JP3791898B2 - ラミネート方法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、回路付サスペンション基板の最終工程の基材上にフィルムをラミネートするラミネート方法、詳しくは、回路付サスペンション基板の最終工程の基材上にドライフィルムレジストなどをラミネートするラミネート方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フレキシブル配線回路基板や回路付サスペション基板などの配線回路基板の製造工程の途中において、例えば、ステンレス箔などからなる金属支持層、ポリイミドフィルムなどからなる絶縁層、または、銅箔などからなる導体層などが、単層または多層として積層されている各種の基材に、めっきにより導体回路パターンを形成する場合や、エッチングにより所定のパターンを形成する場合には、めっきレジストやエッチングレジストなどのドライフィルムレジストを、基材上にラミネートして、そのラミネートされたドライフィルムレジストを所定のパターンに加工することによって、めっきやエッチングをしないその他の部分を被覆するようにした後、そのドライフィルムレジストをレジストとして、めっきを行なったり、基材をエッチングしたりしている。
【0003】
このようなドライフィルムレジストを基材上にラミネートする工程においては、ラミネートしたドライフィルムレジストと基材との間に、気泡溜まりが生じて、パターンの形状不良を生じる場合がある。
【0004】
そのため、そのような気泡溜まりが生じないように、ドライフィルムレジストを基材上にラミネートする方法として、従来より、例えば、ヒートロールを備える真空ラミネータを用いて、減圧雰囲気下において、ヒートロールによって、加熱しつつ加圧する方法、例えば、複数のヒートロールを備える多段ラミネータを用いて、常圧雰囲気下において、複数のヒートロールによって、多段で、加熱しつつ加圧する方法、例えば、基材上にドライフィルムレジストをラミネートした後、オートクレーブを用いて、高温高圧雰囲気下で一定時間保持する方法などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ヒートロールを備える真空ラミネータを用いる方法では、気泡溜まりの発生を低減することはできるが、パターンによっては、大きな気泡溜まりを生じる場合がある。また、多段ラミネータを用いる方法では、確かに1段目よりも2段目の方が気泡溜まりが低減するが、その効果は小さい。さらに、オートクレーブを用いる方法では、気泡溜まりをかなり減少させることができるが、処理に時間がかかり、また、一度に処理できる量が少ない。
【0006】
一方、近年においては、配線回路基板の高密度化や小型化が進み、それに伴なって、金属支持層、絶縁層または導体層などからなる基材も、様々の仕様のものが要求されるようになってきており、例えば、数十μmを超える段差を有する基材に、ドライフィルムレジストをラミネートしなければならない場合も多く、そのような場合には、その段差の部分において、ドライフィルムレジストが基材上に良好に密着せずに気泡溜まりを生じてしまい、上記した方法では、そのような気泡溜まりを効率的に低減することがきわめて困難な場合も多い。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、回路付サスペンション基板の最終工程の基材上にフィルムをラミネートする工程において、簡易な構成によって、フィルムと基材との間に生じる気泡溜まりを低減して、良好なラミネートを実現し得る、ラミネート方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、回路付サスペンション基板の最終工程の基材上にフィルムをラミネートするラミネート方法であって、前記基材は、金属支持層の上にベース絶縁層が形成され、前記ベース絶縁層の上に導体層が形成され、前記導体層がカバー絶縁層によって被覆され、前記金属支持層の上面と前記カバー絶縁層の上面との間には、10〜50μmの段差が形成されており、減圧雰囲気下において、前記フィルムを、少なくとも前記段差上に重ねて、前記段差に対して直交する方向にラミネートするように、加熱しつつ押圧する第1の工程、および、前記第1の工程においてフィルムが重ねられた基材を、前記第1の工程におけるフィルムの積層後、200秒以内に、常圧雰囲気下において、前記段差に対して直交する方向に、加熱しつつ押圧する、または、加熱する第2の工程を含んでいることを特徴としている。
【0009】
このような方法では、第1の工程において、減圧雰囲気下で、基材の少なくとも段差上にフィルムが重ねられた後、その段差に対して直交する方向にラミネートするように、加熱しつつ押圧されるので、フィルムと基材との間に気泡溜まりが生じると、その気泡溜まりの内部は引圧状態となる。そして、第2の工程において、第1の工程におけるフィルムの積層後、200秒以内に、常圧雰囲気下で、その段差に対して直交する方向に、加熱しつつ押圧するか、または、加熱すれば、その気泡溜まりを被覆するフィルムが流動して、基材に良好に密着される。したがって、このラミネート方法では、たとえ、フィルムと基材との間に気泡溜まりが生じても、その気泡溜まりを、簡易な方法によって、効率的に低減することができ、良好なラミネートを実現することができる。
【0011】
基材に段差が形成されていると、その基材上にフィルムを重ねて加熱しつつ押圧しても、その段差の低い部分において、フィルムが基材上に良好に密着せず、どうしても気泡溜まりを生じる場合があるが、そのような場合においても、本発明のラミネート方法によれば、第2の工程において、フィルムを基材に密着させて、そのような気泡溜まりを効率的に低減することができる。そのため、本発明のラミネート方法では、10〜50μmの段差が形成されている回路付サスペンション基板の最終工程の基材であっても、その段差部分においてフィルムを良好にラミネートすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のラミネート方法に用いるラミネート装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【0017】
図1において、このラミネート装置には、真空ラミネータ1と、第2ヒートロール2と、上側フィルム5および下側フィルム7がラミネートされる基材10を巻き取るための巻取ロール3とが、基材10の巻取方向おける上流側から下流側に沿って、順次、設けられている。
【0018】
真空ラミネータ1は、真空槽4と、その真空槽4内に、上側フィルム5が巻回されている上側巻回ロール6と、下側フィルム7が巻回されている下側巻回ロール8と、第1ヒートロール9とを備えている。
【0019】
真空槽4は、槽内が減圧されるように、図示しない真空ポンプなどが接続されるとともに、基材10を通過させるための上流側通過口11および下流側通過口12が、本体の前壁および後壁に、それぞれ開口形成されている。また、上流側通過口11の上流側近傍および下流側通過口12の下流側近傍には、真空槽4内の真空度を保持するための上流側真空シールロール13および下流側真空シールロール14がそれぞれ設けられている。
【0020】
上側巻回ロール6および下側巻回ロール8は、真空槽4内を通過する基材10を挟んで、所定の間隔を隔てて上下方向に対向配置されている。上側巻回ロール6には、基材10の上側をラミネートするための上側フィルム5が巻回されており、また、下側巻回ロール8には、基材10の下側をラミネートするための下側フィルム7が巻回されている。
【0021】
第1ヒートロール9は、互いに対向する1対の上側ロール15および下側ロール16からなり、真空槽4内における上流側通過口11および下流側通過口12を結ぶ直線上に配置されている。上側ロール15および下側ロール16は、図示しないヒータによって加熱されており、その加熱された状態で、基材10を挟み込んで、その基材10を送りながら、加熱しつつ押圧するように構成されている。
【0022】
また、上側ロール15には、その上方に配置される上側巻回ロール6からの上側フィルム5が引き出されており、また、下側ロール16には、その下方に配置される下側巻回ロール8からの下側フィルム7が引き出されている。そして、上側ロール15で、上側フィルム5を基材10の上側に重ね合わせた状態で押圧するとともに、下側ロール16で、下側フィルム7を基材10の下側に重ね合わせた状態で押圧するように構成されている。
【0023】
第2ヒートロール2は、真空ラミネータ1に対して、基材10の巻取方向おける下流側に配置され、互いに対向する1対の上側ロール17および下側ロール18を備えている。上側ロール17および下側ロール18は、図示しないヒータによって加熱されており、その加熱された状態で、上側フィルム5および下側フィルム7が積層された基材10を挟み込んで、その基材10を送りながら、加熱しつつ押圧するように構成されている。
【0024】
また、巻取ロール3は、第2ヒートロール2に対して、基材10の巻取方向おける下流側に配置され、真空ラミネータ1によって、上側フィルム5および下側フィルム7が積層され、第2ヒートロール2によって、それらが加熱しつつ押圧された基材10を巻き取るようにしている。
【0025】
次に、このようなラミネート装置を用いて、基材10に、上側フィルム5および下側フィルム7をラミネートする方法について説明する。
【0026】
基材10としては、回路付サスペンション基板の最終工程の基材が用いられる。
【0027】
また、上側フィルム5および下側フィルム7としては、例えば、基材10上にめっきにより導体回路パターンを形成するためのめっきレジストや、基材10にエッチングによりパターン化するためのエッチングレジストなどのドライフィルムレジストなどが用いられる。このようなドライフィルムレジストは、例えば、軟化点が、80〜130℃、好ましくは、100〜115℃の感光性のホットメルト樹脂によって形成されており、後の工程において、露光および現像するフォトリソグラフ法によって、所定のパターンに加工できるものが用いられる。
【0028】
また、上側フィルム5および下側フィルム7としては、ドライフィルムレジストの他に、例えば、後述するベース絶縁層32やカバー絶縁層34を形成するための絶縁フィルムや、基材10の各層を接合するための粘着フィルムなど、基材10を構成する各種のフィルムであってもよい。
【0029】
また、この方法は、図2(a)に示すように、回路付サスペンション基板を製造する最終工程において、適用することができる。すなわち、図2(a)において、この基材10は、回路付サスペンション基板の最終工程の基材であって、金属支持層31上に所定のパターンでベース絶縁層32が形成され、そのベース絶縁層32上に導体層33が所定の導体回路パターンとして形成され、さらに、その導体層33がカバー絶縁層34によって被覆されており、金属支持層31の上面とカバー絶縁層34の上面との間には、ベース絶縁層32、導体層33およびカバー絶縁層34の厚さ分の10〜50μmの大きな段差36が形成されている。
【0030】
そして、この回路付サスペンション基板の最終工程では、図2(b)に示すように、ドライフィルムレジストからなる上側フィルム5および下側フィルム7をこの基材10の両面にラミネートした後、図2(c)に示すように、上側フィルム5および下側フィルム7を、露光および現像するフォトリソグラフ法によって、所定のパターンに加工した後、図2(d)に示すように、上側フィルム5および下側フィルム7をレジストとして、金属支持層31を所定のパターンにエッチングする。
【0031】
そして、まず、この方法では、第1の工程として、真空ラミネータ1の真空槽4内を、例えば、10KPa以下、好ましくは、1.5KPa以下の減圧雰囲気とした後、例えば、約90〜130℃、好ましくは、約100〜110℃に加熱された上側ロール15で、上側フィルム5を基材10の上側の少なくとも段差上に重ね合わせた状態で、段差に対して直交する方向にラミネートするように、加熱しつつ押圧するとともに、同じく、例えば、約80〜120℃、好ましくは、約100〜110℃に加熱された下側ロール16で、下側フィルム7を基材10の下側に重ね合わせた状態で加熱しつつ押圧することにより、基材10の上側および下側に、上側フィルム5および下側フィルム7を重ね合わせて積層する。なお、この第1ヒートロール9の押圧力は、例えば、0.2〜0.5MPaとなるように設定されている。
【0032】
また、このようにして上側フィルム5および下側フィルム7が重ね合わされた基材10において、とりわけ、図2(a)に示すような、10〜50μmの大きな段差36を有する基材10では、第1ヒートロール9によって、上側フィルム5を基材10上に加熱しつつ押圧しても、その段差36の近傍の低い部分である金属支持層31の表面には、上側フィルム5が良好に密着せず、図2(b)に示すように、気泡溜まり35を生じやすくなる。
【0033】
すなわち、このような気泡溜まり35は、例えば、図3(a)に示すように、積層時において、第1ヒートロール9が段差36を乗り上げる時に、第1ヒートロール9の硬度や、段差36に対する上側フィルム5のラミネート方向37などに起因して、上側フィルム5が段差36の角部まで十分に充填されず、その結果、段差36の近傍にその段差36に沿った線状の隙間42が残り、次いで、図3(b)に示すように、第1ヒートロール9が段差36に乗り上がった時に、その上側フィルム5が押し戻されるとともに、表面張力の作用によって、その直線状の隙間が丸状となることにより形成される。そして、段差36に積層された上側フィルム5は、第1ヒートロール9から送り出されるとすぐに冷えてしまうので、上側フィルム5は、その内部が引圧状態となる気泡溜まり35を生じたまま流動性を失って、その気泡溜まり35を被覆する部分において残留応力が生じるようになる。
【0034】
このようにして生じた気泡溜まり35は、例えば、図2(c)に示すように、上側フィルム5および下側フィルム7を所定のパターンに加工して、下側フィルム7に金属支持層31のエッチング部分38を形成した時に、そのエッチング部分38に重なっていると、エッチング部分38の周りも上側フィルム5によって被覆されない状態となるため、図2(d)に示すように、金属支持層31を所定のパターンにエッチングする時においては、そのエッチング部分38の周りもエッチングされてしまい、パターンの形状不良を生じる。
【0035】
また、このような気泡溜まり35は、上記したように、第1ヒートロール9が段差36を乗り上げる時に生じるので、例えば、図4に示すような回路付サスペンション30においては、そのラミネート方向37に対して直交する部分39において、特に発生しやすく、その他のラミネート方向37に沿う部分40や、ラミネート方向37に対して傾斜する部分41においては、発生しにくい。
【0036】
次いで、この方法では、第2の工程として、常圧雰囲気において、上側フィルム5および下側フィルム7の軟化点以上、例えば、約90〜130℃、好ましくは、約100〜110℃に加熱された第2ヒートロール2の上側ロール17および下側ロール18で、上側フィルム5および下側フィルム7が積層された基材10を挟み込んで、その基材10を送りながら、段差に対して直交する方向に、加熱しつつ押圧する。なお、この第2ヒートロール2の押圧力は、例えば、0.2〜0.5MPaとなるように設定されている。
【0037】
このように、常圧雰囲気下において、上側フィルム5および下側フィルム7の軟化点以上に加熱しつつ押圧すれば、上側フィルム5および下側フィルム7が熱によって再び流動するので、段差36の近傍に発生した気泡溜まり35は、その内部が引圧状態となっていることから、残留応力の緩和によって押しつぶされて、例えば、図3(c)に示すように、パターンの形成に影響がない程度に収縮される。
【0038】
そのため、このようなラミネート方法によれば、たとえ、上側フィルム5および下側フィムル7と基材10との間、とりわけ、段差36の近傍に、気泡溜まり35が生じても、その気泡溜まり35を、簡易な方法によって、効率的に低減することができ、良好なラミネートを実現することができる。したがって、めっき時やエッチング時において、良好なパターンを形成することができる。
【0039】
また、このようなラミネート方法では、第2の工程において、とりわけ、上側フィルム5を流動させて、気泡溜まり35を収縮させればよいため、例えば、第2ヒートロール2に代えて、図5に示すように、加熱手段および温風加熱ヒータとしてブロワ19を用い、圧力をかけずに、段差に対して直交する方向に加熱するのみでもよい。すなわち、図5に示すラミネート装置では、ブロワ19が、真空ラミネータ1に対して、基材10の巻取方向おける下流側において、基材10の上方に配置されている。このブロワ19は、温風の吹出口20が下向きとされ、上側フィルム5に向けて温風を吹き出すように構成されている。
【0040】
そのため、図5に示すラミネート装置を用いた場合には、第2の工程では、常圧雰囲気において、ブロワ19によって、上側フィルム5の軟化点以上、例えば、約150〜200℃、好ましくは、約160〜180℃に加熱された温風が、その吹出口20から、基材10の上側フィルム5に吹き付けられる。そうすると、上側フィルム5が熱によって再び流動するので、段差36の近傍に発生した気泡溜まり35は、その内部が引圧状態となっていることから、残留応力の緩和によって押しつぶされて、上記と同様に、例えば、図3(c)に示すように、パターンの形成に影響がない程度に収縮される。
【0041】
さらに、例えば、第2ヒートロール2に代えて、図6に示すように、加熱手段として赤外線または遠赤外線のヒータ21を用いてもよい。すなわち、図6に示すラミネート装置では、ヒータ21が、真空ラミネータ1に対して、基材10の巻取方向おける下流側において、基材10の上方に配置されている。このヒータ21は、赤外線または遠赤外線の放射面22が下向きとされ、上側フィルム5に向けて赤外線または遠赤外線を放射するように構成されている。
【0042】
そのため、図6に示すラミネート装置を用いた場合には、第2の工程では、常圧雰囲気において、ヒータ21によって、赤外線または遠赤外線が、基材10の上側フィルム5に照射される。そうすると、上側フィルム5が、熱によって軟化点以上になると再び流動するので、段差36の近傍に発生した気泡溜まり35は、その内部が引圧状態となっていることから、残留応力の緩和によって押しつぶされて、上記と同様に、例えば、図3(c)に示すように、パターンの形成に影響がない程度に収縮される。
【0043】
なお、この方法では、真空ラミネータ1において、基材10の上側および下側に、上側フィルム5および下側フィルム7を重ね合わせて積層した後、なるべく早く、第2ヒートロール2によって加熱しつつ押圧する(または、ブロワ19やヒータ21によって加熱する)ことが好ましい。基材10の上側および下側に、上側フィルム5および下側フィルム7を重ね合わせて積層した後、一定時間が経過すると、大気から上側フィルム5を浸透して気泡溜まり35に空気が入り、第2ヒートロール2で加熱しつつ押圧(または、ブロワ19やヒータ21によって加熱)しても、気泡溜まり35が良好に収縮されない場合がある。
【0044】
そのため、より具体的には、真空ラミネータ1において、基材10の上側および下側に、上側フィルム5および下側フィルム7を重ね合わせて積層した後、200秒以内に、第2ヒートロール2によって、段差に対して直交する方向に、加熱しつつ押圧(または、ブロワ19やヒータ21によって加熱)する。
【0045】
また、第2の工程においては、ブロワ19や赤外線または遠赤外線のヒータ21を用いて加熱のみを行なうよりも、第2ヒートロール2を用いて、段差に対して直交する方向に、加熱しつつ加圧する方が、より気泡溜まり35を収縮させることができるが、ブロワ19や、赤外線または遠赤外線のヒータ21を用いた場合には、それらの装置は、基材と接触しないのでメンテナンスが容易となる。
【0047】
また、上記の説明では、基材10の両面に上側フィルム5および下側フィルム7をラミネートしたが、その目的および用途によって、上側フィルム5のみをラミネートしてもよく、また、このラミネート装置において、基材10は、真空ラミネータ1および第2ヒートロール2(または、ブロワ19やヒータ21)を通過できればよく、巻取ロール3によって巻き取る構成に代えて、その他の基材10の搬送手段を用いて、基材10を、真空ラミネータ1および第2ヒートロール2(または、ブロワ19やヒータ21)に搬送するようにしてもよい。
【0048】
【実施例】
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されることはない。
【0049】
実施例1
厚さ25μmのステンレス箔上に、ポリアミック酸樹脂の溶液を塗工し、乾燥後、350℃でイミド化させることにより、厚さ10μmのポリイミドからなるベース絶縁層を形成した。次いで、ベース絶縁層上に、厚さ10μmの銅からなる導体層を、セミアディティブ法により所定の導体回路パターンとして形成した後、その導体層上に、ポリアミック酸樹脂の溶液を塗工し、乾燥後、350℃でイミド化させることにより、厚さ4μmのポリイミドからなるカバー絶縁層を形成した。この基材は、図2(a)に示す基材に相当し、24μmの段差が形成された。
【0050】
次いで、この基材の両面に、図1に示すラミネート装置を用いて、ドライフィルムレジストをラミネートした。すなわち、まず、真空ラミネータにおいて、減圧雰囲気下、基材の両面に、ドライフィルムレジストを積層した。この時のラミネート条件は、下記の通りである。
【0051】
ドライフィルムレジスト:軟化点100〜115℃のホットメルト樹脂系ドライフィルムレジスト
真空槽内の真空度:1.5KPa
第1ヒートロールの表面温度:約110℃
第1ヒートロールの圧力:0.4MPa
巻取ロールの搬送速度:0.5m/分
その後、ドライフィルムレジストが積層された基材中に発生した気泡溜まりを光学顕微鏡で観察した。その気泡溜まりの直径は、約140μmであった。また、この基材を水中に沈めて、ドライフィルムレジストにおける気泡溜まりの部分に孔を開けたところ、その内部に水が充填されたので、これによって、気泡溜まりが引圧状態となっていることを確認することができた。
【0052】
次いで、第2ヒートロールによって、ドライフィルムレジストが積層された基材を、下記の条件で加熱しつつ押圧した。
【0053】
第2ヒートロールの表面温度:約110℃
第2ヒートロールの圧力:0.4MPa
巻取ロールの搬送速度:0.5m/分
その後、ドライフィルムレジストが積層された基材中の気泡溜まりを光学顕微鏡で観察した。その気泡溜まりの直径は、約30μmで、約1/5まで収縮していることが確認された。
【0054】
なお、この第2ヒートロールによる加熱および押圧は、別途、真空ラミネータでの積層に連続して行ない、真空ラミネータから送り出された後、約200秒後に第2ヒートロールによって加熱しつつ押圧した。
【0055】
実施例2
図5に示すラミネート装置を用いた以外は、実施例1と同様の操作により、ドライフィルムレジストを基材にラミネートした。なお、ブロワの熱風温度は、約170℃で、その処理時間は、約60秒であった。また、実施例1と同様に、ドライフィルムレジストが積層された基材中の気泡溜まりを光学顕微鏡で観察した。その気泡溜まりの直径は、約37μmであった。
【0056】
実施例3
図6に示すラミネート装置を用いた以外は、実施例1と同様の操作により、ドライフィルムレジストを基材にラミネートした。なお、ヒータは、赤外線ヒータを用い、その処理時間は、約60秒であった。また、実施例1と同様に、ドライフィルムレジストが積層された基材中の気泡溜まりを光学顕微鏡で観察した。その気泡溜まりの直径は、約37μmであった。
【0057】
比較例1
市販の多段ラミネータ装置を用いて、実施例1と同様の基材の両面に、ドライフィルムレジストをラミネートした。なお、この多段ラミネータは、2つのヒートロールを備えており、ラミネートは、常圧雰囲気下において、それぞれのヒートロールで加熱しつつ押圧することを、2回繰り返すことにより行なった。その後、実施例1と同様に、ドライフィルムレジストが積層された基材中の気泡溜まりを光学顕微鏡で観察した。その気泡溜まりは、多数箇所にあり、中には直径200μmを越えるものもあった。
【0058】
比較例2
市販のラミネータ装置を用いて、実施例1と同様の基材の両面に、ドライフィルムレジストをラミネートした後、市販のオートクレーブを用いて、50℃、0.5MPaで保持した。そして、実施例1と同様に、ドライフィルムレジストが積層された基材中の気泡溜まりを光学顕微鏡で観察したところ、気泡溜まりが消失するまでに、1時間以上の長い時間を要した。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のラミネート装置を用いて、本発明のラミネート方法を行なうと、たとえ、フィルムと基材との間に気泡溜まりが生じても、その気泡溜まりを、簡易な方法によって、効率的に低減することができ、良好なラミネートを実現することができる。そのため、10〜50μmの段差が形成されている回路付サスペンション基板の最終工程の基材であっても、その段差部分においてフィルムを良好にラミネートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のラミネート方法に用いるラミネート装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】 回路付サスペンション基板を製造する最終工程を説明するための工程図であって、
(a)は、回路付サスペンション基板の最終工程の基材を示す要部断面図、
(b)は、上側フィルムおよび下側フィルムを、基材の両面にラミネートする工程を示す要部断面図、
(c)は、上側フィルムおよび下側フィルムを、所定のパターンに加工する工程を示す要部断面図、
(d)は、上側フィルムおよび下側フィルムをレジストとして、金属支持層を所定のパターンにエッチングする工程を示す要部断面図である。
【図3】 図2に示す回路付サスペンション基板を製造する最終工程において、気泡溜まりが発生する過程を説明するための要部平面図であって、
(a)は、段差に沿った線状の隙間が生じた状態を示す要部平面図、
(b)は、直線状の隙間が丸状の気泡溜まりとなった状態を示す要部断面図、
(c)は、気泡溜まりが収縮された状態を示す要部断面図である。
【図4】 回路付サスペンション基板における気泡溜まりが発生する部分と、ラミネート方向との関係を説明するための要部平面図である。
【図5】 図1と異なる実施形態のラミネート装置(第2ヒートロールに代えてブロワを備える)を示す概略構成図である。
【図6】 図1と異なる実施形態のラミネート装置(第2ヒートロールに代えて赤外線または遠赤外線ヒータを備える)を示す概略構成図である。
符号の説明】
2 第2ヒートロール
4 真空槽
5 上側フィルム
7 下側フィルム
9 第1ヒートロール
10 基材
19 ブロワ
21 赤外線または遠赤外線ヒータ
36 段差

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  1. 回路付サスペンション基板の最終工程の基材上にフィルムをラミネートするラミネート方法であって、
    前記基材は、金属支持層の上にベース絶縁層が形成され、前記ベース絶縁層の上に導体層が形成され、前記導体層がカバー絶縁層によって被覆され、前記金属支持層の上面と前記カバー絶縁層の上面との間には、10〜50μmの段差が形成されており、
    減圧雰囲気下において、前記フィルムを、少なくとも前記段差上に重ねて、前記段差に対して直交する方向にラミネートするように、加熱しつつ押圧する第1の工程、および、
    前記第1の工程においてフィルムが重ねられた基材を、前記第1の工程におけるフィルムの積層後、200秒以内に、常圧雰囲気下において、前記段差に対して直交する方向に、加熱しつつ押圧する、または、加熱する第2の工程を含んでいることを特徴とする、ラミネート方法。
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