JP3776329B2 - レーダ識別装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、受信したレーダ波について得られるレーダ波データに基づいて当該レーダ波の発信源種を識別するレーダ識別装置に係り、特にパルスの形状的特徴をも識別基準として採用するレーダ識別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は、従来のレーダ識別装置の構成を示すブロック図である。図12において、101はレーダ波を受信してレーダ波データを生成するレーダ波受信部、102はレーダ波受信部101から入力するレーダ波データから種々の電波諸元を抽出するとともに、抽出された電波諸元と所与の諸元識別辞書とを対照することで、受信されたレーダ波に係る送信源の種類、種別等(レーダ波を送信するレーダサイト等を識別するもので、以下の説明では発信源種と称する)を識別して識別結果を出力するレーダ波諸元識別部、103はレーダ波諸元識別部102から入力する識別結果をユーザに提示する表示部である。
【0003】
レーダ波諸元識別部102により抽出される電波諸元としては、例えば特開平11−326494号公報に開示された電波源名称識別装置によれば、周波数、PRF(Pulse Repetition Frequency)およびパルス幅等の諸元値、並びに、周波数について当該周波数が常時一定であるかあるいは所定の範囲で変動するかで区別する周波数モード、PRFについてパルスの出力間隔が常時一定であるかあるいは所定の範囲で変動するかで区別するPRFモード、およびパルスについて繰り返し間隔毎に出力されるパルスが1であるかあるいは2であるかで区別するパルスモード等の諸元モードが挙げられる。また、上記公報に開示された電波源名称識別装置では、所与の諸元識別辞書を参照することで各電波諸元毎に受信したレーダ波がそれぞれの発信源種に該当する可能性を示す確率得点を算出して、当該確率得点の総計に基づいて受信したレーダ波に係る発信源種を識別する。また、特開平9−264946号公報に開示されたレーダ識別装置では、発信源種の識別を高速に実施するために、諸元識別辞書において識別に有効な諸元グループの構築を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のレーダ識別装置は以上のように構成されているので、上記のように周波数、PRFおよびパルス幅等の電波諸元を基にして、受信したレーダ波に係る発信源種を識別する。然るに、これらの電波諸元はそれぞれの発信源種について所定の規約に基づいてその設定がなされるものであるから、何らかの過誤等によりレーダ波の送受信において送信側で設定された電波諸元と受信側で設定された電波諸元とが全てまたは一部において一致しない可能性があり、必ずしも正確な識別結果を得ることができないという課題があった。また、事前に多くの発信源種を網羅する充分な諸元識別辞書が与えられていない場合、あるいは発信源種の識別のための学習用データが充分に得られない場合には、識別性能が低いという課題があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、レーダ波の波源固有の特徴が顕現するパルス波形に係る解析を併用することで、識別精度の向上したレーダ識別装置を得ることを目的とする。
【0006】
また、事前にレーダ波に係る充分な識別辞書を得られなくても、あるいは学習用のデータを充分に得られなくても、発信源種の明らかでないレーダ波をも含めた教師なし学習により実用的な識別精度を確保することができるレーダ識別装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るレーダ識別装置は、レーダ波を受信してレーダ波データを生成するレーダ波受信部と、レーダ波データを適宜分断してパルスデータを生成し、当該パルスデータから局所的な特徴量として時系列に与えられる局所周期成分を抽出し、レーダ波毎のパルスデータについて得られるそれぞれの局所周期成分を所定数に分類された複数の局所パターンのなかのいずれかの局所パターンに帰属させ、発信源種が予め明らかになっているレーダ波に係る局所周期成分の各局所パターンへの帰属状態に基づいて発信源種と当該発信源種を特定し得る局所パターンとを対応付け、対応付けられた発信源種と局所パターンとの組合せを集成することによりパルスデータに基づいて発信源種を識別するためのパルス識別判定規則を構成するパルス分類部と、レーダ波データを適宜分断してパルスデータを生成し、当該パルスデータから局所周期成分を抽出し、それぞれの局所周期成分をパルス分類部で設定されたと同じ複数の局所パターンのなかのいずれかの局所パターンに帰属させ、受信されたレーダ波に係る局所周期成分の各局所パターンへの帰属状態とパルス識別判定規則とを対照することにより発信源種を識別して識別結果を出力するパルス判定部と、入力する識別結果に基づいて、受信されたレーダ波に係る発信源種あるいは識別不能である旨などをユーザに提示する表示部とを備えるようにしたものである。
【0008】
この発明に係るレーダ識別装置は、パルス分類部において、それぞれ正規分布として与えられる複数の局所パターン全体を表現する混合正規分布に基づいて、それぞれの局所周期成分の各局所パターンへの帰属確率を求めることで、当該局所周期成分の帰属する局所パターンを決定するようにしたものである。
【0009】
この発明に係るレーダ識別装置は、レーダ波を受信してレーダ波データを生成するレーダ波受信部と、レーダ波データから局所的な特徴量として時系列に与えられる局所周期成分を抽出し、レーダ波について時系列に与えられる局所周期成分がそれぞれ帰属し得る複数の局所パターンおよび局所パターン間の遷移を規定する複数の遷移パターンから成る状態遷移モデルに基づいてレーダ波毎に当該レーダ波に係る局所周期成分が状態遷移モデル上で遷移する遷移経路を推定し、発信源種が予め明らかになっているレーダ波の遷移経路を構成する個々の部分経路についての各遷移パターンへの帰属状態に基づいて発信源種と当該発信源種を特定し得る遷移パターンとを対応付け、対応付けられた発信源種と遷移パターンとの組み合わせを集成することによりレーダ波データに基づいて発信源種を識別するためのパルス識別判定規則を構成するパルス分類部と、レーダ波データから局所周期成分を抽出し、状態遷移モデルに基づいて受信されたレーダ波に係る局所周期成分が状態遷移モデル上で遷移する遷移経路を推定し、当該遷移経路を構成する個々の部分経路の各遷移パターンへの帰属状態とパルス識別判定規則とを対照することにより発信源種を識別して識別結果を出力するパルス判定部と、入力する識別結果に基づいて、受信されたレーダ波に係る発信源種あるいは識別不能である旨などをユーザに提示する表示部とを備えるようにしたものである。
【0010】
この発明に係るレーダ識別装置は、パルス分類部において、任意のレーダ波に係る局所周期成分の遷移経路を検証して、当該遷移経路を構成する個々の部分経路が帰属するそれぞれの遷移パターンにより特定し得る発信源種の種類数が0または2以上である場合に、状態遷移モデルを変形するようにしたものである。
【0011】
この発明に係るレーダ識別装置は、レーダ波データから1または複数の電波諸元を抽出し、抽出された電波諸元に基づいて受信されたレーダ波に係る発信源種を識別するレーダ波諸元識別部を備え、表示部において、パルス判定部から出力される識別結果とレーダ波諸元識別部から出力される識別結果とに基づいて、受信されたレーダ波に係る発信源種あるいは識別不能である旨などをユーザに提示するようにしたものである。
【0012】
この発明に係るレーダ識別装置は、パルス分類部を有して構成される基地局と、レーダ波受信部、パルス判定部および表示部を有して構成される携帯器とを備えるようにしたものである。
【0013】
この発明に係るレーダ識別装置は、レーダ波受信部を有して構成される自動器と、パルス分類部を有して構成される基地局と、パルス判定部および表示部を有して構成される携帯器とを備えるようにしたものである。
【0014】
この発明に係るレーダ識別装置は、パルス分類部を有して構成される基地局と、レーダ波受信部、パルス判定部、レーダ波諸元識別部および表示部を有して構成される携帯器とを備えるようにしたものである。
【0015】
この発明に係るレーダ識別装置は、レーダ波受信部を有して構成される自動器と、パルス分類部を有して構成される基地局と、パルス判定部、レーダ波諸元識別部および表示部を有して構成される携帯器とを備えるようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるレーダ識別装置の構成を示すブロック図である。図1において、1はレーダ波を受信してレーダ波データを生成するレーダ波受信部、2はレーダ波受信部1から入力するレーダ波データからパルス波形に係るパルスデータを生成するとともに当該パルスデータから時系列に抽出される部分的特徴量についての分類結果に基づいて発信源種を識別するための規則(以下、パルス識別判定規則と称する)を作成するパルス分類部、3はレーダ波受信部1からレーダ波データを入力するとともにパルス分類部2からパルス識別判定規則を入力して、受信したレーダ波に係る発信源種を識別して当該識別結果(以下、パルス識別結果と称する)を出力するパルス判定部、4はレーダ波受信部1からレーダ波データを入力して、周波数、PRF、パルス幅等の電波諸元に基づいて発信源種を識別するための規則(以下、諸元識別判定規則と称する)に基づいて受信したレーダ波に係る発信源種を識別して識別結果(以下、諸元識別結果と称する)を出力するレーダ波諸元識別部、5はパルス判定部3からパルス識別結果を入力するとともにレーダ波諸元識別部4から諸元識別結果を入力して、パルス識別結果および諸元識別結果から発信源種を総合的に識別する規則(以下、総合識別判定規則と称する)に基づいて受信したレーダ波に係る発信源種を識別して当該識別結果をユーザに提示する表示部である。
【0017】
次に、図1に示されるこの発明の実施の形態1によるレーダ識別装置に係る動作について説明する。ここで、以下の動作説明において使用される幾つか用語について、予め定義しておく。受信されたレーダ波に係る発信源種が予めまたはレーダ波受信部1の機能により明らかとなっているレーダ波を”識別付レーダ波”と称する。また、受信されたレーダ波に係る発信源種が不明なレーダ波を”未識別レーダ波”と称する。また、識別付レーダ波データおよび未識別レーダ波データを電波受信等に基づいて入力して、これらのレーダ波データに基づいて教師なし分類を実施しパルス識別判定規則を構成する際のレーダ識別装置の使用形態を”識別準備形態”と称する。さらに、未識別レーダ波を受信して、受信されたレーダ波に係る発信源種を識別する際のレーダ識別装置の使用形態を”識別実施形態”と称する。
【0018】
レーダ波受信部1は、レーダ波を受信してレーダ波データを生成する。この生成されるレーダ波データは、例えば、所定間隔の時刻毎にレーダ波強度を測定することで得られる時系列のレーダ波強度値から成る主データと、レーダ波強度の測定時間間隔並びに識別付レーダ波の場合には当該識別付レーダ波に係る発信源種の識別情報(以下、発信源識別子と称する)から成る副データとを有して構成される。したがって、受信されたレーダ波に係るレーダ波データは、発信源種が明らかであり発信源識別子が付記された識別付レーダ波データと、発信源種が不明であり識別付レーダ波との整合をとるために仮識別子が付記された未識別レーダ波データとに類別される。識別付レーダ波については、レーダ波受信部1は、レーダ波データをパルス分類部2のみに出力する。また、未識別レーダ波については、レーダ波受信部1は、識別準備形態ではレーダ波データをパルス分類部2のみに出力し、識別実施形態ではレーダ波データをパルス分類部2、パルス判定部3およびレーダ波諸元識別部4へ出力する。
【0019】
図2は、パルス分類部における動作を示すフローチャートである。パルス分類部2は、レーダ波受信部1からレーダ波データを入力すると、当該レーダ波データを適宜分断してパルスデータを取り出して格納する(ステップST1)。なお、パルスデータにより同定されるパルス波形は、レーダ波源となる装置を構成するマグネトロン等の構成部材についてそれぞれ固有の形状的特徴を有することが知られている。すなわち、発信源種毎の特徴がパルス波形に顕現することになる。次に、パルス分類部2は、取り出されたパルスデータを基にして、パルス波形を同定する時系列データに対して所定の演算を適用することで変換を実施することにより部分的特徴量(以下、局所周期成分と称する)を時系列に抽出する(ステップST2)。次に、パルス分類部2は、得られた局所周期成分について、局所周期成分をその特徴に基づいて所定数のカテゴリーに分類するためにそれぞれ当該カテゴリーを表現する特徴量が規定される複数のパターン(以下、局所パターンと称する)においていずれの局所パターンに帰属するかに係る分類を実施して、分類結果を格納する(ステップST3)。分類結果が得られれば、パルス分類部2は、識別付レーダ波データの各局所パターンへの帰属状態を検出して、当該帰属状態に整合するように規定されるパルス識別判定規則を構成し、構成されたパルス識別判定規則をパルス判定部3へ出力する(ステップST4)。なお、パルス分類部2によるパルス識別判定規則の構成を監視並びに制御するとともに、パルス識別判定規則を修正できるように、パルス分類部2が表示機能および制御機能を有するのが好適である。また、レーダ波受信部1のみではなく別の装置において作成または蓄積された識別付レーダ波データおよび未識別レーダ波データを入力してパルス判定識別規則を効率的に作成できるように、パルス分類部2がデータ入力インタフェース機能を有するのが好適である。
【0020】
次に、上記のステップST1からステップST4として示された各工程について詳細に説明する。ステップST1においては、レーダ波データについて各時刻毎のレーダ波強度値を検出して、レーダ波強度値が所定のしきい値より大きな時間帯をパルス時間と判定する。さらに、パルス時間の前後に所定の時間を付加して得られる時間帯におけるレーダ波データを他の部分から分断してパルスデータとして取り出し、当該パルスデータを所定の記憶手段に格納する。受信されたレーダ波が識別付レーダ波である場合には、各パルスデータに対して発信源識別子を属性データとして付加する。また、受信されたレーダ波が未識別レーダ波である場合には、各パルスデータに対して仮識別子を属性データとして付加する。
【0021】
ステップST2においては、ステップST1で生成されたパルスデータに対して所定の演算を適用することで局所的な特徴量への変換を実施して、局所周期成分の時系列データを算出し、これら局所周期成分の時系列データを所定の記憶手段に格納する。局所周期成分の算出の例として、パルス時間内にレーダ波強度がS回測定されているパルスデータについて説明する。連続する4つの時刻における測定により求められたそれぞれのレーダ波強度値を順に並べて4元のベクトルを生成し、このベクトル生成を2つの単位時刻ずつずらして実施する。すなわち、このようなベクトル生成をパルスデータ全般にわたって実施することで(S−2)/2個のベクトルを得ることができる。次に、各ベクトルV=(v,v,v,v)について、以下の式(1)に示されるベクトル変換を実施することで、局所周期成分X=(x,x,x,x)を算出する。式(1)に係る変換は単純なウォルシュ変換であるが、離散フーリエ変換等を適用してもよい。
【数1】
Figure 0003776329
【0022】
ステップST3においては、入力されたレーダ波データに係る全てのパルスデータより得られたT個の局所周期成分(X〜X)それぞれについて、識別子を参照することなく所定数(n個)だけ設定された局所パターンにおいていずれの局所パターンに帰属するかを決定する教師なし分類を実施する。図3は、局所周期成分に係る教師なし分類動作を示すフローチャートである。まず、それぞれが正規分布として与えられる複数の局所パターン全体を表現する混合正規分布を規定する各パラメータを以下に示す期待値最大化法で求めるための初期値を設定する(サブステップST11)。例えば、レーダ波毎に与えられるT個の局所周期成分X〜Xからn個の互いに異なるものを適宜選択してそれぞれ各局所パターンについての平均の初期値とし、X〜Xから分散を算出してn個の局所パターンに共通な分散の初期値とし、混合比の初期値をn個の局所パターンそれぞれに共通に1/nとする。各局所パターンについて平均、分散、混合比の組(μ,σ,α)(以下、分類パラメータと称する)が与えられれば、局所周期成分(X〜X)のそれぞれについて、各局所パターンにおいての確率密度p〜pを以下の式(2)に基づいて算出する。
=αN(μ,σ) (2)
式(2)において、i=1〜nであり、N(μ,σ)は正規分布の確率密度を示す。また、それぞれの局所周期成分Xについての各局所パターンiへの帰属確率Ptiを以下の式(3)に基づいて算出する(サブステップST12)。
【数2】
Figure 0003776329
それぞれの局所周期成分Xに係る帰属確率Ptiが求まれば、以下の式(4)に基づいて、各局所パターンiについて平均、分散、混合比から成る分類パラメータ(μ,σ,α)を算出する(サブステップST13)。なお、式(4)においては、対角共分散成分のみを計算する場合を例としている。
【数3】
Figure 0003776329
また、式(4)により算出された平均、分散、混合比から成る分類パラメータ(μ,σ,α)を記録するとともに、当該分類パラメータの変遷に係る履歴を参照して、所定の基準に基づいた履歴データに係る検証を実施し、当該検証結果に応じて次に実行するサブステップを選択する。例えば、それまでに実行された10回の分類パラメータ算出工程にわたって平均、分散、混合比の値に係る変動幅がいずれも所定のしきい値を越えない場合には、データ帰属最尤推定サブステップST14へ進み、それ以外の場合にはデータ帰属確率算出サブステップST12へ復帰する。平均、分散、混合比から成る分類パラメータ(μ,σ,α)に係る変化が所定のしきい値を越えることなく収束状態が確認されれば、最終的に得られた平均、分散、混合比から成る分類パラメータ(μ,σ,α)を混合正規分布を規定する分類パラメータとして記録する。次に、当該分類パラメータを用いて、データ帰属確率算出サブステップST12と同様の処理を実施して、それぞれの局所周期成分Xについて各局所パターンiへの帰属確率Ptiを算出する。そして、それぞれの局所周期成分X(t=1〜T)毎に、帰属確率Ptiを比較することで、最大の帰属確率Ptiを有する局所パターンに当該局所周期成分Xが帰属するものと推定し、局所周期成分Xと当該局所周期成分Xが帰属する局所パターンとを対応付けて記録する(サブステップST14)。
【0023】
ステップST4においては、各局所パターンi毎に、当該局所パターンiへの帰属が記録された局所周期成分Xに属性データとして付加された識別子を調べて、当該局所パターンiが特定の発信源種に固有な局所パターンとなり得るか否かについての判定を実施する。すなわち、局所パターンiへの帰属が記録された局所周期成分Xに属性データとして発信源識別子が付加されている場合には、発信源識別子の種類が単一であれば当該局所パターンiが発信源識別子により明示される発信源種に固有の局所パターンであると判定する。また、発信源識別子が複数個混在しているのであれば、当該局所パターンiへの帰属が記録された局所周期成分の数の最も多い発信源識別子に係る第1の発信源種と、記録された局所周期成分の数が2番目に多い発信源識別子に係る第2の発信源種とを比較して、第1の発信源種についての局所周期成分の記録数が第2の発信源種についての局所周期成分の記録数より所定のしきい値を越えて多い場合には、当該局所パターンiが第1の発信源種に固有の局所パターンであると判定し、所定のしきい値を越えない場合には判定不能とする。以上のように、各局所パターンiについて、当該局所パターンと当該局所パターンにより特定され得る発信源種とを対応付けることでそれぞれ個別の判定規則(以下、個別判定規則と称する)を得る。すべての局所パターンについて個別判定規則の存否が確認されれば、局所パターン毎に得られた個別判定規則および分類パラメータを組み合せて得られるデータを集成することでパルス識別判定規則を構成し、当該パルス識別判定規則をパルス判定部3へ出力する。
【0024】
次に、図4は、パルス判定部における動作を示すフローチャートである。パルス判定部3は、レーダ波受信部1から未識別レーダ波データを入力すると、当該レーダ波データを適宜分断してパルスデータを取り出して格納する(ステップST21)。次に、パルス判定部3は、取り出されたパルスデータを基にして、パルス波形に係る時系列データに対して所定の演算を適用することで変換を実施することにより、局所周期成分を時系列に抽出する(ステップST22)。次に、パルス判定部3は、パルス識別判定規則を参照してステップST22において生成されたそれぞれの局所周期成分の各局所パターンへの帰属状態に基づいて未識別レーダ波に係る発信源種を識別し、当該識別結果すなわちパルス識別結果を表示部5に出力する(ステップST23)。
【0025】
上記のステップST21はパルス分類部2が実行するステップST1と同様であり、またステップST22はパルス分類部2が実行するステップST2と同様であるので、その詳細な説明は省略する。ステップST23においては、パルス分類部2から入力したパルス識別判定規則に含まれる分類パラメータに基づいて、未識別レーダ波データに係るそれぞれの局所周期成分X毎に各局所パターンiへの帰属確率を算出して、最大の帰属確率Ptiを有する局所パターンiに当該局所周期成分Xが帰属するものと推定する。なお、帰属確率の算出は同様に式(3)を用いて実施する。次に、パルス識別判定規則を構成する各局所パターン毎の個別判定規則に基づいて、それぞれの局所周期成分が帰属する局所パターンのなかで発信源種との対応付けがなされている局所パターンを検出する。次に、発信源種との対応付けがなされている局所パターン毎に、当該局所パターンに帰属する局所周期成分の数を集計して、最も局所周期成分の帰属数の多い局所パターンに対応付けられた発信源種をもって受信した未識別レーダ波に係る発信源種であると判定し、当該判定結果をパルス識別結果として表示部5に出力する。また、受信されたレーダ波に係るそれぞれの局所周期成分が帰属する局所パターンのなかで発信源種との対応付けがなされている局所パターンがない場合、あるいは発信源種との対応付けがなされている局所パターンに帰属する局所周期成分の数が所定のしきい値より少ない場合には、判定不能とするパルス識別結果を表示部5に出力する。
【0026】
次に、レーダ波諸元識別部4は、所与の諸元識別判定規則を参照して、レーダ波受信部1から入力する未識別レーダ波データに係る発信源種を識別し、当該識別結果すなわち諸元識別結果を表示部5へ出力する。なお、発信源種を識別するための基準となる電波諸元としては上述したように、周波数、PRFおよびパルス幅等の諸元値と、周波数モード、PRFモードおよびパルスモード等の諸元モードとがあり、これら電波諸元に基づくレーダ識別は例えば特開平11−326494号公報に開示されているように周知技術であるので、ここではその説明を省略する。
【0027】
次に、表示部5は、パルス判定部3からパルス識別結果を入力するとともに、レーダ波諸元識別部4から諸元識別結果を入力する。これら識別結果が得られれば、所与の総合識別判定規則を参照して、パルス識別結果および諸元識別結果から受信した未識別レーダ波に係る発信源種を識別して、当該識別結果をユーザに提示する。上記総合識別判定規則の一例について、以下に説明する。パルス識別結果と諸元識別結果とが一致した場合、あるいはパルス識別結果または諸元識別結果のいずれか一方が判定不能とされた場合には、パルス識別結果または諸元識別結果に基づいて特定される発信源種をユーザに提示する。また、パルス識別結果および諸元識別結果がともに判定不能とされた場合には、ユーザに対して判定不能と表示する。また、パルス識別結果と諸元識別結果とが一致しない場合には、いずれの識別結果を優先するかを予め規定しておいて、優先される識別結果に基づいて特定される発信源種をユーザに提示するか、あるいは、判定不能と表示するとともに双方の識別結果に基づいて特定される発信源種をともにユーザに提示する。なお、表示部5における発信源種等に係る表示形態を種々選択すること等を実施できるように、表示部5が表示形態を変更するための制御機能を有するのが好適である。
【0028】
また、図5は、この発明の実施の形態1によるレーダ識別装置の変形例の構成を示すブロック図である。図5に示されるレーダ識別装置は、図1に示されたレーダ識別装置と比較すると、レーダ波諸元識別部4が削除されている点で相違する。すなわち、パルス判定部3から出力されるパルス識別結果のみを基にして、表示部5は受信されたレーダ波に係る発信源種あるいは識別不能である旨などをユーザに提示する。
【0029】
以上のように、この実施の形態1によれば、レーダ波データを生成するレーダ波受信部1と、パルスデータに基づいて発信源種を識別するためのパルス識別判定規則を構成するパルス分類部2と、受信したレーダ波に係るパルスデータに係るそれぞれの局所周期成分についての各局所パターンへの帰属状態とパルス識別判定規則とを対照して発信源種を識別するパルス判定部3と、識別結果に基づいて受信されたレーダ波に係る発信源種などをユーザに提示する表示部5とを備えるように構成したので、レーダ波源となる装置を構成するマグネトロン等の構成部材についてそれぞれ固有の特徴が顕現するパルス波形に基づいて発信源種を識別するから、レーダ波の送受信において電波諸元に係る設定について過誤等が生じても正確な識別結果を得ることができ、識別精度を向上することができるという効果を奏する。
【0030】
また、パルス分類部2が、レーダ波毎に時系列に得られるそれぞれの局所周期成分の各局所パターンへの帰属状態に基づいてパルス識別判定規則を構成するようにしたので、未識別レーダ波を含めた局所パターンに係る教師なし分類結果を利用することができて、学習用の識別付レーダ波が少なくても有効なパルス識別判定規則が得られて所望の識別精度を確保することが可能となり、実用性を向上することができるという効果を奏する。
【0031】
また、パルス分類部2が、それぞれ正規分布として与えられる複数の局所パターン全体を表現する混合正規分布に基づいて、それぞれの局所周期成分の各局所パターンへの帰属確率を求めることで、当該局所周期成分の帰属する局所パターンを決定するように構成したので、局所パターンの分類を統計的に有効な手法を用いて実施できるから、パルス識別判定規則の信頼性の向上を図ることが可能となり、発信源種の識別精度を向上することができるという効果を奏する。
【0032】
また、受信したレーダ波から電波諸元を抽出して、抽出された電波諸元に基づいて発信源種を識別するレーダ波諸元識別部4を備え、表示部5がパルス判定部3から出力されるパルス判定結果およびレーダ波諸元識別部4から出力される諸元識別結果に基づいて、受信されたレーダ波に係る発信源種をユーザに提示するように構成したので、パルス波形のみではなく種々の電波諸元にも基づいて発信源種を識別することができるから、識別精度をより向上することができるという効果を奏する。
【0033】
実施の形態2.
この実施の形態2によるレーダ識別装置は、装置構成については実施の形態1によるレーダ識別装置と同様の構成を有しており、パルス分類部におけるパルス識別判定規則の構成に係る動作、およびパルス判定部における未識別レーダ波に係る識別動作が異なる点で実施の形態1と相違する。
【0034】
以下、この実施の形態2によるレーダ識別装置に係る動作について説明する。なお、レーダ波受信部1、レーダ波諸元識別部4および表示部5に係る動作については実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。図6は、この発明の実施の形態2によるレーダ識別装置に係るパルス分類部における動作を示すフローチャートである。パルス分類部2は、レーダ波受信部1からレーダ波データを入力すると、実施の形態1においてパルスデータに対して実施したのと同様に、レーダ波データに対して所定の演算を適用することで局所的な特徴量への変換を実施して局所周期成分を時系列に抽出する(ステップST31)。次に、パルス分類部2は、レーダ波について時系列に与えられる局所周期成分がそれぞれ帰属し得る複数の局所パターンおよび局所パターン間の遷移(自己回帰を含む)を規定する複数の遷移パターンから成り、レーダ波に係る特徴量の時間的変化を表現するモデル(以下、状態遷移モデルと称する)に基づいて、レーダ波毎に時系列に得られる局所周期成分が状態遷移モデル上においてその特徴量変化に応じて辿る経路(以下、遷移経路と称する)のなかで最も尤度の高い遷移経路を推定するとともに、状態遷移モデルにおいてレーダ波全体に係る変化状態を規定するモデルパラメータ(モデルパラメータについては後述する)を算出する(ステップST32)。なお、任意のレーダ波について時系列に与えられた局所周期成分の変化に基づいて与えられる遷移経路において、時間的に隣接する局所周期成分の変化に対して設定されて上記遷移経路の一部を構成する経路を部分経路と称するものとする。また、それぞれの部分経路は、当該部分経路の設定をなす時間的に隣接する局所周期成分がそれぞれ帰属する局所パターン間に規定された遷移パターンに帰属するものとする。また、部分経路は、上述したように、それぞれ時系列に設定されるものであるから、複数の部分経路が同一の遷移パターンに帰属することが当然に予想され、このような部分経路の同一遷移パターンへの重複度もレーダ波に係るそれぞれの部分経路についての各遷移パターンへの帰属状態を表現する重要な要素となる。次に、パルス分類部2は、識別付レーダ波毎に時系列に得られる局所周期成分について隣接する局所周期成分間に設定されるそれぞれの部分経路の各遷移パターンへの帰属状態に基づいてパルス識別判定規則を生成する(ステップST33)。なお、パルス分類部2によるパルス識別判定規則の構成を監視並びに制御するとともに、パルス識別判定規則を修正できるように、パルス分類部2が表示機能および制御機能を有するのが好適である。
【0035】
次に、上記のステップST31からステップST33として示された各工程について詳細に説明する。ステップST31においては、実施の形態1においてパルスデータに対して実施したのと同様に、レーダ波受信部1から入力するレーダ波データに対して所定の演算を適用することで局所的な特徴量への変換を実施して、局所周期成分を時系列に算出するとともに、これら局所周期成分を所定の記憶手段に格納する。
【0036】
ステップST32においては、上述したように所与の状態遷移モデルに基づいて、レーダ波毎に与えられる局所周期成分の時系列データに基づいてモデルパラメータを算出する。図7は、状態遷移モデルの一例を示す図である。図7において、A1はパルス間状態、A2はパルス開始状態、A3はパルス状態、A4はパルス終了状態、Bi(i=1〜13)はそれぞれの局所周期成分が何れかに帰属し得る局所パターン、R(i=1〜11)はレーダ波データの特性に基づいて局所パターン間での可能な遷移を規定する遷移パターンである。図7に示されるように、この状態遷移モデルは、パルス間状態A1、パルス開始状態A2、パルス状態A3およびパルス終了状態A4の4状態から成るループ状の状態遷移を想定するモデルとして与えられている。各状態は、自己回帰となる遷移パターンをも有するとともに、それぞれ任意数の局所パターンを有している。例えば、パルス開始状態A2の有する局所パターンB3,B4,B5は、相互に全結合の遷移ネットワークを形成するとともに、それぞれがパルス間状態A1からの遷移パターンR2およびパルス状態A3への遷移パターンR7を有している。なお、遷移パターンR2およびR7に関しては、局所パターンB3,B4,B5についてまとめて1つの遷移パターンを設定するのではなく、局所パターンB3,B4,B5毎にそれぞれ3つの遷移パターンを設定するようにしてもよい。また、局所周期成分の帰属するそれぞれの局所パターンは例えば単一の正規分布で表現することが可能である。これら局所パターン間の遷移は確率的に定まり、当該確率を遷移確率と称することとする。さらに、各局所パターンについて、当該局所パターンを表現する正規分布パラメータと、当該局所パターンから延びる各遷移パターンに係る遷移確率とを組み合せて構成されるパラメータをモデルパラメータと称することとする。
【0037】
図8は、状態遷移モデルにおけるモデルパラメータ算出工程を示すフローチャートである。ここで、レーダ波データ毎に時系列に得られるT個の局所周期成分をX〜Xとするとともに、局所パターン数をn個とする。まず、モデルパラメータを以下に示す期待値最大化法で求めるための初期値を設定する(サブステップST41)。n個の局所パターンについて、例えばレーダ波毎に時系列に与えられる局所周期成分X〜Xからn個の互いに異なるものを適宜選択してそれぞれ各局所パターンについての平均の初期値とし、X〜Xから分散を算出してn個の局所パターンに共通な分散の初期値とし、遷移確率を等確率とする。すなわち、遷移確率については、任意の局所パターンから4つの遷移パターンが延びているとすれば、それぞれの遷移パターンに係る遷移確率を0.25とする。各局所パターンについての平均、分散、遷移確率の組から成るモデルパラメータ(μ,σ,α)が与えられれば、各レーダ波毎に当該レーダ波に係る局所周期成分X〜Xについて最も尤度の高い遷移経路を検出する(サブステップST42)。各レーダ波に係る遷移経路が検出されれば、当該検出結果に基づいて各局所パターンについて平均、分散、遷移確率の組から成るモデルパラメータ(μ,σ,α)を算出する(サブステップST43)。サブステップST43において、モデルパラメータが算出されると、当該モデルパラメータの変遷に係る履歴を参照して、所定の基準に基づいた履歴データに係る検証を実施して当該検証結果に応じて次に実行するサブステップを選定する。例えば、それまでに実行された10回のモデルパラメータ算出工程にわたっての平均、分散、遷移確率の値に係る変動幅が所定のしきい値を越える場合には、遷移経路最尤推定サブステップST42へ復帰し、それ以外の場合には、平均、分散、遷移確率から成るモデルパラメータ(μ,σ,α)が収束状態にあるとみなして、最終的に得られたモデルパラメータ(μ,σ,α)を状態遷移モデルを確定するモデルパラメータとして記録する。
【0038】
ステップST33においては、レーダ波毎に、パルス間状態A1に含まれる局所パターン間での遷移を省くことで遷移経路を分断することにより、パルス波形に対応する遷移経路(以下、パルス遷移経路と称する)を抽出する。次に、それぞれの識別付レーダ波について、当該識別付レーダ波に係るパルス遷移経路を辿って通過した部分経路が帰属する遷移パターンに当該発信源識別子を属性データとして付属させる。すべての識別付レーダ波について遷移パターンへの発信源識別子の付属処理が終了すれば、各遷移パターン毎に、当該遷移パターンへの付属が記録された発信源識別子を調べて、当該遷移パターンが特定の発信源種に固有な遷移パターンとなり得るか否かについて判定を実施する。発信源識別子の付属が記録された任意の遷移パターンについて、記録された発信源識別子の種類が単一であれば当該遷移パターンが発信源識別子により明示される発信源種に固有の遷移パターンであると判定する。また、発信源識別子が複数個混在しているのであれば、当該遷移パターンへ付属させられた記録数の最も多い発信源識別子に係る第1の発信源種と、記録数の2番目に多い発信源識別子に係る第2の発信源種とを比較して、第1の発信源種についての記録数が第2の発信源種についての記録数より所定のしきい値を越えて多い場合には当該遷移パターンが第1の発信源種に固有の遷移パターンであると判定し、所定のしきい値を越えない場合には判定不能とする。以上のように、各遷移パターンについて、当該遷移パターンと当該遷移パターンにより特定され得る発信源種とを対応付けることでそれぞれ個別の判定規則(以下、個別判定規則と称する)を得る。すべての遷移パターンについて個別判定規則の存否が確認されれば、遷移パターン毎に得られた個別判定規則およびモデルパラメータを組み合せて得られるデータを集成することでパルス識別判定規則を構成し、当該パルス識別判定規則をパルス判定部3へ出力する。
【0039】
次に、パルス判定部3の動作について説明する。パルス判定部3は、レーダ波受信部1から未識別レーダ波に係るレーダ波データを入力すると、当該レーダ波データを基にして、レーダ波形に係る時系列データに対してパルス分類部2で用いたのと同様の所定の演算を適用することで変換を実施して、局所周期成分の時系列データを算出する。次に、パルス判定部3は、各局所パターン毎に確定された平均、分散、遷移確率の組から成るモデルパラメータ(μ,σ,α)に基づいて、当該レーダ波データに係る局所周期成分の時系列データX〜Xについて最も尤度の高い遷移経路を検出する。最も尤度の高い遷移経路が推定されれば、当該遷移経路を辿って通過する部分経路が帰属する遷移パターンについて発信源種との対応付けがなされている場合には、当該発信源識別子を登録する。登録された発信源識別子が1つの場合には、当該発信源識別子により明示される発信源種をもって受信した未識別レーダ波に係る発信源種であると判定して当該パルス識別結果を表示部5に出力する。また、登録された発信源識別子が複数の場合には、対応付けられる遷移パターン数が最も多い発信源識別子により明示される発信源種をもって受信した未識別レーダ波に係る発信源種であると判定して当該パルス識別結果を表示部5に出力する。また、登録された発信源識別子がない場合、あるいは登録された発信源識別子が複数あっていずれの発信源識別子についても対応付けられる遷移パターン数が所定のしきい値より少ない場合には、判定不能とするパルス識別結果を表示部5に出力する。
【0040】
以上のように、この実施の形態2によれば、レーダ波データを生成するレーダ波受信部1と、レーダ波データに係る局所周期成分についての状態遷移モデル上での遷移経路に基づいて発信源種を識別するためのパルス識別判定規則を構成するパルス分類部2と、受信したレーダ波について推定される遷移経路とパルス識別判定規則とを対照して発信源種を識別するパルス判定部3と、識別結果に基づいて受信されたレーダ波に係る発信源種をユーザに提示する表示部5とを備えるように構成したので、レーダ波源となる装置を構成するマグネトロン等の構成部材についてそれぞれ固有の特徴が顕現するパルス波形に基づいて発信源種を識別することができるから、レーダ波の送受信において電波諸元に係る設定について過誤等が生じても正確な識別結果を得ることができ、識別精度を向上することができるという効果を奏する。
【0041】
また、レーダ波諸元識別部4を備えることで、実施の形態1に記載したと同じ効果を奏する。さらに、局所周期成分についての状態遷移モデル上での遷移経路に基づいて発信源種を識別するので、パルス波形に対応する局所周期成分の集合を容易に同定することができ、レーダ波データからパルス波形に係る特徴を抽出するための基準値設定等の予備作業を省くことが可能となり、ユーザの負担を軽減して使い勝手を向上することができるという効果を奏する。
【0042】
実施の形態3.
この実施の形態3によるレーダ識別装置は、装置構成については実施の形態2によるレーダ識別装置と同様の構成を有しており、パルス分類部におけるパルス識別判定規則の構成に係る動作が異なる点で実施の形態2と相違する。
【0043】
以下、この実施の形態3によるレーダ識別装置に係る動作について説明する。なお、レーダ波受信部1、パルス判定部3、レーダ波諸元識別部4および表示部5に係る動作については実施の形態2と同様であるので、その説明を省略する。図9は、この発明の実施の形態3によるレーダ識別装置に係るパルス分類部における動作を示すフローチャートである。パルス分類部2は、レーダ波受信部1からレーダ波データを入力すると、実施の形態2と同様にレーダ波に係る時系列データに対して所定の演算を適用することで局所的特徴量への変換を実施して局所周期成分の時系列データを算出する(ステップST51)。次に、パルス分類部2は、状態遷移モデルに基づいて、レーダ波毎に時系列に得られる局所周期成分について最も尤度の高い遷移経路を推定するとともに、状態遷移モデルにおいてレーダ波全体に係る変化状態を規定するモデルパラメータを算出する(ステップST52)。次に、パルス分類部2は、識別付レーダ波毎に時系列に得られる局所周期成分について隣接する局所周期成分間に設定されるそれぞれの部分経路の各遷移パターンへの帰属状態に基づいて、所定の条件が満たされていればパルス識別判定規則を生成する(ステップST53)。また、所定の条件が満たされない場合には、レーダ波に係る特徴量の時間的変化についてモデル化の精度を高めるために状態遷移モデルを変形する(ステップST54)。なお、パルス分類部2によるパルス識別判定規則の構成を監視並びに制御するとともに、パルス識別判定規則を修正できるように、パルス分類部2が表示機能および制御機能を有するのが好適である。
【0044】
次に、上記のステップST51からステップST54として示された各工程について詳細に説明する。なお、ステップST51については、実施の形態2におけるステップST31と同様であるのでその説明を省略する。また、ステップST52については、設定される状態遷移モデルの形態が変化する点でのみ実施の形態2におけるステップST32と相違し、基本的な動作についてはステップST32と同様であるのでその説明を省略する。すなわち、予め初期モデルとして設定された状態遷移モデルに基づいてモデルパラメータを算出する場合もあれば、状態遷移モデル変形ステップST54により変形された状態遷移モデルに基づいてモデルパラメータを算出する場合もある。
【0045】
ステップST53においては、レーダ波毎に、パルス間状態A1に含まれる局所パターン間での遷移を省くことで遷移経路を分断することにより、パルス波形に対応するパルス遷移経路を抽出する。次に、それぞれの識別付レーダ波について、当該識別付レーダ波に係るパルス遷移経路を辿って通過したそれぞれの部分経路が帰属する遷移パターンに当該識別付レーダ波に係る発信源識別子を属性データとして付属させる。すべての識別付レーダ波について遷移パターンへの発信源識別子の付属処理が終了すれば、各遷移パターン毎に、当該遷移パターンへの付属が記録された発信源識別子を調べて、当該遷移パターンが特定の発信源種に固有な遷移パターンとなり得るか否かについて判定を実施して個別判定規則を生成する。なお、特定の発信源種に固有な遷移パターンとなり得るか否かに係る判定処理については、実施の形態2のステップST33で説明済みであるので、ここではその説明を省略する。そして、すべての遷移パターンについて個別判定規則の存否が確認されれば、所定数のパルス遷移経路について、パルス遷移経路毎に、当該パルス遷移経路を辿る際に通過したそれぞれの部分経路が帰属する遷移パターンへの付属が記録された発信源識別子の種類を計数する。発信源識別子の種類数すなわち発信源種の種類数が0または2以上である場合、あるいは当該判定規則決定ステップST53の実行回数が規定回数以下である場合には、状態遷移モデル変形ステップST54を実行する。また、発信源種の種類数が1である場合、あるいは当該判定規則決定ステップST53の実行回数が規定回数を越えた場合には、遷移パターン毎に個別判定規則およびモデルパラメータを組み合わせて得られるデータを集成することでパルス識別判定規則を構成し、当該パルス識別判定規則をパルス判定部3へ出力する。
【0046】
ステップST54においては、局所パターン毎にモデルパラメータを検索して最も分散値の大きな局所パターンを検出し、当該局所パターンを分割して2つの新たな局所パターンを生成する。この2つの局所パターン間における遷移は全結合とする。また、それぞれの局所パターンに係るモデルパラメータの初期値については、例えば一方の局所パターンには分割前の局所パターンのモデルパラメータを付与し、他方の局所パターンには所与の微小量を上限として発生された乱数を基にして分割前の局所パターンのモデルパラメータを修正して得たモデルパラメータを付与する。
【0047】
以上のように、この実施の形態3によれば、実施の形態2と同等の効果を奏するとともに、パルス分類部2が、任意のレーダ波に係る遷移経路を検証して、当該遷移経路を構成する個々の部分経路が帰属するそれぞれの遷移パターンにより特定し得る発信源種の種類数が0または2以上である場合に状態遷移モデルを変形するように構成したので、自動的に最適な状態遷移モデルを構成することができるから、予め精度の良いモデル化を実施する必要がなく、ユーザの負担を軽減することができるという効果を奏する。
【0048】
実施の形態4.
図10は、この発明の実施の形態4によるレーダ識別装置の構成を示すブロック図である。この実施の形態4によるレーダ識別装置は、識別実施形態で使用される機能要素から携帯器を分離独立して構成する点で実施の形態1から実施の形態3と相違する。図10において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すのでその説明を省略する。11はパルス分類部2を有して構成される基地局、12はレーダ波受信部1、パルス判定部3、レーダ波諸元識別部4および表示部5を有して構成される携帯器である。
【0049】
次に動作について説明する。なお、基本的な動作は実施の形態1または実施の形態3のいずれかによるレーダ識別装置と同様であるので、ここでは実施の形態4によるレーダ識別装置について特徴的な動作についてのみ説明するものとする。識別準備形態においては、1または複数の携帯器12内のレーダ受信部1は、基地局11と携帯器12との間の通信回線が確立されている場合には受信したレーダ波に係るレーダ波データを基地局11内のパルス分類部2へ送信し、基地局11と携帯器12との間の通信回線が確立されていない場合にはレーダ波データを記録するとともに通信回線が確立された時点で記録されていたレーダ波データを基地局11内のパルス分類部2へ送信する。パルス分類部2は、蓄積された複数のパルスデータに基づいてパルス識別判定規則を構成して当該パルス識別判定規則を基地局11と携帯器12との間の通信回線が確立されている間に1または複数の携帯器12内のパルス判定部3へ送信する。また、識別実施形態においては、レーダ波受信部1とパルス分類部2とに係る動作は上記と同様であるとともに、それぞれの携帯器12は、当該携帯器12と基地局11との間の通信回線の確立の有無に関わらず、それぞれ個別にレーダ波を受信して当該レーダ波に係る発信源種を識別する。
【0050】
以上のように、この実施の形態4によれば、実施の形態1から実施の形態3のいずれかと同等の効果を奏するとともに、パルス分類部2を有して構成される基地局11と、レーダ波受信部1、パルス判定部3、レーダ波諸元識別部4および表示部5を有して構成される携帯器12とを備えるように構成したので、携帯器12のみで識別実施形態での使用を独立に実現することができるから、未識別レーダ波に係る発信源種の識別を実施する識別装置を小型軽量化することができるという効果を奏する。また、複数の携帯器12について基地局11を共有することができるから、レーダ識別を実施するシステム全体のコスト低減を図れるという効果を奏する。
【0051】
なお、レーダ識別装置が実施の形態1の変形例に示すようにレーダ波諸元識別部4を具備しない構成を有する場合には、パルス分類部2を有して構成される基地局11と、レーダ波受信部1、パルス判定部3および表示部5を有して構成される携帯器12とを備える構成とすることで、上記と同様の効果を奏することができる。
【0052】
実施の形態5.
図11は、この発明の実施の形態5によるレーダ識別装置の構成を示すブロック図である。この実施の形態5によるレーダ識別装置は、自律稼動可能な自動器にレーダ波受信部を備える点で実施の形態4と相違する。図11において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すのでその説明を省略する。21はレーダ波受信部1を有して構成され好ましくは自律稼動可能である自動器、22はパルス分類部2を有して構成される基地局、23はパルス判定部3、レーダ波諸元識別部4および表示部5を有して構成される携帯器である。なお、自動器21としては、例えば小型のラジコンヘリのような無線操作または自動操縦で飛行する航空機などが想定される。
【0053】
次に動作について説明する。なお、基本的な動作は実施の形態1から実施の形態3のいずれかによるレーダ識別装置と同様であるので,ここでは実施の形態5によるレーダ識別装置について特徴的な動作についてのみ説明するものとする。識別準備形態においては、自動器21内のレーダ波受信部1は、自動器21と基地局22との間の通信回線が確立されている場合には受信したレーダ波に係るレーダ波データを基地局22内のパルス分類部2へ送信し、自動器21と基地局22との間の通信回線が確立されていない場合にはレーダ波データを記録するとともに通信回線が確立された時点で記録されていたレーダ波データを基地局22内のパルス分類部2へ送信する。パルス分類部2は、蓄積された複数のパルスデータに基づいてパルス識別判定規則を構成して当該パルス識別判定規則を基地局22と携帯器23との間の通信回線が確立されている間に1または複数の携帯器23内のパルス判定部3へ送信する。また、識別実施形態においては、レーダ波受信部1とパルス分類部2とに係る動作は上記と同様であるとともに、それぞれの携帯器23は、自動器21と携帯器23との間の通信回線が確立されている間において、それぞれ個別にレーダ波を受信して当該レーダ波に係る発信源種を識別する。
【0054】
以上のように、この実施の形態5によれば、実施の形態1から実施の形態3のいずれかと同等の効果を奏するとともに、レーダ波受信部1を有して構成され好ましくは自律稼動可能である自動器21と、パルス分類部2を有して構成される基地局22と、パルス判定部3、レーダ波諸元識別部4および表示部5を有して構成される携帯器23とを備えるように構成したので、自動器21から受信されたレーダ波に係るレーダ波データが送信されれば、携帯器23のみで識別実施形態での使用を独立に実現することができるから、未識別レーダ波に係る発信源種の識別を実施する識別装置を小型軽量化できるという効果を奏する。また、複数の携帯器23について自動器21および基地局22を共有することができるから、レーダ識別を実施するシステム全体のコスト低減を図れるという効果を奏する。
【0055】
なお、レーダ識別装置が実施の形態1の変形例に示すようにレーダ波諸元識別部4を具備しない構成を有する場合には、レーダ波受信部1を有して構成される自動器21と、パルス分類部2を有して構成される基地局22と、パルス判定部3および表示部5を有して構成される携帯器23とを備える構成とすることで、上記と同様の効果を奏することができる。
【0056】
また、上記の実施の形態1から実施の形態5により開示されたレーダ識別装置は本願発明を例示するものであり、その技術的範囲を限定するものではないことに留意されたい。本願発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められ、特許請求の範囲と均等な技術的思想および特許請求の範囲内における種々の設計的変更が本願発明に含まれるものである。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、レーダ波を受信してレーダ波データを生成するレーダ波受信部と、パルスデータを生成するとともに当該パルスデータに係る局所周期成分を抽出し、レーダ波毎のパルスデータについて得られるそれぞれの局所周期成分を所定数に分類された複数の局所パターンのなかのいずれかの局所パターンに帰属させ、発信源種が予め明らかになっているレーダ波に係る局所周期成分の各局所パターンへの帰属状態に基づいてパルス識別判定規則を構成するパルス分類部と、受信されたレーダ波に係る局所周期成分の各局所パターンへの帰属状態とパルス判定識別規則とを対照することにより発信源種を識別するパルス判定部と、受信されたレーダ波に係る発信源種をユーザに提示する表示部とを備えるように構成したので、レーダ波源となる装置を構成するマグネトロン等の構成部材についてそれぞれ固有の特徴が顕現するパルス波形に基づいて発信源種を識別するから、レーダ波の送受信において電波諸元に係る設定について過誤等が生じても正確な識別結果を得ることができ、識別精度を向上することができるという効果を奏する。また、パルス分類部がレーダ波毎に時系列に得られるそれぞれの局所周期成分の各局所パターンへの帰属状態に基づいてパルス識別判定規則を構成するようにしたので、未識別レーダ波をも含めた局所パターンに係る教師なし分類結果を利用することができるから、学習用の識別付レーダ波が少なくても有効なパルス識別判定規則が得られて所望の識別精度を確保することが可能となり、実用性を向上することができるという効果を奏する。
【0058】
この発明によれば、パルス分類部が、それぞれ正規分布として与えられる複数の局所パターン全体を表現する混合正規分布に基づいて、それぞれの局所周期成分の各局所パターンへの帰属確率を求めることで、当該局所周期成分の帰属する局所パターンを決定するように構成したので、局所パターンの分類を統計的に有効な手法を用いて実施でき、パルス識別判定規則の信頼性の向上を図ることが可能となるから、発信源種の識別精度を向上することができるという効果を奏する。
【0059】
この発明によれば、レーダ波を受信してレーダ波データを生成するレーダ波受信部と、当該レーダ波データに係る局所周期成分を抽出し、状態遷移モデルに基づいてレーダ波毎に当該レーダ波に係る局所周期成分が状態遷移モデル上で遷移する遷移経路を推定し、発信源種が予め明らかになっているレーダ波の遷移経路を構成する個々の部分経路についての各遷移パターンへの帰属状態に基づいてパルス識別判定規則を構成するパルス分類部と、受信されたレーダ波について推定された遷移経路を構成する個々の部分経路の各遷移パターンへの帰属状態とパルス識別判定規則とを対照することにより発信源種を識別するパルス判定部と、受信されたレーダ波に係る発信源種をユーザに提示する表示部とを備えるように構成したので、レーダ波源となる装置を構成するマグネトロン等の構成部材についてそれぞれ固有の特徴が顕現するパルス波形に基づいて発信源種を識別するから、レーダ波の送受信において電波諸元に係る設定について過誤等が生じても正確な識別結果を得ることができ、識別精度を向上することができるという効果を奏する。また、レーダ波の局所周期成分に係る遷移経路に基づいて発信源種を識別するので、パルス波形に対応する局所周期成分の集合を容易に同定することができ、レーダ波データからパルス波形に係る特徴を抽出するための基準値設定等の予備作業を省くことが可能となり、ユーザの負担を軽減して使い勝手を向上することができるという効果を奏する。
【0060】
この発明によれば、パルス分類部が、任意のレーダ波に係る局所周期成分の遷移経路を検証して、当該遷移経路を構成する個々の部分経路が帰属するそれぞれの遷移パターンにより特定し得る発信源種の種類数が0または2以上である場合に、状態遷移モデルを変形するように構成したので、自動的に最適な状態遷移モデルを構成することが可能となり、予め精度の良いモデル化を実施する必要がなく、ユーザの負担を軽減して使い勝手を向上することができるという効果を奏する。
【0061】
この発明によれば、レーダ波データから1または複数の電波諸元を抽出し、抽出された電波諸元に基づいて受信されたレーダ波に係る発信源種を識別するレーダ波諸元識別部を備え、表示部が、パルス判定部から出力される識別結果とレーダ波諸元識別部から出力される識別結果とに基づいて、受信されたレーダ波に係る発信源種をユーザに提示するように構成したので、パルス波形のみではなく種々の電波諸元にも基づいて発信源種を識別することができるから、識別精度をより向上することができるという効果を奏する。
【0062】
この発明によれば、パルス分類部を有して構成される基地局と、少なくともレーダ波受信部、パルス判定部および表示部を有して構成される携帯器とを備えるように構成したので、携帯器のみで識別実施形態での使用を独立に実現することができるから、未識別レーダ波に係る発信源種を識別する装置を小型軽量化することができるという効果を奏する。また、複数の携帯器について基地局を共有することができるから、レーダ識別を実施するシステム全体のコスト低減を図れるという効果を奏する。
【0063】
この発明によれば、レーダ波受信部を有して構成される自動器と、パルス分類部を有して構成される基地局と、少なくともパルス判定部および表示部を有して構成される携帯器とを備えるように構成したので、自動器から受信されたレーダ波に係るレーダ波データが送信されれば、携帯器のみで識別実施形態での使用を独立に実現することができるから、未識別レーダ波に係る発信源種を識別する装置を小型軽量化することができるという効果を奏する。また、複数の携帯器について自動器および基地局を共有することができるから、レーダ識別を実施するシステム全体のコスト低減を図れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるレーダ識別装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるレーダ識別装置におけるパルス分類部に係る動作を示すフローチャートである。
【図3】 教師なし分類動作を示すフローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態1によるレーダ識別装置におけるパルス判定部に係る動作を示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態1によるレーダ識別装置の変形例の構成を示すフローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態2によるレーダ識別装置におけるパルス分類部に係る動作を示すフローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態2によるレーダ識別装置において使用される状態遷移モデルの一例を示す図である。
【図8】 モデルパラメータの算出工程を示すフローチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態3によるレーダ識別装置におけるパルス分類部に係る動作を示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態4によるレーダ識別装置の構成を示すブロック図である。
【図11】 この発明の実施の形態5によるレーダ識別装置の構成を示すブロック図である。
【図12】 従来のレーダ識別装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 レーダ波受信部、2 パルス分類部、3 パルス判定部、4 レーダ波諸元識別部、5 表示部、11,22 基地局、12,23 携帯器、21 自動器、A1 パルス間状態、A2 パルス開始状態、A3 パルス状態、A4 パルス終了状態、B1〜B13 局所パターン、R1〜R11 遷移パターン。

Claims (9)

  1. レーダ波を受信してレーダ波データを生成するレーダ波受信部と、
    レーダ波データを適宜分断してパルスデータを生成し、当該パルスデータから局所的な特徴量として時系列に与えられる局所周期成分を抽出し、レーダ波毎のパルスデータについて得られるそれぞれの局所周期成分を所定数に分類された複数の局所パターンのなかのいずれかの局所パターンに帰属させ、発信源種が予め明らかになっているレーダ波に係る局所周期成分の各局所パターンへの帰属状態に基づいて発信源種と当該発信源種を特定し得る局所パターンとを対応付け、対応付けられた発信源種と局所パターンとの組合せを集成することによりパルスデータに基づいて発信源種を識別するためのパルス識別判定規則を構成するパルス分類部と、
    レーダ波データを適宜分断してパルスデータを生成し、当該パルスデータから局所周期成分を抽出し、それぞれの局所周期成分を前記パルス分類部で設定されたと同じ複数の局所パターンのなかのいずれかの局所パターンに帰属させ、受信されたレーダ波に係る局所周期成分の各局所パターンへの帰属状態とパルス識別判定規則とを対照することにより発信源種を識別して識別結果を出力するパルス判定部と、
    入力する識別結果に基づいて、受信されたレーダ波に係る発信源種あるいは識別不能である旨などをユーザに提示する表示部とを備えるレーダ識別装置。
  2. パルス分類部が、それぞれ正規分布として与えられる複数の局所パターン全体を表現する混合正規分布に基づいて、それぞれの局所周期成分の各局所パターンへの帰属確率を求めることで、当該局所周期成分の帰属する局所パターンを決定することを特徴とする請求項1記載のレーダ識別装置。
  3. レーダ波を受信してレーダ波データを生成するレーダ波受信部と、
    レーダ波データから局所的な特徴量として時系列に与えられる局所周期成分を抽出し、レーダ波について時系列に与えられる局所周期成分がそれぞれ帰属し得る複数の局所パターンおよび局所パターン間の遷移を規定する複数の遷移パターンから成る状態遷移モデルに基づいてレーダ波毎に当該レーダ波に係る局所周期成分が状態遷移モデル上で遷移する遷移経路を推定し、発信源種が予め明らかになっているレーダ波の遷移経路を構成する個々の部分経路についての各遷移パターンへの帰属状態に基づいて発信源種と当該発信源種を特定し得る遷移パターンとを対応付け、対応付けられた発信源種と遷移パターンとの組み合わせを集成することによりレーダ波データに基づいて発信源種を識別するためのパルス識別判定規則を構成するパルス分類部と、
    レーダ波データから局所周期成分を抽出し、状態遷移モデルに基づいて受信されたレーダ波に係る局所周期成分が状態遷移モデル上で遷移する遷移経路を推定し、当該遷移経路を構成する個々の部分経路の各遷移パターンへの帰属状態とパルス識別判定規則とを対照することにより発信源種を識別して識別結果を出力するパルス判定部と、
    入力する識別結果に基づいて、受信されたレーダ波に係る発信源種あるいは識別不能である旨などをユーザに提示する表示部とを備えるレーダ識別装置。
  4. パルス分類部が、任意のレーダ波に係る局所周期成分の遷移経路を検証して、当該遷移経路を構成する個々の部分経路が帰属するそれぞれの遷移パターンにより特定し得る発信源種の種類数が0または2以上である場合に、状態遷移モデルを変形することを特徴とする請求項3記載のレーダ識別装置。
  5. レーダ波データから1または複数の電波諸元を抽出し、抽出された電波諸元に基づいて受信されたレーダ波に係る発信源種を識別するレーダ波諸元識別部を備え、
    表示部が、パルス判定部から出力される識別結果と前記レーダ波諸元識別部から出力される識別結果とに基づいて、受信されたレーダ波に係る発信源種あるいは識別不能である旨などをユーザに提示することを特徴とする請求項1または請求項3に記載のレーダ識別装置。
  6. パルス分類部を有して構成される基地局と、レーダ波受信部、パルス判定部および表示部を有して構成される携帯器とを備えることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のレーダ識別装置。
  7. レーダ波受信部を有して構成される自動器と、パルス分類部を有して構成される基地局と、パルス判定部および表示部を有して構成される携帯器とを備えることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のレーダ識別装置。
  8. パルス分類部を有して構成される基地局と、レーダ波受信部、パルス判定部、レーダ波諸元識別部および表示部を有して構成される携帯器とを備えることを特徴とする請求項5記載のレーダ識別装置。
  9. レーダ波受信部を有して構成される自動器と、パルス分類部を有して構成される基地局と、パルス判定部、レーダ波諸元識別部および表示部を有して構成される携帯器とを備えることを特徴とする請求項5記載のレーダ識別装置。
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