JP3796898B2 - 充電装置及び充電方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば乾電池とほぼ同一形状の2次電池を充電する充電装置に適用して好適な充電装置及び充電方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池などの2次電池(充電可能な電池)を、単3型などの乾電池(アルカリ乾電池,マンガン乾電池など)とほぼ同一形状で構成して、乾電池を電源として使用できる電子機器に、その2次電池を電源として使用できるようにしたものがある。
【0003】
このように2次電池を乾電池の代わりに使用できることで、電池を電源とする電子機器を使用する上で、充電さえ行えば電池を新たに購入する必要がなく、電子機器を使用する場合のランニングコストを大幅に低減させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような乾電池の代わりに使用される2次電池は、端子電圧が1.2V程度の乾電池の電池電圧に近い電圧とされ、その形状については、基本的には単3型などの乾電池と同一形状とされる。ところが、乾電池と全く同一形状であると、その2次電池を充電する装置に乾電池を誤って装着したとき、その装着された乾電池に対して充電動作が行われることになり、危険な状態になってしまう可能性がある。
【0005】
このため、乾電池の代わりに使用可能な2次電池の場合には、基本的には単3型などの乾電池と同一形状としてあっても、充電装置側で乾電池と区別できる形状としてあることが多い。例えば、2本の単3型の乾電池を装着して使用する電子機器用の2次電池の場合には、その2本の単3型の乾電池を接続した形状の2次電池として、その2本の2次電池の接続部の形状に何らかの工夫を施しておく。そして充電装置側では、その2本の2次電池の接続部を、機械的なスイッチなどで検出できる構成としておく。このようにすることで、充電装置で電池の装着を検出したとき、2次電池の接続部をそのスイッチが検出した場合に、2次電池が装着されたものと判断して充電動作を行い、接続部を検出しない場合には、乾電池が誤って装着されたものと判断して充電動作を行わないようにしてある。
【0006】
このように構成することで、2次電池だけを充電装置で充電させることができるが、このようなことを行うと、せっかく汎用の乾電池の代わりに使用できるようにした2次電池が、乾電池と区別できるための接続部などの形状に対応した電池装着部(電池ケース)を有する電子機器にしか使用できないことになり、2次電池の使用が制限されることになってしまう。また、充電装置側でも、その接続部などを検出するための機械的なスイッチなどが必要で、充電装置の構成が複雑になる問題があった。
【0007】
本発明はかかる点に鑑み、2次電池を乾電池と同一形状とした場合に、充電装置側でその区別が簡単に行えるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、接続された電池への充電電流を予め設定し、電池の端子間電圧を検出し、電池への充電開始から上記電池の端子電圧をチェックするまでの経過時間を予め設定し、予め設定した第1の充電電流で電池を充電し、予め設定した第1の経過時間後、電池の端子間電圧が予め設定した第1の電圧以上を検出した場合は電池への充電電流の供給を停止させ、第1の経過時間後電池の端子間電圧が第1の電圧値未満を検出した場合は電池への充電電流を第1の電流値よりも大きい予め設定した第2の電流値によって充電を継続し、予め設定した第1の電圧値より高い第2の電圧値以上の端子間電圧を検出した場合電池への充電電流の供給を停止させるようにしたものである。
【0009】
本発明によると、第1の電流値での初期充電中に、第1の電圧以上の端子間電圧となったとき、電池の端子間電圧が異常に高いと判断して、乾電池である可能性があるとして充電を停止させる処理が行われ、所定時間が経過しても第1の電圧以下であるとき、2次電池の電池特性であると判断して、その2次電池に適した充電が行われる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
【0011】
図1は本例の充電装置の構成を示すブロック図で、本例の場合には単3型の乾電池と同一形状で、定電流充電により充電される2次電池(電池電圧が1.2V程度のニッケル水素電池)を2本同時(或いは個別)に充電することができる充電装置としたもので、その2本の2次電池の充電を行うために、第1チャンネルの充電回路と第2チャンネルの充電回路の2系統の充電回路を備える。本例の充電装置は、ACアダプタと称される商用交流電源(AC100Vなど)を整流,変圧する変換装置(図示せず)と接続して使用する構成としてあり、この変換装置から電源入力端子11に得られる直流電圧電源を電源として充電動作が行われる。なお、ACアダプタの代わりに、自動車用バッテリなどからの直流電源を変圧する変換装置からの直流電圧電源を、電源入力端子11に供給するようにしても良い。
【0012】
電源入力端子11に得られる電源電圧は、入力電圧検出回路12で検出されて、その検出データがコントローラ13に供給される。コントローラ13は、この充電装置の充電動作の制御を行うマイクロコンピュータで構成されるコントローラであり、PWM回路14への各チャンネルのPWMコントロール信号(第1チャンネルのPWMコントロール信号S11,第2チャンネルのPWMコントロール信号S21)の供給で、各チャンネルの充電動作の制御を行う。
【0013】
この場合、コントローラ13は、第1チャンネルの充電回路に接続された電池B1 の端子間電圧検出端子13aと、第2チャンネルの充電回路に接続された電池B2 の端子間電圧検出端子13bとを備え、この端子13a,13bに得られる電圧により、それぞれの充電回路に接続された電池の端子間電圧を検出できる。そして、その検出した端子間電圧に基づいて、充電動作の制御状態の設定を行う。このコントローラ13による充電制御状態の詳細については後述するが、本例においては、最初に初期充電モードで比較的小さな電流で充電を行い、その初期充電モードで一定の条件を満たしたとき、急速充電モードで比較的大きな電流で充電を行う制御を行うようにしてあり、それぞれのモードでの充電時に、検出される端子間電圧が、それぞれのモードで設定した値を越えたとき、正常な2次電池でない(即ち乾電池である可能性がある)と判断して、充電を停止させる処理を行うようにしてある。
【0014】
PWM回路14は、充電電流検出回路23,33で検出される充電電流に基づいて、所定の周波数のパルス幅変調波(PWM波)をDC/DCコンバータコントロール信号S12,S22として各チャンネル毎に出力して、充電電流を一定にする回路である。第1チャンネルのDC/DCコンバータコントロール信号S12は、第1チャンネルのDC/DCコンバータ21に供給され、このDC/DCコンバータ21で、電源入力端子11に得られる入力電源電圧Vinを、そのコントロール信号で指示された電圧V10とする。第2チャンネルのDC/DCコンバータコントロール信号S22は、第2チャンネルのDC/DCコンバータ31に供給され、このDC/DCコンバータ31で、電源入力端子11に得られる入力電源電圧Vinを、そのコントロール信号で指示された電圧V20とする。なお、以下の説明では、電源入力端子11に得られる電源の電流をI0 とし、第1チャンネルのDC/DCコンバータ21に供給される電流をI1 、第2チャンネルのDC/DCコンバータ31に供給される電流をI2 、第1チャンネルのDC/DCコンバータ21の出力電流をI10、第2チャンネルのDC/DCコンバータ21の出力電流をI20とする。
【0015】
第1チャンネルのDC/DCコンバータ21の出力は、第1チャンネルの電池接続端子22a,22bに供給され、この接続端子22a,22bに電池(2次電池)B1 の正極及び負極を接続することで、電池B1 が充電される。ここで、DC/DCコンバータ21と接続端子22bとの間には、充電電流検出用抵抗器R1が挿入してあり、この抵抗器R1の一端が充電電流検出回路23に接続してある。この充電電流検出回路23では、抵抗器R1で検出される充電電流を、コントローラ13からの制御により所定の状態で検出して、その検出信号S13(電圧で充電電流を示す信号)をアンプ24を介してPWM回路14に供給する。PWM回路14では、その充電電流検出信号S13により適正な充電電流が検出されるように、第1チャンネルのDC/DCコンバータ21の制御を行い、それぞれのモード毎に設定された電流値での定電流充電を行う。充電電流の切換えは、コントローラ13からの検出回路23への所定の信号の供給により行われる。
【0016】
第2チャンネルのDC/DCコンバータ31の出力は、第2チャンネルの電池接続端子32a,32bに供給され、この接続端子32a,32bに電池(2次電池)B2 の正極及び負極を接続することで、電池B2 が充電される。ここで、DC/DCコンバータ31と接続端子32bとの間には、充電電流検出用抵抗器R2が挿入してあり、この抵抗器R2の一端が充電電流検出回路33に接続してある。この充電電流検出回路33では、抵抗器R2で検出される充電電流を、コントローラ13からの制御により所定の状態で検出して、その検出信号S23(電圧で充電電流を示す信号)をアンプ34を介してPWM回路14に供給する。PWM回路14では、その充電電流検出信号S23により適正な充電電流が検出されるように、第2チャンネルのDC/DCコンバータ31の制御を行い、それぞれのモード毎に設定された電流値での定電流充電を行う。充電電流の切換えは、コントローラ13からの検出回路33への所定の信号の供給により行われる。
【0017】
コントローラ13で電池電圧を検出する構成としては、第1チャンネルの電池接続端子22aが、抵抗器R3とコンデンサC1の直列回路を介して接地させてあり、この抵抗器R3とコンデンサC1の接続中点が、コントローラ13の端子間電圧検出端子13aに接続してある。また、第2チャンネルの電池接続端子32aが、抵抗器R4とコンデンサC2の直列回路を介して接地させてあり、この抵抗器R4とコンデンサC2の接続中点が、コントローラ13の端子間電圧検出端子13bに接続してある。
【0018】
またコントローラ13は、抵抗器R5,R6,R7,R8を介して4つの発光ダイオードD1,D2,D3,D4が接続して、そのときの充電制御状態により各発光ダイオードD1,D2,D3,D4の発光を制御して、充電状態を表示するようにしてある。具体的には、発光ダイオードD1,D3が赤色発光ダイオードで、発光ダイオードD2,D4が緑色発光ダイオードとされ、充電が行われてないスタンバイモードでは発光ダイオードは発光しない状態とされ、初期充電モード及び急速充電モードでは赤色を連続的に発光させ、トリクル充電モード及び充電終了モードでは緑色を連続的に発光させ、異常モードでは赤色を点滅させる制御が行われる。
【0019】
また、図示はしないが、本例のコントローラ13は電池の温度についても判断できる構成としてあり、コントローラ13は温度異常時の適切な充電停止処理ができるようにしてある。
【0020】
次に、本例の充電装置にて充電を行う際の動作を、図2のフローチャートを参照して説明する。この図2のフローチャートは、第1チャンネルの接続端子22a,22bに接続された電池B1 の充電を行う場合の処理を示したもので、第2チャンネルの場合でも充電処理については同じで、充電回路が異なるだけである。このフローチャートにおいて、電圧Vaはコントローラ13の端子間電圧検出端子13aで検出される電池B1 の電池電圧である。
【0021】
以降の説明、フローチャートでは電池がありとして説明する。
まず、電源入力端子11にACアダプタなどからの規定の電圧の電源入力があると(ステップ101)、その電源によりコントローラ13などの各回路は作動し、コントローラ13は端子13aで検出される電池の端子間電圧Vaが、予め設定された低電圧V1 と過電圧V2 の間であるか否か判断する(ステップ102)。本例の場合には、低電圧V1 を1.0V、過電圧V2 を2.0Vに設定してある。ここで、この範囲内にない場合には、このステップで待機し、初期充電動作には移らない。なお、低電圧V1 以下の場合には、ここでは説明しない低電圧充電モードに移って、低電圧V1 以上の電池電圧に復帰させる処理を行う。ステップ102で、電池の端子間電圧Vaが低電圧V1 と過電圧V2 の間の範囲の電圧であると判断されたときには、第1チャンネルのPWMコントロール信号S11をオン状態とし(ステップ103)、PWM回路14から第1チャンネルのDC/DCコンバータ21へのコントロール信号S12の供給を開始させる(ステップ104)。
【0022】
このコントロール信号の供給で、充電電流検出回路23で検出されて供給される充電電流検出信号S13が、設定された電圧V3 とほぼ等しいか否か判断し(ステップ105)、等しくない場合には、DC/DCコンバータ21へのコントロール信号S12を対応して変化させ(ステップ106)、ステップ105の判断に戻る。ステップ105で信号S13が電圧V3 とほぼ等しいと判断された場合には、そのときの値にコントロール信号S12を固定させる(ステップ107)。
【0023】
次に、ステップ104で初期充電を開始させてからの充電時間を判断し、その充電時間が予め設定された所定時間t1 になったか否か判断し(ステップ108)、その時間t1 になるまで待機する。本例では、この所定時間t1 として5分を設定してある。この所定時間t1 が経過すると、コントローラ13は端子13aで検出される電池の端子間電圧Vaが、初期充電モードでの乾電池検出用の電圧V4 未満の値か否か判断する(ステップ109)。本例の場合には、この初期充電モードでの乾電池検出用の電圧V4 を、1.70Vとしてある。この初期充電モードでの乾電池検出用の電圧V4 の設定は、例えば本例の充電装置で充電される正常な2次電池(ニッケル水素電池)に初期充電モードでの充電電流(約400mA)を所定時間t1 連続して供給して、その2次電池の端子間電圧としてあり得る最高の電圧値よりも若干高い電圧値に設定する。
【0024】
ステップ109で、端子13aで検出される端子間電圧Vaが電圧V4 以上であるとコントローラ13が判断した場合には、端子22a,22bに接続された電池B1 が乾電池であると判断して、充電停止処理(ステップ121)に移る。ステップ121での充電停止処理としては、例えば第1チャンネルのPWMコントロール信号S11をオフ状態として、第1チャンネルのDC/DCコンバータ21からの充電電流の供給を停止させると共に、コントローラ13に接続された発光ダイオードで異常モードを表示させる。
【0025】
ステップ109で端子13aで検出される端子間電圧Vaが電圧V4 未満であるとコントロール13が判断した場合には、充電電流を急速充電モードでの充電電流(ここでは約650mA)に変化させる制御を行う(ステップ110)。この充電電流の切換え後に、充電電流検出回路23で検出されて供給される充電電流検出信号S13が、設定された電圧V3 ′とほぼ等しいか否か判断し(ステップ111)、等しくない場合には、DC/DCコンバータ21へのコントロール信号S12を対応して変化させ(ステップ112)、ステップ111の判断に戻る。ステップ111で信号S13が電圧V3 ′とほぼ等しいと判断された場合には、そのときの値にコントロール信号S12を固定させる(ステップ113)。
【0026】
次に、コントローラ13は端子13aで検出される端子間電圧Vaが、急速充電モードでの乾電池検出用の電圧V5 と等しくなったか否か判断する(ステップ114)。本例の場合には、この急速充電モードでの乾電池検出用の電圧V5 を、1.75Vとしてある。この急速充電モードでの乾電池検出用の電圧V5 の設定は、例えば本例の充電装置で充電される正常な2次電池(ニッケル水素電池)に急速充電モードでの充電電流(約650mA)を連続して供給して、その2次電池の端子間電圧としてあり得る最高の電圧値よりも若干高い電圧値に設定する。
【0027】
ステップ114で、端子13aで検出される電池の端子間電圧Vaが電圧V5 と等しくなったとコントローラ13が判断した場合には、端子22a,22bに接続された電池B1 が乾電池であると判断して、充電停止処理(ステップ121)に移る。
【0028】
ステップ114で、端子13aで検出される電池の端子間電圧Vaが電圧V5 にならないと判断された場合には、そのときの電池電圧Vaが、予め設定された低電圧V1 と過電圧V2 の間であるか否か判断する(ステップ115)。ここでの最低電圧V1 と過電圧V2 は、ステップ102で説明した値と同じである。このステップ115で、端子間電圧Vaが低電圧V1 と過電圧V2 の間の範囲にないと判断した場合には、充電停止処理(ステップ121)に移る。
【0029】
ステップ115で端子間電圧Vaが低電圧V1 と過電圧V2 の間の範囲にあると判断した場合には、この充電装置が備える温度検出素子(図示せず)の出力から温度異常が検出されるか否か判断し(ステップ116)、温度異常であると判断された場合、充電停止処理(ステップ121)に移る。
【0030】
温度異常でないと判断された場合には、端子13aで検出される電池の端子間電圧Vaが低下する状態の検出であるいわゆる−ΔV検出を行い、その端子間電圧Vaが低下する状態を検出したか否か判断する(ステップ117)。ここで、端子間電圧Vaが低下する状態を検出しない場合には、ステップ115の判断に戻り、端子間電圧Vaが低下する状態を検出するまで、ステップ115,116,117の処理を繰り返し行う。
【0031】
ステップ117で端子間電圧Vaが低下する状態を検出すると、トリクル充電モードに移る。このトリクル充電モードでは、コントローラ13の制御により、トリクル充電用の充電電流(本例の場合には約60mA)を設定させ(ステップ118)。このトリクル充電が設定されると、最初にステップ103,104で充電を開始させてからの経過時間が、所定時間tx (本例の場合には6時間)になったか否か判断する(ステップ119)。充電開始からこの時間tx が経過するまでは、ステップ118でのトリクル充電を継続して行い、この時間tx が経過したことを判断すると、充電を停止させる処理を行う(ステップ120)。
【0032】
図3は、このような処理で2次電池を充電させた場合の例を示す図で、この例では最初に第1チャンネルの充電回路の接続端子22a,22bに2次電池B1 を装着して、充電を開始させた後、ある程度時間が経過した後に、第2チャンネルの充電回路の接続端子32a,32bに2次電池B2 を装着して、充電を開始させた場合の処理を示すものである。図3のAに示すように、第1チャンネルの接続端子22a,22bに2次電池B1 を装着させると、5分間の初期充電が行われる。この初期充電モードでは、充電電流I10として約400mAが設定されて、電池電圧V10が徐々に増加し、初期充電から5分経過すると、急速充電モードに移る。急速充電モードでは、充電電流I10として約650mAが設定されて、電池電圧V10が徐々に増加し、電池電圧V10が低下したとき−ΔVの検出が行われて、トリクル充電モードに移る。
【0033】
第2チャンネルについても、図3のBに示すように、接続端子32a,32bに2次電池B2 が装着されると、5分間の初期充電が行われた後、急速充電が行われ、−ΔVの検出でトリクル充電に切換わり、充電電流I20及び電池電圧V20が対応して変化する。コントローラ13で検出される入力端子11からの入力電圧については、図3のCに示すように各チャンネルでの充電状態の変化に対応して変化し、両チャンネルを合わせた充電電流I0 は図3のDに示すように変化する。
【0034】
このように本例の充電装置の場合には、各チャンネルで独立して充電処理が行われ、2本の2次電池を、それぞれ別々に適切に充電制御しながら、満充電状態に状態させることができる。
【0035】
ここで、いずれかのチャンネルに装着された電池が、2次電池ではなく乾電池(アルカリ電池,マンガン電池など)であった場合には、そのチャンネルについては充電が停止し、異常表示が行われる。即ち、図4は乾電池が装着された場合の例を示したもので、例えばある特性の乾電池を誤って端子22a,22b(又は端子32a,32b)に装着させたとき、端子13a(又は端子13b)で検出される電圧が、図4の電圧VX で示す変化状態となり、初期充電中に予め設定された電圧V4 (本例の場合には1.70V)を越えてしまう。従って、初期充電が終了する時点での電圧V4 との比較(図2のフローチャートのステップ109の処理)で、このチャンネルの電池が正常な2次電池でないと判断されて、充電停止処理が行われ、乾電池などが誤って充電されてしまうことがない。
【0036】
また、万一この初期充電中に電池電圧が電圧V4 を越えない特性の乾電池を充電させた場合でも、急速充電モードでの充電中には、図4の電圧Vy で示す変化状態となって、電池電圧が電圧V5 を越えてしまい、急速充電中での電圧V5 との比較(図2のフローチャートのステップ114の処理)で、このチャンネルの電池が正常な2次電池でないと判断されて、充電停止処理が行われる。
【0037】
従って、本例の充電装置によると、乾電池や特性の異常な2次電池を装着させたとき、その電池に対する充電が停止し、乾電池などを誤って充電させてしまうことを防止できる。この場合、電圧検出から乾電池などの検出を行うので、2次電池と乾電池とが全く同一形状であっても正しく検出でき、2次電池の形状に乾電池と区別するための何らかの工夫をする必要がなく、専用の2次電池を用意することなく高い安全性が確保されると共に、形状から2次電池を検出する場合に比べて、その形状などを検出するスイッチが必要なく、充電装置の構成を簡単にすることができる。
【0038】
なお、上述した実施の形態で示した電圧値,電流値,充電時間などの値については一例を示したものであり、充電する電池の種類,特性,容量などによりそれぞれの適切な値は変化する場合がある。
【0039】
また、上述した実施の形態では、ACアダプタなどからの電源で作動する単体の充電装置としたが、2次電池で駆動される電子機器に充電回路を内蔵させた場合の充電回路の制御にも適用できる。
【0040】
また、上述した実施の形態では充電回路としてPWM波の周波数によりDC/DCコンバータでの変換を制御して、定電流充電を行う回路としたが、他の構成の充電回路に適用することができることは勿論である。
【0041】
また、上述した実施の形態では2本の2次電池が個別に充電できる充電装置としたが、1本の2次電池だけを充電できる充電装置や、より多くの充電装置を充電できる充電装置にも適用できることは勿論である。また、その充電される2次電池についても、上述した実施の形態で示したニッケル水素電池以外の各種2次電池(ニッケルカドミウム電池など)にも適用できる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によると、第1の電流値での初期充電中に、第1の電圧以上の端子間電圧となったとき、電池の端子間電圧が異常に高いと判断して、乾電池である可能性があるとして充電を停止させる処理が行われる。また本発明によると、所定時間が経過しても第1の電圧以下であるとき、2次電池の電池特性であると判断して、その2次電池に適した充電が行われる。従って、電池電圧の特性の違いから乾電池と2次電池とを区別することができ、装着された電池が2次電池である場合にだけ、その2次電池が正しく充電され、乾電池の誤充電を防止できる効果を有する。また、乾電池と同一形状の2次電池を充電する場合に、機構的なスイッチなどで乾電池と2次電池との区別を行う必要がなく、乾電池に相当する形状の2次電池用の充電装置とした場合の構成を簡単にすることができる。
【0043】
また本発明によると、第2の電流値を設定させた状態で、電圧検出手段が検出する端子間電圧が、第1の電圧よりも高い第2の電圧になったとき、充電電流の供給を停止させるようにしたことで、乾電池が装着された場合の検出をより確実に行うことができ、乾電池の誤充電をより効果的に防止できる。
【0044】
また本発明によると、第1及び第2の電圧として、正常な2次電池に第1又は第2の電流値の充電電流を供給した場合にあり得る最大の端子間電圧よりも高い値に設定したことで、それぞれの場合での乾電池検出が正確に行える効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による充電装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態による充電処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態による充電時のタイミングチャートである。
【図4】本発明の実施の形態による1次電池装着時の電池電圧変化例を示す説明図である。
【符号の説明】
11…電源入力端子、13…コントローラ、13a…第1チャンネルの端子間電圧検出端子、13b…第2チャンネルの端子間電圧検出端子、14…PWM回路、21…第1チャンネルのDC/DCコンバータ、22a,22b…第1チャンネルの電池接続端子、23…第1チャンネルの充電電流検出回路、31…第2チャンネルのDC/DCコンバータ、32a,32b…第2チャンネルの電池接続端子、33…第2チャンネルの充電電流検出回路、B1 …第1チャンネルに接続された電池、B2 …第2チャンネルに接続された電池、S11…第1チャンネルのPWMコントロール信号、S12…第1チャンネルのDC/DCコンバータコントロール信号、S13…第1チャンネルの充電電流検出信号、S21…第2チャンネルのPWMコントロール信号、S22…第2チャンネルのDC/DCコンバータコントロール信号、S23…第2チャンネルの充電電流検出信号
Claims (4)
- 接続された電池の充電を行う充電装置において、
接続された上記電池への充電電流を予め設定する充電電流設定手段と、
上記電池の端子間電圧を検出する端子電圧検出手段と、
上記電池への充電開始から上記電池の端子電圧をチェックするまでの経過時間を予め設定するチェック時間設定手段と、
上記充電電流設定手段によって予め設定した第1の充電電流で上記電池を充電し、上記チェック時間設定手段によって予め設定した第1の経過時間後、上記電圧検出手段によって上記電池の端子間電圧が予め設定した第1の電圧以上を検出した場合は上記電池への充電電流の供給を停止させ、上記第1の経過時間後上記電池の端子間電圧が上記第1の電圧値未満を検出した場合は上記電池への充電電流を上記第1の電流値よりも大きい予め設定した第2の電流値によって充電を継続し、上記電圧検出手段によって予め設定した上記第1の電圧値より高い第2の電圧値以上の端子間電圧を検出した場合上記電池への充電電流の供給を停止させる充電制御手段とを備えた
ことを特徴とする充電装置。 - 接続された電池の充電を行う充電装置において、
接続された上記電池への充電電流を予め設定する充電電流設定手段と、
上記電池への充電開始から上記電池の端子電圧をチェックするまでの経過時間を予め設定するチェック時間設定手段と、
上記充電電流設定手段によって予め設定した第1の充電電流で上記電池を充電し、上記チェック時間設定手段によって予め設定した第1の経過時間後、上記電圧検出手段によって上記電池の端子間電圧が予め設定した第1の電圧値以上を検出した場合は上記電池への充電電流の供給を停止させ、上記第1の経過時間後上記電池の端子間電圧が上記第1の電圧値未満を検出した場合は上記電池への充電電流を上記第1の電流値よりも大きい予め設定した第2の電流値によって充電を継続し、上記電圧検出手段によって上記端子間電圧が予め設定した上記第1の電圧値より低い第2の電圧値以下と上記第1の電圧値より高い第3の電圧値以上の電圧を検出した場合に上記電池への充電電流の供給を停止させる充電制御手段とを
備えたことを特徴とする充電装置。 - 接続された電池の充電を行う充電方法において、
接続された上記電池への充電電流を予め設定する充電電流設定ステップと、
上記電池の端子間電圧を検出する端子電圧検出ステップと、
上記電池への充電開始から上記電池の端子電圧をチェックするまでの経過時間を予め設定するチェック時間設定ステップと、
上記充電電流設定ステップによって予め設定した第1の充電電流で上記電池を充電し、上記チェック時間設定ステップによって予め設定した第1の経過時間後、上記電圧検出ステップによって上記電池の端子間電圧が予め設定した第1の電圧以上を検出した場合は上記電池への充電電流の供給を停止させ、上記第1の経過時間後上記電池の端子間電圧が上記第1の電圧値未満を検出した場合は上記電池への充電電流を上記第1の電流値よりも大きい予め設定した第2の電流値によって充電を継続し、上記電圧検出ステップによって予め設定した上記第1の電圧値より高い第2の電圧値以上の端子間電圧を検出した場合上記電池への充電電流の供給を停止させる充電制御ステップとを、
備えたことを特徴とする充電方法。 - 接続された電池の充電を行う充電方法において、
接続された上記電池への充電電流を予め設定する充電電流設定ステップと、
上記電池への充電開始から上記電池の端子電圧をチェックするまでの経過時間を予め設定するチェック時間設定ステップと、
上記充電電流設定ステップによって予め設定した第1の充電電流で上記電池を充電し、上記チェック時間設定ステップによって予め設定した第1の経過時間後、上記電圧検出ステップによって上記電池の端子間電圧が予め設定した第1の電圧値以上を検出した場合は上記電池への充電電流の供給を停止させ、上記第1の経過時間後上記電池の端子間電圧が上記第1の電圧値未満を検出した場合は上記電池への充電電流を上記第1の電流値よりも大きい予め設定した第2の電流値によって充電を継続し、上記電圧検出ステップによって上記端子間電圧が予め設定した上記第1の電圧値より低い第2の電圧値以下と上記第1の電圧値より高い第3の電圧値以上の電圧を検出した場合に上記電池への充電電流の供給を停止させる充電制御ステップとを
備えたことを特徴とする充電方法。
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