JP3776225B2 - 自動車のブレーキペダル構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車のブレーキペダル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のブレーキペダル装置は、例えば実開平6−1113号公報に示されているように、ペダルアームの上端部を回動自在に軸支したペダルブラケットの前壁をダッシュロアパネルにボルト・ナットにより締結固定すると共に、該ペダルブラケットの上壁を前記ダッシュロアパネルに接合されて車室側に張り出したダッシュアッパパネルの下面部にボルト・ナットにより締結固定してあって、ペダルアームを踏み込むことによって該ペダルアームに連結したプッシュロッドを前方へ押動して、マスターバックを作動させるようにしてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
車両の前面衝突時にマスターバック、もしくは該マスターバックを固定したダッシュロアパネルが変形して車室側へ後退移動すると、該マスターバックのプッシュロッドを介してペダルアームに踏み込み方向と逆方向である後退方向への回動力が作用し、ブレーキペダルの踏み込み位置が後方へずれて違和感を生じるおそれがある。
【0004】
また、ペダルブラケットは前述のようにダッシュロアパネルと、ダッシュアッパパネルの下面とにそれぞれ締結固定してあるため、車両の前面衝突時にダッシュロアパネルが車室側に変形してペダルブラケットが該ダッシュロアパネルとともに後退移動すると、ダッシュアッパパネルの下面部との締結点を支点として該ペダルブラケットに後ろ斜め上がりの回転モーメントが生じて、該ペダルブラケットが後ろ斜め上方に向けて後退移動し、該ペダルブラケットの後端部がその後方の斜め上方に近接して配設されるステアリングコラムを支持するステアリングメンバに干渉する可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は車両の前面衝突時にマスターバックのプッシュロッドを介してペダルアームに衝突荷重が作用するのを防止して、違和感を生じるのを回避すると共に、ダッシュロアパネルの車室側への変形に伴ってペダルブラケットが後退移動しても、該ペダルブラケットがステアリングメンバに干渉するのを回避することができる自動車のブレーキペダル装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1にあっては、ダッシュアッパパネルとダッシュロアパネルに跨って固定したペダルブラケットと、該ペダルブラケットに設けたペダルシャフトに回転自在に軸支され、その上端部をペダルシャフトよりも上方に突出配置するペダルアームを備え、かつ、前記ペダルシャフトの前方に平行して設けたサブシャフトにマスターバックのプッシュロッドに連結したプッシュロッドレバーを回転自在に軸支し、該プッシュロッドレバーの上端部をサブシャフトより上方に突出配置して、これらペダルアームの上端部とプッシュロッドレバーの上端部をリンクを介して連結して、ペダルアームの踏力をプッシュロッドを介してマスターバックに伝達するようにすると共に、ペダルブラケットに所定荷重を越える後退方向の入力が作用すると、車両前後方向の縮小移動を許容する衝突吸収手段を、前記ペダルブラケットのペダルシャフトとサブシャフトとの間に設けたことを特徴としている。
【0007】
請求項2にあっては、請求項1に記載の衝突吸収手段を、ペダルブラケットのペダルシャフトとサブシャフトとの配設間に設けたビード部で構成したことを特徴としている。
【0008】
請求項3にあっては、請求項1に記載のペダルブラケットを、ダッシュロアパネルに固定され、サブシャフトを介してプッシュロッドレバーを軸支したフロントブラケットと、ダッシュアッパパネルに固定され、ペダルシャフトを介してペダルアームを軸支したリヤブラケットとに分割して形成し、かつ、フロントブラケットをリヤブラケットに対して後方にスライド移動可能に接続して、衝突吸収手段を構成したことを特徴としている。
【0009】
【発明の効果】
請求項1によれば、ペダルブラケットに設けたペダルシャフトに回転自在に軸支され、その上端部をペダルシャフトよりも上方に突出配置するペダルアームを備え、かつ、前記ペダルシャフトの前方に平行して設けたサブシャフトにマスターバックのプッシュロッドに連結したプッシュロッドレバーを回転自在に軸支し、該プッシュロッドレバーの上端部をサブシャフトより上方に突出配置して、これらペダルアームの上端部とプッシュロッドレバーの上端部をリンクを介して連結して、ペダルアームの踏力をプッシュロッドを介してマスターバックに伝達するようにすると共に、ペダルブラケットに所定荷重を越える後退方向の入力が作用すると、車両前後方向の縮小移動を許容する衝突吸収手段を、前記ペダルブラケットのペダルシャフトとサブシャフトとの間に設けてあるため、通常の状態ではペダルアームの踏み込み操作によりペダルアームの上端部に連結したリンクを介してプッシュロッドレバーを作動させ、プッシュロッドレバーに連結したプッシュロッドを介して踏力をマスターバックに伝え、一般のブレーキペダル装置と変わりのないマスターバック作動を行わせることができるのは勿論、車両の前面衝突によりマスターバックが後退移動し、それに伴ってダッシュロアパネルが車室側に変形しても、ペダルブラケットは前記ペダルシャフトとサブシャフトの間の衝突吸収手段によりペダルブラケット後端部の後退移動を抑えられ、該ペダルブラケットがその後端部近傍の上方位置に配設されたステアリングメンバに干渉するのを回避することができる。
【0010】
しかも、この衝突吸収手段によりペダルシャフトとサブシャフト間が縮小してプッシュロッドレバーが後方に移動するため、相対的にプッシュロッドレバーの上端とペダルアームの上端との間の距離が縮小することになり、プッシュロッドレバーの上端部がリンクを介してペダルアームの上端を後方に押して該ペダルアームに踏み込み方向の回動力を発生させるので、ドライバーの足に違和感を生じさせることが全くない。
【0011】
請求項2によれば請求項1の効果に加えて、衝突吸収手段を、ペダルブラケットのペダルシャフトとサブシャフトとの配設間に設けたビード部で構成してあるため、車両の前面衝突によりペダルブラケットに後退方向の入力が作用しても、該ビード部が潰れることにより衝突入力を吸収しペダルブラケットの後退移動を抑えることができると共に、確実にペダルシャフトとサブシャフト間を縮小させることができる。
【0012】
請求項3によれば請求項1の効果に加えて、ペダルブラケットを、ダッシュロアパネルに固定され、サブシャフトを介してプッシュロッドを軸支したフロントブラケットと、ダッシュアッパパネルに固定され、ペダルシャフトを介してペダルアームを軸支したリヤブラケットとに分割して形成し、かつ、フロントブラケットをリヤブラケットに対して後方にスライド移動可能に接続して、衝突吸収手段を構成してあるため、車両の前面衝突によりダッシュロアパネルが車室側へ変形するのに伴ってフロントブラケットが後退移動しても、該フロントブラケットはリヤブラケットに対して後方にスライド移動するだけで、リヤブラケットの後退移動を抑えられるので、該リヤブラケットの後端部近傍の上方位置に配設されたステアリングメンバへの干渉回避をより一層徹底することができると共に、確実にペダルシャフトとサブシャフト間を縮小させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0014】
図1〜4において、1はペダルブラケット、2は該ペダルブラケット1に設けたペダルシャフト3に回転自在に軸支され、その上端部を前記ペダルシャフト3よりも上方に突出配置するペダルアームで、下端にペダルパッド8を備えている。
【0015】
ペダルブラケット1は側面逆L字状に形成してあって、その前壁1aをダッシュロアパネル4に図外のボルト・ナットによって締結固定してあると共に、該ペダルブラケット1の後端部に接続したストッパブラケット6を前記ダッシュロアパネル4に接合されて車室側に張り出したダッシュアッパパネル5の後壁に接続して前傾状態に取り付けてある。
【0016】
また、ペダルブラケット1には所定荷重を越える後退方向の入力が作用すると、車両前後方向の縮小移動を許容する衝突吸収手段を、該ペダルブラケット1のペダルシャフト3と後述するサブシャフト19との間に設けてある。
【0017】
15は前記ペダルシャフト3の前方に平行して設けたサブシャフト19に回転自在に軸支され、その下端に図外のマスターバックのプッシュロッド14にピン16を介して連結したプッシュロッドレバーを示し、該プッシュロッドレバー15の上端部をサブシャフト19よりも上方に突出配置して、該プッシュロッドレバー15の上端部と前記ペダルアーム2の上端部とをピン9,10を介してリンク11で連結して、該ペダルアーム2の踏力をプッシュロッド14を介してマスターバックに伝達するようにしている。
【0018】
具体的な作動としては、ペダルアーム2の下端のペダルパッド8が車両前方に押されるとペダルアーム2の上端部がペダルシャフト3を回転中心として後方に回動し、リンク11を介してプッシュロッドレバー15の上端部を後方に引く。
【0019】
従って、プッシュロッドレバー15がサブシャフト19を回転中心としてその下端を前方に押し、下端に連結されたプッシュロッド14を前方に押動して図外のマスターバックにペダルアーム2の踏力を伝達する。
【0020】
18はペダルブラケット1とペダルアーム2との間に張設したリターンスプリングで、該リターンスプリング18によりペダルアーム2に後方への回動力を付勢してある。
【0021】
特にこの実施形態にあっては、ペダルブラケット1のペダルシャフト3とサブシャフト19との配設間に前記衝突吸収手段として上下方向のビード部12を設けてあり、さらにビード部12を衝突吸収手段として確実に作動させるために、サブシャフト19の前方側に前後方向の補強ビード1b,1bを設けてもよい。
【0022】
図1,2中、7はストッパブラケット6の下端に設けられ、ペダルアーム2の後方への回動を規制するストッパを示す。
【0023】
以上の実施形態の構造によれば、ペダルブラケット1に設けたペダルシャフト3に回転自在に軸支され、その上端部をペダルシャフト3よりも上方に突出配置するペダルアーム2を備え、かつ、前記ペダルシャフト3の前方に平行して設けたサブシャフト19に図外のマスターバックのプッシュロッド14に連結したプッシュロッドレバー15を回転自在に軸支し、該プッシュロッドレバー15の上端部をサブシャフト19より上方に突出配置して、これらペダルアーム2の上端部とプッシュロッドレバー15の上端部をリンク11を介して連結して、ペダルアーム2の踏力をプッシュロッド14を介して図外のマスターバックに伝達するようにすると共に、ペダルブラケット1に所定荷重を越える後退方向の入力が作用すると、車両前後方向の縮小移動を許容する衝突吸収手段としてのビード部12を、前記ペダルブラケット1のペダルシャフト3とサブシャフト19との間に設けてあるため、通常の状態ではペダルアーム2の踏み込み操作によりペダルアーム2の上端部に連結したリンク11を介してプッシュロッドレバー15を作動させ、プッシュロッドレバー15に連結したプッシュロッド14を介して踏力を図外のマスターバックに伝え、一般のブレーキペダル装置と変わりのないマスターバック作動を行わせることができるのは勿論、車両の前面衝突によりマスターバックが後退移動し、それに伴ってダッシュロアパネル4が車室側に変形しても、ペダルブラケット2は前記ペダルシャフト3とサブシャフト19の間の衝突吸収手段としてのビード部12により、衝突入力を吸収してペダルブラケット2後端部の後退移動を抑えられ、該ペダルブラケット2がその後端部近傍の上方位置に配設されたステアリングメンバ23に干渉するのを回避することができる。
【0024】
しかも、このように車両の前面衝突時には衝突吸収手段であるビード部12によりペダルシャフト3とサブシャフト19の間が縮小してプッシュロッドレバー15が後方に移動するため、相対的にプッシュロッドレバー15の上端とペダルアーム2の上端との間の距離が縮小することになり、プッシュロッドレバー2の上端部がリンク11を介してペダルアーム2の上端を後方に押して該ペダルアーム2に踏み込み方向の回動力を発生させるので、ドライバーの足に違和感を生じさせることが全くない。
【0025】
また、特に本実施形態にあっては、衝突吸収手段を、前述のようにペダルブラケット2のペダルシャフト3とサブシャフト19との配設間に設けたビード部12で構成してあるため、車両の前面衝突によりペダルブラケット2に後退方向の入力が作用しても、該ビード部12が潰れることにより衝突入力を吸収しペダルブラケット2の後退移動を抑えることができると共に、確実にペダルシャフト3とサブシャフト19の間を縮小させることができる。
【0026】
なお、サブシャフト19の前方側に前後方向の補強ビード部1b,1bだけを設けて相対的にペダルシャフト3とサブシャフト19間を弱くして衝突吸収手段としても良い。
【0027】
図5は本発明の第2実施形態を示すもので、この実施形態にあっては前記図1〜4に示した第1実施形態のペダルブラケット1をダッシュロアパネル4に固定し、サブシャフト19を介してプッシュロッドレバー15を軸支下フロントブラケット1Aとダッシュアッパパネル5にその後端部のストッパブラケット6を介して固定し、ペダルシャフト3を介してペダルアーム2を軸支したリヤブラケット1Bとに分割して形成し、かつ、フロントブラケット1Aをリヤブラケット1Bに対して後方にスライド移動可能に接続して、衝突吸収手段を構成してある。
【0028】
具体的には、フロントブラケット1Aと、リヤブラケット1Bとに長孔21,22を形成して、ボルト20により締結固定することによって、所定荷重を越える後退方向の入力が作用するとスライドして衝突入力を吸収するようにしている。
【0029】
この実施形態の構造によれば、ペダルブラケット1を、フロントブラケット1Aと、リヤブラケット1Bとに分割して形成し、かつ、フロントブラケット1Aをリヤブラケット1Bに対して後方にスライド移動可能に接続して、衝突吸収手段を構成してあるため、車両の前面衝突によりダッシュロアパネル4が車室側へ変形するのに伴ってフロントブラケット1Aが後退移動しても、該フロントブラケット1Aはリヤブラケット1Bに対して後方にスライド移動するだけで、リヤブラケット1Bの後退移動を抑えられるので、該リヤブラケット1Bの後端部近傍の上方位置に配設されたステアリングメンバ23への干渉回避をより一層徹底することができると共に、確実にペダルシャフト3とサブシャフト19の間を縮小させ、相対的にプッシュロッドレバー15とペダルアーム2との間の距離を縮め、プッシュロッドレバー15の上端部がリンク11を介してペダルアーム2の上端部を後方に押して、該ペダルアーム2に踏み込み方向の回動力を発生させるので、ドライバーの足に違和感を生じさせることが全くない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す側面図。
【図2】同実施形態の衝突吸収の様子を示す側面図。
【図3】同実施形態の平面図。
【図4】同実施形態の衝突吸収の様子を示す平面図。
【図5】本発明の第2実施形態を示す説明図。
【符号の説明】
1 ペダルブラケット
1A フロントブラケット
1B リヤブラケット
2 ペダルアーム
3 ペダルシャフト
4 ダッシュロアパネル
5 ダッシュアッパパネル
11 リンク
12 ビード部(衝突吸収手段)
14 プッシュロッド
15 プッシュロッドレバー
19 サブシャフト
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車のブレーキペダル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のブレーキペダル装置は、例えば実開平6−1113号公報に示されているように、ペダルアームの上端部を回動自在に軸支したペダルブラケットの前壁をダッシュロアパネルにボルト・ナットにより締結固定すると共に、該ペダルブラケットの上壁を前記ダッシュロアパネルに接合されて車室側に張り出したダッシュアッパパネルの下面部にボルト・ナットにより締結固定してあって、ペダルアームを踏み込むことによって該ペダルアームに連結したプッシュロッドを前方へ押動して、マスターバックを作動させるようにしてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
車両の前面衝突時にマスターバック、もしくは該マスターバックを固定したダッシュロアパネルが変形して車室側へ後退移動すると、該マスターバックのプッシュロッドを介してペダルアームに踏み込み方向と逆方向である後退方向への回動力が作用し、ブレーキペダルの踏み込み位置が後方へずれて違和感を生じるおそれがある。
【0004】
また、ペダルブラケットは前述のようにダッシュロアパネルと、ダッシュアッパパネルの下面とにそれぞれ締結固定してあるため、車両の前面衝突時にダッシュロアパネルが車室側に変形してペダルブラケットが該ダッシュロアパネルとともに後退移動すると、ダッシュアッパパネルの下面部との締結点を支点として該ペダルブラケットに後ろ斜め上がりの回転モーメントが生じて、該ペダルブラケットが後ろ斜め上方に向けて後退移動し、該ペダルブラケットの後端部がその後方の斜め上方に近接して配設されるステアリングコラムを支持するステアリングメンバに干渉する可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は車両の前面衝突時にマスターバックのプッシュロッドを介してペダルアームに衝突荷重が作用するのを防止して、違和感を生じるのを回避すると共に、ダッシュロアパネルの車室側への変形に伴ってペダルブラケットが後退移動しても、該ペダルブラケットがステアリングメンバに干渉するのを回避することができる自動車のブレーキペダル装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1にあっては、ダッシュアッパパネルとダッシュロアパネルに跨って固定したペダルブラケットと、該ペダルブラケットに設けたペダルシャフトに回転自在に軸支され、その上端部をペダルシャフトよりも上方に突出配置するペダルアームを備え、かつ、前記ペダルシャフトの前方に平行して設けたサブシャフトにマスターバックのプッシュロッドに連結したプッシュロッドレバーを回転自在に軸支し、該プッシュロッドレバーの上端部をサブシャフトより上方に突出配置して、これらペダルアームの上端部とプッシュロッドレバーの上端部をリンクを介して連結して、ペダルアームの踏力をプッシュロッドを介してマスターバックに伝達するようにすると共に、ペダルブラケットに所定荷重を越える後退方向の入力が作用すると、車両前後方向の縮小移動を許容する衝突吸収手段を、前記ペダルブラケットのペダルシャフトとサブシャフトとの間に設けたことを特徴としている。
【0007】
請求項2にあっては、請求項1に記載の衝突吸収手段を、ペダルブラケットのペダルシャフトとサブシャフトとの配設間に設けたビード部で構成したことを特徴としている。
【0008】
請求項3にあっては、請求項1に記載のペダルブラケットを、ダッシュロアパネルに固定され、サブシャフトを介してプッシュロッドレバーを軸支したフロントブラケットと、ダッシュアッパパネルに固定され、ペダルシャフトを介してペダルアームを軸支したリヤブラケットとに分割して形成し、かつ、フロントブラケットをリヤブラケットに対して後方にスライド移動可能に接続して、衝突吸収手段を構成したことを特徴としている。
【0009】
【発明の効果】
請求項1によれば、ペダルブラケットに設けたペダルシャフトに回転自在に軸支され、その上端部をペダルシャフトよりも上方に突出配置するペダルアームを備え、かつ、前記ペダルシャフトの前方に平行して設けたサブシャフトにマスターバックのプッシュロッドに連結したプッシュロッドレバーを回転自在に軸支し、該プッシュロッドレバーの上端部をサブシャフトより上方に突出配置して、これらペダルアームの上端部とプッシュロッドレバーの上端部をリンクを介して連結して、ペダルアームの踏力をプッシュロッドを介してマスターバックに伝達するようにすると共に、ペダルブラケットに所定荷重を越える後退方向の入力が作用すると、車両前後方向の縮小移動を許容する衝突吸収手段を、前記ペダルブラケットのペダルシャフトとサブシャフトとの間に設けてあるため、通常の状態ではペダルアームの踏み込み操作によりペダルアームの上端部に連結したリンクを介してプッシュロッドレバーを作動させ、プッシュロッドレバーに連結したプッシュロッドを介して踏力をマスターバックに伝え、一般のブレーキペダル装置と変わりのないマスターバック作動を行わせることができるのは勿論、車両の前面衝突によりマスターバックが後退移動し、それに伴ってダッシュロアパネルが車室側に変形しても、ペダルブラケットは前記ペダルシャフトとサブシャフトの間の衝突吸収手段によりペダルブラケット後端部の後退移動を抑えられ、該ペダルブラケットがその後端部近傍の上方位置に配設されたステアリングメンバに干渉するのを回避することができる。
【0010】
しかも、この衝突吸収手段によりペダルシャフトとサブシャフト間が縮小してプッシュロッドレバーが後方に移動するため、相対的にプッシュロッドレバーの上端とペダルアームの上端との間の距離が縮小することになり、プッシュロッドレバーの上端部がリンクを介してペダルアームの上端を後方に押して該ペダルアームに踏み込み方向の回動力を発生させるので、ドライバーの足に違和感を生じさせることが全くない。
【0011】
請求項2によれば請求項1の効果に加えて、衝突吸収手段を、ペダルブラケットのペダルシャフトとサブシャフトとの配設間に設けたビード部で構成してあるため、車両の前面衝突によりペダルブラケットに後退方向の入力が作用しても、該ビード部が潰れることにより衝突入力を吸収しペダルブラケットの後退移動を抑えることができると共に、確実にペダルシャフトとサブシャフト間を縮小させることができる。
【0012】
請求項3によれば請求項1の効果に加えて、ペダルブラケットを、ダッシュロアパネルに固定され、サブシャフトを介してプッシュロッドを軸支したフロントブラケットと、ダッシュアッパパネルに固定され、ペダルシャフトを介してペダルアームを軸支したリヤブラケットとに分割して形成し、かつ、フロントブラケットをリヤブラケットに対して後方にスライド移動可能に接続して、衝突吸収手段を構成してあるため、車両の前面衝突によりダッシュロアパネルが車室側へ変形するのに伴ってフロントブラケットが後退移動しても、該フロントブラケットはリヤブラケットに対して後方にスライド移動するだけで、リヤブラケットの後退移動を抑えられるので、該リヤブラケットの後端部近傍の上方位置に配設されたステアリングメンバへの干渉回避をより一層徹底することができると共に、確実にペダルシャフトとサブシャフト間を縮小させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0014】
図1〜4において、1はペダルブラケット、2は該ペダルブラケット1に設けたペダルシャフト3に回転自在に軸支され、その上端部を前記ペダルシャフト3よりも上方に突出配置するペダルアームで、下端にペダルパッド8を備えている。
【0015】
ペダルブラケット1は側面逆L字状に形成してあって、その前壁1aをダッシュロアパネル4に図外のボルト・ナットによって締結固定してあると共に、該ペダルブラケット1の後端部に接続したストッパブラケット6を前記ダッシュロアパネル4に接合されて車室側に張り出したダッシュアッパパネル5の後壁に接続して前傾状態に取り付けてある。
【0016】
また、ペダルブラケット1には所定荷重を越える後退方向の入力が作用すると、車両前後方向の縮小移動を許容する衝突吸収手段を、該ペダルブラケット1のペダルシャフト3と後述するサブシャフト19との間に設けてある。
【0017】
15は前記ペダルシャフト3の前方に平行して設けたサブシャフト19に回転自在に軸支され、その下端に図外のマスターバックのプッシュロッド14にピン16を介して連結したプッシュロッドレバーを示し、該プッシュロッドレバー15の上端部をサブシャフト19よりも上方に突出配置して、該プッシュロッドレバー15の上端部と前記ペダルアーム2の上端部とをピン9,10を介してリンク11で連結して、該ペダルアーム2の踏力をプッシュロッド14を介してマスターバックに伝達するようにしている。
【0018】
具体的な作動としては、ペダルアーム2の下端のペダルパッド8が車両前方に押されるとペダルアーム2の上端部がペダルシャフト3を回転中心として後方に回動し、リンク11を介してプッシュロッドレバー15の上端部を後方に引く。
【0019】
従って、プッシュロッドレバー15がサブシャフト19を回転中心としてその下端を前方に押し、下端に連結されたプッシュロッド14を前方に押動して図外のマスターバックにペダルアーム2の踏力を伝達する。
【0020】
18はペダルブラケット1とペダルアーム2との間に張設したリターンスプリングで、該リターンスプリング18によりペダルアーム2に後方への回動力を付勢してある。
【0021】
特にこの実施形態にあっては、ペダルブラケット1のペダルシャフト3とサブシャフト19との配設間に前記衝突吸収手段として上下方向のビード部12を設けてあり、さらにビード部12を衝突吸収手段として確実に作動させるために、サブシャフト19の前方側に前後方向の補強ビード1b,1bを設けてもよい。
【0022】
図1,2中、7はストッパブラケット6の下端に設けられ、ペダルアーム2の後方への回動を規制するストッパを示す。
【0023】
以上の実施形態の構造によれば、ペダルブラケット1に設けたペダルシャフト3に回転自在に軸支され、その上端部をペダルシャフト3よりも上方に突出配置するペダルアーム2を備え、かつ、前記ペダルシャフト3の前方に平行して設けたサブシャフト19に図外のマスターバックのプッシュロッド14に連結したプッシュロッドレバー15を回転自在に軸支し、該プッシュロッドレバー15の上端部をサブシャフト19より上方に突出配置して、これらペダルアーム2の上端部とプッシュロッドレバー15の上端部をリンク11を介して連結して、ペダルアーム2の踏力をプッシュロッド14を介して図外のマスターバックに伝達するようにすると共に、ペダルブラケット1に所定荷重を越える後退方向の入力が作用すると、車両前後方向の縮小移動を許容する衝突吸収手段としてのビード部12を、前記ペダルブラケット1のペダルシャフト3とサブシャフト19との間に設けてあるため、通常の状態ではペダルアーム2の踏み込み操作によりペダルアーム2の上端部に連結したリンク11を介してプッシュロッドレバー15を作動させ、プッシュロッドレバー15に連結したプッシュロッド14を介して踏力を図外のマスターバックに伝え、一般のブレーキペダル装置と変わりのないマスターバック作動を行わせることができるのは勿論、車両の前面衝突によりマスターバックが後退移動し、それに伴ってダッシュロアパネル4が車室側に変形しても、ペダルブラケット2は前記ペダルシャフト3とサブシャフト19の間の衝突吸収手段としてのビード部12により、衝突入力を吸収してペダルブラケット2後端部の後退移動を抑えられ、該ペダルブラケット2がその後端部近傍の上方位置に配設されたステアリングメンバ23に干渉するのを回避することができる。
【0024】
しかも、このように車両の前面衝突時には衝突吸収手段であるビード部12によりペダルシャフト3とサブシャフト19の間が縮小してプッシュロッドレバー15が後方に移動するため、相対的にプッシュロッドレバー15の上端とペダルアーム2の上端との間の距離が縮小することになり、プッシュロッドレバー2の上端部がリンク11を介してペダルアーム2の上端を後方に押して該ペダルアーム2に踏み込み方向の回動力を発生させるので、ドライバーの足に違和感を生じさせることが全くない。
【0025】
また、特に本実施形態にあっては、衝突吸収手段を、前述のようにペダルブラケット2のペダルシャフト3とサブシャフト19との配設間に設けたビード部12で構成してあるため、車両の前面衝突によりペダルブラケット2に後退方向の入力が作用しても、該ビード部12が潰れることにより衝突入力を吸収しペダルブラケット2の後退移動を抑えることができると共に、確実にペダルシャフト3とサブシャフト19の間を縮小させることができる。
【0026】
なお、サブシャフト19の前方側に前後方向の補強ビード部1b,1bだけを設けて相対的にペダルシャフト3とサブシャフト19間を弱くして衝突吸収手段としても良い。
【0027】
図5は本発明の第2実施形態を示すもので、この実施形態にあっては前記図1〜4に示した第1実施形態のペダルブラケット1をダッシュロアパネル4に固定し、サブシャフト19を介してプッシュロッドレバー15を軸支下フロントブラケット1Aとダッシュアッパパネル5にその後端部のストッパブラケット6を介して固定し、ペダルシャフト3を介してペダルアーム2を軸支したリヤブラケット1Bとに分割して形成し、かつ、フロントブラケット1Aをリヤブラケット1Bに対して後方にスライド移動可能に接続して、衝突吸収手段を構成してある。
【0028】
具体的には、フロントブラケット1Aと、リヤブラケット1Bとに長孔21,22を形成して、ボルト20により締結固定することによって、所定荷重を越える後退方向の入力が作用するとスライドして衝突入力を吸収するようにしている。
【0029】
この実施形態の構造によれば、ペダルブラケット1を、フロントブラケット1Aと、リヤブラケット1Bとに分割して形成し、かつ、フロントブラケット1Aをリヤブラケット1Bに対して後方にスライド移動可能に接続して、衝突吸収手段を構成してあるため、車両の前面衝突によりダッシュロアパネル4が車室側へ変形するのに伴ってフロントブラケット1Aが後退移動しても、該フロントブラケット1Aはリヤブラケット1Bに対して後方にスライド移動するだけで、リヤブラケット1Bの後退移動を抑えられるので、該リヤブラケット1Bの後端部近傍の上方位置に配設されたステアリングメンバ23への干渉回避をより一層徹底することができると共に、確実にペダルシャフト3とサブシャフト19の間を縮小させ、相対的にプッシュロッドレバー15とペダルアーム2との間の距離を縮め、プッシュロッドレバー15の上端部がリンク11を介してペダルアーム2の上端部を後方に押して、該ペダルアーム2に踏み込み方向の回動力を発生させるので、ドライバーの足に違和感を生じさせることが全くない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す側面図。
【図2】同実施形態の衝突吸収の様子を示す側面図。
【図3】同実施形態の平面図。
【図4】同実施形態の衝突吸収の様子を示す平面図。
【図5】本発明の第2実施形態を示す説明図。
【符号の説明】
1 ペダルブラケット
1A フロントブラケット
1B リヤブラケット
2 ペダルアーム
3 ペダルシャフト
4 ダッシュロアパネル
5 ダッシュアッパパネル
11 リンク
12 ビード部(衝突吸収手段)
14 プッシュロッド
15 プッシュロッドレバー
19 サブシャフト
Claims (3)
- ダッシュアッパパネルとダッシュロアパネルに跨って固定したペダルブラケットと、該ペダルブラケットに設けたペダルシャフトに回転自在に軸支され、その上端部をペダルシャフトよりも上方に突出配置するペダルアームを備え、かつ、前記ペダルシャフトの前方に平行して設けたサブシャフトにマスターバックのプッシュロッドに連結したプッシュロッドレバーを回転自在に軸支し、該プッシュロッドレバーの上端部をサブシャフトより上方に突出配置して、これらペダルアームの上端部とプッシュロッドレバーの上端部をリンクを介して連結して、ペダルアームの踏力をプッシュロッドを介してマスターバックに伝達するようにすると共に、ペダルブラケットに所定荷重を越える後退方向の入力が作用すると、車両前後方向の縮小移動を許容する衝突吸収手段を、前記ペダルブラケットのペダルシャフトとサブシャフトとの間に設けたことを特徴とする自動車のブレーキペダル構造。
- 衝突吸収手段を、ペダルブラケットのペダルシャフトとサブシャフトとの配設間に設けたビード部で構成したことを特徴とする請求項1に記載の自動車のブレーキペダル構造。
- ペダルブラケットを、ダッシュロアパネルに固定され、サブシャフトを介してプッシュロッドレバーを軸支したフロントブラケットと、ダッシュアッパパネルに固定され、ペダルシャフトを介してペダルアームを軸支したリヤブラケットとに分割して形成し、かつ、フロントブラケットをリヤブラケットに対して後方にスライド移動可能に接続して、衝突吸収手段を構成したことを特徴とする請求項1に記載の自動車のブレーキペダル構造。
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