JP3778796B2 - カラー画像の転写方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は昇華性染料を用いたカラー画像の転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、昇華性染料インクで転写紙に印刷したカラー画像を被転写物に転写する場合、被転写物の上に転写紙を載せ、加熱下で加圧して被転写物にカラー画像を転写する。図2は従来の一般的な転写方法を説明したものである。ここで、被転写物としては、銘板やパネル,シール,計器類の表示板などの表示板類、ゲーム機や携帯機器などの電子機器の外装部品類、日用雑貨の装飾容器品類など様々なものが選択できる。これらの被転写物は、例えば金属の表示板などを例に上げて説明すると、図3に示すような構成が知られている。
【0003】
図3は昇華性染料でカラー画像を形成した表示板を示す。図示された表示板100は、金属基板101の上面に透明な受容層102を形成し、この受容層102の中に表示のためのカラー画像103が転写方法によって形成されているものである。上記金属基板101は、アルミニウム、真鍮、鉄などの様々な金属板が選択でき、これらに防錆目的や装飾目的でメッキや塗装などの表面処理が施される。受容層102はこの中に画像を形成する目的で設けるもので、ポリウレタン樹脂,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,アクリル樹脂などの樹脂を用いて印刷或いは塗装方法で形成される。そして、この受容層102の中に後述する転写方法によって昇華性染料でのカラー画像103を形成する。また、この受容層102には紫外線吸収剤が分散されている。昇華性染料は紫外線に対する耐光性が余り良くないので、紫外線吸収剤を分散させることによって耐光性を高めている。
【0004】
受容層102の中にカラー画像103を転写形成する方法は図2に示す方法で行う。即ち、平滑に仕上げられた載品具111の上に受容層102が形成された金属基板101を載置し、その上に昇華性染料インクを用いてインクジェットプリンタでカラー画像を形成した転写紙112を載せ、加熱下で平滑に仕上げられた押圧具113によって転写紙112を加圧する。このようにすれば、加熱によって転写紙のカラー画像を形成する昇華性染料が気化し、その気化した染料が加圧下で軟化した受容層102の中に浸透していき、受容層102の中に気化した昇華性染料でのカラー画像103が形成される。
【0005】
ここで、加熱温度は受容層102を形成する樹脂の種類によって異なるが、例えば、ポリウレタン樹脂を使用した場合には180°C位の温度に加熱する。一般に、使用した樹脂の軟化点温度前後で加熱するのが良い。加圧力は10g/cm2位の圧力で良く、1〜3分程度加圧することによって受容層102のかなり深い部分にまで染料が浸透して綺麗なカラー画像103が形成される。
【0006】
昇華性染料を受容層102のなるべく深い位置にまで浸透させることも重要で、その意味では受容層102の厚みを少なくとも10μm以上の厚みにすることが必要である。これより薄いと浸透した染料が抜け出やすくなり、綺麗なカラー画像がいつまでも保持できなくなる。受容層102の厚みは一般的に20〜50μmの範囲に形成するのが好ましい。また、加圧力と加圧時間も浸透深さに影響を及ぼす。加圧力及び加圧時間は相互に関係を持っているので、適宜最適な所を設定するのが良い。
【0007】
転写紙に昇華性染料インクを用いて形成するカラー画像はインクジェットプリンタで印刷形成する。このカラー画像はパソコン画面に取り込んだ写真画,絵画,その他模様画,全面一色から成るカラー画など様々なカラー画像が選択できる。カラー画像はマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの昇華性染料インクを用い、1440dpiのプリンタで印刷を行うと非常に綺麗なカラー画像が形成できる。
【0008】
以上説明した従来の技術は金属板を用いた場合であるが、プラスチック材料を使った成形品などの場合は、そのプラスチック材の表面部に直接カラー画像を同様な方法で転写することによってカラー画像形成品が得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上の方法で転写して受容層にカラー画像を形成するのであるが、従来は次のような課題を有していた。第1の課題としては、転写に加圧を行うので転写紙の微小な凹凸の紙模様が受容層にも転写されて受容層の外観を損ねてしまう。このため、従来は転写後に再度表面研磨を施す必要がありコストを高める要因になっていた。
【0010】
第2の課題としては、受容層は印刷方法などで形成するが、その表面になだらかな凹凸などが発生して受容層膜厚に薄いところと厚いところが現れて加圧力が一定に施されず、転写画像に薄い部分と濃い部分の画像ムラが発生する。
【0011】
第3の課題としては、転写紙のカラー画像をインクジェットプリンタで形成するので、画像が微小なドット状斑点の集合体で成り立っている。このドット状の斑点が転写後も昇華性染料の十分な混ざり合いが行われない場合に、ドット状痕として受容層に現れてくることがある。このような場合はカラー画像の外観性を大変損ねることになる。従来はこのドット状痕を消し去るために、無加圧の下、200〜270°Cの温度で5〜15分の加熱処理を施し、染料の混ざり合いを促進させてドット状痕を消すようにしている。このことから、工程数も増えてコストを高める要因になっていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を鑑みて成されたもので、その目的とするところは転写紙の模様痕が転写されず、また、染料のドット状痕が発生しない綺麗なカラー画像が得られる転写方法を見いだすことにある。この目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、昇華性染料インクによって形成した転写紙のカラー画像を加熱・加圧の下で被転写物に転写する方法において、前記転写紙と前記被転写物に形成した受容層との間に透明なフィルムシートを挟み込んで転写することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記透明なフィルムシートの厚みが25〜50μmであることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記透明なフィルムシートがポリプロピレン樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリカーボネイト樹脂,ニトロセルロース樹脂,ニトロフロン樹脂およびアクリル樹脂の中から選択された1又は2以上の樹脂で形成されたフィルムシートであることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記受容層の表面が研磨されて平滑面になっていることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に関し、以下図に基づいて本発明の転写方法を説明する。図1は本発明の一実施形態に係わる転写方法を示した説明図である。なお、使用される転写装置は従来方法と同じのものを使用するので同一符号を付して説明する。また、被転写物としては従来と同様表示板を用いている。
【0017】
図1において、載品具111の上に表示板10が載置される。この表示板10は金属基板11の上面に受容層12を形成したものである。金属基板11はアルミ、真鍮、鉄などの様々な金属板が選択でき、防錆目的や装飾目的でメッキや塗装などの表面処理などが施されているものである。受容層12はポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などに紫外線吸収剤を分散させた塗料を用いて印刷或いは塗装などによって形成される。更に、受容層12の上面12aは研磨によって光沢のある平滑な表面に仕上げられている。
【0018】
符号112は転写紙で、これは従来技術で説明したものと同じものが使用される。表示板10と転写紙112との間には透明なフィルムシート15が挟み込まれる。このフィルムシート15は、ポリプロピレン樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリカーボネイト樹脂,ニトロセルロース樹脂,ニトロフロン樹脂,アクリル樹脂などの樹脂からできていて、光沢のある平滑な表面を成しているものである。このフィルムシート15を形成する樹脂は上記の樹脂に限定されるものではなく、比較的耐熱性の高い樹脂であれば他のものでも選択できる。なお、撥水性のある樹脂、例えばフッ素系の樹脂などは好ましくない。また、この透明なフィルムシート15は、厚さが25〜50μmの範囲のものが選択される。
【0019】
次に、表示板10の上にフィルムシート15と転写紙112とを重ねた上から、加熱下において押圧具113で加圧して転写を行う。加熱温度、加圧力は従来方法と同じでよいが、加圧時間を僅かに長く施した方が良い。例えば、従来90秒で行っていたのを100〜110秒位に少し長めに設定するのが良い。
【0020】
このような転写方法を採用することによって、転写紙のカラー画像を形成する昇華性染料がフィルムシート15に浸透し、更に、受容層12にも浸透して綺麗なカラー画像が受容層12の中に形成される。そして、カラー画像を形成した受容層12の上面には転写紙の紙模様圧痕も発生せず、受容層12の中にはドット状痕も現れない綺麗なカラー画像が得られる。
【0021】
ここで、フィルムシート15の厚みは転写カラー画像の品質に大きな影響を及ぼし、各種実験の結果25〜50μmの厚みが好適な厚みの範囲と判明した。厚みが25μmより薄いと、転写紙の凹凸紙模様が受容層12にまで届いて受容層に移ってしまう。また、50μmより厚いと、フィルムシート15内に染料が残ってしまい、受容層12に形成されるカラー画像の色調に鮮明さが欠けてくる問題が生じる。
【0022】
また、受容層12の上面12aを研磨によって平滑面に仕上げることによっていずれの箇所も一定な加圧力で転写が行われるので、転写色調にムラが発生しなくなる。また、この受容層12の平滑な上面12aは平滑なフィルムシート15と接触するので、加圧後においても平滑面が維持されて綺麗な表面が保持される。
【0023】
また、この転写方法は、フィルムシート15に転写して更にフィルムシート15から受容層12に転写する方法を取っているので、染料の混ざり合いが良好となり、従来発生していたようなドット状痕の発生を抑えることができた。
【0024】
なお、上述した実施形態では、被転写物として金属板を使用した表示板で説明したが、金属板を使用しない他の部品にも同様に適用することができ、例えば、プラスチック成形部品などではその成形表面に直接上記転写方法を用いてカラー画像を転写することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、受容層と転写紙の間に透明で平滑なフィルムシートを挟んで転写し、且つそのフィルムシートの厚みを25〜50μmの範囲としたので、転写紙の紙模様が受容層に移らず、また、ドット状痕も発生しない綺麗なカラー画像の転写が可能となった。
【0026】
また、本発明によれば、受容層の上面を研磨して平滑面に仕上げた後に転写を行うようにしたので、ムラの出ないカラー画像の転写が可能となった。
【0027】
さらに、本発明によれば、従来の転写方法では必要であった転写紙の紙模様痕を除去するための表面研磨作業やドット状痕を消すための再加熱作業をなくすことができるので、製作コストの低廉化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる転写方法を示した説明図である。
【図2】従来の転写方法を示す説明図である。
【図3】従来の転写方法において昇華性染料でカラー画像を形成した表示板である。
【符号の説明】
10 表示板
12 受容層
15 フィルムシート
112 転写紙
t 幅
【発明の属する技術分野】
本発明は昇華性染料を用いたカラー画像の転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、昇華性染料インクで転写紙に印刷したカラー画像を被転写物に転写する場合、被転写物の上に転写紙を載せ、加熱下で加圧して被転写物にカラー画像を転写する。図2は従来の一般的な転写方法を説明したものである。ここで、被転写物としては、銘板やパネル,シール,計器類の表示板などの表示板類、ゲーム機や携帯機器などの電子機器の外装部品類、日用雑貨の装飾容器品類など様々なものが選択できる。これらの被転写物は、例えば金属の表示板などを例に上げて説明すると、図3に示すような構成が知られている。
【0003】
図3は昇華性染料でカラー画像を形成した表示板を示す。図示された表示板100は、金属基板101の上面に透明な受容層102を形成し、この受容層102の中に表示のためのカラー画像103が転写方法によって形成されているものである。上記金属基板101は、アルミニウム、真鍮、鉄などの様々な金属板が選択でき、これらに防錆目的や装飾目的でメッキや塗装などの表面処理が施される。受容層102はこの中に画像を形成する目的で設けるもので、ポリウレタン樹脂,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,アクリル樹脂などの樹脂を用いて印刷或いは塗装方法で形成される。そして、この受容層102の中に後述する転写方法によって昇華性染料でのカラー画像103を形成する。また、この受容層102には紫外線吸収剤が分散されている。昇華性染料は紫外線に対する耐光性が余り良くないので、紫外線吸収剤を分散させることによって耐光性を高めている。
【0004】
受容層102の中にカラー画像103を転写形成する方法は図2に示す方法で行う。即ち、平滑に仕上げられた載品具111の上に受容層102が形成された金属基板101を載置し、その上に昇華性染料インクを用いてインクジェットプリンタでカラー画像を形成した転写紙112を載せ、加熱下で平滑に仕上げられた押圧具113によって転写紙112を加圧する。このようにすれば、加熱によって転写紙のカラー画像を形成する昇華性染料が気化し、その気化した染料が加圧下で軟化した受容層102の中に浸透していき、受容層102の中に気化した昇華性染料でのカラー画像103が形成される。
【0005】
ここで、加熱温度は受容層102を形成する樹脂の種類によって異なるが、例えば、ポリウレタン樹脂を使用した場合には180°C位の温度に加熱する。一般に、使用した樹脂の軟化点温度前後で加熱するのが良い。加圧力は10g/cm2位の圧力で良く、1〜3分程度加圧することによって受容層102のかなり深い部分にまで染料が浸透して綺麗なカラー画像103が形成される。
【0006】
昇華性染料を受容層102のなるべく深い位置にまで浸透させることも重要で、その意味では受容層102の厚みを少なくとも10μm以上の厚みにすることが必要である。これより薄いと浸透した染料が抜け出やすくなり、綺麗なカラー画像がいつまでも保持できなくなる。受容層102の厚みは一般的に20〜50μmの範囲に形成するのが好ましい。また、加圧力と加圧時間も浸透深さに影響を及ぼす。加圧力及び加圧時間は相互に関係を持っているので、適宜最適な所を設定するのが良い。
【0007】
転写紙に昇華性染料インクを用いて形成するカラー画像はインクジェットプリンタで印刷形成する。このカラー画像はパソコン画面に取り込んだ写真画,絵画,その他模様画,全面一色から成るカラー画など様々なカラー画像が選択できる。カラー画像はマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの昇華性染料インクを用い、1440dpiのプリンタで印刷を行うと非常に綺麗なカラー画像が形成できる。
【0008】
以上説明した従来の技術は金属板を用いた場合であるが、プラスチック材料を使った成形品などの場合は、そのプラスチック材の表面部に直接カラー画像を同様な方法で転写することによってカラー画像形成品が得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上の方法で転写して受容層にカラー画像を形成するのであるが、従来は次のような課題を有していた。第1の課題としては、転写に加圧を行うので転写紙の微小な凹凸の紙模様が受容層にも転写されて受容層の外観を損ねてしまう。このため、従来は転写後に再度表面研磨を施す必要がありコストを高める要因になっていた。
【0010】
第2の課題としては、受容層は印刷方法などで形成するが、その表面になだらかな凹凸などが発生して受容層膜厚に薄いところと厚いところが現れて加圧力が一定に施されず、転写画像に薄い部分と濃い部分の画像ムラが発生する。
【0011】
第3の課題としては、転写紙のカラー画像をインクジェットプリンタで形成するので、画像が微小なドット状斑点の集合体で成り立っている。このドット状の斑点が転写後も昇華性染料の十分な混ざり合いが行われない場合に、ドット状痕として受容層に現れてくることがある。このような場合はカラー画像の外観性を大変損ねることになる。従来はこのドット状痕を消し去るために、無加圧の下、200〜270°Cの温度で5〜15分の加熱処理を施し、染料の混ざり合いを促進させてドット状痕を消すようにしている。このことから、工程数も増えてコストを高める要因になっていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を鑑みて成されたもので、その目的とするところは転写紙の模様痕が転写されず、また、染料のドット状痕が発生しない綺麗なカラー画像が得られる転写方法を見いだすことにある。この目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、昇華性染料インクによって形成した転写紙のカラー画像を加熱・加圧の下で被転写物に転写する方法において、前記転写紙と前記被転写物に形成した受容層との間に透明なフィルムシートを挟み込んで転写することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記透明なフィルムシートの厚みが25〜50μmであることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記透明なフィルムシートがポリプロピレン樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリカーボネイト樹脂,ニトロセルロース樹脂,ニトロフロン樹脂およびアクリル樹脂の中から選択された1又は2以上の樹脂で形成されたフィルムシートであることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記受容層の表面が研磨されて平滑面になっていることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に関し、以下図に基づいて本発明の転写方法を説明する。図1は本発明の一実施形態に係わる転写方法を示した説明図である。なお、使用される転写装置は従来方法と同じのものを使用するので同一符号を付して説明する。また、被転写物としては従来と同様表示板を用いている。
【0017】
図1において、載品具111の上に表示板10が載置される。この表示板10は金属基板11の上面に受容層12を形成したものである。金属基板11はアルミ、真鍮、鉄などの様々な金属板が選択でき、防錆目的や装飾目的でメッキや塗装などの表面処理などが施されているものである。受容層12はポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などに紫外線吸収剤を分散させた塗料を用いて印刷或いは塗装などによって形成される。更に、受容層12の上面12aは研磨によって光沢のある平滑な表面に仕上げられている。
【0018】
符号112は転写紙で、これは従来技術で説明したものと同じものが使用される。表示板10と転写紙112との間には透明なフィルムシート15が挟み込まれる。このフィルムシート15は、ポリプロピレン樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリカーボネイト樹脂,ニトロセルロース樹脂,ニトロフロン樹脂,アクリル樹脂などの樹脂からできていて、光沢のある平滑な表面を成しているものである。このフィルムシート15を形成する樹脂は上記の樹脂に限定されるものではなく、比較的耐熱性の高い樹脂であれば他のものでも選択できる。なお、撥水性のある樹脂、例えばフッ素系の樹脂などは好ましくない。また、この透明なフィルムシート15は、厚さが25〜50μmの範囲のものが選択される。
【0019】
次に、表示板10の上にフィルムシート15と転写紙112とを重ねた上から、加熱下において押圧具113で加圧して転写を行う。加熱温度、加圧力は従来方法と同じでよいが、加圧時間を僅かに長く施した方が良い。例えば、従来90秒で行っていたのを100〜110秒位に少し長めに設定するのが良い。
【0020】
このような転写方法を採用することによって、転写紙のカラー画像を形成する昇華性染料がフィルムシート15に浸透し、更に、受容層12にも浸透して綺麗なカラー画像が受容層12の中に形成される。そして、カラー画像を形成した受容層12の上面には転写紙の紙模様圧痕も発生せず、受容層12の中にはドット状痕も現れない綺麗なカラー画像が得られる。
【0021】
ここで、フィルムシート15の厚みは転写カラー画像の品質に大きな影響を及ぼし、各種実験の結果25〜50μmの厚みが好適な厚みの範囲と判明した。厚みが25μmより薄いと、転写紙の凹凸紙模様が受容層12にまで届いて受容層に移ってしまう。また、50μmより厚いと、フィルムシート15内に染料が残ってしまい、受容層12に形成されるカラー画像の色調に鮮明さが欠けてくる問題が生じる。
【0022】
また、受容層12の上面12aを研磨によって平滑面に仕上げることによっていずれの箇所も一定な加圧力で転写が行われるので、転写色調にムラが発生しなくなる。また、この受容層12の平滑な上面12aは平滑なフィルムシート15と接触するので、加圧後においても平滑面が維持されて綺麗な表面が保持される。
【0023】
また、この転写方法は、フィルムシート15に転写して更にフィルムシート15から受容層12に転写する方法を取っているので、染料の混ざり合いが良好となり、従来発生していたようなドット状痕の発生を抑えることができた。
【0024】
なお、上述した実施形態では、被転写物として金属板を使用した表示板で説明したが、金属板を使用しない他の部品にも同様に適用することができ、例えば、プラスチック成形部品などではその成形表面に直接上記転写方法を用いてカラー画像を転写することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、受容層と転写紙の間に透明で平滑なフィルムシートを挟んで転写し、且つそのフィルムシートの厚みを25〜50μmの範囲としたので、転写紙の紙模様が受容層に移らず、また、ドット状痕も発生しない綺麗なカラー画像の転写が可能となった。
【0026】
また、本発明によれば、受容層の上面を研磨して平滑面に仕上げた後に転写を行うようにしたので、ムラの出ないカラー画像の転写が可能となった。
【0027】
さらに、本発明によれば、従来の転写方法では必要であった転写紙の紙模様痕を除去するための表面研磨作業やドット状痕を消すための再加熱作業をなくすことができるので、製作コストの低廉化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる転写方法を示した説明図である。
【図2】従来の転写方法を示す説明図である。
【図3】従来の転写方法において昇華性染料でカラー画像を形成した表示板である。
【符号の説明】
10 表示板
12 受容層
15 フィルムシート
112 転写紙
t 幅
Claims (4)
- 昇華性染料インクによって形成した転写紙のカラー画像を加熱・加圧の下で被転写物に転写する方法において、
前記転写紙と前記被転写物に形成した受容層との間に透明なフィルムシートを挟み込んで転写することを特徴とするカラー画像の転写方法。 - 前記透明なフィルムシートは、25〜50μmの厚みであることを特徴とする請求項1記載のカラー画像の転写方法。
- 前記透明なフィルムシートは、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂,ポリカーボネイト樹脂,ニトロセルロース樹脂,ニトロフロン樹脂およびアクリル樹脂の中から選択された1又は2以上の樹脂で形成されたフィルムシートであることを特徴とする請求項1又は2記載のカラー画像の転写方法。
- 前記受容層の表面は、研磨されて平滑面になっていることを特徴とする請求項1記載のカラー画像の転写方法。
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JP2000355337A JP3778796B2 (ja) | 2000-11-22 | 2000-11-22 | カラー画像の転写方法 |
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CN01103977.9A CN1310101A (zh) | 2000-02-21 | 2001-02-19 | 形成转印图像的部件及其形成方法 |
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