダ12に対し、ある間隔よりも接近したか離間したかを判断するものだからである。したがって、検出ピン36を配置する位置もとくに限定されるものではないし、検出ピン36のかわりに適宜距離センサを設けて、ストリッパープレート22とダイホルダ12との間隔を検出するようにしてもよい。
【0038】
ただし、実施形態のように検出ピン36を設けてプレス装置の動作に連動して検出ピン36を動作させる方法は、前述したように論理回路A、Bを対比してかす上がりを判定する操作として、簡易な機構できわめて効率的に判定できるという利点がある。
検出ピン36は電気的導体であればとくに材質は限定されない。また、絶縁ベース16、検出ピンホルダ38等の材質も電気的絶縁体であれば、材質はとくに限定されない。
【0039】
【発明の効果】
本発明に係るプレス装置のかす上がり検出機構にによれば、上述したように、検出ピンを利用した論理回路Aと被加工材料と抜きかすを介して構成される論理回路Bとからかす上がりを検出する構成としたことから、かす上がりの有無をきわめて精度よくかつ効率的に検出することができ、全数検査が容易に可能になるとともに、プレス装置の加工速度が変動したような場合でも確実に検出することができ、プレス作業におけるかす上がりの検出に有効に利用することができて、良品を製造することができるという著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るかす上がり検出機構を備えたプレス装置の全体構成を示す断面図である。
【図2】プレス装置の加工状態を示す断面図である。
【図3】プレス装置の加工状態を示す断面図である。
【図4】被加工材料を打ち抜いた状態の断面図である。
【図5】被加工材料を打ち抜いてかす上がりが生じた状態の断面図である。
【図6】論理回路Aおよび論理回路Bの開閉状態を示すグラフである。
【図7】パンチに抜きかすが付着した状態の断面図である。
【図8】被加工材料の上面に抜きかすが付着した状態の断面図である。
【符号の説明】
10 プレスベース
12 ダイホルダ
14 ダイ
14a ダイ孔
16 絶縁ベース
18a、18b ガイドリフタ
20 被加工材料
22 ストリッパープレート
26 パンチプレート
32 パンチホルダ
34 パンチ
36 検出ピン
38 検出ピンホルダ
Claims (1)
- ダイホルダにダイを支持し、電気的導体である被加工材料をガイド移送するためのガイドリフタを上方に付勢しつつ上下動可能に前記ダイに設け、前記ダイに対向して上下動可能にストリッパープレートを設け、該ストリッパープレートにパンチガイドを設け、ストリッパープレートが下降しパンチガイドにより前記ガイドリフタに支持された被加工材料を前記ダイに押接して前記パンチにより被加工材料をプレス抜きするプレス装置のかす上がり検出機構であって、
前記ダイおよび前記ガイドリフタを前記ダイホルダに対し電気的に絶縁して設け、
前記ストリッパープレートと前記ダイホルダの上面とが対向する範囲内に、前記ストリッパープレートあるいは前記ダイホルダの一方に、ストリッパープレートあるいはダイホルダと電気的に絶縁し、ストリッパープレートあるいはダイホルダから端面が突出する向きに付勢した検出ピンを設け、
該検出ピンが、対向するダイホルダあるいはストリッパープレートに当接する状態と離間する状態を前記検出ピンがプレス装置と導通するか否かにより検出する論理回路Aを設け、
前記被加工材料が前記ダイに押接されることにより、あるいは前記被加工材料の抜きかすを介して、前記ダイとプレスベースとが電気的に導通するか否かを検出する論理回路Bを設け、
前記ストリッパープレートが上位置にある状態で、前記検出ピンが前記パンチガイドの押接面あるいはダイの外面を基準として突出する量をL、前記被加工材料の材厚をT、前記パンチの前記パンチガイドの下面からの引き込み量をaとした場合、前記検出ピンの突出量LをT<L<2T−aと設定して、前記論理回路Aと論理回路Bが開閉するタイミングによりかす上がりを判断する判定部を設けたことを特徴とするプレス装置のかす上がり検出機構。
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