JP3783116B2 - 放射線画像強調処理方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線画像信号の強調処理方法および装置に関し、特に詳しくは強調された画像に含まれる粒状ノイズの抑制に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、本出願人により、非鮮鋭マスク画像信号(以下、ボケ画像信号という)を用いて周波数強調処理を行って放射線画像の診断性能を向上させる数々の画像処理方法および装置が提案されている(特開昭55-163472 号、同55-87953号等)。ここで、ボケ画像信号とは、画素数は原画像信号と同じであるが原画像信号よりも鮮鋭度が低い画像を表す画像信号であり、原画像信号の所定の周波数以上の高周波成分が除去された周波数応答特性を有する信号である。
【0003】
上記周波数強調処理は、原画像信号Sorg からボケ画像信号Susを引いたものに強調係数βを乗じたものを、原画像信号Sorgに加算することにより、原画像信号の所定の空間周波数成分を強調するものである。これを式で表すと下記の式(1)のようになる。
【0004】
Sproc=Sorg+β×(Sorg−Sus) …(1)
(Sproc:強調処理された信号、Sorg :原画像信号、Sus:ボケ画像信号、β:強調係数)
この際、上記処理では信号を加算することによりアーチファクトが発生してしまうことがあるが、これは、原画像信号Sorgに加算する加算信号の周波数応答特性を調整することにより解決でき、そのための具体的な調整方法として、次のような方法が提案されている(特願平8-182155号等)。
【0005】
この方法とは、まず鮮鋭度の異なる、すなわち周波数応答特性の異なる複数のボケ画像信号を作成し、そのボケ画像信号および原画像信号の中の2つの信号の差分をとることにより、原画像信号の、ある限られた周波数帯域の周波数成分を表す複数の帯域制限画像信号(以下、バンドパス信号という)を作成し、さらにそのバンドパス信号をそれぞれ所定の関数によって所望の大きさとなるように抑制してから、その複数の抑制されたバンドパス信号を積算することにより上記加算信号を作成するものである。この処理を式として表すと、例えば、下記の式(2)
(但し、Sproc:高周波成分が強調された画像信号
Sorg :原画像信号
Susk(k=1〜N):ボケ画像信号
fk(k=1〜N):各バンドパス信号を変換する関数
β(Sorg):原画像信号に基づいて定められる強調係数)
のようになる。
【0006】
このような処理において、関数f1〜fNは、バンドパス信号をそのバンドパス信号の大きさに応じて抑制するような関数であり、この関数の形状を異ならしめることにより、上記アーチファクトの防止をはじめとする種々の効果が得られることが上記特願平8-182155号に示されている。そのような効果の一つとして、強調された画像に含まれる粒状ノイズを抑制する効果を有する関数が開示されているが、これは、ノイズ信号の信号値は比較的小さいという根拠に基づいて、絶対値の小さい成分をより強く抑制するように関数を定義するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このノイズ抑制方法は、ノイズが多い画像信号の強調処理において特に有効な方法であるが、ノイズを抑制するとともに、画像信号の絶対値が小さい成分をも抑制してしまうものである。このため、画像に含まれるノイズが無視できる程度なのでノイズの除去よりも本来の画像信号の強調処理を優先したいといった場合には適切な方法とはいえない。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みて、ノイズが多く含まれる画像に対してはノイズ抑制を優先した強調処理を行い、ノイズが少ない画像に対しては本来の強調処理を優先するような画像強調処理方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の放射線画像強調処理方法は、所定の線量の放射線を照射することにより取得された放射線画像を表す原画像信号に基づいて互いに周波数応答特性が異なる複数のボケ画像信号を作成し、前記原画像信号および前記複数のボケ画像信号に基づいて前記原画像信号の周波数帯域ごとの信号を表す複数のバンドパス信号を作成し、該各バンドパス信号を所定の変換関数に基づいて該バンドパス信号の絶対値を抑制するように変換して複数の変換画像信号を作成し、該各変換画像信号を積算して得た積算信号を前記原画像信号に加算することにより該原画像信号の所定の周波数成分が強調された処理済画像信号を得る放射線画像強調処理方法であって、前記複数のバンドパス信号の所定の閾値以下の成分に対する前記抑制の度合いが前記線量が小さいほど大きくなるように前記変換関数を定義することを特徴とするものである。
【0010】
ここで、「ボケ画像信号」とは、画素数は原画像信号と同じであるが原画像信号よりも鮮鋭度が低い画像を表す画像信号である。ボケ画像信号は、まず原画像信号の画素に対して所定間隔ごとに所定のフィルタリング処理を施すことによって画素を間引きし、そのようにして得た画像信号に対して同様のフィルタリング処理を繰り返してさらに画素数を少なくした画像信号を複数作成し、そのそれぞれに対して、所定の補間方法により原画像と画素数が同じになるように補間処理を施すことにより作成する。ここで、フィルタリングや補間については、一般に広く使用されている種々の方法を適用することができる。
【0011】
また、「原画像信号の周波数帯域ごとの信号を表す複数のバンドパス信号」は、例えば隣接する周波数帯域のボケ画像信号同士で差分をとって作成してもよいし、原画像信号と各ボケ画像信号の差分をとって作成してもよい。あるいは原画像信号とボケ画像信号の他の組み合わせで差分をとって作成することもできる。また「所定の変換関数」は1つの関数でも、周波数帯域ごとに異なる複数の関数でもよい。なお、変換画像信号の作成、積算信号の作成、積算信号の原画像信号への加算は、例えば上記(2)式で表すことができる。また、「所定の周波数成分を強調する」とは、例えば画像のエッジ部を強調するために、高周波成分を強調するといったことを意味する。
【0012】
また、「バンドパス信号の所定の閾値以下の成分」とは、ノイズ信号は信号値としては比較的小さいものであることから上記強調処理においてノイズとみなしてもかまわない成分を意味する。したがって、「バンドパス信号の所定の閾値以下の成分に対する前記抑制の度合い」を変えることによってノイズ抑制の度合いを変えることができる。なお、「所定の閾値」とは、この値以下の成分はノイズとみなしても差し支えないと考えられる値であり、具体的な値は設計事項として定めればよいものである。
【0013】
また、この抑制の度合いを「線量が小さいほど大きくなるように」するのは、画像中に含まれるノイズの相対量が撮影時の放射線の線量に影響されること、すなわち線量が小さいほどノイズが多い(目立つ)画像になることによる。すなわち、線量が小さいほど抑制の度合いを大きくするとは、ノイズが多い画像ほど、ノイズ抑制の効果を強めることに他ならない。
【0014】
なお、前記所定の変換関数を前記周波数帯域ごとに異なる関数とする場合には、該各関数の前記所定の閾値以下の成分に対する抑制の度合いが高周波数帯域の帯域制限画像信号を変換する関数ほど大きくなるように前記変換関数を定義することが望ましい。
【0015】
また、本発明の放射線画像強調処理装置は、上記方法にしたがって強調処理を行う装置であって、所定の線量の放射線を照射することにより取得された放射線画像を表す原画像信号に基づいて互いに周波数応答特性が異なる複数のボケ画像信号を作成するボケ画像信号作成手段と、前記原画像信号および前記複数のボケ画像信号に基づいて前記原画像信号の周波数帯域ごとの信号を表す複数のバンドパス信号を作成し、該各バンドパス信号を所定の変換関数に基づいて該バンドパス信号の絶対値を抑制するように変換して複数の変換画像信号を作成し、該各変換画像信号を積算して得た積算信号を前記原画像信号に加算することにより該原画像信号の所定の周波数成分が強調された処理済画像信号を得る非線形処理手段とに加え、さらに、前記線量を表す線量情報を取得する線量情報取得手段と、前記線量情報に基づいて、前記複数のバンドパス信号の所定の閾値以下の成分に対する前記抑制の度合いが前記線量が小さいほど大きくなるように前記変換関数を定義する変換関数定義手段とを有することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の効果】
本発明の画像強調処理方法および装置によれば、ノイズ信号が信号値としては比較的小さいものであること、及び撮影時の放射線線量が少ないほど読み取られた画像のノイズが目立つことに着目して、画像の周波数帯域ごとの成分であるバンドパス信号の所定の閾値以下の成分に対する抑制の度合い、すなわちノイズの抑制の度合いを、放射線線量が小さいほど大きくなるようにバンドパス信号を変換する関数を定義するため、線量が多い場合(通常)は、本来の強調を、また線量が少ない場合はノイズ抑制を優先して処理を行うことができ、ノイズ量に応じた適切な強調処理を行うことができる。
【0017】
また、ノイズ信号は高周波信号であるため、上記抑制の度合い、すなわちノイズ抑制効果を高周波帯域ほど強くなるように関数を定義すれば、ノイズの少ない低周波帯域の成分に対しては本来の強調処理が優先され、画像全体としてさらに適切な強調処理を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像処理方法および装置の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下に示す画像処理装置は、蓄積性蛍光体シートに記録された人体の放射線画像を読み取って得た画像信号に対して、その画像が診断に適した画像となるように、ボケ画像信号を使用して強調処理を施すものであり、処理された画像信号は主としてフィルムに記録され、診断に用いられる。
【0019】
図1はこの画像処理装置の概略を表す図である。画像処理装置1は、ボケ画像信号を作成するボケ画像信号作成手段2と、特定の周波数を強調するための強調処理を行う非線形処理手段3を有する。さらに、この画像処理装置1は、変換関数定義手段4と、線量情報取得手段5とを備える。変換関数定義手段4は、非線形処理手段3が変換処理に使用する変換関数を定義する手段であり、例えば関数の傾きなどのパラメータを決定して変換関数を定義する。線量情報取得手段5は、強調処理を施す画像信号が撮影された際の放射線線量を表す線量情報を取得する手段であり、変換関数定義手段4は線量情報取得手段5により取得された線量情報に基づいて、パラメータを決定する。
【0020】
ここで、まずボケ画像信号の作成処理について詳細に説明する。図2はボケ画像信号作成処理の概要を示すブロック図である。図2に示されるように、図1のボケ画像信号作成手段2は、まずフィルタリング処理手段10により、原画像信号Sorgに対し、原画像の画素のx方向およびy方向に対してフィルタリング処理を施して原画像信号よりも解像度が低い画像信号B1(以下、低解像度画像信号という)を作成し、次にこの低解像度画像信号B1に対して同様のフィルタリング処理を施してこの低解像度画像信号B1よりもさらに解像度が低い低解像度画像信号B2を作成し、以降順次同様のフィルタリング処理を重ねていくものである。そして、補間処理手段11により、このフィルタリング処理の各段において得られる低解像度画像信号Bkに対して、それぞれ補間拡大処理を施して、鮮鋭度の異なる複数のボケ画像信号Sus1〜SusNを得るものである。
【0021】
本実施の形態においては、上記フィルタリング処理のフィルタとして、一次元ガウス分布に略対応したフィルタを使用する。すなわちフィルタのフィルタ係数を、ガウス信号に関する下記の式(3)
【0022】
【数1】
【0023】
にしたがって定める。これは、ガウス信号は周波数空間および実空間の双方において、局在性がよいためであり、例えば上記(3)式においてσ=1とした場合の5×1の1次元フィルタは図3に示すようなものとなる。
【0024】
フィルタリング処理は、図4に示すように、原画像信号Sorg に対して、あるいは低解像度画像信号に対して1画素おきに行う。このような1画素おきのフィルタリング処理をx方向、y方向に行うことにより、低解像度画像信号B1の画素数は原画像の1/4となり、フィルタリング処理により得られる低解像度画像信号に対して繰り返しこのフィルタリング処理を施すことにより、得られるn個の低解像度画像信号Bk(k=1〜n)は、それぞれ、画素数が原画像信号の1/22kの画像信号となる。
【0025】
次に、このようにして得られた低解像度画像信号Bkに対して施される補間拡大処理について説明する。補間演算の方法としては、Bスプラインによる方法など種々の方法が挙げられるが、本実施の形態においては、上記フィルタリング処理においてガウス信号に基づくローパスフィルタを用いているため、補間演算についてもガウス信号を用いるものとする。具体的には、下記の式(4)
【0026】
【数2】
【0027】
において、σ=2k-1 と近似したものを用いる。
【0028】
画像信号B1を補間する際には、k=1であるためσ=1となる。この場合、補間処理を行うためのフィルタは、図5に示すように5×1の一次元フィルタとなる。この補間処理は、まず低解像度画像信号B1に対して1画素おきに値が0の画素を1つずつ補間することにより低解像度画像信号B1を原画像と同一のサイズに拡大し、次に、この補間された低解像度画像信号B1に対して上述した図5に示す一次元フィルタによりフィルタリング処理を施すことにより行われる。
【0029】
同様に、この補間拡大処理を全ての低解像度画像信号Bkに対して行う。低解像度画像信号Bkを補間する際には、上記式(4)に基づいて、3×2k−1の長さのフィルタを作成し、画像信号Bkの各画素の間に値が0の画素を2k−1個ずつ補間することにより、原画像と同一サイズに拡大し、この値が0の画素が補間された画像信号Bkに対して3×2k−1の長さのフィルタにより、フィルタリング処理を施すことにより補間拡大する。
【0030】
次に、上記のようにして作成されたボケ画像信号を用いて行われる非線形処理について説明する。以下に示す処理は、特定の周波数成分を強調するための処理であり、原画像信号およびボケ画像信号は、上記(2)式にしたがって処理されるものとする。
【0031】
図6はこのような処理を行う画像強調処理装置の一例を示す図である。この画像強調処理装置では、減算器21として示されるように、原画像信号Sorgとボケ画像信号Suskのうち隣接する2つの信号に基づいてバンドパス信号が作成される。各バンドパス信号は、変換器22においてそれぞれ変換関数f1〜fNにより所望の大きさとなるように抑制され、さらに上記(2)式にしたがって、その複数の抑制されたバンドパス信号が演算器23において積算され、さらに原画像信号に加算されて、処理済画像信号Sprocが生成される。ここで変換関数f1〜fNは全て同じ関数であってもよいし、互いに異なる関数であってもよい。図7は、この変換関数の形状の一例を示す図である。
【0032】
次に、この変換関数の形状と強調処理におけるノイズ抑制効果との関係について説明する。一般に、所定の閾値より小さい信号成分はノイズの可能性があり、当業者であればこの閾値がどの程度の値となるかは容易に推測することができる。したがって、ノイズを除去するためには、所定の閾値より小さい成分を抑制すればよいことになる。そこで、図6に示す画像強調処理装置では、一般にこのような信号を抑制するために、上記変換関数として図7に示すような関数の代わりに図8に示すような関数を用いて、バンドパス信号の段階でノイズとみなせる信号成分を抑制してしまい、結果としてバンドパス信号の積算により得られる処理済画像信号Sprocにノイズが含まれないようにしている。
【0033】
本発明は、このノイズ抑制機能を改良するもので、例えば高画質の(ノイズが少ない)画像に対して、ノイズ抑制よりはむしろ強調を優先させて、比較的値の小さい信号成分に対しても、本来の目的である強調処理を施したいといったニーズに応えるものである。そして、このための手段として、図1に示される変換関数定義手段4および線量情報取得手段5を備えている。
【0034】
線量情報取得手段5による線量情報の取得方法としては、放射線線量を直接測定して、オペレータがその測定結果を入力装置を介して入力してもよいし、本発明の画像強調処理装置が撮影装置の一部、あるいは撮影装置と接続される装置である場合には、撮影装置における測定結果を信号として伝送してもよい。また、線量情報は、線量の相対的な大きさがわかればよいため、線量の値そのものでなくともよく、線量と相関関係にある他のパラメータであってもよい。例えば、放射線画像の読取方法として、読取画像の安定した濃度およびコントラストを実現するために、画像に応じて、あるいは先読みされた画像に応じて読取画像に最も適した読取条件を設定して読取りを行う方法が知られている。この方法では読取条件を放射線線量と相関性があるパラメータ(S値)により規定しているが、このようなパラメータを線量情報として利用することも可能である。
【0035】
このように線量情報取得手段5により取得された線量情報は変換関数定義手段4に伝送される。変換関数定義手段4は、例えば、実際の変換に使用される関数の一部分を線形関数として近似して、その線形関数の傾きを表すパラメータにより関数を定義する方法などが用いられているが、複数のパラメータを使用してより複雑な関数を定義してもよく、その他種々の定義方法を適用することができる。いずれの場合にも、関数を定義するパラメータは上記線量情報取得手段5から伝送された線量情報に基づいて決定される。例えば関数を線形関数として近似する方法では、所定の閾値より小さい値を変換する部分の傾きを、線量が大きければ大きく、線量が小さければ小さくすればよい。
【0036】
ここで、ノイズ信号は、一般的には高周波信号であるため、低周波帯域のバンドパス信号よりも高周波帯域のバンドパス信号に多く含まれていると考えられる。そこで上記のように線量情報に基づいて変換関数を異ならしめる場合には、必ずしも全てのバンドパス信号を変換する変換関数についてノイズ抑制効果を強めなくてもよい。つまり、図9に示すように、低周波帯域のバンドパス信号の変換に使用する変換関数については強調処理を優先してノイズ抑制の機能はほとんど持たせずに、高い周波数帯域のバンドパス信号を変換する関数ほど、ノイズ抑制効果を強めるようにしてもよい。
【0037】
以上のように、本発明により、ノイズが多く含まれる画像に対してはノイズ抑制を優先した強調処理を行い、ノイズが少ない画像に対しては本来の強調を優先して画像の強調処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置の概略を示す図
【図2】ボケ画像信号作成処理の概要を示すブロック図
【図3】フィルタリング処理に使用されるフィルタの一例を示す図
【図4】低解像度画像信号作成処理の詳細を示す図
【図5】補間拡大処理に使用されるフィルタの一例を示す図
【図6】画像強調処理装置の一例を示す図
【図7】一般的な変換関数の一例を示す図
【図8】ノイズ抑制効果を有する変換関数の例を示す図
【図9】周波数帯域ごとにノイズ抑制効果を変える場合の変換関数の一例を示す図
【符号の説明】
1 画像処理装置
2 ボケ画像信号(非鮮鋭マスク画像信号)作成手段
3 非線形処理手段
4 変換関数定義手段
5 線量情報取得手段
10 フィルタリング処理手段
11 補間処理手段
21 減算器
22 変換器
23 演算器
Claims (6)
- 所定の線量の放射線を照射することにより取得された放射線画像を表す原画像信号に基づいて互いに周波数応答特性が異なる複数の非鮮鋭マスク画像信号を作成し、前記原画像信号および前記複数の非鮮鋭マスク画像信号に基づいて前記原画像信号の周波数帯域ごとの信号を表す複数の帯域制限画像信号を作成し、該各帯域制限画像信号を所定の変換関数に基づいて該帯域制限画像信号の絶対値を抑制するように変換して複数の変換画像信号を作成し、該各変換画像信号を積算して得た積算信号を前記原画像信号に加算することにより該原画像信号の所定の周波数成分が強調された処理済画像信号を得る放射線画像強調処理方法において、
前記複数の帯域制限画像信号の所定の閾値以下の成分に対する前記抑制の度合いが前記線量が小さいほど大きくなるように前記変換関数を定義することを特徴とする放射線画像強調処理方法。 - 前記所定の変換関数が前記周波数帯域ごとに異なる関数であり、該各関数の前記所定の閾値以下の成分に対する抑制の度合いが高周波数帯域の帯域制限画像信号を変換する関数ほど大きくなるように前記変換関数を定義することを特徴とする請求項1記載の放射線画像強調処理方法。
- 前記処理済画像信号を得るための処理が、次式
S proc =S org +β(S org )×F usm (S org, S us1, S us2, …S usN )
F usm (S org, S us1, S us2, …S usN )
=f 1 ( S org −S us1) +f 2 ( S us1 −S us2) +… +f k ( S usk-1 −S usk) +…+f N ( S usN-1 −S usN)
(但し、S proc :処理済画像信号
S org :原画像信号
S usk(k=1 〜 N ):非鮮鋭マスク画像信号
S org −S us1 ,S usk −S us(k+1) (k=1 〜 N-1 ) :帯域制限画像信号
f k (k=1 〜 N ):各帯域制限画像信号を変換する関数
β(S org ):原画像信号に基づいて定められる強調係数)
により示される処理であることを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像強調処理方法。 - 所定の線量の放射線を照射することにより取得された放射線画像を表す原画像信号に基づいて互いに周波数応答特性が異なる複数の非鮮鋭マスク画像信号を作成する非鮮鋭マスク画像信号作成手段と、前記原画像信号および前記複数の非鮮鋭マスク画像信号に基づいて前記原画像信号の周波数帯域ごとの信号を表す複数の帯域制限画像信号を作成し、該各帯域制限画像信号を所定の変換関数に基づいて該帯域制限画像信号の絶対値を抑制するように変換して複数の変換画像信号を作成し、該各変換画像信号を積算して得た積算信号を前記原画像信号に加算することにより該原画像信号の所定の周波数成分が強調された処理済画像信号を得る非線形処理手段とからなる放射線画像強調処理装置において、
前記線量を表す線量情報を取得する線量情報取得手段と、前記線量情報に基づいて、前記複数の帯域制限画像信号の所定の閾値以下の成分に対する前記抑制の度合いが前記線量が小さいほど大きくなるように前記変換関数を定義する変換関数定義手段とを有することを特徴とする放射線画像強調処理装置。 - 前記所定の変換関数が前記周波数帯域ごとに異なる関数であり、前記変換関数定義手段が、前記各関数の前記所定の閾値以下の成分に対する抑制の度合いが高周波数帯域の帯域制限画像信号を変換する関数ほど大きくなるように前記変換関数を定義する手段であることを特徴とする請求項4記載の放射線画像強調処理装置。
- 前記非線形処理手段が前記処理済画像信号を得るために行う処理が、次式
S proc =S org +β(S org )×F usm (S org, S us1, S us2, …S usN )
F usm (S org, S us1, S us2, …S usN )
=f 1 ( S org −S us1) +f 2 ( S us1 −S us2) +… +f k ( S usk-1 −S usk) +…+f N ( S usN- 1 −S usN)
(但し、S proc :処理済画像信号
S org :原画像信号
S usk(k=1 〜 N ):非鮮鋭マスク画像信号
S org −S us1 ,S usk −S us(k+1) (k=1 〜 N-1 ) :帯域制限画像信号
f k (k=1 〜 N ):各帯域制限画像信号を変換する関数
β(S org ):原画像信号に基づいて定められる強調係数)
により示される処理であることを特徴とする請求項4または5記載の放射線画像強調処理装置。
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