JP3784393B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高耐圧,大電流用に使用される炭化珪素基板(SiC基板)を利用したパワーデバイスに関する。
従来より、パワーデバイスは高耐圧で大電流を流す半導体素子であることから、低損失であることが望まれている。従来は、シリコン(Si)基板を用いたパワーデバイスが主流であったが、近年、SiとCとが1:1の成分比で結合してなる半導体材料であるSiC(炭化珪素)基板を用いたパワーデバイスが注目され、開発が進められている。SiCはシリコンに比べ材料自体の絶縁破壊電界が1桁高いので、pn接合部やショットキー接合部における空乏層を薄くしても高い逆耐圧を維持することができる。そこで、SiC基板を用いると、デバイスの厚さを薄く、また、ドーピング濃度を高めることができるために、SiC基板は、オン抵抗が低く、高耐圧低損失のパワーデバイスを形成するための基板材料として期待されている。ここで、SiC基板には、SiCとは異なる材料からなる基板上に、SiC結晶層をエピタキシャル成長させたものをも含むものとする。なお、「SiC」で表わされる炭化珪素は、「Si:C」で表されるCを微量(数%以下)含んだシリコンとは、物理的,化学的性質が異なる材料である。
ところが、SiC基板を用いたMISFETは、シリコン基板を用いたMISFETに比べ、チャネル領域におけるキャリアの移動度が低いという欠点がある。これはシリコンの熱酸化膜が純粋な酸化シリコンであるのに対し、SiC基板上の熱酸化膜は、その内部に炭素が残留していて、熱酸化膜とSiC層(半導体層)との界面における界面準位が多いためである。
そこで、最近では、この欠点を克服するために、SiC基板を用いたMISFETとして、通常の反転型MISFETでなく、蓄積型MISFETが提案されている。たとえば、特許文献1には、このようなSiC基板を用いた蓄積型MISFETとして、表面部のチャネル層をエピタキシャル成長させた二重注入MISFETが開示されている。
図14は、従来のSiC基板を用いた蓄積型MISFET,かつ,二重注入型MISFETの構造を示す断面図である。
図14に示すように、この二重注入型MISFETは、SiC基板131と、SiC基板131上に設けられた高抵抗SiC層132と、高抵抗SiC層132の表面部の一部にp型不純物イオンを注入して形成されたpウェル領域133と、pウェル領域133及び高抵抗SiC層132の上面上に形成されたn型不純物を含むチャネル層135と、チャネル層135及びpウェル領域133の一部にn型不純物イオンを注入して形成されたソース領域136と、チャネル層135の表面上に設けられた熱酸化膜からなるゲート絶縁膜137と、ゲート絶縁膜137の上に設けられたゲート電極110と、ソース領域136を貫通してpウェル領域133に到達する溝の壁面上に設けられ、pウェル領域133及びソース領域137に接触するように設けられたソース電極138と、SiC基板131の裏面上にオーミック接触するように形成されたドレイン電極139とを備えている。
各々n型半導体層であるソース領域136と高抵抗SiC層132とは、n型半導体層であるチャネル層135を介して電気的に接続された状態となっている。また、チャネル層135のうち、ソース領域上方に位置する部分の一部は除去されている。ソース電極138とソース領域136およびpウェル領域133とは、互いにオーミック接触するように熱処理されている。SiC基板131とドレイン電極139とは互いにオーミック接触している。
図15(a)〜(e)及び図16(a)〜(e)は、従来の二重注入型MISFETの製造工程を示す図である。
まず、図15(a)に示す工程で、低抵抗のSiC基板131上に、SiC基板131より高抵抗の(ドーパント濃度が低い)高抵抗SiC層132をエピタキシャル成長させる。
次に、図15(b)に示す工程で、高抵抗SiC層132の表面部の一部に選択的なp型不純物のイオン注入を行なって、pウェル領域133を形成する。
次に、図15(c)に示す工程で、それまでに注入された不純物を活性化するためのアニールを行なう。このとき、pウェル領域133の表面が荒れる。
次に、図15(d)に示す工程で、pウェル領域133及び高抵抗SiC層132の表面上に、n型不純物を含むチャネル層135をエピタキシャル成長させる。
次に、図15(e)に示す工程で、チャネル層135及びpウェル領域133の一部に高濃度のn型不純物のイオン注入を行なうことにより、チャネル層135を貫通して、pウェル領域133の内部まで達するソース領域136を形成する。このとき、各々n型半導体層であるソース領域136と高抵抗SiC層132とは、n型半導体層であるチャネル層135を介して電気的に接続された状態となっている。
次に、図16(a)に示す工程で、ソース領域136に注入された不純物を活性化するためのアニールを行なう。このとき、チャネル層135及びソース領域136の表面が荒れる。
次に、図16(b)に示す工程で、ソース領域136を貫通してpウェル領域133の上部に到達する溝134を形成した後、チャネル層135,ソース領域136及びpウェル領域133の露出している表面部を熱酸化して、熱酸化膜からなるゲート絶縁膜137を形成する。
次に、図16(c)に示す工程で、ゲート絶縁膜137のうち溝134の壁面上の部分と、溝134の周囲の部分とを除去する。
次に、図16(d)に示す工程で、ソース領域136のうちゲート絶縁膜137が除去されて露出している部分の上にソース電極138を形成する。また、SiC基板131の裏面上にドレイン電極139を形成する。
次に、図16(e)に示す工程で、ゲート絶縁膜137の上にゲート電極110を形成する。なお、ソース電極138とソース領域137及びpウェル領域133とがオーミック接触し、SiC基板131とドレイン電極139とがオーミック接触するように熱処理が行われる。
この従来のSiC基板を用いたMISFETは、チャネル層135がソース領域136,高抵抗SiC層132と同じn型半導体層であるので、チャネル層の反転を利用した反転型MISFET(一般的なMISFET)ではなく、チャネル層の蓄積状態を利用した蓄積型MISFETである。チャネル層を有する蓄積型MISFETは、反転型MISFETに比べ、MIS界面から離れた深い領域まで電流が流れることから、界面準位が多いMIS界面付近の領域の影響を受けにくいので、チャネル移動度(キャリアの移動度)が向上する。
また、通常、このような半導体装置のために用いるSiC基板としては、主面が公称されている結晶面(たとえば(0001)面など)からずれて傾いているオフ基板を用いる。その理由は、高抵抗SiC層32をエピタキシャル成長させる際に、オフ基板を用いると高抵抗SiC層がステップフロー成長するので、高抵抗SiC層32の結晶性が向上するからである。
特開2001−144288号公報(第3−7頁、第5図−第10図) マテリアルズ・サイエンス・フォーラム第389-393巻、831頁−834頁 (Materials Science Forum Vols.389-393,pp831-834) マテリアルズ・サイエンス・フォーラム第389-393巻、1211頁−1214頁 (Materials Science Forum Vols.389-393,pp1211-1214)
しかしながら、特許文献1によれば、このようなオフ基板を用いた場合、MISFETのチャネル層を基板の主面に平行になるように設けると、チャネル層におけるキャリアの移動度が低くなり、主面にオフ方向に垂直になるように設けると、チャネル層におけるキャリアの移動度が向上する。その原因は、オフ基板の表面にはステップが存在しており、このステップを横切る方向にチャネルを設定すると電流が流れにくくなると記載されている。すなわち、表面の凹凸によって移動度が低下する。
さらには、SiC層の表面の凹凸は、イオン注入後の高温の活性化のためのアニールにより、さらに大きくなることが知られている。十分に活性化されて高いキャリア密度とキャリアの移動度を得るためには、活性化温度を1700℃以上の高温にする必要があるが、高温にするほどSiC層の表面粗さは大きくなり、また、アニール時間が長いほど大きくなる。例えば、アニール前の平均表面粗さRaは1nm以下であるが、1700℃,30分の活性化アニールによって平均表面粗さRaは10nm程度となり、活性化アニール前の1桁以上大きい表面粗さになる(例えば非特許文献1参照)。マクロステップの段差は50nm以上と大きくなり、このため最大表面粗さRmax も50nm以上となる。
たとえば、図15(d)に示すウェル領域133へのイオン注入後の活性化アニールにより、ウェル領域133の露出している表面にステップバンチングが起こったり、ヒロックが形成され、表面粗さは大きくなる。そして、図15(e)に示す工程で、この表面粗さの大きい,平滑性の悪いウェル領域133の表面上にチャネル層135がエピタキシャル成長されるので、チャネル層135の表面もまた表面粗さが大きく、平滑性が悪い。チャネル層表面の平均表面粗さRaも10nm程度、最大表面粗さRmax では50nm以上になる。さらに、チャネル層135の堆積後に、図15(f)に示す工程でソース領域136のイオン注入を行ない、図16(a)に示す工程で活性化アニールを行なうので、チャネル層135の表面粗さはさらに大きくなり、平滑性がさらに悪化する。このように、表面粗さが大きくなるにつれ、MISFETのチャネル層におけるキャリアの移動度はさらに低下する。
また、本発明の発明者達は、このような蓄積型のMISFETのチャネル層として、意図的にドーピングしない第1の半導体層と、高濃度にドーピングした極めて薄い第2の半導体層(δドープ層)とを交互に積層した構造(積層ドープ層構造構造)を提案し、このような積層ドープ層構造構造からなるチャネル層を有するMISFETは、極めて高いキャリア移動度を示すことを実証している(非特許文献2)。このような積層ドープ層構造構造においては、第2の半導体層(δドープ層)の厚さを10nm程度と極めて薄くする必要があるので、さらに、チャネル層表面の平均表面粗さもそれに応じて極めて小さくする必要がある。すなわち、チャネル層の表面粗さは、少なくとも第2の半導体層の厚み以下である必要があり、少なくとも10nm以下でなければならない。しかも、現実にワイドギャップ半導体を用いた高機能性を発揮するためには、チャネル層の表面粗さは1nm以下であることが望ましい。
ここで、平均表面粗さRaとは中心線平均粗さのことであり、JIS規格には、以下のように定義されている。
「粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線の方向をX軸、縦倍率の方向(X軸に垂直)をY軸とし、粗さ曲線を
Y=F(X)
とおいたとき、
Ra=(1/L)・∫(X=0〜L){│F(X)│dX}
で与えられる値」である。
また、本発明者は、チャネル層の表面にステップバンチング等の大きな段差がある場合、MISFETのゲート絶縁膜である熱酸化膜が段差部分で薄くなり、この部分で酸化膜の絶縁耐圧が低下することを見出した。
図17は、非特許文献2に開示されているものとほぼ同じ構造の蓄積型二重注入MISFETのチャネル層付近の構造を示すSEM写真である。
図17において、チャネル層であるn−エピ層(SiC)においては、意図的なドーピングを行なっていない厚み10nmのアンドープ層と、n型ド−ピング濃度5×1017cm-3で厚み40nmのド−プ層が交互に3層ずつ積層されており、最表面部は、厚み40nmのアンドープ層である。熱酸化膜は、1180℃で3時間のドライ酸化によって形成されている。図17には現れていないが、n−エピ層の下方に設けられているpウェル領域は、Alのイオン注入により、濃度1×1018cm-3の不純物を含む,厚み約800nmを有しており、イオン注入後に、1750℃,30分の条件で活性化アニールが行なわれている。pウェルの表面には、この活性化アニールで高さ50nm以上の段差ができている。AFMで評価すると、平均表面粗さRaは10nm以上、最大表面粗さRmax は50nm以上であった。このため、チャネル層の表面にも同程度の段差ができている。段差は垂直に切り立っているのでなく、なだらかなスロ−プとなっている。熱酸化膜の厚みは、チャネル層の平らな部分の上においては約56nmであるが、段差のスロ−プ部分の上においては約30nmであり、平らな部分の上における厚さの半分しかない。これは、平らな部分と段差の部分とでは露出している面の結晶学的面方位が異なることから、熱酸化膜の成長速度が異なるためと思われる。そして、この段差のスロ−プ部分の熱酸化膜の薄い部分でリ−ク電流が流れるため、このMISFETはゲート絶縁耐圧が10V以下であり、ゲートに十分な電圧が印加できないために、十分な電流が得られなかった。
以上、縦型MISFETを例にとって従来のパワーデバイスの課題を説明したが、同様の不具合は、横型MISFET,MESFET,横型ショットキーダイオードについても存在する。これらのパワーデバイスは、SiC基板の主面に平行な方向にキャリアが流れる構造を有しているからである。
本発明の目的は、SiC基板を用いつつ、チャネル層におけるキャリアの移動度が高い半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の半導体装置は、高濃度不純物拡散領域を含む炭化珪素層の上に、エピタキシャル成長層を設け、エピタキシャル成長層の一部に上面が上記炭化珪素層の上面よりも平滑化されたチャネル層を設けたものである。
これにより、チャネル層の上面が平滑になるので、チャネル層におけるキャリアの移動度が高く保持される。また、炭化珪素層にステップバンチングによるマクロステップなどがあったとしても、チャネル層の上面は平滑化されているので、リーク電流が少なく、耐圧も高く保持されることになる。
エピタキシャル成長層を貫通して高濃度不純物領域に到達する電極をさらに設けることにより、高い駆動力を有する半導体装置が容易に得られる。
炭化珪素層の上面は、研磨により平滑化されていることにより、エピタキシャル成長層の上面,つまりチャネル層の上面も平滑になる。
炭化珪素層の上面は、炭素膜を被覆した熱処理により平滑化されていることにより、研磨などの処理が不要になり、実用化が容易になる。
チャネル層と高濃度不純物拡散領域とのオーバーラップ領域の横方向寸法はチャネル層の厚さよりも大きいことにより、高濃度不純物拡散領域からチャネル層へのキャリアの供給能力が確保される。
炭化珪素層のチャネル層と接触する面の平均表面粗さが2nm以下であることが好ましい。
チャネル層の上面の平均表面粗さが1nm以下であることがより好ましい。
チャネル層が、多重δドープを有していることにより、キャリア移動度が極めて高い半導体装置が得られる。
本構造を適用した縦型MISFET,横型MISFET,横型MESFETは、高い電流駆動力を発揮することができる。
本発明の半導体装置の製造方法は、基板の炭化珪素層の一部に形成された高濃度不純物拡散領域に注入された不純物を活性化するためのアニールを行なった後、CMP,メカノケミカル研磨、ドライエッチングなどによって、高濃度不純物拡散層を含む炭化珪素層の露出している面を平滑化してから、高濃度不純物拡散領域を含む炭化珪素層の上に、チャネル層を形成する方法である。
この方法により、イオン注入,活性化のためのアニールを経て、高濃度不純物拡散領域を含む炭化珪素層の表面が荒れるが、その後の処理で平滑化された表面の上にチャネル層が形成されるので、チャネル層の表面も平滑になる。したがって、チャネル層におけるキャリアの移動度の高い半導体装置が得られることになる。
本発明によると、SiC基板を用いたMISFET,MESFET等の半導体装置において、表面が平滑化されたチャネル層を設けたので、キャリアの移動度が高い半導体装置及びその製造方法の提供を図ることができる。
(第1の実施形態)
本実施形態においては、バルクのSiC基板を用いた蓄積型の二重注入MISFETに関する第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態である二重注入型MISFETの構造を示す断面図である。図1には、部分的な断面構造しか開示されていないが、MISFETの平面構造は、たとえば国際出願PCT/JP01/07810号の図2又は図10に開示されるような構造となっている。
図1に示すように、この二重注入型MISFETは、濃度が1×1018cm-3以上のn型不純物(ドーパント)を含む低抵抗のSiC基板1と、SiC基板1の主面上に設けられ、濃度が1×1015cm-3〜1×1016cm-3程度のn型不純物がドープされている高抵抗SiC層2と、高抵抗SiC層2の表面部の一部に濃度が1×1016cm-3から1×1018cm-3のp型不純物をドープして形成されたpウェル領域3と、pウェル領域3の一部に濃度が約5×1019cm-3のp型不純物をドープして形成されたp+ コンタクト領域4と、pウェル領域3の一部に濃度が約1×1019cm-3のn型不純物をドープして形成されたソース領域6と、ソース領域6,pウェル領域3及び高抵抗SiC層2に跨って形成されたエピタキシャル成長層5の一部に設けられ積層ドープ層構造を含むチャネル層5xと、チャネル層5xの表面上に設けられた熱酸化膜からなるゲート絶縁膜7と、ゲート絶縁膜7の上に設けられたAl合金膜からなるゲート電極10と、チャネル層5xの側面,ソース領域6およびp+ コンタクト領域4の上面に接触するように設けられたNi合金膜からなるソース電極8と、SiC基板1の裏面上にオーミック接触するように形成されたNi合金膜からなるドレイン電極9とを備えている。ここで、本実施形態及び後述する各実施形態において、チャネル層とは、MISFETにおいてはエピタキシャル成長層のうちゲート電極の下方に位置する領域をいい、MESFETにおいてはソース領域−ドレイン領域間に位置する領域をいう。
MISFETの動作時には、ソース電極8−ドレイン電極9間に所定の電圧が印加された状態で、ゲート電極10にしきい値電圧以上のバイアス電圧が印加されると、ソース電極8からソース領域6を経てチャネル層5xにキャリアが注入され、チャネル層5xから高抵抗SiC層2,SiC基板1を経てドレイン電極8までキャリアが走行する。
高抵抗SiC層2とウェル領域3とソース領域6との表面は平滑化処理されており、この上にチャネル層5xがエピタキシャル成長されている。チャネル層5xは、キャリア走行領域として機能する第1の半導体層5aと、第1の半導体層5aよりも膜厚が薄く、第1の半導体層5aへのキャリアの供給が可能な高濃度のn型不純物を含む第2の半導体層5bとを交互に積層してなる積層ドープ層構造を有している。例えば、第1の半導体層5aにおける不純物の濃度が1×1016cm-3以下でその厚みが40nm程度であり、第2の半導体層5bにおける不純物の濃度が1×1017〜1×1018cm-3程度でその厚みが10nm程度である。例えば、チャネル層5xの最下層を第1の半導体層5aとして、第1の半導体層5aと第2の半導体層5bを交互に三周期堆積し、最表層にさらに第1の半導体層5aを積層した構造である。この場合、第1の半導体層5aの厚みを40nm、第2の半導体層5bの厚みを10nmにすると、チャネル層5xの厚さは190nmである。
なお、積層ドープ層構造として、意図的なドーピングを行なわない第1の半導体層と、高濃度にドーピングされた極めて薄い第2の半導体層(δドープ層)とを交互に席創始t構造(多重δドープ層構造)を用いてもかまわない。
各々n型半導体層であるソース領域6と高抵抗SiC層2とは、n型半導体層であるチャネル層5xを介して電気的に導通した状態となっている。また、チャネル層5xのうち、ソース領域6の一部及びp+ コンタクト領域4の上方に位置する部分は、熱処理によってNi合金化されてソース電極8に変化している。ソース電極8はソース領域7及びp+ コンタクト領域4にオーミック接触しており、ドレイン電極9はSiC基板1にオーミック接触している。
図2(a)〜(f)及び図3(a)〜(e)は、第1の実施形態の二重注入型MISFETの製造工程を示す図である。
まず、図2(a)に示す工程で、4H−SiCの(0001)面から8度のオフ角を持つオフ基板であるSiC基板1の主面上に、熱CVD等により、SiC基板1よりも低濃度のn型不純物を含む高抵抗SiC層2をエピタキシャル成長させる。このとき、例えば、原料ガスとしてシラン(SiH4 )とプロパン(C38 )を、キャリアガスとして水素(H2 )を、ドーパントガスとして窒素(N2 )をそれぞれ用いる。例えば600V耐圧のMISFETを製造する場合には、高抵抗SiC層2の不純物濃度は1×1015cm-3〜1×1016cm-3であることが望ましく、その厚さは10μm以上であることが望ましい。
次に、図2(b)に示す工程で、エピタキシャル成長された高抵抗SiC層2の一部に、p型不純物(アルミニウム,ホウ素など)をイオン注入によりドープして、pウェル領域3を形成する。pウェル領域3の形成の際には、まず、注入マスクとなる厚さ3μm程度のシリコン酸化膜を高抵抗SiC層2の上面上に堆積し、フォトリソグラフィーおよびドライエッチングによって、シリコン酸化膜のうちpウェル領域3を形成する部分のみに開口を設ける。その後、注入欠陥を低減するために、基板温度を500℃以上の高温に保ってアルミニウムまたはボロンのイオン注入を行ない、イオン注入の後、マスクとして用いたシリコン酸化膜をふっ酸によって除去する。pウェル領域3におけるp型不純物の濃度は、通常1×1017cm-3前後から1×1018cm-3であり、pウェル領域3の深さはピンチオフしないように1μm前後とする。
次に、図2(c)に示す工程で、pウェル領域3と後に形成されるソース電極とのコンタクトをとるために、pウェル領域3の表面部の一部に高濃度のp型不純物をイオン注入によってドープして、p+ コンタクト領域4を形成する。p+ コンタクト領域4の厚みは300nm前後で、不純物の濃度は約5×1019cm-3以上である。このとき、イオン注入の方法は、pウェル領域3の形成と同じである。活性化アニールは、この後のソース領域のイオン注入後に一括して行なうので、図2(c)に示す工程と図2(d)に示す工程との間では行なわない。
次に、図2(d)に示す工程で、pウェル領域3の表面部の一部に高濃度のn型不純物をイオン注入によってドープして、ソース領域6を形成する。その際、基板上に、注入マスクとなる厚さ1μm程度のシリコン酸化膜を堆積し、フォトリソグラフィーおよびドライエッチングによって、シリコン酸化膜のうちソース領域6を形成する部分のみに開口を設ける。そして、注入欠陥を低減するために、基板温度を500℃以上の高温に保って窒素またはリンのイオン注入を行ない、イオン注入の後、マスクとして用いたシリコン酸化膜をふっ酸によって除去する。ソース領域6における不純物の濃度は1×1019cm-3程度であり、p+ コンタクト領域4の不純物濃度よりは低い。なお、ソース領域6における不純物濃度がp+ コンタクト領域4の不純物濃度と同程度の場合には、ソース領域6形成のための注入マスクがp+ コンタクト領域4を覆っている必要がある。また、ソース領域6の深さは、p+ コンタクト領域4の深さよりは浅く、例えば300nm程度である。
次に、図2(e)に示す工程で、図2(b)〜(d)に示す工程において注入された不純物を活性化するために、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気中で、1700℃,30分の活性化アニールを施す。このとき、高抵抗SiC層2,pウェル領域3,p+ コンタクト領域4及びソース領域6の露出している表面には、高さ10nm〜100nm程度のマクロステップや、ヒロックが生じ、表面粗さが大きくなり、表面の平滑性が悪化する。
次に、図2(f)に示す工程で、例えばメカノケミカル研磨(MCP)によって、高抵抗SiC層2,pウェル領域3,p+ コンタクト領域4及びソース領域6の露出している表面を平滑化する。このとき、表面の平均表面粗さRaが2nm以下、好ましくは1nm以下になるまで平滑化処理を行なう。MCPを行なう際、例えば酸化クロムを砥粒として用いる。なお、研磨のダメ−ジによって表面部に生じる改質層を除去するために反応性イオンエッチングや犠牲酸化処理を行なう。あるいは、反応性イオンエッチングと犠牲酸化処理とを併用してもよい。反応性イオンエッチングは例えばCF4 とO2 の混合ガスを用い、イオン衝撃によるダメージがないように、試料バイアスをできるだけ低い電圧で行う。例えば誘導結合型プラズマを用いるICP−RIEを用いれば試料バイアス電位を1V以下に抑えることも可能である。エッチングの深さとしては、ドーピングプロファイルを損なわない程度で、表面のごく浅く、例えば深さ0.1μm以下の領域までエッチングを行う。犠牲酸化は、例えば基板を石英チューブ内に置き、乾燥酸素を流量1(l/min)程度で流しながら、1180℃で90分間保持することで厚さ約40nm程度の熱酸化膜を表面に形成することができる。その後、ふっ酸によって形成された熱酸化膜を除去する。この工程で表面の数十nm程度の深さまでSiC層が除去される。熱酸化の条件を変えることにより、除去されるSiC層の深さを制御することができる。
次に、図3(a)に示す工程で、たとえば熱CVDにより、高抵抗SiC層2,pウェル領域3,ソース領域6及びp+ コンタクト領域4の上にチャネル層5xを含むエピタキシャル成長層5をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長層5(チャネル層5x)中の第2の半導体層5b(図1参照)の形成の際には、例えば、原料ガスとしてシラン(SiH4 )とプロパン(C3 H8 )を、キャリアガスとして水素(H2 )を、ドーパントガスとして窒素(N2 )をそれぞれ用いる。また、エピタキシャル成長層5(チャネル層5x)中の第1の半導体層5a(図1参照)の形成の際には、ドーパントガスを供給せずに、原料ガスとしてシラン(SiH4 )とプロパン(C3 H8 )を、キャリアガスとして水素(H2 )をそれぞれ供給する。この熱CVDを交互に繰り返すことにより、図1に示す積層ドープ層構造の構造を実現することができる。
次に、図3(b)に示す工程で、エピタキシャル成長層5(チャネル層5x)(積層ドープ層構造)の表面を熱酸化することにより、シリコン酸化膜を形成する。その際、例えば石英管内にSiC基板を設置し、バブリングした酸素を流量2.5(l/min)で石英管に導入し、基板温度を1180℃に保った状態で2.5時間熱酸化を行なうことにより、厚み約60nmの熱酸化膜であるシリコン酸化膜が形成される。
次に、SiC基板1の裏面に、蒸着法により、厚み200nmのニッケル膜からなるドレイン電極9を形成する。ドレイン電極9の熱処理は、後にソース電極を形成した後に行なう。
次に、フォトリソグラフィーにより、シリコン酸化膜の上にソース電極を形成しようとする領域を開口したレジスト膜Reを形成した後、フッ酸エッチングにより、シリコン酸化膜をパターニングして、ソース電極を形成しようとする領域を囲むゲート絶縁膜7を形成する。
次に、図3(c)に示す工程で、レジスト膜Reを残したままで、真空蒸着などにより、基板上に厚み200nmのニッケル膜(Ni膜)を堆積した後、リフトオフにより、ソース電極となるニッケル膜8xを残す。
次に、図3(d)に示す工程で、Ni膜8xに、例えば窒素などの不活性ガス雰囲気中で温度1000℃,2分間の条件で熱処理を施す。この熱処理の際に、ニッケル(Ni)及び炭化珪素(SiC)の相互拡散と反応とが生じ、エピタキシャル成長層5を貫通して、ソース領域6及びp+ コンタクト領域4に到達する,主としてニッケルシリサイドからなるソース電極8が形成される。また、この熱処理によって、ドレイン電極9はSiC基板1にオーミック接触する。ソース電極8及びドレイン電極9のオーミック接触のための熱処理は、同時に行なってもよいし、個別に行なってもよい。
次に、図3(e)に示す工程で、ゲート絶縁膜7の上でソース電極8とは離間した位置にゲート電極10を形成する。その際、真空蒸着などにより、厚さ200nm程度のアルミニウム膜などを堆積した後、通常のフォトリソグラフィーとエッチングにより、アルミニウム膜をパタ−ニングして、ゲート電極10を形成する。
その後の工程は図示しないが、ソース電極8及びゲート電極10を覆う層間絶縁膜として厚さ1μm程度のシリコン酸化膜を堆積し、RIE等により、層間絶縁膜を貫通してソース電極8およびゲート電極10に達するヴィアホールを形成した後に、厚さ2μm程度のアルミニウム膜を真空蒸着等で堆積し、通常のフォトリソグラフィー,エッチングによってパタ−ニングすることにより、電極パッドや配線を形成する。
このようにして、二重注入型MISFETが完成する。このMISFETのチャネル部の断面をTEMで評価したところ、チャネル層の下面および表面には平均表面粗さRaが1nm以下の凹凸しか見られず、良好な平滑性を実現することができた。また、ゲート絶縁膜7の膜厚は50nm〜65nmと10%程度の範囲で均一であり、ゲート絶縁膜7の耐圧は40V以上を維持していた。このMISFETのチャネル移動度は100cm2 /Vsec 以上と高く、オフ耐圧600Vでオン抵抗は10mΩ・cm2 以下であった。
したがって、本実施形態によると、チャネル層5xを含むエピタキシャル成長層5を形成する前に、その下地層(本実施形態では、高抵抗SiC層2及びpウェル領域3)の表面を平滑化しておいて、エピタキシャル成長層5をエピタキシャル成長させるので、チャネル層5xにおけるキャリアの走行を妨げる凹凸を低減することができ、キャリアの移動度を高く維持することができる。特に、チャネル層5xの上面および下面が平坦であるため、キャリアが走行するときに散乱されず、チャネル移動度が高く、もってオン抵抗を低くできる。
また、表面にマクロステップなどがあることに起因するゲート絶縁膜7を介したリークの増大を抑制し、ゲート耐圧を高く維持することも可能となる。
特に、チャネル層5xがδドープ構造を有するものである場合、チャネル層5xの凹凸がδドープ層(図1に示す第2の半導体層5b)の厚さよりも大きくなると、キャリアの走行に悪影響を及ぼすことがわかっている。本実施形態では、δドープ層(第2の半導体層)の厚さ10nmよりも凹凸(表面粗さ)の小さいチャネル層5xが容易に得られるので、積層ドープ層構造を有していることによる高駆動力,高耐圧性という効果を確実に発揮することができる。
また、ソース領域6をチャネル層5xの下方に配置したので、チャネル層5xの堆積後の活性化アニールがなくなり、堆積後の表面平滑性を維持できる。
また、従来チャネル層を堆積してからソース領域を形成していたため、エピタキシャル成長させる工程の前後に1回ずつの活性化アニールが必要であった。本発明ではチャネル層5xの下方にソース領域6を形成しているため、イオン注入領域の活性化アニールを一括して一回で行なうことができる。すなわち、製造工程を簡略化できるという利点もある。
また、従来のように、チャネル層5xを含むエピタキシャル成長層5の堆積後にソース領域6をイオン注入で形成している手順に比べて、本実施形態の製造工程により、ソース領域6とチャネル層5xとをオーバーラップさせる構造を採用することにより、両者の接触面積を大きくすることができるので、コンタクト抵抗を低減することができる。
図4(a),(b)は、それぞれ順に、SiC基板を用いた従来のMISFETと、本発明のMISFETにおけるソース領域とチャネル層の重なりの違いを示す断面図である。
図4(a)に示すように、従来のMISFETでは、ソース領域136がチャネル層135を貫通しているために、この断面におけるソース領域136とチャネル層135との接触長さはチャネル層135の厚さt(200nm程度)以上にすることができない。それに対し、図4(b)に示すように、本実施形態においては、ソース領域6の上面とチャネル層5xの下面とが接触しているため、この断面におけるチャネル層5xとソース領域6との接触長さAは比較的自由に設定できる。MISFETの動作時には、キャリアがソース電極8からソース領域6を通ってチャネル層5xに流れるので、チャネル層5xとソース領域6との接触面積が大きいほど、キャリアを効率的に注入することができる。したがって、この断面における接触長さAはチャネル層5xの厚さ以上であることが好ましい。例えば、接触長さAが1μm以上であることが好ましい。
本実施形態では、チャネル層5xを濃度の異なる第1の半導体層5aと第2の半導体層5bを積層した積層ドープ層構造を有する構造にしたが、チャネル層全体がほぼ均一な濃度のn型不純物を含んでいてもよい。その場合、n型不純物の濃度は1×1016cm-3〜5×1017cm-3程度であり、その厚みは200nm前後であることが好ましい。また、積層ドープ層構造を設けずに、深さ方向にn型不純物の濃度が変化するような濃度分布を有するチャネル層を設けてもよい。
また、エピタキシャル成長層5をエッチングすることなく、エピタキシャル成長層5の表面上に堆積した金属膜(本実施形態では、Ni膜)とSiCとの化学反応によりエピタキシャル成長層5を貫通してソース領域6に到達するソース電極8を形成しているので、製造工程が大幅に簡略化され、製造コストの低減を図ることができ、実用化が容易となる。
なお、本実施形態では、イオン注入後のアニールによって生じた表面の凹凸を平滑化するための処理として、メカノケミカル研磨(MCP)を用いたが、例えばフッ素などのハロゲン元素を含むガスによるプラズマ雰囲気中で行なう等方性のドライエッチングを行なってもよい。また、MCPは砥粒が直接表面に接触するし、薬液を用いたりするので、不純物汚染が起こりやすく、洗浄が必要となる。それに対し、ラジカルを用いたドライエッチングの場合、ドライプロセスであるので、不純物汚染が生じにくいという利点がある。等方性のドライエッチングとしては、例えばプラズマ発生室から試料を離し、中性活性種(ラジカル)のみを試料に輸送し、活性種と試料表面の化学反応でエッチングを行う、いわゆるダウンフローエッチングを行えばよい。あるいは、プラズマ室に試料を置くエッチングであっても、ICPのようにプラズマ発生用バイアスと独立に試料バイアスを設定できるようなエッチング方式で、試料バイアスをなるべく低く設定し、イオンエネルギーをできるだけ低くすれば、不純物汚染を生じにくくすることができる。プラズマとしてはCF4とO2の混合ガスなど、ハロゲン元素を含むガスを用いる。
なお、本発明においては、ゲート絶縁膜は必ずしも熱酸化膜である必要はなく、CVD等によって堆積されたシリコン酸化膜でもよい。あるいは、ゲート絶縁膜が熱酸化膜と堆積膜との積層構造を有していてもよい。また、ゲート絶縁膜がシリコン酸化膜である必要はなく、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜や酸化タンタル膜、酸化ハフニウム膜などの金属酸化物膜でもよい。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る半導体装置は、第1の実施形態における図1に示す二重注入型MISFETと見かけ上は同じ構造を有しているので、MISFETの構造の図示は省略する。本実施形態のMISFETにおいては、高抵抗SiC層2とウェル領域3とソース領域6との表面は平滑化処理されておらず、カーボン膜を被覆した状態での活性化アニールにより、表面の平滑さが維持されている点で、第1の実施形態とは大きく異なる。そして、高抵抗SiC層2とウェル領域3とソース領域6との上にチャネル層5xを含むエピタキシャル成長層5がエピタキシャル成長されている。チャネル層5x(エピタキシャル成長層5)の内部構造は、第1の実施形態の図1に示すとおりであり、第1の実施形態において説明したとおりの積層ドープ層構造を有している。
図5(a)〜(f)は、第2の実施形態に係る二重注入型MISFETの製造工程を示す断面図である。
まず、図5(a)〜(d)に示す工程で、第1の実施形態における図2(a)〜(d)と同じ工程を行なって、SiC基板1の主面上に、高抵抗SiC層2をエピタキシャル成長させた後、ハードマスクであるイオン注入マスクを個別に用いて、エピタキシャル成長された高抵抗SiC層2の一部に、p型不純物(アルミニウム,ホウ素など)をイオン注入によりドープして、pウェル領域3を形成し、さらに、pウェル領域3の表面部の一部に高濃度のn型不純物をイオン注入によってドープして、ソース領域6を形成する。
次に、図5(e)に示す工程で、イオン注入マスクを除去した後、高抵抗SiC層2とウェル領域3とソース領域6との上に、カーボン膜9を堆積する。カーボン膜9の堆積は以下の手順による。まず、SiC基板をスパッタ蒸着装置(図示せず)の基板取り付け部に設置して、チャンバ内をガス排気系によって真空引きを行なう。このときの真空度はおよそ10-4Pa程度である。チャンバー内をガス排気系で真空引きを行なった後に、Arガスを導入して10-2Pa程度の圧力で、炭素板のターゲットに13.56MHz,100Wの高周波電力を印加して、スパッタ蒸着を行なう。約20分の蒸着により、膜厚が50nmのカーボン膜9が形成される。このとき、カーボン膜97中に含まれる水素等の炭素以外の成分は少なく、カーボン膜9の成分の99%以上は炭素であることが確認されている。
次に、カーボン膜9により被覆されたSiC基板をアニール装置(図示せず)に設置し、ガス供給系からアニール雰囲気用ガスを供給する。アニール雰囲気用ガスとしてはアルゴンガスを選択している。アルゴンガスの流量を0.5リットル/分とした。チャンバー内の圧力は、91kPaで一定としている。その後、基板温度を1750℃まで昇温し、この温度を保ったままで、高抵抗SiC層2とウェル領域3とソース領域6とに注入された不純物の活性化アニールを30分間行なう。次に、アルゴンガスを供給したままで、コイルへの高周波電力の印加を停止して加熱を終了し、基板を冷却する。
次に、図5(f)に示す工程で、硫酸と過酸化水素水の3:1混合液による処理により、カーボン膜9を一様に溶融させて除去する。この場合、上記混合水溶液はSiC層をほとんど溶融することがなく、カーボン膜のみが除去される。
続いて、カーボン膜9を完全に除去するために熱酸化チャンバ内にSiC基板を設置し、流量5リットル/分の酸素を供給して800℃まで加熱する。30分間加熱することによって、表面のカーボン膜9はほぼ完全に除去されるが、本実施形態では60分間の加熱を行なう。その結果、本実施形態では、アルミニウムの活性化率は90%以上であり、十分な活性化率が得られている。
ここで、本実施形態においては、カーボン膜9の除去後の高抵抗SiC層2とウェル領域3とソース領域6との平均表面粗さRaは、約2nm以下であり、例えば約0.9nm〜1.3nmというデータが得られている。つまり、活性化アニールに伴う表面の荒れは抑制されている。
このように、スパッタ法で形成されたカーボン膜9によってイオンが注入された領域が覆われているので、イオンが注入された領域からの物質の昇華に起因する表面荒れが抑制される。すなわち、スパッタ法で形成されたカーボン膜は、緻密であるとともに、1600℃以上の高温において安定であるので、カーボン膜の組成・構造・膜厚の変化はほとんど生じないからである。したがって、アニール前のイオン注入層の表面が平滑な場合には、アニール後のイオン注入層の表面もその平滑さを維持することができる。
次に、カーボン膜9の除去後の高抵抗SiC層2とウェル領域3とソース領域6との上に、チャネル層5xを含むエピタキシャル成長層5をエピタキシャル成長させる。このときの条件は、第1の実施形態における図3(a)に示す工程で説明したとおりである。
ここで、エピタキシャル成長直後のチャネル層5xの平均表面粗さRaは、例えば約0.08nm〜0.8nmという値が得られている。このように、発明者達は、エピタキシャル成長層の表面粗さは、下地層の表面粗さよりも小さくなっていることを見いだした。言い換えると、エピタキシャル成長における平滑化現象が生じていることがわかった。
図18は、エピタキシャル成長前の下地層の平均表面粗さRaと、その上にエピタキシャル成長されたエピタキシャル成長層の平均表面粗さRaとの相関関係を示す図である。同図から、下地層の平均表面粗さRaが7nm以上の場合には、その上にエピタキシャル成長されたエピタキシャル成長層の表面粗さRaは下地層の平均表面粗さRaよりも増大している。それに対し、下地層の平均表面粗さRaが2nm以下の場合には、その上にエピタキシャル成長されたエピタキシャル成長層の平均表面粗さRaは1nm以下にまで平滑化されていることがわかる。
具体的には、エピタキシャル成長前(カーボン膜を被覆したアニール後)の高抵抗SiC層2とウェル領域3とソース領域6との表面粗さRaが1.3nmのときには、エピタキシャル成長直後のチャネル層5xの平均表面粗さRaは0.78nmであり、エピタキシャル成長前(カーボン膜を被覆したアニール後)の高抵抗SiC層2とウェル領域3とソース領域6との表面粗さRaが0.9nmのときには、エピタキシャル成長直後のチャネル層5xの平均表面粗さRaは0.08nmであるというデータが得られている。
このように、チャネル層形成のためのエピタキシャル成長の下地層に、ソース領域(横型MISFET及びMESFETにおいては、ソース・ドレイン領域)を有し、下地層の表面粗さよりもエピタキシャル成長後のチャネル層の表面粗さの方が小さくなっている,つまりより平滑化されている点が、本発明の縦型MISFETと、後述する各実施形態のMESFET及び横型MISFETとの構造上の特徴である。
その後の工程は、第1の実施形態における図3(b)〜(e)に示すとおりであるので、図示及び説明を省略する。
本実施形態の製造方法によると、第1の実施形態の効果に加えて、以下の効果を発揮することができる。カーボン膜を堆積した状態での不純物活性化処理によってエピタキシャル成長の下地層(本実施形態では、高抵抗SiC層2,ウェル領域3及びソース領域6)の平均表面粗さRaを2nm以下にすることにより、エピタキシャル成長直後のチャネル層5xの平均表面粗さRaをさらに小さくすることができる。このようなエピタキシャル成長中の平滑化現象は、下地層の平均表面粗さが約1.5nm以下のときに顕著である。ただし、必ずしも下地層の平均表面粗さRaが1.5nm以下である必要はない。その結果、本実施形態のMISFETにおいては、特に高い電流駆動力を発揮しうることがわかった。
図11(a),(b)は、それぞれ順に、参考例の縦型MISFET及び本実施形態の縦型MISFETのI−V特性を示す図である。ただし、図11(a)に示すデータは、図14に示す従来のMISFETの構造ではなく、基本的な形状は図14に示す構造とほとんど同じであるが、ソース領域136形成のためのイオン注入後にカーボン膜を被覆して不純物活性化アニールを施したものであり、チャネル層135の平均表面粗さRaは約1nmである。一方、図11(b)に示す本実施形態のMISFETにおけるチャネル層5xの平均表面粗さRaは、約0.1nmである。各MISFETにおいて、ゲート長は3μmでウェルスペーシングは3μmである。図11(a),(b)に示すように、共通のゲートバイアスで比較すると、参考例の縦型MISFETに比べて、本実施形態の縦型MISFETの電流駆動力が向上していることがわかる。なお、参考例の縦型MISFETの電流駆動力は、図14に示す従来の縦型MISFETの電流駆動力よりもさらに高い電流駆動力を有しているので、本実施形態の縦型MISFETは、従来の縦型MISFETよりも極めて高い電流駆動力を有していることになる。
また、図12は、本実施形態の縦型MISFETのI−V特性を示す図である。同図に示すデータは、9セルを含む縦型MISFET(実際の縦型MISFETは1000セル程度を含むものが多い)についてのデータである。セルの構造は、図11(a),(b)に示すデータを得たサンプルと同じである。図12に示すI−V特性からオン抵抗を計算すると、12mΩ・cm2 という値が得られている。Si基板を用いた縦型MISFETにおけるオン抵抗が100mΩ・cm2 程度であるので、本実施形態の縦型MISFETは、高い電流駆動力と、小さなオン抵抗とを示すことがわかる。
さらに、後述する横型MISFETについてのデータによって示すように、本実施形態の縦型MISFETは、高いキャリア移動度70cm2 /Vs)と、小さな閾値電圧のばらつきとを示すこともわかっている。
なお、第1の実施形態における図2(f)に示す工程のように、高抵抗SiC層2とウェル領域3とソース領域6との表面を、MCPによって平滑化してからエピタキシャル成長を行なうことによっても、エピタキシャル成長直後のチャネル層5xの表面をさらに平滑化することができる。ただし、MCPによる平滑化処理は、長時間の処理と深いエッチング量とを必要とするので、第1の実施形態の製造方法よりも本実施形態の製造方法の方が、製造コストを低減しうる点で利点がある。
(第3の実施形態)
図6(a)〜(f)は、第3の実施形態の二重注入型MISFETの製造工程を示す図である。
まず、図6(a)に示す工程で、第1の実施形態における図2(a)に示す工程と同じ処理を行なって、4H−SiCの(0001)面から8度のオフ角を持つオフ基板であるSiC基板1の主面上に、高抵抗SiC層2をエピタキシャル成長させる。
次に、図6(b)に示す工程で、第1の実施形態における図2(c)に示す工程と同じ処理を行なって、後に形成されるpウェル領域とソース電極とのコンタクトをとるために、高抵抗SiC層2の表面部の一部に高濃度のp型不純物をイオン注入によってドープして、p+ コンタクト領域4を形成する。p+ コンタクト領域4の不純物濃度は、約5×1019cm-3である。
次に、図6(c)に示す工程で、pウェル領域3の一部に、p型不純物(アルミニウム,ホウ素など)をイオン注入によりドープして、pウェル領域3を形成する。pウェル領域3の形成の際には、まず、注入マスクとなる厚さ3μm程度のシリコン酸化膜21を高抵抗SiC層2の上面上に堆積し、フォトリソグラフィーおよびドライエッチングによって、シリコン酸化膜のうちpウェル領域3を形成する部分のみに開口を設ける。その後、注入欠陥を低減するために、基板温度を500℃以上の高温に保ってアルミニウム(Al)またはボロン(B)のイオン注入を行なう。pウェル領域3におけるp型不純物の濃度は、通常1×1017cm-3前後から1×1018cm-3であり、pウェル領域3の深さはピンチオフしないように1μm前後とする。
次に、図6(d)に示す工程で、注入マスクとして用いたシリコン酸化膜21,pウェル領域3及びp+ コンタクト領域4を覆うポリシリコン膜を堆積し、ポリシリコン膜の選択的,異方性エッチングを行なって、シリコン酸化膜21の側面上にサイドウォール22を形成する。このサイドウォール22の形成の際には、フォトリソグラフィー工程は不要であり、フォトマスクを用いる必要がないので、ソース領域6はpウェル領域3に対してセルフアラインに形成されることになる。
そして、シリコン酸化膜21及びサイドウォール22をマスクとして、pウェル領域3の表面部の一部に高濃度のn型不純物をイオン注入によってドープして、ソース領域6を形成する。その際、注入欠陥を低減するために、基板温度を500℃以上の高温に保って窒素またはリンのイオン注入を行なう。
次に、図6(e)に示す工程で、マスクとして用いたシリコン酸化膜21及びサイドウォール22を、選択的ドライエッチング及びふっ酸処理によって除去する。ソース領域6における不純物の濃度は1×1019cm-3程度であり、p+ コンタクト領域4の不純物濃度よりは低い。また、ソース領域6の深さは、p+ コンタクト領域4の深さよりは浅く、例えば300nm程度である。
さらに、高抵抗SiC層2とウェル領域3とソース領域6との上に、カーボン膜9を堆積する。カーボン膜9の堆積は以下の手順による。まず、SiC基板をスパッタ蒸着装置(図示せず)の基板取り付け部に設置して、チャンバ内をガス排気系によって真空引きを行なう。このときの真空度はおよそ10-4Pa程度である。チャンバー内をガス排気系で真空引きを行なった後に、Arガスを導入して10-2Pa程度の圧力で、炭素板のターゲットに13.56MHz,100Wの高周波電力を印加して、スパッタ蒸着を行なう。約20分の蒸着により、膜厚が50nmのカーボン膜9が形成される。このとき、カーボン膜97中に含まれる水素等の炭素以外の成分は少なく、カーボン膜9の成分の99%以上は炭素であることが確認されている。
次に、カーボン膜9により被覆されたSiC基板をアニール装置(図示せず)に設置し、ガス供給系からアニール雰囲気用ガスを供給する。アニール雰囲気用ガスとしてはアルゴンガスを選択している。アルゴンガスの流量を0.5リットル/分とした。チャンバー内の圧力は、91kPaで一定としている。その後、基板温度を1750℃まで昇温し、この温度を保ったままで、高抵抗SiC層2とウェル領域3とソース領域6とに注入された不純物の活性化アニールを30分間行なう。次に、アルゴンガスを供給したままで、コイルへの高周波電力の印加を停止して加熱を終了し、基板を冷却する。
次に、図6(f)に示す工程で、硫酸と過酸化水素水の3:1混合液による処理により、カーボン膜9を一様に溶融させて除去する。この場合、上記混合水溶液はSiC層をほとんど溶融することがなく、カーボン膜のみが除去される。
続いて、カーボン膜9を完全に除去するために熱酸化チャンバ内にSiC基板を設置し、流量5リットル/分の酸素を供給して800℃まで加熱する。30分間加熱することによって、表面のカーボン膜9はほぼ完全に除去されるが、本実施形態では60分間の加熱を行なう。その結果、本実施形態では、アルミニウムの活性化率は90%以上であり、十分な活性化率が得られている。
ここで、本実施形態においても、第2の実施形態と同様に、カーボン膜9の除去後の高抵抗SiC層2とウェル領域3とソース領域6との平均表面粗さRaは、約2nm以下であり、例えば約0.9nm〜1.3nmというデータが得られている。つまり、活性化アニールに伴う表面の荒れは発生していない。
次に、カーボン膜9の除去後の高抵抗SiC層2とウェル領域3とソース領域6との上に、チャネル層5xを含むエピタキシャル成長層5をエピタキシャル成長させる。このときの条件は、第1の実施形態における図3(a)に示す工程で説明したとおりである。
本実施形態においても、エピタキシャル成長直後のチャネル層5xの平均表面粗さRaは、例えば約0.08nm〜0.8nmという値が得られている。つまり、エピタキシャル成長の下地層の表面粗さよりもさらに小さな表面粗さになっており、エピタキシャル成長における平滑化現象が生じていることがわかった。具体的には、エピタキシャル成長前(カーボン膜を被覆したアニール後)の高抵抗SiC層2とウェル領域3とソース領域6との表面粗さRaが1.3nmのときには、エピタキシャル成長直後のチャネル層5xの平均表面粗さRaは0.78nmであり、エピタキシャル成長前(カーボン膜を被覆したアニール後)の高抵抗SiC層2とウェル領域3とソース領域6との表面粗さRaが0.9nmのときには、エピタキシャル成長直後のチャネル層5xの平均表面粗さRaは0.08nmであるというデータが得られている。
その後の工程は、第1の実施形態における図3(b)〜(e)に示すとおりであるので、図示及び説明を省略する。
本実施形態によると、第2の実施形態の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。本実施形態では、図6(c)に示す工程で、pウェル領域3の形成のための注入マスクであるシリコン酸化膜21の側面上に、サイドウォール22を形成し、シリコン酸化膜21及びサイドウォール22を注入マスクとして、ソース領域6の形成のためのイオン注入を行なっている。したがって、ソース領域6がpウェル領域3に対してセルフアラインに形成されるので、図6(e)に示される断面におけるpウェル領域3の幅(ソース領域6から高抵抗SiC層2に至る間での距離)がほぼ一定となり、これによってチャネル長がほぼ均一になる。つまり、SiC基板を用いたMISFETの電気的特性が安定することになる。
(第4の実施形態)
図7は、第4の実施形態における横型トランジスタであるMESFETの構造を示す断面図である。
同図に示すように、本実施形態のMESFETは、絶縁性基板であるイントリンシックのSiC基板41と、SiC基板41の上にエピタキシャル成長により形成されたアンドープの高抵抗SiC層42と、高抵抗SiC層42内における互いに離間した2つの領域にそれぞれn型不純物をドープして形成されたソース領域44及びドレイン領域45と、高抵抗SiC層42の上にエピタキシャル成長により形成されたチャネル層46xを含むエピタキシャル成長層46と、チャネル層46xのうちソース領域44の上方に位置する部分を貫通してソース領域44に到達するNi合金膜からなるソース電極49と、チャネル層46xのうちドレイン領域45の上方に位置する部分を貫通してドレイン領域45に到達するNi合金膜からなるドレイン電極50と、チャネル層46xのうちソース電極49とドレイン電極50との間に位置する領域上に形成されたショットキーゲート電極51とを備えている。
チャネル層46xは、キャリア走行領域として機能する第1の半導体層46aと、第1の半導体層46aよりも膜厚が薄く、第1の半導体層46aへのキャリアの供給が可能な高濃度のn型不純物を含む第2の半導体層46bとを交互に積層してなる積層ドープ層構造を有している。例えば、第1の半導体層46aにおける不純物の濃度が1×1016cm-3以下でその厚みが40nm程度であり、第2の半導体層46bにおける不純物の濃度が1×1017〜1×1018cm-3程度でその厚みが10nm程度である。例えば、チャネル層46xの最下層を第1の半導体層46aとして、第1の半導体層46aと第2の半導体層46bを交互に三周期堆積し、最表層にさらに第1の半導体層46aを積層した構造である。この場合、第1の半導体層46aの厚みを40nm、第2の半導体層46bの厚みを10nmにすると、チャネル層46xの厚さは190nmである。
図8(a)〜(e)及び図9(a)〜(c)は、本実施形態のMESFETの製造工程を示す断面図である。
まず、図8(a)に示す工程で、4H−SiCの(0001)面から8度のオフ角を持つオフ基板であるSiC基板41の主面上に、熱CVD等により、アンドープの高抵抗SiC層42をエピタキシャル成長させる。このとき、例えば、原料ガスとしてシラン(SiH4 )とプロパン(C38 )を、キャリアガスとして水素(H2 )をそれぞれ用いる。高抵抗SiC層42の厚さとしては例えば数μmが好ましい。
次に、図8(b)に示す工程で、高抵抗SiC層42の互いに離間した部位にn型不純物である窒素またはリンをイオン注入して、ソース領域44およびドレイン領域45を形成する。ソース領域44,ドレイン領域45の形成の際には、CVD法により、注入マスクとなる厚さ1μm程度のシリコン酸化膜43を高抵抗SiC層42の上に堆積した後、フォトリソグラフィーおよびドライエッチングにより、シリコン酸化膜43のうちソース領域44およびドレイン領域45の上方に位置する部分に開口を形成する。そして、注入欠陥を低減するために基板温度を500℃以上の高温に保って、窒素またはリンをイオン注入し、イオン注入後、シリコン酸化膜43はふっ酸によって除去する。
このとき、ソース領域44およびドレイン領域45のn型不純物の濃度は、通常1×1018cm-3以上であり、その深さは0.3μm前後である。
次に、図8(c)に示す工程で、図8(b)に示す工程において注入された不純物を活性化するために、カーボン膜55を基板上に堆積した状態で、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気中で、1750℃,30分の活性化アニールを施す。カーボン膜55の堆積方法やアニールの方法は、第2の実施形態における図5(e)に示す工程と同じである。
次に、図8(d)に示す工程で、カーボン膜55を除去する。このとき、カーボン膜55を除去するために、硫酸と過酸化水素水の3:1混合液による処理と、熱酸化チャンバ内における加熱処理を行なうこと、及びそれらの処理の条件は、第2の実施形態における図5(f)に示す工程と同じである。
次に、図8(e)に示す工程で、たとえば熱CVDにより、チャネル層46xを含むエピタキシャル成長層46をエピタキシャル成長させる。チャネル層46x中の第2の半導体層46b(図7参照)の形成の際には、例えば、原料ガスとしてシラン(SiH4 )とプロパン(C38 )を、キャリアガスとして水素(H2 )を、ドーパントガスとして窒素(N2 )をそれぞれ用いる。また、チャネル層46x中の第1の半導体層46a(図7参照)の形成の際には、ドーパントガスを供給せずに、原料ガスとしてシラン(SiH4 )とプロパン(C38 )を、キャリアガスとして水素(H2 )をそれぞれ供給する。この熱CVDを交互に繰り返すことにより、図7に示す積層ドープ層構造の構造を実現することができる。
次に、図9(a)に示す工程で、エピタキシャル成長層46のうちソース領域44,ドレイン領域46の上方に位置する部分の上に、第1の実施形態における図3(c)に示す工程と同じ処理を行なう。すなわち、レジスト膜Re(図示せず)を用いたリフトオフ法により、基板上に、ソース電極,ドレイン電極となる,厚み200nmのNi膜49x,50xを残す。
次に、図9(b)に示す工程で、Ni膜49x,50xに、例えば窒素などの不活性ガス雰囲気中で温度1000℃,2分間の条件で熱処理を施す。この熱処理の際に、ニッケル(Ni)及び炭化珪素(SiC)の相互拡散と反応とが生じ、チャネル層46xを貫通して、ソース領域44及びドレイン領域45にぞれぞれ到達する,主としてニッケルシリサイドからなるソース電極49及びドレイン電極50が形成される。
次に、図9(c)に示す工程で、チャネル層46xの上でソース電極44とドレイン電極46との間に位置する部位に、ショットキーゲート電極51を形成する。ショットキーゲート電極51としては、例えばニッケル膜などをリフトオフする方法を利用することができる。ショットキーゲート電極51の厚みは、例えば200nm前後が好ましい。
その後の工程は図示しないが、ソース電極44,ドレイン電極46,ショットキーゲート電極51及びチャネル層46xを覆う層間絶縁膜として厚さ1μm程度のシリコン酸化膜を堆積し、RIE等により、層間絶縁膜を貫通してソース電極44,ドレイン電極46およびショットキーゲート電極51に達するヴィアホールを形成した後に、厚さ2μm程度のアルミニウム膜を真空蒸着等で堆積し、通常のフォトリソグラフィー,エッチングによってパタ−ニングすることにより、電極パッドや配線を形成する。
本実施形態においても、第2の実施形態と同様に、チャネル層46xの表面が平滑化されていることにより、キャリア移動度の高い,電流能力の大きいMESFETが得られる。特に、本実施形態のMESFETにおいては、チャネル層46xが積層ドープ層構造を有しているので、耐圧の高い,電流能力の大きいMESFETが得られることになる。
本実施形態の製造工程を利用して形成されたMESFETのチャネル層46xの断面をTEMで評価したところ、チャネル層46xの下面および表面には、最大表面粗さRmax が1nm程度であり、平均表面粗さRaを求めると1nm以下である凹凸しか観察されず、良好な平滑性が実現されていた。
本実施形態においては、半導体装置はゲート絶縁膜を有しないMESFETであるが、チャネル層46xとの上にゲート絶縁膜が設けられ、ゲート絶縁膜の上にゲート電極が設けられた横型MISFETの場合にも、上記第1の実施形態と同様の効果を発揮することができる。
なお、本実施形態のMESFETや横型のMISFETは、バルクのSiC基板だけでなく、各種酸化物基板等の上にSiC層をエピタキシャル成長させてなるSiC基板を用いて形成することもできる。
(第5の実施形態)
図10は、第5の実施形態における横型トランジスタであるMISFETの構造を示す断面図である。
同図に示すように、本実施形態のMISFETは、低抵抗のP型のSiC基板61と、SiC基板61の上にエピタキシャル成長により形成された,1×1015cm-3〜1×1016cm-3程度のP型不純物を含む高抵抗SiC層62と、高抵抗SiC層62内における互いに離間した2つの領域にそれぞれn型不純物をドープして形成されたソース領域64及びドレイン領域65と、高抵抗SiC層62の上にエピタキシャル成長により形成されたチャネル層66xを含むエピタキシャル成長層66と、エピタキシャル成長層66のうちソース領域64の上方に位置する部分を貫通してソース領域64に到達するNi合金膜からなるソース電極69と、エピタキシャル成長層66のうちドレイン領域65の上方に位置する部分を貫通してドレイン領域65に到達するNi合金膜からなるドレイン電極70と、チャネル層66xのうちソース電極69とドレイン電極70との間に位置する領域上に形成されたゲート電極71と、ゲート電極71とチャネル層66xとの間に介在するゲート絶縁膜72とを備えている。ゲート絶縁膜72の厚さは約80nmであり、ゲート長は10μmであり、ゲート幅は500μmである。SiC基板61の裏面上には、Alからなるベース電極73が設けられている。
チャネル層66xは、キャリア走行領域として機能する第1の半導体層66aと、第1の半導体層66aよりも膜厚が薄く、第1の半導体層66aへのキャリアの供給が可能な高濃度のn型不純物を含む第2の半導体層66bとを交互に積層してなる積層ドープ層構造を有している。例えば、第1の半導体層66aにおける不純物の濃度が1×1016cm-3以下でその厚みが40nm程度であり、第2の半導体層66bにおける不純物の濃度が1×1017〜1×1018cm-3程度でその厚みが10nm程度である。例えば、チャネル層66xの最下層を第1の半導体層66aとして、第1の半導体層66aと第2の半導体層66bを交互に三周期堆積し、最表層にさらに第1の半導体層66aを積層した構造である。この場合、第1の半導体層66aの厚みを40nm、第2の半導体層66bの厚みを10nmにすると、チャネル層66xの厚さは190nmである。
本実施形態の製造方法は、基本的には第4の実施形態の製造方法において、ゲート絶縁膜72を形成する工程を追加するだけであるので、図示及び説明を省略する。
本実施形態の横型MISFETによると、チャネル層66xの表面が平滑化されているので、第2の実施形態の縦型MISFETと同様に、高い電流駆動力や高いキャリア移動度を発揮する横型MISFETが得られることになる。また、MISFETのロットやウエハ内位置による閾値電圧のばらつきが低減される。
図13(a),(b)は、それぞれ順に、参考例の横型MISFET及び本実施形態の横型MISFETのしきい値電圧の分布状態を示す図である。参考例の横型MISFETは、チャネル層を含むエピタキシャル成長層をエピタキシャル成長させた後、エピタキシャル成長層の上方からソース・ドレイン領域形成のためのイオン注入を行ない、さらに、カーボン膜を堆積してから不純物活性化アニールを行なったものである。図13(a),(b)を比較すると、参考例の横型MISFETのしきい値電圧が−7.5V〜5.0Vの広い範囲にばらついているのに対し、本実施形態の横型MISFETのしきい値電圧は2.0V〜4.5Vの範囲に集中しており、本実施形態により、しきい値電圧のばらつきの小さい横型MISFETが得られることがわかる。また、参考例の横型MISFETのキャリア移動度が20cm2 /Vsであるのに対し、本実施形態の横型MISFETのキャリア移動度は70cm2 /Vsであり、キャリア移動度も顕著に向上していることがわかる。
なお、図13(b)に示すデータは、横型MISFETについてのデータであるが、縦型MISFETについても同様のデータが得られている。したがって、縦型MISFET及びMESFETにおいてはソース領域形成のためのイオン注入を行なってから、横型MISFETにおいてはソース・ドレイン領域形成のためのイオン注入を行なってから、カーボン膜を堆積した状態で不純物活性化のためのアニールを行ない、その後、カーボン膜を除去して、チャネル層形成のためのアニールを行なうことにより、エピタキシャル形成のための下地層よりもさらに表面粗さの小さいチャネル層を得ることができる。その結果、電流駆動力の大きい縦型MISFET,横型MISFET,MESFETなどを得ることができる。
また、これらのデバイスのキャリア移動度の向上も得ることができ、しきい値電圧のばらつきの小さいMISFET(縦型MISFET及び横型MISFETを含む)を得ることができる。
本発明の半導体装置及びその製造方法は、パワーデバイス,高周波デバイスに特に適している,SiC基板を用いたMISFET,MESFET等に利用することができる。
本発明の第1の実施形態である二重注入型MISFETの構造を示す断面図である。 (a)〜(f)は、第1の実施形態の二重注入型MISFETの製造工程のうちの前半部分を示す図である。 (a)〜(e)は、第1の実施形態の二重注入型MISFETの製造工程のうちの後半部分を示す図である。 (a),(b)は、それぞれ順に、SiC基板を用いた従来のMISFETと、本発明のMISFETにおけるソース領域とチャネル層の重なりの違いを示す断面図である。 (a)〜(f)は、第2の実施形態の二重注入型MISFETの製造工程のうちの前半部分を示す図である。 (a)〜(e)は、第3の実施形態の二重注入型MISFETの製造工程のうちの前半部分を示す図である。 第4の実施形態における横型トランジスタであるMESFETの構造を示す断面図である。 (a)〜(e)は、第4の実施形態の二重注入型MISFETの製造工程のうちの前半部分を示す図である。 (a)〜(c)は、第4の実施形態の二重注入型MISFETの製造工程のうちの後半部分を示す図である。 第5の実施形態における横型トランジスタであるMESFETの構造を示す断面図である。 (a),(b)は、それぞれ順に、参考例の縦型MISFET及び本実施形態の縦型MISFETのI−V特性を示す図である。 本実施形態の縦型MISFETのI−V特性を示す図である。 (a),(b)は、それぞれ順に、参考例の横型MISFET及び本実施形態の横型MISFETのしきい値電圧の分布状態を示す図である。 従来のSiC基板を用いた蓄積型MISFET,かつ,二重注入型MISFETの構造を示す断面図である。 (a)〜(e)は、従来の二重注入型MISFETの製造工程のうちの前半部分を示す図である。 (a)〜(e)は、従来の二重注入型MISFETの製造工程のうちの後半部分を示す図である。 非特許文献2に開示されているものとほぼ同じ構造の蓄積型二重注入MISFETのチャネル層付近の構造を示すSEM写真図である。 第2の実施形態の二重注入型MISFETの製造工程においてエピタキシャル成長前の下地層の平均表面粗さRaと、エピタキシャル成長層の平均表面粗さRaとの相関関係を示す図である。
符号の説明
1 SiC基板
2 高抵抗SiC層
3 pウェル領域
4 p+ コンタクト領域
5 エピタキシャル成長層
5x チャネル層
5a 第1の半導体層
5b 第2の半導体層
6 ソース領域
7 ゲート絶縁膜
8 ソース電極
9 ドレイン電極
10 ゲート電極
20 コンタクトホール
21 シリコン酸化膜
22 サイドウォール
41 SiC基板
42 高抵抗SiC層
43 シリコン酸化膜
44 ソース領域
45 ドレイン領域
46 エピタキシャル成長層
46x チャネル層
46a 第1の半導体層
46b 第2の半導体層
47 コンタクトホール
48 金属薄膜
49 ソース電極
50 ドレイン電極
51 ショットキーゲート電極

Claims (16)

  1. 基板の主面上に設けられた炭化珪素層と、
    上記炭化珪素層の一部に設けられ、第1導電型不純物を含む高濃度不純物拡散領域と、
    上記高濃度不純物拡散領域の少なくとも一部の上と上記炭化珪素層の上とに、エピタキシャル成長によって形成されたエピタキシャル成長層と、
    上記エピタキシャル成長層の一部に設けられ、上面が上記炭化珪素層の上面よりも平滑化され上記高濃度不純物拡散領域に跨るチャネル層と
    を備えている半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置において、
    上記エピタキシャル成長層を貫通して上記高濃度不純物領域に到達する電極をさらに備えている半導体装置。
  3. 請求項1又は2記載の半導体装置において、
    上記炭化珪素層の上面は、研磨により平滑化されている,半導体装置。
  4. 請求項1又は2記載の半導体装置において、
    上記炭化珪素層の上面は、炭素膜を被覆した状態で不純物活性化処理が行われている,半導体装置。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記チャネル層と上記高濃度不純物拡散領域とを含む断面において、上記チャネル層と上記高濃度不純物拡散領域とのオーバーラップ領域の横方向寸法が、上記チャネル層の厚さよりも大きい,半導体装置。
  6. 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記炭化珪素層の上記チャネル層と接触する面の平均表面粗さが2nm以下である,半導体装置。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記チャネル層の上面の平均表面粗さが1nm以下である,半導体装置。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記チャネル層は、キャリア走行領域として機能する少なくとも1つの第1の半導体層と、上記第1の半導体層よりも高濃度のキャリア用不純物を含み上記第1の半導体層よりも膜厚が薄く上記第1の半導体層へのキャリアの供給が可能な少なくとも1つの第2の半導体層とを交互に積層して構成されている積層ドープ層構造を含む,半導体装置。
  9. 請求項1〜8のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記炭化珪素層の一部に上記高濃度不純物拡散領域を囲むように形成された第2導電型不純物を含むウェル領域と、
    上記チャネル層の上に設けられたゲート絶縁膜と、
    上記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、
    上記炭化珪素基板の裏面に設けられたオーミック電極とをさらに備え、
    上記高濃度不純物拡散領域は、ソース領域として機能し、
    上記炭化珪素層は、第1導電型不純物を含んでおり、
    上記チャネル層は、上記高濃度不純物拡散領域及び上記ウェル領域に跨っており、
    上記炭化珪素基板は、ドレイン領域として機能し、
    縦型MISFETとして機能する,半導体装置。
  10. 請求項1〜8のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記炭化珪素層の他部に設けられた第1導電型不純物を含む他の高濃度不純物拡散領域と、
    上記チャネル層の上に設けられたゲート絶縁膜と、
    上記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極とをさらに備え、
    上記高濃度不純物拡散領域及び他の高濃度不純物拡散領域は、ソース・ドレイン領域として機能し、
    上記チャネル層は、上記高濃度不純物拡散領域及び上記他の高濃度不純物拡散領域に跨っていて、
    横型MISFETとして機能する,半導体装置。
  11. 請求項1〜8のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記炭化珪素層の他部に設けられた第1導電型不純物を含む他の高濃度不純物拡散領域と、
    上記チャネル層にショットキー接触するゲート電極とをさらに備え、
    上記高濃度不純物拡散領域及び他の高濃度不純物拡散領域は、ソース・ドレイン領域として機能し、
    上記チャネル層は、上記高濃度不純物拡散領域及び上記他の高濃度不純物拡散領域に跨っていて、
    MESFETとして機能する,半導体装置。
  12. 基板の炭化珪素層の一部に、第1導電型不純物のイオン注入を行なって、高濃度不純物拡散領域を形成する工程(a)と、
    上記高濃度不純物拡散領域に注入された不純物を活性化するためのアニールを行なう工程(b)と、
    上記高濃度不純物拡散層を含む上記炭化珪素層の上面を平滑化処理する工程(c)と、
    上記工程(c)の後で、上記炭化珪素層の上に、上記高濃度不純物拡散領域の一部に跨るチャネル層を含むエピタキシャル成長層を形成する工程(d)
    を含む半導体装置の製造方法。
  13. 請求項12記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(c)は、上記工程(b)の前に上記炭化珪素層を炭素膜で被覆する工程(c1)と、
    上記工程(b)の後上記炭素膜を除去する工程(c2)とを含む,半導体装置の製造方法。
  14. 請求項12記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(c)では、メカノケミカル研磨を行なう,半導体装置の製造方法。
  15. 請求項12〜14のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(d)の後で、上記エピタキシャル成長層の上記高濃度不純物拡散領域の上方に位置する領域の上に金属膜を形成する工程(e)と、
    熱処理により、上記金属膜と上記エピタキシャル成長層とを反応させて、上記高濃度不純物拡散領域に達する合金膜からなる電極を形成する工程(f)
    をさらに含む,半導体装置の製造方法。
  16. 請求項12〜15のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(a)の前に、上記炭化珪素層の一部の上方に位置する領域を開口した注入マスクを用いて、第2導電型不純物のイオン注入を行なって、上記高濃度不純物拡散領域を囲むウェル領域を形成する工程(g)と、
    上記注入マスクの上記開口部の側面を覆うサイドウォールを形成する工程(h)とをさらに含み、
    上記工程(a)では、上記注入マスク及びサイドウォールを用いて、上記第1導電型不純物のイオン注入を行なう,半導体装置の製造方法。
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