JP3782666B2 - 液晶注入口封止剤及び液晶表示セル - Google Patents

液晶注入口封止剤及び液晶表示セル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶注入口封止剤、及び、その液晶注入口封止剤が用いられてなる液晶表示セルに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示セルは、2枚の電極付き透明基板を、所定の間隔をおいて対向させ、その周囲を適当なシール体で封着してセルを形成し、その一部に設けられた液晶注入口からセル内に液晶を注入し、その液晶注入口を封止剤を用いて封止することにより作製される。
【0003】
このような液晶注入口の封止剤としては、例えば、特開平2−235026号公報、特開平3−17625号公報等に開示されている光硬化型アクリル系樹脂液や熱硬化性エポキシ樹脂液等が、広く使用されている。
【0004】
しかし、これらの硬化型液晶注入口封止剤を用いて液晶注入口を封止する際には、硬化前の液状の封止剤がセル内の液晶に直接接触して浸透してゆき、封止部周辺の液晶が封止剤で汚染され、液晶表示セルに色むらが生じて品質が低下するという問題点があった。
【0005】
特開平7−56178号公報には、硬化前の比抵抗値が1.0×109 Ω・cm以上である液晶注入口封止剤を用いることにより、上記問題点を解決する技術が開示されている。この方法では、液晶注入口封止剤の比抵抗値を大きくしているため、液状の封止剤が液晶に浸透して汚染されても、液晶の比抵抗値は全体としてあまり低下せず、その結果、液晶分子の配向が阻害されることなく、色むらの発生が防止される。
【0006】
しかし、近年では、液晶材料として低い電圧で駆動するものを用いる傾向があるが、この低い電圧で駆動する液晶(以下、低電圧型の液晶という)は、誘電率異方性が大きいため不純物を取り込み易く表示不良を起こし易いという問題があり、上述の方法のように液晶注入口封止剤の比抵抗値を高くしても、得られる表示品質は不充分であった。近年、電極がファインピッチ化されるに伴い、高接続信頼性を確保するために、異方導電膜中の導電性粒子の配合量を増加しなければならず、そのため、隣接粒子による横方向の導通等が起こり、隣接電極間の短絡等の問題が生じている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、液晶との相溶性が低く、低電圧型の液晶においても液晶表示セルに色むらが生じにくく、表示不良等が起こらない液晶注入口封止剤及びその液晶注入口封止剤を用いてなる液晶表示セルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液晶表示セルを作製する際に、セル内に液晶を注入した後で液晶注入口を封止するために用いられる液晶注入口封止剤であって、前記液晶と未硬化の状態で混合した場合、該液晶のネマティック相〜等方性液体相間転移温度の混合前後の差が30℃以下となる液晶注入口封止剤である。
【0009】
本明細書において、ネマティック相〜等方性液体相間転移温度(以下、N−I点という)とは、摂氏(℃)で表される温度であり、等方性液体を急冷したときに棒状分子が長軸を平行に配向する状態に転移する温度のことをいう。測定方法としては、目視でも可能であるが、より正確には示差走査熱量計 (DSC)を用いて測定する事ができる。
【0010】
また、液晶のネマティック相〜等方性液体相間転移温度が、混合前後で30℃以下の差とは、「混合前の液晶のN−I点」と、「液晶と未硬化の液晶注入口封止剤を液晶のN−I点以上で混合した後の液晶のN−I点」との差が30℃以下のことをいう。
上記液晶と未硬化の液晶注入口封止剤を液晶のN−I点以上で混合した後の液晶のN−I点とは、混合した後徐冷し、液晶相と未硬化の液晶注入口封止剤相とが完全に相分離した後の液晶相のN−I点のことをいう。
【0011】
以下に、本発明を詳述する。
本発明の液晶注入口封止剤は、液晶表示セルを作製する際に、セル内に液晶を注入した後で液晶注入口を封止するために用いられるものである。
上記液晶としては特に限定されず、通常液晶として用いられているものを用いることができ、例えば、ネマティック液晶、コレステリック液晶、スメティック液晶等が挙げられる。
本発明の液晶注入口封止剤が用いられる液晶表示セルとしては特に限定されず、例えば、STNセル、TFTセル等が挙げられる。
【0012】
本発明の液晶注入口封止剤は、上記液晶と未硬化の状態で混合した場合、該液晶のN−I点の混合前後の差が30℃以下である。
液晶表示セルを作製する際、液晶と液晶注入口封止剤とは液体の状態で接触するので、硬化前の液晶注入口封止剤と液晶との相溶性が良いほど液晶や配向膜が液晶注入口封止剤により汚染され、表示不良を発生し易い。液晶のN−I点は、相互作用の強さを示す1つの尺度として用いられ、混合する成分と液晶分子との相互作用が強いほど、即ち、相溶性が高いほど、N−I点は変化すると考えられる。
【0013】
また、本発明の液晶注入口封止剤は、液晶が駆動する電圧が4V以下であるような低電圧型の液晶の場合に、より好適に用いられる。低電圧型の液晶ほど不純物を取り込み易く、表示不良を起こし易いが、本発明の液晶注入口封止剤は、低電圧型の液晶であっても相溶性が低いため、液晶が液晶注入口封止剤により汚染されにくく、良好な表示品質の液晶表示セルを作製できる。
【0014】
上記液晶と未硬化の状態で混合した場合、該液晶のN−I点の混合前後の差が30℃を超えると、液晶注入口封止剤は未硬化の状態で液晶との相溶性が高いため、硬化前の液状の液晶注入口封止剤がセル内の液晶に直接接触して浸透していき、封止部周辺の液晶が上記液状の液晶注入口封止剤により汚染される。その結果、液晶表示セルに色むらが生じ、表示品質が低下する。また、液晶注入口封止剤は、液晶注入口を封止する際に、液晶が付着している基板と接着しなければならないため、ある程度は液晶と相溶することが必要となる。好ましくは、上記のN−I点の混合前後の差は、20℃であり、より好ましくは10℃以下である。
【0015】
本発明の液晶注入口封止剤の組成としては、光硬化型のものが好適に用いられ、例えば、ポリチオール化合物と、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物と、光重合開始剤とを含有する光硬化型樹脂液として調製したものを用いることができ、ポリエン化合物としてはアリル化合物、プロペニル化合物、(メタ)アクリレート化合物等が上げられ、ポリエン-ポリチオール系樹脂として用いてもよいし、(メタ)アクリレート化合物だけを用いてもよい。
【0016】
上記光硬化型ポリエン−ポリチオール系樹脂液を構成するポリチオール化合物としては、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類、エステル結合を含まないポリチオール化合物、エステル結合を含まず、炭素数2以上のメルカプトアルキル基を置換基として有するメルカプトメチル基含有ポリチオール化合物(以下、ジチアン環含有ポリチオール化合物という)等が挙げられる。
【0017】
上記メルカプトカルボン酸としては、例えば、チオグリコール酸、α−メルカプトプロピオン酸、β−メルカプトプロピオン酸、トリス−β−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
【0018】
上記エステル結合を含まないポリチオール化合物としては、例えば、エタンジチオール、プロパンジチオール、ヘキサメチレンジチオール、デカメチレンジチオール、トリレン−2,4−ジチオール等の脂肪族ポリチオール;キシレンジチオール等の芳香族ポリチオール;ジグリコールジメルカプタン、トリグリコールジメルカプタン、テトラグリコールジメルカプタン、チオジグリコールジメルカプタン、チオトリグリコールジメルカプタン、チオテトラグリコールジメルカプタン、1,4−ジチアン環含有ポリチオール化合物等の環状スルフィド化合物等が挙げられる。
【0019】
また、上記エステル結合を含まないポリチオール化合物のチオール基が、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物の二重結合部分に結合したポリエン付加ポリチオール化合物等も上記エステル結合を含まないポリチオール化合物として挙げられる。
即ち、本明細書において、上記エステル結合を含まないポリチオール化合物とは、ポリチオール化合物が他の化合物と反応することにより、チオール基を有さなくなったものであってもよい。
上記1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物としては、後述する1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物と同様のもの等が挙げられる。
【0020】
上記環状スルフィド化合物のなかでは、1,4−ジチアン環含有ポリチオール化合物がより好ましい。上記1,4−ジチアン環含有ポリチオール化合物としては、例えば、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトエチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトプロピル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトブチル−1,4−ジチアン等が挙げられる。
【0021】
上記ポリエン付加ポリチオール化合物としては、例えば、環状スルフィド化合物又は1,4−ジチアン環含有ポリチオール化合物と、トリアリルイソシアヌレート又はトリアリルシアヌレートとを反応して得られた化合物が好ましい。
このようなポリエン付加ポリチオール化合物を用いることにより、液晶汚染をより少なくすることができる。
【0022】
上記ジチアン環含有ポリチオール化合物としては、例えば、2,5−ビス(ジメルカプトエチルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(ジメルカプトプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(ジメルカプトブチルチオメチル)−1,4−ジチアン等が挙げられる。
上記のポリチオール化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0023】
上記光硬化型ポリエン−ポリチオール系樹脂液を構成するポリエン化合物としては2個以上の炭素−炭素二重結合を有する多官能性のものであれば特に限定されず、例えば、アリルアルコール誘導体、エポキシアクリレート,ウレタンアクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、ジビニルベンゼン、ポリチオール付加ポリエン化合物等が挙げられる。
【0024】
上記アリルアルコール誘導体としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルマレート、ジアリルアジペート、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、テトラアリルピロメリテート、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトール、ジアリルエーテル等が挙げられる。
【0025】
上記(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、ビスフェノールA変性エポキシアクリレート、プロピレングリコール変性多官能ウレタンアクリレート等が挙げられる。
上記のアリルアルコール誘導体のなかでも、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレートが好ましく、(メタ)アクリル酸誘導体としては、ビスフェノールA変性エポキシアクリレート等が好ましい。
【0026】
上記のポリエン化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
上記光硬化型ポリエン−ポリチオール系樹脂液において、上記ポリチオール化合物と上記1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物との配合比は特に限定されないが、ポリチオール化合物のチオール基と1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物の炭素−炭素二重結合とのモル比が5:1〜1:5となるように配合するのが好ましい。より好ましいモル比は1:1付近である。
【0028】
上記光硬化型樹脂液を構成する光重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾフェノン、p−アミノベンゾフェノン、p,p’−ジメチルアミノベンゾフェノン、オルソベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤;アセトフェノン、ベンズアルデヒド、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1、オリゴ〔2−ヒドロキシ−2−メチル−1−{4−(1−メチルビニル)フェニル}プロパノン〕等のアセトフェノン系光重合開始剤;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物;ジアゾアミノベンゼン等のジアゾ系化合物;4,4’−ジアジドスチルベン−p−フェニレンビスアジド、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、アシルホスフィンオキサイド、ベンジル、カンファーキノン、アントラキノン、ミヒラーケトン等が挙げられる。
【0029】
上記光硬化型樹脂において、上記光重合開始剤の配合量は、光硬化型樹脂100重量部に対して、0.0001〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量部がより好ましい。
【0030】
本発明の液晶注入口封止剤として、上記光硬化型ポリエン−ポリチオール系または(メタ)アクリル系樹脂より調製されたものを用いる場合、上記のように様々な化合物を用いることができるが、液晶に応じ、N-I点が変化しない様に、その組成を設計する事で、特に低電圧型の液晶において、液晶の汚染を効果的に防ぐことができる。
【0031】
本発明の液晶注入口封止剤として、上記光硬化型樹脂より調製されたものを用いる場合には、上記ポリエン−ポリチオール化合物、及び光重合開始剤以外に、必要に応じて、有機ケイ素化合物等の接着性改良剤、酸化防止剤、重合禁止剤、充填剤、着色剤、チキソトロピー剤、硬化促進剤、可塑剤、界面活性剤等の通常用いられる各種の配合剤を配合してもよい。
【0032】
本発明の液晶注入口封止剤は、未硬化の状態であっても、液晶との相溶性が低い。そのため、本発明の液晶注入口封止剤を用いて液晶表示セルを作製すると、低電圧型の液晶を用いた場合でも封止部周辺の液晶が液状の封止剤により汚染されることがなく、表示品質が良好な液晶表示セルを得ることができる。
液晶が注入されたセルの液晶注入口が、本発明の液晶注入口封止剤により封止されてなる液晶表示セルも本発明の一つである。本発明の液晶表示セルの製造方法としては特に限定されず、例えば、以下の方法により製造することができる。
【0033】
まず、ITO薄膜等の透明電極付きの2枚の透明基板(無機ガラス又はプラスチック板)を、適当なスペーサを介して間隔をおいて対向させ、その周囲を液晶の注入口を残して適当なシール材でシールしてセルを形成する。
上記シール材としては特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
【0034】
次に、液晶注入口からセル内に液晶を注入した後、液晶注入口を液晶注入口封止剤で塞ぎ、これに活性光線を照射して封止剤を硬化させることにより液晶注入口を封止することができる。
上記活性光源としては特に限定されず、例えば、超高圧の水銀灯、高圧の水銀灯、低圧の水銀灯、メタルハライドランプ等を光源とする紫外線等が挙げられる。
【0035】
上記活性光線の照射により、本発明の光硬化性樹脂組成物を用いた液晶注入口封止剤は、従来の光硬化性樹脂組成物と同様に、数秒から数分の短時間で硬化し、液晶注入口を封止することができ、上記の工程を経て液晶表示セルが作製される。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0037】
実施例1
トリアリルイソシアヌレート2モルに、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン1モルを付加させたオリゴマーを合成した。このオリゴマー57重量部にトリメチロールプロパントリス−β−メルカプトプロピオネート43重量部、ベンジルジメチルケタール2.3重量部を、均一な液となるように混合し、液晶注入口封止剤を作製した。
【0038】
(N−I点の測定)
液晶として、チッソ社製、JC−5003LA(5V駆動)、及び、低電圧型の液晶として、チッソ社製、JC−5004LA(2.5V駆動)を用い、液晶2gと未硬化の状態の上記液晶注入口封止剤1gとを混合し、100℃まで加熱混合した。その後、混合物を室温まで冷却すると、混合物は液晶と液晶注入口封止剤との2相に分離した。その液晶相のみを取り出し(液晶注入口封止剤で飽和した液晶)、示差走査熱量計 (DSC)を用いて測定した。結果を表1に示した。
【0039】
また、得られた液晶注入口封止剤を用いて以下の方法で液晶表示セルを作製し、セル表示の評価を行った。結果を表1に示した。
(セル表示の評価)
簡易セルに液晶を注入し、上記液晶注入口封止剤を塗布し、3000mj/cm2 のUV光を照射して硬化させた。注入口近傍の液晶の配向乱れを偏光顕微鏡で観察した。
○:配向乱れがないか、あっても0.1mm未満
△:0.1mm以上1mm未満の配向乱れ
×:1mm以上の配向乱れ
【0040】
実施例2
トリアリルイソシアヌレート39重量部とトリメチロールプロパントリス−β−メルカプトプロピオネート61重量部とを混合し、90℃に加熱して一部反応させた。これに、ベンジルジメチルケタール2.3重量部を、均一な液となるように混合し、液晶注入口封止剤を作製した。実施例1と同様に液晶表示セルの作製及び評価を行った。結果を表1に示した。
実施例3
ビスフェノールA変性アクリレート(ダイセル化学工業社製UCB/EB3700)50重量部とウレタン変性アクリレート(ダイセルUCB/EB8402)50重量部とを混合し、これに、ベンジルジメチルケタール2.3重量部を、均一な液となるように液晶注入口封止剤を作製した。実施例1と同様に液晶表示セルの作製及び評価を行った。結果を表1に示した。.
【0041】
比較例1
トリレンジイソシアネート1モル、2−ヒドロキシプロピルアクリレート1モル、及び、ブタノール1モルを反応させてウレタンオリゴマーを合成した。
このウレタンオリゴマー50重量部にトリアリルイソシアヌレート20重量部、トリメチロールプロパントリス−β−メルカプトプロピオネート30重量部、及び、ベンジルジメチルケタール2.3重量部を均一な液となるように混合し、液晶注入口封止剤を得た。実施例1と同様に液晶表示セルの作製及び評価を行った。結果を表1に示した。
【0042】
比較例2
比較例1のウレタンオリゴマー50重量部に、2−ヒドロキシエチルアクリレート25重量部、ビスアクリロキシエチル−ヒドロキシエチル−イソシアヌレート20重量部、及び、ベンジルジメチルケタール2.3重量部、ビニルトルエン5重量部を均一な液となるように混合し、液晶注入口封止剤を得た。実施例1と同様に液晶表示セルの作製及び評価を行った。結果を表1に示した。
【0043】
【表1】
Figure 0003782666
【0044】
表1より、実施例で得られた液晶注入口封止剤は、液晶と未硬化の状態で混合した場合、該液晶のN−I点の混合前後の差が30℃以下であるため、液晶との相溶性が小さく、低電圧型の液晶を用いた場合でも良好な表示品質を示す液晶表示セルを作製できた。比較例で得られた液晶注入口封止剤は、液晶と未硬化の状態で混合した場合、液晶のN−I点の混合前後の差が30℃を超えるため、得られた液晶表示セルの表示品質は悪かった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の液晶注入口封止剤は、液晶表示セルの色むらを防止することができ、低電圧型の液晶を用いた場合でも良好な表示品質の液晶表示セルを作製することができる。

Claims (5)

  1. 液晶表示セルを作製する際に、セル内に液晶を注入した後で液晶注入口を封止するために用いられる液晶注入口封止剤であって、
    ポリチオール化合物と、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物と、光重合開始剤とを含有するものであり、
    前記液晶と未硬化の状態で混合した場合、該液晶のネマティック相〜等方性液体相間転移温度の混合前後の差が30℃以下となることを特徴とする液晶注入口封止剤。
  2. ポリチオール化合物のチオール基と、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するポリエン化合物の炭素−炭素二重結合とのモル比が5:1〜1:5であることを特徴とする請求項1記載の液晶注入口封止剤。
  3. ポリエン化合物は、アリルアルコール誘導体であることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶注入口封止剤。
  4. 上記液晶の駆動する電圧が4V以下であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶注入口封止剤。
  5. 液晶が注入されたセルの液晶注入口が、請求項1、2、3又は4記載の液晶注入口封止剤により封止されてなることを特徴とする液晶表示セル。
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