JP3784452B2 - 動力伝達用チェーンのロッカージョイント構造 - Google Patents

動力伝達用チェーンのロッカージョイント構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、動力伝達用チェーンに関し、詳細には、このようなチェーンのための改良されたロッカージョイント構造に関する。このロッカージョイントは、三日月形状の開孔と一対のピンとを有している。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
本発明は、とくに内向き歯付の動力伝達用チェーンすなわちサイレントチェーンに適用される。このサイレントチェーンは、トルクコンバータからトランスミッションへの動力伝達の際や、四輪駆動車のトランスファケース内あるいは自動車用トランスミッション内において用いられるばかりでなく、エンジンのタイミングドライブに用いられる。
【0003】
本発明はまた、可変プーリトランスミッション(CVT:Continuously Variable Transmissions)とともに用いられる動力伝達用チェーンばかりでなく、ローラチェーンにも適用される。
【0004】
動力伝達用チェーンの一つのタイプは「サイレントチェーン」とよばれる。サイレントチェーンは、交互に配置された内向き歯付きリンクの組から構成されており、これらのリンクはスプロケット歯と接触するように構成され配置されている。一組または一列のリンクは、互いに並んですなわち隣り合って配置された幾枚かのリンクから組み立てられている。リンクは枢支部材によって連結されており、該枢支部材は典型的には、一対の孔内に支持された丸ピンまたはロッカージョイントピンである。
【0005】
サイレントチェーンの例は米国特許第 4,758,210号および第 4,904,231号の中に見出されるが、これらの特許は、引用することによって本明細書の中に含まれる。
【0006】
動力伝達用チェーンの第2のタイプは、CVTの中において一対の可変プーリ間の動力伝達に用いられている。このチェーンリンクは、一緒に配置されたリンクの組の中に設けられている。リンクは、枢支部材を受け入れるための整列された開孔を有している。チェーン上に配置された負荷ブロックつまり荷重伝達手段は、プーリ間の動力伝達の手段を提供する。CVTでの使用に適したチェーンの一例は米国特許第 4,911,682号に示されている。該特許は、引用することによって本明細書の中に含まれる。
【0007】
動力伝達用チェーンの他のタイプは、ローラチェーンとして知られている。典型的なローラチェーンは、交互に配置された内側リンクおよび外側リンクから構成されている。「ブシュ」リンクとしても知られる内側リンクは、間隔をあけて配置されたサイドバーから構成されており、該サイドバーには、その各端部の穴または開孔内にブシュが強固に嵌められている。「ピン」リンクまたはガイドリンクとしても知られる外側リンクは、間隔をあけて配置されたサイドバーから構成されており、該サイドバーには、その各端部の開孔内にピンが強固に嵌められている。
【0008】
ブシュは、外側リンクを交互配列の内側リンクに枢支可能に連結するために、ピンの回りを回転自在になっている。そして、ブシュの回りを回転するようにローラが取り付けられている。このようなローラチェーンの一例は米国特許第 4,186,617号に示されており、該特許は、引用することによって本明細書の中に含まれる。
【0009】
一対のロッカーピンを構成するロッカージョイントによって複数枚のリンクプレートが連結されたサイレントチェーンが、従来から広く用いられている。このようなサイレントチェーンの一例は、特公昭41-2805 号公報に開示されている。
【0010】
この出願に開示されたサイレントチェーンにおいて、リンクプレートにはその両端部に開孔が設けられている。開孔は、凸状の円弧状支持面を有する三日月形状を有している。ロッカーピンは開孔内に挿入されており、凸状のロッカー面と凹状のシート面とを備えた円弧状部分を有している。ピンは、そのシート面において開孔の支持面と係合している。
【0011】
しかしながら、このサイレントチェーンでは、ロッカーピンが円弧状部分を有しているために、ピン断面積が相対的に小さく、ピンの破損によってチェーンがしばしば破断する。
【0012】
このようなピンの破損が防止されたサイレントチェーンが特公平1-55821 号公報に開示されている。このサイレントチェーンでは、ガイドリンクプレートの内側面に強化プレートを設けることによって、ロッカーピンが強化されている。一方、このサイレントチェーンの欠点は、強化プレートの幅の分だけチェーンの全幅が増していることである。
【0013】
ピンの破損を防止するための最も簡単な方法は、ロッカー面の曲率半径を大きくすることによってロッカーピンの断面積を増加させることである。しかしながら、この場合には、リンクプレートの形状に比べて孔が大きくなり、その結果、リンクプレートの強度が低下してしまう。
【0014】
従来のロッカージョイント型サイレントチェーンの他の例は、特公昭51-1815 号公報に開示されている。このサイレントチェーンでは、ロッカーピンが、大面積を有するほぼ台形状の横断面を備えている。そのため、このようなサイレントチェーンのピン強度は、上述の従来のロッカーピンよりもかなり高い。
【0015】
しかしながら、このサイレントチェーンの欠点は、チェーンに荷重が作用したときにロッカーピンの転がりを停止させる面を形成する一対の傾斜面が鋭角をなしていることである。したがって、ロッカーピンの傾斜面とリンクプレートの開孔によって形成される各傾斜面との間のクリアランスが、チェーンのピッチ方向に容易に拡がる。このため、あるピッチを有するチェーンを製作することが非常に難しい仕事になる。
【0016】
ロッカージョイント型の従来のサイレントチェーンの他の例は、実開昭62-196950 号公報に開示されている。このサイレントチェーンにおいてはロッカーピンが略楕円形の断面を有しており、これにより、上述の従来の例の最初のものよりもロッカーピンの強度が高くなっている。
【0017】
しかしながら、このサイレントチェーンにおいては、リンクプレートの開孔内に突出部が形成されている。この突出部は、チェーンが曲がったときにロッカーピンの回転を防止するために用いられている。チェーンに衝撃荷重が作用したとき、突出部はすべりやすく、ロッカーピンとリンクプレートとの間で相対的なスリップを引き起こして、これらの部分の摩耗を増加させる。その上、このような突出部は、工具の顕著な摩耗に伴って難しい加工を必要とするので、製造上の問題が生じる。
【0018】
従来のロッカージョイント型サイレントチェーンの他の例は米国特許第 5,372,554号に開示されており、該特許は、引用することによって本明細書の中に含まれる。
【0019】
各ロッカーピンは円弧状のロッカー面によって限定されており、円弧状のシート面はロッカー面と逆側においてロッカー面と同心に配置されている。一対のサイド面がロッカー面とシート面とを接続している。各ピンのサイド面は、曲率中心がピン本体内に配置された円弧面から構成されている。ピンサイド面はまた、円弧面に接続されたわずかな円弧を含む実質的に平坦な面をも有している。
【0020】
開孔は、リンクプレートの端部に配置され、一方のロッカーピンのシート面と係合する円弧状の支持面によって限定されている。開孔は、支持面に接続されかつロッカーピンのサイド面と対向する保持面を有している。開孔はまた曲面を有しており、該曲面は、隣のロッカーピンが回転できるように十分なクリアランスをもって保持面に接続されている。
【0021】
ロッカーピンおよび開孔の形状のために、縦横比(すなわち幅に対する高さの割合)が従来の円形ロッカーピンおよび開孔に関係する縦横比よりも低くなっている。縦横比の減少により、チェーンの強度が増加することになる。しかしながら、ピンサイド面がロッカーピンの断面内に曲率中心を有しているため、縦横比の減少が制限されている。
【0022】
したがって、チェーンの強度をより増加させるために、縦横比がより一層減少した開孔およびロッカーピンを提供するのが望ましい。
【0023】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、ロッカージョイントの断面形状の改良および該ロッカージョイントを受け入れるリンクプレートのピン孔または開孔の形状の改良により、引張強度および耐摩耗性が向上したサイレントチェーンを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るロッカージョイント構造は、リンクおよび枢支部材の組立体から構成される動力伝達用チェーンのためのロッカージョイント構造であって、前記チェーンが、他のリンクの組に組み合わされた複数のリンクの組を有し、前記各リンクが、端部と、中央の本体部と、間隔を隔てた一対の開孔とを有し、前記枢支部材が一対のピンを有しており、前記ピンの各々が、円弧状ロッカー面と、前記ロッカー面と逆側に配置されかつ該ロッカー面と同心の円弧状シート面と、前記ロッカー面およびシート面を接続する一対のサイド面とを有し、前記サイド面が、ピン外側に中心が配置された円弧面を有しており、前記開孔の各々が、前記リンクの端部寄りに配置された円弧状の支持面を有し、該支持面が一方のピンのシート面と係合しており、前記開孔が、前記支持面に接続されかつ一方のピンのサイド面と対向する保持面を有し、前記保持面が、前記開孔の外側に配置された曲率中心を有しており、前記開孔が、前記保持面に接続され曲面を有しており、前記開孔は、その長さが高さよりも大きくなるように形成されていることを特徴としている。
【0025】
請求項2の発明に係るロッカージョイント構造は、請求項1記載のロッカージョイント構造において、前記サイド面が、前記円弧面および前記曲面を接続する平坦面を有していることを特徴としている。
【0026】
請求項3の発明に係るロッカージョイント構造は、請求項1記載のロッカージョイント構造において、前記サイド面が、前記円弧面および前記曲面を接続する曲率半径の大きな曲面を有していることを特徴としている。
【0027】
請求項4の発明に係るロッカージョイント構造は、請求項1記載のロッカージョイント構造において、前記サイド面の曲率中心が前記開孔の垂直方向中心線から外れて配置されていることを特徴としている。
【0028】
請求項の発明に係るロッカージョイント構造は、請求項1記載のロッカージョイント構造において、各リンクが一対の歯部を有し、該各歯部が直線形状の内側フランク面を有していることを特徴としている。
【0029】
請求項の発明に係るロッカージョイント構造は、請求項1記載のロッカージョイント構造において、各リンクが一対の歯部を有し、該各歯部が曲線形状の内側フランク面を有していることを特徴としている。
【0030】
本発明は、ロッカーピンの形状およびリンクプレートの開孔の形状を改良することによって、リンクプレートの強度を低下させることなく、ロッカーピンの強度を向上させるとともに、チェーン摩耗により生じるサイレントチェーンの伸びを最小にしようとしている。
【0031】
一実施態様においては、本発明は、一対の内向き歯および一対の開孔を備えた複数のリンクプレートが、開孔内に挿入されたロッカージョイントによって連結されたサイレントチェーンに関する。
【0032】
ロッカージョイントは一対のロッカーピンから構成されている。各ロッカーピンは円弧状のロッカー面によって限定されており、円弧状のシート面はこのロッカー面と逆側においてロッカー面と同心に配置されている。そして、一対のサイド面がロッカー面とシート面とを接続している。各ピンのサイド面は、曲率中心がロッカーピンの外側に配置された円弧面から構成されている。
【0033】
開孔は、リンクプレートの端部に配置された円弧状の支持面を有しており、該支持面は、一方のロッカーピンのシート面と係合している。開孔は、支持面に接続されかつロッカーピンのサイド面と対向する保持面を有している。開孔はまた、保持面に接続された曲面を有している。保持面の曲率中心は、開孔の外側に配置されている。
【0034】
上述の構造を有するサイレントチェーンにおいては、主にリンクプレートの支持面とロッカーピンのシート面との間の接触によって、リンクプレートおよびロッカーピン間で荷重が伝達される。そして、リンクプレートに対するロッカーピンの配置およびこれらの相対回転の阻止は、支持面およびシート面で行われる。
【0035】
本発明によれば、このような構造により、大きな受圧面が提供されるとともに、ロッカーピンの厚みが増加し、チェーンの破断強度が向上し、摩耗によるチェーン伸びが減少することになる。これにより、ピンの強度が向上し、その結果、チェーンの耐衝撃性が向上する。ピンおよびリンクプレートの衝撃バランスが向上して、大荷重容量を有する軽量チェーンが入手可能になる。チェーンの摩耗伸びもまた減少することになる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様を添付図面に基づいて説明する。
図1および図2は、本発明の一実施態様によるサイレントチェーン1の一部を示している。
これらの図において、リンクプレート2は、一対の歯部21および一対の開孔つまりピン孔22を有している。リンクプレート2の開孔22内にはロッカージョイント3が挿入されている。ロッカージョイント3は複数枚のリンクプレート2を軸方向に連結するとともに、一つ置きのリンクプレート2を枢支可能にしている。
【0037】
横方向のリンクプレート2の列の外側には、ガイドリンクプレート4が配置されている。このような配列は、従来のサイレントチェーンにおける配列と類似している。本発明の特徴部分は、リンクプレートに設けられた開孔の形状およびロッカージョイントの形状にある。
【0038】
図3は、本発明によるリンクプレート2およびロッカージョイント3の一部を拡大して示している。図4は、図3の開孔22およびロッカージョイント3を示しており、ここでは開孔22が単一のピン31とともに示されている。ロッカージョイント3の第2のピンは示されていないが、ピン31と断面形状が類似しており、開孔22内に揺動関係で配置されている。
【0039】
図3および図4における開孔は、図5および図6に示されるような真円形状の開孔を有する従来のリンクプレートの開孔よりも大きくなっている。とくにリンクプレート2の開孔22は、真円形状ではなく、不規則な楕円形状つまり三日月形状をしている。
【0040】
リンクプレート2の開孔22およびロッカージョイント3の一対のピン31が本発明による形状を有しているときには、以下に詳細に説明されるが、開孔22の内側縁からリンクプレート2の背面部の縁部27までの距離と、開孔22の内側縁からリンクプレート2の外側フランク面28までの距離とが、ロッカーピン31の厚みが同じであると仮定した場合、図5に示されるように真円の開孔の半径を大きくしたときよりも大きくなっている。
【0041】
このような余分の距離により、従来のサイレントチェーンと比較して、リンクプレートの強度を何ら低下させることなくロッカーピンの強度が向上することになる。したがって、この設計によるサイレントチェーンにおいては、以下の関係が維持されている。
W>W1 および w>w1
【0042】
これらの関係式において、Wは、図3に示すように、開孔22の内側縁からリンクプレートの背面部の縁部27までの距離であり、wは、開孔22の内側縁からリンクプレートの外側フランク面28までの距離である。同様にW1 は、図5に示されるように、開孔22′の内側縁からリンクプレートの背面部の縁部27′までの距離であり、w1 は、開孔22′の内側縁からリンクプレートの外側フランク面28′までの距離である。なお、図5は、図3のロッカーピンと同じ厚みが得られるように、開孔およびロッカーピンの半径R1 が増加した場合を示している。
【0043】
とくに図4において、ピン31は、円弧状のロッカー面32および円弧状のシート面33を有しており、該シート面はロッカー面32と逆側に配置され、好ましくはロッカー面32と同心に配置されている。ピン31は一対のサイド面34,35を有しており、これらのサイド面は、適切な混成半径によってロッカー面32およびシート面33に連結されている。サイド面34,35は、ピン31の本体外側に配置された曲率中心Oを有している。
【0044】
ピン31の曲率中心Oがピンの本体外側に配置されているために、曲率中心がピン本体内に配置されたピンに比較して、曲率半径が非常に大きくなっている。サイド面34,35の曲率半径が大きいことにより、サイド面34,35はほとんど平坦な形状をしている。
【0045】
開孔22は、リンクの端部近傍に配置されかつピン31のシート部33と係合する円弧状の支持面23を有している。曲面25は、円弧状の支持面23の逆側に配置されている。開孔22は一対の保持面24,26を有しており、これらの保持面は適切な混成半径によって円弧状の支持面23に接続されている。
【0046】
一対の保持面24,26は、ロッカーピン31のサイド面34,35と実質的に同一の曲率半径を有している。一対の保持面24,26の曲率中心は開孔の外側に配置されている。これにより、一対の保持面24,26もまたほとんど平坦な形状をしている。曲面25はリンクの中心と対向しており、開孔内に中心が位置する半径によって形成されている。
【0047】
開孔22はリンク内に傾斜角44で配置されており、該傾斜角は約5度以下が好ましく、約4度がさらに好ましい。ピン31は開孔22の支持面23と当接しており、開孔22と同じ傾斜角で配置されている。ピン31および開孔22は、シート面33と支持面23、およびサイド面34,35と保持面24,26でそれぞれ接触する。
【0048】
開孔22の厚みつまり長さは、開孔中心線47に沿って点46から点48までの距離で測られる。開孔22の高さは、ピンロッカー面32が中心線47と交差する個所に位置する線51に沿って、点49から点50までの距離で測られる。好ましくは、開孔の厚みは開孔の高さよりも大きい。このような構成により、縦横比が減少しかつ引張強度が向上した厚めのピンが得られる。
【0049】
ロッカーピン31のサイド面34,35の曲率中心をロッカーピン31の本体外側に配置することによって、ロッカーピン31の形状ひいては開孔22の形状が平坦になる。好ましい実施態様においては、曲率中心Oは鉛直方向の中心線51から偏倚している。この平坦な形状が、ロッカーピン31および開孔22の縦横比を減少させ、その結果、チェーンの強度を向上させる。
【0050】
その一方、図5および図6に示すように、ロッカーピンの半径を単に大きくすることによってサイレントチェーンが変更されている場合には、ピンのサイド面を構成する半径r1(≒開孔半径R1)の中心がピン本体内に位置しており、その結果、縦横比の減少量が制限されている。
【0051】
したがって、本実施態様のように構成することによって、ロッカーピンのリンクプレートに対する相対的移動量を減少でき、これにより、ピンおよびリンクプレートの摩耗を抑制して、チェーン全体の摩耗伸びを抑制できるとともに、ロッカーピンの係止能力を向上できる。
【0052】
参考のために、図7は、この設計の上述の例によるサイレントチェーン1がスプロケットの回りに巻き掛けられている場合を示している。同図に示すように、リンクプレート2は、外側フランク面上の点Pおよび点P′でスプロケット歯Tと接触している。そして、力Fが矢印方向からロッカージョイント3に作用している。この力Fは、各ロッカーピン31の一対の開孔内の接触点Cと点Pとを結ぶ線の方向からリンクプレート2に対して圧縮力として作用する。
【0053】
本発明によるサイレントチェーンにおいては、上述の線上の開孔内側縁部における点Qと点Pとの間の距離は、開孔が真円でその半径を大きくした場合において破線で示される内側縁部の点Q′と点Pとの間の距離よりも大きい。このため、曲げ応力が減少し、リンクプレート2の強度が上述の距離の違いに応じて向上する。
【0054】
図8および図9は、本発明による開孔22を備えたサイレントチェーンの二つのリンクを示している。リンクは、ランダムまたはハイブリッドチェーン内に組み合わされる二つの形状を有しており、これら二つの形状のリンクはチェーン組立体全体の中に組み込まれている。
【0055】
図8のリンク80は丸い外側縁部82を有しており、図9のリンク90は角がある異なった形状の外側縁部92を有している。また両リンク80,90は、直線状の第1の内側フランク面84,94をそれぞれ有しているが、これらはまた、先に引用した米国特許第 5,372,554号のFig.10(図10のリンク100参照)に示されるような曲線状の異なった形状の内側フランク面96を有していてもよい。ランダムチェーンの一例は米国特許第 4,342,560号の中に示されており、該特許は、引用することによって本明細書の中に含まれる。
【0056】
本発明の幾つかの実施態様が説明されてきたが、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。本発明が関連する分野の当業者は、とくに前述の教示内容を考慮するとき、本発明の原理を採用する変形例や他の実施態様を構築し得る。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る動力伝達用チェーンのロッカージョイント構造によれば、ピンおよびピン孔間で大きな受圧面が確保されることにより、チェーンの摩耗伸びを減少できるとともに、ピンの厚みが増加することにより、ピン強度が向上して、チェーンの破断強度を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様によるサイレントチェーンの正面部分図。
【図2】前記サイレントチェーンの平面図。
【図3】前記サイレントチェーンのリンクプレートの一部およびロッカージョイントの拡大図。
【図4】前記リンクプレート(図3)の開孔を、ロッカージョイントの一方のピンとともに示す拡大図。
【図5】ロッカージョイント半径を増加させた状態における、従来のロッカージョイントおよびリンクプレートの右半分を示す正面図。
【図6】リンクプレート(図5)の開孔およびロッカージョイントの拡大図。
【図7】サイレントチェーンがスプロケットに対して屈曲している状態を示す正面図。
【図8】本発明による開孔を備えたリンクの正面図。
【図9】本発明による開孔を備えた他のリンクの正面図。
【図10】本発明による開孔を備えたさらに他のリンクの正面図。
【符号の説明】
1 サイレントチェーン
2 リンク(プレート)
22 開孔
23 支持面
24,26 保持面
25 曲面
O 曲率中心
3 ロッカージョイント
31 ピン
32 ロッカー面
33 シート面
34,35 サイド面

Claims (6)

  1. リンク(2)および枢支部材(3)の組立体から構成される動力伝達用チェーン(1)のためのロッカージョイント構造であって、
    前記チェーン(1)は、他のリンク(2)の組に組み合わされた複数のリンク(2)の組を有しており、
    前記各リンク(2)は、端部と、中央の本体部と、間隔を隔てた一対の開孔(22)とを有し、
    前記枢支部材(3)は一対のピン(31)を有しており、前記ピン(31)の各々は、円弧状ロッカー面(32)と、前記ロッカー面(32)と逆側に配置されかつ該ロッカー面(32)と同心の円弧状シート面(33)と、前記ロッカー面(32)およびシート面(33)を接続する一対のサイド面(34)とを有し、前記サイド面(34)は、ピン外側に中心が配置された円弧面を有しており、
    前記開孔(22)の各々は、前記リンク(2)の端部寄りに配置された円弧状の支持面(23)を有し、該支持面(23)は一方のピン(31)のシート面(33)と係合しており、前記開孔(22)は、前記支持面(23)に接続されかつ一方のピン(31)のサイド面(34)と対向する保持面(24)を有し、前記保持面(24)は、前記開孔(22)の外側に配置された曲率中心を有しており、前記開孔(22)は、前記保持面(24)に接続され曲面(25)を有しており、
    前記開孔(22)は、その長さが高さよりも大きくなるように形成されている、
    ことを特徴とするロッカージョイント構造。
  2. 請求項1記載のロッカージョイント構造において、前記サイド面(34)が、前記円弧面および前記曲面(25)を接続する平坦面を有している、
    ことを特徴とするロッカージョイント構造。
  3. 請求項1記載のロッカージョイント構造において、前記サイド面(34)が、前記円弧面および前記曲面(25)を接続する曲率半径の大きな曲面を有している、
    ことを特徴とするロッカージョイント構造。
  4. 請求項1記載のロッカージョイント構造において、前記サイド面(34)の曲率中心が前記開孔(22)の垂直方向中心線(51)から外れて配置されている、
    ことを特徴とするロッカージョイント構造。
  5. 請求項1記載のロッカージョイント構造において、各リンク(2)が一対の歯部を有し、該各歯部が直線形状の内側フランク面(84,94)を有している、
    ことを特徴とするロッカージョイント構造。
  6. 請求項1記載のロッカージョイント構造において、各リンク(2)が一対の歯部を有し、該各歯部が曲線形状の内側フランク面(96)を有している、
    ことを特徴とするロッカージョイント構造。
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