JP2006114605A - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2006114605A
JP2006114605A JP2004298743A JP2004298743A JP2006114605A JP 2006114605 A JP2006114605 A JP 2006114605A JP 2004298743 A JP2004298743 A JP 2004298743A JP 2004298743 A JP2004298743 A JP 2004298743A JP 2006114605 A JP2006114605 A JP 2006114605A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
stripe
semiconductor laser
narrow
nitride semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004298743A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinobu Kawaguchi
佳伸 川口
Shigetoshi Ito
茂稔 伊藤
Yukio Yamazaki
幸生 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2004298743A priority Critical patent/JP2006114605A/ja
Publication of JP2006114605A publication Critical patent/JP2006114605A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

【課題】 変調ストライプ構造を有する半導体レーザ素子において、駆動電圧を低減しつつ、スロープ効率や閾値電流、FFPといった特性も良好である窒化物半導体レーザ素子を提供すること。
【解決手段】 本発明は、対向する2つの共振器面に対して略垂直な水平方向光閉じ込めリッジストライプ構造を有する窒化物半導体レーザ素子において、前記ストライプ構造は、少なくとも狭ストライプ領域および移行領域を含み、前記狭ストライプ領域の幅W1は、1.3μm〜1.8μmの範囲内であり、かつ狭ストライプ領域の長さL1は、150μm以上であり、前記移行領域の最大幅W3は、2μm〜4μmの範囲内であり、前記狭ストライプ領域の長さL1は、前記ストライプ構造の全長Lに対して85%以下であり、前記狭ストライプ領域に対する前記移行領域の広がり角θが2°以下であることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、窒化物半導体レーザ素子に関し、より詳細には、特定のリッジストライプ構造を有する窒化物半導体レーザ素子に関する。
光学式情報記録再生装置の光源に用いられる半導体レーザ素子には、駆動時の光出力において基本横モードのみが発振することが要求される。なぜならば、高次モードが発生すると水平方向のファーフィールドパターン(以下、「FFP」と呼ぶ)の単峰性が失われ、光スポットを光ディスク上で一点に十分小さく絞ることができなくなる上に、電流−光出力特性に直線的でない箇所、すなわちいわゆるキンクが生じ、安定動作が不可能となるからである。したがって、高次横モードの発生を抑制することは半導体レーザ素子において重要な課題であり、またその発生光出力の向上は記録速度の高速化を可能にするので望まれている。
高次モードの発生を抑制するためには、ストライプ幅を2μm程度以下にまで狭くする(以下、「狭ストライプ化」と呼ぶ)手法が一般に知られている。高次モードのカットオフ条件を満たすストライプ幅まで狭くした場合は、必ず高次モードの発生を抑制することができる。カットオフ条件を満たしていない場合でも、ストライプ幅が狭くなるにしたがい、高次モードの閉じ込め係数が小さくなる上に、放射損失も大きくなるため、高次モードの発振閾値電流が上がるので、高次モードの発生する光出力は上昇する。また、狭ストライプ化はキンクの発生要因のひとつであるホールバーニングをも抑制する効果があるとされている。
以上のような利点がある一方で、狭ストライプ化構造にすると駆動電圧が上昇するという問題がある。駆動電圧の上昇は狭ストライプ化によって素子抵抗が増加するためであると考えられている。
キンクレベルを向上させるという狭ストライプ化の利点を維持しつつ、駆動電圧の上昇を抑制する手法として、図8のように、一共振器内に、幅がW1、長さがL1である狭ストライプ領域1と、狭ストライプ領域1での駆動電圧上昇を相殺するために設けられた、幅がW2>W1なるW2であって、長さがL2である広ストライプ領域2と、両者の間にあって幅が変化し、長さがL3である移行領域3とを設ける変調ストライプ構造が知られている。
しかしながら、移行領域の形状については、下記特許文献1や下記特許文献2に記述があるものの、詳細な検討はこれまでに行われていなかった。本発明者らはこの形状について検討したところ、変調ストライプ構造では、移行領域の形状によっては移行領域において基本次モードの放射損失が増加するため、スロープ効率の低下や閾値電流の増加はもちろんのこと、FFPも乱れることを発見し、問題となることがわかった。
特開平10−75011号公報 特開平10−154843号公報
本発明の目的は、変調ストライプ構造を有する半導体レーザ素子において、駆動電圧を低減しつつ、スロープ効率や閾値電流、FFPといった特性も良好である窒化物半導体レーザ素子を提供することにある。
本発明の1つの局面によれば、対向する2つの共振器面に対して略垂直な水平方向光閉じ込めリッジストライプ構造を有する窒化物半導体レーザ素子において、前記ストライプ構造は、少なくとも狭ストライプ領域および移行領域を含み、前記狭ストライプ領域の幅W1は、1.3μm〜1.8μmの範囲内であり、かつ狭ストライプ領域の長さL1は、150μm以上であり、前記移行領域の最大幅W3は、2μm〜4μmの範囲内であり、前記狭ストライプ領域の長さL1は、前記ストライプ構造の全長Lに対して85%以下であり、前記狭ストライプ領域に対する前記移行領域の広がり角θが2°以下であることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子が提供される。
好ましくは、前記ストライプ構造の全長Lは、300μm〜1500μmの範囲内である。
好ましくは、広ストライプ領域の幅W2は、2.0μm〜4.0μmの範囲内であり、かつ前記広ストライプ領域の長さL2は、200μm以上である。
好ましくは、リッジストライプ構造において、狭ストライプ領域、移行領域、広ストライプ領域、移行領域および狭ストライプ領域がこの順番で形成されている。
好ましくは、リッジストライプ構造において、狭ストライプ領域および移行領域のみから形成されている。
好ましくは、リッジストライプ構造において、狭ストライプ領域、移行領域、広ストライプ領域および移行領域がこの順番で形成されて1つのユニットをなし、該ユニットが繰り返し形成されている。
本発明によれば、駆動電圧を低減しつつ、スロープ効率や閾値電流、FFPといった特性も良好である窒化物半導体レーザ素子が提供される。
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、対向する2つの共振器面に対して略垂直な水平方向光閉じ込めリッジストライプ構造を有する窒化物半導体レーザ素子において、前記ストライプ構造は、少なくとも狭ストライプ領域および移行領域を含み、前記狭ストライプ領域の幅W1は、1.3μm〜1.8μmの範囲内であり、かつ狭ストライプ領域の長さL1は、150μm以上であり、前記移行領域の最大幅W3は、2μm〜4μmの範囲内であり、前記狭ストライプ領域の長さL1は、前記ストライプ構造の全長Lに対して85%以下であり、前記狭ストライプ領域に対する前記移行領域の広がり角θが2°以下であることを特徴とする。
これにより、変調ストライプ構造においてスロープ効率や閾値電流の特性を向上させつつFFPの特性も良好にすることができる。
具体的に、本発明を、図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の窒化物半導体レーザ素子の斜視図であり、図2は、本発明の窒化物半導体レーザ素子のリッジストライプ構造の平面図である。
図1において、本発明の窒化物半導体レーザ素子は、対向する2つの共振器面11,12に対して略垂直な水平方向光閉じ込めリッジストライプ構造13を有し、当該リッジストライプ構造は、狭ストライプ領域14、移行領域15および広ストライプ領域16から構成される。リッジストライプ構造13について図2を用いて詳細に説明する。
図2において、狭ストライプ領域14の幅W1は、1.3μm〜1.8μmの範囲内であり、かつ狭ストライプ領域14の長さL1は、150μm以上であり、狭ストライプ領域に対する移行領域15の広がり角θは2°以下である。W1が、1.3μm未満であると、閾値電流が増大するおそれがあり、1.8μmを超えると狭ストライプ領域の高次モードとホールバーニングの抑制効果を得にくいためである。好ましくは、1.4μm以上1.7μm以下である。
また、L1が、150μm未満であると、移行領域および広ストライプ領域で生じた高次モード光が減衰しきらないおそれがある。また、伝播光の形状は、移行領域で乱れ、狭ストライプ領域を通過する間に再び整形されるのだが、L1が150μm未満であると、伝播光の形状が乱れたまま出射され、FFPが乱れるおそれがある。好ましくは、200μm以上である。ただし、後述するL1がストライプ構造の全長Lに占める割合の条件(85%以下、好ましくは65%以下)を同時に満たす必要がある。また、広がり角θが2°を超えると、ストライプ外に漏れて放射する光が増加してしまうため、FFPなどの特性が悪化するという問題が生じるおそれがある。好ましくは、1°以下である。ただし、前述のL1の条件(150μm以上、好ましくは200μm以上)、後述するL1がストライプ構造の全長Lに占める割合の条件(85%以下、好ましくは65%以下)、同じく後述する移行領域の最大幅W3(2μm〜4μm、好ましくは、2μm〜3μm)の条件は、すべて同時に満たす必要がある。
また、移行領域の最大幅W3は、2μm〜4μmの範囲内である。W3が2μm未満であると、駆動電圧上昇の相殺の効果を得ることが難しく、4μmを超えると、閾値電流が増大してしまうおそれがある。好ましくは、2μm〜3μmである。また、前記狭ストライプ領域の長さL1は、前記ストライプ構造の全長Lに対して85%以下である。85%を超えると、駆動電圧上昇の相殺効果を得ることが難しいためである。好ましくは、65%以下である。ただし、前述のL1の条件(150μm以上、好ましくは200μm以上)を、同時に満たす必要がある。
本発明において、図2に示されるように、ストライプ構造の全長Lは、300μm〜1500μmの範囲内であることが好ましい。300μm未満であると、熱抵抗増大による放熱性が悪化するおそれがあり、1500μmを超えると、閾値電流が増大するおそれがあるためである。好ましくは、400μm〜1000μmの範囲内である。
また、広ストライプ領域16の幅W2は、2.0μm以上4.0μm以下の範囲内であり、かつ広ストライプ領域16の長さL2は、150μm以上であることが好ましい。W2が、2.0μm未満であると、駆動電圧上昇の相殺の効果を得ることが難しく、4.0μmを超えると、閾値電流が増大してしまうおそれがあるためである。好ましくは、2μm以上3μm以下である。
また、L2が、150μm未満であると、広ストライプ側の端面から光を取り出す場合、伝播光の形状が乱れたまま出射され、FFPが乱れるおそれがあるためである。好ましくは、200μm以上である。
上記のリッジストライプ構造は、本発明者らの次に示す検討により見出されたものである。すなわち、図1および図2に示すような、幅が直線テーパ状に変化するストライプ構造を有する窒化物半導体レーザ素子において、水平基本次モードの放射損失を、有限差分法によるビーム伝播法(Finite Difference Beam Propagation Method, FD−BPM)によって計算した。具体的な計算法については後述する。
図3は、狭ストライプ領域に対する移行領域の広がり角θと、移行領域における、水平基本次モードの規格化放射損失α0=α03/α01の関係を、グラフを用いて示したものである。ここで、α01およびα03はそれぞれ、ストライプ幅の変化する移行領域におけるおよびストライプ幅の変化しない単調ストライプ構造における、水平基本次モードの放射損失を意味する。なお、本明細書において、「水平」方向とは、対向する2つの共振器面に垂直でかつ、半導体層の層厚方向に対し垂直な方向をいう。
図3によると、θが大きくなるにつれて、α0が増大することがわかる。これは、ストライプ幅の変化が急峻になると、ストライプ外に漏れて放射する光が増加するためである。図3のグラフより、スロープ効率や閾値電流、FFPといった特性を悪化させないためには、α0は2以下、すなわち、移行領域における放射損失が、単調ストライプ領域における放射損失の2倍以下である必要があることから、θは2°以下が好ましい。
なお、本計算は、狭ストライプ領域の幅W1を1.3μmとし、広がり角θで変化する場合について検討しているが、W1が1.3μm以上であれば、θ≦2°の条件を満たすと必ずα0≦2が満たされ、特性の悪化は生じない。すなわち、移行領域の形状は、W2>W1≧1.3μmであり、かつ、θ≦2°を満たせばよく、この条件を満たす限りにおいて特性の悪化は生じない。
続いて、水平高次モードの発生を抑制して、高キンクレベルを達成できるような狭ストライプ幅を計算し、検討した。図4は、狭ストライプ幅と、水平基本次モードと水平1次モードとの放射損失差Δαとの関係を、グラフを用いて示したものである。水平高次モードの発生を十分に抑制して、45mW以上のキンクレベルを得るためには、Δα≧4cm−1の領域が、150μm以上必要である。したがって、W1≦1.8μm、L1≧150μmが選ばれる。
以上のとおり、2つの計算結果を合わせると、変調リッジストライプ構造の利点である、駆動電圧上昇の抑制とキンクレベルの向上を達成しつつ、スロープ効率、閾値電流、FFPといった特性を悪化させないためには、1.3μm≦W1≦1.8μm、L1≧150μm、W2>1.8μm、θ≦2°であれば良い。ただし、駆動電圧の上昇を十分に抑えるためには、2.0μm≦W2≦4.0μm、L2≧200μmが望ましい。また、閾値電流の値やチップの放熱性を考慮すると、リッジストライプ構造の全長Lは300μm≦L≦1500μmが望ましい。なお、ストライプ領域が共振器端面にまで到達していないような端面非注入構造においても、本発明の効果は得られる。
ここで、放射損失の計算法について述べる。本明細書において、放射損失とは、作製したレーザ構造について、有限差分法によるビーム伝搬法(Finite Difference Beam Propagation Method,FD−BPM)により求まる計算値を指すものとする。FD−BPMについては、例えばW.P.Huang,IEEE J.Quantum Electron.29(1993)2639に記載されている。
まず、初期値として適切な光強度分布(基本次モードを求める場合は単峰な光強度分布を、1次モードを求める場合は双峰の光強度分布を与える)を作製したレーザの構造に入射させ、300μm伝搬させた後の光強度分布を、FD−BPMにより計算すると、同計算構造における横モード成分のみが選択的に伝播し、他の成分は計算構造外に伝搬していき、300μm伝搬する間に無視できる強度まで減少するため、伝搬後の光強度分布は同計算構造における横モードの光強度分布とみなすことができる。次に、求まった横モード光強度分布を改めて同じ計算構造内に入射させ、単位長さだけ伝搬させた後のパワー減衰割合から、同構造における放射損失を求めることができる。
ここで、計算構造は、走査型電子顕微鏡(SEM)により求めた層厚およびX線から求めたIn混晶比およびAl混晶比から、レーザ構造の共振器方向に垂直な断面における屈折率分布を求め、さらに活性層中央面とリッジ中央面と共振器方向に垂直な断面との交点を原点とした、垂直方向±4μm、水平方向±4μm以内の領域のみとした。この計算構造より外に放射した光は、放射損失として取り扱っている。また、上記計算構造の周囲は、透明境界条件を用いた。透明境界条件については、例えばG.R.Hadley,OpticsLett.16(1991)624に記載されている。また、差分化する際のセルの大きさは、計算構造内で一定とし、縦0.04μm以下、横0.1μm以下とした。
本発明の窒化物半導体レーザ素子では、上述したような特定の形状を有するリッジストライプ構造を採用して、高キンクレベルと低駆動電圧を達成したうえに、移行部の形状を最適化することによって、閾値電流、スロープ効率、FFPといった特性の悪化も抑止できる。
ここで、本発明においては、上述したように、高次モードの発生を抑制するための狭ストライプ領域の幅が1.3μm以上1.8μm以下、長さが150μm以上であり、移行部の広がり角が2°以下である限りにおいて、上記効果を得ることができるが、代替の形態としては、図7のようなリッジストライプ部の構造にすることも可能である。
例えば、図7(a)のように、リッジストライプ構造において、狭ストライプ領域14、移行領域15、広ストライプ領域16、移行領域15および狭ストライプ領域14がこの順番で形成されているような形状でも良い。また、図7(b)のように狭ストライプ領域14および移行領域15のみから形成されている形状でもよい。また、図7(c)のように狭ストライプ領域14、移行領域15、広ストライプ領域16および移行領域15がこの順番で形成されて1つのユニットをなし、該ユニットが繰り返し形成されている形状も可能である。
次に、本発明の窒化物半導体レーザ素子の構造について説明する。図5は、本発明の窒化物系半導体レーザ素子の断面図であり、半導体レーザ素子の層厚方向に垂直な断面を表している。
図5において、本発明の窒化物半導体レーザは、n型GaN材料からなる基板101(好ましくは、膜厚30〜500μm)と、n型GaN材料からなる下地層102(好ましくは、膜厚0.1〜10μm)と、n型Alx1Ga1−x1N(0.04≦x1<x2≦0.15)材料からなる第1下部クラッド層(好ましくは、膜厚0.8μm以上)と、n型Alx2Ga1−x2N(0.04≦x1<x2≦0.15)材料からなる第2下部クラッド層(好ましくは、膜厚0.05〜0.3μm)と、n型Alx3Ga1−x3N(0.04≦x3<x2≦0.15)材料からなる第3下部クラッド層(好ましくは、膜厚0.01〜0.3μm)とからなる下部クラッド層103、n型GaN材料からなる下部光導波層104(好ましくは、膜厚0〜0.15μm)、InGa1−wN(0<w≦0.2)材料からなる量子井戸層およびn型InGa1−vN(0≦v<w)材料からなる障壁層を交互に積層させた多重量子井戸構造の活性層105(好ましくは、総膜厚5〜100nm)、p型AlGa1−zN材料からなるキャリアブロック層106(好ましくは、膜厚0〜0.1μm)、中央部にその他の部分より上方に突出したストライプ状の突出部を有しかつp型GaN材料からなる上部光導波層107(好ましくは、中央部の膜厚0.05〜0.15μm)、上部光導波層107の突出部上に形成されたp型AlGa1−yN(好ましくは、0.04≦y≦0.15)材料からなる上部クラッド層108(好ましくは、膜厚0.4μm以上)、上部クラッド層108上に形成されたp型GaN材料からなるコンタクト層109(好ましくは、膜厚が0.01〜10μm)と、上部光導波層107の突出部、上部クラッド層108およびコンタクト層109で構成されるリッジストライプ部の構造の両側に設けられた埋め込み層110と、正電極112と、負電極111とを備える。
本窒化物系半導体レーザ素子の発光波長は、370〜430nmの範囲であり、当該発光波長は、活性層105における量子井戸層および障壁層を形成するInGaN半導体の混晶比および各層の膜厚によって調整することができる。
また、下部光導波層104、上部光導波層107およびキャリアブロック層106には導電型不純物を含むことにより導電型の規定されている半導体を採用した構成を示したが、それらの層にノンドープの半導体を採用した構成とすることもできる。
p型用の電極112(正電極)としては、例えば、ニッケル(Ni)膜上に金(Au)膜を積層してなるAu/Ni電極やパラジウム(Pd)膜上に金(Au)膜を積層してなるAu/Pd電極が挙げられる。また、n型用の電極(負電極)としては、例えば、チタン(Ti)膜にアルミニウム(Al)膜を積層してなるAl/Ti電極やタングステン(W)膜に金(Au)膜を積層してなるAu/W電極が挙げられる。
次に、本発明に係る窒化物系半導体レーザ素子の製造方法について説明する。まず、(0001)C面を結晶成長用面とするn型GaNからなる基板101を洗浄する(洗浄工程)。洗浄したGaN基板101をMOCVD装置内に導入し、H雰囲気の中で、約1100℃の高温でクリーニングを行う(清浄化工程)。
次に、約1050℃まで降温する。TMG(トリメチルガリウム)を100μmol/min、SiH(モノシラン)を10nmol/min導入して、下地層102としてn型GaN層を成長させる(下地層形成工程)。
下地層形成工程の完了後、TMGの流量を50μmol/minに調整し、TMA(トリメチルアルミニウム)を一定量導入して、SiHを10nmol/min流しながら、第1下部クラッド層113としてn型Alx1Ga1−x1N(例えばx1=0.062)層、第2下部クラッド層123としてn型Alx2Ga1−x2N(例えばx2=0.1)層、第3下部クラッド層133としてn型Alx3Ga1−x3N(例えばx3=0.062)層を順次成長させる(下部クラッド層形成工程)。
下部クラッド層形成工程完了後、TMAの供給を停止し、かつTMGを100μmol/minに調整して、下部光導波層104としてn型GaN層を成長させる(下部光導波層形成工程)。
下部光導波層形成工程の完了後、TMGの供給を停止して、キャリアガスを水素ガス(Hガス)から窒素ガス(Nガス)に代えて、700℃まで降温し、インジウム原料であるトリメチルインジウム(TMI)を一定量、TMGを15μmol/min導入し、活性層105を構成する障壁層としてn型InGa1−vN(例えば、v=0.005)層を成長させる(障壁層形成工程)。次に、SiHの供給を停止し、かつTMIの供給をある一定量にまで増加して、活性層105の量子井戸層としてInGa1−wN(例えば、w=0.09)層を成長させる(量子井戸層形成工程)。成長時に導入するTMIの流量は、その設計値に等しいIn組成の膜が得られるように調節する。障壁層形成工程と量子井戸層形成工程とを繰り返して所望の多重量子井戸構造を有する活性層105を形成する(活性層形成工程)。
活性層形成工程の完了後、TMI、TMGおよびSiHの供給を停止して、1050℃まで昇温し、キャリアガスをNガスからHガスに代えて、TMGを50μmol/min、TMAを適量、p型不純物の原料であるビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を10nmol/min導入し、キャリアブロック層106としてp型AlGa1−zN(例えば、z=0.26)層を成長させる(キャリアブロック層形成工程)。
キャリアブロック層形成工程の完了後、TMAの供給を停止し、TMGの供給量を100μmol/minに調整して、上部光導波層107としてp型GaN層を成長させる(上部光導波層形成工程)。
上部光導波層形成工程の完了後、TMGの供給を50μm/minに調整し、かつTMAを一定量導入して、上部クラッド層108としてp型AlGa1−yN(例えば、y=0.1)層を成長させる(上部クラッド層形成工程)。
上部クラッド層形成工程の完了後、TMGの供給を100μmol/minに調整して、かつTMAの供給を停止して、コンタクト層109としてp型GaN層を成長させる(コンタクト層形成工程)。
コンタクト層形成工程の完了後、TMGおよびCpMgの供給を停止し、かつ室温まで降温して各種の半導体層の形成された基板をMOCVD装置から取り出す。引き続き、フォトリソグラフィー技術および反応性イオンエッチング技術を用い、中央領域に所定のストライプ形状のリッジストライプ構造を形成するように、中央領域の両側の側部領域下に積層されている半導体層を所定の深さまでエッチングする(リッジストライプ形成工程)。このとき、側部領域下においては、コンタクト層109および上部クラッド層108は完全にエッチングされ、上部光導波層107は適切な厚さまでエッチングされる。
(実施例)
本実施例において、図1および2に示すような窒化物半導体レーザ素子を作製した。半導体層等の具体的な構造は、図5に示すような構造を用いた。リッジストライプ部の形状および寸法を図6に示す。図6において、W1=1.4μm、L1=150μm、W2=2.4μm、L2=430μm、L3=20μm、θ=1.57°である。このような構造の窒化物半導体レーザ素子の特性を評価したところ、閾値電流Ith=42mA、スロープ効率SE=1.2、FFPは単峰であり、実用上全く問題ない特性であることが分かった。また、光出力30mW時の駆動電圧は、4.8Vで、90mWまでキンクは発生しなかった。
(比較例)
上記実施例に対して、幅1.4μmで共振器長600μmの単調ストライプ構造を有する以外は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製した。この素子では、キンクに関しては、同じく90mWまで発生しなかったものの、光出力30mW時の駆動電圧は6.4Vと実施例の素子に比べ悪化していた。また、比較例における幅2.5μmで共振器長600μmの単調ストライプ構造では、光出力30mW時の駆動電圧に関しては、4.6Vと十分に低かったが、キンクが35mWで発生した。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の窒化物半導体レーザ素子の斜視図である。 本発明の窒化物半導体レーザ素子のリッジストライプ構造の平面図である。 狭ストライプ領域に対する移行領域の広がり角θと、移行領域における、水平基本次モードの規格化放射損失α0=α03/α01の関係を、グラフを用いて示した図である。 狭ストライプ幅と、水平基本次モードと水平1次モードとの放射損失差Δαとの関係を、グラフを用いて示した図である。 本発明の窒化物系半導体レーザ素子の断面図である。 本発明におけるリッジストライプ構造の形状および寸法の一例を示す平面図である。 本発明におけるリッジストライプ構造の例を示す模式図である。 従来の半導体レーザ素子における変調ストライプ構造を示す模式図である。
符号の説明
11,12 共振器面、13 リッジストライプ、1,14 狭ストライプ領域、3,15 移行領域、2,16 広ストライプ領域、101 基板、102 下地層、103 下部クラッド層、104 下部光導波層、105 活性層、106 キャリアブロック層、107 上部光導波層、108 上部クラッド層、109 コンタクト層、110 埋め込み層、111 負電極、112 正電極、113 下部クラッド層。

Claims (7)

  1. 対向する2つの共振器面に対して略垂直な水平方向光閉じ込めリッジストライプ構造を有する窒化物半導体レーザ素子において、
    前記ストライプ構造は、少なくとも狭ストライプ領域および移行領域を含み、
    前記狭ストライプ領域の幅W1は、1.3μm〜1.8μmの範囲内であり、かつ狭ストライプ領域の長さL1は、150μm以上であり、
    前記移行領域の最大幅W3は、2μm〜4μmの範囲内であり、
    前記狭ストライプ領域の長さL1は、前記ストライプ構造の全長Lに対して85%以下であり、
    前記狭ストライプ領域に対する前記移行領域の広がり角θが2°以下であることを特徴とする、窒化物半導体レーザ素子。
  2. 前記ストライプ構造の全長Lは、300μm〜1500μmの範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  3. 広ストライプ領域の幅W2は、2.0μm〜4.0μmの範囲内であり、かつ前記広ストライプ領域の長さL2は、150μm以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  4. リッジストライプ構造の全長Lは、400μm以上1000μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  5. リッジストライプ構造において、狭ストライプ領域、移行領域、広ストライプ領域、移行領域および狭ストライプ領域がこの順番で形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  6. リッジストライプ構造において、狭ストライプ領域および移行領域のみから形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  7. リッジストライプ構造において、狭ストライプ領域、移行領域、広ストライプ領域および移行領域がこの順番で形成されて1つのユニットをなし、該ユニットが繰り返し形成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
JP2004298743A 2004-10-13 2004-10-13 窒化物半導体レーザ素子 Pending JP2006114605A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004298743A JP2006114605A (ja) 2004-10-13 2004-10-13 窒化物半導体レーザ素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004298743A JP2006114605A (ja) 2004-10-13 2004-10-13 窒化物半導体レーザ素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006114605A true JP2006114605A (ja) 2006-04-27

Family

ID=36382891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004298743A Pending JP2006114605A (ja) 2004-10-13 2004-10-13 窒化物半導体レーザ素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006114605A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008010374A1 (fr) * 2006-07-19 2008-01-24 Panasonic Corporation Dispositif laser semi-conducteur
JP2009224480A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Panasonic Corp 2波長半導体レーザ装置
JP2010062213A (ja) * 2008-09-01 2010-03-18 Sharp Corp 窒化物半導体発光素子およびその製造方法
WO2016139708A1 (ja) * 2015-03-03 2016-09-09 ソニー株式会社 半導体発光素子および表示装置

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997041625A1 (fr) * 1996-04-26 1997-11-06 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Laser a semi-conducteurs et son procede de fabrication
JPH10209553A (ja) * 1997-01-17 1998-08-07 Hitachi Ltd 半導体レーザ素子
JPH11186659A (ja) * 1997-12-22 1999-07-09 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体レーザ素子
JP2001308459A (ja) * 2000-04-21 2001-11-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 窒化物系化合物半導体レーザ装置
JP2001345516A (ja) * 2000-06-02 2001-12-14 Mitsubishi Chemicals Corp 半導体光デバイス装置
JP2002374035A (ja) * 2000-06-08 2002-12-26 Nichia Chem Ind Ltd 半導体レーザ素子及びその製造方法
JP2003158344A (ja) * 2001-09-07 2003-05-30 Nec Corp 半導体構造、半導体光素子およびそれらの製造方法
JP2003174231A (ja) * 2001-12-07 2003-06-20 Sharp Corp GaN系半導体レーザ素子
JP2004158800A (ja) * 2002-11-08 2004-06-03 Sharp Corp 窒化物半導体レーザ素子および光学式情報記録再生装置

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997041625A1 (fr) * 1996-04-26 1997-11-06 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Laser a semi-conducteurs et son procede de fabrication
JPH10209553A (ja) * 1997-01-17 1998-08-07 Hitachi Ltd 半導体レーザ素子
JPH11186659A (ja) * 1997-12-22 1999-07-09 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体レーザ素子
JP2001308459A (ja) * 2000-04-21 2001-11-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 窒化物系化合物半導体レーザ装置
JP2001345516A (ja) * 2000-06-02 2001-12-14 Mitsubishi Chemicals Corp 半導体光デバイス装置
JP2002374035A (ja) * 2000-06-08 2002-12-26 Nichia Chem Ind Ltd 半導体レーザ素子及びその製造方法
JP2003158344A (ja) * 2001-09-07 2003-05-30 Nec Corp 半導体構造、半導体光素子およびそれらの製造方法
JP2003174231A (ja) * 2001-12-07 2003-06-20 Sharp Corp GaN系半導体レーザ素子
JP2004158800A (ja) * 2002-11-08 2004-06-03 Sharp Corp 窒化物半導体レーザ素子および光学式情報記録再生装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008010374A1 (fr) * 2006-07-19 2008-01-24 Panasonic Corporation Dispositif laser semi-conducteur
CN101490915B (zh) * 2006-07-19 2010-09-29 松下电器产业株式会社 半导体激光装置
US7839911B2 (en) 2006-07-19 2010-11-23 Panasonic Corporation Semiconductor laser device
JP5247444B2 (ja) * 2006-07-19 2013-07-24 パナソニック株式会社 半導体レーザ装置
JP2009224480A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Panasonic Corp 2波長半導体レーザ装置
JP2010062213A (ja) * 2008-09-01 2010-03-18 Sharp Corp 窒化物半導体発光素子およびその製造方法
WO2016139708A1 (ja) * 2015-03-03 2016-09-09 ソニー株式会社 半導体発光素子および表示装置
JPWO2016139708A1 (ja) * 2015-03-03 2017-12-07 ソニー株式会社 半導体発光素子および表示装置
US10490692B2 (en) 2015-03-03 2019-11-26 Sony Corporation Semiconductor light-emitting device and display apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6252894B1 (en) Semiconductor laser using gallium nitride series compound semiconductor
JP6941771B2 (ja) 半導体発光素子
US6873635B2 (en) Nitride semiconductor laser device and optical information reproduction apparatus using the same
JP2009064886A (ja) 半導体レーザ装置
JP5247444B2 (ja) 半導体レーザ装置
JP5507792B2 (ja) Iii族窒化物半導体光素子
JP2006135221A (ja) 半導体発光素子
JP4534435B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法
JP2007250637A (ja) Iii族窒化物半導体光素子
JP2006295016A (ja) 半導体レーザ素子
US7095769B2 (en) Semiconductor laser diode with higher-order mode absorption layers
JP2005033099A (ja) 窒化物半導体レーザ及びその製造方法
JP2004253776A (ja) 半導体レーザ素子及び光学式情報記録装置
JP2006114605A (ja) 窒化物半導体レーザ素子
WO2022064728A1 (ja) 半導体レーザ装置
JP2702871B2 (ja) 半導体レーザおよびその製造方法
JP2009076640A (ja) 半導体発光素子
JP2007005720A (ja) 半導体レーザ装置
JP2000277856A (ja) 自励発振型半導体レーザ装置
JP3925066B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JP2004014818A (ja) 半導体レーザ素子
JP3998492B2 (ja) 半導体レーザ素子
JP2004158800A (ja) 窒化物半導体レーザ素子および光学式情報記録再生装置
JP2008124485A (ja) 窒化物半導体レーザ素子およびそれを用いた光学式情報再生装置
JPWO2005124952A1 (ja) 半導体発光装置およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20070302

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20100115

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20100727

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100825

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20110823

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111227