JP3783991B2 - 煙感知装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視区域から吸引した空気中に浮遊する煙粒子をレーザ光を用いて光学的に検出して火災を判断する煙感知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータルームや半導体製造設備のクリーンルームに代表される清浄空間で起きる火災を極く初期に検出するため、超高感度の煙感知装置が使用されている。
この超高感度の煙感知装置は、清浄空間に設置した配管より空気を吸引し、吸引した空気に含まれる煙粒子をレーザダイオードを照射した検煙領域に通し、受光素子で検出された煙粒子の散乱光による受光パルス信号の内、所定の閾値を越えた受光パルス信号の単位時間当りの数をカウントし、この単位時間当りのカウント数に基づいて0.05〜0.20%/mといった範囲の微弱な煙濃度を検出している。
【0003】
このように受光パルス信号のパルスカウントにより煙濃度を検出する超高感度の煙感知装置にあっては、吸引する空気の流量の変化により単位時間当りの散乱光のカウント数が変化してしまい、正確な煙濃度の検出ができない問題がある。この問題を解消するため従来装置にあっては、流量計により吸引した空気の流量を測定し、設定流量と検出流量から補正係数を求め、単位時間当りのカウント数を補正するようにしている。
【0004】
即ち、設定流量Qrに対し実際の検出流量Qが増加した場合には、単位時間当りのカウント数が増加して煙濃度が高めになることから、補正係数K=Qr/Qを求め、これを単位時間当りのカウント値に掛けて設定流量Qrに換算したカウント値に補正して正しい煙濃度を検出できるようにしている。
しかし、吸引空気の流量変化による単位時間当りのカウント数を補正するためには、流量計が必要となり、装置コストがかなり高くなる。また流量計に不具合が生じたときには煙濃度が正確に検出できなくなる問題もある。
【0005】
そこで本願発明者にあっては、吸入空気の流量計測を必要とすることなく、吸入空気の流量が変化しても正確に散乱光のに基づく煙濃度の検出ができる超高感度の煙感知装置として、ある閾値を超えた受光部からの受光パルス信号を積分部で積分して単位時間当りの積分量、即ち波形面積を求め、この積分量に基づいて煙濃度検出部で煙濃度を検出するものを提案している(特願平9−173968号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、単位時間当りの散乱光の受光パルス信号の積分値を基準に煙濃度に変換する煙感知装置にあっては、煙濃度は同じであっても、燃焼物の種類により煙の粒子径の分布に差があるため、単位時間当りの積分量に違いがでる。例えば小さい粒子径の煙粒子を多く含む煙の場合には、粒子径が小さい煙粒子の散乱光量が弱く、受光パルス信号の積分量が小さめになる。これに対し大きい粒子径の煙粒子を多く含む煙の場合には、粒子径が大きい煙粒子の散乱光量が強く、受光パルス信号の積分量が大きめになる。
【0007】
このため煙の粒子系の分布の差により単位時間当りの積分量に違いがでるようになり、煙濃度の検出精度が低下する恐れがあった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、煙の種類により粒子径の分布に差があっても、その影響を受けることなく積分量に基づいて煙濃度を正確に検出できるようにした煙感知装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。まず本発明は、レーザダイオードから出射されたレーザ光を吸入空気が通過する検煙領域に照射する投光部と、検煙領域を煙粒子が通過する毎に生ずる散乱光パルスを受光素子で受光して受光パルス信号を出力する受光部と、受光部からの受光パルス信号を積分して単位時間当りの積分量を求める積分部と、積分部の単位時間当りの積分量に基づいて煙濃度を検出する煙濃度検出部とを備え、監視区域から吸引した空気中に浮遊する煙粒子を光学的に検出して火災を判断する煙感知装置を対象とする。
【0009】
このような煙感知装置につき本発明は、受光部で受光した受光パルス信号に対し複数の閾値を設定し、受光パルス信号の波高値に対応した閾値を判定する閾値判定部と、閾値判定部の判定閾値が所定値以下の場合、この判定閾値に対応する受光パルス信号の波高値を、より大きな波高値に補正して積分部で積分させる波高値補正部とを設けたことを特徴とする。
【0010】
本願発明者の考察によれば、粒子系の大きな煙粒子を多く含む煙と、粒子径の小さな煙粒子を多く含む煙について、煙粒子の散乱光の受光パルス信号から得られた波高値の分布を計測したところ、両者とも波高値の小さい領域の分布が集中している。そこで、本発明は、波高値の小さい領域に集中する煙粒子の散乱パルス信号の波高値について補正を行うことで、煙の粒子径の分布の相違による積分量の誤差を抑制し、煙の種類によらずより正確に煙濃度を検出できるようにする。
【0011】
実際の装置構成は受光パルス信号をデジタルデータに変換して処理する。このため、閾値判定部は、受光パルス信号をサンプルリングして1ビット当り所定の波高値分解能ΔVをもつnビットの受光データに変換するA/Dコンバータからの変換データを入力し、A/Dコンバータの変換データが所定の下位mビットのいずれかにビット1をもつ受光データか否か判定する。
【0012】
この場合、波高値補正部は、閾値判定部で下位mビットのいずれかにビット1をもつ受光データを判定した場合に、下位mビットより大きな所定のkビットの受光データに補正する。
例えば閾値判定部は、A/Dコンバータで変換した変換データが下位2ビットのいずれかにビット1をもつ受光データか否か判定し、波高値補正部は、閾値判定部で下位2ビットのいずれかにビット1をもつ受光データを判定した場合に、5ビットをオール1ビットとする受光データに補正する。
【0013】
即ち、波高値補正部は、閾値判定部で2ビットの受光データ「01」又は「10」を判定した場合に、各受光データを5ビットの受光データ「11111」に補正する。
また別の例として、閾値判定部は、A/Dコンバータで変換した変換データが下位2ビットのいずれかにビット1をもつ受光データか否か判定し、波高値補正部は、閾値判定部で下位2ビットのいずれかにビット1をもつ受光データを判定した場合に、4ビットをオール1ビットとする受光データに補正する。即ち、波高値補正部は、閾値判定部で2ビットの受光データ「01」又は「10」を判定した場合に、各受光データを4ビットの受光データ「1111」に補正する。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の煙感知装置の全体的な構成図である。図1において、煙感知装置1はコンピュータルームや半導体製造設備等を設置したクリーンルーム等火災による煙をごく初期の段階で検出するために設置されており、煙感知装置1に監視区域に設置された検知配管2を接続している。検知配管2は例えばT字型の配管であり、複数の吸込穴3を備えている。
【0015】
煙感知装置1に設けた検煙部4のインレットに対しては検知配管2が接続され、アウトレット側は吸引装置7を備えたチャンバに開口されている。監視状態において吸引装置7はモータ駆動により予め定めた所定の設定流量の空気を吸引しており、このため警戒区域に設置した検知配管2の吸込穴3より吸い込まれた空気は検煙部4を通って吸引装置7から排出されている。
【0016】
吸引装置7による吸引空気の吸入流量は設計上は所定値に決められているが、モータの回転変動等により設定流量に対し実際の流量は変動しており、この吸引流量の変動に伴い、検煙部4を通過する空気中に含まれる煙粒子の通過速度も変動している。
検煙部4にはレーザダイオード(LD)5と受光素子としてのフォトダイオード(PD)6が設けられ、フォトダイオード6としては例えばPINフォトダイオードが使用される。
【0017】
検煙部4を通過する吸引した空気中に存在する煙粒子を含む空中浮遊粒子(エアロゾル)の検出は、レーザダイオード5からのレーザ光の照射による散乱光をフォトダイオード6で検出し、散乱光に応じた受光パルス信号を信号処理部8に出力して煙濃度検出のための信号処理を行う。本発明の信号処理部8にあっては、受光パルス信号に基づいた煙濃度の検出のための信号処理として単位時間当りに得られる受光パルス信号の積分値に基づいて煙濃度を検出している。
【0018】
図2は図1の検煙部4に設けた散乱光式の煙粒子検出構造の説明図である。図2において、レーザダイオード5は出射するレーザ光の電解方向が所定方向に定まったいわゆる単偏向発振を行っており、内部にレーザダイオードチップ5aを備えている。レーザダイオード5から出射されたレーザ光は投光光軸11に向かうにつれて拡散波として広がる。
【0019】
レーザダイオード5に続いては結像レンズ9が設置され、吸入した空気の気流13が通過する結像位置10にレーザダイオード5の光源像、即ちレーザダイオードチップ5aの出射面の光源像(ニアフィールドパターン)を結像し、1μm前後の微小なスポット領域を形成している。
結像レンズ9によるレーザダイオード5の光源像の結像位置10に対しては、その投光光軸11上に対し例えばθ=90°と直交する方向に受光光軸12を設定し、フォトダイオード6を設置している。フォトダイオード6の配置方向は、例えば結像位置10を過ぎて拡散するレーザ光の光軸断面方向の光強度分布を示す楕円パターン(ファーフィールドパターン)14に矢印で示す電界Eの方向と平行な方向に配置している。
【0020】
このように電界Eの方向と平行な方向にフォトダイオード6を配置することで、結像位置10の微小スポットを通過する煙粒子による散乱光を最も高い効率で受光することができる。
図3は図1の信号処理部のブロック図である。信号処理部8には制御部15が設けられ、制御部15に対し投光回路部16を介してレーザダイオード5を接続し、またフォトダイオード6の出力が受光回路部17を介して入力接続されている。更にモータを備えた吸引装置7が接続される。制御部15には煙濃度検出部18が設けられる。
【0021】
図4は図3の制御部15に設けられた煙濃度検出部18の回路ブロックであり、受光回路部17と共に示している。この煙濃度検出部18は単位時間T当りに得られる散乱光の受光パルス信号の積分値に基づいて煙濃度を検出しており、且つ検煙部に流入する煙の種類に依存した煙粒子の分布の影響を低減するように発光調整を行っている。
【0022】
受光回路部17には受光回路20と増幅回路21が設けられる。受光回路部17に設けた増幅回路21からの受光パルス信号aは煙濃度検出部18側に設けているA/Dコンバータ22に入力され、所定周波数のサンプリングクロックbによりサンプリングされ、例えば8ビットのデジタル受光データcに変換している。A/Dコンバータ22に続いてはMPU23が設けられ、MPU23のプログラム制御によって閾値判定部24、波高値補正部25、積分部26、煙濃度変換部27及びタイマ部28の機能が実現されている。
【0023】
閾値判定部24は、A/Dコンバータ22からの受光データcに対し複数の閾値を設定し、受光データの波高値に対応した閾値を判定する。波高値補正部25は閾値判定部24の判定閾値が所定値以下の場合、この判定閾値に対応する受光データの波高値をより大きな波高値に補正して積分部26に供給する。積分部26はタイマ部28からのリセット信号eで決まる一定時間Tに亘り波高値補正部25で補正された受光データの積分処理、具体的には受光データの累積加算を行って、積分データを煙濃度変換部27に出力する。
【0024】
煙濃度変換部27は、単位時間T毎に積分部26より得られた積分データを煙濃度に変換する。この積分データを煙濃度に変換するための変換テーブルは、煙粒子の粒径、検煙部の通過速度、煙粒子に対する受光パルス信号の波高値等のパラメータを決めることで理論値として準備することができる。
次に図4のMPU23に設けた閾値判定部24、波高値補正部25による本発明における受光データの補正の原理を説明する。
【0025】
図5は、線香Aと綿灯芯Bをそれぞれ燃焼して得られた煙を、図1の煙感知装置1の検煙部4に吸引して通過させ、このとき図4の受光回路部17に設けている増幅回路21から得られる受光パルス信号aを波高分析装置に入力し、煙粒子1000個中に含まれる波高値の分布を示す含有率の計測結果である。
図5において、波高値は波高値番号iとしてi=1〜64の64段階に分けて含有率を計測している。即ち、i=1となる最低波高値は64mVであり、1段階毎に32mVずつ増加し、i=64となる最大波高値は2048mVとなっている。この波高値は実際には図4に設けたA/Dコンバータ22によるアナログ信号からデジタル信号への変換特性で決まる。
【0026】
即ち、A/Dコンバータ22の1ビット当りの波高値分解能ΔVをΔV=32mVとすると、アナログ信号の波高値は波高値番号iで示されるデジタルデータに変換される。この場合、波高値番号iはi=1〜64であることから、A/D変換されたビットデータはi=1〜64を2進表現した8ビットデータ「00000001」〜「01111111」となる。
【0027】
また波高値番号i=1となる波高値64mV未満の波高値はデジタルデータ「00000000」となり、これによって受光パルス信号のノイズ成分がカットされ、64mV以上の受光パルス信号を有効波高値として扱っている。
ここで線香Aの煙は燃焼温度が比較的低いことから、粒子径の大きい煙粒子が多く含まれる。例えば波高値が最大となる2048mVの含有率は6.9%となっている。一方、綿灯芯Bは燃焼温度が比較的高いことから、粒子径の小さな煙粒子を多く含んでいる。例えば波高値が最大となる2048mVの含有率は1.7%であり、線香Aに比べると大きな粒子径の煙粒子の含有率は5分の1程度となっている。
【0028】
一方、線香A及び綿灯芯Bについて波高値が最小の64mVにあっては、粒子径の大きい煙粒子を多く含む線香Aは36.5%であり、粒子径の小さい煙粒子を多く含む綿灯芯Bは47.0%となっている。またi=2の波高値96mVにあっては、線香Aは11.5%、綿灯芯Bは13.9%、i=3の128mVでは線香Aは7.2%、綿灯芯Bも7.2%とほぼ同じに近付いている。
【0029】
図6は図5の線香Aと綿灯芯Bにおける波高値の分布をi=1〜16となる64mV〜544mVについて表している。この関係を更に分かりやすく示したものが図7である。
図7(A)は粒子径の大きい煙粒子を多く含む燃焼物Aの波高値分布であり、一方、図7(B)は粒子径の小さい煙粒子を多く含む燃焼物Bの煙についての波高値分布である。この図7(A)(B)は図5の実際の計測結果に対しそれぞれの特有の傾向を強調して表している。このため図7(A)の粒子径の大きな煙粒子を多く含む煙にあっては、波高値の増加に対する含有率の減少の傾きが小さく、広い波高値の範囲に亘って含有率が分布している。
【0030】
これに対し図7(B)の粒子径の小さい煙粒子を多く含む煙にあっては、波高値の分布は低い方に集中した狭い範囲となっている。この図(A)(B)のような波高値の分布をもつ異なった種類の煙を同一濃度として受光パルス信号の単位時間当りの積分値を検出してみると、粒子径の大きい煙粒子の分布が多い図7(A)の煙の積分値が大きく、粒子径の小さい図7(B)の煙の積分値は小さくなる。そこで本発明にあっては、図7(B)の粒子径の小さい煙の波高値による積分値を、図7(A)の粒子径の大きな煙による積分値に近付けるように補正を行う。
【0031】
図8は図5の粒子径の大きな煙である線香Aの煙濃度変換部出力を100とし、粒子径の小さい煙となる綿灯芯Bの波高値を波高値をより高い値にする補正を行った時のの補正結果である。まず補正例1は綿灯芯Bの波高値を補正しなかった場合であり、線香Aの100に対し綿灯芯Bは58.5であり、同じ煙濃度でありながら大幅な誤差を生じている。
【0032】
そこで補正例2のように、綿灯芯Bのi=2の波高値96mV以下について、i=256の波高値256mVに補正する。この補正は8ビット受光データでみると、i=2の96mVの受光データは「00000010」であり、これ以下の値としてはi=1の「00000001」が存在することから、これらをi=7の受光データ「00000111」に補正したことを意味する。このような補正例2の補正を行うと、煙濃度変換部出力は線香Aの100に対し綿灯芯Bを74.5に増加させることができ、両者の差が縮まっている。
【0033】
更に補正例3は、96mV以下の波高値をi=15となる512mVに補正している。この補正は64mVの受光データ「00000001」または96mVの受光データ「00000010」を、i=15となる512mVの受光データ「00001111」に補正したことになる。この補正例3にあっては、線香Aの100に対し綿灯芯Bを86.8に補正でき、更に差を縮めることができる。
【0034】
補正例4は綿灯芯Bについて96mV以下の波高値を、i=31となる波高値1024mVにの受光データ「00011111」に補正して場合である。この補正例4にあっては、線香Aの100に対し綿灯芯Bを99.4と補正でき、ほぼ一致させることができる。
この図8の補正例から明らかなように、補正例4における96mV以下を1024mVに補正する補正が最も最適な補正となる。このため図4のMPU23にあっては、例えば図8の補正例4の補正条件を採用する。具体的には、A/Dコンバータ22が1ビット当り図5の波高値間隔32mVに対応した分解能をもつように設定し、これによってA/Dコンバータ22は増幅回路21からの受光パルス信号aの波高値(mV)を図5の波高値番号iを2進表現した受光データcに変換する。
【0035】
閾値判定部24は図5の波高値96mV以下か否か、具体的にはA/Dコンバータ22からの8ビット受光データcの下位2ビットが「01」「10」のいずれかであるか判定している。閾値判定部24で8ビット受光データcの下位2ビットが「01」「10」のいずれかであることが判別されると、波高値補正部25が図5の波高値1024mVに対応した波高値番号iを2進表現した受光データ「00011111」に補正する。それ以外の受光データcについては、補正を行うことなく、そのまま積分部26に出力する。
【0036】
図9は図4のMPU23による波高値補正処理のタイミングチャートである。図9(A)は増幅回路21から出力される受光パルス信号aであり、この受光パルス信号aに対しては図5の波高値番号i=1,2,3,4,5,・・・に対応した波高値をもつ閾値TH1,TH2,TH3,TH4,TH5,・・・が見掛上、設定されている。図9(B)はA/Dコンバータ22に対するサンプリングクロックであり、このサンプリングクロックbのタイミングでA/Dコンバータ22が図9(A)の受光パルス信号aをサンプリングして、図9(C)のA/Dコンバータ出力cに変換する。
【0037】
図9(C)のA/Dコンバータ出力cは、サンプリングクロックbで抽出した受光パルス信号aの波高値をそのまま示しているが、実際には閾値TH1〜TH5の幅が1ビットの分解能に対応することから、各閾値のレベルに実際には正規化される。
図9(C)のA/Dコンバータ出力c即ち受光データは図4の閾値判定部24に入力され、閾値判定部24は96mVに対応した閾値TH2以下の波高値を判別し、波高値補正部25で所定の波高値、例えば図9(D)にあっては図8の補正例2の256mVに対応した閾値TH7に補正している。もちろん補正例4にあっては、閾値TH31に対応した1024mVに補正することになるが、図9(D)にあっては表現できないことから補正例2を対象としている。
【0038】
このように波高値補正が行われた図9(D)の波高値補正出力dは、リセット信号eで決まる所定時間Tに亘り積分部26で積分即ち各補正出力の波高値が累積加算され、積分値が濃度変換部27に出力されて、対応する濃度に変換される。
図10は図4のMPU23による波高値補正を行った場合の煙濃度に対する補正前と補正後の積分値Sの傾向を表している。
【0039】
図10において、特性A1は補正前の粒子径が大きな煙粒子を含む燃焼物、B1は粒子径の小さい煙粒子を含む燃焼物であり、補正がない場合には両者は大きな差をもっている。
このような場合に、粒子径の小さい煙粒子を含む燃焼物B1を粒子径の大きな煙粒子を含む燃焼物A1の特性に近付けるように、例えば図8の補正例2〜4のような波高値補正を行うと、粒子径の小さい煙粒子を含む燃焼物の特性B1はB2のように、粒子径の大きな煙粒子を含む燃焼物の特性A1に近付く。この場合、粒子径の大きな煙粒子を含む特性A1にあっても波高値の小さい部分について波高値補正が行われるため、補正によって燃焼物の特性A1もA2のように変化する。
【0040】
しかしながら、煙粒子径の大きな煙粒子を含む燃焼物にあっては、波高値補正を行っている粒子径の小さい部分での波高値の分布が少ないため、特性A1から波高値補正による特性A2変化の度合いが少なく、結果として補正後の特性B2,A2を全体として近付けることができる。
尚、上記の実施形態は、図5の線香と綿灯芯の煙を対象とした波高値の含有率の分布に基づく補正例を例にとるものであったが、これ以外の粒子径の分布に大きな違いのある燃焼物との間について同様な関係を求め、粒子径の小さい煙の波高値の小さい部分についてより高い波高値に補正する波高値補正を行うことで、同様な補正結果を得ることができる。
【0041】
また上記の実施形態は、A/Dコンバータで受光パルス信号を受光データに変換して波高値補正、積分処理を行う場合を例にとっているが、アナログ的な信号処理によっても同様に実現することができる。
また上記の実施形態は、図2のように結像レンズによってレーザダイオード5からのレーザ光を結像位置10に絞って微小なビームスポットの光学像を作り、この結像位置のビームスポットに対し外部から吸入した煙粒子の気流を通過させているが、結像レンズ9の代わりにコリメートレンズを使用してレーザダイオード5からのレーザ光を平行光に変換し、この平行光に対し所定の構成角θをもって受光素子としてのフォトダイオード6を配置した平行光学系を備えた煙感知装置についてもそのまま適用できる。
【0042】
更に本発明は、その目的と利点を損なわない範囲の適宜の変形を含み、更に上記の実施形態の数値による限定は受けない。
【0043】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、煙の種類により粒子径の分布に差があっても、粒子径の小さい煙の受光パルス信号の波高値の小さい領域について、より高い波高値に変換する補正を行うことで、煙の粒子径の分布の相違による積分量の誤差を抑制し、これによって煙の種類によらず、より正確に煙濃度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による煙感知装置の全体構成の説明図
【図2】本発明による散乱光式の煙粒子検出構造の説明図
【図3】図1の信号処理装置のブロック図
【図4】図3の煙濃度検出処理部の回路ブロック図
【図5】線香と綿灯芯の燃焼により得られた煙の波高値分布の計測結果の説明図
【図6】図5をプロットしたグラフ図
【図7】粒子径が大きい場合と小さい場合の波高値の分布の傾向を概略的に示したグラフ図
【図8】図5の綿灯芯における96mV以下の波高値を各々256mV、512mV、10214mVに補正した場合の線香を100とした場合の煙濃度変換部出力の説明図
【図9】図4における波高値補正処理のタイミングチャート
【図10】本発明による波高値補正前と補正後の煙濃度に対する積分値の関係を示した特性図
【符号の説明】
1:煙感知装置
2:検知配管
3:吸込穴
4:検煙部
5:レーザダイオード
5a:レーザダイオードチップ
6:フォトダイオード(受光素子)
7:吸引装置
8:信号処理部
9:結像レンズ
10:結像位置(検煙領域)
11:発光光軸
12,19:受光光軸
15:制御部
16:投光回路部
17:受光回路部
18:煙濃度検出部
20:受光回路
21:増幅回路
22:A/Dコンバータ
23:MPU
24:閾値判定部
25:波高値補正部
26:積分部
27:煙濃度変換回路
28:タイマ回路

Claims (6)

  1. レーザダイオードから出射されたレーザ光を吸入空気が通過する検煙領域に照射する投光部と、前記検煙領域を煙粒子が通過する毎に生ずる散乱光パルスを受光素子で受光して受光パルス信号を出力する受光部と、前記受光部からの受光パルス信号を積分して単位時間当りの積分量を求める積分部と、前記積分部の単位時間当りの積分量に基づいて煙濃度を検出する煙濃度検出部とを備え、監視区域から吸引した空気中に浮遊する煙粒子を光学的に検出して火災を判断する煙感知装置に於いて、
    前記受光部で受光した受光パルス信号に対し複数の閾値を設定し、前記受光パルス信号の波高値に対応した閾値を判定する閾値判定部と、
    前記閾値判定部の判定閾値が所定値以下の場合、該判定閾値に対応する受光パルス信号の波高値を、より大きな波高値に補正して前記積分部で積分させる波高値補正部と、
    を設けたことを特徴とする煙感知装置。
  2. 請求項1記載の煙感知装置に於いて、
    前記閾値判定部は、前記受光パルス信号をサンプリングして1ビット当り所定の波高値分解能ΔVをもつnビットの受光データに変換するA/Dコンバータからの変換データを入力し、該A/Dコンバータのnビット変換データが所定の下位mビットのいずれかにビット1をもつ受光データか否か判定し、
    前記波高値補正部は、前記閾値判定部で下位mビットのいずれかにビット1をもつ受光データを判定した場合に、前記下位mビットより大きな所定のkビットの受光データに補正することを特徴とする煙感知装置。
  3. 請求項2記載の煙感知装置に於いて、
    前記閾値判定部は、前記A/Dコンバータで変換したnビット変換データの下位2ビットのいずれかにビット1をもつ受光データか否か判定し、
    前記波高値補正部は、前記閾値判定部で下位2ビットのいずれかにビット1をもつ受光データを判定した場合に、オール1ビットとする5ビット受光データに補正することを特徴とする煙感知装置。
  4. 請求項3記載の煙感知装置に於いて、前記波高値補正部は、前記閾値判定部で2ビットの受光データ「01」又は「10」を判定した場合に、各受光データを5ビットの受光データ「11111」に補正することを特徴とする煙感知装置。
  5. 請求項2記載の煙感知装置に於いて、
    前記閾値判定部は、前記A/Dコンバータで変換したnビット変換データが下位2ビットのいずれかにビット1をもつ受光データか否か判定し、
    前記波高値補正部は、前記閾値判定部で下位2ビットのいずれかにビット1をもつ受光データを判定した場合に、オール1ビットとする4ビットの受光データに補正することを特徴とする煙感知装置。
  6. 請求項5記載の煙感知装置に於いて、前記波高値補正部は、前記閾値判定部で2ビットの受光データ「01」又は「10」を判定した場合に、各受光データを4ビットの受光データ「1111」に補正することを特徴とする煙感知装置。
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