JP3796850B2 - 超電導ケーブル導体の端末構造およびその接続方法 - Google Patents

超電導ケーブル導体の端末構造およびその接続方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大容量の電流を低損失で送ることが可能な超電導ケーブル導体の端末構造およびその接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化物超電導線材、たとえばBi2223高温超電導テープ線材は、液体窒素温度で使用が可能であり、比較的高い臨界電流密度を有し、さらに長尺化が容易なため、超電導ケーブルやマグネットへの応用が期待されている。Bi2223高温超電導テープ線材を集合した超電導ケーブルの研究もなされており、50m導体が作製されるまでになってきている。
【0003】
テープ線材をフォーマ上に多数集合した構造を有するケーブル導体の具体例を図12に示す。図12(a)に示すように、超電導ケーブル導体はたとえば超電導線材が4層でフォーマ110の周りに巻付けられた構造を有している。第1層、第2層、第3層および第4層に、それぞれ複数の線材101a、101b、101cおよび101dが円筒状のフォーマ110の周囲に螺旋状に巻付けられている。図10(b)はケーブル導体の側面を示すものであり、最外層のテープ状線材101dが螺旋状に巻付けられた様子を示している。また、第1層と第2層との間、第2層と第3層との間、第3層と第4層との間には、それぞれ絶縁層102a、102bおよび102cが設けられている。
【0004】
図12に示すような導体に電力を供給する場合、端末に何らかの処理を施す必要がある。たとえば、図12(b)に示すような導体の末端から所定の長さLまでの部分について、絶縁層を除き、すべての線材をはんだ付けにより一体化することができる。このような一体化を行なう場合、端末部の接続抵抗をなるべく小さくかつ均一にするために、線材を1本ずつはんだ付けして一体化された構造を形成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
線材を機械的に集合させ長尺の導体を工業的に生産しようとする場合、線材を1本1本はんだ付けして端末部を形成する方法は非効率である。また、1本1本はんだ付けを行なう作業によれば、どうしても接続抵抗が数μΩという高いレベルに達し、またその抵抗値も作業によって比較的大きくばらつく。したがって、より簡便でかつ確実な処理により端末構造を形成することが要求される。また、端末部の抵抗は小さいほど望ましく、製品毎の抵抗値もばらつきが小さいほど望ましい。
【0006】
また、多層導体では、層間のインピーダンスの相違により、各層を流れる電流値が均一ではなくなる偏流現象が起こる可能性が高い。その場合、導体に生じる交流損失量が電流分布によって異なってくるため、各層毎の通電電流分布などの特性を把握しておく必要がでてくる。また、導体の外層から先に電流が流れるような偏流現象が起きると、各層に均一に電流が流れる場合に比較して交流損失が大きくなる可能性がある。また、層と層との間の絶縁が十分に確保されていないと、層間の接触コンダクタンスにより電流の乗り移りが生じて、損失の増大を招くことになる。
【0007】
本発明の目的は、簡便な処理により形成することができ、かつ抵抗値の小さな端末構造を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、超電導線材が層状に集合されたケーブル導体において各層の通電電流値を測定することが可能な端末構造を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、超電導ケーブル導体における層間の電流分布を均一化することのできるような手段を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明により、複数の超電導線材を芯材の周囲に層状に巻付けた構造を有する超電導ケーブル導体の端末構造であって、複数の線材のうち外層線材から最内層の線材まで各層の線材が選択的に露出されており、露出されている各層の周囲にそれぞれ端子部材が接合されている端子部材とを備える端末構造が提供される。
【0011】
本発明に従う端末構造は、特に、ケーブル導体の末端にいくに従って、最外層の線材から最内層の線材まで順に各層の線材が選択的に露出されている構造を有することが好ましい。露出されている各層の周囲には、それぞれ端子部材が接合されている。
【0012】
本発明の端末構造において、外層と内層との間にある絶縁材により、それぞれの層に設けられた端子部材同士は電気的に絶縁されていることが好ましい。
【0013】
各層に接合するための端子部材は、線材の層を取囲む環状部と、環状部から突き出た突起部とを有することができる。このような端子部材の環状部にケーブル導体の各層を挿入し、接合させることができる。また、この端子部材の突起部には、ロゴスキーコイルが取り付けられている。環状部と突起部とを有する該端子部材を各層毎に設けた場合、各端子部材の突起部に各層毎にロゴスキーコイルが取り付けられていることにより、各層毎の通電電流分布が検出される
【0014】
本発明を構成する端子部材は、線材の層を取囲むように設け、該部材と線材との間にはんだを流し込むことにより接合することが好ましい。たとえば、ケーブル導体の端末部分において所定の層の部分をリング状の端子部材に挿入し、その間にはんだを流し込んで固定することができる。リング状の端子部材とそれに挿入されるケーブル導体端末部との距離は、流し込まれるはんだが薄く均一に流れ込むよう、所定の値とされる。また、端子部材には、はんだを流し込むための孔を形成することができる。
【0015】
本発明によれば、端子部材が接合された端末部分の抵抗値を1μΩ以下にすることができる。
【0016】
本発明は、芯材状に超電導線材が2層以上で巻付けられた導体に適用される。芯材状に巻かれる超電導線材は、たとえば酸化物超電導線材とすることができる。特に、(Bi,Pb)2 Sr2 Ca2 Cu3 10-X(0≦X<1)等のビスマス系2223相酸化物超電導体とそれを覆う安定化マトリックスとを備えるテープ状線材が層状に巻かれたケーブル用導体について本発明を好ましく適用することができる。このテープ状線材において安定化マトリックスには銀または銀合金が用いられる。
【0017】
さらに、本発明は、上述した端末構造同士を電気的に接続する方法を提供する。接続すべき1対の端末構造のうち一方の端末構造において外層部に接合された端子部材と、他方の端末構造において内層部に接合された端子部材とを接合する。さらに、該一方の端末構造における内層部に接合された端子部材と、該他方の端末構造において外層部に接合された端子部材とを接続する。n(nは2以上の整数)層で線材が巻付けられた導体において各層毎に端子部材が設けられた端末構造同士を接合する場合、一方の端末構造における最外層(n層目)の端子部材と、他方の端末構造における最内層(1層目)の端子部材とが接続される。そして順次、一方の端末構造における(n−i)層目(iは1以上の整数)の端子部材と他方の端末構造における(1+i)層目の端子部材とが接続される。端子部材が環状部と環状部から突き出た突起部とを有するものである場合、突起部同士を接続することにより、端末構造同士の接続を行なうことができる。
【0018】
本発明の端末構造では外層部と内層部とにそれぞれ端子部材が接合されている。この構造を採用することにより、以下に具体的に述べるように、端末処理の工程が簡単なものとなり、端末処理を機械的に行なうことも可能になる。また、端末処理のために線材の層を取囲む端子部材を用いれば、端末部分に発生する抵抗値も所定の低いレベルに再現性よく抑えることができる。導体の構造および材質等に応じて端子部材のサイズおよび材質等を適宜設定することにより、端末に生ずる抵抗値を低いレベルにコントロールすることができるからである。さらに、互いに絶縁された層毎に端子部材を設け、各端子部材に流れる電流によって生成される磁界の時間的変化に基づく誘導電圧をロゴスキーコイルによって検出すれば、各層毎の通電電流分布を求めることができる。これは、導体の特性を知る上で非常に有用である。また、外層と内層のそれぞれに端子部材を設ければ、上述したような接続方法が可能になる。すなわち、1対の超電導ケーブル導体を接続するにあたり、一方の外層部と他方の内層部とを端子部材を介して容易に接続することができる。このような接続を行なえば、外層により多くの電流が流れる偏流現象を抑制し、交流損失を低減することができる。以下、具体例によって本発明をより詳細に説明する。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に用いる端子部材の一具体例を示している。端子部材10は、円筒状であるパイプ部12と板状の突起部14とからなる。パイプ部12には2つの孔16aおよび16bが形成されている。これらのうち1つは後述するようにはんだを流し込むための孔として働き、もう1つははんだを流し込む際の空気抜きの孔として働く。パイプ部12からは所定の長さで板状の突起部14が突き出している。突起部14にはねじ止めのための孔18が形成されている。このような形状を有する端子部材を用いて端末処理を行なうプロセスの一具体例を図2に示す。
【0020】
たとえば、図12に示すような4層導体について端末処理を行なう。まず、図2(a)に示すように最外層の超電導線材21dが表面に露出している超電導ケーブル導体20を準備する。次に、導体の末端から所定の長さの分だけ最外層(4層目)にある線材をすべて除去する。露出した3層目を覆う絶縁材を部分的に除去した後、露出した3層目の線材を所定の長さだけ残し、導体の末端から所定の長さの分除去する。露出した絶縁材を部分的に除去した後、露出した2層目の線材を部分的に除去する。露出した絶縁材を部分的に除去すれば、1層目の線材が露出する。このようにして図2(b)に示すような段差構造が得られる。すなわち、導体20の末端にいくに従って内側の各層が露出された構造が得られる。導体の末端では第1層目の線材21aが露出され、順に第2層目の線材21b、第3層目の線材21cが所定の長さだけ露出されている。各層の線材同士は、層間に設けられた絶縁層によって絶縁されている。次に、各層の線材に図1に示すような構造の端子部材を取付ける。端子部材の材質は、たとえば銅とすることができるが、その他の抵抗値が低い金属を任意に用いることができる。図1に示すような構造において、パイプ部のサイズ、特にその内径が導体各層の直径に応じて調整された4つの端子部材を準備し、それぞれの層に取付ける。取付けに際しては、端子部材のパイプ部に導体を差込み、所定の層上に配置する。次いで、パイプ部に形成された2つの孔の一方から溶融したはんだを流し込み、端子部材のパイプ部と線材との間にはんだを行き渡らせる。パイプ部の内径は、はんだがなるべく薄く均一に流れ込むよう、たとえば各層の導体外径より1mm程度大きい値に設定することができる。また、パイプ部の長さは、はんだ付けを行なう部分の接続抵抗等を考慮して適当な値に設定することができる。各層に端子部材をそれぞれ配置し、はんだ付けにより固定した状態を図2(c)に示す。1層目、2層目、3層目および4層目にそれぞれ適当なサイズの端子部材10a、10b、10cおよび10dが設けられている。各層間は絶縁材により電気的に絶縁されているので、それぞれの層に設けられた端子部材同士も電気的に絶縁されている。
【0021】
上述したような構造を有する端子部材を用いることにより、導体を端子部材に差し込んではんだを流し込むだけという、非常に簡便な工程で端末部を形成することができる。また、適当なサイズの端子部材を用い、各層をこの端子部材で覆えば、ほぼ均等な端末抵抗が常に得られる。はんだ付けも容易であり、はんだ付け層による抵抗値もばらつきが小さく一定の低いレベルに抑えられる。したがって、端末部全体の抵抗値も一定の低いレベルに抑えることができる。本発明によれば、たとえば50mの超電導ケーブル導体について端末処理を行なうとケーブル導体と端子部材とが接合される端子部の抵抗値を1μΩ以下にすることができる。この抵抗値は、導体の通電電流分布にほとんど影響を与えない程度のものである。
【0022】
図2(c)に示すような端末構造では、各層毎に独立して端子部材が取付けられているため、それぞれの端子部材を介して各層の通電電流値を測定することができる。各層の通電電流値は、たとえば、図3に示すようなロゴスキーコイルを端子部材の突起部に取付けることによって測定することができる。ロゴスキーコイル30は、たとえば繊維強化プラスチック(FRP)等からなる巻枠32に銅線34を巻付けることによって構成することができる。各層の通電電流を測定する場合、それぞれの層に配置された端子部材の突起部にリング状のロゴスキーコイルを差し込めばよい。
【0023】
電源から導体に通電する場合には、たとえば図4に示すようなブスバーを用いて各層を一括し、通電用の末端を構成することができる。図に示すブスバー40は、各層に取付けられた端子部材と接続するための接続板42と、電源に接続されるリードを取付けるための端子部46とから構成されている。接続板42には、4つのねじ止め用孔44a、44b、44cおよび44dが所定の間隔で形成されている。リード板42の中央部に設けられた端子部46にも、リードをねじ止めするための孔48が設けられている。
【0024】
各層に取付けられた端子部材の突起にそれぞれロゴスキーコイルを取付け、図4に示すブスバーから一括して各層に電流を供給するための構造を図5および図6に示す。各層に接合された端子部材10a、10b、10cおよび10dの各突起部にロゴスキーコイル30が取付けられている。各突起部はブスバー40の接続板42にねじ60によって接合される。ブスバーの材質は、銅やその他の抵抗値の低い金属とすることができる。各端子部には、ブスバー40の端子部46を介して電流が供給される。なお、各端子部の突起の厚みを調整することによって、各突起を接続板の面上に配置することが容易になる。接合された端子部材10a〜dおよびブスバー40は、支持材62上に固定することができる。このような端末構造において各ロゴスキーコイルに誘起される電圧から電流を計算によって求めることにより、各層の通電電流値を測定することができる。このような構造は、導体の特性を知る上で重要である。
【0025】
図2(c)に示す端末構造を2つの導体について形成すれば、導体同士を図7および図8に示すような構造で接続することができる。図7に示すように、一方の導体における1層目の端子部材10aと他方の導体における4層目の端子部材10′dとが接続される。さらに2層目の端子部材10bと3層目の端子部材10′cとが接続され、3層目の端子部材10cと2層目の端子部材10′bとが接続され、4層目の端子部材10dと1層目の端子部材10′dとが接続される。接続は、図に示すようにねじ止めによって行なってもよいし、その他の方法、たとえばろう付け等によって行なってもよい。端子部材の突起部同士を接合することにより、層間の接続が容易になる。突起部同士を接続する場合、図8(a)に示すように、突起部に対して環状部が同じ側に来るように接合を行なってもよいし、図8(b)に示すように突起部に対して環状部が互いに反対側に来るよう接合を行なってもよい。また、図9に示すように接続を行なえば、よりコンパクトな接続が可能になる。さらに、図10(a)に示すように、突起部のない端子部材同士を突き合わせて接合することもできる。接合は、たとえばろう付け等により行なうことができる。この場合、図10(b)に示すように、接合すべき部分が平らになったリング状の端子部材を用いることがより好ましい。一般に、多層導体では外側の層に電流が流れやすくなるが、このように外側の層と内側の層とを接続することにより、導体間において偏流の現象を抑制し、交流損失の増大を防ぐことができる。
【0026】
なお、上述した具体例は、4層の導体において各層に端子部材を取付けているが、場合によっては、複数の層、たとえば1層目と2層目、3層目と4層目、2層目と3層目等をまとめ、まとめたものに対して端子部材を取付けてもよい。しかしながら、この場合でも、内側の層と外側の層とに対して少なくとも2つの端子部材が必要とされる。
【0027】
【実施例】
例1
図1に示すような形状の銅ブロックを用いて、50m長の4層導体の端末処理を行なった。導体は、フォーマの周りにビスマス系2223相酸化物超電導体が銀で覆われたテープ状線材を4層で螺旋状に巻付けたものであった。層と層の間はマイラーテープで絶縁されていた。図2(b)に示すように、各層の表面が13cmずつ露出するよう、末端部の線材を最外層から順に除去していった。次いで、図2(c)に示すように、各層に銅ブロックを取付け、はんだ付けを行なった。具体的には、銅ブロックのパイプ部に導体を通し、パイプの両端を耐熱テープによってシールした状態でパイプ部を加熱し、パイプ部の一方の孔から溶融したはんだを流し込んだ。もう一方の孔からはんだがあふれ出す直前ではんだの流し込みを中止した。はんだを固化させ、銅ブロックを各層に接合した。銅ブロックにおけるパイプ部の内径を、各層について導体外径+1mmとすることで、はんだをスムーズに流し込むことができ、端末部の抵抗を1μΩ以下の非常に小さい値に抑えることができた。複数回同じ端末構造を形成した結果、得られた端末部の抵抗値のばらつきも小さかった。なお、接続抵抗を低くするため、銅ブロックの長さは10cm程度が望ましかった。
【0028】
得られた端末構造に図5および図6に示すようにロゴスキーコイルを取付けた。ロゴスキーコイルは、銅ブロックの突起をちょうど通すことのできるサイズのリングになっている。各銅ブロックの突起にロゴスキーコイルを取付けた後、さらに図4に示すような銅ブスバーをねじ止めによって各層の銅ブロックに接合した。これにより、各銅ブロックは一体化された。銅ブロックおよび銅ブスバーは、図6に示すように、FRP製の支持材に固定した。銅ブスバーの端子部に電源からのリード線を繋いで通電を行なった。各コイルに誘起される電圧の出力波形をアナライジングレコーダで記録した。各コイルからの出力波形と、それらの波形から求めた通電電流波形を図11(a)および図11(b)にそれぞれ示す。これらの図から、図5および図6に示す構造によって、各層の通電電流波形を測定できたことが明らかになった。また、通電電流波形の解析結果から端末部の抵抗値は通電電流波形に実質的に影響を与えないほどの低いレベルであることがわかった。
【0029】
例2
図2(c)に示すように銅ブロックを取付けた端末構造を有する導体を2本準備した。次いで、図7および図8に示すように2本の導体間で銅ブロックを接続した。1本ずつ単独に通電したときの端末部の損失も含んだ導体損失に比較して、2本を接続した場合には、単位長さ当たりの損失量が低減していた。
【0030】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、シンプルな工程によって形成することができ、かつ抵抗値の低い端末構造を得ることができる。本発明の端末構造は、各層の通電電流波形を測定するのに適している他、2本の導体を接続する場合にも導体の交流損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる端子部材の一具体例を示す斜視図である。
【図2】本発明に従う端末構造を製造するためのプロセスの一具体例を示す模式図である。
【図3】ロゴスキーコイルの一具体例を示す斜視図である。
【図4】各端子部材に接続する電力供給のためのブスバーを示す(a)平面図および(b)側面図である。
【図5】本発明に従う端末構造にロゴスキーコイルおよびブスバーを取付けた状態を示す平面図である。
【図6】図5に示す構造の部分断面図である。
【図7】本発明に従って1対の端末構造を接続した状態を示す平面図である。
【図8】本発明に従って1対の端末構造を接続した状態の具体例を示す側面図である。
【図9】本発明に従って1対の端末構造を接続した構造の他の具体例を示す側面図である。
【図10】本発明に従って1対の端末構造を接続したもう1つの状態を示す図である。
【図11】各層に接合された各端子部材を介して測定された(a)コイル出力電圧波形および(b)通電電流波形を示す図である。
【図12】超電導ケーブル導体の一例を模式的に示す(a)断面図および(b)側面図である。
【符号の説明】
10、10a、10b、10c、10d 端末部材
12 パイプ部
14 突起部
20 超電導ケーブル導体
21a、21b、21c、21d 超電導線材
30 ロゴスキーコイル
40 ブスバー

Claims (11)

  1. 複数の超電導線材を芯材の周囲に層状に巻付けた構造を有する超電導ケーブル導体に端子部材を接合した端末構造であって、
    前記複数の線材のうち外層前記線材から最内層の前記線材まで各層の前記線材が選択的に露出されており、
    露出されている各層の周囲にそれぞれ前記端子部材が接合されていることを特徴とする、超電導ケーブル導体の端末構造。
  2. 前記ケーブル導体の末端にいくに従って、最外層の前記線材から最内層の前記線材まで順に各層の前記線材が選択的に露出されていることを特徴とする、請求項1記載の端末構造。
  3. 前記外層と前記内層との間にある絶縁材により前記端子部材同士が電気的に絶縁されていることを特徴とする、請求項1または2記載の端末構造。
  4. 前記端子部材が、前記線材の層を取囲む環状部と、前記環状部から突き出た突起部とを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の端末構造。
  5. 前記突起部にロゴスキーコイルが取り付けられていることを特徴とする、請求項4記載の端末構造。
  6. 前記環状部と前記突起部とを有する前記端子部材が前記線材の各層毎に設けられ、
    各端子部材の前記突起部に各層毎にロゴスキーコイルが取り付けられていることにより、各層毎の通電電流分布が検出されることを特徴とする、請求項4記載の端末構造。
  7. 前記端子部材は、前記線材の層とその周囲に設けられた前記端子部材との間に流し込まれたはんだにより、前記線材と接合されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載の端末構造。
  8. 前記端子部材は、前記はんだを流し込むための孔を有していることを特徴とする、請求項7記載の端末構造。
  9. 前記ケーブル導体と前記端子部材とが接合される端子部の抵抗値が1μΩ以下であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項記載の端末構造。
  10. 前記超電導線材が、ビスマス系2223相酸化物超電導体とそれを覆う安定化マトリックスとを備えるテープ状線材であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載の端末構造。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の1対の端末構造同士を電気的に接続する方法であって、
    一方の端末構造における前記外層部と接合された端子部材と他方の端末構造における前記内層部と接合された端子部材とを接続し、
    前記一方の端末構造における前記内層部と接合された端子部材と前記他方の端末構造における前記外層部と接合された端子部材とを接続することを特徴とする、端末構造の接続方法。
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