JP3776099B2 - 電動機制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動機制御装置に関し、たとえば、ハイブリッド自動車等の電気車に用いて好適な電動機制御装置に関する。
一般に電気車の電動機制御装置は、車速やスロットル操作量などに応じて駆動用電動機のトルクをコントロールするために用いられるが、このトルクコントロールは電動機を直接制御して行うのではなく、電動機を駆動するための装置(インバータ)を制御することによって間接的に行っている。インバータとは、直流のバッテリ電圧を交流の電動機駆動電圧に変換するための構成要素である。逆変換装置または電動機側変換装置と呼ばれることもある。なお、電動機の誘起電圧(交流)を直流の回生エネルギーに変換するコンバータ(いわゆる順変換装置)は、インバータの入出力を逆にしたものであり、両者(インバータ/コンバータ)は原理的に同じである。
インバータを構成するスイッチング素子の許容スイッチング周波数は、その素子の性能と冷却装置の能力で決まる限界があるため、インバータの負荷が電動機である場合、始動時や低速回転域では高周波数スイッチングのPWM(パルス幅変調;Pulse Width Modulation)制御を行い、中高速回転域ではPWM制御を行わない定電圧制御に切り換える方式が実用化されている(たとえば、特許文献1参照)。
この“定電圧制御”の状態においては、インバータの線間電圧の半サイクルが無制御の単一パルスとなるため、一般に「1パルス制御」または「1パルスモード」などと呼ばれている。本明細書では前者の呼び方(1パルス制御)に倣うものとする。
インバータの出力電圧の実効値(以下、単に「出力電圧」という)は、1パルス制御で一定値(バッテリ電圧相当)であるが、PWM制御ではインバータのスイッチング周波数にほぼ比例して変化し、その最大出力電圧は1パルス制御のときの約90%である。このため、PWM制御から1パルス制御に切り換えた際には、インバータの出力電圧が約10%急増し、電動機の出力トルクに段差(ショック)を生じる。このショックは、とりわけ電気車においては乗員に違和感を与えるので解消しなければならない。
なお、特許文献1では、インバータの出力電圧の“急増”にも言及しているが、同文献の、たとえば、〔0010〕欄に、「スイッチング素子で決まる最小パルス幅に起因する電圧のジャンプ(が)発生する」と記載されているように、インバータの出力電圧の急増を“なくす”ものではなく、単に抑制するものにすぎない。したがって、程度の差こそあれ、電気車における上記不都合(乗員に違和感を与えるトルクショック)を解消できない。
電気車に適用したPWM制御と1パルス制御の切換技術としては、たとえば、電動機の各相駆動電圧の指令値から波高値Vacを演算し、その波高値Vacが“所定値”(バッテリ電圧と等価な値を2で除したもの)を越えているか否かを判定し、越えていなければPWM制御を行う一方、越えていれば1パルス制御を行うようにしたものが知られている(たとえば、特許文献2参照)。
特開平6−197550号公報(〔0002〕〔0007〕〔0010〕) 特開2000−358393号公報(〔0031〕−〔0045〕、第4図)
しかしながら、この従来技術(特許文献2に記載のもの)においても、PWM制御から1パルス制御に切り換える際のインバータ出力電圧の急増を完全になくすことができない。このため、電動機トルクにショックを生じて乗員に違和感を与えるという課題をいぜんとして抱えている。
すなわち、同文献の、たとえば、〔0044〕欄に、「4/π倍したのは、・・・・矩形電圧制御(1パルス制御のこと)を実施することで、モータ印加電圧が増加するためである」と記載されているように、この従来技術においても、PWM制御から1パルス制御へ切り換える際にインバータの出力電圧が急増することを認めた上で、その対策として、急増分を補正するための補正値(4/π)を適用しているが、冒頭で説明したとおり、当該急増分はいくらかの誤差(あくまでも“約”10%である)を持つから、上記補正値は大凡のものにすぎず、それゆえ、インバータの出力電圧の急増を完全になくすことはできない。
そこで、本発明の目的は、PWM制御から1パルス制御に切り換える際のインバータ出力電圧の急増に関わらず、乗員にショックを感じさせないようにして違和感のない電動機制御装置を提供することにある。
請求項1記載の発明に係る電動機制御装置は、駆動力発生用の電動機と、該電動機と駆動輪との間に介在して動力の伝達を断接可能な断接要素と、前記電動機の制御態様を少なくともPWM制御から1パルス制御へと切り換えることが可能な制御態様切り換え手段と、前記断接要素が断状態又は滑りを伴う接状態にあることを検出する断状態検出手段と、該断状態検出手段が前記断接要素の断状態又は滑りを伴う接状態を検出しているときに前記制御態様切り換え手段によるPWM制御から1パルス制御への切り換えを許容する許容手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明に係る電動機制御装置は、請求項1記載の発明において、前記断状態検出手段は、前記電動機の回転速度が、前記断接要素を接状態に制御するための指令回転数よりも若干低い所定の回転数を越えていないときに、前記断接要素が断状態又は滑りを伴う接状態にあるものとして検出することを特徴とする。
請求項3記載の発明に係る電動機制御装置は、請求項1記載の発明において、前記断状態検出手段は、前記駆動輪の回転速度に対応する車速に基づいて、前記断接要素の断状態又は滑りを伴う接状態を検出することを特徴とする。
請求項4記載の発明に係る電動機制御装置は、請求項1記載の発明において、前記断状態検出手段は、前記駆動輪の回転速度に対応する車速と、前記電動機と駆動輪との間に介在するトルクコンバータのタービン回転数と、前記電動機と駆動輪との間に介在する変速機の1速ギヤ比とに基づいて、前記断接要素の断状態又は滑りを伴う接状態を検出することを特徴とする。
請求項5記載の発明に係る電動機制御装置は、請求項1記載の発明において、前記断状態検出手段は、前記断接要素に対する制御指令値に基づいて、前記断接要素の断状態又は滑りを伴う接状態を検出することを特徴とする。
請求項6記載の発明に係る電動機制御装置は、請求項1記載の発明において、前記許容手段は、前記電動機と駆動輪との間に介在するトルクコンバータのロックアップクラッチがロックアップオン動作しているとき、前記制御態様切り換え手段によるPWM制御から1パルス制御への切り換えを許容しないことを特徴とする。
請求項7記載の発明に係る電動機制御装置は、請求項6記載の発明において、前記許容手段は、前記制御態様切り換え手段によるPWM制御から1パルス制御への切り換えを許容する際に、前記電動機と駆動輪との間に介在するトルクコンバータのロックアップクラッチがロックアップオン動作している場合には、該ロックアップクラッチを強制的にスリップロックアップ動作又はロックアップオフ動作させてから、前記PWM制御から1パルス制御への切り換えを許容することを特徴とする。
請求項1記載の発明に係る電動機制御装置によれば、断接要素が断状態又は滑りを伴う接状態にあるときに、電動機の制御態様の切り換え(PWM制御から1パルス制御への切り換え)が許容される。したがって、仮に電動機の制御態様をPWM制御から1パルス制御に切り換えた際にインバータの出力電圧が急増して、トルクショックを生じたとしても、断接要素が断状態又は滑りを伴う接状態になっているので、そのトルクショックは駆動輪に伝達されない(ゆえに乗員に違和感を与えない)。
請求項2記載の発明に係る電動機制御装置によれば、電動機の回転速度(Nm)が、断接要素を接状態に制御するための指令回転数(N2 )よりも若干低い所定の回転数(N1 )を越えていないときに、断接要素が断状態又は滑りを伴う接状態にあるものとして検出するので、既存の回転センサ(たとえば、ハイブリッド自動車のエンジン回転センサ等)の出力を利用して、断接要素の断状態を簡単に検出できる。
請求項3記載の発明に係る電動機制御装置によれば、前記駆動輪の回転速度に対応する車速に基づいて、前記断接要素が断状態又は滑りを伴う接状態にあることを検出するので、断接要素の断から接へのタイムラグ部分においても、PWM制御から1パルス制御への切り換えを行うことができる。
請求項4記載の発明に係る電動機制御装置によれば、車速、タービン回転数及び1速ギヤ比に基づいて、前記断接要素が断状態又は滑りを伴う接状態にあることを検出するので、センサ誤差に影響されることなく、切り換え判断の確実さを高めることができる。
請求項5記載の発明に係る電動機制御装置によれば、前記断接要素に対する制御指令値に基づいて、前記断接要素が断状態又は滑りを伴う接状態にあることを検出するので、やはりセンサ誤差に影響されることなく、切り換え判断の確実さを高めることができる。
請求項6記載の発明に係る電動機制御装置によれば、電動機と駆動輪との間に介在するトルクコンバータのロックアップクラッチがロックアップオン動作しているとき、制御態様切り換え手段によるPWM制御から1パルス制御への切り換えを許容しないようにしたので、ロックアップオン領域のショック発生を回避できる。
請求項7記載の発明に係る電動機制御装置によれば、PWM制御から1パルス制御への切り換えを許容する際に、ロックアップクラッチがロックアップオン動作している場合には、該ロックアップクラッチを強制的にスリップロックアップ動作又はロックアップオフ動作させてから、前記PWM制御から1パルス制御への切り換えを許容するので、請求項6記載の発明に係る電動機制御装置の不都合(PWM制御から1パルス制御への切り換えを許容しないため、コンデンサの発熱や充分な出力が得られない)を回避できる。
以下、本発明の実施例を、電気車(ハイブリッド自動車)への適用を例にして、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
(システム構成)
図1は、以下のすべての実施形態1〜6に適用する電気車(ここではハイブリッド自動車)の模式的構成図である。この図は、ハイブリッド自動車1における動力伝達系統の一例を示しており、本発明にとって重要な点は、駆動力を断接するための断接要素(フォワードクラッチ9j)とその断接要素を制御するための制御要素(油圧制御部10や電子制御装置8)を含む点にある。
図示の動力伝達系統は、走行のための駆動力発生源(エネルギーを消費してトルクを出力する装置)として、燃焼エネルギーを利用するもの(内燃機関)と、電気エネルギーを利用するものの二つ、すなわち、ガソリンや軽油または液化天然ガス等の燃焼エネルギーをトルクに変換するエンジン2と、バッテリ3に蓄えられた電気エネルギーをトルクに変換する電動機4とを含む。
ハイブリッド自動車1は、これら二つの駆動力発生源を単独で用い、または組み合わせて用いることにより、騒音の抑制や燃費の向上を図りつつ、所望の走行駆動力を発生する。なお、電動機4は、電気エネルギーをトルクに変換する装置であるが、その逆に、トルクを電気エネルギー(回生エネルギー)に変換することもできる装置(要するに“発電機”)でもある。電動機4を発電機として用いる場合は、その回生エネルギーを用いてハイブリッド自動車1の電装品に電力を供給したり、バッテリ3を充電したりできる。ここで、図示の電動機4は、同期型または誘導型の3相交流電動機である。以下、説明の便宜上、同期型の3相交流電動機とする。
エンジン2には、吸気量を制御するためのスロットルバルブとして電子スロットルバルブ2aが設けられている。この電子スロットルバルブ2aは、スロットル開度をアクチュエータ(例えばモータ)によって制御するように構成されており、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量に基づいて開度を決定し、そのアクチュエータを駆動するようになっている。このように、アクチュエータを電気的に制御できるため、各種のデータに基づく演算結果によって電子スロットルバルブ2aを電子制御できるようにもなっている。
また、エンジン2は、吸気バルブと排気バルブとを各気筒(それぞれ図示せず)ごとに備えており、さらに、それらのバルブの開閉のタイミングを所定の範囲で変更することができる可変バルブタイミング機構2bを備えている。この可変バルブタイミング機構2bは、たとえば、バルブを開閉させるカム(図せず)のクランク角度に対する位相をアクチュエータなどによって変化させるように構成されており、エンジン2の圧縮行程における所定の期間、排気バルブを開くことによって、吸気を圧縮せずに気筒から送り出すことができるようになっている。
さらに、エンジン2には、燃料を供給するための機構として燃料噴射装置2cが設けられている。燃料噴射装置2cは、ガソリンなどの燃料と空気とを加圧混合した混合気を噴射するように構成された装置であり、吸気ポートの直前に向けて混合気を噴射し、あるいは気筒の内部に混合気を噴射するように構成されている。その噴射は電気的に制御可能であり、エンジン2が走行慣性力で強制的に回転させられている状態で、その回転数が所定の回転数以上の場合に混合気の噴射を停止(フューエルカット)できるようになっている。
これら電子スロットルバルブ2aおよび可変バルブタイミング機構2bならびに燃料噴射装置2cを制御するための電子制御装置(E/G−ECU)2dが設けられている。この電子制御装置2dは、演算処理装置(CPUまたはMPU)および記憶装置(RAMおよびROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。そして、この電子制御装置2dは、アクセル開度センサ5で検出されたアクセル開度Acc、車速センサ6で検出された車速Vsp、不図示の自動変速機制御装置から出力される変速信号SEL、水温センサ2eで検出されたエンジン水温Tmpなどの各種入力データに基づいて、予め記憶しているプログラムに従って演算を行い、その演算結果に基づいて、電子スロットルバルブ2aおよび可変バルブタイミング機構2bならびに燃料噴射装置2cを制御するための制御信号を出力する。
エンジン2の出力軸2fには、電動機4のロータ(回転子)4aが連結されている。電動機4のステータ(固定子)4bは、U相、V相及びW相の3相巻線を有しており、それらの各相はインバータ7に接続されている。この電動機4は、インバータ7から駆動電流が加えられているときは“電動機”として動作し、一方、駆動電流が加えられていないときはエンジン2の出力軸2fの回転トルクに応じた回生エネルギーを発生する“発電機”として動作する。そのため、インバータ7には、双方向型のもの(インバータ/コンバータ)が用いられる。
つまり、インバータ7は、電動機4を“電動機”として用いるときにはバッテリ3の直流電圧から交流の制御電流を生成してステータ4bの各相に供給する一方、電動機4を“発電機”として用いるときにはステータ4bの各相に生じた交流の誘起電流を直流電圧に変換し、バッテリ3を充電したり、各種電装品の電源に用いたりすることができるものである。
なお、図示の例では、電動機4のロータ4aを、エンジン2の出力軸2fに直接的に接続しているが、これに限らず、たとえば、遊星歯車機構などの増減速機構を介して間接的に接続してもよい。
上記のインバータ7には、電子制御装置(MG−ECU)8が接続されている。この電子制御装置8は、前述したエンジン2用の電子制御装置2dと同様に、演算処理装置(CPUまたはMPU)および記憶装置(RAMおよびROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されており、入力されたデータに基づいて演算を行い、その演算結果に基づいて、電動機4の動作態様(電動機として動作させるかあるいは発電として動作させるかの態様)を切り換え制御すると共に、電動機として動作させる際の二つの制御モード(PWM制御と1パルス制御)を切り換え制御する。また、この電子制御装置8は、後述の油圧制御部10に対して所要の制御信号を出力する働きもする。電子制御装置8の詳細は後述する。
エンジン2の出力軸2f及び電動機4のロータ4aは、変速機9の入力軸9aに連結されている。変速機9は入力軸9aと出力軸9bとの回転数の比率(すなわち変速比)を変更することのできる装置であって、有段式の自動変速機または無段式(変速比を連続的に変化させることのできるもの)の自動変速機とすることができる。あるいは、手動式の変速機とすることもできる。図では、特にそれに限定しないが、ロックアップクラッチ9cを有するトルクコンバータ9dを歯車変速機構部9eの入力側に配置した構造の有段式自動変速機を例としている。
変速機9は、入力軸9aと一体回転するフロントカバー9fを有しており、フロントカバー9fにポンプインペラ9gと油圧ポンプ9hを連結し、トルクコンバータ9dに入力されるトルクによって油圧ポンプ9hを駆動するようになっている。さらに、ポンプインペラ9gに対向して配置されたタービンランナ9iとフロントカバー9fとの間に、フロントカバー9fの内面にトルク伝達可能に選択的に係合するロックアップクラッチ9cを配置し、且つ、このロックアップクラッチ9cをタービンランナ9iに連結すると共に、これらのポンプインペラ9g、タービンランナ9i及びステータSを含む油室内にオートマチックフルードを封入して構成する。
歯車変速機構部9eは、たとえば、複数組の遊星歯車機構およびフォワードクラッチ9jなどの複数の摩擦係合装置によって複数の前進段および後進段を設定できるように構成されている。フォワードクラッチ9jを含む摩擦係合装置及びロックアップクラッチ9cは、油圧ポンプ9hで作られた油圧を元圧にして油圧制御部10で調圧された制御油圧に応答して締結または解放し、これにより、所定の変速段が設定される。
油圧制御部10は、ロックアップソレノイド10aとフォワードクラッチソレノイド10bとを有し、ロックアップソレノイド10aを動作させることにり、油圧ポンプ9hからの油圧を調圧してロックアップクラッチ9cを締結/解放させるためのロックアップクラッチ制御油圧を発生し、また、フォワードクラッチソレノイド10bを動作させることにより、油圧ポンプ9hからの油圧を調圧してフォワードクラッチ9jを締結/解放させるためのフォワードクラッチ制御油圧を発生する。
電子制御装置8は、既述のとおり、電動機4の動作態様(電動機として動作させるかあるいは発電として動作させるかの態様)を切り換え制御すると共に、電動機として動作させる際の二つの制御モード(PWM制御と1パルス制御)を切り換え制御し、また、油圧制御部10に対して所要の制御信号を出力するものである。
すなわち、電子制御装置8は、アクセル開度センサ5で検出されたアクセル開度Acc、エンジン回転センサ11で検出されたエンジン回転数Ne(図示の例ではロータ4aとエンジン2の出力軸2fが直結されているため、このNeは電動機4の回転数Nmと等しい。以下、Ne=Nmとする。)、タービン回転センサ12で検出されたタービン回転数Nt、及び、車速センサ6で検出された車速Vspなどに基づいて、油圧制御部10に対する所要の制御信号を生成して出力するクラッチ制御部8a、電動機4の動作態様(電動機として動作させるかあるいは発電として動作させるかの態様)を切り換え制御する切り換え部8b、PWM制御部8c及び1パルス制御部8dなどを有する。
このような構成の動力伝達系統を有するハイブリッド自動車1において、二つの駆動力発生源(エンジン2と電動機4)のいずれか一方又は両方で発生したトルクは、歯車変速機構部9eに含まれるフォワードクラッチ9jが締結状態にある場合、変速機9からファイナルギア13を経て駆動輪14、14に伝えられる。
すなわち、フォワードクラッチ9jが締結状態(接状態)にあるとき、トルクコンバータ9dを経て歯車変速機構部9eに入力されたトルク(駆動力)は、歯車変速機構部9eの変速比に応じて変速された後、駆動輪14、14に伝えられるが、このフォワードクラッチ9jが解放状態(断状態)にある場合は、かかる駆動力の伝達動作は行われない。したがって、フォワードクラッチ9jは駆動力の伝達を断接することができる断接要素である。また、フォワードクラッチ9jの断接は、油圧制御部10や電子制御装置8からの制御で行われるので、これらの油圧制御部10や電子制御装置8は、断接要素を制御するための制御要素である。
(実施形態1)
図2は、電子制御装置8の動作フローチャートを示す図であり、このフローチャートは所定時間ごとに繰り返し実行される。このフローチャートは、フォワードクラッチ制御処理(ステップS100)とモータ制御処理(ステップS200)の二つのサブルーチンフローを含む。
図3は、フォワードクラッチ制御処理の動作フローチャートを示す図である。このフローチャートでは、まず、エンジン回転数Ne(Ne=モータ回転数Nm)を読み込み(ステップS101)、次いで、そのNeが、断接要素(フォワードクラッチ9j)を接状態に制御するための指令回転数に相当する所定の基準値(N2 )以上であるか否かを判定する(ステップS102)。ここで、N2 はエンジン2のアイドル回転数に対応する値であり、より詳細には、電動機4の基底回転数を若干上回る回転数に対応する値である。
図4は、電動機4の「トルク−回転数」特性図である。この特性図において、縦軸はトルクの大きさを示し、横軸は回転数の大きさを示している。縦軸の上に行くほどトルクが大きくなり、横軸の右に行くほど回転数が大きくなる。一般に、電動機の最大トルクは、ある回転数まで一定値で推移し、その回転数以上の領域に入ると低下(回転数が高くなるほどトルクが低下)することが知られている。このようなトルク低下の境界回転数のことを“基底回転数”という。図において、N1 は電動機4の基底回転数、N2 はエンジン2のアイドル回転数である。ここで、エンジン2の出力軸2fと電動機4のロータ4aは直結されているため、エンジン2の回転数Neと電動機4の回転数Nmは等値(Ne=Nm)である。したがって、N1 <N2 である。
再び、図3に戻り、Neが所定の基準値(N2 )以上である場合、すなわち、Neがエンジン2のアイドル回転数以上である場合(言い換えれば、図4に示すように発電機4のトルク低下領域に入っている場合)は、クラッチ締結モードに移行し(ステップS103)、そうでない場合は、クラッチ解放モードに移行する(ステップS104)。そして、いずれの場合も、それぞれのモードの制御信号を生成して油圧制御部10に出力する。油圧制御部10は、これらのモード制御信号に応答して、フォワードクラッチ9jの締結/解放を行うための制御油圧(フォーワードクラッチ制御油圧)を発生する。
図5は、モータ制御処理の動作フローチャートを示す図である。このフローチャートでは、まず、エンジン回転センサ11で検出したエンジン回転数Ne(=モータ回転数Nm)やトルク指令値Tcを読み込む(ステップ201)。トルク指令値Tcは、アクセル開度Accに対応して設定される電動機4の目標トルクであり、このトルク指令値Tcをモータ制御用トルク指令値T*として一時記憶する(ステップS202)。
次いで、エンジン回転数Neとトルク指令値T*に基づいて、電動機4のd軸とq軸の目標電流id、iqを演算する(ステップS203)。次いで、電動機4の各相に実際に流れている電流Iu、Iv、Iwを3相/2相変換し、その変換電流をフィードバック値として、上記の目標電流id、iqとフィードバック値を用いて、比例積分制御(いわゆるPI制御)により、電圧指令値Vd*、Vq*を求め、さらにこれらの電圧指令値Vd*、Vq*を2相/3相変換することにより、U、V、W各相の電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を演算する(ステップS204)。
以上のようにして、U、V、W各相の電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を求めると、次に、エンジン回転数Ne(=モータ回転数Nm)が、断接要素(フォワードクラッチ9j)を接状態に制御するための指令回転数(N2 )よりも若干低い所定の基準値(電動機4の基底回転数:N1 )を下回っているか否かを判定し(ステップS205)、エンジン回転数Ne(=モータ回転数Nm)が所定の基準値(N1 )を下回っている場合には、発電機4の制御モードをPWM制御にする(ステップS206)一方、そうでない場合には、1パルス制御にする(ステップS207)。
図6は、実施形態1のタイムチャートを示す図である。この図において、アクセル開度Accが閉から開へと変化(イ)すると、まず、Ne(=Nm)が読み込まれ(図3のステップS101)、所定値N2 と比較される(図3のステップS102)。所定値N2 はアイドル回転数であり、図4の基底回転数N1 を越えるトルク低下領域の回転数である。今、アクセル開度Accが閉から開へと変化した直後(イの直後)では、Ne(=Nm)は、ほぼゼロ相当ないしはアイドル回転以下の極低回転であり、したがって、図3の「フォワードクラッチ制御処理」においては、ステップS103の判定結果が“NO”となって、クラッチ解放制御(ステップS104)が選択される。
一方、図5の「モータ制御処理」においても、Ne(=Nm)が読み込まれ(ステップS201)、所定値N1 と比較される(ステップS205)。所定値N1 は電動機4の基底回転速度であり、アイドル回転(N2 )よりも若干低い値である。したがって、図5の「モータ制御処理」においては、ステップS205の判定結果が“YES”となって、PWM制御(ステップS206)が選択される。
アクセル開度Accの変化に伴ってNe(=Nm)が上昇していくと、ついにはNe(=Nm)が所定値N1 を越える時点(ロ)に至るが、この時点ロでは、図5の「モータ制御処理」において、ステップS205の判定結果が“NO”となって、PWM制御から1パルス制御へと切り換えられる(ステップS207)。
さて、この切換時点ロ(PWM制御から1パルス制御への切り換え時点)では、Ne(=Nm)はまだN2 以下である。したがって、図3の「フォワードクラッチ制御処理」においては、ステップS103の判定結果が“NO”のままであり、つまり、クラッチ解放制御(ステップS104)のままである。
その後、Ne(=Nm)≧N2 (アイドル回転)となった時点(ハ)で、PWM制御→1パルス制御への切換が完了したと判断し、図3の「フォワードクラッチ制御処理」でクラッチ締結制御(ステップS103)を選択する。
実施形態1のポイントは、以上のように、PWM制御から1パルス制御への切換を行っているとき(時点ロ)、フォワードクラッチ9jを解放状態のままにしておく点にある。PWM制御から1パルス制御への切り換えの際に、インバータ7の出力電圧が急増して電動機4のトルクが変化したとしても、フォワードクラッチ9jが不確実に解放状態になっているため、トルク変化が駆動輪14に伝えられず、乗員に違和感を与えないからである。
したがって、実施形態1によれば、PWM制御から1パルス制御に切り換える際のインバータ出力電圧の急増に関わらず、乗員にトルクの変化を感じさせないようにすることができ、違和感のない電動機制御装置を提供することができる。
なお、図6のタイムチャートにおいて、フォワードクラッチ9jの油圧指令値に適用している「しきい値SL」は、後述の実施形態4(図9のステップS205c参照)で使用するものである。
(実施形態2)
上記の実施形態では、PWM制御から1パルス制御への切り換えを、フォーワードクラッチ9jの解放制御期間内で行っており、フォーワードクラッチ9jの断状態又は滑りを伴う接状態であるか否かの判定を、Ne(=Nm)<N1 、すなわち、電動機4の回転速度Nmが、電動機4の基底回転数であって、アイドル回転以下の所定値N1 を越えているかどうかで行っているが、本発明の思想は、これに限定されない。フォーワードクラッチ9jの締結制御期間内であってもPWM制御から1パルス制御への切り換えを行ってもよく、たとえば、以下のようにしてもよい。
図7は、実施形態2に係るモータ制御処理の動作フローチャートを示す図である。上記のフローチャート(図5)との相違は、フォーワードクラッチ9jの断状態又は滑りを伴う接状態であるか否かの判定を、車速Vspに基づいて行っている点にある。具体的には、ステップS205aにおいて、車速Vspが所定の基準車速Vsp1(0<Vsp1<Vsp2;Vsp2はクラッチが完全締結したときの車速)になったか否かを判定し(ステップS205a)、Vsp<Vsp1でなければPWM制御を選択し(ステップS206)、Vsp≧Vsp1であれば1パルス制御を選択する点にある(ステップS207)。
このようにしたのは、電動機4が駆動されているにも関わらず車速VspがVsp1に達していないということは、フォワードクラッチ9jが完全に締結していない(解放状態又は不完全な締結状態にある)ということができるからである。
さらに、上記の実施形態では、NmがN2 になってからフォワードクラッチ9jの締結制御を開始する構成となっているが、当然ながら、フォワードクラッチ9jが締結を開始してから完全に締結を完了するまでに相応のタイムラグ(図6の時点ハから時点ニまで)があり、このタイムラグ部分であっても、フォワードクラッチ9jが完全締結していない状態(滑りを伴っている状態)であるため、電動機4の制御をPWM制御から1パルス制御に切り換えてもショックは生じない。このため、実施形態2の方が、上記の実施形態1に比べて、PWM制御から1パルス制御への切り換えの自由度が高いといえる。
(実施形態3)
実施形態3は、PWM制御と1パルス制御との切り換え判断を、タービン回転数Ntと「車速Vsp×1速ギヤ比」との商が、1未満のしきい値αを越えたか否かを判断するところがポイントである。すなわち、フォワードクラッチ9jの締結状態を、NeやVsp単独ではなく、タービン回転数Ntや車速Vsp及び1速ギヤ比(既知)をパラメータにして判断する点にポイントがある。
これは、一般にフォワードクラッチ9jが完全締結している状態では、「(車速Vsp×1速ギヤ比)÷タービン回転数Nt=1」の関係が成立するからであり、この関係が成り立たないということは、フォワードクラッチ9jが滑っていることを意味しているからである。したがって、「(車速Vsp×1速ギヤ比)÷タービン回転数Nt」の答えを随時演算で求め、その答えが、1未満に設定されたしきい値αを越えるかどうかで判断すればよい。
図8は、実施形態3に係るモータ制御処理の動作フローチャートを示す図である。上記のフローチャート(図5や図7)との相違は、フォーワードクラッチ9jの解放制御期間内であるか否かの判定を、タービン回転数Nt、車速Vsp及び1速ギヤ比の関係に基づいて行っている点にある。具体的には、ステップS205bにおいて、「(車速Vsp×1速ギヤ比)÷タービン回転数Nt<α」であるか否かを判定し(ステップS205b)、YESであればPWM制御を選択し(ステップS206)、NOであれば1パルス制御を選択する点にある(ステップS207)。
このように、タービン回転数Nt、車速Vsp及び1速ギヤ比の関係に基づいて、PWM制御と1パルス制御との切り換え判断を行うことにより、上記の実施形態2よりもさらに広い範囲でPWM制御から1パルス制御の切り換えを行うことができ、さらに制御の自由度を高めることができる。
すなわち、実施形態2では、車速Vspのみに基づいて、フォワードクラッチ9jが締結状態であるか否かを判断しているが、走行環境(乗車人数や路面勾配等)によってVsp2は大きく変わってくるので、そのようなことを考慮してVsp2は設定されることとなるため、当然、Vsp1も低車速に設定せざるを得ない。一方、本発明では、走行環境を考慮せずにしきい値αを設定できるので、実施形態2に比べて制御の自由度が高くなるのである。
(実施形態4)
実施形態4は、PWM制御と1パルス制御との切り換え判断を、フォワードクラッチ9jの締結開放を制御するソレノイド等の現在の制御指令値と、フォワードクラッチ9jが完全に締結しているであろう制御指令値とを比較する点がポイントである。すなわち、上記の実施形態2、3では、車速センサの値(Vsp)を使ってPWM制御から1パルス制御への切り換え判断を行っているが、かかる判断に用いられる車速は、極低車速領域であるため、車速センサの誤差の影響が大きく、その誤差分を考慮した大きな安全率(余裕代)を設定しなければならないところ、こうした安全率の存在は、切り換え判断の不正確さを意味する。
これに対して、実施形態4では、車速センサの値(Vsp)を使用せずに、PWM制御から1パルス制御への切り換え判断を行うことができ、上記の心配(安全率の存在に伴う切り換え判断の不正確さ)はない。したがって、上記の実施形態3よりもさらに広い範囲でPWM制御から1パルス制御への切り換えを行うことができ、さらに制御の自由度を向上できる。
図9は、実施形態4に係るモータ制御処理の動作フローチャートを示す図である。上記のフローチャート(図5、図7、図8)との相違は、フォーワードクラッチ9jの解放制御期間内であるか否かの判定を、フォワードクラッチ9jの指令値が所定のしきい値SL(図6参照)以上であるか否かで行っている点(ステップS205c)にある。フォワードクラッチ9jの指令値が所定のしきい値SL以上でなければPWM制御を選択し(ステップS206)、そうであれば1パルス制御を選択する(ステップS207)。
(実施形態5)
実施形態5は、トルクコンバータ9dのロックアップクラッチ9cの動作を加味して、PWM制御から1パルス制御への切り換え判断を行う点にポイントがある。
図10は、ロックアップクラッチ9cの三つの動作状態を示す図である。ロックアップクラッチ9cは、完全解放状態のロックアップオフ領域、完全締結状態のロックアップオン領域及びその間の滑り領域(ポンプインペラ9gとタービンランナ9iとの回転差を所定の回転数差となるように制御するスリップロックアップ領域)の三つの動作状態を有する。この図において、V1 はロックアップオフ領域とスリップロックアップ領域との境界車速であり、V2 はロックアップオン領域とスリップロックアップ領域との境界車速である。
図11は、実施形態5における電子制御装置8の動作フローチャートを示す図であり、このフローチャートは所定時間ごとに繰り返し実行される。このフローチャートは、ロックアップクラッチ制御処理(ステップS300)とモータ制御処理(ステップS400)二つのサブルーチンフローを含む。
図12は、ロックアップクラッチ制御処理の動作フローチャートを示す図である。このフローチャートでは、まず、車速Vspを読み込み(ステップS301)、次いで、そのVspがV2(ロックアップオン領域とスリップロックアップ領域との境界車速)以上であるか否かを判定する(ステップS302)。
VspがV2 以上である場合、すなわち、Vspがロックアップオン領域とスリップロックアップ領域との境界車速以上である場合は、ロックアップオン制御モードに移行し(ステップS303)、そうでない場合は、ロックアップオフ又はスリップロックアップ制御モードに移行する(ステップS304)。そして、いずれの場合も、それぞれのモードの制御信号を生成して油圧制御部10に出力する。油圧制御部10は、これらのモード制御信号に応答して、ロックアップクラッチ9cの締結/解放を行うための制御油圧(ロックアップ制御油圧)を発生する。
図13は、実施形態5に係るモータ制御処理の動作フローチャートを示す図である。上記のフローチャート(図5)との相違は、ステップS205でNe<N1 を判定したとき、前回の制御が1パルス制御であるか否かを判定し(ステップS401)、そうであれば1パルス制御を継続(ステップS207)する一方、そうでなければ、ロックアップオン領域であるか否かを判定(ステップS402)して、ロックアップオン領域であればPWM制御を選択(ステップS206)し、また、ロックアップオン領域でなければ1パルス制御に切り換える(ステップS207)点にある。
すなわち、このフローチャートでは、PWM制御から1パルス制御への切換をNe<N1 に基づいて判断するが、その判断結果をそのまま用いずに、さらに、切り換え判断がなされたときにロックアップクラッチ9cが「ロックアップオン領域」にある場合には、PWM制御から1パルス制御への切換えを行わない(切り換えを禁止する)ようにしている。
これは、ロックアップクラッチオン領域では、トルクコンバータ9dの入力側(エンジン2や電動機4側)と出力側(変速機9や駆動輪14側)とが直結状態となっていて、ショックがそのまま駆動輪14に伝わるからであり、運転者に違和感を与えるからである。これに対して、ロックアップオフ領域やスリップロックアップ領域では、トルクコンバータ9dの入力側(エンジン2や電動機4側)と出力側(変速機9や駆動輪14側)とが直結状態とはなっていないため、トルクコンバータ9dがダンパの役目を果たし、PWM制御から1パルス制御への切換の際のショックを低減できるからである。
図14は、実施形態5のタイムチャートを示す図である。このタイムチャートにおいて、エンジン回転数Neがしきい値N1 に到達した時点は、スリップロックアップ制御中である。この制御領域(スリップロックアップ制御)でPWM制御から1パルス制御への切り替えを行っても、切換の際のショックは大きくならない。上記のとおり、トルクコンバータ9dがショック吸収のためのダンパの役目を果たすからである。
(実施形態6)
実施形態6は、上記の実施形態5を改良したものである。すなわち、実施形態5では、PWM制御から1パルス制御への切り換え条件が成立したとしても、ロックアップオン領域においては、その切り換えを行うことができなかったので、コンデンサの発熱が増えたり、十分な出力が得られない(同一条件の1パルス制御に対して低い電動機出力しか得られない)などの不都合がある。
これに対して、実施形態6では、そのような場合に、強制的にロックアップクラッチを開放してスリップロックアップ制御とするするため、ショックの発生を抑制しつつ、切り換えを行うことができ、且つ、コンデンサの発熱を押さえ、十分な出力を得ることもできる。
図15は、実施形態6に係るモータ制御処理の動作フローチャートを示す図である。上記のフローチャート(図13)との相違は、「前回1パルス制御?」(ステップS401)の判定後に、Ne−Nt>所定値であるか否かを判定し(ステップS403)、その判定結果が“NO”であれば、強制的にロックアップクラッチ9cをスリップロックアップ制御(ステップS404)する点にある。
図16は、実施形態6のタイムチャートを示す図である。このタイムチャートにおいて、NeとNtの差が所定値を越えている場合、強制的にスリップロックアップ制御に切り換え、そのスリップロックアップ制御中にPWM制御から1パルス制御に切り換えている。
すべての実施形態1〜6に適用する電気車の模式的構成図である。 実施形態1係る電子制御装置8の動作フローチャートを示す図である。 フォワードクラッチ制御処理の動作フローチャートを示す図である。 電動機4の「トルク−回転数」特性図である。 モータ制御処理の動作フローチャートを示す図である。 実施形態1のタイムチャートを示す図である。 実施形態2に係るモータ制御処理の動作フローチャートを示図である。 実施形態3に係るモータ制御処理の動作フローチャートを示す図である。 実施形態4に係るモータ制御処理の動作フローチャートを示す図である。 ロックアップクラッチ9cの三つの動作状態を示す図である。 実施形態5における電子制御装置8の動作フローチャートを示す図である。 ロックアップクラッチ制御処理の動作フローチャートを示す図である。 実施形態5に係るモータ制御処理の動作フローチャートを示す図である。 実施形態5のタイムチャートを示す図である。 実施形態6に係るモータ制御処理の動作フローチャートを示す図である。 実施形態6のタイムチャートを示す図である。
符号の説明
4 電動機
8 電子制御装置(制御態様切り換え手段、断状態検出手段、許容手段)
9c ロックアップクラッチ
9d トルクコンバータ
9e 変速機
9j フォワードクラッチ(断接要素)
14 駆動輪

Claims (7)

  1. 駆動力発生用の電動機と、
    該電動機と駆動輪との間に介在して動力の伝達を断接可能な断接要素と、
    前記電動機の制御態様を少なくともPWM制御から1パルス制御へと切り換えることが可能な制御態様切り換え手段と、
    前記断接要素が断状態又は滑りを伴う接状態にあることを検出する断状態検出手段と、
    該断状態検出手段が前記断接要素の断状態又は滑りを伴う接状態を検出しているときに前記制御態様切り換え手段によるPWM制御から1パルス制御への切り換えを許容する許容手段と
    を備えたことを特徴とする電動機制御装置。
  2. 前記断状態検出手段は、前記電動機の回転速度が、前記断接要素を接状態に制御するための指令回転数よりも若干低い所定の回転数を越えていないときに、前記断接要素が断状態又は滑りを伴う接状態にあるものとして検出することを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
  3. 前記断状態検出手段は、前記駆動輪の回転速度に対応する車速に基づいて、前記断接要素が断状態又は滑りを伴う接状態にあることを検出することを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
  4. 前記断状態検出手段は、前記駆動輪の回転速度に対応する車速と、前記電動機と駆動輪との間に介在するトルクコンバータのタービン回転数と、前記電動機と駆動輪との間に介在する変速機の1速ギヤ比とに基づいて、前記断接要素の断状態又は滑りを伴う接状態を検出することを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
  5. 前記断状態検出手段は、前記断接要素に対する制御指令値に基づいて、前記断接要素の断状態又は滑りを伴う接状態を検出することを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
  6. 前記許容手段は、前記電動機と駆動輪との間に介在するトルクコンバータのロックアップクラッチがロックアップオン動作しているとき、前記制御態様切り換え手段によるPWM制御から1パルス制御への切り換えを許容しないことを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
  7. 前記許容手段は、前記制御態様切り換え手段によるPWM制御から1パルス制御への切り換えを許容する際に、前記電動機と駆動輪との間に介在するトルクコンバータのロックアップクラッチがロックアップオン動作している場合には、該ロックアップクラッチを強制的にスリップロックアップ動作又はロックアップオフ動作させてから、前記PWM制御から1パルス制御への切り換えを許容することを特徴とする請求項6記載の電動機制御装置。
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