JP3795830B2 - 車両用交流発電機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用交流発電機に係り、特に自動車用発電装置に用いるに好適な液冷式の車両用交流発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用交流発電機では、爪形磁極に溝を設けるものとして、以下の5つのものが知られている。第1に、米国特許第3571637号明細書に記載されているように、塊状鉄心で構成された爪形磁極の爪表面に渦電流を防止するために溝を設けることが知られている。第2には、実開昭62−98443号公報に記載されているように、溝の形状に特徴を持たせることが知られている。第3には、特開昭59−89538号公報に記載のように、V字形の溝を設けることが知られている。第4には、特許第3049715号公報に記載されているように、爪形磁極表面に溝を様々な方向に配置したものが知られている。第5には、特開平9−247915公報に記載されているように、同一ベベル幅に溝を配置したものが知られている。これらの例では、爪形磁極表面全体に溝を設けることにより、渦電流の低減を図るものである。
【0003】
また、従来の交流発電機の別の構造としては、第6には、米国特許第3,271,606号明細書に記載されているように、回転子の回転後ろ側のエアギャップを回転前側よりも広げたものが知られている。第7には、特開平9−215288号公報に記載されているように、ベベル寸法の比率に特徴を持たせたものが知られている。これらの例では、爪形磁極の回転後ろ側に相当する部分の縁部において、回転前側の爪時極縁部の傾斜幅よりも大きくすることにより、磁気音低減を目的としている。
【0004】
さらに、第8には、特開平3-74163号公報に記載されているように、爪形磁極の軸方向端部で固定子巻線と対向する部分の外径を小さくしたものが知られている。この例では、爪形磁極端部の外径を下げて、風切り音の低減し、ファン音を低減するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
実際に爪形磁極表面で発生する渦電流は、爪形磁極表面全体で均一に発生するものではなく、発電時に発電電流による電機子反作用によって、爪表面の磁束密度に分布が発生する。
【0006】
本発明における交流発電機は、小型高出力なものとするため、爪形磁極間にネオジム永久磁石のように残留磁束の高いものを配置した構成とする場合、次のような問題が生じてくる。すなわち、爪形磁極間にネオジム永久磁石のように残留磁束の高いものを配置した場合、爪表面全体の磁束密度が3割〜4割上昇し、爪形磁極表面で発生する渦電流の大きさは磁束密度の二乗に比例して増加するため、従来例と比較すれば約1.7倍〜2倍に増加する。
【0007】
また、本発明の液冷式車両用交流発電機では、冷却効率を高めるため、液冷式を採用している。液冷式交流発電機では、回転子の全周をハウジングによって覆われており、回転子の冷却が従来例のような空冷に比べて非常に悪いために極間に配置したネオジム永久磁石の温度が耐熱温度を超えないように発熱量を下げる必要がある。従来のように極間に磁石が無く、空冷式の場合では回転子全体に均一の溝を設けた程度で良く、磁石の減磁等について考慮する必要が全く無かった。現在市販されているネオジム永久磁石においては、耐熱温度が240℃程度であるため回転子の発熱を低減することが非常に重要である。ネオジウム永久磁石では、温度が上昇すると、磁力が低減する熱減磁の問題が生るという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、爪形磁極間に配置した永久磁石の熱減磁を防止した交流発電機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、先端部分に複数個のスキュー角を有する爪部を形成した1対の対向配置された爪形磁極と、この爪形磁極を磁化させる界磁巻線と、上記爪形磁極間に配置された補助励磁用のネオジム永久磁石と、上記爪形磁極の両端部に厚みをもって設けられた磁石固定部とから構成される回転子と、上記回転子と所定の間隔を隔てて配置され、上記爪形磁極の磁化により交流電圧を発生させる固定子巻線とを有する固定子と、上記固定子の外周部に冷却水が循環する水路とを有する車両用交流発電機において、上記爪形磁極の表面に、上記回転子の回転方向と平行に形成された複数の溝と、上記爪形磁極の表面であって、上記爪形磁極の回転方向に対して後ろ側に形成され、上記固定子の内周面と上記爪形磁極の表面の間のギャップ長を広くする面取り部と、上記爪形磁極の表面であって、上記爪形磁極の回転方向に対して前側に形成され、上記固定子の内周面と上記爪形磁極の表面の間のギャップ長を広くするベベル加工部とを備え、上記面取り部の幅W10は、上記ベベル加工部の幅W20よりも広いようにしたものである。かかる構成により、爪形磁極間に配置した永久磁石の熱減磁を防止するために、爪形磁極表面で発生する渦電流損失を低減し得るものとなる。
【0011】
)上記()において、好ましくは、上記面取り部は、上記爪形磁極の回転方向に対して後ろ側を所定の角度で削り取った形状のベベル加工部である。
【0012】
)上記()において、好ましくは、上記面取り部は、上記爪形磁極の回転方向に対して後ろ側を段付き形状とした段付き加工部である。
【0013】
)上記()において、好ましくは、上記爪形磁極の表面に設けられる溝は、上記面取り部の表面にも形成されているとともに、上記面取り部に形成された溝深さは、上記面取り部以外の爪形磁極に形成された溝深さよりも浅くしたものである。
【0014】
)上記()において、好ましくは、上記面取り部は、上記爪形磁極のスキュー角と平行に形成したものである。
【0017】
)上記(1)において、好ましくは、上記爪形磁極の軸方向両端外周面に設けられ、固定子巻線と対向する部分の外径が上記固定子と対面する部分よりも小さくなるような段付き部を備えるようにしたものである。
【0018】
)上記(1)において、好ましくは、上記爪形磁極は、爪形磁極間に配置される上記ネオジム永久磁石の飛び出しを防止するための磁石固定部を備え、この磁石固定部の幅L1は1.0〜2.5mmの範囲であり、かつ厚みH1は1.0〜2.5mmであり、磁石の着磁方向長さがL3は10mm以下であるとともに、上記ネオジム磁石と上記爪形磁極は直接接するように配置したものである。
【0019】
)上記(1)において、好ましくは、上記固定子を軸方向に延長する磁性体リングを備え、上記磁性体リングの外周面は固定子コアの外周面とほぼ同じとしたものである。
【0020】
)上記(1)において、好ましくは、上記爪形磁極のプーリ側端面に設けられた着磁用の位置合わせ用穴を備えるようにしたものである。
【0021】
10)上記(1)において、好ましくは、上記回転子を密閉構造となるように全周を覆うハウジングを備えるようにしたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図19を用いて、本発明の第1の実施形態による交流発電機の構成について説明する。本実施形態による車両用交流発電機は、冷却手段を完全液冷構造としたものである。
最初に、図1を用いて、本実施形態による交流発電機の全体構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による交流発電機の全体構成を示す断面図である。
【0025】
エンジンの動力を受けるプーリ2は、シャフト101に固定されている。シャフト101は、2個のベアリング103A,103Bで支持されている。2個のベアリングの内、プーリ側ベアリング103Aは、フロントブラケット104Fに配置され、もう一方のベアリング103Bは、ハウジング115で支持されている。その2つのベアリング103A,103Bの中心部には、回転子100が配置され、プーリ2の回転に同期して回転するように、シャフト101に固定されている。
回転子100には、爪形磁極108が設けられている。爪形磁極108の内周側には、界磁巻線107が配置されている。また、回転子100の爪形磁極108の間には、高出力化を可能とする補助励磁用のネオジム永久磁石117が、永久磁石ホルダー118を介して設けられている。界磁巻線107には、回転子100に設けられたスリップリング110にブラシ111が摺動可能に取り付けられており、直流電流を通電できるように構成されている。永久磁石117の極性は、界磁巻線107を励磁したときに作る磁極と同極が向かい合うように、後述する着磁治具によって着磁される。その着磁治具の位置合わせ用の凸部と合うように、回転子100のプーリ側端面に、位置合わせ用穴130が設けられている。
【0026】
固定子102には、固定子コア105に三相の固定子巻線106が巻かれている。固定子コア105の外周部には、水路114を設けたハウジング115が配置されている。また、反プーリ側の水路119および120は、ハウジング115に水路となる溝を設けたものに、リアプレート112で蓋をすることで、密閉水路を構成している。冷却水路としては、ハウジング115とリアプレート112により成り立っており、ICレギュレータ113とダイオードの配置されるダイオードフィン109と固定子102の外周面を、均一に流れるように構成している。以上のように、水冷式とすることにより、交流発電機1は、完全密閉構造となっているため、ハウジング115内部で発生する磁気音や風音は、外部には漏れ難い構造となっている。
【0027】
反プーリ側のリアブラケット104Rの内部には、発電電圧を調整するための、ICレギュレータ113と、整流素子が挿入されたダイオードマイナスフィン109Bと、ダイオードプラスフィン109Aが配置されている。ダイオードマイナスフィン109Bは、リアプレート112の上に配置され、その上にダイオードプラスフィン109Aが配置されている。なお、整流素子としては、ダイオードに限らず、MOS−FETのブリッジを用いても同様の性能が得られるものである。ハウジング115の反プーリ側には、整流素子を冷却するための水路119が設けられており、その水路119はリアプレート112によって水路が閉じられた構成となっている。そして、整流素子は、このリアプレート112に固定されている。
【0028】
リアブラケット104Rは、整流素子の配置されたダイオードマイナスフィン109B及びダイオードプラスフィン109A及びICレギュレータ113を覆うように、ハウジング115に固定されている。
【0029】
固定子102においては、固定子巻線106の外周側には、固定子コア105から延長した磁性体リング150が配置され、その他のハウジング115の隙間及び固定子コア105内の巻線間にも良熱伝導体116が充填されている。この良熱伝導体116は、固定子巻線で発生した損失による発熱を水路114に伝えやすくするものであり、例えば、不飽和ポリエステル樹脂等が用いられている。図示しないが、先に説明した全ての水路は、エンジン冷却水を分岐して循環する構成である。
【0030】
次に、動作について説明する。まず、界磁巻線107がブラシ111とスリップリング110を介して直流励磁された状態で、プーリ2がエンジン動力によって回転すると、プーリ2に取り付けられた回転子100の爪形磁極108が回転し、固定子巻線106に3相の電圧が発生する。この3相電圧は、ダイオードマイナスフィン109B及びダイオードプラスフィン109Aに配置した整流素子ブリッジによって全波整流することで、直流電圧に変換することができる。
【0031】
ハウジング115に配置した水路114は、固定子コア105の外周に配置されており、発電時に発生する固定子コア105の鉄損や固定子巻線106で発生する銅損による温度上昇を抑えるように、熱の伝達手段として用いられている。水路114は、整流素子の冷却用水路119と直列に接続されている。このように、回転子100の全体を覆うようにフロントブラケット104Fとハウジング115とリアブラケット104Rで構成され、磁気音の遮音等にも効果がある。
【0032】
次に、図2〜図5を用いて、本実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極の形状について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極の構成を示す側面図である。図3は、回転子1を軸方向から見た図を示したものである。図3は、図1の要部拡大断面図である。また、図4及び図5は、本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極の寸法に関する説明側面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0033】
図2及び図3に示すように、手前の爪形磁極108をN極側、反対側をS極磁極として説明する。本実施形態の爪形磁極108の形状は、N極側爪形磁極108NとS極側爪形磁極108Sの極間に、永久磁石117の飛び出しを防止するために、爪形磁極108の両縁部には磁石固定部119が左右に設けられている。なお、段付き部124の形状については、図6を用いて後述する。位置合わせ穴130は、図示するように、3箇所設けられている。
【0034】
図3に示した磁石固定部119の厚みH1は、厚くすればするだけ機械的な強度は増すが、配置できる永久磁石117の厚みが薄くなるのと、磁石上部での極間で漏れる磁路面積が増加することから、1.0mm〜2.5mm程度が妥当であり、回転時に永久磁石117が飛び出さないようにしている。本実施形態では、この磁石固定部119の径方向厚みH1として、今回1.5mmを採用した。
【0035】
また、図3に示した磁石固定部119の幅L1は、機械的強度と、極間での漏れ磁束の関係から、幅L1を大きく取ると、隣接する磁石固定部119の間の極間幅L2が狭くなり、磁束が漏れやすくなる。極間の漏れ磁束を減らすために概ね、距離L2を回転子100と固定子102のギャップ長の10倍程度を確保する必要がある。そのため、永久磁石117の磁化方向長さL3を8mmとした場合、極間幅L2は、主ギャップ0.5mmの10倍で5mmを確保するためには幅L1は1.5mmが妥当な値となる。
【0036】
磁石固定部119の固定幅L1としては、1.0mm〜2.5mm程度が望ましいものである。図4は、横軸に磁石固定部高さH1、縦軸に有効磁束Ф1を示している。図4に示すように、磁石固定部高さH1が1.0〜2.5mm程度では漏れ磁束は少なく、有効磁束の減少は少ないことが分かる。また、図5は、磁石固定部幅L1を横軸に取った場合の漏れ磁束Φ2の大きさを示したものである。磁石固定部幅L1が1.0〜2.5mm程度までは、漏れ磁束は比較的少なくすることができる。
【0037】
次に、図6を用いて、本実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極の段付き部124の形状について説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極の段付き部の構成を示す正面断面である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0038】
図6に示すように、爪形磁極108の外周端部には、段付き部124が設けられている。固定子コア105と対向する爪形磁極108の部分は、凸部形状とされ、その両端部に、段付き部124が設けられている。固定子コア105の幅W1に対して、爪形磁極108の中央の凸部の幅W2は、W1に等しいか、僅かに大きい程度である。爪形磁極108の両端部に、幅W3,W4の段付き部124が設けられ、W3=W4である。
【0039】
段付き部124は、固定子巻線のエンドの部分に発電電流が流れた場合、磁束が回転子に鎖交し難いようにするために設けられている。すなわち、発電電流による磁束が通り難くすることにより、漏れインダクタンスが低減でき、発電電流を向上することができる。また、コイルエンドからの漏れ磁束の影響を受け難くできることから、損失を低減することもできる。
【0040】
また、後述するように、回転子表面,すなわち、爪形磁極108の表面に設ける溝に対しても、この両端部の段付き部124には溝を設けないため、溝形成のためのバイト送りをする上で、作業性を向上することができる。
【0041】
段付き部124の高さH3は、後述する回転子表面に設ける溝深さよりも大きくする。なお、大きくし過ぎた場合には回転子の磁気回路の有効断面積が低下する。そこで、溝の切削溝深さを0.5mmとしたとき、段付き部124の高さH3最大でも1.0mm程度である。また、別の効果としては、コイル部を充填している良熱伝導体116の熱膨張に対しても影響を受けないものである。
【0042】
次に、図7及び図8を用いて、本実施形態による交流発電機に用いる永久磁石を固定する永久磁石ホルダーの形状について説明する。
図7は、本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる永久磁石を固定する永久磁石ホルダーの説明図であり、回転子の軸方向(X方向)に対する磁気的中心位置の断面図である。図8は、本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる永久磁石ホルダーの斜視図である。図7及び図8において、矢印X方向が回転子の軸方向であり、矢印Y方向が回転子の円周方向である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0043】
図7に示すように、爪形磁極108Nと爪形磁極108Sの間には、永久磁石117が配置される。N極側の爪形磁極を108N、S極側の爪形磁極を108Sとし、その内側に永久磁石117の飛び出しを防止するための磁石固定部119を設けている。永久磁石ホルダー118の内部に永久磁石117を挿入し、爪形磁極108の間に配置している。永久磁石ホルダー118は、非磁性体の薄いステンレス材で作成してある。
【0044】
図8に示すように、磁石ホルダー118は、永久磁石117の落下防止用の2つの爪118aと、爪形磁極108に固定するための2つの爪118bから構成されている。
【0045】
次に、図9〜図11を用いて、本実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極の表面形状及びその効果について説明する。
図9(A)は、本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極を上部から見た平面模式図である。図9(B)は、図9(A)のa−a’断面図である。図9(A)において、矢印R方向が回転子の回転方向である。図10は、本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極を上部から見た他の例の図9(A)のa−a’断面図である。図11は、本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる磁束密度の説明図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0046】
図9(A)に示すように、矢印R方向に爪形磁極が回転する場合、図に長円で示した部分UPφにおいて、図11に実線G1で示すように、発電電流による電流で主磁束が増加する。この現象は、電機子反作用と呼ばれるもので、発電機の場合には、回転方向に対して後ろ側の磁束密度が上昇するものである。逆の反対側(回転方向に対して前側)では、主磁束は弱められ、減磁となる。よって、発電中では、爪形磁極表面の磁束密度に分布が発生している。
【0047】
磁束密度は、図の楕円で示した部分が上昇することから、回転中はスロットリプルによる磁束密度の変動値が大きくなる。渦電流損失は磁束密度変動の二乗に比例して増加するため、磁束密度の変動値を下げることにより、損失低減を図ることができる。この部分の磁束密度を均一化するためには、固定子の内周面と、回転子の外周面の間のギャップ長を広げることで可能になる。そこで、具体的には、図9(B)に示すように、爪形磁極108の回転方向の後ろ側に、面取り部であるベベル加工部108B1を設けている。ベベル加工部の詳細については、図12を用いて後述する。ベベル加工部108B1は、その幅が一定である。すなわち、図9(A)において、ベベル加工部108B1の幅W5=W6である。ベベル加工部108B1の角度は、爪形磁極のスキュー角と等しくすることにより、騒音を低減することができる。また、爪形磁極108の回転方向の前側にも、ベベル加工部108B2を設けている。
【0048】
ベベル加工部108B1を設けることにより、図11に破線G2で示すように、爪形磁極108の回転方向の後ろ側の磁束密度を低減することができる。これによって、損失低減を図ることができる。
【0049】
なお、固定子の内周面と、回転子の外周面の間のギャップ長を広げるには、図10に示すように、爪形磁極108の回転方向の後ろ側に、面取り部である段付き加工部108S1を設けてもよいものである。段付き加工部の詳細については、図12を用いて後述する。また、爪形磁極108の回転方向の前側には、ベベル加工部108B2を設けている。
【0050】
次に、図12〜図17を用いて、本実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極の表面形状の具体例について説明する。
最初に、図12を用いて、本実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極の全体構成について説明する。また、図13〜図15を用いて、本実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極の表面に形成される溝部と面取り部の構成について説明する。
図12は、本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる回転子の外観斜視図である。図13は、本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極表面に形成される溝部の拡大断面図である。図14は、本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極表面に形成される面取り部であるベベル加工部の拡大断面図である。図15は、本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極表面に形成される面取り部である段付き加工部の拡大断面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0051】
図12に示すように、隣接する爪形磁極108Sと爪形磁極108Nの間には、永久磁石ホルダー118の内部に永久磁石117が挿入されたものが配置されている。この場合、磁石ホルダー118bの部分は、爪形磁極108の切り欠き部に固定される。爪形磁極108の表面には、回転子の回転方向を矢印R方向とした場合、回転方向の後ろ側になる部分に、大きくベベル加工部108B1を設けてある。また、回転方向の前側には、若干のベベル加工部108B2を設けている。さらに、爪形磁極108の表面には、溝108Gが形成されている。溝108Gは、回転子の回転方向Rと平行に、複数本形成されている。
【0052】
回転方向の後ろ側に設けたベベル加工部(増磁側ベベル)108B1の幅W10は、発電機の相数と関係し、例えば3相の場合には、爪形磁極幅Wpsの1/6〜1/3程度が最適である。1/6〜1/3の範囲を持つのは、回転数によって変わるためで、平均的に見れば1/6に近い値である。本例では、磁石固定部の強度から、幅W10を5mmとしている。また、ベベル加工部(減磁側ベベル)108B2の幅W20は、2.5mm程度である。
【0053】
次に、図13を用いて、爪形磁極108の表面に配置する溝108Gの形状について説明する。溝の深さhは、回転子の回転周波数と回転子の導電率から計算される磁場の浸透深さと大きく関係する。実機の最高回転数での磁場浸透深さを計算すると、深さは0.65mm必要であることが分かった。しかし、深溝は切削が難しいため、量産に適した構造としてはネジ切り機や旋盤を用いて、0.5mm程度の加工が好ましいものである。また、使用する切削バイトの刃先角度αは、60〜70度となり、溝の形状はノコギリ歯状の形状となる。凹凸部の凸部の幅t1と凹部の幅t2は、切削時の溝ピッチpや加工時の切削バイトの刃先の摩耗等により変動するが、バイト先端刃先角度を60度とすれば、溝ピッチ1.2mmで、深さ0.5mm、溝底の幅t2を0.05mmとした場合、溝上部の幅t1は0.57mm程度となる。また、切削バイトの刃先角度αを70度とした場合には、t1は0.47mmである。ネジ切り機を用いてバイトにより溝108Gを加工する際、爪形磁極108の両端部の段付き部124には溝を設けないため、溝形成のためのバイト送りをする上で、作業性を向上することができる。
【0054】
なお、溝の他の加工手段として、レーザーを用いた場合には溝深さを深く、そして、溝幅を狭く加工できるため渦電流の低減効果は更に大きくなる。本例では、固定子の鉄損を低減するために、比較的薄い0.35tのSPCC材を用いた。
【0055】
次に、爪形磁極表面の面取り部(ベベル加工部108B1,ベベル加工部108B2)について説明する。今回採用した面取り部は、爪表面の磁束密度の変動の全体レベルを低減するためのものであるため、増磁側(回転方向の後ろ側)に施すことが有効である。磁界解析による解析結果からも縁部から特に5mm程度の間に磁束密度が集中することが分かった。本例の爪形磁極幅Wpsは28mmであるため、面取り部の幅W10を爪形磁極幅Wpsとの比で表せば約18%である。
【0056】
減磁側(回転方向の前側)のベベル加工部108B2においては、バリ取りのアールを付ける程度で良いため、減磁側ベベル幅W20は、1〜2mm程度あればよい。この程度とすることにより、回転方向の中央部付近に於ける磁束密度を等しくすることができる。
【0057】
また、図14に示す回転子の回転後ろ側増磁部のベベル加工部108B1は、増磁側に相当する部分のベベル幅w10を一定角度で設けている。ベベル加工部108B1の角度βは、磁界計算を用いて、出力電流も考慮した計算により20度程度が適切であることが分かった。この角度であれば、出力電流の低下を少なくすることができる。この場合、磁石固定部厚みH1は2.5mm程度必要になる。
【0058】
また、図15に示す回転子の回転後ろ側増磁部の段付き加工部108S1の高さH2は、磁界計算を用いて、出力電流も考慮した計算により、1.0mm程度が適切であることが分かった。この高さであれば、出力電流の低下を少なくすることができる。この場合、磁石固定部厚みH1は2.5mm程度必要になる。
【0059】
また、図12に示すように、回転子のプーリ側コア側面には3個の位置合わせ用の穴130が配置されている。この位置合わせ用の穴130はプーリ側に設けることで、着磁治具に容易に組み込むことができる。
【0060】
次に、図16及び図17を用いて、本実施形態による交流発電機における渦電流損失について説明する。
図16及び図17は、本発明の第1の実施形態による交流発電機における渦電流損失の説明図である。
【0061】
図16は、爪形磁極の表面の増磁側に面取り部を設けて、ほかの爪形磁極の表面部分に溝を設けた場合(実線J2)と、爪形磁極表面に均一の溝を設けた場合(実線J1)の渦電流の損失比較を示している。図16の横軸は、溝の深さを示しており、縦軸は渦電流損失の大きさを示している。
【0062】
図16に示したように、増磁側に面取り部を施し、さらに、溝を設けた場合の方が同じ溝深さで比較すると、渦電流損失を低減することが可能である。言い換えると、渦電流損失をある一定値にする場合には、溝の深さを浅くすることができるため、製造する上で作業行程が低減できる。
【0063】
図17は、横軸を溝のピッチp、縦軸を渦電流損失とした場合、爪形磁極の表面の増磁側に面取り部を設けて、ほかの爪形磁極の表面部分に溝を設けた場合(実線K2)と、爪形磁極表面に均一の溝を設けた場合(実線K1)の渦電流の損失比較を示している。同じ渦電流損失にする場合には、増磁側に面取り部を設けた場合の方が溝ピッチを広くすることができる。よって、爪形磁極表面に配置する溝数が減少するため、加工工程にかかる時間を短縮することが可能になり、コスト低減が可能になる。
【0064】
次に、図18及び図19を用いて、本実施形態による交流発電機の回転子に用いる永久磁石の着磁方法について説明する。
図18は、本発明の第1の実施形態による交流発電機の回転子に用いる永久磁石の着磁治具の外観斜視図である。図19は、本発明の第1の実施形態による交流発電機の回転子に用いる永久磁石の着磁治具に用いる着磁磁極の平面図である。
【0065】
図18に示した外部着磁治具140は、図12に示した回転子に配置される永久磁石117を着磁するための治具である。従来は、すでに着磁された永久磁石を回転子の爪形磁極の内側に取り付けていたのに対して、本実施形態では、未着磁のネオジウム磁石を爪形磁極の内側に取り付けた後、外部着磁治具140により着磁することにより、生産性を向上するようにしている。
【0066】
外部着磁治具140は、回転子の爪形磁極と重なるS極用着磁用磁極132,N極用着磁治具133と、その外周側に着磁コイルを(図示せず)一体的に成形するための熱伝導に優れた樹脂134により略円筒状に構成されている。その外周部には、図示しないハウジングがあり、そのハウジングの内部には着磁用のコイルを冷却するための水路が形成されている。着磁磁極132,133は、渦電流損失が小さくなるように積層鋼板で構成している。
【0067】
回転子は、図12に示した状態で、図18に示した着磁治具140の内部に挿入される。シャフト穴135に回転子のシャフトが挿入され、外部着磁治具140の位置合わせ用の凸部131と回転子に設けた位置合わせ穴130によって位置決めされる。このとき、回転子と着磁治具の磁極との隙間は0.05mm〜0.2mm程度である。図示しないが、S極用の着磁磁極に巻かれる着磁用コイルとN極用着磁磁極に巻かれる着磁コイルは直列に接続されており、全ての磁極に同じ起磁力が発生するようにしてある。
【0068】
次に、図19を用いて、着磁磁極132,133に関して説明する。着磁治具内に配置する着磁磁極132,133の形状は、回転子の爪形磁極とほぼ同型であるが、着磁磁極の表面積の方が大きく構成されている。着磁治具のS極用着磁磁極132とN極用着磁磁極133の極間wsは、狭くすると着磁時に磁束が回転子に入らず、着磁磁極間を短絡するため最適な幅が存在する。本例では、着磁磁極の間隙wsは、製作上着磁コイルの太さ以上が必要であると共に、先に述べた着磁時の回転子との隙間の20倍以上を確保するために2.5mmとした。また、着磁磁極の磁気的中心位置の磁極幅Wp2と回転子の爪形磁極の磁気的中心位置の幅Wps2は、Wp2>Wps2で2つの条件が成り立つようにしている。着磁治具140の着磁コイルに掛ける電圧は、概ね3kV〜4kVで、コンデンサに充電した後に短時間で電流を流して着磁する。
【0069】
以上説明したように、本実施形態では、液冷式で爪形磁極間にネオジム永久磁石を配置し、ハウジング構造がほぼ密閉となるような車両用交流発電機において、従来の溝加工に加えて、増磁側の磁束密度を低減することで大幅な渦電流損失の低減が可能となる。すなわち、局部的に磁束密度が高くなる爪形磁極部分に面取り部を設けることにより、ギャップ長を広げて磁束密度の集中を低減し、その他の場所は溝を設けるようにして渦電流損の発生を抑えることができる。磁束が集中する部分は、3相の場合には回転子1極分の最大幅に対して約1/3程度(スロットピッチ程度)である。従来例では、回転子に一定の深さで溝を付けていたが、磁束密度が集中する回転子の回転後ろ側に相当する部分の渦電流損失による発熱に関しては何ら改善されたものは無いが、本実施形態では、爪形磁極の磁束密度が高くなる回転子の爪縁部で回転時に後方となる部分の磁束密度を低減するために、固定子磁極の1スロットピッチ程度の幅でギャップを広げることで渦電流損失による発熱を抑えることができる。
【0070】
また、加工時の工数低減と出力の向上を図るために、回転子の軸方向両端部の外径部に段付き部を設け、回転子と固定子コアの重なり合う面よりも小さくすることで、切削バイトがこの部分を加工しないようにできるため、切削面積を低減できる。また、溝加工時において、段付き部を設けたことで、切削バイトにかかる負荷変動を小さくすることができ、バイトの長寿命化が可能となる効果がある。また、段付き部を設けることにより、固定子巻線のエンド部分に電流が流れた場合の磁束が、回転子に鎖交し難いようにしたことにより、固定子巻線のインダクタンス低減を図るようにしている。
【0071】
さらに、回転子の最終組み立て段階で、着磁治具により着磁することで後加工等の問題が無くなり、切り粉等の付着が発生しないため、回転子の信頼性が向上する。
【0072】
本実施形態によれば、爪形磁極表面で発生する渦電流損失を低減し、爪形磁極間に配置した永久磁石の熱減磁を防止することができる。
【0073】
次に、図20及び図21を用いて、本発明の第2の実施形態による交流発電機の構成について説明する。
図20は、本発明の第2の実施形態による交流発電機の要部の構成を示す断面図である。図21は、図20の要部拡大図である。
【0074】
図20に示した本実施形態による交流発電機の要部は、図6に示した構成に対応するものである。図6に示した構成では、固定子102の内周側と回転子100の外周側の間のギャップは一定であった。それに対して、図20に示した実施形態では、爪形磁極108Tの外周側(固定子の内周側に対向する面)は、回転子の回転軸の方向に見たとき、中央部が凸の円弧状となっている。すなわち、固定子102の内周側と回転子100の外周側,すなわち、爪形磁極108Tの表面の間のギャップは、中央部のギャップをg1として、両端側のギャップをそれぞれg2,g3とすると、g2=g3であり、また、g1<g2,g3としている。
また、図21に示すように、爪形磁極108Tの表面には、回転子の回転方向と平行な溝108Mが複数本形成されている。溝の深さは、中央部の溝の深さをD1とし、両端部の溝の深さをそれぞれD2,D3とすると、D2=D3であり、D1>D2,D3としている。
【0075】
このように、回転軸方向の両端部のギャップg2,g3を中央部のギャップg1に比べて大きくすることにより、回転子の軸方向の両端部における冷却効率を向上することができる。また、中央部の溝深さD1を両端部の溝深さD2,D3よりも深くすることで、中央部における発熱を抑えることができる。結果として、永久磁石の熱減磁を低減することができる。
【0076】
本実施形態によれば、爪形磁極表面で発生する渦電流損失を低減し、爪形磁極間に配置した永久磁石の熱減磁を、さらに、低減することができる。
【0077】
次に、図22を用いて、本発明の第3の実施形態による交流発電機の構成について説明する。
図22は、本発明の第3の実施形態による交流発電機の全体構成を示す断面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0078】
本実施形態による交流発電機1Aは、図1に示した液冷式車両用交流発電機と同様に、液冷式であるが、回転子100に反プーリ側の端面に、内扇ファン125を配置している。また、内扇ファン125により機内の空気が循環できるように、フロントブラケット104Fに通風口123を設け、また、ハウジング115の底面に通風口121、リアブラケット104Rに通風口122を設けている。他の構成については、図1と同様である。
【0079】
このように、内扇ファン125を設けた場合には、機内温度が10〜20℃程度下がるが、先に説明した増磁側ベベルと他の表面に溝を設けて渦電流対策を行うことで、爪形磁極間に配置した永久磁石の温度低減が可能となる。他の効果としては、増磁側にベベルを設けることで磁気加振力の低減効果もある。また、溝加工作業においてもベベル幅を大きくとり増磁側のベベルから切削することで、切削バイトの負荷変動を小さくすることができるためにバイトの寿命を延ばすことができる。また、渦電流損失を低減することから、発電効率も向上する。
【0080】
本実施形態によれば、爪形磁極表面で発生する渦電流損失を低減し、爪形磁極間に配置した永久磁石の熱減磁を、さらに、低減することができる。
【0081】
次に、図23を用いて、本発明の第4の実施形態による交流発電機の構成について説明する。
図23は、本発明の第4の実施形態による交流発電機の全体構成を示す断面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0082】
本実施形態による交流発電機の基本的な構成は、図1に示した液冷式車両用交流発電機と同様である。本実施形態では、固定子コア115の軸方向延長上に、磁性体リング150を配置している。磁性体リング150の外周面は、固定子コア115の外周面と同一平面を形成するように、配置されている。
【0083】
磁性体リング150は、コイルエンドからの漏れ磁束がハウジング115に鎖交して渦電流損失を発生しするものを防ぐものである。コイルエンド部の磁束は、今回新たに配置した磁性体リングによって集磁させることができ、漏れ磁束を有効磁束として利用することができる。また、固定子巻線106の発熱を効率良くハウジング115に伝えることが可能になる。配置する磁性体リング150は、好ましくは薄いリングを軸方向に積み重ねたものが適当である。この理由は、渦電流の低下が可能となるためである。
【0084】
本実施形態によれば、爪形磁極表面で発生する渦電流損失を低減し、爪形磁極間に配置した永久磁石の熱減磁を、さらに、低減することができる。
【0085】
次に、図24〜図26を用いて、本発明の第5の実施形態による交流発電機について説明する。本実施形態の交流発電機の全体構成は、図1に示したものと同様である。
【0086】
以下、図24を用いて、本実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極の全体構成について説明する。また、図25及び図26を用いて、本実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極の表面に形成される溝部と面取り部の構成について説明する。
図24は、本発明の第5の実施形態による交流発電機に用いる回転子の外観斜視図である。図25は、本発明の第5の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極表面に形成される面取り部であるベベル加工部の拡大断面図である。図26は、本発明の第5の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極表面に形成される面取り部である段付き加工部の拡大断面図である。なお、図1,図12,図14,図15と同一符号は、同一部分を示している。
【0087】
本実施形態では、図25,図26に点線で示す位置まで、溝108G’を形成している。すなわち、増磁側面取り部(図25のベベル加工部108B1,図26の段付き加工部108S1)にも、溝108G’を設けている。
【0088】
図25,図26に示すように、増磁側ベベル部(面取り部)にも溝108G’を配置することで、更なる渦電流の低減効果を得ることができる。また、爪形磁極間に配置した永久磁石の温度上昇を低減できるため、永久磁石の動作温度が低くなることで更なる出力電流向上の効果がある。また、従来の回転子に対して温度を低くすることができることから、回転数を向上させることも可能となり小形化も可能になる。また、回転子の材質を磁性粉を絶縁物で固めた圧粉鉄心等を用いれば更なる渦電流の低減効果が期待できる。
【0089】
本では、図25に示す場合、H1=2.0mm、β=5度、Wps=28.0mm、W10=5mm、W20=2mmとしている。また、図26に示す爪形磁極の場合には、H1=1.5mm、H2=0.3mmで、他の寸法は図25と同様である。
【0090】
本実施形態によれば、爪形磁極表面で発生する渦電流損失を低減し、爪形磁極間に配置した永久磁石の熱減磁を、さらに、低減することができる。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、爪形磁極間に配置した永久磁石の熱減磁を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による交流発電機の全体構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極の構成を示す側面図である。
【図3】回転子1を軸方向から見た図を示したものであり、図1の要部拡大断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極の寸法に関する説明用の側面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極の寸法に関する説明用の側面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極の段付き部の構成を示す正面断面である。
【図7】本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる永久磁石を固定する永久磁石ホルダーの説明図であり、回転子の軸方向(X方向)に対する磁気的中心位置の断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる永久磁石ホルダーの斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極を上部から見た平面模式図と、a−a’断面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極を上部から見た他の例の図9(A)のa−a’断面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる磁束密度の説明図である。
【図12】本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる回転子の外観斜視図である。
【図13】本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極表面に形成される溝部の拡大断面図である。
【図14】本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極表面に形成される面取り部であるベベル加工部の拡大断面図である。
【図15】本発明の第1の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極表面に形成される面取り部である段付き加工部の拡大断面図である。
【図16】本発明の第1の実施形態による交流発電機における渦電流損失の説明図である。
【図17】本発明の第1の実施形態による交流発電機における渦電流損失の説明図である。
【図18】本発明の第1の実施形態による交流発電機の回転子に用いる永久磁石の着磁治具の外観斜視図である。
【図19】本発明の第1の実施形態による交流発電機の回転子に用いる永久磁石の着磁治具に用いる着磁磁極の平面図である。
【図20】本発明の第2の実施形態による交流発電機の要部の構成を示す断面図である。
【図21】図20の要部拡大図である。
【図22】本発明の第3の実施形態による交流発電機の全体構成を示す断面図である。
【図23】本発明の第4の実施形態による交流発電機の全体構成を示す断面図である。
【図24】本発明の第5の実施形態による交流発電機に用いる回転子の外観斜視図である。
【図25】本発明の第5の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極表面に形成される面取り部であるベベル加工部の拡大断面図である。
【図26】本発明の第5の実施形態による交流発電機に用いる爪形磁極表面に形成される面取り部である段付き加工部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1…液冷式車両用交流発電機
100…回転子
101…シャフト
102…固定子
2…プーリ
104F…フロントブラケット
104R…リアブラケット
105…固定子コア
106…固定子巻線
107…界磁巻線
108…爪形磁極
108B1,108B2…ベベル加工部
108S1…段付き部
108G…溝
109A…ダイオードプラスフィン
109B…ダイオードマイナスフィン
110…スリップリング
111…ブラシ
112…リアプレート
113…ICレギュレータ
114…水路
115…ハウジング
116…良熱伝導体
117…永久磁石
118…永久磁石ホルダー
119…磁石固定部
120…水路
121〜123…通風口
124…段付き部
125…内扇ファン
130…位置合わせ穴
131…回転子位置合わせ用凸部
132…S極用着磁磁極
133…N極用着磁磁極
134…樹脂
135…シャフト穴
140…着磁治具
150…磁性体リング

Claims (10)

  1. 先端部分に複数個のスキュー角を有する爪部を形成した1対の対向配置された爪形磁極と、
    この爪形磁極を磁化させる界磁巻線と、
    上記爪形磁極間に配置された補助励磁用のネオジム永久磁石と
    上記爪形磁極の両端部に厚みをもって設けられた磁石固定部とから構成される回転子と、
    上記回転子と所定の間隔を隔てて配置され、上記爪形磁極の磁化により交流電圧を発生させる固定子巻線とを有する固定子と、
    上記固定子の外周部に冷却水が循環する水路とを有する車両用交流発電機において、
    上記爪形磁極の表面に、上記回転子の回転方向と平行に形成された複数の溝と、
    上記爪形磁極の表面であって、上記爪形磁極の回転方向に対して後ろ側に形成され、上記固定子の内周面と上記爪形磁極の表面の間のギャップ長を広くする面取り部と、
    上記爪形磁極の表面であって、上記爪形磁極の回転方向に対して前側に形成され、上記固定子の内周面と上記爪形磁極の表面の間のギャップ長を広くするベベル加工部とを備え、
    上記面取り部の幅W10は、上記ベベル加工部の幅W20よりも広いことを特徴とする車両用交流発電機。
  2. 請求項1記載の車両用交流発電機において、
    上記面取り部は、上記爪形磁極の回転方向に対して後ろ側を所定の角度で削り取った形状のベベル加工部であることを特徴とする車両用交流発電機。
  3. 請求項1記載の車両用交流発電機において、
    上記面取り部は、上記爪形磁極の回転方向に対して後ろ側を段付き形状とした段付き加工部であることを特徴とする車両用交流発電機。
  4. 請求項1記載の車両用交流発電機において、
    上記爪形磁極の表面に設けられる溝は、上記面取り部の表面にも形成されているとともに、上記面取り部に形成された溝深さは、上記面取り部以外の爪形磁極に形成された溝深さよりも浅いことを特徴とする車両用交流発電機。
  5. 請求項1記載の車両用交流発電機において、
    上記面取り部は、上記爪形磁極のスキュー角と平行に形成されていることを特徴とする車両用交流発電機。
  6. 請求項1記載の車両用交流発電機において、
    上記爪形磁極の軸方向両端外周面に設けられ、固定子巻線と対向する部分の外径が上記固定子と対面する部分よりも小さくなるような段付き部を備えたことを特徴とする車両用交流発電機。
  7. 請求項1記載の車両用交流発電機において、
    上記爪形磁極は、爪形磁極間に配置される上記ネオジム永久磁石の飛び出しを防止するための磁石固定部を備え、この磁石固定部の幅L1は1.0〜2.5mmの範囲であり、かつ厚みH1は1.0〜2.5mmであり、磁石の着磁方向長さがL3は10mm以下であるとともに、上記ネオジム磁石と上記爪形磁極は直接接するように配置されたことを特徴とする車両用交流発電機。
  8. 請求項1記載の車両用交流発電機において、
    上記固定子を軸方向に延長する磁性体リングを備え、上記磁性体リングの外周面は固定子コアの外周面とほぼ同じであることを特徴とする車両用交流発電機。
  9. 請求項1記載の車両用交流発電機において、
    上記爪形磁極のプーリ側端面に設けられた着磁用の位置合わせ用穴を備えたことを特徴とする車両用交流発電機。
  10. 請求項1記載の車両用交流発電機において、
    上記回転子を密閉構造となるように全周を覆うハウジングを備えたことを特徴とする車両用交流発電機。
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