JP3781585B2 - ディスクファイル装置のstw方法 - Google Patents

ディスクファイル装置のstw方法 Download PDF

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    • G11B5/596Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following for track following on disks
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はディスクファイル装置のSTW方法に関し、特に、コンピュータの外部記録装置として使用される磁気ディスク装置のようなディスクファイル装置において、ディスク媒体の上に形成されるサーボトラックの品質を向上させることができるSTW方法に関する。
【0002】
近年、コンピュータの外部記憶装置として、磁気ディスク装置や光ディスク装置等のディスクファイル装置が使用されている。このようなディスクファイル装置においては、ディスク媒体の記憶容量が年々増大しており、このために、ディスク媒体の大きさが決まっている場合には、記憶容量の増大はディスク媒体上の記録トラックのピッチを狭める高TPI化(1インチ当たりの記録トラック数を高めること)が行われている。
【0003】
一方、磁気ディスク装置のようなディスクファイル装置では、ディスク媒体に形成される記録トラックはディスクの回転中心に対して同心円状をしている。各記録トラックは、ディスク装置の製造時に、ディスク媒体がディスク装置に組み込まれた後にディスク装置の各ヘッドによってサーボパターンを同心円状に全面にわたって書いた結果、形成される。各記録トラックには予めサーボ情報が書き込まれたサーボゾーンと、データを記録するデータゾーンとがある。サーボ情報を含むサーボパターンを書き込む動作はサーボ・トラック・ライト(STW)と呼ばれる。よって、以後、サーボトラックを書き込む動作をSTWと記す。
【0004】
従来のディスク装置におけるSTWでは、まず、ディスク装置の筐体(DE)の外部からロードさせた揺動しないヘッド(通常、クロックヘッド、リファレンスヘッドなどと呼ばれる)により、サーボトラックを書き込むための時間的な基準となる基準信号を、ディスク媒体上の記録トラック以外の部分に書き込む。この基準信号は一定周波数のバースト信号、および基準位置を示すインデックス信号を含んでおり、リファレンス信号と呼ばれる。ディスク媒体上のサーボトラックは、このリファレンス信号に同期させてDE内部のヘッドで書き込まれる。
【0005】
ところが、DE内部のヘッドを用いてSTWを行う時には、このヘッドはDE外部に設けられた駆動装置(サーボトラックライタ)のプッシュピンで押されることによってディスク媒体上を移動するので、このプッシュピンの移動精度が悪いと、サーボトラックの書き込み品質(STW品質)が悪化するという問題点があった。また、STW時の品質を悪化させる他の要因としては、ディスク媒体のフラッタ、ディスク媒体を回転させるスピンドルモータの軸受によるスピンドルモータの回転に非同期な連続振動等があり、この非同期な連続振動に対するSTWの品質の向上が望まれていた。
【0006】
【従来の技術】
図1は磁気ディスク装置のディスク媒体2の上の記録トラックTとセクタSの配置を模式的に示すものである。記録トラックTはディスク媒体2の上に同心円状に多数設けられており、図1にはこの内の1つの記録トラックTが図示されている。各記録トラックTは周方向に複数の(例えば60個の)セクタSに分けられており、各セクタの記録トラックTの先頭にサーボゾーンが設けられている。このサーボゾーンには、セクタSの番号と記録トラックTの番号の情報を含むサーボパターン信号が書き込まれている。
【0007】
図2(a) はサーボパターン信号を示すものであり、図2に示されるサーボパターンは2位相サーボパターンの一例である。この2位相サーボパターンは、半径およびディスクの回転方向にずらして書かれた4つの磁化反転のピークの差からサーボ信号を復調するものである。図2(a) の符号6はヘッドを示しており、符号(n−1)、n、(n+1)、(n+2)は記録トラック番号を示している。また、図2(b) はこの2層サーボパターンによるヘッド6からの出力波形を示すものであり、A−Bが図2(a) のA−B間から得られる波形であり、C−Dが図2(a) のC−D間から得られる波形を示している。
【0008】
STW動作としては、ディスク媒体2にサーボパターンを連続して1周分書き込んで記録トラックTを形成した後、ヘッド6を径方向に移動させ、次のサーボパターンを書き込む位置に位置決めする。このように、ディスク媒体2に1周分のヘッドの位置決め情報を書き込んで各記録トラックTを形成するという作業を繰り返して、ディスク媒体2の全面にサーボパターンを書き込んでいる。各記録トラックTを形成するためのサーボパターンの書き始め時刻に関しては、従来は、特定セクタから書き始めるか、もしくはSTW工程時間短縮のため、ヘッド6の移動が完了した直後に書き始めている。直後とは言っても、少なくとも、プッシュピン等のヘッド移動後の残留振動の減衰等を考慮して書き始めている。以後、ディスク媒体2へのサーボパターンの書き込みを略してサーボトラックの書き込みと記す。
【0009】
図3(a), (b)は従来のディスク媒体にサーボトラックを書き込む様子を示すものである。図において、○がサーボトラックの書き込み開始を示しており、●がサーボトラックの書き込み終了を示している。ディスク媒体2が1回転する毎に太線で示すようにサーボトラックが書き込まれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このSTWにおいて、ヘッドは常にディスク媒体2上へ不必要な振動なしで位置することが望ましいが、ディスク媒体2には(a) に細線で示すような、ディスク媒体2の回転周期に同期しない非同期連続振動があり、このためにサーボトラックの書き込み品質(STW品質)が悪化する問題がある。
【0011】
STW品質に影響のある要因としてあげられるのは、ヘッド移動に使用されるプッシュピンの移動精度、ディスクのフラッタ、スピンドルモータの回転に同期しない振動(NRRO:Non-Repeatable RunOut (スピンドル回転非同期振動))等の外乱である。これらは、位置信号として復調した場合、信号の振れ(ランアウト)として観察され、ランアウトが小さい程STW品質が良く、ヘッドの位置決め精度も良好になる。
【0012】
例えば、転がり軸受(玉軸受など)を用いたスピンドルモータには、スピンドルモータの回転に非同期な連続振動が生じる。スピンドル回転非同期連続振動とは、スピンドルモータの回転周期に同期しない振動で、ヘッドの位置決めではNRROとして観察されるものである。スピンドル回転非同期連続振動は、スピンドルモータの回転中にはほぼ一定周期であり、条件により振幅、位相の変動が起きる場合もあるが、振動は継続して生じている。
【0013】
このようなスピンドル回転非同期連続振動があると、STWにおいては、スピンドルモータの回転数同期でサーボパターンの1周分の書き込みとヘッド移動を繰り返すため、記録トラック上で書き込み開始点と終了点との間に径方向の位置ずれが生じ、段差となって現れてしまう。
ディスク装置では、サーボトラックに対しては、ヘッドをクローズドループ制御により追従させてデータの記録・再生が行われている。現状のアクチュエータにおける追従誤差特性の一例を図4(a), (b) に示す。図4(a) では縦軸の単位がdBであり、図4(b) では縦軸の単位が倍数である。これらの図から分かるように、書き込まれているランアウトの振幅がそのまま維持されるのが約230Hzであり、周波数がこれより大きくなると振動の振幅が拡大され、これより小さくなると振動の振幅を圧縮することができる。従って、230Hz程度以上の高周波数の振動はできるだけ抑制した方がよいことが分かる。
【0014】
図5(a) ,(b) はSTW時に書き込まれたスピンドル回転同期ランアウト(RRO:Repeatable RunOut)の段差の大小による位置信号(Position Error Signal:PES)の挙動差を比較して示すものである。非同期連続振動によってサーボトラックの書込に前述の段差が生じると、それによって復調される位置信号には高周波数の振動が生じるため、ランアウトが拡大され位置決め精度が悪化してしまう。トラックの高密度化により位置決め精度は上げる必要があり、そのため、高精度なSTW品質も要求されるようになり、特に問題となってきた。
【0015】
現状でスピンドル回転に非同期な連続振動成分としてあげられるのは軸受に起因する振動である。例えば、スピンドルモータの玉軸受に起因する公転振動fcについて考えてみると、玉軸受の玉径をd、ピッチ円径をD、接触角をα、玉数をZとし、スピンドルモータの回転数をfrとした場合、現状で最も影響のあると考えられる玉軸受に起因する公転振動は、次の式で表される。
【0016】
fc= fr/2×(1+d/D* cosα)
そこで、本発明は、磁気ディスク装置等のディスクファイル装置において、スピンドル回転に非同期な連続振動成分が原因のサーボトラックの書き込み開始位置と書き込み終了位置での段差を抑制することにより、サーボトラックの品質を向上させることができるディスクファイル装置のSTW方法を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する本発明の特徴は、以下に第1から第5の発明として示される。
第1の発明の特徴は、スピンドルモータに回転させられる少なくとも1枚のディスク媒体と、このディスク媒体に対してデータの記録、再生を行うヘッドと、このヘッドの移動機構とを少なくとも備え、このディスク媒体の記録面には複数のセクタに分割された記録トラックが同心円状に形成され、各セクタのトラックには前記ヘッドの位置決め情報が予め書き込まれているディスクファイル装置におけるサーボトラックの書き込み方法であって、スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動を検出するステップと、検出された非同期な連続振動の位相を検出するステップと、検出された非同期な連続振動の位相に基づいて、各サーボトラックの、書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタ、または書き始め、もしくは書き終わり時刻を決定するステップと、ヘッドの移動機構によってヘッドをヘッドの位置決め情報を書き込む径方向位置へ移動させ、書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタに基づいて情報を書き込むステップと、スピンドルモータの回転数を検出するステップと、STW方法によって前記ディスク媒体に予め所定数のトラック分のヘッドの位置決め情報を書き込むステップと、ヘッドの位置決め情報を書き込んだ所定数のトラックを同じヘッドで読み出して、ヘッド位置信号出力の位相を検出するステップと、ヘッド位置信号出力の位相と非同期な連続振動の位相の位相差を測定するステップとを備え、各サーボトラックの書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタを決定するステップにおいて、非同期な連続振動の周波数をfc、スピンドルモータの回転数をfrとして、fc<frの場合は、非同期な連続振動の振動がピークとなる位相から〔(1−fc/fr)×180〕°だけ遅れた位置をサーボトラックの書き込み開始位置とし、fc>frの場合は、〔(fc/fr−1)×180〕°だけ進んだ位置をサーボトラックの書き込み開始位置とすることにある。
【0019】
第2の発明の特徴は、スピンドルモータに回転させられる少なくとも1枚のディスク媒体と、このディスク媒体に対してデータの記録、再生を行うヘッドと、このヘッドの移動機構とを少なくとも備え、このディスク媒体の記録面には複数のセクタに分割された記録トラックが同心円状に形成され、各セクタのトラックにはヘッドの位置決め情報が予め書き込まれているディスクファイル装置におけるサーボトラックの書き込み方法であって、
スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動を検出するステップと、検出された非同期な連続振動の位相を検出するステップと、検出された非同期な連続振動の位相に基づいて、各サーボトラックの、書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタ、または書き始め、もしくは書き終わり時刻を決定するステップと、ヘッドの移動機構によってヘッドをヘッドの位置決め情報を書き込む記録面上で移動させ、書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタに基づいて情報を書き込むステップと、スピンドルモータの回転数を検出するステップと、STW方法によってディスク媒体に予め所定数のトラック分のヘッドの位置決め情報を書き込むステップと、ヘッドの位置決め情報を書き込んだ所定数のトラックを同じヘッドで読み出すステップとを備え、スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動を検出するステップが、ヘッド位置信号の位相を検出することにより、非同期な連続振動を検出するステップを含み、各サーボトラックの書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタを決定するステップにおいて、非同期な連続振動の周波数をfc、スピンドルモータの回転数をfrとして、fc<frの場合は、非同期な連続振動の振動がピークとなる位相から〔(1−fc/fr)×180〕°だけ遅れた位置をサーボトラックの書き込み開始位置とし、fc>frの場合は、〔(fc/fr−1)×180〕°だけ進んだ位置をサーボトラックの書き込み開始位置とし、サーボトラックに情報を書き込むステップが、全記録トラックのうちの情報を書き込む複数のトラック分の情報書き込みスケジュールを立てるステップと、このスケジュールに従って複数のサーボトラックにヘッドの位置決め情報を書き込むステップとを含むことにある。
【0020】
第3の発明の特徴は、第2の発明において、更に、ヘッド位置信号出力の位相を検出するステップで検出した位相と、前回のスケジュール時に検出された位相との位相差を検出するステップと、この位相差が所定値を越えていた場合は、STW方法によってディスク媒体に予め所定数のトラック分のヘッドの位置決め情報を書き込むステップ以降のステップをやり直させるステップとを備えることにある。
【0021】
第4の発明の特徴は、スピンドルモータに回転させられる少なくとも1枚のディスク媒体と、このディスク媒体に対してデータの記録、再生を行うヘッドと、このヘッドの移動機構とを少なくとも備え、このディスク媒体の記録面には複数のセクタに分割された記録トラックが同心円状に形成され、各セクタのトラックにはヘッドの位置決め情報が予め書き込まれているディスクファイル装置におけるサーボトラックの書き込み方法であって、
スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動を検出するステップと、検出された非同期な連続振動の位相を検出するステップと、検出された非同期な連続振動の位相に基づいて、各サーボトラックの、書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタ、または書き始め、もしくは書き終わり時刻を決定するステップと、ヘッドの移動機構によってヘッドをヘッドの位置決め情報を書き込む記録面上で移動させ、書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタに基づいて情報を書き込むステップと、スピンドルモータの回転数を検出するステップと、リファレンスヘッドを最外周部でクロック信号の書き込み後に微動させるステップとを備え、スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動を検出するステップが、リファレンスヘッドから検出されるクロック信号のモジュレーションを観測するステップと、観測したモジュレーションから非同期な連続振動の位相を検出するステップとを含み、各サーボトラックの書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタを決定するステップにおいて、非同期な連続振動の周波数をfc、スピンドルモータの回転数をfrとして、fc<frの場合は、非同期な連続振動の振動のピークとなる位相から〔(1−fc/fr)×180〕°だけ遅れた位置をサーボトラックの書き込み開始位置とし、fc>frの場合は、〔(fc/fr−1)×180〕°だけ進んだ位置をサーボトラックの書き込み開始位置とし、情報を書き込むステップが、全記録トラックのうちの情報を書き込む複数のトラック分の情報書き込みスケジュールを立てるステップと、このスケジュールに従って複数のヘッドの位置決め情報を書き込むステップとを含むことを特徴としている。
【0022】
第5の発明の特徴は、スピンドルモータに回転させられる少なくとも1枚のディスク媒体と、このディスク媒体に対してデータの記録、再生を行うヘッドと、このヘッドの移動機構とを少なくとも備え、このディスク媒体の記録面には複数のセクタに分割された記録トラックが同心円状に形成され、各セクタのトラックにはヘッドの位置決め情報が予め書き込まれているディスクファイル装置におけるサーボトラックの書き込み方法であって、
スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動を検出するステップと、検出された非同期な連続振動の位相を検出するステップと、検出された非同期な連続振動の位相に基づいて、各サーボトラックの、書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタ、または書き始め、もしくは書き終わり時刻を決定するステップと、ヘッドの移動機構によってヘッドをヘッドの位置決め情報を書き込む記録面上で移動させ、書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタに基づいて情報を書き込むステップと、スピンドルモータの回転数を検出するステップと、ヘッド及び前記リファレンス信号を書き込むヘッド以外の第3のヘッドにより、ディスク媒体のSTWを行うゾーンとリファレンス信号の書き込まれたゾーン以外の場所に、少なくとも1トラック分のヘッドの位置決め情報を書き込むステップと、ヘッドの位置決め情報を書き込んだトラックを、第3のヘッドで読み出すステップとを備え、スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動を検出するステップが、第3のヘッドで読み出したヘッド位置信号の位相を検出することにより、非同期な連続振動を検出するステップを含み、各サーボトラックの書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタを決定するステップにおいて、非同期な連続振動の周波数をfc、スピンドルモータの回転数をfrとして、fc<frの場合は、非同期な連続振動の振動がピークとなる位相から〔(1−fc/fr)×180〕°だけ遅れた位置をサーボトラックの書き込み開始位置とし、fc>frの場合は、〔(fc/fr−1)×180〕°だけ進んだ位置をサーボトラックの書き込み開始位置とすることにある。
【0024】
本発明のディスクファイル装置のSTW方法によれば、スピンドルモータの回転に非同期な連続振動を検出し、この検出信号に基づいてSTWを行っているので、STW時に記録開始位置と記録終了位置との間に径方向の段差が発生しにくく、STWされたヘッドの位置決め情報の品質が向上する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を用いて本発明の実施形態を具体的な実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明の具体的な実施例を説明する前に、STWを行う装置であるサーボトラックライタの構成について説明する。
図6は本発明のディスクファイル装置のSTW方法に使用するサーボトラックライタ30の構成を示すものである。サーボトラックライタ30には、ディスク媒体2にリファレンス信号を書き込むリファレンスヘッド35の駆動機構100、ディスクファイル装置20との電気的な接続をとるコネクタ接触ピン38の駆動機構110、及びキャリッジ5の位置決めピン(プッシュピン)45の駆動機構120がある。また、この図にはサーボトラックライタ30に取り付けられるディスクファイル装置20の位置が、破線を用いて示されている。このディスクファイル装置20において、2はディスク媒体、3はディスク媒体2を回転させるスピンドルモータ、5はアーム6Aを介してヘッド6を保持するキャリッジを示している。
【0026】
リファレンスヘッド35は、アーム35A,支柱35B、及び移動台35Cからなる保持機構101に保持されている。移動台35Cは駆動機構100によって上下に昇降するようになっている。移動台35Cは厚板で構成されており、その一端部には支柱35Bが突設されており、支柱35Bの頂面にアーム35Aの基部が取り付けられており、アーム35Aの先端部にリファレンスヘッド35が取り付けられている。アーム35Aは支柱35Bに対して交換可能に取り付けられている。
【0027】
サーボトラックライタ30における位置決めピン45の駆動機構120は、図6に示されるように、ディスクファイル装置20のキャリッジ5を位置決めピン45によって駆動するものである。位置決めピンの駆動機構120には、位置決めピン45が一端に突設されたスイングアーム121、スイングアームの回転軸122、回転軸122の側面に設けられた2つの反射ミラー123,124、レーザ光の発光装置125、レーザ光の受光装置126、レーザ光を2つに分離するハーフミラー127、及び2つの反射ミラー128,129がある。
【0028】
レーザ光の発光装置125から発射されたレーザ光は、ハーフミラー127で2方向に分離されて一方はそのままスイングアーム121上の反射ミラー124に至り、他方は反射ミラー128で反射してスイングアーム121上の反射ミラー123に至る。反射ミラー123で反射したレーザ光は反射ミラー128とハーフミラー127で反射してレーザ光の受光装置126に到達し、反射ミラー124で反射したレーザ光は反射ミラー129で反射してレーザ光の受光装置126に到達する。
【0029】
レーザ光の受光装置126は、反射ミラー123,124で反射されたレーザ光の入射状況によってディスクファイル装置20のキャリッジ5の回転角度を検出する。ディスクファイル装置20のキャリッジ5の回転角度を変更する場合は、位置決めピンの駆動機構120に制御信号を出力して位置決めピン45でキャリッジ5を押してその回転角度を変更する。
【0030】
以上のように構成されたサーボトラックライタ30により、ディスク媒体2の上にサーボトラックがヘッド6によって書き込まれると共に、リファレンスヘッド35によってディスク媒体2の最外周部にクロック信号が書き込まれる。サーボパターンの書き込みによって形成される記録トラックは、スピンドルモータ3の回転軸に対して同心円状にディスク媒体2の上に形成されている。
【0031】
ところが、図7(a) に示すように、ヘッドによりディスク媒体2の○で示す位置からサーボトラックの書き込みを開始して1周分のサーボパターンを書き込む場合を考えると、ヘッドがディスク媒体2の同心円上に位置している場合、或いは、ヘッドがディスク媒体2の偏心回転に追従して移動するように制御されていた場合には、サーボトラックの書き込み終了時点でヘッドは書き込み開始位置に戻るはずである。ところが、ディスク媒体2に前述のようにディスク媒体2の回転周期に同期しないスピンドル回転非同期連続振動があると、ディスク媒体2に一周分のサーボトラックを書き込んだ後には、ヘッドはこの非同期連続振動によって●で示す位置に戻ってしまい、○で示す書き込み開始位置との間に段差Dが生じてしまう。
【0032】
図7(b) はディスク媒体2が回転している時に、ディスク媒体2の回転周期に非同期の連続振動が加わった場合の、ヘッドの記録トラックからのずれ量の変化(ランアウト)を示すものである。この図から分かるように、例えば、非同期連続振動によるヘッドの軌跡Sが非同期連続振動のない時のヘッドの軌跡Rに一致する点Pからサーボトラックの書き込みを開始し、1周分のサーボトラックを破線で示すようにディスク媒体2に書き込むと、1周分のサーボトラックを書き終えた位置Q(非同期連続振動によるヘッドの軌跡Sの上の点)は、非同期連続振動のない時のヘッドの軌跡Rからずれてしまい、これが図7(a) に示すように段差となって現れるのである。
【0033】
このようなサーボトラックを1周分書き込んだ後の段差をなくすためには、図7(b) に2つの書き込み例を示すように、サーボトラックの書き込み開始時点○におけるヘッドの軌跡Sの非同期連続振動のない時のヘッドの軌跡Rからの変位量を、サーボトラックの書き込み終了時点●におけるヘッドの軌跡Sの軌跡Rからの変位量に一致させるようにすれば良い。
【0034】
ここで前述のスピンドルモータの回転に非同期な連続振動がスピンドルモータの軸受に起因するものであるとして、更に詳しく説明する。STW時のスピンドルモータの回転周波数をfrとし、そのときの軸受振動数をfc、時刻tのときの軸受振動による振動(ランアウト)がsin(2πfct)になるとする。書き始め時刻をtとすると、一周後の時刻は t+1/fr であるから、書き込み開始(終了)点での段差は以下の通りとなる(振幅p:A)。
【0035】
A{sin(2πfct+2πfc/fr)−sin(2πfct)}
=2Asin(πfc/fr)cos(πfc/fr+2πfct)
よって、段差を小さくするには、cos(πfc/fr+2πfct)=0の時刻、即ち、(n−1/2)=fc/fr+2fctからnを整数としてt =(n−1/2)/2fc fr /2に書き始めるのが良い。つまり、1/2fc周期(周波数=2fc)毎に良い時刻が訪れることが分かる。
【0036】
よって、軸受振動数fc、もしくは2倍の回転周波数2fcに同期させてサーボトラックを書き始めるようにすれば良い。そして、軸受振動数fc、もしくは2倍の回転周波数2fcに同期させるためには、スピンドルモータの軸受の振動数を観測しながらSTWすれば良い。
但し、単にスピンドルモータの軸受の振動数にサーボトラックの書き始めを同期させただけでは「最良」になるか「最悪」になるかが不明である。最良の時刻は、ヘッドで見た軸受振動数fcのランアウトがピークとなる時刻から、Δt=(1/fc−1/fr)/2だけ遅れた時刻である。位相としては(1−fc/fr)×180°の遅れとなる。ここで述べた位相はfc<frの場合であるが、fc>frの場合は、負の遅れ、即ち、(fc/fr−1)×180°の進みとなる。
【0037】
段差が最小となるためには、非同期連続振動である軸受振動数fcのランアウトがピークとなる時刻から(1/fc−1/fr)/2だけ遅れた時刻から、サーボトラックの書き込みを開始すれば良いことになる。この位置が図7(b) の左側の書き込み開始点Uで示す位置である。その後、ヘッドを移動し、隣のトラックを書き始める位置は、ヘッド移動後に来る軸受振動数fcのランアウトがピークとなる時刻から(1/fc−1/fr)/2だけ遅れた時刻となり、この時刻が図7(b) の右側の書き込み開始点Vで示す時刻である。従って、軸受振動数fcに同期がとれるようにしておけば、ヘッドの移動時間を考慮してサーボトラックの書き込み開始の時刻を決定することができる。
【0038】
例えば、非同期連続振動数fcが軸受の公転振動数の場合で、スピンドルモータの回転数fr=70Hz、公転振動数fc=42Hzの場合、公転振動がピーク値となる位相から72°遅れの位相から書き込み開始すると、サーボトラックの書き始めと書き終わりとの段差の抑制が最良となる。
ヘッドを使用して測定するランアウトはSTW時は測定できない。そこで、本発明では、予めサーボトラックをいくつかSTWしておき、このSTWしたサーボトラックをヘッドで読み出して位置信号を復調し、ヘッド以外で観測できる非同期連続振動との位相差を検出しておく。そして、この位相差と(1−fc/fr)×180°の遅れを考慮してサーボトラックの書き始めの位相を決定する。この場合、非同期連続振動の位相に変動がないかを、書き込み信号を定期的に確認することによって調べ、変動がある場合はサーボトラックの書き初めの位相を補正する必要がある。
【0039】
前述のスピンドルモータの回転に非同期な連続振動を検出する手段に、ヘッド以外の振動検知手段を用いない場合は、予め幾つかのサーボトラックをSTWした部分からヘッドで位置信号を復調して、観測された非同期連続振動から、STW基準時刻に対して書き込み開始時間を同定してスケジュールをたて、STWを行う方法もある。この場合もスケジュールによる書き込み信号の定期的な確認と補正が必要となる場合がある。
【0040】
ここで、以上の説明した本発明のディスクファイル装置のSTW方法を実現する具体的な実施例について説明するが、まず、最初にスピンドルモータの回転に非同期な連続振動を検出する手段にヘッド以外の検出手段を用いる場合の実施例を説明し、次に、ヘッド以外に非同期な連続振動を検出する振動検知手段を持たない場合の実施例について説明する。
〔第1の実施例〕
第1の実施例は、スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動の検出手段として加速度計を用いたものであり、第1の実施例の方法を実現する装置構成が図8に示される。
【0041】
図8において、20は図6で説明したサーボトラックライタ30に取り付けられたディスクファイル装置であり、その筐体21の中にはスピンドルモータ3によって回転させられるディスク媒体2と、ヘッドを備えたキャリッジ5、およびキャリッジ5を駆動するVCM4が設けられている。第1の実施例では、ディスクファイル装置20の筐体21、もしくはサーボトラックライタ30のディスクファイル装置20の固定治具に加速度計7が取り付けられている。加速度計7の取り付け方法は、バネにより筐体へ押し付けておく方法、ワックス等の粘着物による貼り付けなどが考えられる。また、条件によっては、ディスクファイル装置20に内蔵されて市販後の製品稼動時に使用する、キャリッジやフレキシブル回路基板などに貼り付けられた加速度計の出力を用いることも可能である。加速度計7は少なくとも1箇所に取り付けておき、スピンドルモータ3の回転時の加速度出力を検出し、検出出力を測定器22に入力する。
【0042】
測定器22では、複数箇所に設置された加速度計7からの検出出力に基づいて、ディスクファイル装置20に発生しているスピンドルモータ3の回転に同期しない非同期の連続振動fcを検出する。非同期の連続振動fcは測定器22から演算装置23に入力される。また、ディスクファイル装置20の筐体21には、スピンドルモータ3の回転数frを検出する回転数センサ17が設けられており、この回転数センサ17の出力も演算装置23に入力される。
【0043】
演算装置23は入力される非同期の連続振動fcとスピンドルモータ3の回転数frに基づいてサーボトラックの書き込み時期を決定し、これをSTW装置24に伝える。STW装置24は演算装置23からのサーボトラックの書き込み時期の指示に基づいてサーボトラックライタ30に信号を出力してSTWを行う。演算装置23内では、例えば、スピンドルモータの回転数frと非同期な連続振動fcを狭帯域の帯域通過フィルタ(バンドパスフィルタ:BPF)等で分離してロックする。BPFのかわりに、A/Dコンバータでディジタルサンプリングして離散フーリエ変換(DFT)等により位相を求めることも可能である。
【0044】
非同期連続振動がスピンドルモータ3の転がり軸受に起因する振動(公転振動など)である場合は、転がり軸受の仕様により前述のように振動数が算出され、対象となる振動が複数ある場合にも絞りやすい。
なお、図9は演算装置23内にあるキャリッジ制御の制御ブロック図の一例を示すものであるが、ここではこの機能についての説明を省略する。
【0045】
次に、第1の実施例におけるディスクファイル装置のSTW方法の手順について説明する。
STWの方法としては、まず、通常通りのSTW手順に従い、サーボトラックを最初の数トラック分書き込む。ここで停止させ、サーボトラックの書き込みを行ったディスクファイル装置20のヘッド自身でオントラック位置での位置信号出力を観測する。
【0046】
非同期連続振動fcについては、ヘッド位置信号出力と、加速度計7の出力の両者での位相差を測定しておき、ヘッド位置信号において、非同期連続振動fcの振幅がピークとなる位相から(1−fc/fr)×180°だけ遅れた位相(fc<frの場合)から、サーボトラックの書き込みを開始できるように、加速度計7の出力の非同期連続振動fcにおける位相を、加速度計7の出力の非同期連続振動fcにロックしながら検出しておく。
【0047】
そして、加速度計7の出力の非同期連続振動fcを基準にして、検出した位相タイミングでサーボトラック書き込みを行う。非同期連続振動fcに対して常にロックしているのであれば、位相の補正は常時行われていると考えられる。従って、軸受振動の検出周波数精度が高い場合は、常にロックさせておく必要はなく、定期的に加速度計7の出力の非同期連続振動fcの位相をチェックするだけでも良い。
【0048】
ここで、非同期連続振動fcとして軸受の公転振動について検討してみる。例えば、スピンドルモータ3の回転数fr=70Hz、非同期連続振動fc=43Hz(軸受の公転振動)の場合、それぞれの1周期時間は14.3msec、23.3msecである。非同期連続振動fcに同期させてSTWを行うとすると、半周期間隔で書き込み開始(終了)点での段差を抑制する位相が来るので、11.7msec間隔となる。ただし、1周の書き込み時間は14.3msecであるから、1周の書き込み終了後のヘッド移動時間が9msec以内であれば、非同期連続振動の1周期間隔でSTWを進めることが最適となる。この条件において、ヘッド移動時間を3msecとし、位相の許容範囲を広げた場合に、STW時間を限りなく短縮する条件では、±40度までは1周期間隔のSTWスケジュールとなったが、±40度での書き込み開始時刻と終了時刻での非同期連続振動の振幅差が、非同期連続振動振幅(pp)の5割以上となってしまう。振幅差を非同期連続振動振幅(pp)の1割程度に抑えるとすると、±5度以下程度に抑えるのが適当である。
〔第2の実施例〕
第2の実施例は、スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動の検出手段として変位計を用いたものであり、第1の実施例の方法と異なる点は、加速度計の代わりに変位計を使用した点のみである。従って、第2の実施例を実現する装置構成は、図7おける加速度計7が変位計8に置き替わっただけであるので、図10(a) ,(b) には第2の実施例に使用する変位計8の種類と取付位置を2種類示す。
【0049】
第2の実施例は、非同期連続振動fcの検出手段として変位計8を用いたものであり、ディスク媒体2、もしくはスピンドルモータ3の回転部(ハブ等)で測定される変位計8の出力から非同期連続振動fcを検出している。変位計8の設置場所(測定箇所)は、軸受の公転成分のようにラジアル方向およびアキシアル方向に観測される軸受振動の場合は、図10(a) に示すように、変位計8をディスク媒体2のラジアル方向と、アキシアル方向の両方に設けている。
【0050】
また、変位計8は、図6で説明したサーボライタ30の位置決めピン45に取り付けることもできる。この場合は、位置決めピン45の内周側から外周側で、ヘッド位置が回転方向にずれることを補正できるというメリットがある。
更に、変位計8に静電容量型センサや渦電流センサなどを使用する場合の測定箇所は、ディスクファイル装置の場合、ディスク媒体2の端部、スピンドルモータ3の上側(クランパ上側)、などであり、プローブ設置用に筐体21に孔を設けるか、筐体21をオープンにした状態で測定可能である。
【0051】
更にまた、レーザ変位計やLDV(レーザドップラ振動計)などを使用する場合の測定箇所は、ディスクファイル装置の場合、図10(b) に示すように、ディスク媒体2の上面、もしくは下面、スピンドルモータ3の上側(クランパ上側)、ディスク間のスペーサリング端、などである。ディスクファイル装置のハウジングに孔を設ける必要はあるが、オープンにしておく必要はなく、ガラスのように光透過性のもので覆ってあっても測定可能である。
【0052】
第2の実施例のSTW方法は、前述した第1の実施例と同様であり、加速度計7の出力のかわりに変位計8の出力を使用し、変位計8の出力から検出した非同期連続振動fcを図8の演算装置23内でBPF等で分離してロックしながら、サーボトラックの書き込み開始位置を検出しておく。
変位計8の出力の非同期連続振動fcを基準にして、検出した位相でサーボトラックの書き込みを行う。非同期連続振動fcに対して常にロックしているのであれば、位相の補正は常時行われていると考えられる。軸受振動の検出周波数精度が高い場合は、常にロックさせておく必要はなく、定期的に位相をチェックするだけでも良い。
〔第3の実施例〕
スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動の検出手段として、第1の実施例では加速度計、第2の実施例では変位計を用いていたが、第3の実施例では非同期連続振動の検出手段として、ディスクファイル装置内にあるヘッド自身が使用されており、このヘッドでSTWした信号を同じヘッドで読み込むことにより、読み込んだ信号から非同期連続振動を検出している。スピンドルモータの回転精度がよく、非同期連続振動が安定して生じている場合には、第1、第2の実施例のように常時、非同期連続振動を観測しなくても、いくつかのトラックの書き込み後に1度、位相をチェックしていけばよい。
【0053】
STWの方法としては、まず通常通りのSTW手順に従い、データゾーン最初の数トラックにヘッドの位置決め信号を書き込む。ここで書き込みを一時停止させ、ヘッドを位置決めして位置信号出力を読み出す。そして、位置信号に含まれる非同期連続振動fcの振幅のピークとなる位相から(1−fc/fr)×180°だけ遅れた位相(fc<frの場合)で書き込み開始するように、インデックス信号を基準時刻として、各サーボトラックのライト開始可能時刻のスケジュールをたてる。即ち、ヘッドの位置決め信号のそれぞれの書き始めのポイントを、何セクタ、何セクタとスケジュールをたてて予め定めておいた複数のサーボトラック分のSTWを行うのである。
【0054】
非同期連続振動周波数fcの同定は、離散フーリエ変換(DFT)や最大エントロピ法(MEM)により精度良く求めることができる。また、非同期連続振動周波数fcの位相の検出はDFT等で行う。この測定精度によって書き込み精度が決定される。基準時刻は、スピンドルモータの回転に対して設定するか、あるいは予めディスク媒体の最外周部にリファレンスヘッドによって書き込まれたクロック信号を同じリファレンスヘッドで再生して得られるクロック(サンプル)信号に対して設定することができる。測定精度を上げるために非同期連続振動fcに関する位相のチェックを行う必要がある。
【0055】
このように、サーボトラックのライト開始可能時刻のスケジュールをたててSTWを行う第3の実施例では、加速度計や変位計のように常時、非同期連続振動fcを観察する場合に比べて、非同期連続振動fcの位相のチェックおよび補正頻度を増やす必要がある。例えば、200周毎に非同期連続振動fcの位相のチェックおよび補正頻度を行う実施例の手順を以下示す。
【0056】
(1) 適当な位置に1トラックSTWを行う。
(2) ヘッドを位置決めして復調し、200周分の軸受振動数を測定する。
(3) 測定された振動数をもとに数周で位相を同定する。
(4) この位相をもとに200トラック分のSTWスケジュールを立てる。
(5) 200トラックのSTWを行う。
【0057】
(6) 途中で割込みが無い場合は、 (3)〜(5) を繰り返す。
(7) (3) で測定した位相が前回のスケジュール時に予想した位相に対し大幅に異なっていた場合はその前の200トラックのSTWをやり直す。
ここで、スケジュールの例を示すが、第1の実施例で説明したように、スピンドルモータ3の回転数fr=70Hz、非同期連続振動fc=43Hzの場合、サーボトラック1周分のSTWを行う時間は14.3msecであり、非同期連続振動の周期は23.3msecである。そして、第3の実施例でも、ある記録トラックにおけるサーボトラックの書き込み開始点と書き込み終了点の段差を無くすために、非同期連続振動fcに同期させてSTWを行う。この場合、非同期連続振動fcの半周期間隔11.7msecで書き込み開始点での段差を抑制する位相が来るので、1周の書き込み時間は14.3msecであるから、あるサーボトラックのSTWを終了した後の9msec後(14.3msec+9msec=23.3msec)に隣接するサーボトラックのSTWを開始すれば良い。
【0058】
第3の実施例では、ヘッドの記録トラック間の移動時間が 3.2ms(<9msec)であったので、ヘッドを隣接トラック位置に移動させた後に、5.8ms 待ってこのトラックへのSTWを開始すれば良いことになる。また、第1の実施例で説明したように、振幅差を非同期連続振動振幅(pp)の1割以内に抑えるために、第3の実施例では、許容位相角を±2度とした。この場合のSTWのスケジュールを6記録トラック分示すと以下に示すようになる。なお、1つの記録トラックには00セクタから59セクタまでの60セクタがあるものとする。
【0059】
書込開始周 00 02 04 05 07 08 …
書込開始セクタ 44 22 00 38 16 54 …
書込終了周 01 03 04 06 08 09 …
書込終了セクタ 43 21 59 37 15 53 …
これを図示すると図11(a) のようになる。
【0060】
図11(b) は図11(a) に対比させて示す従来のSTWによるサーボトラックの書込状況を示すものである。従来法では、1つのサーボトラック分のSTWが終了すると、隣接するトラック位置にヘッドを移動させ、直ちにSTWを行っていた。すなわち、ある記録トラック1周分のSTWを14.3msecの時間で行った後に、 3.2msの時間でヘッドを隣接する記録トラック位置に移動させて直ちに次のSTWを行っていた。ヘッドの移動時間の 3.2msの間にヘッドの下を通過したセクタ数は14であるので、従来のサーボトラックの書込セクタは以下のようになる。この場合の許容位相各は±90°である。
【0061】
書込開始周 00 01 02 03 04 06 …
書込開始セクタ 00 13 26 39 52 05 …
書込終了周 00 02 03 04 05 07 …
書込終了セクタ 59 12 25 38 51 04 …
この従来例のSTWによれば、図11(b) から分かるように、サーボトラックの書込開始点と書込終了点の段差が大きくなっていることがわかる。
〔第4の実施例〕
第4の実施例では、スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動の検出手段として、ディスク媒体の最外周部にリファレンスヘッドで書き込まれたリファレンス信号(クロック信号)を使用している。リファレンス信号は周波数と振幅が一定の信号であるが、この信号の書込時にディスク媒体への書込時に非同期な連続振動があると、書き込まれたリファレンス信号も振動している。
【0062】
そこで、第4の実施例では、リファレンス信号を書き込んだ後、リファレンスヘッドの位置を方向に動させ、リファレンス信号をオフセット位置で再生する。すると、リファレンスヘッドから再生される信号は、図12(a) に示すように、リファレンス信号を書き込んだ時の非同期な連続振動による振動成分がモジュレーションの形、即ち、振幅が増減する形で観測できる。観測されるモジュレーションはランアウトと考えることができるので、これによりランアウトを算出し、非同期連続振動成分fcを検出する。スピンドルモータの回転精度が良く、非同期連続振動が安定して生じている場合には、前述のように、いくつかのトラックへのサーボトラックの書き込み毎に位相をチェックするだけでよい。
【0063】
STWの方法としては、まず従来のSTW手順に従い、リファレンスヘッド用のクロック信号を書き込んだ所で、リファレンスヘッドの位置を径方向にオフセットさせ、この位置でこのクロック信号を読み出してモジュレーションを観測する。そして、このモジュレーションからランアウトを算出し、非同期連続振動fcを分離してロックする。図12(b) に算出した繰り返しランアウト(RRO)を示す。
【0064】
そして、第4の実施例では、この非同期連続振動fcの振幅のピークとなる位相から、(1−fc/fr)×180°だけ遅れた位相(fc<frの場合)でサーボトラックを書き込み開始するように、インデックス信号(リファレンス信号)を基準時刻として、各サーボトラックのライト開始可能時刻のスケジュールを第3の実施例と同様にたてる。このスケジュールをたててSTWを行う方法は第3の実施例と同じであるので、ここではその説明を省略する。
〔第5の実施例〕
第5の実施例では、非同期連続振動の検出手段として、これまで説明した実施例で使用したリファレンスヘッドとディスクファイル装置に内蔵されたヘッド以外の、第3種のヘッドを使用する。第5の実施例は、この第3種のヘッドとして通常の磁気ヘッドを使用する場合である。
【0065】
図13に示すように、ディスクファイル装置の筐体21に内蔵されたキャリッジのアーム6Aの先端に設けられたヘッド6によってSTWを行うゾーンと、ディスク媒体2の最外周部にクロック信号を書き込むリファレンスヘッド9が使用するゾーン以外の場所で、信号の書き込みが可能な場所に第3種のヘッド13は設置されている。第3種のヘッド13による書き込み信号は、STWで書き込むサーボトラック信号のようなものでも良い。この場合には、復調信号から直接、非同期連続振動fcを観測しながら、第1、第2の実施例のようにSTWを行うことが可能である。また、リファレンス信号のようなバースト信号を書き込む場合でも、第4の実施例のようにモジュレーションからランアウトを測定して非同期連続振動fcを観測しながら、STWを行うことができる。
〔第6の実施例〕
第6の実施例は、第5の実施例において使用した第3種のヘッド13を、光学クロックヘッド19で置き換えた場合のものである。
【0066】
光学クロックヘッド19の設置場所は、第5の実施例と同様に、ディスクファイル装置内のヘッド6によってSTWを行うゾーンと、リファレンスヘッド9が使用するゾーン以外の場所で、信号の書き込みが可能な場所とすれば良い。ところが、光学クロックヘッド19は、特開平5−303852号公報に開示があるように、従来のSTWに使用されているクロックヘッド9の機能を兼ねることが可能である。従って、クロックヘッドとしてリファレンスヘッド9を使用せずに、光学クロックヘッド19を使用する場合は、光学クロックヘッド19の設置場所は、図14に示すように、図13で説明したリファレンスヘッド9があった場所で良い。
【0067】
第6の実施例では、光学クロックヘッド19によるフォーカス制御のサーボ信号をアキシアルランアウト検出として利用して、非同期連続振動fcの検出を行い、この信号を観測しながらSTWを行う。STWの方法は第5の実施例と全く同じようにできる。
〔第7の実施例〕
以上説明した第1から第6の実施例では、スピンドルモータの回転に非同期な連続振動fcの位相を検出して、ディスク媒体へのサーボトラックの書き込み開始点と書き込み終了点の間に段差が生じないように、サーボトラックの書き込み開始点を決定していた。一方、第7の実施例は、非同期連続振動fcをこれまでの第1から第6の実施例における検出手段を使用して検知する点は同じであるが、検出した非同期連続振動fcを打ち消すような振動を逆にSTWを行うキャリッジに与える点が異なる。即ち、第7の実施例では、非同期連続振動fcに同期して、この振動を抑制してSTWを行うものである。
【0068】
従って、非同期連続振動fcの検知手段は、前述の加速度計、変位計、ディスクファイル装置内のヘッド、リファレンスヘッド、もしくは第3種のヘッドの何れであっても良い。非同期連続振動fcに同期してSTWを行うヘッドを非同期連続振動fcとは位相が180°異なる振動で駆動する手段は、図6で説明したサーボトラックライタ30の位置決めピンの駆動機構でも良く、また、ディスクファイル装置のキャリッジとヘッドとの間に位置するロードビームに設けたヘッドの微小移動機構でも良い。このヘッドの微小移動機構については、本出願人がすでにロードビームに圧電素子を取り付けて、この圧電素子に印加された電圧の大小でロードビームを伸縮させ、ヘッドをキャリッジの動作に関係なく、微小に移動させることができるものを出願しており、これを使用すれば良い。
【0069】
第7の実施例では、まず従来のSTW手順に従い、ヘッドの位置信号を読み出し、ヘッドの位置信号として書き込まれる非同期連続振動fcの位相と振幅を測定する。サーボセクタ数をm,スピンドルモータの回転周波数をfr、軸受振動数をfcとして,i番目のサーボトラックを書き始めるサーボセクタ番号をn(i)としたとき、隣接するサーボトラックで、ほぼ下式を満たすようにSTWを行う。なお、ここで、“mod"は後続の数値mに対する剰余の解を得る演算子を意味するものである。
【0070】
n(i) = (n(i-1) +mfr/fc)mod m
STW中も常時、非同期連続振動fcを観測できる検知手段の場合、即ち、検知手段が、加速度計、変位計、或いは、STWクロックヘッドを兼ねない第3種ヘッドの場合、ヘッドからの位置信号出力と検知手段からの検知出力における非同期連続振動fcの位相差を考慮して、検知出力の非同期連続振動fcに同期させて書き込まれる振幅を抑制するように、振幅、位相を調整してSTW中にヘッドを移動させるアクチュエータを加振するタイミングを算出する。そして、このタイミングで前述のサーボトラックライタ30のような外部アクチュエータ、あるいはキャリッジとヘッドとの間に設けられたヘッドの微小移動機構を加振して、非同期の連続振動fcを打ち消しながらSTWを行う。
【0071】
STW中に常時、非同期連続振動fcを観測しない検知手段の場合、即ち、ディスクファイル装置のヘッド、リファレンスヘッド、或いは、リファレンスヘッドを兼ねる第3種ヘッドの場合、第3の実施例で説明したように、あるインデックス信号を基準時刻として、STWで書き込まれる非同期連続振動fcを抑制するような加振の振幅、位相を調整しておき、前述のサーボトラックライタ30のような外部アクチュエータ、あるいはキャリッジとヘッドとの間に設けられたヘッドの微小移動機構を加振して、非同期の連続振動fcを打ち消しながらSTWを行う。
【0072】
なお、以上説明した実施例では、非同期の連続振動fcが単一の周波数の軸受振動である場合について説明したが、非同期の連続振動fcが複数の周波数である場合、例えば、複数の軸受振動の場合、に対して同時に適用することも可能である。非同期の連続振動fcが複数の場合は、最初に書き込んだサーボトラックの情報を復調して得られたスペクトラムから、周波数と振幅を考慮して、影響の大きいいくつかの軸受振動に対して適用するようにすれば良い。また、ディスクファイル装置自身が有するスピンドル振動だけでなく、つまりディスクファイル装置とは別のスピンドルへディスク媒体を積層してSTWを行う場合、そのスピンドルに対して適用することも可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のディスクファイル装置のSTW方法によれば、ディスクファイル装置におけるサーボトラックの品質向上、およびディスクファイル装置の高トラック密度化を実現することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスク媒体上のサーボトラックとセクタの配置を示す摸式図である。
【図2】 (a) はサーボパターンの説明図、(b) はヘッドの出力特性図である。
【図3】 (a) は従来のSTWを説明する図、(b) はディスク媒体上のサーボトラックを示す図である。
【図4】 (a) ,(b) はアクチュエータの追従特性の例を示す特性図である。
【図5】 (a) ,(b) はSTW時に書き込まれたスピンドル回転同期ランアウトの段差が小さい時と大きい時のヘッド位置信号の挙動差を説明する特性図である。
【図6】サーボトラックライタの要部平面図である。
【図7】 (a) はSTW時のサーボトラックの書き込み開始点と終了点の段差を説明する図、(b) は非同期連続振動が生じている時の従来のSTWと、本発明のSTWとを対比して説明する特性図である。
【図8】本発明のディスクファイル装置の第1の実施例のSTW方法に使用する装置の構成を示す構成図である。
【図9】本発明のディスクファイル装置におけるキャリッジ制御の制御ブロック図である。
【図10】 (a) ,(b) は本発明のディスクファイル装置の第の実施例のSTW方法に使用する変位計の配置を説明する図である。
【図11】 (a) は本発明の第3の実施例によるSTWを説明する図、(b) は従来のSTWを説明する図である。
【図12】 (a) は本発明の第4の実施例においてヘッドから読み取られるリファレンス信号を示す波形図、(b) は(a) の波形図から算出される非同期連続振動を示す波形図である。
【図13】本発明のディスクファイル装置の第5の実施例のSTW方法に使用する第3種のヘッドの配置を説明する図である。
【図14】本発明のディスクファイル装置の第6の実施例のSTW方法に使用する第3種のヘッドの配置を説明する図である。
【符号の説明】
2…ディスク媒体
3…スピンドルモータ
5…キャリッジ
6…ヘッド
7…加速度計
8…変位計
9…リファレンスヘッド
13…第3種のヘッド
17…回転数センサ
19…光学クロックヘッド
20…ディスクファイル装置
21…筐体
22…測定器
23…演算装置
24…STW装置
30…サーボトラックライタ
35…リファレンスヘッド
45…位置決めピン

Claims (5)

  1. スピンドルモータに回転させられる少なくとも1枚のディスク媒体と、このディスク媒体に対してデータの記録、再生を行うヘッドと、このヘッドの移動機構とを少なくとも備え、このディスク媒体の記録面には複数のセクタに分割された記録トラックが同心円状に形成され、各セクタのトラックには前記ヘッドの位置決め情報が予め書き込まれているディスクファイル装置におけるサーボトラックの書き込み方法であって、
    前記スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動を検出するステップと、
    検出された非同期な連続振動の位相を検出するステップと、
    検出された非同期な連続振動の位相に基づいて、前記各サーボトラックの、書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタ、または書き始め、もしくは書き終わり時刻を決定するステップと、
    前記ヘッドの移動機構によって前記ヘッドをヘッドの位置決め情報を書き込む記録面上で移動させ、前記書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタに基づいて前記情報を書き込むステップと、
    前記スピンドルモータの回転数を検出するステップと、
    STW方法によって前記ディスク媒体に予め所定数のトラック分のヘッドの位置決め情報を書き込むステップと、
    前記ヘッドの位置決め情報を書き込んだ前記所定数のトラックを同じヘッドで読み出して、ヘッド位置信号出力の位相を検出するステップと、
    前記ヘッド位置信号出力の位相と前記非同期な連続振動の位相の位相差を測定するステップとを備え、
    前記各サーボトラックの書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタを決定するステップにおいて、前記非同期な連続振動の周波数をfc、前記スピンドルモータの回転数をfrとして、fc<frの場合は、前記非同期な連続振動の振幅がピークとなる位相〔(1−fc/fr)×180〕°だけ遅れた位置をサーボトラックの書き込み開始位置とし、fc>frの場合は、〔(fc/fr−1)×180〕°だけ進んだ位置をサーボトラックの書き込み開始位置とすることを特徴とするディスクファイル装置のSTW方法。
  2. スピンドルモータに回転させられる少なくとも1枚のディスク媒体と、このディスク媒体に対してデータの記録、再生を行うヘッドと、このヘッドの移動機構とを少なくとも備え、このディスク媒体の記録面には複数のセクタに分割された記録トラックが同心円状に形成され、各セクタのトラックには前記ヘッドの位置決め情報が予め書き込まれているディスクファイル装置におけるサーボトラックの書き込み方法であって、
    前記スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動を検出するステップと、
    検出された非同期な連続振動の位相を検出するステップと、
    検出された非同期な連続振動の位相に基づいて、前記各サーボトラックの、書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタ、または書き始め、もしくは書き終わり時刻を決定するステップと、
    前記ヘッドの移動機構によって前記ヘッドをヘッドの位置決め情報を書き込む記録面上で移動させ、前記書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタに基づいて前記情報を書き込むステップと、
    前記スピンドルモータの回転数を検出するステップと、
    STW方法によって前記ディスク媒体に予め所定数のトラック分のヘッドの位置決め情報を書き込むステップと、
    前記ヘッドの位置決め情報を書き込んだ前記所定数のトラックを同じヘッドで読み出すステップとを備え、
    前記スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動を検出するステップが、前記ヘッド位置信号の位相を検出することにより、前記非同期な連続振動を検出するステップを含み、
    前記各サーボトラックの書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタを決定するステップにおいて、前記非同期な連続振動の周波数をfc、前記スピンドルモータの回転数をfrとして、fc<frの場合は、前記非同期な連続振動の振幅がピークとなる位相から〔(1−fc/fr)×180〕°だけ遅れた位置をサーボトラックの書き込み開始位置とし、fc>frの場合は、〔(fc/fr−1)×180〕°だけ進んだ位置をサーボトラックの書き込み開始位置とし、
    前記サーボトラックに前記情報を書き込むステップが、全記録トラックのうちの前記情報を書き込む複数のトラック分の情報書き込みスケジュールを立てるステップと、このスケジュールに従って前記複数のサーボトラックにヘッドの位置決め情報を書き込むステップとを含むことを特徴とするディスクファイル装置のSTW方法。
  3. 請求項2に記載のディスクファイル装置のSTW方法において、更に、
    前記ヘッド位置信号出力の位相を検出するステップで検出した位相と、前回のスケジュール時に検出された位相との位相差を検出するステップと、
    この位相差が所定値を越えていた場合は、STW方法によって前記ディスク媒体に予め所定数のトラック分のヘッドの位置決め情報を書き込むステップ以降のステップをやり直させるステップとを備えることを特徴とするディスクファイル装置のSTW方法。
  4. スピンドルモータに回転させられる少なくとも1枚のディスク媒体と、このディスク媒体に対してデータの記録、再生を行うヘッドと、このヘッドの移動機構とを少なくとも備え、このディスク媒体の記録面には複数のセクタに分割された記録トラックが同心円状に形成され、各セクタのトラックには前記ヘッドの位置決め情報が予め書き込まれているディスクファイル装置におけるサーボトラックの書き込み方法であって、
    前記スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動を検出するステップと、
    検出された非同期な連続振動の位相を検出するステップと、
    検出された非同期な連続振動の位相に基づいて、前記各サーボトラックの、書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタ、または書き始め、もしくは書き終わり時刻を決定するステップと、
    前記ヘッドの移動機構によって前記ヘッドをヘッドの位置決め情報を書き込む記録面上で移動させ、前記書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタに基づいて前記情報を書き込むステップと、
    前記スピンドルモータの回転数を検出するステップと、
    リファレンスヘッドを前記最外周部で前記クロック信号の書き込み後に微動させるステップとを備え、
    前記スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動を検出するステップが、前記リファレンスヘッドから検出される前記クロック信号のモジュレーションを観測するステップと、観測したモジュレーションから前記非同期な連続振動の位相を検出するステップとを含み、
    前記各サーボトラックの書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタを決定するステップにおいて、前記非同期な連続振動の位相の周波数をfc、前記スピンドルモータの回転数をfrとして、fc<frの場合は、前記非同期な連続振動の振幅がピークとなる位相から〔(1−fc/fr)×180〕°だけ遅れた位置をサーボトラックの書き込み開始位置とし、fc>frの場合は、〔(fc/fr−1)×180〕°だけ進んだ位置をサーボトラックの書き込み開始位置とし、
    前記情報を書き込むステップが、全記録トラックのうちの前記情報を書き込む複数のトラック分の情報書き込みスケジュールを立てるステップと、このスケジュールに従って前記複数のヘッドの位置決め情報を書き込むステップとを含むことを特徴とするディスクファイル装置のSTW方法。
  5. スピンドルモータに回転させられる少なくとも1枚のディスク媒体と、このディスク媒体に対してデータの記録、再生を行うヘッドと、このヘッドの移動機構とを少なくとも備え、このディスク媒体の記録面には複数のセクタに分割された記録トラックが同心円状に形成され、各セクタのトラックには前記ヘッドの位置決め情報が予め書き込まれているディスクファイル装置におけるサーボトラックの書き込み方法であって、
    前記スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動を検出するステップと、
    検出された非同期な連続振動の位相を検出するステップと、
    検出された非同期な連続振動の位相に基づいて、前記各サーボトラックの、書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタ、または書き始め、もしくは書き終わり時刻を決定するステップと、
    前記ヘッドの移動機構によって前記ヘッドをヘッドの位置決め情報を書き込む記録面上で移動させ、前記書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタに基づいて前記情報を書き込むステップと、
    前記スピンドルモータの回転数を検出するステップと、
    前記ヘッド及びリファレンスヘッド以外の第3のヘッドにより、前記ディスク媒体の前記STWを行うゾーンと前記リファレンス信号の書き込まれたゾーン以外の場所に、少なくとも1トラック分のヘッドの位置決め情報を書き込むステップと、
    前記ヘッドの位置決め情報を書き込んだ前記トラックを、前記第3のヘッドで読み出すステップとを備え、
    前記スピンドルモータの回転数に非同期な連続振動を検出するステップが、前記第3のヘッドで読み出したヘッド位置信号の位相を検出することにより、前記非同期な連続振動を検出するステップを含み、
    前記各サーボトラックの書き始めセクタ、もしくは書き終わりセクタを決定するステップにおいて、前記非同期な連続振動の位相の周波数をfc、前記スピンドルモータの回転数をfrとして、fc<frの場合は、前記非同期な連続振動の振幅がピークとなる位相から〔(1−fc/fr)×180〕°だけ遅れた位置をサーボトラックの書き込み開始位置とし、fc>frの場合は、〔(fc/fr−1)×180〕°だけ進んだ位置をサーボトラックの書き込み開始位置とすることを特徴とするディスクファイル装置のSTW方法。
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