JP3782953B2 - キャリアテープ素材およびキャリアテープ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路を製造する際に使用するチップ状の表面実装部品を収納し、表面実装機(マウンター)に搬送するためのキャリアテープ、並びにこれに用いるキャリアテープ素材に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種電子機器の製造において自動化を図るために、回路基板に対して各種電子部品の自動装着が行われている。そのなかでも、回路基板の表面に対して各種表面実装部品を直接実装する方法が発達してきており、これを表面実装技術と呼ぶ。
【0003】
表面実装に際して、微小なチップ状の各種表面実装部品は、キャリアテープに形成された多数のキャビティ部に1つずつ収納される。キャリアテープには、通常、表面実装機への部品供給が円滑に行えるようにテープ送り用のマージナルパンチが形成されている。
【0004】
このようなキャリアテープには、その構成素材とキャビティの成形方法から大別して2つの種類が存在する。1つはプラスチック系素材に対し凹状のキャビティ部を一定間隔でエンボス加工により形成したものであり、もう1つはパルプ繊維を含む素材に対し一定間隔で貫通孔状のキャビティ部をパンチ加工により形成したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、最近になって、パルプ繊維を含む素材では、キャビティ部の加工時に発生する毛羽や粉塵(パルプ繊維粉等)に起因して実装不良が起こるという問題点が発見された。すなわち、従来は、キャリアテープに収納される各種表面実装部品と比較して毛羽や粉塵の大きさが相対的に小さかったため、これに起因した実装不良は発生しなかったが、近年の表面実装部品の小型化に伴い、従来問題視されていなかったレベルで毛羽や粉塵を抑制する必要が生じていたのである。
【0006】
さらに、表面実装部品の小型化にともない、表面実装機での部品の確実な取り出しを保証するため、キャビティ部の形成においてよりいっそう精密な寸法精度が求められることも判明した。
【0007】
しかるに、従来のパルプ繊維を含むキャリアテープ素材は、キャビティ部のパンチ加工時に切断面から繊維紛や毛羽立ちが多量に発生するものであった。また、エンボスによるキャビティ部の形成時においても、従来のパルプ繊維を含むキャリアテープ素材では、素材自体の可塑性が不十分なため精密且つ均一なキャビティ部の形成が困難であった。
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、パンチ加工によるキャビティ部の形成に際しては、切断面からの繊維紛の発生と素材の毛羽立ちを抑えることができ、またエンボス加工によるキャビティ部の形成に際しては精密且つ均一なキャビティ部を形成することができるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は、次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
少なくとも搬送対象部品収納用のキャビティ部およびテープ送り用のマージナル部の少なくとも一方が加工形成されて使用される、パルプ繊維を含むキャリアテープ素材であって、
原料繊維としてパルプ繊維に融点が100〜135℃の熱溶融繊維を混合したものを用い、かつ
前記熱溶融繊維の含有量が5〜50重量%であることを特徴とするキャリアテープ素材。
【0010】
(作用効果)
このように、原料繊維としてパルプ繊維に融点が100〜135℃の熱溶融繊維を混合したものを用いることによって、後に、表面実装部品収納用のキャビティ部等の形成、およびその他各種加工設備による二次的な加工、すなわち収納部からの表面実装部品の抜挿およびトップシールによる封止(後述する)とその再剥離の際、熱溶融繊維の接着及び投錨作用による繊維間結合の強化により毛羽立ちや繊維紛の発生が抑制されるとともに、加工部分の形状が良好に保持されるようになる。
【0011】
特に、熱溶融繊維の割合を5重量%以上とすることにより、キャビティ部等のパンチ加工時の、毛羽や粉塵の発生をほぼ完全に防止できる。また、熱溶融繊維の割合を50重量%以下とすることにより、キャリアテープ素材のコシの低下を防止できる。コシが低下すると、キャビティ部等のパンチ加工が困難となり、パンチの失敗や歪んだキャビティ部等が形成される可能性が高くなる。
【0012】
<請求項2記載の発明>
前記キャビティ部およびマージナル部の少なくとも一方が、パンチ加工により貫通孔として形成されて使用される、請求項1記載のキャリアテープ素材。
【0013】
(作用効果)
このように、後に、キャビティ部等をパンチ加工により貫通孔として形成する場合であっても、熱溶融繊維を含んでいるため、切断面における毛羽立ちや繊維紛の発生を抑制できる。そのため、表面実装機における毛羽や繊維紛に起因する実装不良を防止できる。
【0014】
【0015】
【0016】
<請求項3記載の発明>
前記キャビティ部およびマージナル部の少なくとも一方が、エンボス加工により凹孔として形成されて使用される、請求項1または2記載のキャリアテープ素材。
【0017】
(作用効果)
本項記載のキャリアテープ素材においては、熱溶融繊維を含んでいるため、後に、キャビティ部等をエンボス加工により凹孔として形成する場合であっても、熱溶融繊維の可塑性と形状保持作用によって、キャビティ部等が精度良く均一に形成される。
【0018】
<請求項4記載の発明>
前記熱溶融繊維を10〜50重量%含有する、請求項3記載のキャリアテープ素材。
【0019】
(作用効果)
キャリアテープ素材を、後にエンボス加工に供する場合は、熱溶融繊維の割合を10〜50重量%とするのが好ましい。熱溶融繊維を30重量%以上とすることによりエンボス加工がより容易になる。また熱溶融繊維を50重量%以上としてもエンボス加工の容易化の効果に実質的な変化はない。
【0020】
<請求項5記載の発明>
表面層、中間層及び裏面層を有する3層以上の多層構成の抄き合わせ紙からなり、これらの層のうち表面層及び裏面層が0〜50重量%の熱溶融繊維をそれぞれ含み、中間層が5〜50重量%の熱溶融繊維を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のキャリアテープ素材。
【0021】
(作用効果)
かかるキャリアテープ素材は、これを多層抄きにより製造したときに、最終的なドライヤー処理において熱溶融繊維がロール表面に張り付くのを低減できる。
【0022】
<請求項6記載の発明>
原料100重量部に対し、バインダーを有効成分で10重量部未満含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のキャリアテープ素材。
【0023】
(作用効果)
熱溶融繊維を多く使用すると、毛羽や粉塵の防止効果は高まるものの、経済的でなくなる。そこで、熱溶融繊維の使用量を低減するために、原料繊維に対してバインダーを対固形分換算で10重量部未満内添するのが望ましい。バインダーの内添量が10重量部以上であると、キャリアテープ素材が硬くなり折れ易くなる問題がある。
【0024】
<請求項7記載の発明>
請求項1〜6のいずれか1項に記載のキャリアテープ素材に、搬送対象部品収納用のキャビティ部およびテープ送り用のマージナル部の少なくとも一方を加工形成してなることを特徴とするキャリアテープ。
【0025】
(作用効果)
かかるキャリアテープは毛羽立ちや紙粉が少ないとともに、加工部分が正確且つ均一になるため、これを使用して搬送対象部品を搬送し、実装機を用いて基盤に実装する際、部品の取り出し不良や実装不良等のおそれが少なくなる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を具体例を示しながら、以下に詳述する。
本発明に係るキャリアテープ素材は、予めキャビティ部等を形成した帯状に連続するテープ、具体的には図1及び図2に示すようなパンチキャリアテープ1として、もしくは図3及び図4に示すようなエンボスキャリアテープ5として、あるいは所定寸法へのスリット加工を施して、表面実装部品の挿入直前にキャビティ部を形成するアンパンチキャリアテープとして使用される。
【0027】
パンチキャリアテープ1は、パンチ加工によって、部品収納用の貫通孔状キャビティ部1A,1A…及びキャリアテープ送り用の貫通孔状マージナル部1B,1B…がそれぞれ長手方向に所定の間隔をおいて多数形成されたものである。キャビティ部1A,1A…は、図示しない表面実装部品を収納した状態で、キャリアテープ表面をシールするトップテープ2及びキャリアテープの下面をシールするボトムテープ3によって覆われる。
【0028】
また、エンボスキャリアテープ5は、部品収納用の凹孔状キャビティ部5A,5A…が、例えば加熱された凹凸模様付きエンボスロールと対向ロールとの間に紙を通すエンボス加工により、長手方向に所定の間隔をおいて多数形成され、かつマージナル部5B,5B…がパンチ加工により長手方向に所定の間隔をおいて多数形成されたものである。この場合、エンボス部5A,5A…が図示しない表面実装部品を収納した状態で、キャリアテープ表面をシールするトップテープ6によって覆われる。
【0029】
アンパンチキャリアテープは、所定寸法へのスリット加工は行うものの、パンチ加工等によるキャビティ部やマージナル部を形成していないものであり、表面実装部品の挿入直前にこれらキャビティ部等を形成するものである(図示せず)。
【0030】
以上のようにして使用される本発明のキャリアテープ素材は、パルプ繊維を含むことを前提として、更に融点が100〜135℃の熱溶融繊維を含むことを骨子とするものである。また、本発明では、熱溶融繊維の含有量は5〜50重量%とされる。特に、パルプ繊維(セルロース繊維の集合体。)と熱溶融繊維とを混ぜ合わせて酸性抄紙又は中性抄紙したものであるのが望ましい。熱溶融繊維を混抄することにより、素材の部位に関係なく均等な効果を奏せしめることができる。
【0031】
ただし本発明においては、例えば機械加工の形態に応じて局所的に効果を発揮させるべく、厚さ方向の一部に熱溶融繊維を含むもの、具体的には図5(a)〜(c)に示すように熱溶融繊維含有層10及び非含有層11をそれぞれ適宜の数積層した多層構造を有するものとすることができる。もちろん、単層構造のものも本発明の範囲に含まれる。
【0032】
多層構造の場合、図5(d)に示すように熱溶融繊維の含有量が異なる複数の熱溶融繊維含有層10A,10Bのみからなるものとしたり、図示しないが熱溶融繊維の含有量が異なる複数の熱溶融繊維含有層と熱溶融繊維非含有層とを適宜積層することもできる。これらの場合、素材の厚さ方向に応じて効果の度合いを連続的または断続的に変化させることができる利点がある。
【0033】
かくして、本発明のキャリアテープ素材においては、熱溶融繊維を含めることによって、後にキャビティ部を形成するためのパンチ加工やエンボス加工等の他、テープ送り用のマージナル部の形成や、素材の所定寸法へのスリット等を行っても、熱溶融繊維による接着・投錨作用によって、毛羽立ちや粉塵の発生が抑制されるとともに、加工部の形状が良好に保持されるようになる。
【0034】
特にかかる加工に際して熱溶融繊維の溶融・接着作用を良好に発揮させるために、加工時にテープ素材と接触するパンチ刃やエンボスロール等の加工部材を介して、または他の部材や空気等の気体を媒体として、加工対象部位を加工時又はその前に加熱したりすることができる。
【0035】
熱溶融繊維と混ぜ合わせるパルプ繊維は、その種類が何ら限定されるものではない。例えば、ダグラスファー、ラジアータパイン、杉、松等の針葉樹、ユーカリ、オーク等の広葉樹を主原料としたクラフトパルプ(KP)、セミケミカルパルプ(SCP)、砕木パルプ(GP)、ケミグランドパルプ(CGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ディインキングパルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)などから一種又は数種を適宜選択して使用することができる。ただし、表面実装部品への影響を考慮して填料を減少させる必要のある場合は、ディインキングパルプやウエストパルプなどの古紙パルプよりもバージンパルプを使用する方が好ましい。
【0036】
本発明では、熱溶融繊維を原料繊維としてパルプ繊維に混合する。熱溶融繊維を使用するとパルプ繊維との絡み合いが多くなり、歩留り良く効能を発揮させることができる。
【0037】
また熱溶融繊維の種類としては、例えば、SWP(ポリオレフィン合成パルプ(三井化学株式会社製))、芯鞘タイプのポリエステル系、芯鞘タイプのポリプロピレン系、ポリアミド系などから一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
【0038】
キャリアテープ素材をパンチキャリアテープ用とする場合、熱溶融繊維を5〜50重量%含有せしめるのが望ましい。熱溶融繊維の混合割合が5重量%未満では毛羽や粉塵の抑制効果が殆どなく、50重量%を超えるとキャリアテープ素材のコシが失われ、キャビティ部等のパンチ加工が困難となりパンチの失敗や歪んだキャビティ部等が形成される可能性が高くなる他、製造コストの面でも不利となる。
【0039】
キャリアテープ素材をエンボスキャリアテープ用とする場合には、熱溶融繊維を10〜50重量%含有せしめるのが好ましい。10重量%未満では、熱可塑性及び形状保持作用への効果がほとんどなく、50重量%を超えるとキャリアテープ素材のコシが失われ、歪んだキャビティ部が形成される可能性が高く、製造コスト面でも不利となる。
【0040】
表面層、中間層及び裏面層を有する3層以上の多層構成のキャリアテープ素材を製造する場合、熱溶融繊維の割合は、表面層及び裏面層を低く中間層を高くするのが好ましく、表面層及び裏面層を0〜50重量%、中間層を5〜50重量%とするのがより好ましい。これにより、最終的なドライヤー処理に際して、熱溶融繊維がロール表面に張り付くのを低減できる。
【0041】
ところで、一般的に熱溶融繊維はパルプと比較して高価なものであるため、熱溶融繊維を多く使用すると、毛羽や粉塵の防止効果は高まるものの、経済的でなくなる。そこで、熱溶融繊維の使用量を低減するために、原料に対してバインダー成分を内添するのが望ましい。バインダー成分としては、紙等の製造において一般に使用されているものを使用することができる。たとえば、ポリアクリルアミド、澱粉、ポリビニルアルコール、カイメン、耐水化剤等を使用することができる。ただしこの場合、バインダーの内添割合は、原料100重量部に対し有効成分で10重量部未満とするのが好ましい。
【0042】
熱溶融繊維は他の繊維と点で接着して内部構造を構築し、添加割合に応じてキャリアテープ素材の柔軟性が増し、コシ(剛度)がなくなるのに対し、バインダー成分は他の繊維と面で接して内部構造を構築するため、添加割合に応じてキャリアテープ素材の柔軟性が失われ硬くなる傾向がある。
【0043】
特にバインダー成分の内添量が有効成分で10重量部を超えると、キャビティ部形成時や実装部品の充填、実装時に折れやすくなる。また熱溶融繊維を混合せずにバインダー成分を10重量部を超えて内添しても毛羽や粉塵の発生を防止するのに十分ではない。
【0044】
【実施例】
次に実施例を挙げてこの発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限を受けるものではない。なお、特に断らない限り例中の配合%、添加%及び重量は有効成分換算での重量%を示す。
【0045】
(実験の概要)
下記に示す全ての例において、キャリアテープ素材を作成後、調湿したのちに所定寸法へスリットを行った上で、キャビティ部のパンチ加工及びエンボス加工を行い、粉塵及び毛羽の発生状況とエンボス部の状況を観察した。結果を表1に示す。また表1中の評価基準を表2に示す。
【0046】
実施例1:表面層および裏面層として、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)50%、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)50%からなるパルプスラリーをカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)450mlに調成したものを使用した。中間層としてNBKP25%、LBKP25%、上物古紙パルプ50%からなるパルプスラリーをCSF350mlに調成したもの95部に、熱溶融繊維としてポリオレフィン合成パルプ(三井化学株式会社製M7007、融点100〜135℃)5部を混合して使用した。これら原料に硫酸バンドを添加してpH5.0に調整後、円網多層抄紙機にて抄き合わせ、3層構造のキャリテープ素材を作成した。
実施例2:中間層のパルプスラリーを90部、熱溶融繊維を10部とした以外は実施例1に記載の方法にてキャリテープ素材を作成した。
実施例3:中間層のパルプスラリーを75部、熱溶融繊維を25部とした以外は実施例1に記載の方法にてキャリテープ素材を作成した。
実施例4:中間層のパルプスラリーを50部、熱溶融繊維を50部とした以外は実施例1に記載の方法にてキャリテープ素材を作成した。
実施例5:バインダー成分としてポリアクリルアミドを有効成分で0.1%、原料繊維に対して添加した以外は、実施例3の方法にてキャリテープ素材を作成した。
実施例6:バインダー成分としてポリアクリルアミドを有効成分で1%、原料繊維に対して添加した以外は、実施例3の方法にてキャリテープ素材を作成した。
実施例7:バインダー成分として澱粉を有効成分で10%、原料繊維に対して添加した以外は、実施例3の方法にてキャリテープ素材を作成した。
比較例2:中間層のパルプスラリーを40部、熱溶融繊維を60部とした以外は実施例1に記載の方法にてキャリテープ素材を作成した。
実施例8:バインダー成分として澱粉を有効成分で15%原料繊維に対して添加した以外は、実施例3の方法にてキャリテープ素材を作成した。
比較例1:中間層のパルプスラリーを100部、熱溶融繊維を0部とした以外は実施例1に記載の方法にてキャリテープ素材を作成した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
(考察)
表1に示すように、本発明に係る実施例1〜7のキャリアテープ素材は、十分なコシを有しており、パンチ加工を施した際の粉塵及び毛羽の発生量が著しく少なく、エンボス加工を施した場合にもキャビティ部が精度良く且つ均一に形成されることが判明した。さらに、バインダー成分を内添した実施例6及び実施例7のキャリアテープ素材は特に粉塵等の発生量が著しく少なくなった。
【0050】
さらに、本発明に係る比較例2及び実施例8のキャリアテープ素材においては、粉塵等の発生量が著しく少なくなった。しかし、比較例2のキャリアテープ素材は、熱溶融繊維を60部と比較的多量に含ませたため、コシがなくパンチ加工時やエンボス加工時に歪みが発生した。また実施例8のキャリアテープ素材は、バインダー成分を多量に含ませたため、柔軟性がなく固いものとなり、パンチ加工時やエンボス加工時にテープが折れる問題が発生した。
【0051】
他方、比較例1のキャリアテープ素材は、スリット加工及びパンチ加工時の粉塵等の発生が著しく多いほか、エンボス加工にて形成したキャビティ部も不均一であった。
【0052】
【発明の効果】
以上のとおり本発明によれば、パンチ加工によるキャビティ部の形成に際しては、切断面からの繊維紛の発生と素材の毛羽立ちを抑えることができ、またエンボス加工によるキャビティ部の形成に際しては精密且つ均一なキャビティ部を形成することができるようになる等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パンチ型の連続テープ(キャリアテープ及びカバーテープ)の平面図である。
【図2】 図1のII-II相当部分の断面図である。
【図3】 エンボス型の連続テープの平面図である。
【図4】 図3のIV-IV相当部分の断面図である。
【図5】 熱溶融繊維を一部に含有する場合の各種形態を示す断面図及び平面図である。
【符号の説明】
1…パンチキャリアテープ、1A…パンチキャビティ部、1B…マージナル部、2,6…トップテープ、3…ボトムテープ、5…エンボスキャリアテープ、5A…エンボスキャビティ部、5B…マージナル部。
Claims (7)
- 少なくとも搬送対象部品収納用のキャビティ部およびテープ送り用のマージナル部の少なくとも一方が加工形成されて使用される、パルプ繊維を含むキャリアテープ素材であって、
原料繊維としてパルプ繊維に融点が100〜135℃の熱溶融繊維を混合したものを用い、かつ
前記熱溶融繊維の含有量が5〜50重量%であることを特徴とするキャリアテープ素材。 - 前記キャビティ部およびマージナル部の少なくとも一方が、パンチ加工により貫通孔として形成されて使用される、請求項1記載のキャリアテープ素材。
- 前記キャビティ部およびマージナル部の少なくとも一方が、エンボス加工により凹孔として形成されて使用される、請求項1または2記載のキャリアテープ素材。
- 前記熱溶融繊維を10〜50重量%含有する、請求項3記載のキャリアテープ素材。
- 表面層、中間層及び裏面層を有する3層以上の多層構成の抄き合わせ紙からなり、これらの層のうち表面層及び裏面層が0〜50重量%の熱溶融繊維をそれぞれ含み、中間層が5〜50重量%の熱溶融繊維を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のキャリアテープ素材。
- 原料100重量部に対し、バインダーを有効成分で10重量部未満含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のキャリアテープ素材。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のキャリアテープ素材に、搬送対象部品収納用のキャビティ部およびテープ送り用のマージナル部の少なくとも一方を加工形成してなることを特徴とするキャリアテープ。
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