JP3795579B2 - シラン類を含む流れの処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メチルクロロシラン類の商業生産の結果得られる副生物流を処理して、低沸点のヒドロシラン類を含む残留シラン類を除去するための方法である。この方法は、副生物流を塩素化触媒の存在下において塩化水素と接触させて低沸点ヒドロシランをクロロシランに変える第一の工程を含む。第二の工程において、これらのクロロシランを含む変性された副生物流をクロロシラン類を含めたより高沸点のシラン類を吸着する活性炭と接触させ、それにより低沸点ヒドロシランと全シラン類とが減少した最終の副生物流を作る。この方法は、焼却しようとする副生物流からシラン類を除去してその副生物流が焼却装置で燃焼する際にシリカを減少させるのに殊に有効である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
メチルクロロシラン類の商業生産は、一般に300〜350℃の範囲内の温度において、銅を含む触媒の存在下での塩化メチルとケイ素メタロイドとの接触を必要とする。典型的には、この方法はジメチルジクロロシランの生産のために最適化されて、それより少量のメチルシラン、メチルクロロシラン、メチルヒドロシラン、C2 〜C5 炭化水素、ポリシラン、ポリシロキサン、シリルメチレン及びこのほかの種が生成される。生成物混合物は未反応の塩化メチルを含有することもある。この生成物混合物は、通常、ジメチルジクロロシラン又はその他の所望のシランの回収を最適にするため一連の処理工程、例として蒸留、再配列、凝縮といったもの等、を受ける。これらの製造処理から得られるものの一つが副生物流である。このような副生物流は、例えば、メチルクロロシランを製造し単離するのに使用される装置のガス抜きあるいはパージの結果として生じることがある。この副生物流は副生物の濃度を高めることができ、あるいは窒素のような不活性パージガスで希釈してもよい。
【0003】
この明細書の特許請求の範囲に記載された方法は、そのような副生物流に存在しているシラン類の本質的に全部を当該副生物流から回収する方法を提供するものである。これらのシランは、次いで更に処理して有用な生成物にされる。本発明の方法は、焼却して環境へ放出するのに安全にしようとする副生物流を処理するのに殊に有効である。焼却処理の際に、副生物流中のシランは熱分解して、焼却装置にたまって伝熱の問題を引き起こし且つ詰まりの原因になる微粒子のシリカを生成することがある。本発明の方法による副生物流からのシランの除去は、焼却装置における微粒子シリカの生成を驚くほど減少させることができる。
【0004】
本発明の発明者らは、活性炭は副生物流から、クロロシラン、メチルクロロシラン、メチルシラン及びメチルヒドロクロロシランを含めたシラン類を一般に吸着することを見いだした。ところが、活性炭は、これらの副生物流から低沸点のヒドロシラン類、例えばメチルシラン、ジメチルシラン及びシラン(SiH4 )といったものを吸着するのには有効でない。ここに提供されるのは、副生物流を最初に塩素化触媒の存在下で塩化水素と接触させて低沸点ヒドロシラン類を塩素化して、それらを後に活性炭に吸着されるクロロシラン類に変える方法である。本発明の方法により、副生物流からシラン類の本質的に全てが回収される。
【0005】
Petrovら, Synthesis of OrganosiliconMonomers, Consultants Bureau, NY, NY, 1964, p.416には、SiH4 、ClSiH3 及びCH3 SiH3 といった水素化ケイ素のSi−H結合はAlCl3 の存在下で塩化水素と反応して水素化ケイ素の塩素化がなされることが報告されている。
【0006】
Sommerら,J. Org. Chem. 32:2470−2472(1967)には、有機ケイ素水素化物は周期表のVIII族金属の存在下でハロゲン化水素と反応して有機ケイ素ハロゲン化物とハロゲンを生成することが開示されている。Sommerらは、(C2 5 3 SiHとHClとが反応して(C2 5 3 SiClが生成されることを研究した。
【0007】
米国特許第4985579号明細書には、似通った沸点を持つオルガノシラン類から水素含有シラン不純物を除去するための方法が記載されている。この方法では、水素含有シランをハロゲン化触媒の存在下でハロゲン化水素と反応させてシランの水素をハロゲンで置換し、変性されたシランを作る。水素をより重いハロゲンで置換すると、変性シランの沸点が上昇して、この変性シランのハロゲン化前の沸点と似通った沸点を持つオルガノシランから当該変性シランを分離するのが容易になる。
【0008】
1959年4月15日に刊行されたカナダ特許第89396号明細書には、シランを含有している気体の副生物流から塩化メチルを回収する方法が示されている。この方法では、副生物流を希釈NaOH又はKOH溶液で処理して加水分解性のシランを除去する。次に、処理したガスを活性炭と接触させ、そしてこれが塩化メチルを吸着する。この塩化メチルを熱による脱着によって活性炭から回収する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シラン類を含む副生物流を処理するための方法である。本発明の方法は、(A)式Mex SiH4-x (この式のMeはメチル基であり、x=0〜2である)により表される低沸点ヒドロシランを含む副生物流を塩素化触媒の存在下で少なくとも理論量の塩化水素と接触させて、それによりクロロシランを含む変性された副生物流を作る工程、(B)この変性された副生物流を活性炭と接触させて当該クロロシランを吸着する工程、そして(C)低沸点ヒドロシラン含有量の減少した最終の副生物流を回収する工程を含む。
【0010】
本発明において有効である副生物流は、メチルクロロシラン類製造のための工業的方法に関連する液体及び気体の副生物流でよい。好ましいのは、副生物流が気体混合物である場合である。そのような工業的方法には、例えば、塩化メチルをケイ素メタロイドと反応させるための直接法、蒸留プロセス、凝縮プロセス及び再分配プロセスが含まれる。副生物流は、漏れ、ガス抜き、パージあるいはメチルクロロシラン類を製造及び加工処理するための装置を必要とするその他の同様の操作に由来するものであってもよい。
【0011】
本発明の方法において有効である典型的な副生物流の組成は、この明細書に提示された実施例に記載されている。この副生物流は、式Mex SiH4-x (この式のMeはメチル基であり、x=0、1又は2である)により表される群から選ばれた低沸点ヒドロシランを含有しなくてはならない。この低沸点ヒドロシランは、シラン(SiH4 )、メチルシラン(MeSiH3 )、ジメチルシラン(Me2 SiH2 )及びそれらの混合物でよい。好ましいのは、低沸点ヒドロシランがメチルシラン、ジメチルシラン及びそれらの混合物からなる群より選ばれる場合である。
【0012】
この低沸点ヒドロシランのほかに、副生物流はより高沸点のヒドロシラン類、例えばトリメチルシラン(Me3 SiH)、メチルクロロシラン(MeH2 SiCl)、ジメチルクロロシラン(Me2 HSiCl)及びメチルジクロロシラン(MeHSiCl2 )といったもの、を含有してもよい。これらの高沸点ヒドロシランは、本発明の方法でもって塩素化して沸点を上昇させ、そして凝縮といったようなプロセスによるそれらの回収を容易にすることもできる。
【0013】
副生物流は、テトラメチルシラン、及びメチルクロロシラン類、すなわちトリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、そしてメチルトリクロロシランを含有することができる。副生物流はまた、塩化メチル、短鎖の炭化水素、及び窒素のような不活性ガスを含有することもできる。
【0014】
塩素化触媒の存在下での塩化水素によるヒドロシラン類の塩素化は、発熱量の多い非常に速い反応である。従って、塩素化プロセスが行われる反応器における熱の良好な制御を可能にするために、副生物流は、低沸点ヒドロシラン類と高沸点ヒドロシラン類を含めた全ヒドロシラン類を1モル%未満含むことが好ましい。より一層好ましいのは、副生物流が0.5モル%未満のヒドロシラン類を含む場合である。必要ならば、副生物混合物を窒素のようなガスで、あるいはヒドロシラン類の量がより少ないほかの副生物流で、希釈することができる。
【0015】
低沸点ヒドロシランを含む副生物流を、塩素化触媒の充填床の存在下で塩化水素と接触させるのが好ましい。低沸点ヒドロシランを含む副生物流の供給量は、広い範囲内で変えることができ、触媒の種類あるいは濃度や、副生物流中のヒドロシラン類の濃度といったような要素に依存する。副生物流についての有効な供給量に関する指標は、この明細書の実施例に示されている。
【0016】
塩化水素は、ヒドロシランの塩素化のための塩素源として本発明の処理工程に供給される。塩化水素は、副生物流に存在しているケイ素に結合した全水素に関して少なくとも理論量で、本発明の処理工程に供給されることが好ましい。それより少量の塩化水素を処理工程に供給してもよいが、そうするとメチルシランとジメチルシランの転化率が低下することになりかねない。処理工程に加えることができる塩化水素の最大量は、一般には経済上の検討により制限されるに過ぎない。
【0017】
本発明の方法は塩素化触媒を必要とし、そしてそれはケイ素に結合した水素原子を塩素原子で置換するのを促進することができるいずれの元素又はその化合物でもよい。本発明の方法において有効な塩素化触媒は、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、ニッケル、オスミウム、イリジウム、及びそれらの化合物からなる群より選ぶことができる。好ましい触媒は、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム及びニッケル、並びにこれらの金属のうちのいずれかのものの化合物からなる群から選ばれる。「化合物」という用語は、無機化合物、例として金属塩や金属酸化物といったものも、有機金属化合物も包含する。
【0018】
金属あるいは金属化合物は固体の担体に担持されるのが好ましい。固体の担体は、適当な大きさと、そして金属又は金属化合物に対して適当な親和力の、任意の不活性物質でよく、例えば粒状の炭素あるいはシリカでよい。好ましい支持体は炭素である。より好ましいのは、表面積が1000m2 /gの炭素である。金属又は金属化合物は、固体支持体上に0.05〜10重量%の濃度で存在するのが好ましい。より好ましいのは、金属又は金属化合物が0.1〜1重量%の範囲内の濃度で固体支持体上に存在する場合である。発明者らは、0.05重量%未満の金属又は金属化合物濃度はヒドロシランと塩化水素との反応を促進するかもしれないが、より低い転化率とより長い滞留時間により証明されるように反応の効率が低下するであろうと信じる。逆に、担体材料の10重量%より高い金属又は金属酸化物濃度を利用してもよいが、ニッケルの場合を除いて有意の利益は認められない。ニッケル及びニッケル化合物についての有効な濃度範囲は、担体材料の5〜15重量%である。とは言え、固体担体上のニッケル及びニッケル化合物の好ましい濃度は10重量%である。
【0019】
担持されていない、上記の金属及び金属化合物も、本発明の方法において同等の触媒として機能することができる。不担持触媒は、例えば微細に分割された粒子でよい。不担持触媒について有効な濃度範囲は500〜10,000ppmである。もっと高い濃度の触媒が本発明の方法において効果があるとは言え、利点は認められない。500ppm未満の濃度の触媒は効果があるかもしれないが、転化速度がもっとゆっくりであろう。
【0020】
本発明の方法で使用するのに好ましい塩素化触媒は、炭素に担持されたパラジウムである。より一層好ましいのは、パラジウムと炭素を一緒にした重量を基にして、炭素に担持された0.1〜1重量%のパラジウムを含む塩素化触媒である。
【0021】
特許請求の範囲に記載された方法の塩素化反応は、周囲温度で行うことができそして反応器とその内容物を高温に温度上昇させる大量の熱を発生することができる非常に速い発熱反応である。従って、反応器内の熱を安全なレベルに制御するために、副生物流中のヒドロシランのモル百分率を制限することが望ましかろう。一般には、塩素化反応は30〜1000℃の範囲内の温度で行うことができる。好ましい温度は50〜800℃の範囲内である。最も好ましいのは200〜500℃の範囲内の温度である。
【0022】
本発明の方法の工程(A)では、低沸点ヒドロシランを塩素化してクロロシランを生成させる。このほかに、副生物流に存在していることがある他の高沸点ヒドロシランも塩素化される。塩素化工程(A)の後に、且つクロロシランを含んでいる変性された副生物流を活性炭と接触させる前に、この変性された副生物流を低温の凝縮器を通過させるのが好ましい。この低温凝縮器はクロロシラン類を凝縮させるのに使用される通常の設計のものでよい。凝縮によって変性副生物流中に存在しているクロロシランの濃度を低下させることにより、クロロシランの漏出が起きる前に活性炭が処理することができる副生物流の容量が大きく増加する。
【0023】
中間での縮合工程を行ったあるいは行わなかった、クロロシランを含む変性副生物流を、クロロシランを吸着するため活性炭と接触させる。発明者らは、活性炭は、低沸点ヒドロシランを除いて、すなわちメチルシラン、ジメチルシラン及びシラン(SiH4 )を除いて、この明細書に記載されたような副生物流に含有されている全てのシランについての良好な吸着剤であることを見いだした。本発明の方法は、これらの低沸点ヒドロシランを活性炭によって容易に吸着されるクロロシランに変える。従って、本発明の方法から、低沸点のヒドロシランを含めてシラン類を本質的に含まない最終の副生物流が回収される。
【0024】
変性された副生物流を活性炭と接触させて、工程(A)の間に生成されたクロロシランも副生物流中に存在するいずれの他のシランも吸着する。活性炭の物理的な形態は本発明にとって重要でなく、それは例えばフレーク、チップ、ペレット及び粉体であることができる。「活性炭」とは、内部が多孔性である、炭素の微結晶性非グラファイト形態を意味し、この炭素は活性炭を製造するための当該技術分野において知られている標準的方法、例えば、Kirk−Othmer,Concise Encyclopedia of Chemical Technology, John Wiley & Sons Publishers, 1985, p.204−205に記載されているような化学的な活性化又はガス活性化によって活性化されたものである。活性炭は、例えば、ビチューメン質の石炭系活性炭又はヤシ殻系の活性炭でよい。好ましい活性炭はビチューメン質の石炭系活性炭である。
【0025】
好ましい方法においては、変性された副生物流を温度スイング吸着(TSA)様式で運転される活性炭の1以上の充填床と接触させる。例えば、変性された副生物流を、活性炭がシランでほぼ飽和され、この変性副生物流を第二の活性炭充填床にそらせるまで、第一の活性炭充填床を通過させる。次に、ほぼ飽和した活性炭の床を活性炭からシランを脱着させる温度まで加熱し、不活性のスイープガス、例えば窒素のようなものを活性炭床を通過させて、この床からシランを回収する。シランの脱着を果たすための好ましい温度は180℃より高い。一層好ましいのは200〜250℃の範囲内の温度である。この際に、活性炭床を吸着モードと脱着モードとを交互に繰り返させながら、変性された副生物流を活性炭床間で切り換え、それにより連続プロセスにすることができる。
【0026】
低沸点ヒドロシラン含有量の低下した最終の副生物流が回収される。「回収」とは、低沸点ヒドロシラン含有量の低下した最終の副生物流を活性炭から分離することを意味する。回収は、例えば副生物流を活性炭の充填床を通過させることでなされる。
【0027】
クロロシラン含有量の低下した最終の副生物流は、焼却といったような方法により更に処理される。焼却装置はまた、熱交換エレメントが設けられたエネルギー回収装置として機能することもできる。最終の副生物流におけるシラン類の減少は、この後者の焼却処理の際に生成される、焼却装置に付着して伝熱効率を低下させかねない熱分解シリカの量を減らす。
【0028】
【実施例】
本発明を例示するために以下の例を提供する。これらの例は特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定しようとするものではない。
【0029】
〔例1〕
炭素に担持されたパラジウム触媒の存在下においてガス速度がヒドロシランの塩素化に及ぼす効果を評価するため、一連の実験を行った。
【0030】
反応器は、炭素に0.1重量%のパラジウムが担持された触媒(米国ニュージャージー州IselinのEnglehard Corporation)のおよそ38cmのカラムを詰めた内径が1.3cmのステンレス鋼の管を含むものであった。この反応器は保温せず、且つ加熱しなかった。各実験ごとに、表1に記載した平均組成の気体の副生物流を、表2に報告されているガス速度で反応器の上部へ供給した。この反応器へ、当該気体混合物に存在しているケイ素に結合した水素に関して理論上100%過剰にして、塩化水素を供給した。反応器の内部温度を熱電対で監視した。各実験ごとに到達した最高温度を表2で報告する(最終温度)。反応器からの流出物を水素炎イオン化検出器を使用するガスクロマトグラフィー(GC−FID)により分析した。副生物流中の全ケイ素−水素結合の減少率(Si−H転化率)と、MeSiH3 及びMe2 SiH2 を合わせたものの減少率(MeSiH3 +Me2 SiH2 転化率)も、表2で報告される。
【0031】
【表1】
Figure 0003795579
【0032】
【表2】
Figure 0003795579
【0033】
〔例2〕
反応器を予熱することが炭素に担持されたパラジウム触媒の存在下でのヒドロシランの塩素化に及ぼす効果を評価するため、一連の実験を行った。
【0034】
これらの実験は、例1で説明したのと同様の炭素に担持されたパラジウム触媒を入れた反応器で行った。この一連の実験については、反応器を保温した。反応器は表3の温度まで予熱した。表1に記載した組成の気体の副生物流を予熱した反応器へ26.5cm/sの速度で供給した。反応器へ、当該気体混合物に存在しているケイ素に結合した水素に関して理論上100%過剰にして、塩化水素を供給した。反応器の内部温度を例1で説明したように監視した。それらは表3で報告される。反応器からの流出物をやはりGC−FIDにより分析した。副生物混合物中の全ケイ素−水素結合の減少率(Si−H転化率)と、MeSiH3 及びMe2 SiH2 を合わせたものの減少率(MeSiH3 +Me2 SiH2 転化率)を表3で報告する。
【0035】
【表3】
Figure 0003795579
【0036】
〔例3〕
塩化水素濃度が炭素に担持されたパラジウム触媒の存在下に周囲温度でのヒドロシランの塩素化のための反応の開始に及ぼす効果を評価した。この実験のために使用した反応器と炭素に担持されたパラジウム触媒は、例1で報告されたものと同様であった。表4に報告されている組成と同様の組成の副生物流を46cm/sのガス速度で反応器へ供給した。最初に、塩化水素ガスをわずかに理論量より少ない(ケイ素に結合した水素に関して)濃度で反応器へ供給した。反応器の温度上昇がないことにより判断されるように、反応は認められなかった。次に、塩化水素ガスを理論上10%過剰にして反応器へ供給したが、温度上昇は起こらなかった。塩化水素の供給を増加させて理論上100%過剰にした。反応器の温度は、30分かけて34℃から52℃へゆっくり上昇した。この時点で反応器の流出物の試料を採取し、GC−FIDで分析して、流出物においてケイ素に結合した水素の減少が本質的にないことが示された。およそ5分後に、反応器の温度は急速に上昇し始め、15分で163℃のピークに達し、その後149℃に低下した。反応器からの流出物の試料を反応器の温度がピークに達してから採取し、GC−FIDで分析した。この試料は、全ケイ素結合水素が93%減少しており、そしてMe2 SiH2 とMeH2 SiClが100%減少していた。
【0037】
〔例4〕
ビチューメン質の石炭系活性炭が温度スイング吸着(TSA)法においてシランを吸着する能力を評価した。内径5.1cm(2インチ)の炭素鋼カラムの中に高さがおよそ2.5mの活性炭充填床を作った。この活性炭は4×10メッシュのビチューメン質石炭系活性炭(米国ペンシルベニア州ピッツバーグのCalgon社)であった。表4に記載したのと同様の組成の副生物流を3cm/sの速度でカラムへ供給した。吸着を室温で行った。カラムからの流出物をGC−FIDで監視した。本質的に、Me4 Si、Me3 SiH、Me2 HSiCl、MeHSiCl2 、Me3 SiCl、MeSiCl2 及びMe2 SiCl2 の全部を、漏出が起きるまで副生物流から吸着した。ヒドロシランMeSiH3 とMe2 SiH2 は、活性炭によってわずかに吸着されただけであった。漏出が起きてから、175℃の温度に加熱し次いで活性炭床に窒素を流して活性炭床を脱着した。この脱着処理からの流出物を凝縮により回収して秤量した。吸着/脱着処理を合計で7サイクル繰り返して、活性炭がシランを吸着する能力の変化は最小限であった。この活性炭が副生物ガスから各種化合物を吸着する平均容量を測定すると、活性炭1g当たり0.32gであった。
【0038】
【表4】
Figure 0003795579
【0039】
〔例5〕
ヤシ殻系活性炭が温度スイング吸着法においてシランを吸着する能力を評価した。この活性炭は6×8メッシュのヤシ殻系炭素(米国ニューヨーク州LockportのChemical Design Inc.)であった。例4で説明したのと同様の活性炭充填床を作った。例4で説明したのと同様の組成の副生物流を3cm/sの速度でカラムへ供給した。吸着を室温で行った。カラムからの流出物をGC−FIDで監視した。本質的に、Me4 Si、Me3 SiH、Me2 HSiCl、MeHSiCl2 、Me3 SiCl、MeSiCl2 及びMe2 SiCl2 の全部を、漏出が起きるまで副生物流から吸着した。ヒドロシランMeSiH3 とMe2 SiH2 は、活性炭へわずかに吸着されただけであった。漏出が起きてから、175℃の温度に加熱し次いで活性炭床に窒素を流して活性炭床を脱着した。この脱着処理からの流出物を凝縮により回収して秤量した。吸着/脱着処理を合計で10サイクル繰り返して、活性炭がシランを吸着する能力の変化は最小限であった。このヤシ殻系活性炭が副生物ガスから各種化合物を吸着する平均容量は、活性炭1g当たり0.26gと測定された。

Claims (3)

  1. (A)式Mex SiH4-x (この式のMeはメチル基であり、x=0〜2である)により表される低沸点ヒドロシランを含む流れを塩素化触媒の存在下で少なくとも理論量の塩化水素と接触させて、それによりクロロシランを含む変性された流れを作る工程、(B)この変性された流れを活性炭と接触させて当該クロロシランを吸着する工程、そして(C)低沸点ヒドロシラン含有量の減少した最終の流れを回収する工程を含む、シラン類を含む流れの処理方法。
  2. 前記低沸点ヒドロシランを含む流れを前記塩素化触媒の充填床と接触させる、請求項1記載の方法。
  3. 前記塩素化触媒を固体の担体に担持させる、請求項1記載の方法。
JP15569496A 1995-06-15 1996-06-17 シラン類を含む流れの処理方法 Expired - Fee Related JP3795579B2 (ja)

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