JP3786054B2 - 半導体光素子および半導体レーザ - Google Patents

半導体光素子および半導体レーザ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
発明は、半導体レーザの出射光の形状を制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
GaNをはじめとするIII族窒化物半導体は、InPやGaAsなどの他の化合物半導体に比べ、禁制帯エネルギーが3.4eVと大きい。この性質を利用し、窒素を構成元素として有する半導体(以下、窒化物系半導体という)を用いた素子の開発が精力的に行われている。現在、緑から紫外の比較的短い波長で発光する素子、例えば発光ダイオード(以下、窒化物系発光ダイオードという)や半導体レーザ(以下、窒化物系半導体レーザという)が実現されている(例えば、S. Nakamura et al., Jpn. J. Appl. Phys. 35 (1996) L74など)。
【0003】
《従来例》
図1に、選択成長により作製した従来の窒化物系半導体レーザの概略断面図を示す(特開2000−58981号公報)。図1の窒化物系半導体レーザの半導体層はすべて(0 0 0 1)面を表面とする六方晶である。図1の窒化物系半導体レーザは、n型GaN基板192上に、厚さ0.4μmのn型Al0.07Ga0.93Nクラッド層113、厚さ0.1μmのn型GaN光ガイド層104、厚さ2.5nmのIn0.2Ga0.8N量子井戸層と厚さ5nmのIn0.05Ga0.95N障壁層からなる7周期の多重量子井戸構造活性層105、厚さ0.1μmのp型GaN光ガイド層106、該p型GaN光ガイド層106上に<1−100>方向のストライプ状に形成された、幅4μmの開口部116を挟んで一対の幅15μm、厚さ200nmのSiOマスク115、該SiOマスク115を用いて選択的に形成された厚さ0.4μmのp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層117、厚さ0.2μmのp型GaNコンタクト層118、該p型GaNコンタクト層118上に形成され、かつ前記開口部116と中心が一致する幅18μmの開口部を持ったSiOマスク121、Ni/Auの2層金属からなるp電極122、Ti/Alの2層金属からなるn電極120が形成されている。n型GaN基板192は導電性を有するので、その裏面にn電極120を形成している。
【0004】
図1に示された窒化物系半導体レーザの半導体結晶部分の製造工程においては、まず、減圧(300Torr)有機金属化学気相成長(MOVPE)法により、平坦な面n型GaN基板192上に、n型Al0.07Ga0.93Nクラッド層113、n型GaN光ガイド層104、多重量子井戸構造活性層105、p型GaN光ガイド層106を前記順序で形成した後に、結晶の<1−100>方向に、幅4μmのストライプ状の開口部116を持つSiOマスク115を形成し、しかる後に、MOVPE法により、前記SiOマスク115の開口部116にのみ選択的にp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層117、p型GaNコンタクト層118を形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図1に示した従来の窒化物系半導体レーザには、狭開口部のp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層117のAl組成・厚さの再現性や制御性に欠け、製造安定性の点で課題を有していた。
【0006】
また、上述したような結晶成長技術を用いて製造された半導体レーザの出射端面における出射光の分布は、一般に、結晶成長方向(以下、この方向を「縦」方向という)よりも、結晶成長方向に垂直な方向(以下、この方向を「横」方向という)が長い楕円状の形状となる。しかしながら、DVDの書き込みなどに半導体レーザを用いる場合、スポット形状は真円に近いほど光を効率よく利用することができるため、出射光のスポット形状を真円に近づけるための技術が求められる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0055】
本発明によれば、半導体基板と、該半導体基板よりも上部に形成された六方晶の結晶構造を有する光導波路層と、該光導波路層よりも上部に形成された凸形状を有するリッジ部と、該リッジ部の少なくとも一部を構成するAl Ga 1−x N(0≦x≦1)結晶からなるクラッド層と、前記リッジ部の上面の少なくとも一部に形成された第1のコンタクト電極と、前記半導体基板の下面に形成された第2のコンタクト電極とを備えるリッジ型の窒化物半導体光素子であって、前記光導波路層の等価屈折率が光導波路方向に沿って変化しているとともに、前記クラッド層は、光導波路の端面に接近するにしたがって幅が狭くなるように形成されたテーパー領域を含むことを特徴とする半導体光素子が提供される。
【0056】
ここで、光導波路層は、半導体光素子が発光又は受光した光を導波させるための層であり、光の利得を有する活性層、光を閉じ込めるためのガイド層、キャップ層などを含む。一般に、これらの層は半導体プロセスにより均一な層として形成されるが、上下に隣接する層の影響により、導波する光が実質的に感じる等価屈折率を変化させることができる。これを利用して、半導体光素子をレーザに適用した場合のビームスポットの形状を制御することができる。この半導体光素子において、前記クラッド層は、前記光導波路の端面に接近するにしたがって幅が狭くなるように形成されたテーパー領域を含んでいる。これにより、コンタクト抵抗の増大を抑えつつ、導波ロスの少ない半導体光素子を実現することができる。ここで、図1に示した半導体レーザにおけるクラッド層117のように、結晶成長方向に沿ったクラッド層の幅が一定でない場合は、テーパー領域におけるクラッド層の外縁を、クラッド層のうち光導波路層へ電流を注入する機能を有する部分の外縁としても良いし、クラッド層の最下部の外縁としても良いし、クラッド層のうち光導波路層に最も近い部分の外縁としても良い。この半導体光素子において、前記クラッド層は、前記テーパー領域と前記端面との間に、前記テーパー領域の最も狭い幅で一定幅に形成された領域を更に含んでいても良い。こうすることで、半導体構造を形成した後に、一定幅に形成された領域をへき開して鏡面を形成し、半導体光素子を得る際、多少の機械的誤差があったとしても端面におけるクラッド層の幅を一定にすることができるので、製造安定性に優れる。
【0057】
この半導体光素子において、前記光導波路の端面近傍における前記光導波路層の等価屈折率が、前記光導波路の中央部における前記光導波路層の等価屈折率より大きいことが好ましい。これにより、後述のように、出射光の結晶成長方向の閉じ込めが弱まり、スポット形状が真円に近づく。
【0058】
この半導体光素子において、前記光導波路層の層厚が光導波路方向に沿って変化していても良い。前記光導波路の端面近傍における前記光導波路層の層厚が、前記光導波路の中央部における前記光導波路層の層厚より厚くなるように構成するのが好ましい。
【0059】
この半導体光素子において、前記クラッド層の屈折率が光導波路方向に沿って変化していても良い。前記光導波路の端面近傍における前記クラッド層の屈折率が、前記光導波路の中央部における前記クラッド層の屈折率より大きくなるように構成するのが好ましい。ここで、この半導体光素子は、光の利得を有する活性層を備えた半導体レーザであっても良く、本請求項のクラッド層は、活性層に電流又は光を閉じ込めるために、活性層の上部又は下部、或いは双方に形成される。クラッド層が活性層の上下に設けられる場合、その双方の屈折率が光導波路方向に沿って変化していても良いし、いずれか一方の屈折率が光導波路方向に沿って変化していても良い。なお、クラッド層と活性層は必ずしも隣接していなくても良く、クラッド層と活性層との間に光ガイド層、キャップ層などが形成されていても良い。これらの点については、以下同様である。
【0060】
この半導体光素子において、前記クラッド層の層厚が光導波路方向に沿って変化していても良い。前記光導波路の端面近傍における前記クラッド層の層厚が、前記光導波路の中央部における前記クラッド層の層厚よりも厚くなるように構成するのが好ましい。
【0061】
この半導体光素子において、前記クラッド層のAl組成が光導波路方向に沿って変化していても良い。前記光導波路の端面近傍における前記クラッド層のAl組成が、前記光導波路の中央部における前記クラッド層のAl組成よりも低くなるように構成するのが好ましい。
【0062】
この半導体光素子において、前記クラッド層の幅が光導波路方向に沿って変化していても良い。前記光導波路の端面近傍における前記クラッド層の幅が、前記光導波路の中央部における前記クラッド層の幅よりも狭くなるように構成するのが好ましい。ここで、図1に示した半導体レーザにおけるクラッド層117のように、結晶成長方向に沿ったクラッド層の幅が一定でない場合は、クラッド層の幅を、クラッド層のうち光導波路層へ電流を注入する機能を有する部分の幅としても良いし、クラッド層の最下部の幅としても良いし、クラッド層のうち光導波路層に最も近い部分の幅としても良い。
【0063】
この半導体光素子において、前記光導波路層よりも上部に形成された、ストライプ状の開口部を有するマスクを更に備え、前記クラッド層は、前記開口部から選択成長されても良い。
【0064】
この半導体光素子において、前記光導波路層に注入される電流を狭窄するための電流狭窄層を更に備え、該電流狭窄層の屈折率が光導波路方向に沿って変化していても良い。前記光導波路の端面近傍における前記電流狭窄層の屈折率が、前記光導波路の中央部における前記電流狭窄層の屈折率よりも低くなるように構成するのが好ましい。電流狭窄層は、単層であっても複数の層を含んでいても良い。たとえば、図1に示した半導体レーザにおいては、SiOマスク115が電流狭窄層に相当する。SiOマスク115の屈折率を光導波路方向に沿って変化させることにより、その下に位置する光導波路層の等価屈折率を変化させ、光の閉じ込めの程度を制御することができる。図1に示した半導体レーザはリッジ構造を有するインデックスガイド型であるが、ゲインガイド型、埋め込みヘテロ構造を有するインデックスガイド型などの場合も同様である。
【0065】
この半導体光素子において、前記テーパー領域における前記クラッド層の外縁がなす直線と、前記光導波路方向に平行な直線とのなす角が2度以下であることが好ましい
【0066】
この半導体光素子において、前記光導波路層はIII族窒化物を含む半導体層を含んでも良い。
【0067】
また、本発明によれば、半導体基板と、該半導体基板よりも上部に形成されたIII族窒化物を含み六方晶の結晶構造を有する光導波路層と、該光導波路層よりも上部に形成された凸形状を有するリッジ部と、該リッジ部の少なくとも一部を構成するAl Ga 1−x N(0≦x≦1)結晶からなるクラッド層と、前記リッジ部の上面の少なくとも一部に形成された第1のコンタクト電極と、前記半導体基板の下面に形成された第2のコンタクト電極とを備え、前記光導波路層の等価屈折率が光導波路方向に沿って変化しているとともに、前記クラッド層は、光導波路の中央部付近に位置する一定幅の第1領域と、前記第1領域から前記光導波路の端面に接近するにしたがって幅が狭くなるように形成されたテーパー領域とを含み、前記テーパー領域における前記クラッド層の外縁がなす直線と、光導波路方向に平行な直線との間のなす角が2度以下であることを特徴とするリッジ型の窒化物半導体レーザが提供される。テーパー領域の角度を2度以下にすることで、結合効率の低下が抑えられ、発光効率の高い、低消費電力用途等に適したリッジ型の窒化物半導体レーザを実現することができる。
【0068】
また、本発明によれば、半導体基板と、該半導体基板よりも上部に形成されたIII族窒化物を含み六方晶の結晶構造を有する光導波路層と、該光導波路層よりも上部に形成された凸形状を有するリッジ部と、該リッジ部の少なくとも一部を構成するAl Ga 1−x N(0≦x≦1)結晶からなるクラッド層と、前記リッジ部の上面の少なくとも一部に形成された第1のコンタクト電極と、前記半導体基板の下面に形成された第2のコンタクト電極とを備え、前記光導波路層の等価屈折率が光導波路方向に沿って変化しているとともに、前記クラッド層は、光導波路の中央部付近に位置する一定幅の第1領域と、前記第1領域から前記光導波路の端面に接近するにしたがって幅が狭くなるように形成されたテーパー領域とを含み、前記テーパー領域における前記クラッド層の外縁がなす直線と、光導波路方向に平行な直線との間のなす角が5度以上であることを特徴とするリッジ型の窒化物半導体レーザが提供される。テーパー領域の角度を5度以上にすることで、コンタクト抵抗の増大が抑えられ、発熱の影響の少ない、高出力用途等に適したリッジ型の窒化物半導体レーザを実現することができる。
【0069】
この半導体レーザにおいて、前記クラッド層は、前記テーパー領域よりも端面側に、前記テーパー領域のうち最も狭い幅で一定幅に形成された第2領域を更に含み、前記テーパー領域及び前記第2領域は、前記第1領域の両側に形成されても良い。このような構成は、後述するように、本発明の半導体レーザを複数同時に製造する際に有利である。
【0070】
この半導体レーザにおいて、前記第2領域の幅は2マイクロメーター以下であることが好ましい。これにより、結晶成長方向に垂直な方向の光の広がりを抑え、ビームスポットの形状を真円に近づけることができる。また、この半導体レーザにおいて、前記第2領域の長さは10マイクロメーター以上100マイクロメーター以下であることが好ましい。これにより、第2領域をへき開して鏡面を形成する際の機械的誤差の影響を抑止することができる。
【0077】
以下の実施形態のうち、第2の実施の形態及び実施例B1、B3が本発明の実施の形態を示すものであり、他は参考例である。
【0078】
《実施例1》
図2は本発明の実施例を示す窒化物系半導体レーザの概略断面図である。本実施例の半導体レーザ(図2)は、選択成長により形成したp型Al0.10Ga0.90Nクラッド層217(狭開口部)およびp型Al0.12Ga0.88N層293(大面積開口部)のAl組成以外は、従来例の窒化物系半導体レーザ(図1)と同様である。
【0079】
本実施例の窒化物系半導体レーザ(図2)においては、マスク上多結晶析出速度を増加させるために、選択成長AlGaN層(p型Al0.10Ga0.90Nクラッド層217(狭開口部)およびp型Al0.12Ga0.88N層293(大面積開口部))を形成する際のAl原料であるTMAの供給量(以下[TMA])を、従来例の窒化物系半導体レーザ(図1)に比べ、増加させている。具体的には、従来例の窒化物系半導体レーザ(図1)では[TMA]=2.6μmol/min.であったのに対し、本実施例の窒化物系半導体レーザ(図2)では[TMA]=4.0μmol/min.と増加させている。
【0080】
《実施例2》
図5は本発明の実施例を示す概略断面図である。本実施例の窒化物系半導体レーザ(図5)は、選択成長により形成したp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層517(狭開口部)およびp型Al0.09Ga0.91N層593(大面積開口部)のAl組成以外は、実施例1の窒化物系半導体レーザ(図2)と同様である。
【0081】
本実施例の窒化物系半導体レーザ(図5)においては、マスク上多結晶析出速度を増加させるために、選択成長AlGaN層(p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層517(狭開口部)およびp型Al0.09Ga0.91N層593(大面積開口部))を形成する際のV族原料であるNHの供給量(以下[NH])を、従来例の窒化物系半導体レーザ(図1)に比べ、増加させている。具体的には、従来例の窒化物系半導体レーザ(図1)では[NH]=0.45 mol/min.であったのに対し、本実施例の窒化物系半導体レーザ(図5)では[NH]=0.58 mol/min.と増加させている。
【0082】
《実施例3》
図6は本発明の実施例を示す概略断面図である。本実施例の窒化物系半導体レーザ(図6)は、実施例2の窒化物系半導体レーザ(図5)と同様な構造を有している。但し、本実施例の窒化物系半導体レーザ(図6)においては、マスク上多結晶析出速度を増加させるために、選択成長AlGaN層(p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層617およびp型Al0.09Ga0.91N層693)を形成する際の基板温度を、従来例の窒化物系半導体レーザ(図1)に比べ、増加させている。具体的には、従来例の窒化物系半導体レーザ(図1)では基板温度が1015℃であったのに対し、本実施例の窒化物系半導体レーザ(図6)では1045℃と増加させている。
【0083】
得られた窒化物系半導体レーザの断面を走査型電子顕微鏡により観察した。結果を図11および図12に示す。図11は1015℃で成長した従来の半導体レーザの断面を示し、図12は、本実施例の半導体レーザの断面を示す。広い開口部における層厚に対する狭い開口部の層厚の比は、1015℃では46%程度、1045℃では77%程度であった。基板温度を増加し、マスク上多結晶析出速度を増加させることにより、マスク開口幅による層厚の差異が抑制されることがわかる。すなわち、基板温度を増加することによって狭開口部へのGaの局在が抑制され、その結果、Al組成やマスク成長した層の厚みについて、製造のばらつきを低減できることがわかった。
【0084】
《実施例4》
図7は本発明の実施例を示す概略断面図である。本実施例の窒化物系半導体レーザ(図7)は、実施例2および実施例3の窒化物系半導体レーザ(図5および図6)と同様な構造を有している。
【0085】
但し、本実施例の窒化物系半導体レーザ(図7)においては、マスク上多結晶析出速度を増加させるために、選択成長AlGaN層(p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層717およびp型Al0.09Ga0.91N層793)を形成する際の成長速度を、従来例の窒化物系半導体レーザ(図1)に比べ、増加させている。具体的には、従来例の窒化物系半導体レーザ(図1)では成長速度が〜1μm/hであったのに対し、本実施例の窒化物系半導体レーザ(図7)では〜2μm/hと増加させている。
【0086】
《実施例5》
図8は本発明の実施例を示す概略断面図である。本実施例の窒化物系半導体レーザ(図8)は、実施例2ないし実施例4の窒化物系半導体レーザ(図5ないし図7)と同様な構造を有している。
【0087】
但し、本実施例の窒化物系半導体レーザ(図8)においては、マスク上多結晶析出速度を増加させるために、選択成長AlGaN層(p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層817およびp型Al0.09Ga0.91N層893)を形成する際のN分圧を、従来例の窒化物系半導体レーザ(図1)に比べて増加させ、かわりにH分圧を減少させている。具体的には、従来例の窒化物系半導体レーザ(図1)ではN分圧が0Torr、H分圧が100Torrであったのに対し、本実施例の窒化物系半導体レーザ(図8)ではN分圧が60Torr、H分圧が40Torrである。
【0088】
《実施例6》
図9は本発明の実施例を示す概略断面図である。本実施例の窒化物系半導体レーザ(図9)は、実施例2ないし実施例5の窒化物系半導体レーザ(図5ないし図8)と同様な構造を有している。
【0089】
但し、本実施例の窒化物系半導体レーザ(図9)においては、選択成長初期においてマスク上多結晶析出速度を増加させるために、選択成長AlGaN層(p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層917およびp型Al0.09Ga0.91N層993)の形成初期のみ[NH]を増加させて0.65mol/min.とし、その後0.58mol/min.に減少させている。
【0090】
《実施例7》
図10は本発明の実施例を示す概略断面図である。本実施例の窒化物系半導体レーザ(図10)は、実施例2ないし実施例7の窒化物系半導体レーザ(図5ないし図9)と同様な構造を有している。
【0091】
但し、本実施例の窒化物系半導体レーザ(図10)においては、選択成長初期においてマスク上多結晶析出速度を増加させるために、SiOマスク1015表面に微細な凹凸が形成されている。
【0092】
前記凹凸は、例えば、特開平8−162419号公報等に開示されているように、マスクパターンの表面に滑らかでない面または辺を接触させて押圧した状態で相対的に移動させる方法や、干渉露光法を用いたフォトリソグラフィー技術により、形成することが出来る。
【0093】
実施例1においては、従来例の窒化物系半導体レーザ(図1)に比べ、TMA供給量を増加させていることにより、マスク上多結晶析出速度が増加し、Ga原料であるTMGが開口部へ集中しなくなり、狭開口部であっても、そのAl組成や成長速度が大面積開口部に近づいている。[TMA]増加により狭開口部であってもAl組成が大面積開口部に近づく様子を図3に示す。[TMA]増加により、狭開口部のAl組成が微小な成長条件の変動に影響を受けにくくなり、その制御性や再現性が向上するという効果が得られる。TMAはマスク上いたるところで多結晶として析出する一方で、TMGがマスク上マイグレーションや気相中拡散により開口部に集中するため、狭開口部のAl組成は大面積開口部よりも低いが、[TMA]増大によりその比が1に漸近する(図4)。
【0094】
図4の結果からわかるように、[TMA]増大等により狭開口部と大面積開口部のAl組成の比が1に漸近する。狭開口部のAl組成が大面積開口部の70%程度以上であれば、Al組成の制御性や再現性という点でも問題はないと考えられる。このとき、レーザの製造歩留まりの向上等が期待される。また、これにより、マスクパターンの自由度も増す。例えば、より狭い開口部により電流を狭窄することで、同じしきい値電流密度であっても、低いしきい値電流を実現することが出来る。
【0095】
上記実施例1では、マスク上多結晶析出速度を増加させるために、[TMA]の増加という手段を用いているが、特に窒化物系の結晶成長においては、TMA等のAl原料とNH等のV族原料の中間反応が顕著であり、ある程度以上のAl原料の供給は困難である。したがって、[TMA]増加以外の方法で、マスク上多結晶析出速度を増加させることができることが望ましい。これにより、Al組成のより低いAlGaN層であっても、制御性良く作製することができ、結晶成長による試料作製の自由度が増すという利点がある。
【0096】
そこで、実施例2においては、従来例の窒化物系半導体レーザ(図1)に比べ、V族原料であるNHの供給量を増加させることにより、マスク上多結晶析出速度を増加させている。V族圧が高い場合、マスク上に付着したAl原料が容易に核形成するからである。
【0097】
実施例3においては、従来例の窒化物系半導体レーザ(図1)に比べ、基板温度を増加させることにより、マスク上多結晶析出速度を増加させている。基板温度が高い場合、Al原料とマスク材料中のSiやOとの反応速度が増加するからである。
【0098】
実施例4においては、従来例の窒化物系半導体レーザ(図1)に比べ、成長速度を増加させることにより、マスク上多結晶析出速度を増加させている。成長速度は主に[TMG]で決まるが、同程度のAl組成を実現するためには[TMA]も増加させなければならないからである。
【0099】
実施例5においては、従来例の窒化物系半導体レーザ(図1)に比べ、N分圧を増加させ、H分圧を減少させることにより、マスク上多結晶析出速度を増加させている。これにより、マスク上に析出した多結晶が雰囲気中のHによりエッチングされることが抑制されるためである。
【0100】
実施例6においては、選択成長初期のみ[NH]を増加させることにより、選択成長開始直後の早い段階から、マスク表面が多結晶により被覆されるようにしている。従って、選択成長開始当初から安定した組成のAlGaN層が形成される。
【0101】
なお、実施例6においては、選択成長初期のみ[NH]を増加させているが、選択成長初期のみ、[TMA]を増加し、または、基板温度を高温化し、または、成長速度を増加し、または、[N]分圧を増加し、または、[H]分圧を減少することによっても、同様の効果を得ることができる。
【0102】
実施例7においては、SiOマスク1015の表面に微細な凹凸が形成されているため、SiOマスク1015の表面積が増大している。これにより、選択成長開始直後の早い段階から、容易に多結晶の核形成がなされ、マスク表面が多結晶により被覆される。従って、選択成長開始当初から安定した組成のAlGaN層が形成される。
【0103】
[第2の実施の形態]
本実施の形態では、半導体レーザの出射光のスポット形状を制御する技術、とくに、スポット形状を真円に近づけるための技術について説明する。図13は、従来の半導体レーザの出射端面における出射光の形状を示す。図1に示した一般的な構造の半導体レーザにおいては、出射端面における出射光のスポット形状は横に長い楕円形になるため、これを真円に近づけるためには、図示したように、横方向を狭め、縦方向を広げるようにスポット形状を制御すればよい。
【0104】
出射光の横方向の広がりを抑えるためには、出射端面近傍における横方向の光の狭窄、又は電流の狭窄の程度を強めればよい。具体的には、出射端面近傍において、
a)クラッド層又は電極の横幅を狭くし、電流を横方向に狭窄する。
b)光導波路層の横幅を狭くし、光を横方向に狭窄する。
c)電流狭窄層の屈折率を低くし、光導波路層において光を横方向に狭窄する。
などの方法が考えられる。
【0105】
出射光を縦方向に広げるためには、出射端面近傍における縦方向の光の狭窄の程度を弱めればよい。具体的には、光導波路層内を通過する光が実質的に感じる屈折率(等価屈折率)を大きくすればよいが、そのための方法として、出射端面近傍において、
A)クラッド層又は光閉じ込め層の層厚を厚くする。
B)クラッド層のAl組成を低くする。
C)クラッド層又は光閉じ込め層の屈折率を高くする。
などが挙げられる。
【0106】
上述の技術を任意に組み合わせることにより、出射光の形状を真円に近づけるように制御することができるが、その際、半導体レーザの特性を考慮しつつ、上記の技術を組み合わせることが好ましい。たとえば、上記a)に記載した通り、クラッド層の横幅を狭くすることで出射光の横幅を狭めることができるが、他方、クラッド層の横幅を狭くし過ぎてしまうと、電極との接触面積が減少するので、コンタクト抵抗が増大し、消費電力の増大や抵抗熱の発生による温度上昇など、好ましくない現象を引き起こす恐れがある。半導体レーザの性能を維持しつつスポット形状を制御するために、たとえば、クラッド層の幅を光導波路方向に沿って変化させてもよい。すなわち、中心部付近のクラッド層の幅を広くとってコンタクト抵抗の低減を図る一方、出射端面近傍のクラッド層の幅を狭くして出射光の横方向への広がりを抑える。このように、クラッド層、光導波路層、電流狭窄層などの層厚、材質、組成、形状、幅などが光導波路方向に変化するように設けることで、半導体レーザの性能と、出射光のスポット形状の双方を適切に調節することができる。
【0107】
クラッド層の層厚、幅、Al組成などを光導波路方向に変化させるためには、第1の実施の形態において詳述した技術が好適である。すなわち、クラッド層を選択成長させるときに用いるSiOマスクの幅、材質、形状などを光導波路方向に変化させることにより、また、クラッド層を選択成長させるときの条件を適切に制御することにより、クラッド層の層厚、幅、Al組成などを光導波路方向に変化させることができる。
【0108】
その他、光導波路方向に変化する構造を形成するために、ドライエッチング、ウェットエッチングなどの技術を用いて、領域ごとに層を形成してもよい。たとえば、上記B)の方法により出射光の形状を縦方向に広げる場合、まずAl組成の低いクラッド層を形成した後、ドライエッチングにより出射端面近傍を除去し、新たにAl組成の高いクラッド層を出射端面近傍に形成してもよい。このように、光導波路層やクラッド層を形成する際に、中心部と出射端面部とを別のプロセスで形成することにより、光導波路方向に層厚、材質、組成、形状、幅などが異なる構造を形成することができる。
【0109】
以下、上述の技術を適用して作製した半導体レーザの例について説明する。
【0110】
《実施例B1》
本実施例について、図2、15を参照して説明する。本実施例の窒化物半導体レーザの半導体層は(0 0 0 1)面を表面とする六方晶である。本実施例では、第1の実施の形態で説明した技術を応用し、光導波路方向に開口幅を変化させたマスクを用いてクラッド層を選択成長させることにより、光導波路方向に幅、層厚、Al組成が変化したクラッド層を形成する。
【0111】
本実施例の窒化物半導体レーザは、図2に示した実施例1の窒化物半導体レーザとほぼ同様の構成であるが、n型Al0.07Ga0.93Nクラッド層113に代えて、n型Al0.05Ga0.95Nクラッド層を設けており、また、多重量子井戸構造活性層105とp型GaN光ガイド層106の間にp型Al0.15Ga0.85Nキャップ層を設けている。窒化物半導体レーザは、n型GaN基板192上に、厚さ1.8μmのn型Al0.05Ga0.95Nクラッド層、厚さ0.1μmのn型GaN光ガイド層104、厚さ2.5nmのIn0.2Ga0.8N量子井戸層と厚さ5nmのIn0.05Ga0.95N障壁層からなる3周期の多重量子井戸構造活性層105、p型Al0.15Ga0.85Nキャップ層、厚さ0.1μmのp型GaN光ガイド層106、その上に形成され<1−100>方向に幅の異なる開口部を持った厚さ200nmのSiOマスク115、該SiOマスク115を用いて選択的に形成されたp型GAN光ガイド層、厚さ0.6μmのp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層117、厚さ0.1μmのp型GaNコンタクト層118、Ni/Auの2層金属からなるp電極122、Ti/Alの2層金属からなるn電極120が形成されている。
【0112】
図15において、SiOマスク(図中、斜線部)は、端面部と中央部で開口幅が異なっている。本実施例では端面部の開口幅は1.5μmであり、中央部の開口幅は2.5μmであり、光導波路方向に開口幅も変化させている。
【0113】
本実施例の窒化物半導体レーザの半導体レーザ構造は減圧有機金属気相成長装置(以下MOVPE装置)で成長を行った。基板温度は1015℃、Al原料であるTMAの流量は5.2μmol/min.、窒素原料であるNH流量は0.45mol/min.、成長速度は〜1μm/h、キャリアガスの窒素分圧は0Torr、水素分圧は100Torrとした。この成長条件は、実施例1と同様に、TMAの供給量を従来例に比べて増加させた条件となっており、これにより、マスク上多結晶析出速度を増加させ、クラッド層のAl組成の制御性及び再現性を向上させている。
【0114】
第1の実施の形態で説明したように、マスクの開口幅の変化に伴い、クラッド層を選択成長させるときのAl原料の堆積とGa原料の開口部への集中の程度が変化するため、クラッド層のAl組成及び層厚が変化する。したがって、本実施例の半導体レーザのように光導波路方向に開口幅を変化させると、光導波路長方向にAl組成の変調が起こり、出射端面近傍では中心部に比べてAlGaNクラッドの組成が少なくなり、且つ厚さが厚くなるので、結晶成長方向すなわち縦方向の光閉じ込めが弱くなる。本実施例では、中央部の開口幅よりも端面部の開口幅の方が狭いマスクを用いてクラッド層を選択成長させることで、端面部におけるクラッド層の横幅を狭め、電流を狭い領域に狭窄し、出射光の分布を横方向に狭めるともに、上述のように縦方向の光の閉じ込めを弱くし、出射光の分布を縦方向に広げる。これら双方の効果によりレーザ構造の断面における光分布のアスペクト比は1に近づくため、効率よく光を利用することができる。
【0115】
本実施例に係る半導体レーザのクラッド層の層厚d及びAl組成xを測定した結果、光導波路の端面近傍では、d=0.62μm、x=6.8%であり、光導波路の中央部近傍では、d=0.6μm、x=7%であった。本実施例の半導体レーザにおいて、光導波路の端面近傍におけるクラッド層のAl組成が、光導波路の中央部付近におけるクラッド層のAl組成よりも低いことが分かる。ここで、Al組成は、1)ダミー領域とリッジ領域の層厚の比率を測定することにより算出したが、その他にも、2)顕微PL(Photo Luminescence)測定、3)顕微X線回折測定、などの方法がある。1)は、第1の実施の形態で説明したように、マスクの被覆率の差異により、ダミー領域とリッジ領域におけるAl原料及びGa原料の集中の程度が異なり、Al組成及び層厚が変化することを利用して、層厚の比からAl組成を算出するものである。2)は、顕微PL測定を行い、ストライプ中央部のAlGaNバンド端発光ピーク波長からAl組成を算出するものである。3)は、X線エネルギー10keV、ビームサイズ縦0.7μm×横1.1μmのビーム形状を有するX線装置により、(0004)及び(0006)反射ω軸ロッキングカーブの測定を行い、Al組成を算出するものである。なお、本実施例では、光導波路の端面近傍と中央部におけるクラッド層の層厚の変化、及びAl組成の変化は、2〜3%程度であったが、成長温度、原料の供給量、成長速度、キャリアガスの流量、マスクの材質などの成長条件を変更することにより、さらに層厚やAl組成を変化させることができるため、ビームスポットの形状をより円形に近づけることができる。
【0116】
図16(a)は、本実施例の半導体レーザの出射光の遠視野像を、図16(b)は、従来の半導体レーザの出射光の遠視野像を示す。従来の半導体レーザでは、横方向はθ(平行)=8.77°、縦方向はθ(垂直)=22.39°であり、アスペクト比は2.55であったが、本実施例の半導体レーザでは、横方向θ(平行)=12°、縦方向θ(垂直)=21.6°であり、アスペクト比は1.8であった。このアスペクト比は、本出願の時点で世界で最も低い値であり、本発明の技術が優れた効果を奏することが実証された。
【0117】
本実施例では、図15に示すように、端面の開口幅を狭くし、且つマスク幅を広くするマスクパターンで作製したが、図17のように開口幅のみ狭くしても良く、図18、図19のように開口幅は一定で端面のマスク幅を広くしても良い。また、図20、図21のように端面部近傍において開口幅が一定の領域を設けなくても良い。図17〜図21のマスクパターンでは、光導波路の両側の端面において対称的にマスク幅や開口幅を変化させているが、実際に光を出射させる側だけを変化させても良い。図22、図23のように、出射端面側に近づくにつれて開口幅が狭くなるような形状であっても良い。なお本実施例の窒化物半導体レーザでは基板としてGaN基板を用いているが、サファイア、SiC、AlGaN基板など、他の基板でも良く、マスク材もSiや酸素などn型ドーパントとなりうる元素で構成された材料であれば良い。
【0118】
なお、本実施例の窒化物半導体レーザと近似した構造を有する例として、特開平11−186659号公報、及び特開2000−174385号公報がある。
特開平11−186659号公報は、リッジストライプ構造を有する窒化物半導体レーザにおいて、ストライプ幅の少なくとも一方が共振面に接近するに従って狭くなるように形成することで、水平横モードの多波長発振を抑え、シングルモードにする技術を開示する。この半導体レーザは、リッジ部がテーパー領域を有する点で本実施例と近似しているが、これは、出射端面におけるクラッド層の幅を狭くして水平横モードをシングルモードにするための構成であって、本実施例のように、出射端面近傍におけるクラッド層の層厚、Al組成、屈折率などを調節することにより出射光のスポット形状を制御する技術については開示されていない。また、本公報の半導体レーザのクラッド層は、本実施例のように選択成長により形成されるのではなく、ストライプ状のリッジ部の周囲をエッチングにより除去して形成されるため、クラッド層は全領域にわたって均一に形成されており、本実施例のように、光導波路方向に沿ってクラッド層の層厚、Al組成、屈折率などの特性を変化させることについて教示を与えるものではない。
【0119】
他方、特開2000−174385号公報は、AlGaAs系のゲインガイド型半導体レーザにおいて、光導波路をストライプ幅が中央部で広く端面付近で狭いテーパー導波路として構成する技術を開示する。この半導体レーザはゲインガイド型であり、端面付近の光導波路のストライプ幅を狭くすることで電流を横方向に狭窄するだけであるが、本実施例の半導体レーザはインデックスガイド型であり、端面付近のクラッド層の幅を狭くすることで電流を横方向に狭窄するだけでなく、光導波路において光が実質的に感じる等価屈折率の分布が上層のクラッド層により変化するので、光も横方向に狭窄する。また、本実施例の半導体レーザは、光導波路方向にクラッド層の層厚、Al組成、屈折率などを変化させることにより縦方向の光の閉じ込めを弱めているが、本公報はかかる点について教示を与えるものではない。
さらに、本実施例ではクラッド層のAl組成により光導波路層の等価屈折率を制御しているが、これは、上述したようにIII族窒化物系に特有の現象を利用したものである。GaAs系の半導体レーザに係る上記公報にはこのような等価屈折率の制御技術は開示されていない。
【0120】
《実施例B2》
本実施例について、図14、15を参照して説明する。本実施例の窒化物半導体レーザの半導体層は(0 0 0 1)面を表面とする六方晶である。本実施例も、実施例B1と同様に、光導波路方向に開口幅を変化させたマスクを用いてクラッド層を選択成長させることにより、光導波路方向に幅、層厚、Al組成が変化したクラッド層を形成する。
【0121】
図14において、本実施例の窒化物半導体レーザは、GaN基板26上に、厚さ1μmのn型Al0.07Ga0.93Nクラッド層27、厚さ0.1μmのn型GaN光ガイド層28、厚さ2.5nmのIn0.2Ga0.8N量子井戸層と厚さ5nmのIn0.05Ga0.95N障壁層からなる3周期の多重量子井戸構造活性層29、p型Al0.15Ga0.85Nキャップ層30、厚さ0.1μmのp型GaN光ガイド層31、その上に形成され<1−100>方向に幅の異なる開口部32を持った厚さ200nmのSiOマスク33、該SiOマスク33を用いて選択的に形成された厚さ0.6μmのp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層34、その周囲に配置されたポリイミド埋め込み層37、厚さ0.1μmのp型GaNコンタクト層35、Ni/Auの2層金属からなるp電極38、Ti/Alの2層金属からなるn電極39が形成されている。p型GaN光ガイド層31上には、AlGaN多結晶層36が形成されている。
【0122】
図15において、SiOマスク(図中、斜線部)は、端面部と中央部で開口幅が異なっている。本実施例では端面部の開口幅は1μmであり、中央部の開口部は1.5μmであり、光導波路方向に開口幅も変化させている。
【0123】
本実施例の窒化物半導体レーザは、以下のようにして作製した。半導体レーザ構造は減圧有機金属気相成長装置(以下MOVPE装置)で成長を行った。成長温度は1090℃であり、キャリアガスとして窒素と水素を用いている。Ga原料としてトリメチルガリウム、Al原料としてトリメチルアルミニウム、In原料としてトリメチルインジウム、窒素原料としアンモニアを用いている。またドーピング材料として、n型にはSiをp型にはMgを用いている。
【0124】
上記MOVPE装置において平坦なGaN基板26上に、厚さ1μmのn型Al0.07Ga0.93Nクラッド層27、厚さ0.1μmのn型GaN光ガイド層28、多重量子井戸構造活性層29、p型Al0.15Ga0.85Nキャップ層30を前記順序で形成した。その後、結晶の<1−100>方向に、幅1.5μmのストライプ状の開口部32を持つSiOマスク33を形成し、ブタノン、エチルアルコールによる有機洗浄、バッファードフッ酸によるSiOマスク33や開口部の表面エッチングを施し、更に80℃に加熱した硝酸中でウェハを洗浄した。その後、前記したMOVPE装置により、SiOマスク33の開口部にのみ選択的に半導体層を成長し、図示したレーザ構造を得た。この時の成長温度は1100℃、成長レートは2.6μm/時間、キャリアガスに水素と窒素を用いた。
【0125】
このように光導波路方向に開口幅を変えると、実施例B1と同様に、光導波路方向にAl組成の変調が起こり、端面部ではAlGaNクラッドの組成が少なくなり、且つ厚さが厚くなるので、結晶成長方向の光閉じ込めが弱くなる。この結果、LD断面における光分布のアスペクト比は1に近づくため、効率よく光を利用できる。また、本実施例のようにクラッド層を逆メサ構造とすることにより、横方向の電流狭窄の幅を狭くしつつ、電極コンタクト抵抗を有効に低減することができる。本実施例でも、実施例B1と同様に、様々なマスクパターンが適用でき、両端面にマスク幅や開口幅を変化させてもよいし、実際に光を出射させる端面だけでも良い。なお本実施例の窒化物半導体レーザでは基板としてGaN基板を用いているが、サファイア、SiC、AlGaN基板など、他の基板でも良く、マスク材もSiO以外の誘電体、半導体などであってもよい。
【0126】
《実施例B3》
本実施例について、図24及び図25を参照して説明する。図24は本実施例の窒化物半導体レーザの概略断面図であり、図25は上面図である。本実施例の窒化物半導体レーザの半導体層は(0 0 0 1)面を表面とする六方晶である。本実施例では、第1の実施の形態で説明した技術を応用し、光導波路方向に開口幅を変化させたマスクを用いて光導波路層及びクラッド層を選択成長させることにより、端面部における光導波路層の層厚を中央部よりも厚くするとともに、端面部におけるクラッド層の幅を中央部よりも狭く、層厚を厚く、Al組成を低くする。これにより、出射端面における縦方向の光の閉じ込めの程度を弱め、出射光のスポット形状を真円に近づける。
【0127】
先ず図24に於いて、本実施例の窒化物半導体レーザは、GaN基板40上に、厚さ1μmのn型Al0.07Ga0.93Nクラッド層41、該n型Al0.07Ga0.93Nクラッド層41上に形成され<1−100>方向に幅の異なる開口部42を持った厚さ200nmのSiOマスク43、該SiOマスク43を用いて選択的に形成された厚さ0.1μmのn型GaN光ガイド層44、厚さ2.5nmのIn0.2Ga0.8N量子井戸層と厚さ5nmのIn0.05Ga0.95N障壁層からなる3周期の多重量子井戸構造活性層45、p型Al0.15Ga0.85Nキャップ層46、厚さ0.1μmのp型GaN光ガイド層47、厚さ0.6μmのp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層48、厚さ0.1μmのp型GaNコンタクト層49、Ni/Auの2層金属からなるp電極50、Ti/Alの2層金属からなるn電極51より形成されている。SiOマスク43は、図25のように端面部52と中央部53でマスク幅及び開口幅の異なるマスクを使用している。本実施例の場合、端面部52の開口幅は1μmであり、中央部53の開口部は2.5μmである。
【0128】
このように光導波路方向に開口幅を変えると、実施例B1と同様に、光導波路方向にAl組成の変調が起こり、端面部52ではAlGaNクラッドの組成が少なくなり、且つ厚さが厚くなるので、結晶成長方向の光閉じ込めが弱くなる。また、多重量子井戸構造活性層45を含む光導波路層の層厚も端面部52で厚くなる。この結果、LD断面における光分布のアスペクト比は1に近づくため、効率よく光を利用できる。本実施例でも、実施例B1と同様に、様々なマスクパターンが適用でき、両端面にマスク幅や開口幅を変化させてもよいし、実際に光を出射させる端面だけでも良い。なお本実施例の窒化物半導体レーザでは基板としてGaN基板を用いているが、サファイア、SiC、AlGaN基板など、他の基板でも良く、マスク材もSiO以外の誘電体、半導体などであってもよい。
【0129】
《実施例B4》
本実施例について、図26及び図27を参照して説明する。図26は、本実施例の窒化物半導体レーザの概略断面図であり、図27は上面図である。図26及び図27に示された、本実施例の窒化物半導体レーザの半導体層は(0 0 0 1)面を表面とする六方晶である。本実施例では、端面近傍の光ガイド層の層厚を中央部付近の層厚よりも厚くすることにより、出射端面における縦方向の光の閉じ込めの程度を弱め、出射光のスポット形状を真円に近づける。
【0130】
先ず図26に於いて、本実施例の窒化物半導体レーザは、GaN基板60上に、有機金属気相成長法により、厚さ1.5μmのn型Al0.07Ga0.93Nクラッド層61、厚さ0.1μmのn型GaN光ガイド層62、厚さ2.5nmのIn0.2Ga0.8N量子井戸層と厚さ5nmのIn0.05Ga0.95N障壁層からなる3周期の多重量子井戸構造活性層63、p型Al0.15Ga0.85Nキャップ層64、厚さ0.2μmのp型GaN光ガイド層65を形成する。その後、該p型GaN光ガイド層65上に形成され、<11−20>方向に50μmのマスク幅を持った厚さ200nmのSiOマスクを図27中の端面部72に形成する。その後、該SiOをマスクとして、ドライエッチングによりSiOに被覆されていない中央部73のp型GaN光ガイド層65を0.1μm削る。その後、SiOマスクを除去し、再び有機金属気相成長法により、厚さ0.6μmのp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層66、厚さ0.01μmのp型GaNコンタクト層67を順次成長させて、LD構造を形成する。その後、ドライエッチングによりp型クラッド層66そしてp型コンタクト層67を含んだメサ型68を部分的に残した後、SiO絶縁膜69をつけ、メサ部分の頭出しを露光技術により行い、リッジ構造を形成した。このように作成されたレーザは、端面部72のみp型GaN光ガイド層65が0.2μmと厚くなっており、その他の部分は0.1μmとなっている。このため、端面部では、縦方向の光閉じ込めが弱くなるため、光分布が広がり、遠視野像のアスペクト比を1に近づけることができる。
【0131】
本実施例では、端面部72の光閉じ込め層の厚さを厚くしてアスペクト比を低減させているが、クラッド層の厚さを厚くしたり、光閉じ込め層やクラッド層の屈折率を大きくすることでも同様の効果がある。また、層厚や屈折率を変えず、SiO絶縁膜69を端面部72のみ屈折率の高い誘電体或いは窒化物半導体で埋め込むことで、端面付近の横モード特性を独立に設計し、設計許容度を向上することもできる。また、本実施例ではp型GaN光ガイド層65の厚さを変えるために、ドライエッチングを用いているが、選択成長などで行なっても良い。また、本実施例では、真っ直ぐなストライプを形成しているが、実施例B1に記載されたようなテーパー光導波路を含むリッジ構造でも良い。
【0132】
《実施例B5》
本実施例について、図28及び図29を参照して説明する。図28は本実施例の窒化物半導体レーザの概略断面図を、図29は上面図をそれぞれ示す。図28及び図29に示された、本実施例の窒化半導体レーザの半導体層は(0 0 0 1)面を表面とする六方晶である。本実施例では、端面近傍のクラッド層の幅を中央部付近の幅よりも狭くすることにより、抵抗値の上昇及び結合効率の低下を抑えつつ、横方向の光の閉じ込めの程度を強め、出射光のスポット形状を真円に近づける。
【0133】
まず図28において、本実施例の窒化物半導体レーザは、GaN基板80上に、厚さ1.5μmのn型Al0.07Ga0.93Nクラッド層81、厚さ0.1μmのn型GaN光ガイド層82、厚さ2.5nmのIn0.2Ga0.8N量子井戸層と厚さ5nmのIn0.05Ga0.95N障壁層からなる3周期の多重量子井戸構造活性層83、p型Al0.15Ga0.85Nキャップ層84、厚さ0.1μmのp型GaN光ガイド層85、厚さ0.6μmのp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層86、厚さ0.01μmのp型GaNコンタクト層87を順次成長させて、LD構造を形成する。次にドライエッチングによりp型クラッド層86そしてp型コンタクト層87を含んだメサ型88を部分的に残した後、SiO絶縁膜89をつけ、メサ部分の頭出しを露光技術により行い、リッジ構造を形成した。この時、リッジストライプのパターンは図29のように端面部の開口幅は1.2μmであり、中央部の開口部は2.5μmであり、光導波路方向に開口幅を変化させている。図29において、広い開口部と狭い開口部の間の領域92(以下「テーパー領域」という)におけるクラッド層の外縁がなす直線93と、光導波路方向に平行な直線94との間のなす角θは、1.5°とした。n型基板裏にはTi/Alからなるn電極90を形成し、pコンタクト上には、Ni/Auからなるp電極91を形成する。
【0134】
図30は、実施例で示したレーザ構造のテーパー領域における角度θと、広い光導波路幅から狭い光導波路幅に光が導波した場合の光分布の結合効率との関係を示した計算結果である。図30をみても分かるように、テーパー領域の角度θが2°付近にしきい値があり、この角度を超えると急激に結合効率が低くなる。結合効率が低くなると、光導波路損失(内部損失)が大きくなり、半導体レーザのしきい値電流を上昇させ、スロープ効率が低下する。本計算結果は、レーザ構造を構成する層の種類、厚さで多少異なり、また電流狭窄構造によっても異なり、屈折率の精度にも依存するが、窒化物半導体レーザの場合、好ましくは5°以下、より好ましくは2°以下、さらに好ましくは1°以下であれば高い結合効率が得られる。このような半導体レーザは、ポータブルビデオなど、高速の書き込みを必要とせず、消費電力を低く抑えるべき用途に適している。本実施例で示したレーザでは、テーパー領域の角度θが2°以下なので、結合効率が高く、従って、しきい値電流やスロープ効率など、レーザの基本的な特性を損ねること無く、ビームの遠視野像のアスペクト比を1に近づけることができる。このような低消費電力の半導体レーザの場合、共振器長は1000μm以下、中央部の開口幅は4μm以下、裏面コーティングは90%以上かつフロントコートは2%以上であることが望ましい。
【0135】
図31は、実施例で示したレーザ構造のテーパー領域における角度θと抵抗値との関係を示した計算結果である。図31には、中央部の開口幅と端面部の開口幅の値が異なる3つの場合についての計算結果を示しており、上から順に、それぞれ、1μm(端面)−3μm(中央)、1.5μm(端面)−3μm(中央)、1μm(端面)−4μm(中央)の場合を示す。テーパー領域を設けずに、一定幅のリッジを設けた場合の抵抗値は、幅が1μmの場合は50Ω、幅が1.5μmの場合は34Ωであった。図31から分かるように、テーパー領域を設けて中央部のリッジ幅を広げることにより、端面部のリッジ幅を増大させることなく、すなわち、横モード特性を維持しつつ、リッジ全体の接触面積を増大させ、抵抗値を低減させることができる。このとき、テーパー領域の角度θは、好ましくは2°以上、より好ましくは3°以上、さらに好ましくは5°以上であれば、抵抗値が効果的に低減する。この角度θは、テーパー領域を有する光導波路が光素子として機能する程度であればよく、たとえば90°を上限としてもよい。これにより、発熱が抑えられるので、しきい値電流密度の上昇を防ぎ、高出力なレーザを実現することができる。
【0136】
このように、本実施例の半導体レーザを高出力用途に用いる場合、クラッド層と電極との間のコンタクト抵抗に起因する発熱の影響を効果的に軽減するために、テーパー領域を含むクラッド層に接触する電極、すなわち本実施例ではp電極がヒートシンク或いはステムに融着するように、半導体レーザをマウントすることが好ましい。その逆の電極、すなわち本実施例ではn電極をヒートシンク或いはステムに融着する場合は、p電極の厚さを低出力用途の場合よりも厚くすることが好ましく、たとえば0.3μm以上、より好ましくは1μm以上とする。これにより、コンタクト抵抗に起因する発熱の影響を抑える。n電極をヒートシンク或いはステムに融着する場合、p電極に接続するワイヤーボンディングの本数を複数(2本以上)としてもよい。これにより、ワイヤーボンディングを介して外部に効果的に熱を逃がすことができる。高出力用半導体レーザにおいて、共振器長は500μm以上、中央部の開口幅は2μm以上、裏面コーティングは90%以上かつフロントコートは20%以下とすることが望ましい。
【0137】
なお本実施例の窒化物半導体レーザでは、電流及び光の狭窄のためにドライエッチングにより形成されたリッジ型構造を用いたが、ウェットエッチングなど別の方法で作成したリッジ構造、埋め込み構造や絶縁膜による利得導波型レーザの構造でも良い。また、基板としてGaN基板を用いているが、サファイア、SiC、AlGaN基板など、他の基板でも良い。また、端面部の開口幅は1.5μmとしたが、2μm以下であればよい。
【0138】
図32は、本実施例の半導体レーザを製造するにあたり、複数の半導体レーザを同時に製造する方法を示す図である。図32に示すように、図29に示した半導体レーザを光導波路方向に複数連続して設けている。すなわち、開口幅の広い第1領域95、テーパー領域96、開口幅の狭い第2領域97、テーパー領域98が、この順に繰り返し出現するように半導体構造を形成する。その後、出射端面となるべき第2領域の部分において結晶をへき開し、個々の半導体レーザに分断する。これにより、複数の半導体レーザを同時に歩留まりよく製造することができる。この方法により製造された半導体レーザは、開口幅の広い第1領域の両側に、テーパー領域と開口幅の狭い第2領域が形成された構造となる。ここで、第2領域の長さは、へき開するときの機械精度を考慮して、10μm以上とすることが好ましい。また、第2領域の長さは、半導体レーザ全体の大きさを考慮して、たとえば100μm以下とすることが好ましい。
【0139】
以上、実施例に基づき本発明について説明したが、本発明は上記実施例に示された構造やその製造方法に限られるものではない。本発明の半導体層構造およびその製造方法は、その趣旨を逸脱しない範囲内で、様々な半導体層構造およびその製造方法に適用可能である。例えば、マスク上多結晶の析出速度を増加させる方法について、Al原料供給量の増加・基板温度の高温化・V族原料供給量の増加・成長速度の増加・N分圧の増加について述べたが、これらの方法以外であっても、マスク上多結晶の析出速度が増加すれば、本発明の実施に支障はない。また、前記実施例では主に成長方法としてNH等を原料として用いたMOVPEについて述べたが、他の原料を用いたMOVPE法においても、さらには、分子線エピタキシー(MBE)法や水素化物気相成長(HVPE)法など他の成長方法においても本発明は支障なく実施することができる。前記実施例では主に窒化物系半導体レーザについて述べたが、窒化物系発光ダイオードなど他の窒化物系半導体発光素子や、窒化物系以外の他の半導体発光素子、窒化物系およびその他の半導体受光素子、さらには窒化物系およびそれ以外の半導体素子においても、支障なく実施することができる。前記実施例では、マスクとしてSiOを用いているが、他の材料、例えば窒化珪素または酸化アルミニウムまたは酸化チタンまたはこれらの多層膜等を用いても、本発明は支障なく実施することができる。前記実施例1ないし実施例7においては、ストライプ状の開口部を有するマスクを用いて説明したが、本発明の適用は必ずしもかかる形状に限られるものではなく、矩形・円形・六角形などあらゆる形状の開口部を有するマスクにおいて、支障なく実施することができる。また、前記実施例1ないし実施例7においては、選択成長層としてAlGaNを形成する場合についてのみ説明したが、選択成長層がInAlGaNであっても同様である。
【0140】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、Alを含む半導体層を開口部からマスク成長する際、狭い幅の開口部に成長した半導体層が広い幅の開口部に成長した半導体層よりもAl組成が低くなることを利用して、半導体素子の製造安定性を改善している。また本発明によれば、かかる性質を利用して光導波路方向に沿ってAl組成の変化する層を形成し、これにより、従来、困難であった真円に近いビームスポットを実現する半導体レーザを提供する。さらに、本発明によれば、光導波路方向に光導波路層、クラッド層、電流狭窄層などの特性を変化させることにより、ビームスポットを適切に制御可能な半導体光素子を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 選択成長を用いて作製した従来の窒化物系半導体レーザの概略断面図である。
【図2】 実施例1に示した、選択成長を用いて作製した本発明に係る半導体レーザの概略断面図である。
【図3】[TMA]増加により狭開口部であってもAl組成が大面積開口部に近づく様子を示す図である。
【図4】[TMA]増大により大面積開口部に対する狭開口部のAl組成の比が1に漸近する様子を示す図である。
【図5】 実施例2に示した、選択成長を用いて作製した本発明に係る半導体レーザの概略断面図である。
【図6】 実施例3に示した、選択成長を用いて作製した本発明に係る半導体レーザの概略断面図である。
【図7】 実施例4に示した、選択成長を用いて作製した本発明に係る半導体レーザの概略断面図である。
【図8】 実施例5に示した、選択成長を用いて作製した本発明に係る半導体レーザの概略断面図である。
【図9】 実施例6に示した、選択成長を用いて作製した本発明に係る半導体レーザの概略断面図である。
【図10】 実施例7に示した、選択成長を用いて作製した本発明に係る半導体レーザの概略断面図である。
【図11】 実施例3で得られた窒化物系半導体レーザの断面を走査型電子顕微鏡により観察した結果を示す図である。
【図12】 実施例3で得られた窒化物系半導体レーザの断面を走査型電子顕微鏡により観察した結果を示す図である。
【図13】 従来の窒化物半導体レーザの出射光のスポット形状を示す図である。
【図14】 実施例B1およびB2に係る半導体レーザの上面図である。
【図15】 実施例B2に係る半導体レーザの断面図である。
【図16】 実施例B1に係る半導体レーザの出射光のスポット形状を示す図である。
【図17】 実施例B1に係る半導体レーザの上面の他の例を示す図である。
【図18】 実施例B1に係る半導体レーザの上面の他の例を示す図である。
【図19】 実施例B1に係る半導体レーザの上面の他の例を示す図である。
【図20】 実施例B1に係る半導体レーザの上面の他の例を示す図である。
【図21】 実施例B1に係る半導体レーザの上面の他の例を示す図である。
【図22】 実施例B1に係る半導体レーザの上面の他の例を示す図である。
【図23】 実施例B1に係る半導体レーザの上面の他の例を示す図である。
【図24】 実施例B3に係る半導体レーザの断面図である。
【図25】 実施例B3に係る半導体レーザの上面図である。
【図26】 実施例B4に係る半導体レーザの断面図である。
【図27】 実施例B4に係る半導体レーザの上面図である。
【図28】 実施例B5に係る半導体レーザの断面図である。
【図29】 実施例B5に係る半導体レーザの上面図である。
【図30】 実施例B5で示したレーザ構造のテーパー領域における角度θと、広い光導波路幅から狭い光導波路幅に光が導波した場合の光分布の結合効率との関係の計算結果を示す図である。
【図31】 実施例B5で示したレーザ構造のテーパー領域における角度θと抵抗値との関係の計算結果を示す図である。
【図32】 実施例B5に係る半導体レーザを複数同時に製造する方法を示す図である。
【符号の説明】
26 GaN基板
27 n型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
28 n型GaN光ガイド層
29 多重量子井戸構造活性層
30 キャップ層
31 p型GaN光ガイド層
32 開口部
33 SiOマスク
34 p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
35 GaNコンタクト層
36 AlGaN多結晶層
37 ポリイミド埋め込み層
38 p電極
39 n電極
40 GaN基板
41 n型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
42 開口部
43 SiOマスク
44 n型GaN光ガイド層
45 多重量子井戸構造活性層
46 p型Al0.15Ga0.85Nキャップ層
47 p型GaN光ガイド層
48 p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
49 p型GaNコンタクト層
50 p電極
51 n電極
52 端面部
53 中央部
60 GaN基板
61 n型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
62 n型GaN光ガイド層
63 多重量子井戸構造活性層
64 p型Al0.15Ga0.85Nキャップ層
65 p型GaN光ガイド層
66 p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
67 p型GaNコンタクト層
68 メサ型
69 SiO絶縁膜
70 n電極
71 p電極
72 端面部
73 中央部
80 GaN基板
81 n型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
82 n型GaN光ガイド層
83 多重量子井戸構造活性層
84 p型Al0.15Ga0.85Nキャップ層
85 p型GaN光ガイド層
86 p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
87 p型GaNコンタクト層
88 メサ型
89 SiO絶縁膜
90 n電極
91 p電極
92 テーパー領域
93 テーパー領域におけるクラッド層の外縁がなす直線
94 光導波路方向に平行な直線
95 開口幅の広い第1領域
96 テーパー領域
97 開口幅の狭い第2領域
98 テーパー領域
104 n型GaN光ガイド層
105 多重量子井戸構造活性層
106 p型GaN光ガイド層
113 n型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
115 SiOマスク
116 開口部
117 p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
118 p型GaNコンタクト層
120 n電極
121 SiOマスク
122 p電極
192 n型GaN基板
193 p型AlGaN層
217 p型Al0.10Ga0.90Nクラッド層
293 p型Al0.12Ga0.88N層
517 p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
593 p型Al0.09Ga0.91N層
617 p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
693 p型Al0.09Ga0.91N層
717 p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
793 p型Al0.09Ga0.91N層
817 p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
893 p型Al0.09Ga0.91N層
917 p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
993 p型Al0.09Ga0.91N層
1015 SiOマスク

Claims (23)

  1. 半導体基板と、該半導体基板よりも上部に形成された六方晶の結晶構造を有する光導波路層と、該光導波路層よりも上部に形成された凸形状を有するリッジ部と、該リッジ部の少なくとも一部を構成するAl Ga 1−x N(0≦x≦1)結晶からなるクラッド層と、前記リッジ部の上面の少なくとも一部に形成された第1のコンタクト電極と、前記半導体基板の下面に形成された第2のコンタクト電極とを備えるリッジ型の窒化物半導体光素子であって、前記光導波路層の等価屈折率が光導波路方向に沿って変化しているとともに、前記クラッド層は、光導波路の端面に接近するにしたがって幅が狭くなるように形成されたテーパー領域を含むことを特徴とする半導体光素子。
  2. 請求項1に記載の半導体光素子であって、光導波路の端面近傍における前記光導波路層の等価屈折率が、光導波路の中央部における前記光導波路層の等価屈折率より大きいことを特徴とする半導体光素子。
  3. 請求項1または2に記載の半導体光素子であって、前記光導波路層の層厚が光導波路方向に沿って変化していることを特徴とする半導体光素子。
  4. 請求項3に記載の半導体光素子であって、光導波路の端面近傍における前記光導波路層の層厚が、光導波路の中央部における前記光導波路層の層厚より厚いことを特徴とする半導体光素子。
  5. 請求項1乃至4いずれかに記載の半導体光素子であって、前記クラッド層の屈折率が光導波路方向に沿って変化していることを特徴とする半導体光素子。
  6. 請求項1乃至5いずれかに記載の半導体光素子であって、光導波路の端面近傍における前記クラッド層の屈折率が、光導波路の中央部における前記クラッド層の屈折率より大きいことを特徴とする半導体光素子。
  7. 請求項1乃至6いずれかに記載の半導体光素子であって、前記クラッド層の層厚が光導波路方向に沿って変化していることを特徴とする半導体光素子。
  8. 請求項7に記載の半導体光素子であって、光導波路の端面近傍における前記クラッド層の層厚が、光導波路の中央部における前記クラッド層の層厚よりも厚いことを特徴とする半導体光素子。
  9. 請求項1乃至8いずれかに記載の半導体光素子であって、前記クラッド層のAl組成が光導波路方向に沿って変化していることを特徴とする半導体光素子。
  10. 請求項9に記載の半導体光素子であって、光導波路の端面近傍における前記クラッド層のAl組成が、光導波路の中央部における前記クラッド層のAl組成よりも低いことを特徴とする半導体光素子。
  11. 請求項1乃至10いずれかに記載の半導体光素子であって、前記クラッド層の幅が光導波路方向に沿って変化していることを特徴とする半導体光素子。
  12. 請求項11に記載の半導体光素子であって、光導波路の端面近傍における前記クラッド層の幅が、光導波路の中央部における前記クラッド層の幅よりも狭いことを特徴とする半導体光素子。
  13. 請求項1乃至12いずれかに記載の半導体光素子であって、前記光導波路層よりも上部に形成された、ストライプ状の開口部を有するマスクを更に備え、前記クラッド層は、前記開口部から選択成長されたことを特徴とする半導体光素子。
  14. 請求項1乃至13いずれかに記載の半導体光素子であって、前記光導波路層に注入される電流を狭窄するための電流狭窄層を更に備え、該電流狭窄層の屈折率が光導波路方向に沿って変化していることを特徴とする半導体光素子。
  15. 請求項14に記載の半導体光素子であって、光導波路の端面近傍における前記電流狭窄層の屈折率が、光導波路の中央部における前記電流狭窄層の屈折率よりも低いことを特徴とする半導体光素子。
  16. 請求項1乃至15いずれかに記載の半導体光素子であって、前記テーパー領域における前記クラッド層の外縁がなす直線と、光導波路方向に平行な直線とのなす角が2度以下であることを特徴とする半導体光素子。
  17. 請求項1乃至16いずれかに記載の半導体光素子であって、前記クラッド層は、前記テーパー領域と前記端面との間に、前記テーパー領域の最も狭い幅で一定幅に形成された領域を更に含むことを特徴とする半導体光素子。
  18. 請求項1乃至17いずれかに記載の半導体光素子であって、前記光導波路層はIII族窒化物を含む半導体層を含むことを特徴とする半導体光素子。
  19. 半導体基板と、該半導体基板よりも上部に形成されたIII族窒化物を含み六方晶の結晶構造を有する光導波路層と、該光導波路層よりも上部に形成された凸形状を有するリッジ部と、該リッジ部の少なくとも一部を構成するAl Ga 1−x N(0≦x≦1)結晶からなるクラッド層と、前記リッジ部の上面の少なくとも一部に形成された第1のコンタクト電極と、前記半導体基板の下面に形成された第2のコンタクト電極とを備え、
    前記光導波路層の等価屈折率が光導波路方向に沿って変化しているとともに、前記クラッド層は、光導波路の中央部付近に位置する一定幅の第1領域と、前記第1領域から光導波路の端面に接近するにしたがって幅が狭くなるように形成されたテーパー領域とを含み、前記テーパー領域における前記クラッド層の外縁がなす直線と、光導波路方向に平行な直線との間のなす角が2度以下であることを特徴とするリッジ型の窒化物半導体レーザ。
  20. 半導体基板と、該半導体基板よりも上部に形成されたIII族窒化物を含み六方晶の結晶構造を有する光導波路層と、該光導波路層よりも上部に形成された凸形状を有するリッジ部と、該リッジ部の少なくとも一部を構成するAl Ga 1−x N(0≦x≦1)結晶からなるクラッド層と、前記リッジ部の上面の少なくとも一部に形成された第1のコンタクト電極と、前記半導体基板の下面に形成された第2のコンタクト電極とを備え、
    前記光導波路層の等価屈折率が光導波路方向に沿って変化しているとともに、前記クラッド層は、光導波路の中央部付近に位置する一定幅の第1領域と、前記第1領域から光導波路の端面に接近するにしたがって幅が狭くなるように形成されたテーパー領域とを含み、前記テーパー領域における前記クラッド層の外縁がなす直線と、光導波路方向に平行な直線との間のなす角が5度以上であることを特徴とするリッジ型の窒化物半導体レーザ。
  21. 請求項19または20に記載の窒化物半導体レーザであって、前記クラッド層は、前記テーパー領域よりも端面側に前記テーパー領域のうち最も狭い幅で一定幅に形成された第2領域を更に含み、前記テーパー領域及び前記第2領域は、前記第1領域の両側に形成されたことを特徴とするリッジ型の窒化物半導体レーザ。
  22. 請求項19乃至21いずれかに記載の窒化物半導体レーザであって、前記第1領域の幅は4マイクロメーター以下であることを特徴とするリッジ型の窒化物半導体レーザ。
  23. 請求項19乃至22いずれかに記載の窒化物半導体レーザであって、前記第1領域の長さは10マイクロメーター以上100マイクロメーター以下であることを特徴とするリッジ型の窒化物半導体レーザ。
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