JP3780727B2 - 車両用シートベルト装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、後突予知手段によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された時点で、シートベルトを巻き取るプリテンショナーを作動させるように制御する制御手段を備えた車両用シートベルト装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平6−286581号公報に示されるように、シートに着座した乗員に装着可能なシートベルトと、作動信号の入力により上記シートベルトを初期位置から巻き取って第1の張力を発生させ、乗物衝突回避の操作が可能な範囲で上記乗員を拘束する第1のプリテンショナー機構と、作動信号の入力により上記第1の張力状態にあるシートベルトを巻き取って第2の張力を発生させ、乗物衝突に対して乗員を拘束する第2のプリテンショナー機構と、上記乗物の衝突を予測して上記第1のプリテンショナー機構に作動指令信号を出力する第1の指令手段と、乗物の衝突を判断して上記第2のプリテンショナー機構に作動指令信号を出力する第2の指令手段とを備えた乗物用シートベルト装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように乗物の衝突が予測された時点で、プリテンショナーを作動させてシートベルトを巻き取るように構成した場合には、後突発生時に乗員の前方移動を防止して乗員を保護することができるという利点を有する反面、車両の後退時に、自車両の後方側に障害物が存在するために自車両に後突が発生する可能性があると判断されると、上記第1のプリテンショナーが作動状態となって乗員の体が不必要に拘束されて乗員が違和感を受け易いという問題がある。
【0004】
すなわち、上記後退時に乗員は後方を十分に注目していると考えられるため、自車両の後方側に障害物が存在する場合においても後突を回避できる可能性が高く、このような場合に、自車両の後方側に位置する障害物を検出する障害物センサの検出信号に応じて上記プリテンショナーを作動させると、乗員の体が不必要に拘束されることになる。特に、運転席に着座した運転者が後ろ向きの状態で、上記プリテンショナーが作動状態となると、運転姿勢が不必要に拘束されるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑み、後突予知手段によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された場合等に、乗員に違和感を与えることなく、必要時に乗員を効果的に保護することができる車両用シートベルト装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、後突予知手段によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された時点で、シートベルトを巻き取るプリテンショナーを作動させるように制御する制御手段を備えた車両用シートベルト装置であって、自車両が後退状態にあることを検出する後退検出手段と、この後退検出手段によって自車両が後退状態にあることが検出された場合に、上記プリテンショナーの作動を規制する規制手段とを備えたものである。
【0007】
上記構成によれば、後突予知手段によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された時点で、後退検出手段の検出信号に応じて自車両が後退状態にあるか否かが判別され、車両が後退状態にあることが確認されると、上記規制手段によってプリテンショナーの作動が規制されることにより、シートベルトの巻取が抑制されることになる。
【0008】
請求項2に係る発明は、上記請求項1記載の車両用シートベルト装置において、運転席に設けられたプリテンショナーの作動を上記規制手段によって規制するように構成したものである。
【0009】
上記構成によれば、後突予知手段によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された場合には、後退検出手段の検出信号に応じて自車両が後退状態にあるか否かが判別され、自車両が後退状態にあることが確認されると、運転席に設けられたプリテンショナーの作動が上記規制手段によって規制されることにより、運転者の姿勢がシートベルトによって不必要に拘束されることが抑制される。
【0010】
請求項3に係る発明は、上記請求項1又は2記載の車両用シートベルト装置において、上記規制手段は、後退検出手段によって自車両が後退状態にあることが検出された場合に、プリテンショナーの作動を禁止するものである。
【0011】
上記構成によれば、後突予知手段によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された場合には、後退検出手段の検出信号に応じて自車両が後退状態にあるか否かが判別され、自車両が後退状態にあることが確認されると、上記規制手段によりプリテンショナーの作動が禁止されてシートベルトの巻取が防止されることになる。
【0012】
請求項4に係る発明は、上記請求項1又は2記載の車両用シートベルト装置において、上記規制手段は、後退検出手段によって自車両が後退状態にあることが検出された場合に、プリテンショナーによるシートベルトの巻取力を低減させるものである。
【0013】
上記構成によれば、後突予知手段によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された場合には、後退検出手段の検出信号に応じて自車両が後退状態にあるか否かが判別され、車両が後退状態にあることが確認されると、上記規制手段によってプリテンショナーの巻取力が低減されることにより、通常時よりも小さな力でシートベルトが巻き取られることになる。
【0014】
請求項5に係る発明は、上記請求項1又は2記載の車両用シートベルト装置において、上記制御手段は、衝突予知手段によって検出された後突発生確率に基づいてプリテンショナーを作動させるか否かを判断するとともに、上記規制手段は、後退検出手段によって自車両が後退状態にあることが検出された場合に、プリテンショナーを作動させるか否かの判断基準となる後突発生確率の基準値を増大補正するものである。
【0015】
上記構成によれば、後退検出手段の検出信号に応じて自車両が後退状態にあることが確認された場合には、後突予知手段によって検出された後突発生確率が、大きな値に補正された基準値を越えるまで、プリテンショナーの作動が規制されてシートベルトの巻取が抑制されることになる。
【0016】
請求項6に係る発明は、上記請求項1〜5の何れかに記載の車両用シートベルト装置において、自車両の後方側に近付く障害物と自車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段を備え、この相対速度検出手段の検出信号に応じて上記相対速度が予め設定された基準値以上であることが確認された場合には、上記規制手段によるプリテンショナーの作動規制を行わないように構成したものである。
【0017】
上記構成によれば、相対速度検出手段によって検出された自車両の後方側に近付く障害物と自車両との間の相対速度が予め設定された基準値以上であり、自車両が所定速度以上で後退して上記障害物に急接近しつつあることが確認された場合等には、上記後突予知手段によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された時点で、上記プリテンショナーが作動状態となってシートベルトが巻き取られることになる。
【0018】
請求項7に係る発明は、請求項1〜5の何れかに記載の車両用シートベルト装置において、自車両の後退速度を検出する後退速度検出手段を備え、この後退速度検出手段の検出信号に応じて自車両の後退速度が予め設定された基準値以上であることが確認された場合には、上記規制手段によるプリテンショナーの作動規制を行わないように構成したものである。
【0019】
上記構成によれば、後退速度検出手段によって検出された自車両の後退速度が予め設定された基準値以上であり、自車両が所定速度で後退して障害物に急接近しつつあることが確認された場合等には、上記後突予知手段によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された時点で、上記プリテンショナーが作動状態となってシートベルトが巻き取られることになる。
【0020】
請求項8に係る発明は、後突予知手段によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された時点で、シートベルトを巻き取るプリテンショナーを作動させるように制御する制御手段を備えた車両用シートベルト装置であって、シフトレバーがリバース側に操作されているか否かを検出する後退検出手段と、この後退検出手段の検出信号に応じてシフトレバーがリバース側に操作されていることが確認された場合に、上記プリテンショナーの作動を規制する規制手段と、自車両の走行速度を検出する車速検出手段とを備え、この車速検出手段の検出信号に応じて車速が0であることが確認された場合には、上記規制手段によるプリテンショナーの作動規制を行わないように構成したものである。
【0021】
上記構成によれば、後突予知手段によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された時点で、シフトレバーがリバース側に操作されている場合には、車速検出手段の検出信号に応じて車速が0であるか否かが判別され、車速が0であることが確認されると、上記プリテンショナーが作動状態となってシートベルトが巻き取られ、車両側が0でないことが確認された場合には、上記規制手段によってプリテンショナーの作動が規制されることにより、シートベルトの巻取が抑制されることになる。
【0022】
請求項9に係る発明は、上記請求項1〜8の何れかに記載の車両用シートベルト装置において、乗員の着座姿勢を検出する姿勢検出手段を備え、この姿勢検出手段の検出信号に応じて乗員が後ろ向きの姿勢でないことが確認された場合には、上記規制手段によるプリテンショナーの作動規制を行わないように構成したものである。
【0023】
上記構成によれば、後突予知手段によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された時点で、姿勢検出手段によって乗員が後ろ向きの着座姿勢であるか否かが判別され、乗員が後ろ向きの着座姿勢でないことが確認されると、上記プリテンショナーが作動状態となってシートベルトが巻き取られることになる。
【0024】
請求項10に係る発明は、上記請求項1〜9の何れかに記載の車両用シートベルト装置において、自車両に前突が発生する可能性があることを検出して前突予知信号を出力する前突予知手段を備え、この前突予知手段から前突予知信号が出力された場合に、上記規制手段によるプリテンショナーの作動規制を行うことなく、上記制御手段によりプリテンショナーを作動させるように構成したものである。
【0025】
上記構成によれば、前突予知手段によって自車両に前突が発生する可能性があることが検出された場合には、上記規制手段によるプリテンショナーの作動規制が行われることなく、上記前突予知手段から前突予知信号出力された時点で、プリテンショナーが作動状態となって、シートベルトが巻き取られることになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明に係る車両用シートベルト装置の実施形態を示している。この車両用シートベルト装置は、シートクッション1、シートバック2及びヘッドレスト3を有するシート4と、このシート4に乗員の体を保持させるシートベルト5と、このシートベルト5を巻き取ることにより乗員を保持する方向にシートベルト5を駆動するプリテンショナー6と、自車両の後方の障害物を検出して自車両に後突が発生する可能性があることを検出する後突予知手段7と、自車両の前方の障害物を検出して自車両に前突が発生する可能性があることを検出する前突予知手段8と、上記後突予知手段7から出力される後突予知信号に応じて上記プリテンショナー6を作動させるように制御する制御手段9と、乗員の着座姿勢を検出する姿勢検出手段10とを備えている。
【0027】
上記プリテンショナー6は、図3に示すように、シートベルト5を所定のばね力で巻き取る巻取リール11と、この巻取リール11の駆動軸に連結されたピニオンギア12と、このピニオンギア12を回転駆動するラックギア13と、このラックギア13を駆動するガス発生器14とを有し、車両の後突予測時に、上記制御手段9から出力される制御信号に応じてガス発生器14を作動させるように構成されている。これによって上記ラックギア13を下方の待機位置から上方の駆動位置に移動させるガス圧が発生し、上記ピニオンギア12が回転駆動されて上記巻取リール11によりシートベルト5が巻き取られることにより、このシートベル5に所定のテンションが付与されるようになっている。なお、上記ラックギア13及びガス発生器14等に代え、電動モータにより巻取リール11を回転駆動してシートベルト5を巻き取ることにより、シートベルト5に所定のテンションを付与するように構成してもよい。
【0028】
上記後突予知手段7は、超音波センサ、赤外線センサまたはビデオカメラ等の出力データに応じて自車両の後方側に後突の原因となる障害物が存在するか否かを検出し、この障害物が存在することが確認された場合に、障害物との間の距離及び相対速度を測定し、衝突の可能性が高いことを判断して後突予知信号を上記制御手段9に出力するように構成されている。例えば、自車両の前進時においてその後方側に他車等が接近しつつあることが検出された場合、または自車両の後進時においてその後方側に固定物体又は他車等の移動物体等が存在していることが検出された場合に、上記後突予知信号が制御手段9に出力されるようになっている。
【0029】
また、前突予知手段8は、超音波センサ、赤外線センサまたはレーダー等の検出信号に応じて自車両の前方側に前突の原因となる障害物が存在するか否かを検出し、この障害物が存在することが確認された場合に、障害物との間の距離及び相対速度を測定し、衝突の可能性が高いことを判断して前突予知信号を、図2に示すように、上記プリテンショナー6の作動を規制する規制手段15に出力するように構成されている。例えば、自車両の停止時等においてその前方側に他車等が接近しつつあることが検出された場合、または自車両の前進時にその前方側に固定物体又は他車等の移動物体等が存在していることが検出された場合に、上記前突予知信号が規制手段10に出力されるようになっている。
【0030】
また、制御手段9は、上記後突予知手段7から後突予知信号が出力された時点で、上記プリテンショナー6を作動させる指令信号を出力してシートベルト5を巻き取るように構成されている。さらに、上記制御手段9は、規制手段15から規制信号が出力された場合に、上記プリテンショナー6の作動を禁止し、後突予知手段7から後突予知信号が出力されたとしても、プリテンショナー6を作動させないように構成されている。
【0031】
上記規制手段15は、シフトレバーの操作位置に応じて車両が後退状態にあることを検出する後退検出手段16の検出信号に応じ、上記シフトレバーがリバース位置に操作されて自車両が後退状態にあることが確認された場合に、上記プリテンショナー6の作動を禁止する規制信号を上記制御手段9に出力するように構成されている。また、上記規制手段15は、後突予知手段7の検出信号に応じて自車両の後方側に近付く障害物と自車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段17から出力される検出信号に応じ、上記相対速度が予め設定された基準値以上であることが確認された場合に、上記規制信号の出力を停止することにより、プリテンショナー6の作動規制を行わないように構成されている。
【0032】
さらに、上記規制手段15は、後退検出手段16の検出信号により上記シフトレバーがリバース位置に操作された状態にあること、つまり自車両が後退状態にあることが確認された場合においても、自車両の走行速度を検出する車速検出手段18の検出信号に応じ、自車両の走行速度が0であることが確認された場合、上記姿勢検出手段10の検出信号に応じて乗員の姿勢が後ろ向きでないことが確認された場合及び上記前突予知手段8から前突予知信号が出力された場合には、それぞれ上記規制信号の出力を停止するように構成され、上記制御手段9によるプリテンショナー6の作動を許容するように構成されている。
【0033】
上記車両用シートベルト装置の制御手段9において実行される制御動作を、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。上記制御動作がスタートすると、まず上記後突予知手段7から後突予知信号が出力されたか否かを判定し(ステップS1)、YESと判定された時点で、図外の警報手段を作動させる制御信号を出力して乗員に後突が発生する可能性があることを報知する(ステップS2)。
【0034】
そして、上記後退検出手段16の検出信号に応じて自車両が後退状態にあるか否か、つまりシフトレバーがリバース位置に操作された状態にあるか否かを判定し(ステップS3)、NOと判定された場合には、上記プリテンショナー6を作動させる制御信号を出力し(ステップS9)、上記後突予知信号の出力時点で、シートベルト5の巻取を実行する。
【0035】
また、上記ステップS3でYESと判定されて自車両が後退状態にあることが確認された場合には、上記車速検出手段18の検出信号に応じて自車両の走行速度が0であるか否か、つまり車両が停車状態にあるか否かを判定し(ステップS4)、YESと判定された場合には、上記ステップS9に移行してプリテンショナー6を作動させる。
【0036】
上記ステップS4でNOと判定されて自車両が走行状態にあること、つまり所定速度で後退していることが確認された場合には、上記相対速度検出手段17の検出信号に応じて自車両の後方側に近付く障害物と自車両との間の相対速度が、予め設定された基準値R以上であるか否かを判定し(ステップS5)、YESと判定されて自車両の後方側に障害物が所定速度で接近しつつあることが確認された場合には、上記ステップS9に移行してプリテンショナー6を作動させる。
【0037】
また、上記ステップS5でNOと判定されて自車両の後方側に近付く障害物と自車両との間の相対速度が、予め設定された基準値R未満であることが確認された場合には、上記姿勢検出手段10の検出信号に応じてシートに着座した乗員が後ろ向きの着座姿勢であるか否かを判定し(ステップS6)、NOと判定された場合には、上記ステップS9に移行してプリテンショナー6を作動させることにより、シートベルト5の巻取を実行する。
【0038】
上記ステップS6でYESと判定されて乗員が後ろ向きの着座姿勢であることが確認された場合には、上記前突予知手段8から前突予知信号が出力されたか否かを判定し(ステップS7)、YESと判定された場合には、上記ステップS9に移行することにより、上記前突予知信号の出力時点でシートベルト5の巻取を実行する。
【0039】
上記ステップS7でNOと判定された場合には、図外の衝突検出手段の検出信号に応じて自車両に後突又は前突等の衝突が発生したか否かを判定し(ステップS8)、YESと判定された場合には、上記ステップS9に移行してプリテンショナー6を作動させる。なお、後突の発生時にプリテンショナー6を作動させるのは、後突時に作用する衝撃荷重の反作用により乗員が前方移動するのを防止し、かつその後の玉突き衝突時又は横転時等に乗員を保護するためである。
【0040】
また、上記ステップS8でNOと判定されて自車両に後突又は前突が発生していないことが確認された場合には、上記プリテンショナー6を作動させることなく、そのままリターンする。この結果、上記後退検出手段16によって自車両が後退状態にないことが確認された場合には、上記後突予知手段7から後突予知信号が出力された時点で、上記プリテンショナー6が作動状態となって乗員が保護されるとともに、上記後退検出手段16によって自車両が後退状態にあることが確認された場合には、衝突検出手段によって自車両が衝突状態となったと判定されるまで、原則として上記プリテンショナー6の作動が禁止されることになる。
【0041】
このように後突予知手段7によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された時点で、シートベルト5を巻き取るプリテンショナー6を作動させるように制御する制御手段9を備えた車両用シートベルト装置において、自車両が後退状態にあることを検出する後退検出手段16と、この後退検出手段16によって自車両が後退状態にあることが検出された場合に、上記プリテンショナー6の作動を規制する規制手段15とを設けたため、上記後突予知手段7によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された場合においても、上記後退検出手段16の検出信号に応じて自車両が後退状態にあることが確認されると、上記規制手段15によってプリテンショナー6の作動が禁止されることにより、シートベルト5の巻取が防止されることになる。
【0042】
したがって、運転者がシフトレバーを後退位置に操作した後退運転時に、乗員が自車両の後方側を十分に注目し、後突を回避できる状態にあるにも拘らず、上記プリテンショナー6が作動状態となって乗員の体がシートベルト5によって不必要に拘束されるという事態の発生を効果的に防止し、乗員が違和感を受けるのを防止することができる。
【0043】
なお、上記車両用シートベルト装置は、車室内の全ての座席に設置可能であるが、運転席に着座した運転者の運転姿勢がシートベルト5によって不必要に拘束されるのを防止するため、特に上記プリテンショナー6の作動を規制する上記規制手段15を運転席に設置することが望ましい。
【0044】
また、上記実施形態では、後退検出手段16によって自車両が後退状態にあることが検出された場合に、上記規制手段15によりプリテンショナー6の作動を禁止するように構成したため、運転者がシフトレバーを後退位置に操作して乗員が自車両の後方側を十分に注目していると考えられる後退運転時には、上記プリテンショナー6を非作動状態とすることにより、シートベルト5によって乗員が不必要に拘束されるという事態の発生を確実に防止できるという利点がある。
【0045】
なお、上記規制手段15によりプリテンショナー6の作動を禁止するように構成した上記実施形態に代え、プリテンショナー6によるシートベルトの巻取力を規制手段15によって非後退運転時に比べて低減させることにより、乗員の体がシートベルト5によって不必要に拘束されるという事態の発生を抑制するように構成してもよい。
【0046】
また、上記衝突予知手段7によって検出された後突発生確率に基づいてプリテンショナー6を作動させるか否かを判断する制御手段9を備えた車両用シートベルト装置において、上記後退検出手段16によって自車両が後退状態にあることが検出された場合には、上記規制手段15により、プリテンショナー6を作動させるか否かの判断基準となる後突発生確率の基準値を増大補正するように構成してもよい。
【0047】
上記のように構成した場合には、後退検出手段16の検出信号に応じて自車両が後退状態にあることが確認された場合には、後突予知手段7によって検出された後突発生確率が、大きな値に補正された基準値を越えるまで、プリテンショナー6の作動が規制されてシートベルト5の巻取が抑制されることにより、乗員の体がシートベルト5により不必要に拘束されるのを効果的に防止することができる。なお、上記後突発生確率の基準値を増大補正する場合には、これに対応させてシートベルト5を迅速に作動させるため、プリテンショナー6の作動速度を増大させることが望ましい。
【0048】
また、上記実施形態では、自車両の後方側に近付く障害物と自車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段17を備え、この相対速度検出手段17の検出信号に応じて上記相対速度が予め設定された基準値以上であることが確認された場合には、上記規制手段15によるプリテンショナー6の作動規制を行わないように構成したため、自車両が所定速度で後退して後方側の障害物に急接近しつつある場合、又は自車両の後部側に他車が所定速度で接近しつつある場合等には、上記後突予知手段7によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された時点で、上記プリテンショナー6を作動させてシートベルト5を巻き取ることにより、乗員の安全を確保することができる。
【0049】
なお、上記実施形態に代え、車速検出手段18等からなる後退速度検出手段により、自車両の後退速度を検出し、この後退速度が予め設定された基準値以上であることが確認された場合に、上記規制手段15によるプリテンショナー6の作動規制を行わないように構成してもよい。このように構成した場合には、自車両が所定速度で後退して障害物に急接近しつつあることが確認された場合等には、上記後突予知手段7によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された時点で、上記プリテンショナー6を作動させててシートベルト6を巻き取ることにより、乗員の安全を確保することができる。
【0050】
さらに、上記実施形態では、シフトレバーがリバース側に操作されているか否かを検出する後退検出手段16と、この後退検出手段16の検出信号に応じてシフトレバーがリバース側に操作されていることが確認された場合に、上記プリテンショナー6の作動を規制する規制手段16と、自車両の走行速度を検出する車速検出手段18とを設け、この車速検出手段18の検出信号に応じて車速が0であることが確認された場合には、上記規制手段15によるプリテンショナー6の作動規制を行わないように構成したため、シフトレバーがリバース側に操作されている場合においても、上記後突予知手段7によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された時点で、上記プリテンショナー6を作動させてシートベルト5を巻き取ることにより、乗員の安全を確保することができる。
【0051】
すなわち、後退検出手段16の検出信号に応じてシフトレバーがリバース側に操作されていることが確認された場合においても、自車両の車速が0である場合には、乗員が自車両の後方側を十分に注目しているとは限らず、後突を回避できる状態にあるかどうかは分からないため、上記後突予知手段7によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された時点で、プリテンショナー6を作動させてシートベルト5を巻き取るように構成することにより、後突時の衝撃から乗員を効果的に保護することができる。
【0052】
また、上記実施形態では、乗員の着座姿勢を検出する姿勢検出手段10を設け、この姿勢検出手段10の検出信号に応じて乗員が後ろ向きの姿勢でないことが確認され、乗員が自車両の後方側に十分に注目して後突を回避できる状態にないと考えられる場合には、上記規制手段15によるプリテンショナー6の作動規制を行わないように構成したため、上記後突予知手段7によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された時点で、プリテンショナー6を作動させてシートベルト5を巻き取ることにより、後突時の衝撃から乗員を効果的に保護することができる。
【0053】
さらに、上記実施形態では、自車両に前突が発生する可能性があることを検出して前突予知信号を出力する前突予知手段8を設け、この前突予知手段8から前突予知信号が出力された場合に、上記規制手段15によるプリテンショナー6の作動規制を行うことなく、上記制御手段9によりプリテンショナー6を作動させるように構成したため、上記後退検出手段16において車両が後退状態にあることが確認され、乗員が自車両の後方側に注意を向けている状態で、上記前突予知手段8によって前突が発生する可能性があることが確認された時点で、プリテンショナー6を作動させて、シートベルト5を巻き取ることにより、前突時の衝撃から乗員を効果的に保護することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、後突予知手段によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された時点で、シートベルトを巻き取るプリテンショナーを作動させるように制御する制御手段を備えた車両用シートベルト装置であって、自車両が後退状態にあることを検出する後退検出手段と、この後退検出手段によって自車両が後退状態にあることが検出された場合に、上記プリテンショナーの作動を規制する規制手段とを設けたため、運転者がシフトレバーを後退位置に操作した後退運転時に、乗員が自車両の後方側に十分に確認して自車両に後突が発生するのを回避できる状態にあるにも拘らず、上記プリテンショナーが作動状態となって乗員の体がシートベルトによって不必要に拘束されるという事態の発生を効果的に防止することにより、乗員が違和感を受けるのを抑制しつつ、衝突の発生時に上記シートベルトによって乗員を効果的に保護できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用シートベルト装置の実施形態を示す説明図である。
【図2】上記車両用シートベルト装置の具体的構成を示すブロック図である。
【図3】プリテンショナーの具体的構成を示す断面図である。
【図4】上記車両用シートベルト装置の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
5 シートベルト
6 プリテンショナー
7 後突予知手段
8 前突予知手段
9 制御手段
10 姿勢検出手段
15 規制手段
16 後退検出手段
17 相対速度検出手段
18 車速検出手段

Claims (10)

  1. 後突予知手段によって自車両に後突が発生する可能性があることが検出された時点で、シートベルトを巻き取るプリテンショナーを作動させるように制御する制御手段を備えた車両用シートベルト装置であって、自車両が後退状態にあることを検出する後退検出手段と、この後退検出手段によって自車両が後退状態にあることが検出された場合に、上記プリテンショナーの作動を規制する規制手段とを備えたことを特徴とする車両用シートベルト装置。
  2. 請求項1記載の車両用シートベルト装置において、運転席に設けられたプリテンショナーの作動を上記規制手段によって規制するように構成したことを特徴とする車両用シートベルト装置。
  3. 請求項1又は2記載の車両用シートベルト装置において、上記規制手段は、後退検出手段によって自車両が後退状態にあることが検出された場合に、プリテンショナーの作動を禁止するものであることを特徴とする車両用シートベルト装置。
  4. 請求項1又は2記載の車両用シートベルト装置において、上記規制手段は、後退検出手段によって自車両が後退状態にあることが検出された場合に、プリテンショナーによるシートベルトの巻取力を低減させるものであることを特徴とする車両用シートベルト装置。
  5. 請求項1又は2記載の車両用シートベルト装置において、上記制御手段は、衝突予知手段によって検出された後突発生確率に基づいてプリテンショナーを作動させるか否かを判断するとともに、上記規制手段は、後退検出手段によって自車両が後退状態にあることが検出された場合に、プリテンショナーを作動させるか否かの判断基準となる後突発生確率の基準値を増大補正するものであることを特徴とする車両用シートベルト装置。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の車両用シートベルト装置において、自車両の後方側に近付く障害物と自車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段を備え、この相対速度検出手段の検出信号に応じて上記相対速度が予め設定された基準値以上であることが確認された場合には、上記規制手段によるプリテンショナーの作動規制を行わないように構成したことを特徴とする車両用シートベルト装置。
  7. 請求項1〜5の何れかに記載の車両用シートベルト装置において、自車両の後退速度を検出する後退速度検出手段を備え、この後退速度検出手段の検出信号に応じて自車両の後退速度が予め設定された基準値以上であることが確認された場合には、上記規制手段によるプリテンショナーの作動規制を行わないように構成したことを特徴とする車両用シートベルト装置。
  8. 後突予知手段によって車両の後突が発生する可能性があることが検出された時点で、シートベルトを巻き取るプリテンショナーを作動させるように制御する制御手段を備えた車両用シートベルト装置であって、シフトレバーがリバース側に操作されているか否かを検出する後退検出手段と、この後退検出手段の検出信号に応じてシフトレバーがリバース側に操作されていることが確認された場合に、上記プリテンショナーの作動を規制する規制手段と、自車両の走行速度を検出する車速検出手段とを備え、この車速検出手段の検出信号に応じて車速が0であることが確認された場合には、上記規制手段によるプリテンショナーの作動規制を行わないように構成したことを特徴とする車両用シートベルト装置。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の車両用シートベルト装置において、乗員の着座姿勢を検出する姿勢検出手段を備え、この姿勢検出手段の検出信号に応じて乗員が後ろ向きの着座姿勢でないことが確認された場合には、上記規制手段によるプリテンショナーの作動規制を行わないように構成したことを特徴とする車両用シートベルト装置。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載の車両用シートベルト装置において、自車両に前突が発生する可能性があることを検出して前突予知信号を出力する前突予知手段を備え、この前突予知手段から前突予知信号が出力された場合に、上記規制手段によるプリテンショナーの作動規制を行うことなく、上記制御手段によりプリテンショナーを作動させるように構成したことを特徴とする車両用シートベルト装置。
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