JP2001167264A - 画像処理方法および装置並びに記録媒体 - Google Patents

画像処理方法および装置並びに記録媒体

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JP2001167264A
JP2001167264A JP2000143168A JP2000143168A JP2001167264A JP 2001167264 A JP2001167264 A JP 2001167264A JP 2000143168 A JP2000143168 A JP 2000143168A JP 2000143168 A JP2000143168 A JP 2000143168A JP 2001167264 A JP2001167264 A JP 2001167264A
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signal
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Masahiko Yamada
雅彦 山田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原画像信号から帯域制限画像信号を求めて、
周波数処理等の画像処理を行う際に、演算時間を短縮す
る。 【解決手段】 帯域制限画像信号作成手段において、原
画像信号Sorgの各周波数帯域毎の周波数応答特性を表
すとともに、周波数帯域に応じた画素数を有する帯域制
限画像信号Bk(k=1〜n)を作成する。各帯域制限
画像信号Bkからノイズ成分を分離してノイズ帯域制限
画像信号NBkを得、これを各帯域制限画像信号Bkから
減算してノイズ除去帯域制限画像信号SBkを得る。ノ
イズ除去帯域制限画像信号SBkを変換関数fkにより変
換し、変換ノイズ除去帯域制限画像信号fkSBkを得
る。この変換ノイズ除去帯域制限画像信号fkSBkを最
低周波数帯域から順次再構成して高周波信号SHa1を
得る。高周波信号SHa1を用いて周波数強調処理を行
って処理済み画像信号Sprocを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像信号に対して
所定の周波数成分を強調する等の画像処理を行うための
画像処理方法および装置並びに画像処理方法をコンピュ
ータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュ
ータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像処理の分野においては、画像信号に
対して各周波数帯域毎に異なる画像処理を施すような場
合に、画像信号を周波数帯域毎に分類する手段としてウ
ェーブレット変換やラプラシアンピラミッドの手法が用
いられている。ここで画像処理としては、例えばノイズ
除去のための高周波の分離、さらにはノイズの多い周波
数帯域のデータを削減することによる圧縮処理などが挙
げられる。本出願人も、ウェーブレット変換を用いて画
像中のエッジ成分のみを強調する等の画像処理を行うよ
うにした画像処理方法を種々提案している(例えば特開
平6-274615号、特開平6-350989号等)。
【0003】一方、ラプラシアンピラミッドなる方法は
例えば特開平5-244508号、特開平6-96200号、特開平6-3
01766号等に記載されており、このラプラシアンピラミ
ッドは、原画像に対してガウス関数で近似されたような
マスクによりマスク処理を施した後、画像をサブサンプ
リングして画素数を間引いて半分にすることにより、原
画像の1/4のサイズのボケ画像を得、このボケ画像の
サンプリングされた画素に値が0の画素を補間して元の
大きさの画像に戻し、この画像に対してさらに上述した
マスクによりマスク処理を施してボケ画像を得、このボ
ケ画像を原画像から減算して、原画像信号のある限られ
た周波数帯域の周波数成分を表す、すなわち原画像の複
数の周波数帯域毎の周波数応答特性を表す帯域制限画像
信号を得るものである。この処理を得られたボケ画像に
対して繰り返すことにより原画像の1/22Nのサイズを
有する帯域制限画像信号をN個作成するものである。な
お、最低周波数帯域のボケ画像は原画像の低周波成分を
表すものとなる。
【0004】ここで、上記特開平5-244508号において
は、放射線画像をラプラシアンピラミッドにより複数の
周波数帯域の画像に分解して各周波数帯域毎の帯域制限
画像信号を得、各帯域制限画像信号を非線形関数により
変換し、変換後の帯域制限画像信号を最低周波数帯域の
ボケ画像を表すボケ画像信号とともに再構成することに
より、画像中の周波数帯域に応じたコントラストが強調
された処理済み画像信号を得るようにした方法が提案さ
れている。
【0005】一方、本出願人により、非鮮鋭マスク画像
信号(以下、ボケ画像信号という)を用いて周波数強調
処理あるいはダイナミックレンジ圧縮処理等を行って放
射線画像の診断性能を向上させる数々の画像処理方法お
よび装置が提案されている(特開昭55-163472号、同55-
87953号、特開平3-222577号、特開平10-75395号、同10-
75364号、同10-171983号等)。例えば周波数強調処理
は、原画像信号Sorgからボケ画像信号Susを引いたも
のに強調係数βを乗じたものを、原画像信号Sorgに加
算することにより、原画像信号の所定の空間周波数成分
を強調するものである。これを式で表すと下記の式
(1)のようになる。
【0006】 Sproc=Sorg+β×(Sorg−Sus) (1) (Sproc:周波数強調処理された信号、Sorg:原画像
信号、Sus:ボケ画像信号、β:強調係数) また、特開平10-75395号には、原画像信号に加算する加
算信号の周波数応答特性を調整することにより、周波数
強調処理された信号に対してアーチファクトが発生する
ことを防止する方法が提案されている。この方法とは、
まず鮮鋭度の異なる、すなわち周波数応答特性の異なる
複数のボケ画像信号を作成し、そのボケ画像信号および
原画像信号の中の2つの信号の差分をとることにより、
原画像信号の、ある限られた周波数帯域の周波数成分を
表す複数の帯域制限画像信号(すなわち帯域制限画像信
号)を作成し、さらにその帯域制限画像信号をそれぞれ
異なる変換関数によって所望の大きさとなるように変換
してから、その複数の抑制された帯域制限画像信号を積
算することにより上記加算信号を作成するものである。
この処理は例えば下記の式(2)により表すことができ
る。
【0007】 Sproc=Sorg+β(Sorg)×Fusm(Sorg,Sus1,Sus2,…Susn) Fusm(Sorg,Sus1,Sus2,…Susn) =f1(Sorg−Sus1)+f2(Sus1−Sus2)+… +fk(Susk-1−Susk)+…+fn(Susn-1−Susn) (2) (但し、Sproc:処理済み画像信号 Sorg :原画像信号 Susk(k=1〜n):ボケ画像信号 fk(k=1〜n):各帯域制限画像信号を変換する変換関数 β(Sorg):原画像信号に基づいて定められる強調係
数) さらに、特開平10-75364号には、ダイナミックレンジ圧
縮処理を施す場合において、処理が施された信号に対し
てアーチファクトが発生することを防止する方法が提案
されている。この方法とは、上記特開平10-75395号に記
載されたように、複数の帯域制限画像信号を作成し、こ
の帯域制限画像信号に基づいて原画像信号の低周波成分
に関する信号(低周波成分信号)を得、原画像信号にこ
の低周波成分に関する信号を加算することによりダイナ
ミックレンジ圧縮処理を施すようにしたものである。こ
の処理は例えば下記の式(3)により表すことができ
る。
【0008】 Sproc=Sorg +D(Sorg−Fdrc(Sorg,Sus1,Sus2,…Susn)) (3 ) Fdrc(Sorg,Sus1,Sus2,…Susn) ={fd1(Sorg−Sus1)+fd2(Sus1 −Sus2)+… +fdk(Susk-1−Susk )+…+fdn(Susn-1−Susn)} (但し、Sproc:処理済み画像信号 Sorg:原画像信号 Susk(k=1〜n):ボケ画像信号 fdk(k=1〜n):低周波成分信号を得るために使用する
変換関数 D(Sorg−Fdrc):低周波成分信号に基づいて定めら
れるダイナミックレンジ圧縮係数(DはSorg−Fdrcを
変換する関数)) さらにまた、特開平10-171983号には、周波数強調処理
とダイナミックレンジ圧縮処理とを同時に施す場合にお
いて、処理が施された信号に対してアーチファクトが発
生することを防止する方法が提案されている。この方法
とは、上記特開平10-75395号に記載されたように、複数
の帯域制限画像信号を作成し、この帯域制限画像信号に
基づいて原画像信号の高周波成分に関する信号(高周波
成分信号)および低周波成分信号を得、原画像信号にこ
れらの高周波成分に関する信号および低周波成分に関す
る信号を加算することにより周波数強調処理を施すとと
もにダイナミックレンジ圧縮処理を施すようにしたもの
である。この処理は例えば下記の式(4)により表すこ
とができる。
【0009】 Sproc=Sorg +β(Sorg)・Fusm(Sorg,Sus1,Sus2,…Susn) +D(Sorg−Fdrc(Sorg,Sus1,Sus2,…Susn)) (4 ) Fusm(Sorg,Sus1,Sus2,…Susn) ={fu1(Sorg−Sus1)+fu2(Sus1 −Sus2)+… +fuk(Susk-1−Susk )+…+fun(Susn-1−Susn)} Fdrc(Sorg,Sus1,Sus2,…Susn) ={fd1(Sorg−Sus1)+fd2(Sus1 −Sus2)+… +fdk(Susk-1−Susk )+…+fdn(Susn-1−Susn)} (但し、Sproc:処理済み画像信号 Sorg:原画像信号 Susk(k=1〜n):ボケ画像信号 fuk(k=1〜n):高周波成分信号を得るために使用する
変換関数 fdk(k=1〜n):低周波成分信号を得るために使用する
変換関数 β(Sorg):原画像信号に基づいて定められる強調係
数 D(Sorg−Fdrc):低周波成分信号に基づいて定めら
れるダイナミックレンジ圧縮係数(DはSorg−Fdrcを
変換する関数)) これらの周波数強調処理やダイナミックレンジ圧縮処理
(以下変換処理とする)においては、帯域制限画像信号
を変換する変換関数等の定義を変更することによって原
画像信号に加算する加算信号の周波数応答特性を調整す
ることができる。このため、各変換関数の定義次第で、
アーチファクトの発生防止等所望の周波数応答特性を有
する処理済み画像信号を得ることができる。
【0010】一方、上述した変換処理に用いられるボケ
画像信号は、まず原画像信号の画素に対して所定間隔毎
に所定のフィルタリング処理を施すことによって画素を
間引きし、そのようにして得た画像信号に対して同様の
フィルタリング処理を繰り返してさらに画素数を少なく
した低解像度の画像信号を複数作成し、低解像度画像信
号のそれぞれに対して、所定の補間方法により原画像と
画素数が同一となるように補間処理を施すことにより作
成される。したがって、ボケ画像信号は画素数は原画像
信号と同一であるが、原画像信号よりも鮮鋭度が低い画
像を表す画像信号となる。
【0011】また、帯域制限画像信号は、例えば隣接す
る周波数帯域のボケ画像信号同士で差分をとって、ある
いは原画像信号と各ボケ画像信号の差分をとって作成さ
れる。したがって、帯域制限画像信号は画素数は原画像
信号と同じであり、原画像信号の周波数帯域毎の周波数
応答特性を表す信号となる。
【0012】一方、放射線画像においては、放射線量が
少なく濃度が低い部分において、放射線の量子ノイズが
目立ってしまう。このため、上記特開平6-96200号にお
いては、放射線画像をラプラシアンピラミッドにより複
数の周波数帯域の画像に分解して各周波数帯域毎の帯域
制限画像信号を得、各帯域制限画像信号の局所分散値を
算出し、この局所分散値の大きさに応じて帯域制限画像
信号に対してノイズ成分を除去する処理を施し、処理を
施した後の帯域制限画像信号を最低周波数帯域のボケ画
像を表すボケ画像信号とともに再構成することにより、
画像中の周波数帯域に応じたノイズ成分が低減された処
理済み画像信号を得るようにした方法が提案されてい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平5-244508号
に記載された方法においては、各周波数帯域の帯域制限
画像信号に対して非線形関数により変換処理を施し、変
換された帯域制限画像信号を再構成して処理済み画像信
号を得ているため、変換の程度を修正したい場合には、
再度帯域制限画像信号に対して変換処理を施した後に画
像を再構成する必要があり、この結果、再処理には長時
間を要するものとなる。このため、CRTを観察しなが
ら画像処理の内容を種々変更して最適な画像処理内容を
設定するような場合には、処理が施された画像が再生さ
れるまでに長時間を要するものとなり、オペレータのス
トレスが大きい。
【0014】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、帯域制限画像信号を用いた周波数強調処理等の画像
処理を高速に行うことができる画像処理方法および装置
並びに画像処理方法をコンピュータに実行させるための
プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒
体を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による画像処理方
法は、原画像を表す原画像信号に対して、該原画像の高
周波成分に関する信号に基づく画像処理を施して処理済
み画像信号を得る画像処理方法において、前記原画像信
号から帯域制限画像信号を作成し、前記帯域制限画像信
号からノイズ成分を除去してノイズ除去帯域制限画像信
号を得、所定の変換関数に基づいて、前記ノイズ除去帯
域制限画像信号から前記原画像の高周波成分に関する信
号を得、該高周波成分に関する信号に基づいて、前記原
画像信号に対して前記画像処理を施すことを特徴とする
ものである。
【0016】ここで、「画像処理」とは、具体的には、
原画像信号に含まれる特定の周波数成分を強調する周波
数強調処理や、原画像の最高濃度と最低濃度との差すな
わちダイナミックレンジを狭めるように高濃度域もしく
は低濃度域あるいは高濃度域および低濃度域の双方のコ
ントラストを下げるダイナミックレンジ圧縮処理等が挙
げられる。さらには、周波数強調処理とダイナミックレ
ンジ圧縮処理とを同時に行うものが挙げられる。なお、
「所定の変換関数」は、画像処理の内容に応じた関数を
用いることが好ましい。
【0017】さらに、「帯域制限画像信号からノイズ成
分を除去する」とは、帯域制限画像信号に含まれるノイ
ズ成分が低減されるようにすることを意味し、例えば、
帯域制限画像信号からノイズ成分、あるいはノイズ成分
に所定のノイズ抑制レベルを表す係数を乗算したものを
減算するなどして、帯域制限画像信号のノイズ成分を除
去するとよい。なお、前記係数は帯域制限画像信号の信
号値に依存して変更してもよい。
【0018】なお、本発明による画像処理方法において
は、前記帯域制限画像信号により表される各画像が、そ
の周波数帯域に応じた画素数を有することが好ましい。
【0019】また、本発明による画像処理方法において
は、前記高周波成分に関する信号が、前記原画像信号と
同一画素数であることが好ましい。
【0020】ここで、「原画像信号と同一画素数」と
は、原画像と高周波成分に関する信号により表される画
像との画像サイズが同一であることをいう。
【0021】さらに、本発明による画像処理方法におい
ては、前記原画像信号を多重解像度変換することによ
り、前記帯域制限画像信号を作成し、前記ノイズ除去帯
域制限画像信号に対して前記所定の変換関数に基づいて
変換処理を施して変換ノイズ除去帯域制限画像信号を
得、該変換ノイズ除去帯域制限画像信号を逆多重解像度
変換することにより、前記高周波成分に関する信号を得
るものとすることができる。なお、逆多重解像度変換
は、前記多重解像度変換に対応するものであって、この
逆多重解像度変換を施すことにより、元の信号を復元
(可逆/非可逆のいずれでもよい)することができるも
のであることはいうまでもない。
【0022】ここで、「原画像信号を多重解像度変換す
ることにより帯域制限画像信号を作成」するに際して
は、ラプラシアンピラミッドの手法によるラプラシアン
ピラミッド分解により、あるいはウェーブレット変換に
より原画像信号を複数の周波数帯域毎の周波数応答特性
を表す信号に変換する方法などを用いることができる。
この場合、「逆多重解像度変換」としては、ラプラシア
ンピラミッド分解により帯域制限画像信号を得た場合は
ラプラシアンピラミッド再構成の方法が用いられ、ウェ
ーブレット変換により帯域制限画像信号を得た場合は逆
ウェーブレット変換が用いられるのはいうまでもない。
【0023】なお、ラプラシアンピラミッド分解やウェ
ーブレット変換などにより原画像信号を多重解像度変換
した場合、最低周波数帯域の信号は原画像を縮小した低
周波の情報を表すものであり、原画像信号の周波数帯域
毎の周波数応答特性を表す帯域制限画像信号ではないた
め、本発明においては処理には使用しないか、または値
を0として使用することが好ましい。
【0024】また、本発明による画像処理方法において
は、前記所定の変換関数は、非線形関数であることが好
ましい。
【0025】さらに、本発明による画像処理方法におい
ては、前記ノイズ成分の除去を、アイリスフィルタによ
るフィルタリング処理に基づいて行うことが好ましい。
【0026】本発明による画像処理装置は、原画像を表
す原画像信号に対して、該原画像の高周波成分に関する
信号に基づく画像処理を施して処理済み画像信号を得る
画像処理装置において、前記原画像信号から帯域制限画
像信号を作成する帯域制限画像信号作成手段と、前記帯
域制限画像信号からノイズ成分を除去してノイズ除去帯
域制限画像信号を得るノイズ除去帯域制限画像信号取得
手段と、所定の変換関数に基づいて、前記ノイズ除去帯
域制限画像信号から前記原画像の高周波成分に関する信
号を得る高周波成分取得手段と、該高周波成分に関する
信号に基づいて、前記原画像信号に対して前記画像処理
を施す画像処理手段とを備えたことを特徴とするもので
ある。
【0027】なお、本発明による画像処理装置において
は、前記帯域制限画像信号作成手段は、前記帯域制限画
像信号により表される各周波数帯域の画像が、その周波
数帯域に応じた画素数を有するよう前記帯域制限画像信
号を作成する手段であることが好ましい。
【0028】また、本発明による画像処理装置において
は、前記高周波成分取得手段は、前記高周波成分に関す
る信号が前記原画像信号と同一画素数となるように前記
高周波成分に関する信号を取得する手段であることが好
ましい。
【0029】さらに、本発明による画像処理装置におい
ては、前記帯域制限画像信号作成手段は、前記原画像信
号を多重解像度変換することにより、前記帯域制限画像
信号を作成する手段であり、前記高周波成分取得手段
は、前記ノイズ除去帯域制限画像信号に対して前記所定
の変換関数に基づいて変換処理を施して変換ノイズ除去
帯域制限画像信号を得、該変換ノイズ除去帯域制限画像
信号を逆多重解像度変換することにより、前記高周波成
分に関する信号を得る手段であることが好ましい。
【0030】この場合、前記多重解像度変換は、ラプラ
シアンピラミッド分解による変換、またはウェーブレッ
ト変換とすることができる。
【0031】また、本発明による画像処理装置において
は、前記高周波成分取得手段は、最低周波数帯域の帯域
制限画像信号以外の帯域制限画像信号から得られた前記
ノイズ除去帯域制限画像信号から、前記高周波成分に関
する信号を得る手段であることが好ましい。
【0032】さらに、前記所定の変換関数は、非線形関
数であることが好ましい。
【0033】さらにまた、前記画像処理は、周波数強調
処理および/またはダイナミックレンジ圧縮処理である
ことが好ましい。
【0034】また、本発明による画像処理装置において
は、前記ノイズ除去帯域制限画像信号取得手段は、前記
ノイズ成分の除去を、アイリスフィルタによるフィルタ
リング処理に基づいて行う手段であることが好ましい。
【0035】なお、本発明による画像処理方法をコンピ
ュータに実行させるためのプログラムとして、コンピュ
ータ読取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、原画像信号から帯域制
限画像信号が作成され、帯域制限画像信号からノイズ成
分が除去されてノイズ除去帯域制限画像信号が得られ
る。そして、所定の変換関数に基づいて、ノイズ除去帯
域制限画像信号から原画像の高周波成分に関する信号が
得られ、この高周波成分に関する信号に基づいて、原画
像信号に対して画像処理が施される。
【0037】このため、高周波成分のレベルを変更する
のみで原画像信号に対する画像処理の程度を任意に変更
することができるため、上記特開平5-244508号に記載さ
れたように非線形関数を修正することにより画像処理の
程度を変更する方法と比較して、画像処理の程度を簡易
に変更することができる。したがって、画像処理の程度
が変更された処理済み画像信号を得るための演算時間を
短縮して、オペレータのストレスを低減することができ
る。また、帯域制限画像信号からノイズ成分を除去して
いるため、帯域制限画像信号のノイズひいては処理済み
画像信号のノイズを除去することができる。
【0038】また、帯域制限画像信号の各周波数帯域の
画像を、その周波数帯域に応じた画素数を有するものと
することにより、処理を行う際の演算量を低減すること
ができ、これにより、処理済み画像信号を得るための演
算時間を一層短縮することができる。
【0039】さらに、高周波成分に関する信号の画素数
を、原画像信号と同一の画素数とすることにより、高周
波成分に関する信号に対して、サイズを変更する処理を
施すことなく、直ちに原画像信号に対して画像処理を施
すことができるため、画像処理をより効率よく行うこと
ができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明による画像処理方法
および装置の一実施形態について、図面を参照して詳細
に説明する。以下に示す画像処理装置は、蓄積性蛍光体
シートに記録された人体の放射線画像を読み取って得た
画像信号に対して、その画像が診断に適した画像となる
ように、周波数強調処理を施すものであり、処理された
画像信号は主としてフィルムに記録され、診断に用いら
れる。
【0041】図1は本発明の第1の実施形態による画像
処理装置の構成を示す概略ブロック図である。画像処理
装置1は、読取装置等において得られた所定の解像度を
有する原画像信号Sorgから原画像の複数の周波数帯域
毎の周波数応答特性を表す帯域制限画像信号を作成する
帯域制限画像信号作成手段2と、帯域制限画像信号に基
づいて原画像信号Sorgに対して特定の周波数を強調す
るための周波数強調処理を行って処理済み画像信号Spr
ocを得る処理手段3とを有する。
【0042】まず帯域制限画像信号の作成処理について
詳細に説明する。図2は帯域制限画像信号作成処理の概
要を示すブロック図、図3は帯域制限画像信号作成処理
を模式的に示す図である。なお、本実施形態において
は、例えば特開平5-244508号、同6-96200号に記載され
たラプラシアンピラミッドの手法により帯域制限画像信
号を作成するものとする。まず図2に示すように、図1
の帯域制限画像信号作成手段2は、フィルタリング処理
手段10において原画像信号Sorgに対し、原画像読取
時の主走査方向であるx方向および副走査方向であるy
方向(図26参照)に対してフィルタリング処理を施し
て原画像信号Sorgよりも解像度が低い画像信号L1(以
下、低解像度画像信号という)を作成し、次にこの低解
像度画像信号L1に対して同様のフィルタリング処理を
施してこの低解像度画像信号L1よりもさらに解像度が
低い低解像度画像信号L2を作成し、以降順次同様のフ
ィルタリング処理を繰り返して各解像度毎の低解像度画
像信号Lk(k=1〜n)を得るものである。そして、
補間処理手段11において、このフィルタリング処理の
各段において得られる低解像度画像信号Lkに対して、
それぞれ2倍の画素数となるように補間処理を施して、
鮮鋭度が異なる複数のボケ画像信号Sus1〜Susn(以
下Susk(k=1〜n)で代表させる)を得る。この
後、減算器12により互いに対応する画素数を有する低
解像度画像信号Lk-1とボケ画像信号Suskおよび原画像
信号Sorgとボケ画像信号Sus1との差分を求め、これ
を帯域制限画像信号Bkとする。
【0043】本実施形態においては、上記フィルタリン
グ処理のフィルタとして、1次元ガウス分布に略対応し
たフィルタを使用する。すなわちフィルタのフィルタ係
数を、ガウス信号に関する下記の式(5)にしたがって
定める。
【0044】
【数1】 このようにガウス信号を使用するのは、ガウス信号が周
波数空間および実空間の双方において局在性がよいため
である。ここで、例えば上記(5)式においてσ=1と
した場合の5×1の1次元フィルタは図4に示すような
ものとなる。
【0045】フィルタリング処理は、図5に示すよう
に、原画像信号Sorgに対して、あるいは低解像度画像
信号に対して1画素おきに行う。このような1画素おき
のフィルタリング処理をx方向、y方向に行うことによ
り、低解像度画像信号L1の画素数は原画像の1/4と
なり、フィルタリング処理により得られる低解像度画像
信号に対して繰り返しこのフィルタリング処理を施すこ
とにより、得られるn個の低解像度画像信号Lk(k=
1〜n)は、それぞれ画素数が原画像信号Sorgの1/
2kの画像信号となる。
【0046】次に、このようにして得られた低解像度画
像信号Lkに対して施される補間処理について説明す
る。補間処理を行うための補間演算の方法としては、B
スプラインによる方法等種々の方法が挙げられるが、本
実施形態においては、上記フィルタリング処理において
ガウス信号に基づくローパスフィルタを用いているた
め、補間演算についてもガウス信号を用いるものとす
る。具体的には、下記の式(6)において、σ=2k-1
と近似したものを用いる。
【0047】
【数2】 例えば低解像度画像信号L1を補間する際には、k=1
であるためσ=1となる。この場合、補間処理を行うた
めのフィルタは、図6に示すように5×1の1次元フィ
ルタとなる。この補間処理は、まず低解像度画像信号L
1に対して1画素おきに値が0の画素を1つずつ補間す
ることにより低解像度画像信号L1を原画像と同一の画
素数となるように拡大し、次に、この補間された低解像
度画像信号L1に対して上述した図6に示す1次元フィ
ルタによりフィルタリング処理を施すことにより行われ
る。
【0048】同様に、この補間拡大処理を全ての低解像
度画像信号Lkに対して行う。低解像度画像信号Lkを補
間する際には、上記式(6)に基づいて、3×2k−1
の長さのフィルタを作成し、低解像度画像信号Lkの各
画素の間に値が0の画素を1個ずつ補間することによ
り、1段階高解像度の低解像度画像信号Lk-1と同一画
素数となるように拡大し、この値が0の画素が補間され
た低解像度画像信号Lkに対して3×2k−1の長さのフ
ィルタにより、フィルタリング処理を施すことにより補
間拡大してボケ画像信号Suskを得る。
【0049】次に、上記のようにして作成されたボケ画
像信号Suskが、対応する画素数を有する低解像度画像
信号Lk-1から減算されて、帯域制限画像信号Bk(k=
1〜n)が得られる。なお、帯域制限画像信号Bkは下
記の式に示すものとなる。
【0050】 B1=Sorg−Sus1 B2=L1−Sus2 B3=L2−Sus3 ・ ・ Bk=Lk−Susk 具体的には、図3に示すように5段階の低解像度画像信
号L1〜L5が得られた場合、まず最低解像度の低解像度
画像信号L5に対して補間処理を施して、低解像度画像
信号L4と同一画素数を有するボケ画像信号Sus5を作
成する。そして、低解像度画像信号L4からボケ画像信
号Sus5を減算して帯域制限画像信号B5を得る。以下
順次L3−Sus4、L2−Sus3、L1−Sus2、Sorg−
Sus1の演算を行って、帯域制限画像信号B1〜B5を得
る。ここで、最低解像度の低解像度画像信号Lk(L5
は、原画像を縮小した低周波の情報を表すものである
が、これ以降の演算において使用することはない。
【0051】次に、上述したように算出された帯域制限
画像信号Bkを用いて行われる処理について説明する。
図7は処理手段3の構成を示す概略ブロック図である。
図7に示すように、帯域制限画像信号作成手段2におい
て作成された帯域制限画像信号Bk(k=1〜n)は、
ノイズ分離手段26においてノイズ成分が分離されて、
ノイズ帯域制限画像信号NBkが得られる。ここで、ノ
イズ分離手段26におけるノイズ成分の分離処理につい
て説明する。
【0052】図8はノイズ分離手段26の構成を示す概
略ブロック図である。ノイズ分離手段26は、アイリス
フィルタを用いた処理により、帯域制限画像信号Bk
らノイズ成分を分離するものであり、入力された帯域制
限画像信号Bkの全画素について、この帯域制限画像信
号Bkに基づく各画素毎の濃度勾配ベクトルを算出する
勾配ベクトル算出手段31と、全画素のうち1つの画素
を順次、注目画素として設定する注目画素設定手段34
と、注目画素設定手段34により設定された注目画素を
中心として、所定の角度間隔(例えば11.25 度間隔)で
隣接する複数(例えば32本)の放射状の方向線(図9参
照)を設定する方向線設定手段33と、設定された各方
向線毎に、注目画素から予め定められた所定範囲内にあ
る方向線上の各画素について、各画素の勾配ベクトルと
この方向線の延びる方向とのなす角度θil(32本の方向
線のうち第i番目の方向線上における、注目画素から第
l番目の画素の勾配ベクトルと、この第i番目の方向線
の延びる方向とのなす角度を表す)に基づく指標値cos
θilをそれぞれ求める指標値算出手段35と、注目画素
を始点とし、終点を前記予め設定された範囲に応じた大
きさまで変化させて、始点から終点の範囲内にある方向
線上の各画素の指標値cosθilの平均値Ci(n)を、
各方向線毎に下記の式(7)にしたがって求めるととも
に、この平均値のうち最大値Cimax(式(8))を抽出
する最大値算出手段36と、各方向線毎に抽出された最
大値Cimaxを32本の方向線の全てについて加算平均
((ΣCimax)/32)してこの注目画素についての勾配
ベクトル群の集中度の値C(式(9))を算出する集中
度算出手段37と、
【数3】
【数4】 集中度の値Cが大きいほど注目画素が画像中におけるエ
ッジ上に位置するものとして大きな重み付けとなり、集
中度の値Cが小さいほど注目画素がエッジ以外に部分に
存在するものとして小さな重み付けとなるように、空間
フィルタのフィルタ係数を設定するフィルタ設定手段3
8と、フィルタ設定手段38においてフィルタ係数が設
定された空間フィルタにより、帯域制限画像信号Bk
対してフィルタリング処理を施してフィルタ処理済み帯
域制限画像信号FBkを得るフィルタリング手段39
と、帯域制限画像信号Bkからフィルタ処理済み帯域制
限画像信号FBkを減算してノイズ帯域制限画像信号N
kを算出する信号算出手段40とを備える。
【0053】なお、アイリスフィルタについては、「小
畑他、DR画像における腫瘤影検出(アイリスフィル
タ)、電子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J75-D-II No.
3 P663〜670 1992年3月参照」、「小畑他、アイリスフ
ィルタとその特性解析、計測自動制御学会論文集、1998
VOL.34 No.4、p.326-332」にその詳細が記載されてい
る。このアイリスフィルタ処理は、とくに乳癌における
特徴的形態の1つである腫瘤陰影を検出するのに有効な
手法として研究されており、アイリスフィルタ処理に用
いられるアイリスフィルタは、画像信号の勾配を勾配ベ
クトルとして算出し、その勾配ベクトルの集中度を出力
するものであり、アイリスフィルタ処理とはこの勾配ベ
クトルの集中度を基に腫瘤陰影を検出するものである。
本実施形態においては、このアイリスフィルタ処理によ
り、帯域制限画像信号Bkの勾配ベクトルの集中度から
各画素がエッジなどの線分上に位置する程度を求めるも
のである。
【0054】勾配ベクトル算出手段31は、詳しくは例
えば図10に示した縦5画素×横5画素の大きさのマス
クの最外周部の画素の画像データ(画素値)を用いて、
下記の式(10)にしたがって濃度勾配ベクトルの向き
θを求める。
【0055】
【数5】 このマスクサイズは縦5画素×横5画素のもの限るもの
ではなく、種々の大きさのものを用いることができる。
【0056】方向線設定手段33が設定する方向線の数
は、上記32本に限るものではないが、余りに多く設定す
ると計算処理に要する負担が急激に増大し、また少な過
ぎればエッジ成分を精度よく検出することができないの
で、32本程度が好ましい。またこの方向線間の角度間隔
は等間隔とするのが計算処理等において都合がよい。
【0057】集中度算出手段37において算出される集
中度の値Cが大きな値となるのは、勾配ベクトルの向き
が注目画素に集中する場合である。
【0058】フィルタ設定手段38においては集中度算
出手段37において求められた集中度の値Cに応じて平
滑化処理を行うための空間フィルタのフィルタ係数が設
定される。すなわち、集中度の値Cが大きいほど注目画
素はエッジ上に存在し、集中度の値Cが小さいほど注目
画素はエッジ以外の位置に存在することとなる。したが
って、集中度の値Cが大きいほど重み付けが大きくなる
ようなフィルタ係数が定められて、空間フィルタが設定
されることとなる。
【0059】具体的には、まず集中度の値Cが所定の閾
値よりも高い画素の値を1、所定の閾値以下の画素の値
を0とする2値化処理を行い、エッジ成分とそれ以外の
成分との分離を行う。ここで、基本となる空間フィルタ
をF0とし、この空間フィルタF0が3×3の平滑化フ
ィルタであり、そのフィルタ係数が図11(a)に示す
ものであるとすると、集中度Cの2値化結果に応じてフ
ィルタF0のフィルタ係数が重み付けされて帯域制限画
像信号Bkに対して施す空間フィルタF1のフィルタ係
数が設定される。すなわち、ある注目画素がエッジ成分
上にあり、この注目画素を中心とする3×3の範囲の集
中度C(2値化後)が図11(b)に示すものであった
場合、空間フィルタF1のフィルタ係数は図11(c)
に示すものとなる。また、ある注目画素がエッジ成分以
外の部分にあり、注目画素を中心とする3×3の範囲の
集中度Cが図11(d)に示すものであった場合、空間
フィルタF1のフィルタ係数は図11(e)に示すもの
となる。したがって、この空間フィルタF1により帯域
制限画像信号Bkを平滑化すると、エッジ成分はぼかさ
れることなく、それが存在する方向に対してぼかされる
こととなる。また、エッジ成分以外の成分は値が0とさ
れることとなる。
【0060】フィルタリング手段39は、フィルタ設定
手段38において設定された空間フィルタF1により、
帯域制限画像信号Bkに対してフィルタリング処理を施
してフィルタ処理済み帯域制限画像信号FBkを得る。
このフィルタリング処理により、帯域制限画像信号Bk
は平滑化されるが、エッジ成分においては、エッジが存
在する方向に平滑化されることとなる。これにより、フ
ィルタ処理済み帯域制限画像信号FBkにおいては、平
滑化されたエッジ成分のみが残ることとなる。
【0061】信号算出手段40においては、帯域制限画
像信号Bkからフィルタ処理済み帯域制限画像信号FBk
を減算してノイズ帯域制限画像信号NBkが得られる。
ここで、フィルタ処理済み帯域制限画像信号FBkは平
滑化されているため、ノイズ帯域制限画像信号NB
kは、帯域制限画像信号Bkに含まれるノイズ成分を表す
ものとなる。とくに、フィルタ処理済み帯域制限画像信
号FBkはエッジ成分が存在する方向に平滑化されてい
るため、求められたノイズ成分にはエッジ上におけるノ
イズも含まれることとなる。
【0062】ノイズ分離手段26に入力された帯域制限
画像信号Bkは、まず勾配ベクトル算出手段31、注目
画素設定手段34、フィルタリング手段39および信号
算出手段40に入力される。勾配ベクトル算出手段31
は前述したように縦5画素×横5画素の大きさのマスク
の最外周部の画素の画像データ(画素値)を用いて、全
画素について濃度勾配ベクトルの向きθを求める。求め
られた濃度勾配ベクトルの向きθは指標値算出手段35
に入力される。
【0063】一方、注目画素設定手段34は、入力され
た帯域制限画像信号Bkについて、その全画素のうち1
つを順次注目画素として設定し、設定した注目画素を方
向線設定手段33に入力する。方向線設定手段33は、
注目画素を中心として例えば11.25 度の等間隔で隣接す
る32本の放射状の方向線を設定する。そしてこの設定さ
れた方向線は指標値算出手段35に入力される。
【0064】指標値算出手段35は、勾配ベクトル算出
手段31から入力された勾配ベクトルの向きθが定義さ
れた、帯域制限画像信号Bkと同じ2次元に配列された
画素に、方向線設定手段33から入力された32本の方向
線を重ねて、この32本の方向線にそれぞれ重なる画素を
抽出する。
【0065】さらに指標値算出手段35は、各方向線毎
に各画素に定義された勾配ベクトルの向きθとこの方向
線の延びる方向とのなす角度θil(32本の方向線のうち
第i番目の方向線上における、注目画素から第l(エ
ル)番目の画素の勾配ベクトルと、この第i番目の方向
線の延びる方向とのなす角度を表す)に基づく指標値co
sθilをそれぞれ求める。
【0066】この求められた各方向線上における各画素
の指標値cosθilは最大値算出手段36に入力される。
最大値算出手段36は、上記始点から終点の範囲内にあ
る方向線上の各画素の指標値cosθilの平均値Ci
(n)を、各方向線毎に求めるとともに、この平均値C
i(n)の最大値Cimaxを抽出する。
【0067】このように各方向線毎に求められた最大値
Cimaxは集中度算出手段37に入力される。集中度算出
手段37は入力された各方向線毎に求められた最大値C
imaxを加算平均して、その注目画素についての勾配ベク
トル群の集中度の値Cを算出する。算出された勾配ベク
トル群の集中度の値Cはフィルタ設定手段38に入力さ
れる。
【0068】以上の作用と同じ作用が、注目画素設定手
段34が設定する注目画素を順次代えてなされ、入力さ
れた全ての画素についての上記集中度の値Cがフィルタ
設定手段38に入力される。
【0069】フィルタ設定手段38は、集中度の値Cが
大きいほど大きな重み付けがなされるような空間フィル
タF1を設定し、フィルタリング手段39が設定された
空間フィルタにより帯域制限画像信号Bkに対してフィ
ルタリング処理を施して、フィルタ処理済み帯域制限画
像信号FBkを得、これが信号算出手段40に入力され
る。
【0070】信号算出手段40は、帯域制限画像信号B
kからフィルタ処理済み帯域制限画像信号FBkを減算し
てノイズ帯域制限画像信号NBkを算出する。
【0071】このようにしてノイズ帯域制限画像信号N
kが得られると、本発明のノイズ除去帯域制限画像信
号取得手段としての減算器70において帯域制限画像信
号B kからノイズ帯域制限画像信号NBkが減算されてノ
イズ除去帯域制限画像信号SBkが得られる。なお、ノ
イズ除去帯域制限画像信号SBkは、フィルタリング手
段39において得られるフィルタ処理済み帯域制限画像
信号FBkと実質的に同一となる。ノイズ除去帯域制限
画像信号SBkは変換器22において変換関数f1〜fn
により所望の大きさとなるように抑制されて、変換ノイ
ズ除去帯域制限画像信号fkSBkが得られる。関数f1
の例を図12に示す。この関数f1は、帯域制限画像信
号の絶対値が閾値Th1よりも小さい場合は傾きが1で
あり、閾値Th1よりも大きい場合は傾きが1よりも小
さくなるような非線形関数である。この関数は、各帯域
制限画像信号において同一のものであってもよいが、各
信号毎に異なるものであってもよい。
【0072】そして、この変換ノイズ除去帯域制限画像
信号fkSBkのうち、最低解像度の変換ノイズ除去帯域
制限画像信号fnSBnは変換ノイズ除去信号SHanと
されるとともに、変換ノイズ除去信号SHanが1段階
高解像度の変換ノイズ除去帯域制限画像信号fn-1SB
n-1と同一画素数となるように、補間処理手段23にお
いて補間処理がなされて、拡大ノイズ除去信号SHa
n′が得られる。この後、変換ノイズ除去帯域制限画像
信号fn-1SBn-1と拡大ノイズ除去信号SHan′とが
加算器24において加算されて、変換ノイズ除去信号S
Han−1が得られる。そして、変換ノイズ除去信号S
Hak−1の補間拡大による拡大ノイズ除去信号SHa
k−1′の取得、および拡大ノイズ除去信号SHak−
1′と変換ノイズ除去帯域制限画像信号fk-1k-1との
加算による変換ノイズ除去信号SHak−2の取得を繰
り返し行って、最高解像度の変換ノイズ除去信号を得、
これを高周波信号SHa1とするものである。
【0073】具体的には図13に示すように、5段階の
帯域制限画像信号B1〜B5が得られた場合には、まず変
換ノイズ除去帯域制限画像信号f1SB1〜f5SB5が得
られ、最低解像度の変換ノイズ除去帯域制限画像信号f
5SB5が変換ノイズ除去信号SHa5とされる。そし
て、変換ノイズ除去信号SHa5に対して1段階高解像
度の変換済み信号f4SB4と同一画素数となるように補
間処理が施されて拡大ノイズ除去信号SHa5′が得ら
れる。そして、変換ノイズ除去帯域制限画像信号f4
4と拡大ノイズ除去信号SHa5′とが加算されて、
変換ノイズ除去信号SHa4が得られる。以下同様にし
て変換ノイズ除去信号SHa3,SHa2が得られ、最
終的に最高解像度の変換ノイズ除去信号すなわち高周波
信号SHa1が得られる。
【0074】なお、変換器22、補間処理手段23およ
び加算器24が本発明の高周波成分取得手段と観念され
る。
【0075】このようにして高周波信号SHa1が得ら
れると、本発明の画像処理手段としての演算器25にお
いて、下記の式(11)に示すように、高周波信号SH
a1に対して原画像信号Sorg の値に応じた、周波数強
調の度合いを表すパラメータとしての強調係数β(Sor
g)が乗じられ、この強調係数β(Sorg)が乗じられた
高周波信号SHa1が原画像信号Sorg と加算されて、
周波数強調処理が施された画像を表す処理済み画像信号
Sprocが得られる。
【0076】 Sproc=Sorg +β(Sorg )・SHa1 (11) 但し、Sproc:処理済み画像信号 Sorg :原画像信号 β(Sorg):原画像信号に基づいて定められる強調係
数 なお、強調係数β(Sorg)の値を変更することによ
り、処理済み画像信号Sprocの画像処理の程度を任意に
変更することができる。
【0077】次いで、第1の実施形態の動作について説
明する。図14は第1の実施形態の動作を示すフローチ
ャートである。まず、読取装置等から原画像信号Sorg
が画像処理装置1に入力される(ステップS1)。原画
像信号Sorgは帯域制限画像信号作成手段2に入力され
てここで原画像信号Sorgの周波数帯域毎の周波数応答
特性を表す帯域制限画像信号Bkが作成される(ステッ
プS2)。帯域制限画像信号Bkは、上述したようにノ
イズ成分が分離され(ステップS3)、ノイズ帯域制限
画像信号NBkが得られる(ステップS4)。ノイズ帯
域制限画像信号NBkは帯域制限画像信号Bkから減算さ
れて、ノイズ除去帯域制限画像信号SB kが得られる
(ステップS5)。
【0078】ノイズ除去帯域制限画像信号SBkは、上
記図12に示すような変換関数により変換されて変換ノ
イズ除去帯域制限画像信号fkSBkが得られ(ステップ
S6)、さらに変換ノイズ除去帯域制限画像信号fk
kの1段階高周波数帯域への補間処理による変換ノイ
ズ除去信号SHakの取得、および変換ノイズ除去信号
SHakと対応する周波数帯域の変換ノイズ除去帯域制
限画像信号fkSBkとの加算による変換ノイズ除去信号
SHak−1の取得を最高周波数帯域の変換ノイズ除去
信号f1SB1まで繰り返し行って、高周波信号SHa1
を得る(ステップS7)。
【0079】そして、高周波信号SHa1を用いて上記
式(11)に示す演算を行って処理済み画像信号Sproc
を得(ステップS8)、処理済み画像信号Sprocを不図
示のモニタに表示する(ステップS9)。オペレータは
表示された画像を観察し、周波数強調処理の程度を変更
する必要があれば(ステップS10)、どの程度変更す
るかを処理手段3に入力する。これにより処理手段3に
おいては上記式(11)における強調係数β(Sorg)
を変更してステップS8に戻り、ステップS8からステ
ップS10の処理を行う。周波数強調処理の程度が適切
なものとなった場合にはステップS10が肯定されて処
理を終了する。
【0080】このように、第1の実施形態においては、
強調係数β(Sorg)の値を変更するのみで、処理済み
画像信号Sprocの画像処理の程度を任意に変更すること
ができるため、上記特開平5-244508号に記載されたよう
に、非線形関数を修正し、画像を再構成することにより
画像処理の程度を変更する方法と比較して、画像処理の
程度を簡易に変更することができ、これにより、処理済
み画像信号Sprocを得るための演算時間を短縮すること
ができる。したがって、例えば画像処理の内容を切り替
えて連続的に処理済み画像信号SprocをCRT等に表示
する場合にも、処理時間を低減してオペレータのストレ
スを低減することができる。また、帯域制限画像信号B
kからノイズ帯域制限画像信号NBkを減算しているた
め、帯域制限画像信号のノイズひいては処理済み画像信
号Sprocのノイズを除去することができる。
【0081】ここで、第1の実施形態における高周波信
号SHa1を得る処理の演算量と従来の演算量とを比較
する。図15は例えば上記特開平10-75395号に記載され
た従来の処理を模式的に示す図である。図15に示すよ
うに、従来の処理は、本実施形態と同様に低解像度画像
信号Lkを求め、この低解像度画像信号Lkに対して補間
処理を施すことにより、原画像信号Sorgと同一の画素
数を有するボケ画像信号Suskを得、このボケ画像信号
Susk間および原画像信号Sorgとボケ画像信号Sus1と
の減算を行って、原画像と同一画素数の帯域制限画像信
号Bkを得、各帯域制限画像信号Bkに対して変換関数に
よる変換処理を行った後、変換後の帯域制限画像信号に
対して強調係数βを乗じたものを原画像信号Sorgに加
算することにより、処理済み画像信号Sprocを得るもの
である。この処理を下記の式(12)に示す。
【0082】 Sproc=Sorg +β(Sorg )×Fusm (Sorg,Sus1,Sus2,…Susn) Fusm (Sorg,Sus1,Sus2,…Susn) =f1(Sorg −Sus1)+f2(Sus1 −Sus2)+… +fk(Susk-1−Susk )+…+fn(Susn-1−Susn) (12 ) (但し、Sproc:高周波成分が強調された画像信号 Sorg :原画像信号 Susk(k=1〜n):ボケ画像信号(原画像と同一画素数) fk(k=1〜n):各帯域制限画像信号を変換する変換関数 β(Sorg):原画像信号に基づいて定められる強調係
数) このような従来の処理においては、低解像度画像信号L
kに対して原画像信号Sorgと同一画素数となるような補
間処理を施しているため、例えば原画像の画素数が10
24×1024であり、この原画像を表す原画像信号S
orgから6段階の低解像度画像信号L1〜L6を得た場
合、補間処理が4×4の範囲における16画素を用いて
1つの画素を求める演算を行うものであるとすると、補
間処理の演算量としては、(1024×1024)×16×6=1006
63296回の演算が必要となる。これに対して本実施形態
においては、ボケ画像信号Suskはその周波数帯域に応
じた画素数を有しており、変換ノイズ除去帯域制限画像
信号fkSBkから得られる変換ノイズ除去信号SHak
を拡大するときに補間処理を行うものであるため、その
演算量としては、((1024×1024)+(512×512)+(256×25
6)+(128×128)+(64×64)+(32×32))×16=22364160とな
る。なお、実際にはボケ画像信号Suskを求める際にも
補間処理を行っているため、補間処理のトータル演算量
は44728320回となる。この演算量は上記従来の演算量の
約2.25倍少なくなっているため、演算時間を約2.
25倍短縮することができる。
【0083】なお、本発明においては、帯域制限画像信
号の作成方法としては、上記第1の実施形態において説
明した方法に限定されるものではなく、上記特開平10-7
5395号に記載された方法により帯域制限画像信号を作成
してもよいものである。
【0084】また、上記第1の実施形態においては、ラ
プラシアンピラミッドの手法により原画像信号Sorgか
ら各周波数帯域毎の特性を表す帯域制限画像信号を得て
いるが、例えば特開平6-274615号に示すように、ウェー
ブレット変換により帯域制限画像信号を得るようにして
もよい。以下ウェーブレット変換を用いた画像処理の実
施形態を第2の実施形態として説明する。
【0085】図16は本発明の第2の実施形態による画
像処理装置の構成を示す概略ブロック図である。図16
に示すように、本発明の第2の実施形態による画像処理
装置51は、読取装置等において得られた所定の解像度
を有する原画像信号Sorgをウェーブレット変換するウ
ェーブレット変換手段52と、ウェーブレット変換によ
り得られた信号に基づいて、原画像信号Sorgに対して
周波数強調処理を行って処理済み画像信号Sprocを得る
処理手段53とを有する。なお、第2の実施形態におけ
る主走査方向および副走査方向とは、原画像に対して図
26に示す方向とする。
【0086】図17はウェーブレット変換手段52の構
成を示す概略ブロック図である。なお、本実施形態にお
いては、ウェーブレット変換の各係数が直交する直交ウ
ェーブレット変換を行うものである。
【0087】まず、図17に示すように原画像信号Sor
gに対してウェーブレット変換部61においてウェーブ
レット変換が施される。図18はウェーブレット変換部
61において行われる処理を示すブロック図である。図
18に示すように、原画像信号Sorg(信号LLk)の
主走査方向に基本ウェーブレット関数H,Gによりフィ
ルタリング処理を行うとともに、主走査方向の画素を1
画素おきに間引き(図中↓2で表す)、主走査方向の画
素数を1/2にする。ここで、関数Hはハイパスフィル
タであり、関数Gはローパスフィルタである。さらに、
この画素が間引かれた信号のそれぞれに対して副走査方
向に関数H,Gによりフィルタリング処理を行うととも
に、副走査方向の画素を1画素おきに間引き、副走査方
向の画素数を1/2にして、ウェーブレット変換係数信
号(以下単に信号とすることもある)HH1,HL1,
LH1,LL1(HHk+1,HLk+1,LHk+
1,LLk+1)を得る。ここで、信号LL1は原画像
の縦横を1/2に縮小した画像を表し、信号HL1、L
H1およびHH1はそれぞれ原画像の1/2縮小画像に
おいて縦エッジ、横エッジおよび斜めエッジ成分の画像
を表すものとなる。
【0088】次に、信号LL1に対してさらにウェーブ
レット変換部61においてウェーブレット変換が施され
て、信号HH2,HL2,LH2,LL2が得られる。
ここで、信号LL2は原画像の縦横を1/4に縮小した
画像を表し、信号HL2、LH2およびHH2はそれぞ
れ原画像の1/4縮小画像において縦エッジ、横エッジ
および斜めエッジ成分の画像を表すものとなる。
【0089】以下、上記と同様にして、各周波数帯域に
おいて得られるウェーブレット変換係数信号LLkに対
するウェーブレット変換をn回繰り返すことによりウェ
ーブレット変換係数信号HH1〜HHn,HL1〜HL
n,LH1〜LHn,LL1〜LLnを得る。ここで、
n回目のウェーブレット変換により得られるウェーブレ
ット変換係数信号HHn,HLn,LHn,LLnは、
原画像信号Sorgと比較して主副各方向の画素数が(1/
2)n となっているため、各ウェーブレット変換係数信
号はnが大きいほど周波数帯域が低く、原画像データの
周波数成分のうち低周波数成分を表すデータとなる。し
たがって、ウェーブレット変換係数信号HHk(k=0
〜n、以下同様)は、原画像信号Sorgの主副両方向の
周波数の変化を表すものであり、kが大きいほど低周波
信号となる。またウェーブレット変換係数信号HLkは
原画像信号Sorgの主走査方向の周波数の変化を表すも
のであり、kが大きいほど低周波信号となる。さらにウ
ェーブレット変換係数信号LHkは原画像信号Sorg の
副走査方向の周波数の変化を表すものであり、kが大き
いほど低周波信号となる。
【0090】ここで、図19にウェーブレット変換係数
信号を複数の周波数帯域毎に示す。なお、図19におい
ては便宜上2回目のウェーブレット変換を行った状態ま
でを表すものとする。なお、図19において信号LL2
は原画像を主副各方向が1/4に縮小した画像を表すも
のとなっている。
【0091】なお、ウェーブレット変換係数信号HH
k,HLk,LHk,LLk(k=1〜n)のうち、信
号HHk,HLk,LHkはその周波数帯域におけるエ
ッジ成分を表すものであり、換言すれば原画像における
特定の周波数帯域(バンドパス特性)を有する画像を表
すもの、すなわち主にその周波数帯域における画像のコ
ントラストを表すものとなっている。また、ウェーブレ
ット変換係数信号LLkは上述したように原画像を縮小
した画像を表すものとなっている。なお、本実施形態に
おいては、ウェーブレット変換係数信号HHk,HL
k,LHkを帯域制限画像信号と称し、ウェーブレット
変換係数信号LLkを解像度信号と称し、帯域制限画像
信号および解像度信号を総称してウェーブレット変換係
数信号と称するものとする。ここで、最低解像度の信号
LLnは上記第1の実施形態と同様にこれ以降の演算に
おいて使用することはないため、値を0とする。
【0092】処理手段53は、上記第1の実施形態にお
ける処理手段3と同様に周波数強調処理を行うものであ
る。図20は処理手段53の構成を示す概略ブロック図
である。図20に示すように、ウェーブレット変換手段
52において得られた帯域制限画像信号HHk,HL
k,LHk(以下Bkで代表させる)が、ノイズ分離手
段65に入力される。ノイズ分離手段65は上記第1の
実施形態におけるノイズ分離手段26と同様の構成を有
するものであり、ここで上記第1の実施形態と同様にノ
イズ帯域制限画像信号NHHk,NHLk,NLHk
(以下NBkで代表させる)が得られる。すなわち、帯
域制限画像信号HHk,HLk,LHkを上記第1の実
施形態における帯域制限画像信号Bkと見なすことによ
り、上記と同様にアイリスフィルタによる集中度の算
出、空間フィルタの設定、空間フィルタによるフィルタ
リング処理およびフィルタリング処理後の信号の帯域制
限画像信号HHk,HLk,LHkからの減算を全ての
周波数帯域の帯域制限画像信号HHk,HLk,LHk
について行うことにより、ノイズ帯域制限画像信号NH
Hk,NHLk,NLHkを得るものである。
【0093】このようにしてノイズ帯域制限画像信号N
kが得られると、減算器66において帯域制限画像信
号Bkからノイズ帯域制限画像信号NBkが減算されてノ
イズ除去帯域制限画像信号SBkが得られる。
【0094】ノイズ除去帯域制限画像信号SBkは、変
換器62において周波数帯域毎に異なる変換関数f1
nにより所望の大きさとなるように抑制されて、変換
ノイズ除去帯域制限画像信号Bk′(HHk′,HL
k′,LHk′、k=1〜n)が得られる。そして、変
換済み信号HHk′,HLk′,LHk′に対して逆ウ
ェーブレット変換手段63において逆ウェーブレット変
換が施される。図21は、逆ウェーブレット変換手段6
3において行われる逆ウェーブレット変換を説明するた
めの図である。図21に示すように、最低周波数帯域の
変換ノイズ除去帯域制限画像信号HHn′,HLn′,
LHn′,LLn(=0)に対して逆ウェーブレット変
換手段63において逆ウェーブレット変換を施して処理
済み信号LLn−1′を得る。
【0095】図22は逆ウェーブレット変換手段63に
おいて行われる処理を示すブロック図である。図22に
示すように変換ノイズ除去帯域制限画像信号LLn′
(LLk′,k=nの場合LLn=0)および変換ノイ
ズ除去帯域制限画像信号LHn′(LHk′)の副走査
方向に対して画素間に1画素分の間隔をあける処理を行
うとともに(図中↑2で表す)、関数G,Hに対応する
逆ウェーブレット変換関数G′,H′によりフィルタリ
ング処理を副走査方向に施してこれらを加算し、さらに
加算により得られた信号(第1の加算信号とする)の主
走査方向に対して画素間に1画素分の間隔をあける処理
を行うとともに、関数G′によりフィルタリング処理を
主走査方向に施して第1の信号を得る。一方、信号HL
n′(HLk′)および信号HHn′(HHk′)の副
走査方向に対して画素間に1画素分の間隔をあける処理
を行うとともに、関数G′,H′によりフィルタリング
処理を副走査方向に施してこれらを加算し、さらに加算
により得られた信号(第2の加算信号とする)の主走査
方向に対して画素間に1画素分の間隔をあける処理を行
うとともに、関数H′によりフィルタリング処理を主走
査方向に施して第2の信号を得る。そして第1および第
2の信号を加算して変換ノイズ除去帯域制限画像信号L
Ln−1′(LLk−1′)を得る。なお、最低解像度
のウェーブレット変換係数信号LLnは0とされている
ため、変換ノイズ除去帯域制限画像信号LLn−1′は
原画像信号Sorgのバンドパス特性を表すものとなる。
【0096】次に、変換ノイズ除去帯域制限画像信号H
Hn−1′,HLn−1′,LHn−1′,LLn−
1′に対して上記と同様に逆ウェーブレット変換手段6
3において逆ウェーブレット変換を行って、変換ノイズ
除去帯域制限画像信号LLn−2′を得る。そして、以
下上記と同様にして逆ウェーブレット変換を最高周波数
帯域まで繰り返し、さらに変換ノイズ除去帯域制限画像
信号HH1′,HL1′,LL1′を逆ウェーブレット
変換することにより高周波信号SHa1が得られる。
【0097】得られた高周波信号SHa1は、演算器6
4において上記第1の実施形態と同様に式(11)に示
すような演算が行われて処理済み画像信号Sprocが得ら
れる。
【0098】次いで、第2の実施形態の動作について説
明する。図23は第2の実施形態の動作を示すフローチ
ャートである。まず、読取装置等から原画像信号Sorg
が画像処理装置51に入力される(ステップS11)。
原画像信号Sorgはウェーブレット変換手段52におい
てウェーブレット変換が施されて各周波数帯域毎のウェ
ーブレット変換係数信号すなわち帯域制限画像信号Bk
が得られる(ステップS12)。帯域制限画像信号Bk
は、上述したようにノイズ成分が分離され(ステップS
13)、ノイズ帯域制限画像信号NBkが得られる(ス
テップS14)。ノイズ帯域制限画像信号NBkは帯域
制限画像信号Bkから減算されて、ノイズ除去帯域制限
画像信号SBkが得られる(ステップS15)。
【0099】次に、ノイズ除去帯域制限画像信号SBk
が上述した変換関数により変換されて変換ノイズ除去帯
域制限画像信号Bk′が得られる(ステップS16)。
この後、変換ノイズ除去帯域制限画像信号Bk′が、逆
ウェーブレット変換手段52において逆ウェーブレット
変換されて高周波信号SHa1が得られる(ステップS
17)。
【0100】そして、高周波信号SHa1を用いて上記
式(11)に示す演算を行って処理済み画像信号Sproc
を得(ステップS18)、処理済み画像信号Sprocを不
図示のモニタに表示する(ステップS19)。オペレー
タは表示された画像を観察し、周波数強調処理の程度を
変更する必要があれば(ステップS20)、どの程度変
更するかを処理手段53に入力する。これにより処理手
段53において上記式(11)における強調係数β(S
org)を変更してステップS18に戻り、ステップS1
8からステップS20の処理を行う。周波数強調処理の
程度が適切なものとなった場合にはステップS20が肯
定されて処理を終了する。
【0101】このように、第2の実施形態においても、
上記式(11)における強調係数β(Sorg)の値を変
更するのみで、処理済み画像信号Sprocの画像処理の程
度を変更することができるため、上記特開平5-244508号
に記載されたように、非線形関数を修正し、画像を再構
成することにより画像処理の程度を変更する方法と比較
して、画像処理の程度を簡易に変更することができ、こ
れにより、処理済み画像信号Sprocを得るための演算時
間を短縮して、オペレータのストレスを低減することが
できる。
【0102】なお、上記第1および第2の実施形態にお
いては、演算器25,64において行われる画像処理と
して周波数強調処理を行っているが、ダイナミックレン
ジ圧縮処理を行うものであってもよい。この場合、上述
したように得られた高周波信号SHa1に対して、下記
の式(13)に示すように演算が施されて、原画像信号
Sorgのダイナミックレンジが圧縮される。また、式
(13)においては、D(Sorg−SHa1)を変更す
ることにより、処理済み画像信号Sprocのダイナミック
レンジ圧縮の程度を変更することができる。
【0103】 Sproc=Sorg +D(Sorg−SHa1) (13) 但し、D(Sorg−SHa1):ダイナミックレンジ圧
縮係数(DはSorg−SHa1を変換する関数)) なお、ダイナミックレンジ圧縮処理を行う場合、帯域制
限画像信号に変換処理を行う関数fkとしては、例えば
図24、図25に示される変換関数あるいはこれらを組
み合わせた関数を使用することが好ましい。
【0104】ここで、図24に示す変換関数は、振幅の
大きな帯域制限画像信号を抑制するような変換を行うも
のであり、周波数帯域の高い帯域制限画像信号の抑制の
度合いを、周波数帯域の低い帯域制限画像信号よりも強
くするものであるが、これは実際の放射線画像のエッジ
に含まれている高周波成分が、低周波成分に比べてその
振幅が小さいということを考慮したものである。実際の
放射線画像においては、かなり急峻なエッジでさえも正
確な階段状にはなっておらず、高周波成分になるほどそ
の振幅が小さくなっていることが多い。このため、各周
波数成分の振幅に合わせて、周波数の高い帯域制限画像
信号ほど小さい振幅から抑制を行うことが望ましく、本
関数によりそれを実現することができる。
【0105】また図25の関数は、帯域制限画像信号
を、帯域制限画像信号の絶対値に基づいて決まる、その
絶対値以下の値となるように変換を行うもので、この関
数が低周波帯域を処理する関数であるほど、帯域制限画
像信号の絶対値が0近傍の所定の範囲内の値である帯域
制限画像信号を変換した際に得られる変換画像信号の絶
対値が小さい値であることを特徴とするものである。言
い換えれば、これらの関数はそれぞれ、原点を通り、関
数の傾きがその関数により処理される値に拘わらず1以
下であり、その関数の0近傍における傾きが、低周波帯
域を処理する関数であるほど小さいことを特徴とするも
のである。これらの関数は、変換画像信号を積算して得
られる信号を、原画像信号Sorgに加えた場合、原画像
信号Sorgと加算された信号とのつなぎ目、すなわち信
号の立ち上がりをより自然なものとするという効果があ
る。
【0106】さらに、演算器25,64において、下記
の式(14)に示すように、周波数強調処理、ダイナミ
ックレンジ圧縮処理およびノイズ除去処理を同時に行う
ようにしてもよい。
【0107】 Sproc=Sorg +β(Sorg)・SHa1+D(Sorg−SHa1′)(14) この場合、周波数強調処理を行うための高周波信号SH
a1は、帯域制限画像信号に対して上記図12に示す変
換関数により変換処理を行うことにより得、ダイナミッ
クレンジ圧縮処理を行うための高周波信号SHa1′
は、帯域制限画像信号に対して上記図24,25に示す
変換関数により変換処理を行うことにより得ればよい。
【0108】このように、周波数強調処理とダイナミッ
クレンジ圧縮処理とを行う場合には、補間処理を行うた
めの演算回数は22364160×3=67092480回となる。この
演算量は従来の演算量の約1.5倍少なくなっているた
め、演算時間を約1.5倍高速化することができる。
【0109】また、上記各実施形態においては、変換関
数を非線形関数として帯域制限画像信号に対して非線形
処理を施しているが、非線形処理に限定されるものでは
なく、変換関数を線形関数や定数としてもよい。
【0110】さらに、上記各実施形態においては、アイ
リスフィルタを用いて帯域制限画像信号Bkからノイズ
帯域制限画像信号を取得しているが、これに限定される
ものではなく他の任意の手法によりノイズ帯域制限画像
信号を取得するようにしてもよい。例えば、帯域制限画
像信号Bkに対して所定サイズのマスク内の局所的な分
散を求め、この分散が小さな値となる画素をノイズと見
なす等して帯域制限画像信号Bkからノイズ成分を分離
してノイズ帯域制限画像信号を取得してもよい。
【0111】また、帯域制限画像信号Bkにより表され
る帯域制限画像の各画素における画素ベクトルを算出
し、この画素ベクトルに基づいてノイズ信号を取得して
もよい。 ここで「画素ベクトル」は、周波数帯域画像
のある画素を注目画素とした場合、注目画素の画素値の
傾斜方向および傾斜の大きさを表すものである。「画素
ベクトル」を求めるに際しては、例えば、注目画素を中
心とする複数の方向に対して、注目画素の画素値とその
近傍の画素の画素値(近傍画素をある方向にある複数の
画素とした場合はその平均値)との差を求め、その差が
最も大きい方向あるいは最も小さい方向を決定し、その
方向およびその差に基づいて画素ベクトルを算出すると
よい。
【0112】また、画素ベクトルは、帯域制限画像のあ
る画素を注目画素とした場合、注目画素の画素値の傾斜
方向および傾斜の大きさを表すものである。画素ベクト
ルは、例えば、注目画素を中心とする複数の方向に対し
て、注目画素の画素値とその近傍の画素の画素値(近傍
画素をある方向にある複数の画素とした場合はその平均
値)との差を求め、その差が最も大きい方向あるいは最
も小さい方向を決定し、その方向およびその差に基づい
て画素ベクトルを算出することができる。
【0113】ここで、差が最も大きい方向を画素ベクト
ルとした場合はその画素ベクトルは信号勾配の方向を表
し、差が最も小さい方向を画素ベクトルとした場合はそ
の画素ベクトルは等信号線の方向を表すものとなる。な
お、信号勾配の方向に画素ベクトルを求めた場合、その
大きさを注目画素とその近傍画素の画素値の差とすれ
ば、画素ベクトルが大きいほどその画素ベクトルを求め
た画素はエッジ成分にあるものとなり、画素ベクトルが
小さいほどその画素ベクトルを求めた画素は平坦部にあ
るものと見なせる。逆に、信号勾配の方向に画素ベクト
ルを求めた場合に、その大きさを注目画素とその近傍画
素の画素値の差の逆数とすれば、画素ベクトルが小さい
ほどその画素ベクトルを求めた画素はエッジ成分にある
ものとなり、画素ベクトルが大きいほどその画素ベクト
ルを求めた画素は平坦部にあるものと見なせる。
【0114】さらに、等信号線方向に画素ベクトルを求
めた場合、その大きさを注目画素とその近傍画素の画素
値の差とすれば、画素ベクトルが小さいほどその画素ベ
クトルを求めた画素はエッジ成分にあるものとなり、画
素ベクトルが大きいほどその画素ベクトルを求めた画素
は平坦部にあるものと見なせる。逆に等信号線方向に画
素ベクトルを求めた場合に、その大きさを注目画素とそ
の近傍画素の画素値の差の逆数とすれば、画素ベクトル
が大きいほどその画素ベクトルを求めた画素はエッジ成
分にあるものとなり、画素ベクトルが小さいほどその画
素ベクトルを求めた画素は平坦部にあるものと見なせ
る。
【0115】画素ベクトルを等信号線方向に求めるか信
号勾配方向に求めるか、さらには上記差として求めるか
上記差の逆数として求めるかによって状況が異なるが、
例えば画素ベクトルを等信号線方向に求め、画素ベクト
ルの大きさを上記差の逆数とした場合、エッジ部分にお
いては画素ベクトルは大きく、平坦部すなわちノイズ部
分においては画素ベクトルは小さくなる。したがって、
画素ベクトルの大きさに応じて帯域制限画像のノイズ成
分を分離することができる。そして、例えば、分離され
たノイズ成分に対する画素の画素値を低減する平滑化処
理を施した後、この平滑化処理が施された信号に基づい
て帯域制限画像信号Bkからノイズ成分を分離してノイ
ズ信号を得ることができる。
【0116】さらに、上記各実施形態においては、上記
式(11)等において高周波信号SHa1に乗算する強
調係数を原画像信号Sorgの関数としているが、これに
限定されるものではなく、定数としてもよい。
【0117】また、上記各実施形態においては、ノイズ
帯域制限画像信号NBkを帯域制限画像信号Bkから減算
することにより、帯域制限画像信号Bkからノイズ成分
を除去しているが、これに限定されるものではなく、ノ
イズ帯域制限画像信号NBkの値に応じて値が小さくな
る関数f(NBk)(Bk)を定め、この関数によって帯
域制限画像信号Bkを処理することにより帯域制限画像
信号Bkのノイズ成分を除去してもよい。また、ノイズ
帯域制限画像信号NBkの値に応じて値が小さくなる係
数K(NBk)を定め、この係数を帯域制限画像信号Bk
に乗算することにより帯域制限画像信号Bkのノイズ成
分を除去してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による画像処理装置の
構成を示す概略ブロック図
【図2】帯域制限画像信号作成処理の概要を示すブロッ
ク図
【図3】帯域制限画像信号作成処理を模式的に示す図
【図4】フィルタリング処理に使用されるフィルタの一
例を示す図
【図5】低解像度画像信号作成処理の詳細を示す図
【図6】補間処理に使用されるフィルタの一例を示す図
【図7】処理手段の構成を示す概略ブロック図
【図8】ノイズ分離手段の構成を示す概略ブロック図
【図9】アイリスフィルタを示す概念図
【図10】アイリスフィルタにおける勾配ベクトルを算
出するマスクを示す図
【図11】空間フィルタの算出を説明するための図
【図12】非線形関数の一例を示す図
【図13】処理手段における処理を模式的に示す図
【図14】第1の実施形態の動作を示すフローチャート
【図15】従来の変換処理を模式的に示す図
【図16】本発明の第2の実施形態による画像処理装置
の構成を示す概略ブロック図
【図17】ウェーブレット変換手段の構成を示す概略ブ
ロック図
【図18】ウェーブレット変換部において行われる処理
を示すブロック図
【図19】ウェーブレット変換係数信号を複数の周波数
帯域毎に示す図
【図20】第2の実施形態における処理手段の構成を示
す概略ブロック図
【図21】逆ウェーブレット変換を説明するための図
【図22】逆ウェーブレット変換手段において行われる
処理を示すブロック図
【図23】第2の実施形態の動作を示すフローチャート
【図24】ダイナミックレンジ圧縮処理を行う際の非線
形関数の例を示す図(その1)
【図25】ダイナミックレンジ圧縮処理を行う際の非線
形関数の例を示す図(その2)
【図26】原画像の主走査方向および副走査方向を示す
【符号の説明】
1,51 画像処理装置 2 帯域制限画像信号作成手段 3,53 処理手段 10 フィルタリング処理手段 11 補間処理手段 12,66,70 減算器 22,62 変換器 24 加算器 25,64 演算器 26,65 ノイズ分離手段 52 ウェーブレット変換手段 61 ウェーブレット変換部 63 逆ウェーブレット変換手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/41 H04N 5/325 5/325 1/40 101D 101C Fターム(参考) 5B057 AA07 BA03 CA08 CA12 CA16 CB08 CB12 CB16 CD11 CE02 CE03 CE06 CG02 5C024 AX11 CX03 HX04 5C076 AA21 AA22 AA36 BA06 BA09 BB24 BB40 5C077 LL02 LL18 LL19 NN03 PP01 PP02 PP03 PP04 PP20 PP49 PQ12 RR21 5C078 BA01 DB13

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原画像を表す原画像信号に対して、該
    原画像の高周波成分に関する信号に基づく画像処理を施
    して処理済み画像信号を得る画像処理方法において、 前記原画像信号から帯域制限画像信号を作成し、 前記帯域制限画像信号からノイズ成分を除去してノイズ
    除去帯域制限画像信号を得、 所定の変換関数に基づいて、前記ノイズ除去帯域制限画
    像信号から前記原画像の高周波成分に関する信号を得、 該高周波成分に関する信号に基づいて、前記原画像信号
    に対して前記画像処理を施すことを特徴とする画像処理
    方法。
  2. 【請求項2】 前記帯域制限画像信号により表される
    各周波数帯域の画像が、その周波数帯域に応じた画素数
    を有することを特徴とする請求項1記載の画像処理方
    法。
  3. 【請求項3】 前記高周波成分に関する信号が、前記
    原画像信号と同一画素数であることを特徴とする請求項
    1または2記載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】 前記原画像信号を多重解像度変換する
    ことにより、前記帯域制限画像信号を作成し、 前記ノイズ除去帯域制限画像信号に対して前記所定の変
    換関数に基づいて変換処理を施して変換ノイズ除去帯域
    制限画像信号を得、 該変換ノイズ除去帯域制限画像信号を逆多重解像度変換
    することにより、前記高周波成分に関する信号を得るこ
    とを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の画
    像処理方法。
  5. 【請求項5】 前記多重解像度変換は、ラプラシアン
    ピラミッド分解による変換、またはウェーブレット変換
    であることを特徴とする請求項4記載の画像処理方法。
  6. 【請求項6】 最低周波数帯域の帯域制限画像信号以
    外の帯域制限画像信号から得られた前記ノイズ除去帯域
    制限画像信号から、前記高周波成分に関する信号を得る
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の
    画像処理方法。
  7. 【請求項7】 前記所定の変換関数は、非線形関数で
    あることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記
    載の画像処理方法。
  8. 【請求項8】 前記画像処理は、周波数強調処理であ
    ることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載
    の画像処理方法。
  9. 【請求項9】 前記画像処理は、ダイナミックレンジ
    圧縮処理であることを特徴とする請求項1から8のいず
    れか1項記載の画像処理方法。
  10. 【請求項10】 前記ノイズ成分の除去を、アイリス
    フィルタによるフィルタリング処理に基づいて行うこと
    を特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の画像
    処理方法。
  11. 【請求項11】 原画像を表す原画像信号に対して、
    該原画像の高周波成分に関する信号に基づく画像処理を
    施して処理済み画像信号を得る画像処理装置において、 前記原画像信号から帯域制限画像信号を作成する帯域制
    限画像信号作成手段と、 前記帯域制限画像信号からノイズ成分を除去してノイズ
    除去帯域制限画像信号を得るノイズ除去帯域制限画像信
    号取得手段と、 所定の変換関数に基づいて、前記ノイズ除去帯域制限画
    像信号から前記原画像の高周波成分に関する信号を得る
    高周波成分取得手段と、 該高周波成分に関する信号に基づいて、前記原画像信号
    に対して前記画像処理を施す画像処理手段とを備えたこ
    とを特徴とする画像処理装置。
  12. 【請求項12】 前記帯域制限画像信号作成手段は、
    前記帯域制限画像信号により表される各周波数帯域の画
    像が、その周波数帯域に応じた画素数を有するよう前記
    帯域制限画像信号を作成する手段であることを特徴とす
    る請求項11記載の画像処理装置。
  13. 【請求項13】 前記高周波成分取得手段は、前記高
    周波成分に関する信号が、前記原画像信号と同一画素数
    となるように、前記高周波成分に関する信号を取得する
    手段であることを特徴とする請求項11または12記載
    の画像処理装置。
  14. 【請求項14】 前記帯域制限画像信号作成手段は、
    前記原画像信号を多重解像度変換することにより、前記
    帯域制限画像信号を作成する手段であり、 前記高周波成分取得手段は、前記ノイズ除去帯域制限画
    像信号に対して前記所定の変換関数に基づいて変換処理
    を施して変換ノイズ除去帯域制限画像信号を得、該変換
    ノイズ除去帯域制限画像信号を逆多重解像度変換するこ
    とにより、前記高周波成分に関する信号を得る手段であ
    ることを特徴とする請求項11から13のいずれか1項
    記載の画像処理装置。
  15. 【請求項15】 前記多重解像度変換は、ラプラシア
    ンピラミッド分解による変換、またはウェーブレット変
    換であることを特徴とする請求項14記載の画像処理装
    置。
  16. 【請求項16】 前記高周波成分取得手段は、最低周
    波数帯域の帯域制限画像信号以外の帯域制限画像信号か
    ら得られた前記ノイズ除去帯域制限画像信号から、前記
    高周波成分に関する信号を得る手段であることを特徴と
    する請求項11から15のいずれか1項記載の画像処理
    装置。
  17. 【請求項17】 前記所定の変換関数は、非線形関数
    であることを特徴とする請求項11から16のいずれか
    1項記載の画像処理装置。
  18. 【請求項18】 前記画像処理は、周波数強調処理で
    あることを特徴とする請求項11から17のいずれか1
    項記載の画像処理装置。
  19. 【請求項19】 前記画像処理は、ダイナミックレン
    ジ圧縮処理であることを特徴とする請求項11から18
    のいずれか1項記載の画像処理装置。
  20. 【請求項20】 前記ノイズ除去帯域制限画像信号取
    得手段は、前記ノイズ成分の除去を、アイリスフィルタ
    によるフィルタリング処理に基づいて行う手段であるこ
    とを特徴とする請求項11から19のいずれか1項記載
    の画像処理装置。
  21. 【請求項21】 原画像を表す原画像信号に対して、
    該原画像の高周波成分に関する信号に基づく画像処理を
    施して処理済み画像信号を得る画像処理方法をコンピュ
    ータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュ
    ータ読取り可能な記録媒体において、 前記プログラムは、前記原画像信号から帯域制限画像信
    号を作成する手順と、 前記帯域制限画像信号からノイズ成分を除去してノイズ
    除去帯域制限画像信号を得る手順と、 所定の変換関数に基づいて、前記ノイズ除去帯域制限画
    像信号から前記原画像の高周波成分に関する信号を得る
    手順と、 該高周波成分に関する信号に基づいて、前記原画像信号
    に対して前記画像処理を施す手順とを有することを特徴
    とするコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  22. 【請求項22】 前記帯域制限画像信号を作成する手
    順は、前記帯域制限画像信号により表される各周波数帯
    域の画像が、その周波数帯域に応じた画素数を有するよ
    う前記帯域制限画像信号を作成する手順であることを特
    徴とする請求項21記載のコンピュータ読取り可能な記
    録媒体。
  23. 【請求項23】 前記高周波成分に関する信号を得る
    手順は、前記高周波成分に関する信号が前記原画像信号
    と同一画素数となるように前記高周波成分に関する信号
    を得る手順であることを特徴とする請求項21または2
    2記載のコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  24. 【請求項24】 前記帯域制限画像信号を作成する手
    順は、前記原画像信号を多重解像度変換することによ
    り、前記帯域制限画像信号を作成する手順であり、 前記高周波成分に関する信号を得る手順は、前記ノイズ
    除去帯域制限画像信号に対して前記所定の変換関数に基
    づいて変換処理を施して変換ノイズ除去帯域制限画像信
    号を得る手順と、該変換ノイズ除去帯域制限画像信号を
    逆多重解像度変換することにより、前記高周波成分に関
    する信号を得る手順とを有することを特徴とする請求項
    21から23のいずれか1項記載のコンピュータ読取り
    可能な記録媒体。
  25. 【請求項25】 前記多重解像度変換は、ラプラシア
    ンピラミッド分解による変換、またはウェーブレット変
    換であることを特徴とする請求項24記載のコンピュー
    タ読取り可能な記録媒体。
  26. 【請求項26】 前記高周波成分に関する信号を得る
    手順は、最低周波数帯域の帯域制限画像信号以外の帯域
    制限画像信号から得られた前記ノイズ除去帯域制限画像
    信号から、前記高周波成分に関する信号を得る手順であ
    ることを特徴とする請求項21から25のいずれか1項
    記載のコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  27. 【請求項27】 前記所定の変換関数は、非線形関数
    であることを特徴とする請求項20から26のいずれか
    1項記載のコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  28. 【請求項28】 前記画像処理は、周波数強調処理で
    あることを特徴とする請求項20から27のいずれか1
    項記載のコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  29. 【請求項29】 前記画像処理は、ダイナミックレン
    ジ圧縮処理であることを特徴とする請求項21から28
    のいずれか1項記載のコンピュータ読取り可能な記録媒
    体。
  30. 【請求項30】 前記ノイズ除去帯域制限画像信号を
    得る手順は、前記ノイズ成分の除去を、アイリスフィル
    タによるフィルタリング処理に基づいて行う手順である
    ことを特徴とする請求項21から29のいずれか1項記
    載のコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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