JP3778511B2 - 光ピックアップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクの記録面上に対物レンズで光を集光させて情報の記録,再生などを行う光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ピックアップは、光ディスク再生装置および光ディスク記録再生装置などの光ディスク装置に使用される。光ピックアップは、記録媒体である光ディスクの記録面上に光たとえばレーザー光を集光させて、情報の記録,再生などを行うための装置である。
光ピックアップは可動部を有しており、この可動部は、複数の支持ワイヤを介して支持台に支持されて移動可能である。可動部は、レーザー光を集光させるための対物レンズと、光ディスクに対する対物レンズの位置を微調整するためのフォーカスコイルおよびトラッキングコイルとを有している。
【0003】
可動部は、対物レンズの不要な傾きを補正(チルト調整)するためのチルトコイルを有していることもある。この場合、フォーカスコイル,トラッキングコイルおよびチルトコイルには、支持ワイヤを介して電流が供給される。
各コイルに電流を供給すると、フォーカスコイル,トラッキングコイルおよびチルトコイルによりそれぞれ電磁力が生じる。この電磁力により、可動部がその基本位置から移動(シフト)して、対物レンズの位置や傾きなどの状態が微調整される。
チルト調整可能な従来の光ピックアップは、たとえば、特許文献1(特開平10−64094号公報),特許文献2(特許3039617号公報)に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−64094号公報
【特許文献2】
特許第3039617号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の対物レンズチルト補正装置(光ピックアップ)および特許文献2に記載の傾き補正付きレンズアクチュエータ(光ピックアップ)では、いわゆる「分離駆動型」のチルトコイルが使用されている。この「分離駆動型」のチルトコイルは、フォーカスコイルおよびトラッキングコイルとは分離して別個に設けられている。
前記二つの特許文献では、チルトコイルを設けて対物レンズの不要な傾きを補正している。そのため、光ピックアップの構成が複雑化するとともに、フォーカスコイル,トラッキングコイルの他にチルトコイルに供給する電流の制御を行う必要があった。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、対物レンズが設けられた可動部が基本位置からフォーカス方向とトラッキング方向の両方向にシフトしたときに発生する対物レンズの不要な傾きを、チルトコイルを設けず簡素な構成で補正して、この対物レンズを所望の姿勢に制御することが可能な光ピックアップを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明にかかる光ピックアップは、光ディスクの記録面上に光を集光させるための対物レンズが設けられ、前記光ディスクに対する前記対物レンズの位置をフォーカスコイルおよびトラッキングコイルで微調整可能な可動部と、この可動部を支持ワイヤを介して移動可能に支持する支持台と、この支持台が取付けられ、前記フォーカスコイルおよび前記トラッキングコイルとの間でそれぞれ磁気回路を構成する永久磁石が取付けられたヨーク部とを備え、前記永久磁石とこの永久磁石に対向し前記ヨーク部を構成するヨークとの間の対向領域では磁束の密度が高くなっており、前記フォーカスコイルと前記トラッキングコイルに電流が供給されていないときは、前記可動部は基本位置に位置して、この可動部と前記対物レンズはほぼ水平の姿勢を維持する光ピックアップであって、前記可動部には、前記永久磁石による磁界の中心位置の方向に吸引される少なくとも一対の磁性体を取付けるとともに、これら磁性体を、前記フォーカスコイルと前記トラッキングコイルに電流が供給されていないときは前記対向領域から外れるように配置し、前記可動部が前記基本位置からフォーカス方向とトラッキング方向の両方向にシフトしたとき、前記一対の磁性体のうち一方の磁性体が前記対向領域内に位置すると他方の磁性体は前記対向領域より外れ、一方の磁性体が前記対向領域から外れると他方の磁性体は前記対向領域内に位置する配置関係であり、前記可動部が前記基本位置からフォーカス方向とトラッキング方向の両方向にシフトしたときに発生する不要な傾きに対して、一方の前記磁性体を引っ張る磁力と他方の前記磁性体を引っ張る磁力とが異なることにより、前記可動部を不要に傾けようとする力を打ち消す。
好ましくは、前記一方の磁性体を引っ張る前記磁力と前記他方の磁性体を引っ張る前記磁力との差異で、前記可動部を不要に傾けようとする前記力を打ち消すことにより、前記可動部はほぼ水平になり、前記対物レンズの傾きが補正されてこの対物レンズをほぼ水平の姿勢に制御している。
また、好ましくは、前記永久磁石とこの永久磁石に対向して配置された前記ヨークとの間に、前記トラッキングコイルを前記永久磁石の磁束が鎖交するように配置し、複数の前記トラッキングコイルの巻線は、前記可動部の本体部に形成された複数の巻枠にそれぞれ巻回され、前記トラッキングコイルは、縦方向を向く左右の縦巻線部と横方向を向く上下の横巻線部とを有し、前記磁性体は、前記永久磁石の中心位置から離れた位置の前記縦巻線部に沿って前記巻枠に取付けられている。
前記対物レンズは前記可動部のほぼ中央部に配置され、二つの前記トラッキングコイルが前記可動部の前記本体部の一方の側面に並んで配置され、他の二つの前記トラッキングコイルが前記可動部の前記本体部の他方の側面に並んで配置され、前記磁性体は、前記本体部の一方および他方の側面にそれぞれ並んで配置された二つの前記トラッキングコイルの巻枠がなす平面内の複数箇所に、前記対物レンズの光軸とほぼ平行となるように配置されているのが好ましい。
前記磁性体が金属片または永久磁石片であるのが好ましい。なお、前記磁性体の材料が粉末状または硬化可能な液体状であり、この磁性体を前記可動部に配置する箇所に、前記粉末状磁性体または前記液体状磁性体を吹き付けまたは塗布して前記磁性体を形成した場合であってもよい。
なお、本発明の一実施態様にかかる光ピックアップは、光ディスクの記録面上に光を集光させるための対物レンズが設けられ、前記光ディスクに対する前記対物レンズの位置をフォーカスコイルおよびトラッキングコイルで微調整可能な可動部と、この可動部を支持ワイヤを介して移動可能に支持する支持台と、この支持台が取付けられ、前記フォーカスコイルおよび前記トラッキングコイルとの間でそれぞれ磁気回路を構成する永久磁石が取付けられたヨーク部とを備え、前記永久磁石とこの永久磁石に対向し前記ヨーク部を構成するヨークとの間の対向領域では磁束の密度が高くなっており、前記フォーカスコイルと前記トラッキングコイルに電流が供給されていないときは、前記可動部は基本位置に位置してこの可動部と前記対物レンズはほぼ水平の姿勢を維持し、前記可動部には、前記永久 磁石による磁界の中心位置の方向に吸引される少なくとも一対の磁性体を取付けるとともに、これら磁性体を、前記フォーカスコイルと前記トラッキングコイルに電流が供給されていないときは前記対向領域から外れるように配置し、前記可動部が前記基本位置からフォーカス方向とトラッキング方向の両方向にシフトしたとき、前記一対の磁性体のうち一方の磁性体が前記対向領域内に位置すると他方の磁性体は前記対向領域より外れ、一方の磁性体が前記対向領域から外れると他方の磁性体は前記対向領域内に位置する配置関係であり、前記可動部が前記基本位置からフォーカス方向とトラッキング方向の両方向にシフトしたときに発生する不要な傾きに対して、一方の前記磁性体を引っ張る磁力と他方の前記磁性体を引っ張る磁力とが異なることにより、前記可動部を不要に傾けようとする力を打ち消す光ピックアップであって、前記可動部を一方側に不要に傾けようとする力と、この力を打ち消す磁力が、前記磁性体を介して前記可動部に作用することにより、この可動部をわざと傾けるように意図的に制御して、前記対物レンズが前記光ディスクの前記記録面の面ぶれに対応して積極的に傾くようにしている
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる実施の形態の一例を、図1ないし図6を参照して説明する。
図1,図2は、それぞれ光ピックアップの平面図,分解斜視図、図3は可動部の斜視図、図4は、光ピックアップの動作を説明するための図で、図1のD−D線概略矢視図、図5は、本発明の原理を説明するための図で、図1のD−D線概略矢視図である。
【0009】
図1ないし図4において、光ディスク装置(図示せず)に使用される光ピックアップ1は、移動機構(図示せず)により、記録媒体である光ディスクの半径方向に制御されつつ移動可能になっている。
光ディスク装置において、光ディスクが駆動モータにより回転駆動されている状態で、移動機構で所望の位置に光ピックアップ1を移動させる。そして、光ピックアップ1は、光ディスクの記録面上に対物レンズ2で光(たとえば、レーザー光)を集光させて、光ディスクに対して情報の記録,再生などを行う。
光ディスクとしては、CD,CD−ROM,CD−R,CD−RW,MD,MO,DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD−RWなどがある。
【0010】
光ピックアップ1は、可動部3,支持台5およびヨーク部(継鉄部)6などを有している。
可動部3には、フォーカスコイル7およびトラッキングコイル8と、光ディスクの記録面上に光を集光させるための対物レンズ2とが設けられている。可動部3のフォーカスコイル7およびトラッキングコイル8に電流を流すことにより、光ディスクに対する対物レンズ2の位置を微調整可能である。
なお、説明の便宜上、対物レンズ2の光軸Bと平行な方向すなわちフォーカス方向をX方向とし、特に、光ディスク側,反光ディスク側をそれぞれ上方向,下方向とする。
このX方向と直交する方向(光ディスクの半径方向)すなわちトラッキング方向をZ方向とし、X方向およびZ方向と直交する方向をY方向とする。特に、図1の左右方向を光ピックアップ1の左右方向(Z方向)とする。
本実施形態(変形例を含む)では、対物レンズ2が可動部3のほぼ中央部に配置された「レンズセンタータイプ」の光ピックアップ1の場合を示している。なお、本発明は、対物レンズが可動部の外側に配置された「レンズオフセットタイプ」の光ピックアップにも適用可能である。
【0011】
磁性体からなるヨーク部6には、支持台5が取付けられている。支持台5は、複数(ここでは、四本)の支持ワイヤ4を支持しており、この四本の支持ワイヤ4を介して可動部3を移動可能に支持している。
フォーカスコイル7およびトラッキングコイル8との間でそれぞれ磁気回路を構成する永久磁石9が、ヨーク部6の所定位置に取付けられている。
可動部3に設けられたフォーカスコイル7は、可動部3をフォーカス方向(対物レンズ2の光軸Bと平行な方向(X方向))に移動させることができる。トラッキングコイル8は、可動部3をトラッキング方向(光ディスクの半径方向(Z方向))に移動させることができる。フォーカスコイル7とトラッキングコイル8には、支持ワイヤ4を介して電流が供給される。
可動部3は、平面視でほぼ矩形状の本体部20を有しており、本体部20は、絶縁性を有する樹脂材料などにより一体的に形成されている。対物レンズ2,フォーカスコイル7およびトラッキングコイル8などは、本体部20の所定位置に設けられている。
本体部20に支持された対物レンズ2は、光ディスクの記録面上にレーザー光などの光を集光させる。一つのフォーカスコイル7は、その巻軸が対物レンズ2の光軸Bと平行(X方向と平行)になるように、本体部20の外周面全周に巻回されている。
【0012】
本体部20の一方の側面22aには、二つの巻枠21が、外方に若干突出して形成されている。本体部20の一方の側面22aから180度反対方向の他方の側面22bにも、二つの巻枠21が外方に若干突出して形成されている。
各巻枠21には、トラッキングコイル8の巻線がそれぞれ巻回されている。一方の側面22aには、二つのトラッキングコイル8がZ方向に並んで配置されている。他方の側面22bにも、二つのトラッキングコイル8がZ方向に並んで配置されている。
すなわち、各トラッキングコイル8は、それぞれの巻軸の方向が光軸B(X方向)と直交するY方向と平行になるように、巻枠21に巻回されている。トラッキングコイル8は、縦方向(X方向)を向く左右の縦巻線部8aと、横方向(Z方向)を向く上下の横巻線部8bとを有している。
【0013】
ヨーク部6は、光ディスク装置のケースまたはベース部材(図示せず)などの固定側に固定され、所定形状に形成されている。ヨーク部6は、平面視でほぼ矩形の板状に形成され光ディスク装置の固定側に取付けられた基台25と、基台25にほぼ直角に固定され且つフォーカスコイル7より内方側に配置された複数(ここでは、二つ)のヨーク10と、基台25にほぼ直角に固定され且つ可動部3の外側に配置された二つの磁石支持用ヨーク26とを有している。
ヨーク10と磁石支持用ヨーク26は、ほぼ矩形状を有し基台25に突出して設けられ、互いに平行に且つ所定の位置に配置されている。二つのヨーク10は、フォーカスコイル7の内側に位置し且つ本体部20に貫通形成された二つの中空部28を挿通して配設されている。
一対の永久磁石9は、ヨーク部6に取付けられ、一個のフォーカスコイル7および合計四個のトラッキングコイル8に対応して所定位置に配置されている。二つの永久磁石9は、二つの磁石支持用ヨーク26に(または、直接基台25に)それぞれ接着剤などにより固着されている。永久磁石9は、二つ並んだトラッキングコイル8に対向して配置されている。一方のヨーク10は、一方の永久磁石9に対向して配置され、他方のヨーク10は、他方の永久磁石9に対向して配置されている。
【0014】
フォーカスコイル7と、その内方に配置された一方のヨーク10と、ヨーク10の近傍で且つフォーカスコイル7の外方に配置された一方の永久磁石9との間で磁気回路が構成されている。これと同様に、フォーカスコイル7と他方のヨーク10と他方の永久磁石9との間でも、磁気回路が構成されている。
四つのトラッキングコイル8の巻線は、それぞれ巻線方向がフォーカスコイル7の巻線方向に対して直角になるように巻回されている。
本体部20の一方の側面22aに取付けられた二つのトラッキングコイル8は、一方の永久磁石9と一方のヨーク10とが形成する磁界中に配置されて磁気回路を形成している。一方の永久磁石9と一方のヨーク10との間に、二つのトラッキングコイル8が、一方の永久磁石9の磁束Mが鎖交するように配置されている。
本体部20の他方の側面22bに取付けられた二つのトラッキングコイル8は、他方の永久磁石9と他方のヨーク10とが形成する磁界中に配置されて磁気回路を形成している。他方の永久磁石9と他方のヨーク10との間に、二つのトラッキングコイル8が、他方の永久磁石9の磁束Mが鎖交するように配置されている。
支持ワイヤ4は、可動部3の両側にY方向とほぼ平行にそれぞれ二本ずつ合計四本設けられている。支持ワイヤ4は、その一端部が可動部3側に固定され、他端部が支持台5側に固定されている。
【0015】
可動部3は、四本の支持ワイヤ4を介して支持台5とヨーク部6との間の空間に浮いている格好で取付けられる。したがって、可動部3は、移動や揺動などの動作を行なって、可動部3の状態(可動部3の位置,姿勢など)を自在に変化させることができる。
可動部3は、フォーカスコイル7とトラッキングコイル8に電流が供給されていないときの基本位置から、フォーカスコイル7とトラッキングコイル8の一方または両方に電流を供給することにより、上下方向(X方向)や左右方向(Z方向)にシフト(移動)することができる。
ここで、「可動部3の基本位置」とは、たとえば、可動部3が静止している状態で、トラッキングコイル8がヨーク10や永久磁石9などに対して右側および左側において等距離に位置し、可動部3がヨーク基台25と平行に位置し、可動部3の上下,左右の中心線がともに基準線(図示せず)と一致しているときの、可動部3の位置をいう。
【0016】
支持台5には、支持ワイヤ4が接続されるプリント配線板30が接着剤などで固着されている。プリント配線板30には、支持ワイヤ4を係合させるための複数(ここでは、四つ)の孔32が所定位置に穿設されている。
支持台5には、複数(ここでは、四つ)の貫通孔31が所定位置に穿設されている。支持ワイヤ4は支持台5の貫通孔31を貫通し、支持ワイヤ4の他端部は、プリント配線板30の孔32に係合し、プリント配線板30と電気的に接続されて支持台5に固定されている。
本体部20には、複数(ここでは、四個)の突起部33が突出形成され、支持ワイヤ4の一端部は、半田で突起部33に接続固定されている。突起部33には、フォーカスコイル7またはトラッキングコイル8の巻線の端部が巻き付けられている。
【0017】
支持ワイヤ4の先端が、突起部33に半田付けされることにより、支持ワイヤ4と、フォーカスコイル7またはトラッキングコイル8とが、電気的に接続されている。
本体部20には、支持ワイヤ4と係合する複数(ここでは、四つ)の支持部34が突出形成され、支持部34には貫通孔35が穿設されている。貫通孔35に支持ワイヤ4が挿通されることにより、可動部3が、支持部34を介して支持ワイヤ4に支持されている。
フォーカスコイル7の巻線および四つのトラッキングコイル8の巻線は、支持ワイヤ4と、支持ワイヤ4が電気的に接続されたプリント配線板30とによって、制御回路(図示せず)に電気的に接続されている。
【0018】
光ピックアップ1は、図示しない光学系を有している。この光学系は、レーザー光を発生する半導体レーザーなど光源,光検出器,反射ミラー,レンズおよび回折格子などを有している。対物レンズ2も光学系に含まれる。
光検出器は、光ディスクの記録面で反射したレーザー光を受光し、再生信号を検出するとともに、光ディスクの記録面の高さ位置や傾きを検出し、フォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号なども出力する。
【0019】
次に、光ピックアップ1の動作について説明する。
まず、光ディスク装置において、光ディスクが駆動モータにより回転駆動されている状態で、移動機構により光ピックアップ1を所望の位置に移動させる。そして、光学系で発生したレーザー光を対物レンズ2で記録面上に集光させて、光ディスクに対して情報の記録,再生などを行う。
光ピックアップ1の状態(可動部3の位置,姿勢など)を制御する場合には、光検出器で検出された光ディスクの記録面の高さ位置や傾きなどに関する検出結果を、変換部で電気信号に変換して、制御部に電気信号として出力する。制御部では、変換部から出力された電気信号に基づいて、フォーカスコイル7とトラッキングコイル8にそれぞれ流す電流を制御する。
【0020】
対物レンズ2をフォーカス方向(X方向)に移動させる場合には、制御部は、移動すべき方向および移動量に応じた制御電流を、支持ワイヤ4を介してフォーカスコイル7に供給する。
すると、フォーカスコイル7により生じる電磁力により、可動部3が光ディスクに対してフォーカス方向(X方向)に移動(シフト)して、対物レンズ2の位置を微調整する。
同様に、支持ワイヤ4を介して四つのトラッキングコイル8に供給する電流を制御すれば、トラッキングコイル8により生じる電磁力により、可動部3が光ディスクのトラッキング方向(Z方向)に移動(シフト)して、対物レンズ2の位置を微調整する。
このようにして、可動部3は、フォーカス方向,トラッキング方向にそれぞれ移動するようにその位置が制御される。
【0021】
ところで、光ディスクのトラックピッチがそれほど小さくない場合など、情報記録密度が高くない場合には、光ピックアップの可動部の姿勢の制御に関しては、それほど高精度な制御は要求されない場合が多い。
しかし、急激な技術進歩により、光ディスク(たとえば、DVD)における記録情報の高密度化が進んできている。このような高密度化された記録情報の正確な記録,再生などを行うためには、対物レンズ2で集光したスポットを光ディスクの記録面上に高精度に集光させなければならず、集光を阻害する要素(たとえば、対物レンズの傾きなど)による収差をなくする必要がある。
情報記録密度の高い光ディスクを対象とする光ピックアップ1では、対物レンズ2の傾き調整が要求されるようになってきた。対物レンズ2が設けられた可動部3の傾きを調整することにより、光ディスクに対応して対物レンズ2の光軸Bの傾きが微調整される。
【0022】
ところで、永久磁石9とこれに対向するヨーク10との間の対向領域(図1中の平行斜線で示す領域)Sでは、磁束Mの密度が高い。また、永久磁石9による磁界の磁力は、この磁界の中心位置Cで最も強い。
そこで、本発明の光ピックアップ1では、少なくとも一対の磁性体12a,12bを可動部3に取付けることによって、磁性体12a,12bが永久磁石9による磁界の中心位置(本実施形態では、矩形状の永久磁石9の中心位置またはその近傍とほぼ一致している)Cの方向に吸引されるようになっている。
すなわち、可動部3がその基本位置からフォーカス方向とトラッキング方向の両方向にシフトしたとき、一対の磁性体12a,12bのうち一方の磁性体が対向領域S内に位置すると他方の磁性体は対向領域Sより外れ、一方の磁性体が対向領域Sから外れると他方の磁性体は対向領域S内に位置するように、磁性体12a,12bを可動部3の所定位置に取付けている。
対向領域S内に位置する磁性体を磁界の中心位置Cの方向に引っ張る磁力は大きいが、対向領域Sから外れた磁性体を磁界の中心位置Cの方向に引っ張る磁力は小さくなる。
このように、可動部3がその基本位置からフォーカス方向とトラッキング方向の両方向にシフトしたとき、各磁性体12a,12bにそれぞれ作用する磁力に差異が生じることを利用して、可動部3が不要な方向に傾くのを防止している。
【0023】
本体部20の一方の側面22aにおいて、この側面22aに設けられた一方(左方)の巻枠21には一方の磁性体12aが取付けられている。他方(右方)の巻枠21には他方の磁性体12bが取付けられている。
これと同様に、本体部20の他方の側面22bにおいて、この側面22bに取付けられた一方(左方)の巻枠21には一方の磁性体12aが取付けられている。他方(右方)の巻枠21には他方の磁性体12bが取付けられている。
こうして、合計四つの磁性体12a,12bが、対物レンズ2の周囲に位置して可動部3に取付けられている。磁性体12a,12bは、磁界の中心位置Cから離れた位置の縦巻線部8aに沿って、巻枠21に取付けられている。
磁性体12a,12bは、金属片(たとえば、鉄片)または永久磁石片からなり且つ棒状をなしている。磁性体12a,12bは、二つの巻枠21がなす平面内の複数箇所に、対物レンズ2の光軸Bとほぼ平行となるように配置されている。本実施形態では、磁性体12a,12bが、トラッキングコイル8の巻枠21の内側に縦方向に配置されている場合を示している。
【0024】
可動部3がその基本位置で静止している状態では、磁性体12a,12bは、永久磁石9の磁界の中心位置Cから共に等距離に位置しているので、永久磁石9が磁性体12aを引っ張る磁力F1と、磁性体12bを引っ張る磁力F2は等しくなり、可動部3は静止状態を保っている。
次に、可動部3がその基本位置からフォーカス方向とトラッキング方向の両方向にシフトしたときに発生する不要な傾きに対して、一方の磁性体12aを引っ張る磁力F1と他方の磁性体12bを引っ張る磁力F2とが異なることにより、可動部3を不要に傾けようとする力E(言い換えれば、Y軸を中心とする回転力)を打ち消すようにしている。すなわち、力Eを打ち消す磁力F1,F2が、磁性体12a,12bを介して可動部3に作用することになる。
【0025】
その結果、可動部3が基本位置からフォーカス方向とトラッキング方向の両方向にシフトしたときに発生する対物レンズ2の不要な傾きを、チルトコイルを設けず簡素な構成で補正して、対物レンズ2を所望の姿勢(好ましくは、ほぼ水平の姿勢)に制御することが可能になる。
なお、可動部3がその基本位置からフォーカス方向のみに、またはトラッキング方向のみにシフトしたときには、可動部3を不要に傾けようとする力Eは発生しにくい。ここで、一方の磁性体12aを引っ張る磁力F1と他方の磁性体12bを引っ張る磁力F2は、可動部3をX軸方向またはZ軸方向のみに移動させるのに寄与するだけであるので、可動部3を不要に傾ける原因とはならない。
【0026】
次に、対物レンズ2の不要な傾きを補正する動作について説明する。
フォーカスコイル7とトラッキングコイル8に電流が供給されていないときは、可動部3は基本位置に位置して、可動部3と対物レンズ2はほぼ水平の姿勢を維持している。
フォーカスコイル7とトラッキングコイル8に電流を供給すると、可動部3は、フォーカス方向とトラッキング方向の両方向に移動し、たとえば、第1のポジション〜第4ポジションのいずれかのポジションにシフトすることができる。なお、符号eは、トラッキングコイル8の巻線を流れる電流の方向を示している。
【0027】
図4(A),図5(A)〜(C)は、永久磁石9およびヨーク10に対して可動部3が、上方に移動し(フォーカス方向が+)、且つ右方に移動(トラック方向が+)した状態(第1のポジションにシフトした状態)を示している。
図5(B)に示す動作は、図4(A)に示す動作と同じ内容であるが、図5(C)は、図5(A)に示す動作と図5(B)に示す動作とを合成した結果を示している。
【0028】
まず、図5(A)に示すように、第1のポジションに可動部3がシフトすると、フォーカスコイル7により発生する駆動力のセンターずれにより、可動部3には時計回り方向の力Eが作用する。
もし仮に、磁性体12a,12bが可動部3に設けられていないと、可動部3は、力Eの作用によって、本来なら左側が上がり右側が下がるようにして右側に傾いてしまう。
【0029】
これに対して、四つの磁性体12a,12bを可動部3に取付けた本実施形態では、可動部3が第1のポジションにシフトしているときは、図4(A),図5(B)に示すように、対向領域S内に位置する一方の磁性体12aを磁界の中心位置(すなわち、永久磁石9の中心位置またはその近傍)Cの方向に引っ張る磁力F1の方が、対向領域S外に位置する他方の磁性体12bを磁界の中心位置Cの方向に引っ張る磁力F2より大きい。
磁力F1と磁力F2との差異に基づいて可動部3を左側に傾ける力(すなわち、磁力F1と磁力F2とを合成した磁力)が、磁性体12a,12bを介して可動部3に作用して、可動部3を反時計回り方向に回転させようとする(すなわち、左側に傾けようとする)。こうして、磁力F1と磁力F2との差異により、本来なら可動部3を右側に傾けるであろう力E(図5(A))を打ち消す。
図5(A)に示す動作と図5(B)に示す動作とを組み合わせた結果、図5(C)に示すように、可動部3を右側に不要に傾けようとする力Eと、力Eを打ち消して可動部3を左側に傾けようとする磁力F1,F2とが、可動部3に作用する。
その結果、可動部3は右側に傾くことなくほぼ水平になって対物レンズ2の傾きが補正され、対物レンズ2をほぼ水平の姿勢に制御することができる。
【0030】
図4(B)は、可動部3が、上方に移動し(フォーカス方向が+)、且つ左方に移動(トラック方向が−)した状態(第2のポジションにシフトした状態)を示している。
第2のポジションに可動部3がシフトすると、可動部3には、フォーカスコイル7を介して反時計回り方向の力Eが作用する。もし仮に、磁性体12a,12bが可動部3に設けられていないと、可動部3は、力Eの作用によって、本来なら左側が下がり右側が上がるようにして左側に傾いてしまう。
これに対して、四つの磁性体12a,12bを可動部3に取付けた本実施形態では、可動部3が第2のポジションにシフトしているときは、磁力F1は、対向領域S外に位置する一方の磁性体12aを磁界の中心位置Cの方向に引っ張るように作用し、磁力F2は、対向領域S内に位置する他方の磁性体12bを磁界の中心位置Cの方向に引っ張るように作用する。
このとき、磁力F2が磁力F1より大きいため、これら磁力F1,F2を合成した磁力は、可動部3を反時計回り方向に回転させようとする力E(左側に不要に傾けようとする力)を打ち消す方向に作用して、図4(B)に示すように可動部3を時計回り方向に回転させようとする(すなわち、右側に傾けようとする)。
その結果、可動部3の不要な傾きは打ち消されて対物レンズ2の傾きが補正され、この対物レンズ2を所望の正しい姿勢に制御することができる。
【0031】
図4(C)は、可動部3が、下方に移動し(フォーカス方向が−)、且つ右方に移動(トラック方向が+)した状態(第3のポジションにシフトした状態)を示している。
第3のポジションに可動部3がシフトすると、可動部3には、フォーカスコイル7を介して反時計回り方向の力Eが作用する。もし仮に、磁性体12a,12bが可動部3に設けられていないと、可動部3は、力Eの作用によって、本来なら左側が下がり右側が上がるようにして左側に傾いてしまう。
これに対して、四つの磁性体12a,12bを可動部3に取付けた本実施形態では、可動部3が第3のポジションにシフトしているときは、磁力F1は、対向領域S内に位置する一方の磁性体12aを磁界の中心位置Cの方向に引っ張るように作用し、磁力F2は、対向領域S外に位置する他方の磁性体12bを磁界の中心位置Cの方向に引っ張るように作用する。
このとき、磁力F1が磁力F2より大きいため、これら磁力F1,F2を合成した磁力は、可動部3を反時計回り方向に回転させようとする力E(左側に不要に傾けようとする力)を打ち消す方向に作用して、図4(C)に示すように可動部3を時計回り方向に回転させようとする(すなわち、右側に傾けようとする)。
その結果、可動部3の不要な傾きは打ち消されて対物レンズ2の傾きが補正され、この対物レンズ2を所望の正しい姿勢に制御することができる。
【0032】
図4(D)は、可動部3が、下方に移動し(フォーカス方向が−)、且つ左方に移動(トラック方向が−)した状態(第4のポジションにシフトした状態)を示している。
この第4のポジションに可動部3がシフトすると、可動部3には、フォーカスコイル7を介して時計回り方向の力Eが作用する。もし仮に、磁性体12a,12bが可動部3に設けられていないと、可動部3は、力Eの作用によって、本来なら左側が上がり右側が下がるようにして右側に傾いてしまう。
これに対して、四つの磁性体12a,12bを可動部3に取付けた本実施形態では、可動部3が第4のポジションにシフトしているときは、磁力F1は、対向領域S外に位置する一方の磁性体12aを磁界の中心位置Cの方向に引っ張るように作用し、磁力F2は、対向領域S内に位置する他方の磁性体12bを磁界の中心位置Cの方向に引っ張るように作用する。
このとき、磁力F2が磁力F1より大きいため、これら磁力F1,F2を合成した磁力は、可動部3を時計回り方向に回転させようとする力E(右側に不要に傾けようとする力)を打ち消す方向に作用して、図4(D)に示すように可動部3を反時計回り方向に回転させようとする(すなわち、左側に傾けようとする)。
その結果、可動部3の不要な傾きは打ち消されて対物レンズ2の傾きが補正され、この対物レンズ2を所望の正しい姿勢に制御することができる。
【0033】
上述の光ピックアップ1によれば、磁性体12a,12bを、磁界の中心位置Cから離れた位置の縦巻線部8aに沿って巻枠21に容易に取付けることができる。
また、光ピックアップ1はレンズセンタータイプなので、四つの磁性体12a,12bを対物レンズ2の周囲にほぼ均等にバランスよく配置することができる。
【0034】
図6は本実施形態の変形例を示す図で、図5相当図である。
図6に示す光ピックアップ1では、一方の磁性体12aを上下に分離して一方の巻枠21に取付け、他方の磁性体12bも上下に分離して他方の巻枠21に取付けている。磁性体12a,12bは、鉄片など金属片または永久磁石片からなっている。
本体部20の一方の側面22aでは、この側面22aに設けられた一方の巻枠21と他方の巻枠21における外方に位置する四つの角部に、合計四つの磁性体12a,12bが取付けられている。
これと同様に、本体部20の他方の側面22bでは、この側面22bに取付けられた一方の巻枠21と他方の巻枠21の外方の四つの角部には、合計四つの磁性体12a,12bが取付けられている。したがって、可動部3には、合計八つの磁性体12a,12bが取付けられている。
【0035】
こうして、永久磁石9による磁界の中心位置Cの方向に吸引される複数の磁性体12a,12bを可動部3に取付けており、他の構成は前記実施形態と同様である。
この変形例でも、可動部3がその基本位置からフォーカス方向とトラッキング方向の両方向にシフトしたときに発生する不要な傾きに対して、一方の各磁性体12aをそれぞれ引っ張る磁力F11,F12と、他方の各磁性体12bをそれぞれ引っ張る磁力F21,F22とが異なることにより(この変形例では、磁力F11,F12の合力と磁力F21,F22の合力とが異なることにより)、可動部3を不要に傾けようとする力Eを打ち消すようにしている。
その結果、前記実施形態と同じ作用効果を奏する。図6(A),(B),(C)に示す各動作は、図5(A),(B),(C)に示す各動作とそれぞれ同じである。
【0036】
本発明の実施形態および変形例では、磁性体12a,12bを鉄片など金属片または永久磁石片としたが、他の変形例として、磁性体12a,12bの材料は、粉末状または磁性体粉末を混入させた硬化可能な液体状であってもよい。
この場合には、磁性体12a,12bを可動部3に配置する箇所に、これらの粉末状磁性体または硬化可能な液体状磁性体を吹き付けまたは塗布して磁性体12a,12bを形成することになる。
【0037】
前記実施形態および各変形例で示した光ピックアップ1では、永久磁石9による磁界の中心位置Cの方向に吸引される少なくとも一対の磁性体12a,12bを可動部3に取付けたので、チルトコイルを可動部3に設ける必要がなくなり、簡素な構成で対物レンズ2の傾きを補正することができる。
チルトコイルが不要で可動部3を軽量化できるので、可動部3の応答速度(感度)を向上させることができ、可動部3が、所望の位置に精度よく迅速に移動して所望の姿勢を保つことができる。
また、トラッキングコイル8に大きな制御電流を流さなくてもよいので、トラッキングコイル8の巻数が少なくなって小型化できる。
【0038】
なお、本発明では、光ディスクの記録面の面ぶれなどがある場合に対処することもできる。すなわち、可動部3を一方側に不要に傾けようとする力Eと、この力Eを打ち消す磁力F1,F2(または、磁力F11,F12,F21,F22)が、磁性体12a,12bを介して可動部3に作用することにより、可動部3をわざと傾けるように意図的に制御して、対物レンズ2が光ディスクの記録面の面ぶれなどに対応して積極的に傾くようにしてもよい。
【0039】
以上、本発明の実施形態(各変形例を含む)を説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形,付加などが可能である。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0040】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したので、対物レンズが設けられた可動部が基本位置からフォーカス方向とトラッキング方向の両方向にシフトしたとき、一対の磁性体のうち一方の磁性体が対向領域内に位置すると他方の磁性体は対向領域より外れ、一方の磁性体が対向領域から外れると他方の磁性体は対向領域内に位置する配置関係にし、対向領域内に位置する磁性体を磁界の中心位置の方向に引っ張る磁力は大きいが、対向領域から外れた磁性体を磁界の中心位置の方向に引っ張る磁力は小さくなることを利用することにより、可動部がその基本位置からフォーカス方向とトラッキング方向の両方向にシフトしたとき、一方の前記磁性体を引っ張る磁力と他方の前記磁性体を引っ張る磁力とが異なるので、このときに発生する対物レンズの不要な傾きを補正してこの対物レンズを所望の姿勢に制御することができる。
また、可動部を一方側に不要に傾けようとする力と、この力を打ち消す磁力が、前記磁性体を介して可動部に作用することにより、この可動部をわざと傾けるように意図的に制御して、対物レンズが光ディスクの記録面の面ぶれに対応して積極的に傾くようにすれば、光ディスクの記録面に面ぶれがある場合に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1ないし図6は本発明の実施形態の一例を示す図で、図1は光ピックアップの平面図である。
【図2】 前記光ピックアップの分解斜視図である。
【図3】 可動部の斜視図である。
【図4】 前記光ピックアップの動作を説明するための図で、図1のD−D線概略矢視図である。
【図5】 本発明の原理を説明するための図で、図1のD−D線概略矢視図である。
【図6】 本実施形態の変形例を示す図で、図5相当図である。
【符号の説明】
1 光ピックアップ
2 対物レンズ
3 可動部
4 支持ワイヤ
5 支持台
6 ヨーク部
7 フォーカスコイル
8 トラッキングコイル
8a 縦巻線部
8b 横巻線部
9 永久磁石
10 ヨーク
12a,12b 磁性体
20 本体部
21 巻枠
22a 一方の側面
22b 他方の側面
B 光軸
C 磁界の中心位置
E 力
F1,F2,F11,F12,F21,F22 磁力
M 磁束
S 対向領域

Claims (7)

  1. 光ディスクの記録面上に光を集光させるための対物レンズが設けられ、前記光ディスクに対する前記対物レンズの位置をフォーカスコイルおよびトラッキングコイルで微調整可能な可動部と、
    この可動部を支持ワイヤを介して移動可能に支持する支持台と、
    この支持台が取付けられ、前記フォーカスコイルおよび前記トラッキングコイルとの間でそれぞれ磁気回路を構成する永久磁石が取付けられたヨーク部とを備え、
    前記永久磁石とこの永久磁石に対向し前記ヨーク部を構成するヨークとの間の対向領域では磁束の密度が高くなっており、
    前記フォーカスコイルと前記トラッキングコイルに電流が供給されていないときは、前記可動部は基本位置に位置して、この可動部と前記対物レンズはほぼ水平の姿勢を維持する光ピックアップであって、
    前記可動部には、前記永久磁石による磁界の中心位置の方向に吸引される少なくとも一対の磁性体を取付けるとともに、これら磁性体を、前記フォーカスコイルと前記トラッキングコイルに電流が供給されていないときは前記対向領域から外れるように配置し
    前記可動部が前記基本位置からフォーカス方向とトラッキング方向の両方向にシフトしたとき、前記一対の磁性体のうち一方の磁性体が前記対向領域内に位置すると他方の磁性体は前記対向領域より外れ、一方の磁性体が前記対向領域から外れると他方の磁性体は前記対向領域内に位置する配置関係であり、
    前記可動部が前記基本位置からフォーカス方向とトラッキング方向の両方向にシフトしたときに発生する不要な傾きに対して、一方の前記磁性体を引っ張る磁力と他方の前記磁性体を引っ張る磁力とが異なることにより、前記可動部を不要に傾けようとする力を打ち消すことを特徴とする光ピックアップ。
  2. 前記一方の磁性体を引っ張る前記磁力と前記他方の磁性体を引っ張る前記磁力との差異で、前記可動部を不要に傾けようとする前記力を打ち消すことにより、
    前記可動部はほぼ水平になり、前記対物レンズの傾きが補正されてこの対物レンズをほぼ水平の姿勢に制御することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
  3. 前記永久磁石とこの永久磁石に対向して配置された前記ヨークとの間に、前記トラッキングコイルを前記永久磁石の磁束が鎖交するように配置し、
    複数の前記トラッキングコイルの巻線は、前記可動部の本体部に形成された複数の巻枠にそれぞれ巻回され、
    前記トラッキングコイルは、縦方向を向く左右の縦巻線部と横方向を向く上下の横巻線部とを有し、
    前記磁性体は、前記永久磁石の中心位置から離れた位置の前記縦巻線部に沿って前記巻枠に取付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の光ピックアップ。
  4. 前記対物レンズは前記可動部のほぼ中央部に配置され、
    二つの前記トラッキングコイルが前記可動部の前記本体部の一方の側面に並んで配置され、他の二つの前記トラッキングコイルが前記可動部の前記本体部の他方の側面に並んで配置され、
    前記磁性体は、前記本体部の一方および他方の側面にそれぞれ並んで配置された二つの前記トラッキングコイルの巻枠がなす平面内の複数箇所に、前記対物レンズの光軸とほぼ平行となるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の光ピックアップ。
  5. 前記磁性体が金属片または永久磁石片であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの項に記載の光ピックアップ。
  6. 前記磁性体の材料が粉末状または硬化可能な液体状であり、
    この磁性体を前記可動部に配置する箇所に、前記粉末状磁性体または前記液体状磁性体を吹き付けまたは塗布して前記磁性体を形成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの項に記載の光ピックアップ。
  7. 光ディスクの記録面上に光を集光させるための対物レンズが設けられ、前記光ディスクに対する前記対物レンズの位置をフォーカスコイルおよびトラッキング コイルで微調整可能な可動部と、
    この可動部を支持ワイヤを介して移動可能に支持する支持台と、
    この支持台が取付けられ、前記フォーカスコイルおよび前記トラッキングコイルとの間でそれぞれ磁気回路を構成する永久磁石が取付けられたヨーク部とを備え、
    前記永久磁石とこの永久磁石に対向し前記ヨーク部を構成するヨークとの間の対向領域では磁束の密度が高くなっており、
    前記フォーカスコイルと前記トラッキングコイルに電流が供給されていないときは、前記可動部は基本位置に位置してこの可動部と前記対物レンズはほぼ水平の姿勢を維持し、
    前記可動部には、前記永久磁石による磁界の中心位置の方向に吸引される少なくとも一対の磁性体を取付けるとともに、これら磁性体を、前記フォーカスコイルと前記トラッキングコイルに電流が供給されていないときは前記対向領域から外れるように配置し、
    前記可動部が前記基本位置からフォーカス方向とトラッキング方向の両方向にシフトしたとき、前記一対の磁性体のうち一方の磁性体が前記対向領域内に位置すると他方の磁性体は前記対向領域より外れ、一方の磁性体が前記対向領域から外れると他方の磁性体は前記対向領域内に位置する配置関係であり、
    前記可動部が前記基本位置からフォーカス方向とトラッキング方向の両方向にシフトしたときに発生する不要な傾きに対して、一方の前記磁性体を引っ張る磁力と他方の前記磁性体を引っ張る磁力とが異なることにより、前記可動部を不要に傾けようとする力を打ち消す光ピックアップであって、
    前記可動部を一方側に不要に傾けようとする力と、この力を打ち消す磁力が、前記磁性体を介して前記可動部に作用することにより、この可動部をわざと傾けるように意図的に制御して、前記対物レンズが前記光ディスクの前記記録面の面ぶれに対応して積極的に傾くようにすることを特徴とする光ピックアップ。
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