JP3778493B2 - インバータ制御エンジン駆動発電機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンにより駆動される発電機の出力を整流し、インバータで規定電圧及び規定周波数の交流電力に変換して外部に出力するインバータ制御エンジン駆動発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
垂下特性を有する発電機をエンジン駆動発電機としての発電装置として使用する場合には、出力電圧及び出力周波数を一定とする定電圧及び定周波数出力特性を得る必要がある。この場合に、前記定電圧及び定周波数出力特性を得るための制御を行うと、始動時に定常運転時の数倍以上の始動電流が流れるモータや水銀灯等の負荷を使用した場合に過負荷運転状態となり、エンジンへの負担が大きくなることから、エンジンがストールしてしまうことがあるという問題を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この問題点を解決するために、本出願人は、発電機の出力特性における最大出力点をあらかじめ把握しておき、その最大出力点に到達する以前の基準点まではインバータの出力電圧が一定となるように定電圧制御を行い、当該基準点に達した場合にはインバータの出力電力を一定とする(出力電流の増加とともに出力電圧を減少させる)定電力制御を行うことで、発電機の最大出力点に到達する前にインバータの出力電圧を低下させることを可能としたインバータ制御エンジン駆動磁石式発電機の開発を行った(特願2000−239576参照)。
【0004】
しかし、前記インバータ制御エンジン駆動磁石式発電機を使用した場合には、インバータ出力を略定電力特性となるように制御することにより、発電機の出力をインバータの出力として有効に活用することができ、また、発電機が過出力領域に入ることを防止することで、過負荷及び短絡時に過電流保護の遮断器を有効に作動させることが可能であり、さらに、定電力制御する領域でのインバータの制御素子等を保護することが可能であるが、急激な負荷運転に対してエンジンがストールすることは解決されることはなく、加えて、負荷の始動性が悪いため、その改善が望まれていた。
【0005】
本発明は前記問題点を解消するためになされたものであり、負荷投入時の始動時における瞬時に過負荷状態となる負荷を使用した場合であっても、エンジンがストールすることを効果的に防止することが可能であるとともに、前記負荷の始動性を更に向上させることが可能であり、更に、過電流からインバータの回路素子等の保護を図ることがで可能となるインバータ制御エンジン駆動発電機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明のインバータ制御エンジン駆動発電機は、エンジンにより駆動される発電機の出力を整流手段により整流し、この整流出力をインバータで規定電圧及び規定周波数の交流電力に変換して出力するインバータ制御エンジン駆動発電機において、前記インバータの出力電流を検出する電流検出手段と、前記インバータの出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記電流検出手段により検出された検出電流と前記電圧検出手段により検出された検出電圧とに応じて前記インバータの出力を制御するインバータ制御手段とを備え、前記インバータ制御手段は、前記検出電流が前記発電機と前記エンジンの最大出力を超えない範囲において予め定められる第1の基準電流値以下の場合には、前記インバータの出力電圧及び出力周波数が一定となるように定電圧・定周波数制御を行うとともに、前記検出電流が前記第1の基準電流値を越えた場合には、前記インバータの出力電力が一定となるように前記出力電圧を制御して定電力制御を行い、かつ、出力周波数を垂下させる出力周波数垂下制御を行うこと、を特徴としている。
【0007】
本発明では、インバータの出力電流を検出して、発電機とエンジンの最大出力を越えない範囲において、前記検出電流が予め設定されている第1の基準電流値を越えた場合には、前記インバータの出力電力が一定となるように前記出力電圧を制御して定電力制御を行い、かつ、出力周波数を垂下させる出力周波数垂下制御を行っている。
従って、前記定電力制御を行うことにより、水銀灯等に代表される始動時に瞬時に過負荷状態となる負荷を使用した場合であっても、出力電圧を必要最小限下げることで、エンジンに一定以上の過負荷をかけることなく点灯させることができ、当該エンジンへの負担をも軽減することができるため、エンジンがストールすることを防止することができる。
【0008】
また、モータ負荷等の場合は、発電機の出力周波数を小さくすることにより、少ない始動電流で始動可能となる。従って、前記出力周波数垂下制御を行うことにより、負荷の始動時においてエンジン及び発電機にかかる負担を小さくすることができるため、スムーズに始動させることで負荷の始動性の向上を図ることができる。
【0009】
さらに、前記インバータ制御エンジン駆動発電機において、前記インバータ制御手段は、前記検出電流が前記第1の基準電流値より大きい予め定められる第2の基準電流値を超えた場合には、前記定電力制御を行なった場合の電力と比較して、その電力を小さくするように前記インバータの出力電圧を垂下させる出力電圧垂下制御を行うものとして構成することもできる。
【0010】
本発明によれば、前記インバータ制御手段は、前記検出電流が前記第1の基準電流値より大きい予め定められる第2の基準電流値を超えた場合には、前記定電力制御を行った場合の電力と比較して、その電力を小さくするように前記インバータの出力電圧を垂下させる出力電圧垂下制御を行うため、インバータの回路素子等に過電流が流れることを効果的に防止することができる。
【0011】
また、前記インバータ制御エンジン駆動発電機において、前記インバータ制御手段は、前記検出電流が前記第1の基準電流値以下である場合には、前記検出電流に応じて前記インバータの各スイッチング素子を制御して前記定電圧・定周波数制御を行い、前記検出電流が前記第1の基準電流値を超えた場合には、前記検出電流に応じて前記インバータの前記各スイッチング素子を制御して前記定電力制御を行い、かつ、前記出力周波数垂下制御を行うためのパルス幅変調信号を出力するパルス幅変調制御手段と、前記検出電流が前記第2の基準電流値を超えた場合には、前記出力電圧垂下制御を行うように所定の前記スイッチング素子への前記パルス幅変調信号の出力を阻止させるための第1のパルス幅変調信号出力阻止手段とを備えるように構成することにより、定電圧・定周波数制御、定電力制御、出力周波数垂下制御及び出力電圧垂下制御を効果的に行わせることが可能となる。
ここで、所定のスイッチング素子とは、出力電圧垂下制御を行うために必要となる前記インバータの各スイッチング素子の中の一部のスイッチング素子をいう。
【0012】
また、前記インバータ制御エンジン駆動発電機において、前記インバータの回路素子又は前記整流手段の温度を検出する温度検出手段を備え、前記インバータ制御手段は、前記検出電流が、前記第2の基準電流値より大きい予め定められる第3の基準電流値を超えた場合と、前記温度検出手段により検出された検出温度が予め定められる基準温度値を超えた場合との少なくともいずれか一方の場合には、前記インバータの出力電流を制限するように前記各スイッチング素子への前記パルス幅変調信号の出力を阻止させるための第2のパルス幅変調信号出力阻止手段とを備える構成とすることもできる。
【0013】
本発明によれば、第2のパルス幅変調信号出力阻止手段を備えることにより、予め定められる第3の基準電流値又は基準温度値を超えた際に、少なくとも前記第3の基準電流値を越えた出力電流を流さないように出力電流を制御することが可能となるため、過電流からインバータの回路素子等の保護を図ることができる。また、出力電流の制限は、検出電流と検出温度の少なくとも一方を検出することで、より確実に行うことができる。
【0014】
さらに、前記インバータ制御エンジン駆動発電機において、前記インバータ制御手段は、前記出力周波数垂下制御を行う場合には、前記出力周波数が予め定められる下限周波数以下とならないようにその制御を行う構成とすることもできる。
【0015】
本発明では、負荷の始動性を向上させるために出力周波数垂下制御を行っているが、所定の出力周波数以下にまで過度にその周波数を低下させると、当該負荷は再び始動性が悪化してしまう。従って、本発明によれば、インバータ制御手段が前記出力周波数垂下制御を行う場合において、出力周波数が予め定められる下限周波数以下にならないように制御を行うことで、周波数の過度の低下による負荷の始動性の低下を防止することができる。
【0016】
また、前記インバータ制御エンジン駆動発電機において、前記インバータ制御手段はマイクロコンピュータを備えており、前記定電圧・定周波数制御を行う場合には、前記電流検出手段及び前記電圧検出手段からの入力信号を前記マイクロコンピュータの演算手段が演算処理した出力信号を基に、前記パルス幅変調信号の制御を行うことで前記出力電圧及び前記出力周波数を一定とする制御を行い、前記定電力制御及び前記出力周波数垂下制御を行う場合には、前記検出電流が前記第1の基準電流値を超えた場合における前記電流検出手段及び前記電圧検出手段からの入力信号を前記演算手段が演算処理した出力信号に応じて、前記パルス幅変調信号の制御を行うことで、前記出力電圧を低下させる電力一定の制御、かつ、前記出力周波数を垂下させる制御を行い、前記出力電圧垂下制御を行う場合には、前記演算手段を介さずに、前記検出電流が前記第2の基準電流値を超えた場合に発せられる基準信号により、所定の前記スイッチング素子への前記パルス幅変調信号の出力を阻止することで前記検出電流に応じて前記出力電圧を垂下させる制御を行う構成とすることもできる。
【0017】
本発明において、インバータ制御手段は、定電圧・定周波数制御、定電力制御、及び、出力周波数垂下制御の際には、マイクロコンピュータの演算手段で演算処理した出力信号に応じてパルス幅変調信号の制御を行っている。
一方、検出電流が、第2の基準電流値を超えた場合には、迅速にその処理を行わないと、処理速度により発電機出力がエンジン出力を上回り、エンジンがストールしてしまうことがあることから、出力電圧垂下制御を行う際には、前記マイクロコンピュータの演算手段を介さずに、検出電流が第2の基準電流値を超えた場合に発せられる基準信号により、所定のスイッチング素子への前記パルス幅変調信号の出力を阻止することでその制御を行っている。従って、本発明によれば、高速で制御を行う必要がある出力電圧垂下制御を行う際に、一般的に使われている一定の演算処理時間を要するマイクロコンピュータを高速演算処理を行うマイクロコンピュータに変更して制御を行う必要がなく、インバータを構成するハード側で直接その制御を行うことで、迅速に制御を行うことができ、エンジンがストールすることを効果的に防止することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において、第1の基準電流値、第2の基準電流値及び第3の基準電流値は、前記の順でその値が大きくなるように予め定められており、さらに、前記第1の基準電流値は、発電機Gの最大出力に達する以前の値又はエンジンEの最大出力以内の値の両者を包含する値として定められるものとする。
さらに、コンデンサ若しくはスイッチング素子等の回路素子又は整流手段(以下、「回路素子等」という)が過電流による発熱により破損することを防止するために、その基準値として基準温度値が予め定められている。
【0019】
[概略構成]
図1に示すように、本発明のインバータ制御エンジン駆動発電機は、エンジンEにより駆動される発電機Gと、整流手段RECと、インバータ主回路IVと、電流検出器6(電流検出手段)と、電圧検出器7(電圧検出手段)と、温度検出器8(温度検出手段)と、インバータ制御手段10と、を主要部としている。そして、発電機Gの交流出力電圧を整流手段RECで整流することにより直流のリップル電圧を出力し、当該リップル電圧をコンデンサC1により直流電圧に平滑化するとともに、インバータ制御手段10により制御されているインバータ主回路IVのスイッチング素子5A〜5Dで規定電圧及び規定周波数の交流電力に変換して、LCフィルタにより波形成形した後に外部へ出力している。
【0020】
図2に示すように、前記インバータ主回路IVは、スイッチング素子5A〜5D(本実施形態では、MOSFET)を、整流手段RECの直流側で接続することにより形成されている(以下、インバータ主回路IVにおける正極側に接続されたスイッチング素子5A,5Cを「上アーム」と、負極側に接続されたスイッチング素子5B,5Dを「下アーム」という場合がある)。また、LCフィルタはフィルタコンデンサC2及び、リアクタL1,L2によりより形成されている。
なお、本実施形態では、整流手段として、ダイオードブリッジを使用しているが、インバータ主回路IVの保護として、サイリスタ制御による安定電源を使用しても良い。また、図2には、インバータ主回路IVを単相として図示しているが、多相とするものであってもよい。さらに、前記スイッチング素子5A〜5Dにかえて、IGBT等のスイッチング素子を使用してもよい。
【0021】
前記電流検出器6は、インバータ主回路IVの出力電流を検出する装置であり、検出された検出電流に比例した電圧が後記マイクロコンピュータ(以下、「マイコン11」という)のA/D(アナログデジタル)コンバータ11aに出力されている。しかも、この電流検出器6は、検出電流が第2の基準電流値を超えた場合には、ハイレベル信号を後記第1フリップフロップ31(以下、フリップフロップを「FF」という)のリセット入力部31dに出力して(それ以外の場合には、ロウレベル信号を出力する)、当該第1FF31の出力部31eからの出力をロウレベルにし、第3の基準電流値を超えた場合には、ハイレベル信号を後記第2FF32のリセット入力部32dに出力して(それ以外の場合には、ロウレベル信号を出力する)、当該第2FF32の出力部32eからの出力をロウレベル信号にするように構成されている。
【0022】
また、電圧検出器7は、インバータ主回路IVの出力電圧を検出する装置であり、検出された検出電圧に比例した電圧がマイコン11のA/Dコンバータ11bと第2演算増幅器23に出力されている。
さらに、温度検出器8は、回路素子等の温度を検出する装置であり、検出された検出温度に比例した電圧がマイコン11のA/Dコンバータ11cに出力されている。
なお、本実施形態では、検出温度はマイコン11を介して処理しているが、当該マイコン11を介さずに処理することも可能である。
【0023】
[インバータ制御手段]
インバータ制御手段10は、制御部であるマイコン11と、パルス幅変調制御手段20(以下、パルス幅変調を「PWM」という)と、PWM信号出力阻止手段30と、インバータ駆動回路40と、を主要部として構成されている。
【0024】
○マイコン
マイコン11は、主として、インバータ主回路IVの出力電圧及び出力周波数の制御を行うための装置であり、検出電流、検出電圧及び検出温度の入力データをA/D変換するためのA/Dコンバータ11a〜11cと、電圧・周波数制御演算部11d(演算手段)と、基準クロック発生部11eと、温度演算部11fとを備えている。
【0025】
前記電圧・周波数制御演算部11dは、入力された検出電流及び検出電圧からPWM信号の基準となる正弦波のデータを生成して、その値をD/A(デジタルアナログ)コンバータ21を介して、第1演算増幅器22に出力している。
【0026】
この電圧・周波数制御演算部11dは、検出電流が第1の基準電流値以下の場合には、検出電流及び検出電圧の入力信号を演算処理することにより、予め定められる一定値を出力信号として出力し、検出電流が第1の基準電流値を超えた場合には、前記検出電流及び検出電圧の入力信号を演算処理し、その演算結果に応じて前記一定値よりも所定の値だけ小さい値を出力するように構成されている。
【0027】
前記基準クロック発生部11eは、三角波発生演算増幅器25と、PWM信号出力阻止手段30における第1FF31及び第2FF32のクロック入力部31b,32bに、基準クロック信号をそれぞれ出力している。
また、前記温度演算部11fは、温度検出器8で検出された回路素子等の検出温度に応じて、第2FF32のデータ入力部32aに出力信号を出力しており、検出温度が予め定められる基準温度値以下の場合にはハイレベル信号を、前記基準温度値を超えた場合にはロウレベル信号をそれぞれ出力することができるように構成されている。
【0028】
○PWM制御手段
PWM制御手段20は、D/Aコンバータ21と、第1演算増幅器22と、第2演算増幅器23と、反転増幅器24と、三角波発生演算増幅器25と、第1PWM信号発生回路26と、第2PWM信号発生回路27と、を主要部として構成されている。
【0029】
前記D/Aコンバータ21は、電圧・周波数制御演算部11dから出力されたデジタル信号をアナログ変換し、入力値に比例した電圧を第1演算増幅器22に出力している。そして、第1演算増幅器22では、入力電圧に応じて波高値及び波形振幅を変化させた正弦波である交流波形を生成して(以下、生成された交流波形を「生成交流波形」という)、第2演算増幅器23に出力している。
【0030】
前記第2演算増幅器23は、検出電圧の交流波形と前記生成交流波形とを比較して演算増幅することにより、反転増幅器24及び第1PWM信号発生回路26に出力している。このとき、前記第2演算増幅器23は、検出電圧が生成交流波形の出力電圧よりも小さい場合には、両電圧の差分を前記生成交流波形に加算して、前記交流波形の出力を大きくした波形信号を出力し、検出電圧が生成交流波形の出力電圧よりも大きい場合には、両電圧の差分を前記生成交流波形から減算して、前記交流波形の出力を小さくした波形信号を出力する。
【0031】
前記反転増幅器24は、入力された交流波形(正弦波)と比較して180度位相がずれた交流波形(以下、「反転生成交流波形」という)を生成して、第2PWM信号発生回路27に出力している。
【0032】
前記三角波発生演算増幅器25は、基準クロック発生部11eから出力される基準クロック信号から三角波を生成し、生成された三角波を第1PWM信号発生回路26と第2PWM信号発生回路27にそれぞれ出力している。
【0033】
前記第1PWM信号発生回路26は、入力された生成交流波形と三角波とを比較して、インバータ主回路IVにおけるスイッチング素子5A,5Bをインバータ駆動回路40を介して駆動させるPWM信号を生成し、第1AND回路15Aのゲートと、第1反転回路16Aを介して第2AND回路15Bのゲートに出力している。
また、前記第2PWM信号発生回路27は、入力された反転生成交流波形と三角波とを比較して、インバータ主回路IVにおけるスイッチング素子5C,5Dを駆動させるPWM信号を生成し、第3AND回路15Cのゲートと、第2反転回路16Bを介して第4AND回路15Dのゲートに出力している。
インバータ駆動回路40を用いて、これらのPWM信号により上アームと下アームの駆動を制御することにより、規定電圧及び規定周波数、又は、定電力及び出力周波数低下の交流電力を生成することになる。
【0034】
前記第1AND回路15A、第2AND回路15B、第3AND回路15C及び第4AND回路15Dの出力は、インバータ駆動回路40を介して対応するスイッチング素子5A乃至5Dのゲートに入力されている。
【0035】
○PWM信号出力阻止手段
PWM信号出力阻止手段30は、第1FF31(第1のパルス幅変調信号出力阻止手段)と、第2FF32(第2のパルス幅変調信号出力阻止手段)とから構成されている。両者は、それぞれ、第1PWM信号発生回路26及び第2PWM信号発生回路27が生成するPWM信号が、上アーム(所定のスイッチング素子に相当)又は上下のアームに伝達されることを阻止するための制御信号を発生するための回路であり、DタイプFFから形成されている。
【0036】
前記第1FF31のデータ入力部31aにはハイレベル信号が、セット入力部31cにはロウレベル信号が、それぞれ、常時、入力されている。
また、リセット入力部31dには、検出電流に応じて電流検出器6が発する出力信号が入力されており、検出電流が第2の基準電流値以下の場合にはロウレベル信号が、検出電流が第2の基準電流値を超えた場合にはハイレベル信号が、それぞれ入力されるようになっている。
【0037】
前記第2FF32のデータ入力部32aには、温度検出器8の検出温度に応じて温度演算部11fから出力されるハイレベル信号又はロウレベル信号(前記マイコン11の説明参照)が、セット入力部32cにはロウレベル信号がそれぞれ入力されるようになっている。
また、リセット入力部32dには、検出電流に応じて電流検出器6が発する出力信号が入力されており、検出電流が第3の基準電流値以下の場合にはロウレベル信号が、検出電流が第3の基準電流値を超えた場合にはハイレベル信号が、それぞれ入力されるようになっている。
【0038】
前記第1AND回路15A及び第3AND回路15Cのゲートは、順方向の第1ダイオードD1を介して第1FF31の出力部31eと接続され、かつ、順方向の第2ダイオードD2を介して第2FF32の出力部32eと接続されている。なお、符号Rは第1AND回路15A及び第3AND回路15Cのゲートと接続されているプルアップ抵抗であり、当該第1AND回路15A及び第3AND回路15Cのゲートをハイの状態に保持する役割を果たしている。
また、前記第2AND回路15B及び第4AND回路15Dのゲートは、第2FF32の出力部32eと接続されている。
【0039】
前記構成である第1FF31及び第2FF32は、その出力部31e,32eから出力されるハイレベル信号とロウレベル信号により、第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dのゲートの開閉を制御することができるようになっている。すなわち、前記第1FF31の出力部31eから出力されるロウレベル信号により第1AND回路15A及び第3AND回路15Cのゲートがブロックされ、PWM出力信号が上アームに出力されることを阻止できるようになっており、また、ハイレベル信号により前記第1AND回路15A及び第3AND回路15Cのゲートのブロックが解除されるようになっている。
このように、前記第1FF31の出力部31eから出力されるロウレベル信号は、上アームへのPWM出力信号の出力を阻止するための出力阻止信号となっている。
【0040】
また、前記第2FF32の出力部32eから出力されるロウレベル信号により第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dのゲートがブロックされ、PWM出力信号が上アーム及び下アームに出力されることを阻止できるようになっており、ハイレベル信号により前記第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dのゲートのブロックが解除されるようになっている。
このように、前記第2FF32の出力部32eから出力されるロウレベル信号は、上アームへ及び下アームへのPWM出力信号の出力を阻止するための出力阻止信号となっている。
【0041】
○インバータ駆動回路
インバータ駆動回路40は、PWM信号により、インバータ主回路IVにおけるスイッチング素子5A乃至5Dを駆動させるための回路であり、PWM制御手段20とインバータ主回路IVとを電気的に絶縁するためのホトカプラ41A乃至41Dから構成されている。
【0042】
[作用]
以下、図1乃至図4を参照して、前記インバータ制御エンジン駆動発電機の作用を説明する。ここで、図4は、インバータ主回路IVの出力特性を示したものであり、縦軸のeは出力電圧、fは出力周波数を、横軸のiは出力電流をそれぞれ示している。
また、同図中のア点及びイ点を通る直線E1は発電機Gの直流出力を入力としてインバータ制御で規定電圧としての定格電圧の交流出力を生成した場合の定電圧特性、曲線E2はイ点及びウ点を通る交流出力の定電力特性、直線E3はウ点及びエ点を通る交流出力の電圧垂下特性、直線E4はエ点及びオ点を通る交流出力の定電流特性をそれぞれ示している。
さらに、同図中のカ点及びキ点(規定周波数としての定格周波数)を通る直線F1は交流出力の定周波数特性、直線F2はキ点及びク点を通る交流出力の周波数垂下特性、直線F3はク点(下限設定周波数)を通る交流出力の定周波数特性をそれぞれ示している。
【0043】
(1)検出電流が第1の基準電流値以下の場合
エンジンEの始動に伴い、発電機Gの出力が整流手段RECで整流されてインバータ主回路IVに供給される。そして、インバータ主回路IVは、供給された直流出力を定格電圧(規定電圧)及び定格周波数(規定周波数)の交流電力に変換して出力を行っており、当該インバータ主回路IVの出力電流、出力電圧及び回路素子等の温度は、それぞれが電流検出器6、電圧検出器7及び温度検出器8で検出され、マイコン11に入力されている(図3におけるS1,S7,S10,S13参照)。
【0044】
このとき、検出電流は第1の基準電流値以下であるため、電圧・周波数制御演算部11dは、検出電流及び検出電圧の入力信号を演算処理することにより、予め定められる一定値を出力信号としてD/Aコンバータ21を介して第1演算増幅器22に伝達する。第1演算増幅器22は入力信号に対応して、正弦波の波高値及び波形振幅を変化させて第2演算増幅器23に出力する。
【0045】
第2演算増幅器23は、入力された生成交流波形と電圧検出器7の検出電圧とを演算増幅し、正弦波の波高値及び波形振幅を増減して、第1PWM信号発生回路26と、反転増幅器24を介して第2PWM信号発生回路27とにそれぞれ出力する。
また、三角波発生演算増幅器25は、基準クロック発生部11eから出力される基準クロック信号を入力して三角波を生成し、第1PWM信号発生回路26と第2PWM信号発生回路27に出力する。そして、第1PWM信号発生回路26と第2PWM信号発生回路27では、入力された正弦波と三角波とを比較することによりPWM信号を生成し、当該PWM信号をそれぞれ第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dに出力する(図3におけるS2→S3参照)。
【0046】
この段階では、検出電流が第1の基準電流値以下であることから、第1FF31及び第2FF32の出力は、ともに、連続したハイレベル信号となる。そのため、第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dの各ゲートは開放されており、上下の各アームにはPWM信号が阻止されることなく伝達されることになる。そして、このPWM信号によりインバータ駆動回路40が制御されることで、インバータ主回路IVの交流出力電圧及びその周波数が負荷の大小にかかわらず一定となり、定電圧・定周波数制御が行われることになる(図3におけるS5→S6、図4における定電圧特性E1及び定周波数特性F1参照)。
【0047】
(2)検出電流が第1の基準電流値を超える場合
インバータ主回路IVの出力電流が増加し、検出電流が第1の基準電流値を超えた場合には、電圧・周波数制御演算部11dは、検出電流及び検出電圧の入力信号を演算処理することにより、その演算結果に応じて前記一定値よりも所定の値だけ小さい値を出力信号として、D/Aコンバータ21を介して第1演算増幅器22に伝達する。そして、第1演算増幅器22は入力信号に対応して、正弦波の波高値及び波形振幅を変化させて第2演算増幅器23に出力すると、前記検出電流が第1の基準電流値以下の場合と同様の手順でPWM信号が生成されて、それぞれ第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dに出力される(図3におけるS1→S2→S4参照)。
【0048】
この段階においても、検出電流は第2の基準電流値に達していないため、第1FF31及び第2FF32の出力は、ともに、連続したハイレベル信号となる。そのため、第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dの各ゲートは開放されており、上下の各アームにはPWM信号が阻止されることなく伝達され、このPWM信号によりインバータ駆動回路40が制御されることになるが、第1演算増幅器22により出力される波高値及び波形振幅を変化させた生成交流波形を使用してPWM信号を生成しているため、出力電流に対して出力電圧を低下させることにより出力電力を一定とする定電力制御が行われると共に、正弦波の周波数を変化させることにより出力周波数垂下制御が行われる。(図3におけるS5→S6、図4における定電力特性E2及び周波数垂下特性F2参照)。
【0049】
なお、一例として、定電力制御及び出力周波数垂下制御を行う場合には、予め定められる規定電力、定格周波数、第1の基準電流値を超えた出力電流に基づいて、それぞれ、以下の式(a)及び式(b)を相互に満たすように、マイコン11及びPWM制御手段20で制御することになる。ここで、規定電力とは、発電機Gの最大出力に達する以前の値であり、エンジンEの最大出力以内の値を加味し、エンジンEがストールしない範囲の値を基準点としたインバータ主回路IVの出力電力である。
○定電力制御
出力電圧=規定電力/出力電流 ・・(a)
○出力周波数垂下制御
出力周波数=定格周波数−(出力電流−第1の基準電流値)×k ・・(b)
k:換算係数(Hz/A)(本実施形態では1に設定)
【0050】
(3)検出電流が第2の基準電流値を超える場合
インバータ主回路IVの出力電流が増加し、検出電流が第2の基準電流値を超えた場合においても、前記と同様の方法で、マイコン11及びPWM制御手段20により定電力制御及び出力周波数垂下制御を行う場合のPWM信号が生成されて、それぞれ第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dに出力される(図3におけるS1→S2→S4参照)。
【0051】
一方、検出電流が第2の基準電流値に達しているため、第1FF31のリセット入力部31dに電流検出器6の発するハイレベル信号が入力される。すると、第1FF31の出力部31eからの出力がハイレベル信号からロウレベル信号(上アームへの出力阻止信号に相当)に変化し、それに伴い第1AND回路15A及び第3AND回路15Cのゲートがブロックされる(図3におけるS7→S8→S9参照)。
そのため、第1AND回路15A及び第3AND回路15Cから上アームに出力されるPWM信号が阻止されるため、インバータ駆動回路40を介して上アームがオフになり、下アームのみがオン、オフ制御を行うことになる(図3におけるS5→S6参照)。
なお、このときには、インバータ主回路IVに接続されている負荷の環流電流が流れることと、出力周波数垂下制御とにより、負荷の始動性が良好になる。
【0052】
そして、上アームがオフになることにより、インバータ主回路IVの検出電流が一瞬、第2の基準電流値以下になるため、電流検出器6から第1FF31のリセット入力部31dに発せられる出力信号がロウレベル信号になる。それに伴い、第1FF31の出力信号はロウレベル信号からハイレベル信号に変化して、第1AND回路15A及び第3AND回路15Cのゲートのブロックが解除される。それにより、第1AND回路15A及び第3AND回路15CからPWM信号が出力され、インバータ主回路IVからの出力がなされることになる。
【0053】
以下同様に、前記第1AND回路15A及び第3AND回路15Cのゲートの制御を繰り返すことで、前記と同様の作用により出力電圧垂下制御が行われることになる(図4における電圧垂下特性E3参照)。
なお、このときの交流出力の出力周波数は、前記検出電流が第1の基準電流値を超える場合に引き続いて出力周波数垂下制御が行われる(図4における周波数垂下特性F2参照)。
【0054】
前記出力電圧垂下制御を行なう場合には、前記定電力制御を行った場合の電力と比較して、その電力を小さくするように出力電圧を低下させるため、回路素子等に過電流が流れることを効果的に防止することができる。
さらに、出力電圧垂下制御は、マイコン11の電圧・周波数制御演算部11dで演算された結果を直接的に用いるものではなく、電流検出器6から発せられる出力信号により上アームの制御を行っているため、高速でその制御を行うことができる。
【0055】
(4)検出電流が第3の基準電流値を超える、又は、検出温度が基準温度値を超える場合
さらに、インバータ主回路IVの出力電流が増加し、検出電流が第3の基準電流値を超えた場合においても、前記と同様の方法により定電力制御及び出力周波数垂下制御を行う場合のPWM信号が生成されて、それぞれ第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dに出力されるとともに(図3におけるS1→S2→S4参照)、出力電圧垂下制御が行われている(図3におけるS7→S8→S9→S5→S6参照)。
【0056】
一方、検出電流は第3の基準電流値に達しているため、第2FF32のリセット入力部32dに電流検出器6の発するハイレベル信号が入力される。すると、第2FF32の出力部32eからの出力は、ハイレベル信号からロウレベル信号(上下アームへの出力阻止信号に相当)に変化し、それに伴い、第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dのゲートがブロックされ、第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dから出力されるPWM信号が阻止されるため、インバータ駆動回路40を介して上アーム及び下アームがオフになる(図3におけるS10→S11→S12→S5→S6参照)。
【0057】
すると、インバータ主回路IVからの出力が一瞬停止するため、検出電流が第3の基準電流値以下になり過電流の状態が解除される。それに伴い、電流検出器6から第2FF32のリセット入力部32dに発せられる出力信号がロウレベル信号になるため、当該第2FF32の出力部32eからの出力は、ロウレベル信号からハイレベル信号に変化して、第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dのゲートのブロックが解除される。そして、第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dからインバータ駆動回路40を介して上アーム及び下アームにPWM信号が出力され、インバータ主回路IVからの出力が行われることになる。
【0058】
以下同様に、前記第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dのゲートの制御を繰り返すことにより、第3の基準電流値以上の電流が流れないように出力電流を制限する出力電流の制御を行い、インバータ主回路IVの回路素子等の保護を図ることができる(図4における定電流特性E4及び周波数垂下特性F2参照)。
【0059】
なお、前記出力周波数垂下制御を行う場合において、電圧・周波数制御演算部11dは、出力周波数が予め定められる下限周波数以下とならないようにその制御を行っているため、周波数の過剰な低下による負荷の始動性の低下を防止させることができる(図4における定周波数特性F3参照)。
また、本実施形態では、定周波数特性F3のク点については、第2の基準電流値と第3の基準電流値との間に存在する場合を想定してその説明を行っているが、周波数垂下特性F2の勾配の程度によっては、第1の基準電流値と第3の基準電流値の間に存在するものである。
【0060】
さらに、前記の出力電流の制御は、回路素子等の検出温度が基準温度値より大きくなった場合に、温度演算部11fから第2FF32のデータ入力部32aにロウレベル信号が入力されることを契機として、当該第2FF32の出力部32eからの出力がロウレベル信号になり、第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dのゲートがブロックされ、第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dから出力されるPWM信号が阻止されて上アーム及び下アームがオフになることによっても同様の動作で行われる(図3におけるS13→S14→S12→S5→S6参照)。
つまり、出力電流制御は、電流検出器6からの出力信号と、温度検出器8からの出力信号との2系統でその制御を行っており、少なくとも一方の動作で制御を行うことができることから、より確実にその制御を行うことができる。
【0061】
また、検出温度による第2FF32からのロウレベル信号の出力は、基準温度値を超えたときに行われるが、当該ロウレベル信号の出力を解除するには検出温度が基準温度値を下回ったときに当該第2FF32のデータ入力部32aにハイレベル信号が入力されること、或いは、検出温度が基準温度値を下回り、回路素子等の安全が確認された後に、復帰信号により、第2FF32のデータ入力部32aにハイレベル信号を入力させることで行うことも可能である。
【0062】
このように、本発明によれば、図4に示すように、インバータ制御手段10は、発電機GとエンジンEの出力特性における最大出力点をあらかじめ把握しておき、その最大出力点に達する以前の第1の基準電流値に対応する第1基準点イに達するまではインバータ主回路IVの出力電圧が一定となるように定電圧制御を行い(ア点〜イ点)、当該第1基準点イを超えた場合には、インバータ主回路IVの交流出力は電流の増加とともに電圧を減少させて定電力制御を行うことで(イ点〜ウ点)、発電機Gの最大出力点に達する前にインバータ主回路IVの出力電圧を低下させることが可能となる。従って、始動時に定常運転時の数倍以上の始動電流が流れるモータや水銀灯等の負荷を使用した場合であっても、エンジンEへの負担を軽減し、当該エンジンEがストールしてしまうことを効果的に防止することができる。
また、前記第1基準点イを超えた場合には、出力周波数を垂下させる出力周波数垂下制御を行い、負荷の始動時においてエンジンE及び発電機Gにかかる負担を小さくすることで、スムーズに始動させ、負荷の始動性の向上を図ることができる。
【0063】
さらに、本発明によれば、インバータ制御手段10は、前記検出電流が第2の基準電流値を超えた場合には、前記定電力制御を行った場合の電力と比較して、その電力を小さくするように出力電圧を低下させる出力電圧垂下制御を行うことで(ウ点〜エ点)、インバータ主回路IVの回路素子等に過電流が流れることを効果的に防止することができる。
【0064】
また、本発明によれば、インバータ制御手段10は、予め定められる第3の基準電流値又は基準温度値を超えた際に、少なくとも前記第3の基準電流値を越えた出力電流を流さないように出力電流の制御を行うことで(エ点〜オ点)、前記回路素子等に過電流が流れることを防止してその保護を図ることができる。
【0065】
以上、本発明について、好適な実施形態の一例を説明した。しかし、本発明は、前記実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能である。
特に、検出電流が第2の基準電流値を超えた場合において、出力電圧垂下制御を行う場合に、上アームに伝達されるパルス幅変調信号の出力を阻止するように構成したが、下アームに伝達されるパルス幅変調信号の出力を阻止するように構成するものでもよい。
また、前記発電機の制御において、上アームと、下アームへの少なくとも一方の出力阻止信号の出力は、マイコンのみで行うことも可能である。
さらに、前記インバータ制御エンジン駆動発電機は、可変速発電機や溶接発電機にも適用可能である。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、負荷投入時の始動時における瞬時に過負荷状態となる負荷を使用した場合であっても、エンジンがストールすることを効果的に防止することが可能であるとともに、前記負荷の始動性を更に向上させることが可能であり、更に、過電流からインバータの回路素子等の保護を図ることが可能となるインバータ制御エンジン駆動発電機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるインバータ制御エンジン駆動発電機の構成を示すブロック図である。
【図2】インバータ主回路を示す回路図である。
【図3】本発明のインバータ制御エンジン駆動発電機の出力制御の方法を示すフロー図である。
【図4】本発明のインバータ制御エンジン駆動発電機の出力特性を示す概念図である。
【符号の説明】
E エンジン
G 発電機
REC 整流手段
IV インバータ主回路
5A〜5D スイッチング素子
6 電流検出器(電流検出手段)
7 電圧検出器(電圧検出手段)
8 温度検出器(温度検出手段)
10 インバータ制御手段
11 マイコン(マイクロコンピュータ)
11d 電圧・周波数制御演算部(演算手段)
20 PWM制御手段
21 D/Aコンバータ
22 第1演算増幅器
23 第2演算増幅器
24 反転増幅器
25 三角波発生演算増幅器
26 第1PWM信号発生回路
27 第2PWM信号発生回路
30 PWM信号出力阻止手段
31 第1FF(第1のパルス幅変調信号出力阻止手段)
32 第2FF(第2のパルス幅変調信号出力阻止手段)
40 インバータ駆動回路

Claims (6)

  1. エンジンにより駆動される発電機の出力を整流手段により整流し、この整流出力をインバータで規定電圧及び規定周波数の交流電力に変換して出力するインバータ制御エンジン駆動発電機において、
    前記インバータの出力電流を検出する電流検出手段と、
    前記インバータの出力電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電流検出手段により検出された検出電流と前記電圧検出手段により検出された検出電圧とに応じて前記インバータの出力を制御するインバータ制御手段とを備え、
    前記インバータ制御手段は、前記検出電流が前記発電機と前記エンジンの最大出力を超えない範囲において予め定められる第1の基準電流値以下の場合には、前記インバータの出力電圧及び出力周波数が一定となるように定電圧・定周波数制御を行うとともに、
    前記検出電流が前記第1の基準電流値を越えた場合には、前記インバータの出力電力が一定となるように前記出力電圧を制御して定電力制御を行い、かつ、出力周波数を垂下させる出力周波数垂下制御を行うこと、
    を特徴とするインバータ制御エンジン駆動発電機。
  2. 請求項1に記載のインバータ制御エンジン駆動発電機において、
    前記インバータ制御手段は、前記検出電流が前記第1の基準電流値より大きい予め定められる第2の基準電流値を超えた場合には、前記定電力制御を行なった場合の電力と比較して、その電力を小さくするように前記インバータの出力電圧を垂下させる出力電圧垂下制御を行うこと、
    を特徴とするインバータ制御エンジン駆動発電機。
  3. 請求項2に記載のインバータ制御エンジン駆動発電機において、前記インバータ制御手段は、
    前記検出電流が前記第1の基準電流値以下である場合には、前記検出電流に応じて前記インバータの各スイッチング素子を制御して前記定電圧・定周波数制御を行い、
    前記検出電流が前記第1の基準電流値を超えた場合には、前記検出電流に応じて前記インバータの前記各スイッチング素子を制御して前記定電力制御を行い、かつ、前記出力周波数垂下制御を行うためのパルス幅変調信号を出力するパルス幅変調制御手段と、
    前記検出電流が前記第2の基準電流値を超えた場合には、前記出力電圧垂下制御を行うように所定の前記スイッチング素子への前記パルス幅変調信号の出力を阻止させるための第1のパルス幅変調信号出力阻止手段とを備えること、
    を特徴とするインバータ制御エンジン駆動発電機。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のインバータ制御エンジン駆動発電機において、
    前記インバータの回路素子又は前記整流手段の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記インバータ制御手段は、
    前記検出電流が、前記第2の基準電流値より大きい予め定められる第3の基準電流値を超えた場合と、
    前記温度検出手段により検出された検出温度が予め定められる基準温度値を超えた場合との少なくともいずれか一方の場合には、
    前記インバータの出力電流を制限するように前記各スイッチング素子への前記パルス幅変調信号の出力を阻止させるための第2のパルス幅変調信号出力阻止手段とを備えることを特徴とするインバータ制御エンジン駆動発電機。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインバータ制御エンジン駆動発電機において、
    前記インバータ制御手段は、前記出力周波数垂下制御を行う場合に、前記出力周波数が予め定められる下限周波数以下とならないようにその制御を行うことを特徴とするインバータ制御エンジン駆動発電機。
  6. 請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載のインバータ制御エンジン駆動発電機において、
    前記インバータ制御手段はマイクロコンピュータを備えており、
    前記定電圧・定周波数制御を行う場合には、
    前記電流検出手段及び前記電圧検出手段からの入力信号を前記マイクロコンピュータの演算手段が演算処理した出力信号を基に、前記パルス幅変調信号の制御を行うことで前記出力電圧及び前記出力周波数を一定とする制御を行い、
    前記定電力制御及び前記出力周波数垂下制御を行う場合には、
    前記検出電流が前記第1の基準電流値を超えた場合における前記電流検出手段及び前記電圧検出手段からの入力信号を前記演算手段が演算処理した出力信号に応じて、前記パルス幅変調信号の制御を行うことで、前記出力電圧を低下させる電力一定の制御、かつ、前記出力周波数を垂下させる制御を行い、
    前記出力電圧垂下制御を行う場合には、
    前記演算手段を介さずに、前記検出電流が前記第2の基準電流値を超えた場合に発せられる基準信号により、所定の前記スイッチング素子への前記パルス幅変調信号の出力を阻止することで前記検出電流に応じて前記出力電圧を垂下させる制御を行うこと、
    を特徴とするインバータ制御エンジン駆動発電機。
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