JP3774311B2 - はんだペースト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は保存安定性が向上したはんだペーストに関する。さらに具体的には、用いるフラックス中に保存中には安定なエステルとして存在し、リフロー時には分解して活性剤として働く有効な酸を発生する有機酸エステルを配合し、また必要に応じさらに特定のはんだ金属粒子表面のための安定剤を加えることによって保存安定性に優れたはんだペーストを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
はんだペーストは、エレクトロニクス産業において電子部品を表面実装するために用いられる。はんだペーストはその印刷適性、粘着性のため自動化に適しており、近年その使用が増大している。
電子産業においては、はんだペーストはプリント基板上にスクリーン印刷または場合によってはディスペンサーにより塗布され、電子部品が搭載され、ついではんだペーストをリフローし電子部品が固定化される。リフローとは電子部品が搭載された基板を予熱し、その後はんだペーストを融解温度以上に加熱し部品の接合を行う一連の操作を言う。
【0003】
現在のはんだペーストに関する問題点の一つはその保存安定性にあり、通常冷蔵保存を行っても3カ月程度の保存寿命しかないことである。実使用温度の25℃付近ではさらに寿命が短くなる。
これに対し最近では電子製品の小型化のためファインピッチの部品、例えば0.3mmピッチのQFPタイプのLSIの使用、さらにはCSPなどの多用により、はんだペーストに対し極端にファインピッチの印刷性能が要求されている。このような要望に応えるためにははんだ粒子の平均粒子径を下げなければ対応が不可能で、この結果はんだ粒子の表面積増大に基ずくはんだ粒子表面の酸化による劣化が促進され、はんだペーストの保存安定性が一層悪化することになる。
はんだペーストの保存安定性低下の最大の原因は、保存中にはんだ粉末がフラックスの一成分である活性剤と反応し、酸化が進行して活性剤が消費され、フラックスの活性度が低下すると同時に反応生成物によりはんだペーストの粘度が増加し、この結果接合能力が低下すると共に適正な印刷特性が維持出来なくなることにある。
更にまた最近は環境問題から、鉛を含まないいわゆるPbフリーはんだペーストが推奨されており、これに対応してPbフリーはんだペーストに移行すべく開発が進められている。
しかしこれらのPbフリーはんだペースト、特に最も有効なものとして注目されているSn/Zn系のものは通常のPbベースのはんだより安定性がかなり悪いため、Sn/Zn系のはんだに対しても、保存中のはんだ粒子とフラックスの反応が抑制された保存安定性の良いはんだペーストに対する強い要望がある。
【0004】
はんだペーストの安定性を向上させる技術としては、従来は反応性の活性剤を減少させること以外には主としてはんだ粒子の表面を保護し、金属の反応性を下げる努力がなされてきた。
例えばはんだ粉末をグリセリンで被覆する方法(特公平5−26598)、またはんだペーストの溶剤に不溶性あるいは難溶性のコーティング剤によりはんだ粉末をコートする方法(特開平1−113197)が開示されている。後者のコーティング剤の好適な例としてはシリコーンオイル、シリコーンベース高分子量化合物、フッ素化シリコーンオイル、フルオロシリコーン樹脂およびフッ素化炭化水素ベース高分子化合物などが挙げられている。
またはんだ粉末を、常温ではフラックスと不相溶であり、はんだ付け温度で相溶するロジン系混合物、あるいはフラックスそのもの、即ちロジンを主体とする樹脂でコートする方法(特開平3−184698、特開平4−251691)が開示されている。
前述の特公平5−26598、特開平1−113197に開示された方法では比較的多量のコーティング剤で被覆を行えばはんだ粉末の酸化を押さえるに有効かも知れないが、多量の被覆材料ははんだのリフローに対しむしろ不都合であって、逆にソルダーボールが多発するおそれがある。またこれらの被覆は物理的に行われているだけで、付着は非常に弱いと考えられ、はんだペーストを製造する際の混練あるいは使用時の移送、印刷等の取扱ではがれてしまう恐れが強い。
また、前述の特開平3−184698、特開平4−251691に開示されたコート剤ではそれ自身に反応性の有機酸を多数含み粉末を保護しているとは言い難い。
その他の方法としては、高温安定性を有し、長時間加熱しても活性が低下しないはんだ用の活性剤として、酸性リン酸エステルと、該酸性リン酸エステルと相溶性を有し、はんだ効果を低下させない不燃性または難燃性の低揮発性希釈剤で希釈したはんだ付け用フラックスを用いる方法(特開昭63−90390)、フェノール系、フォスファイト系または硫黄系の抗酸化剤を添加する方法(特公昭59−22632、特開平3−124092)、また特定の界面活性剤を用いること(特開平2−147194)などの方法が提案されているがいずれも充分でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のごとく、はんだペーストの保存安定性に対する要望が強いため、本発明ははんだペーストのリフロー特性、はんだ付け性、接合すべき金属との濡れ性あるいははんだペーストの印刷性など、本来はんだペーストが発揮すべき特性を損なう事なく、はんだ粒子の酸化を防ぎ、かつはんだペーストにおいてはんだ粉末とはんだ粉末の劣化を促進するフラックスとの反応を抑制し、保存安定性を向上させたはんだペーストの開発を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決するべく鋭意努力し検討した結果、本発明に到達した。即ち、
[1] 活性剤として、分解して酸を発生する有機酸エステルの少なくとも一種と有機酸、有機塩基のハロゲン化水素酸塩またはルイス酸の少なくとも一種からなるエステル分解触媒をフラックス中に配合したことを特徴とするはんだペースト、
[2] 有機酸エステルが、スルフォン酸エステル、ターシャリーブチルカルボン酸エステル、イソブチルカルボン酸エステル及びイソプロピルカルボン酸エステルの少なくとも一種である上記[1]に記載のはんだペースト、
[3] 安定剤として酸性リン酸エステルまたはキレート剤をさらに配合した上記[1]または[2]に記載のはんだペースト、
[4] 安定剤として、フラックス全体に対して0.005〜20重量%を配合した上記[3]に記載のはんだペースト、
[5] 活性剤として有機ハロゲン化合物をさらに配合した上記[1]ないし[4]のいずれかに記載のはんだペースト、
[6] 有機ハロゲン化合物をフラックスに対し0.02重量%〜20重量%を配合した上記[5]に記載のはんだペースト、及び
[7] はんだ粉末が、少なくともSnおよびZnを含有するPbフリーはんだまたは少なくともSnおよびAgを含有するPbフリーはんだである上記[1]ないし[5]のいずれかに記載のはんだペースト、を開発することによって上記の目的を達成することができた。
【0007】
【発明の実施形態】
はんだペーストは一般には、はんだ粉末を主体とし、これにロジンまたは合成樹脂系の粘着剤、活性剤として有機酸および/または各種アミンのハロゲン化水素酸塩および有機ハロゲン化合物、溶剤、チクソトロピック剤、界面活性剤等からなるフラックスを配合したものである。
これら成分のうち、リフロー時にはんだ金属の表面酸化物を除去し良好な接合を得るために作用する有効な成分は、主として活性剤である有機酸および/または各種アミンのハロゲン化水素酸塩であるが、これらは多量にフラックスに添加すると保存中に於いても活性を発揮しペーストの劣化を促進する一面を持っている。また同時にもう一つの有効成分である有機ハロゲン化合物の保存中の分解を促進する欠点もある。
本発明者らは鋭意検討の結果、これら活性剤の一部または全部に代えて、保存中にはエステルの形態を保って安定であり、リフロー温度に達したときに初めて分解して酸を発生する化合物を用いれば保存安定性とはんだ付け性を両立できることを見出し本発明に到達した。
【0008】
この様なエステルの一例としては、各種脂肪属カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、スルフォン酸エステルなどの有機酸エステルがあげられる。
これらの中でもカルボン酸エステル及びスルフォン酸エステルが好ましい。またこれらエステルのアルコール残基としては、アルキル、アリル、アラルキルのどれであっても良いが、特にエステルとして分解しやすいターシャリーブチル基、イソプロピル基、イソブチル基が好ましい。これらの化合物はハロゲンを含んでいてもよい。
具体的な例としては、パラトルエンスルフォン酸プロピル、パラトルエンスルフォン酸イソプロピル、パラトルエンスルフォン酸イソブチル、パラトルエンスルフォン酸ブチル、ベンゼンスルフォン酸プロピル、ベンゼンスルフォン酸イソプロピル、ベンゼンスルフォン酸イソブチル、サルチル酸プロピル、サルチル酸イソプロピル、サルチル酸イソブチル、サルチル酸ブチル、4−ニトロ安息香酸イソプロピル、4−ニトロ安息香酸−t−ブチル、メタアクリル酸−t−ブチル、アクリル酸t−ブチル、マロン酸t−ブチル、ブロモ酢酸t−ブチルなどが挙げられる。
この中で特にパラトルエンスルフォン酸プロピル、サルチル酸イソブチル、ブロム酢酸ターシャリーブチルが特に好ましい。添加量としてはフラックス全体に対してに対して0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%の範囲を使用する。
【0009】
上記の分解性エステルは単独ではリフロー温度において分解性が低いため、さらに分解を促進するためには少量のエステル分解触媒の添加が有効である。エステル分解触媒としては有機酸、有機塩基のハロゲン化水素酸塩さらにルイス酸とよばれる一連の化合物が有効である。
具体的には、有機酸類としては、蓚酸、こはく酸、アジピン酸、フマル酸、フタル酸、りんご酸、マレイン酸等の有機ジカルボン酸およびその無水物、また各種のモノカルボン酸類、例えば蟻酸、酢酸、ステアリン酸、ミリスチリル酸等が挙げられる。またこれらは混合して用いてもよい。
有機塩基のハロゲン化水素酸塩としては、イソプロピルアミン臭化水素酸塩、ブチルアミン塩化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩等のハロゲン化水素酸アミン塩、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩等があげられる。
【0010】
ルイス酸としては塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化鉄、臭化鉄、塩化アルミニウム、塩化錫、臭化錫、三弗化ホウ素、塩化チタン、臭化チタン等が挙げられる。
これらエステル分解触媒とはんだ粒子との反応は避けることは困難であるためその添加量は必要最小限にとどめる必要がある。エステル分解触媒としての望ましい添加量は分解して酸を発生する有機酸エステルにたいし、重量比で0.1〜100%、好ましくは1〜50%の範囲である。
【0011】
さらに保存安定性を要求される場合には、安定剤を併用することが効果的である。安定剤としては既に発明者らが提案しているはんだ金属と錯形成能力を有する高分子化合物の他に、はんだ金属とキレート化合物を形成して金属粒子を保護する化合物、はんだ金属表面で金属と反応しフラックスに不溶性の塩を形成しする燐酸エステルが挙げられる。
【0012】
はんだ金属と錯体を作り易い高分子化合物とは、はんだ金属と配位しやすい官能基をもつ高分子物質である。ここで言う高分子とは少なくとも10量体以上の重合体を意味する。10量体以下では高分子としての性質を示し難く効果が少ない。
具体的には、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリオキサゾリン、ポリアクリルアミド、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの高分子化合物は直鎖状であっても分岐構造を持っていても、また架橋されていてもよい。架橋剤として配位官能基と構造が異なる成分が混在しても過半数の単位成分が配位能力を持っていればよい。また2種以上のモノマーを共重合してあってもよい。
【0013】
はんだ金属とキレート結合を作り表面を安定化させる化合物の具体例としては、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸、アントラニル酸、キナルジン酸、キノリン−8−カルボン酸などがあげられる。
【0014】
はんだ金属表面でフラックスに不溶性の塩を形成し、はんだ金属表面を保護するリン酸エステルとしては酸性リン酸エステルが望ましく、以下の一般式で表される。
(RO)x P(O)(OH)3-X
X=1又は2
R=アルキル基
好ましい化合物を具体的にあげると、モノイソデシルフォスフェート、モノブチルフォスフェート、ビス−2エチルヘキシルフォスフェート等である。
【0015】
これら安定剤の添加量は、はんだペーストの安定性を充分に確保するに足る量でよいが、一般的にはフラックスに対し0.005重量%以上20重量%以下である。さらに好ましくは0.01重量%以上10重量%以下が好ましい。添加量が少なすぎると安定化効果が無く、多量に添加しすぎるとはんだ金属粒子を保護しすぎるため活性力を阻害し、はんだボールの発生が多くなる。
【0016】
はんだペーストのはんだ付け性、濡れ性をさらに改良するために保存中には有機ハロゲン化合物として安定に存在し、リフロー温度では分解して活性力を発揮する有機ハロゲン化合物が好ましく用いられる。
このような性能を有する有機ハロゲン化合物の一例をあげれば、炭素数10以上のアルキル鎖を持った置換基を有するベンジル化合物のハロゲン化物、または炭素数10以上の脂肪族または脂環式化合物の一分子中に4個以上のハロゲンを含むポリハロゲン化合物が挙げられ、これらを混合して使用しても良い。
【0017】
炭素数10以上のアルキル鎖を持ったベンジルハロゲン化合物は、アルキル鎖とベンジルハロゲナイド間の結合が化学的に安定なものなら何でも良く、又ハロゲンとしては臭素あるいは塩素が好ましい。
更に具体的にはベンジル化合物のハロゲン化物としては、例えば4−ステアロイルオキシベンジルブロマイド、4−ステアリルオキシベンジルブロマイド、4−ステアリルベンジルブロマイド、4−ブロモメチルベンジルステアレート、4−ステアロイルアミノベンジルブロマイド、2,4−ビスブロモメチルベンジルステアレート等ような化合物が挙げられる。
それ以外にも4−パルミトイルオキシベンジルブロマイド、4−ミリストイルオキシベンジルブロマイド、4−ラウロイルオキシベンジルブロマイド、4−ウンデカノイルオキシベンジルブロマイド等が挙げられる。
【0018】
また炭素数10以上のポリハロゲン脂肪族化合物または脂環式化合物としては、化学的に安定な官能基、例えばカルボキシル基、エステル基、アルコール基、エーテル基、ケトン基などを有していても良く、多ハロゲンとは四個以上のハロゲン元素が結合した化合物であり、ハロゲンとしては塩素または臭素、特に臭素が好ましい。
これら化合物の具体例としては、9,10,12,13,15,16−ヘキサブロモステアリン酸、9,10,12,13,15,16−ヘキサブロモステアリン酸メチルエステル、同エチルエステル、9,10,12,13−テトラブロモステアリン酸、同メチルエステル、同エチルエステル、9,10,12,13,15,16−ヘキサブロモステアリルアルコール、9,10,12,13−テトラブロモステアリルアルコール、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデカン等が挙げられる。これらの化合物のうち活性剤には特にヘキサブロモステアリン酸、ヘキサブロモシクロドデカンが好ましい。
【0019】
またこれ以外に、1−ブロモ−2−ブタノール、1−ブロモ−2−プロパノール、3−ブロモ−1−プロパノール、3−ブロモ−1、2−プロパンジオール、1、4−ジブロモ−2−ブタノール、1、3−ジブロモ−2−プロパノール、2、3−ジブロモ−1−プロパノール、1、4ジブロモ−2、3−ブタンジオール、2、3−ジブロモ−2−ブテン−1、4−ジオール、1−ブロモ−3−メチル−1−ブテン、1、4−ジブロモブテン、1−ブロモ−1−プロペン、2、3−ジブロモプロペン、ブロモ酢酸エチル、α−ブロモカプリル酸エチル、α−ブロモプロピオン酸エチル、β−ブロモプロピオン酸エチル、α−ブロモ−酪酸エチル、2、3−ジブロモコハク酸、2−ブロモコハク酸、2、2−ブロモアジピン酸、2、4−ジブロモアセトフェノン、1、1−ジブロモテトラクロロエタン、1、2−ジブロモ−1−フェニルエタン、1、2−ジブロモスチレン等の臭化物またこれらの化合物の臭素が塩素に置き変わった化合物があげられるがこれらの例示に限定されるものではない。
添加量としてはフラックス全量に対して0.02〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%配合することが良い。
【0020】
はんだ粉末としては、粒径はその使用目的によって異なるが、現在多く使用されているものは5〜30μm、20〜50μm、30〜70μmなどの粒径のものが多く用いられている。
金属組成としては、例えば63Sn/37Pbの共晶はんだ組成を中心として、62Sn/36Pb/2Ag、62.6Sn/37Pb/0.4Ag、60Sn/40Pb、50Sn/50Pb、30Sn/70Pb、25Sn/75Pb、10Sn/88Pb/2Ag、46Sn/8Bi/46Pb、57Sn/3Bi/40Pb、42Sn/42Pb/14Bi/2Ag、45Sn/40Pb/15Bi、50Sn/32Pb/18Cdなどが挙げられる。
【0021】
また最近のPb排除の観点からPbを含まない、例えば48Sn/52In、43Sn/57Bi、97In/3Ag、58Sn/42In、95In/5Bi、60Sn/40Bi、91Sn/9Zn、96.5Sn/3.5Ag、99.3Sn/0.7Cu、95Sn/5Sb、20Sn/80Au、90Sn/10Ag、Sn90/Bi7.5/Ag2/Cu0.5、97Sn/3Cu、99Sn/1Ge、92Sn/7.5Bi/0.5Cu、97Sn/2Cu/0.8Sb/0.2Ag、95.5Sn/3.5Ag/1Zn、95.5Sn/4Cu/0.5Ag、52Sn/45Bi/3Sb、51Sn/45Bi/3Sb/1Zn、85Sn/10Bi/5Sb、84Sn/10Bi/5Sb/1Zn、88.2Sn/10Bi/0.8Cu/1Zn、89Sn/4Ag/7Sb、88Sn/4Ag/7Sb/1Zn、98Sn/1Ag/1Sb、97Sn/1Ag/1Sb/1Zn、93.2Sn/2Ag/0.8Cu/6Zn、89Sn/8Zn/3Bi、86Sn/8Zn/6Bi、91.2Sn/2Ag/0.9Cu/8Znなどが挙げられる。また上記の金属粉末は2つ以上の組成を持つものを混合して使用してもよい。
【0022】
本発明のはんだペーストに配合される樹脂成分としては、従来周知の天然ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、変成ロジン、合成樹脂としてはポリエステル、ポリウレタン、アクリル系樹脂その他が用いられる。
溶剤としては、従来のはんだペーストと同様にアルコール、エーテル、エステル、芳香族系の溶剤が利用でき、例えばベンジルアルコール、ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールヘキシルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジオクチルフタレート、キシレン等が一種または混合して用いられる。
また印刷性を改善するために添加されるチクソトロピック剤としては、微細なシリカ粒子、カオリン粒子などの無機系のもの、または水添ヒマシ油、アマイド化合物などの有機系のものが使用される。
【0023】
本発明のはんだペーストは、はんだ粉末86〜92重量%、ロジンまたは樹脂成分3〜7重量%、溶剤3〜7重量%、活性剤は有機分解触媒、有機ハロゲン化合物を合計して0.01〜2重量%、チクソトロピック剤その他0.02〜2重量%を混合する。混合はプラネタリーミキサー等公知の装置を用いて行われる。
【0024】
【実施例】
以下実施例をもって発明の内容をさらに具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
[試験法]
▲1▼ はんだペーストの保存安定性
保存安定性としては、はんだペースト製造後、25℃で7日間保存する加速試験を行い、はんだペースト製造直後の粘度と加速試験後の粘度の比を指標とした。本加速試験の条件は大略3月間、5℃の冷蔵保管に相当する。
粘度の測定はTAインストルメント社製、 Carri-Med CS Rheometer を用いて測定した。測定は直径2cmの平行円板を用い、ギャップを700μm とし、ずり速度1(secー1) 、温度25℃で行った。
▲2▼ はんだ付け性
はんだ付け性の評価はJIS Z−3284のソルダーボール試験により、セラミック基板上で試験を行った。なおはんだの金属組成により試験は空気中あるいは窒素雰囲気中で行った。窒素雰囲気中の場合の酸素濃度は約100ppm である。
【0025】
(実施例1)
樹脂成分として重合ロジン23重量%、不均化ロジン23重量%、チクソトロピック剤として水添ヒマシ油6重量%、有機酸エステルとしてパラトルエンスルフォン酸プロピル1重量%、エステル分解触媒としてシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩を0.5重量%、溶剤としてジエチレングリコールヘキシルエーテルを加えて100重量%とするフラックスを調製した。
このフラックスを10gに25〜45μmの粒度をもつSn63Pb37の共晶はんだ90gを添加し、乳鉢中で混練し100gのはんだペーストを製造した。
製造直後のはんだペーストの粘度は上記の測定法で580Pa.s、25℃、7日間の加速試験後の粘度は590Pa.sであり、粘度上昇比は1.017であり、非常に安定であった。
またソルダーボール試験ははんだの凝集度合1であり良い活性、すなわち酸化膜除去性能を示した。結果は表1に示す。
【0026】
(実施例2)
分解触媒のシクロヘキシルアミン臭化水素塩の量を0.05重量%に減少した以外は実施例1と同じ条件ではんだペーストの製造及び性能試験を行った。結果を表1に示すがこのような少量のエステル分解触媒でも充分エステルの分解を促進していることが判る。
【0027】
(実施例3〜5、比較例1)
実施例1の分解触媒のシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩に代えて、それと同量のフタル酸、臭化亜鉛、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩をそれぞれ加えたはんだペースト、および分解触媒を全く添加しないはんだペーストを作成し、実施例1と同じ試験を行った。結果を表1にまとめて示す。
【0028】
【表1】
【0029】
(実施例6〜11)
樹脂成分として重合ロジン23重量%、不均化ロジン23重量%、チクソトロピック剤として水添ヒマシ油6重量%、表2に示す各種のエステル1重量%、エステル分解触媒としてジフェニルグアニジン臭化水素酸塩を0.5重量%、溶剤としてジエチレングリコールヘキシルエーテルを加えて100重量%とするフラックスを調製した。
このフラックスを10gに25〜45μmの粒度をもつSn63Pb37の共晶はんだ90gを添加し、乳鉢中で混練し100gのはんだペーストを製造した。保存性と活性の評価は実施例1と同様に行った。
結果を表2に示す。得られたはんだペーストはそれぞれ程度の違いはあるがいずれも良い安定性と活性を保持している。
【0030】
【表2】
【0031】
(実施例12〜16、比較例2)
樹脂成分として重合ロジン23重量%、不均化ロジン23重量%、チクソトロピック剤として水添ヒマシ油6重量%、有機酸エステルとしてパラトルエンスルフォン酸プロピル0.5重量%、エステル分解触媒としてシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩を0.05重量%、安定剤として表3のような各種の化合物を0.25%添加し、溶剤としてジエチレングリコールヘキシルエーテルを加えて100重量%とするフラックスを製造した。
このフラックスを10gに25〜45μmの粒度をもつSn89/Zn8/Bi3の組成を持つPbフリーはんだ90gを添加し、窒素雰囲気中で乳鉢中で混練し100gのはんだペーストを製造した。
保存性の評価は実施例1と同様に粘度比で行い、ソルダーボールの評価はJIS Z−3284に準じて窒素雰囲気中で行った。結果は表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】
(実施例17〜22)
樹脂成分として重合ロジン23重量%、不均化ロジン23重量%、チクソトロピック剤として水添ヒマシ油6重量%、分解して酸を発生する有機酸エステルの各種エステルを0.5重量%、エステル分解触媒としてジフェニルグアニジン臭化水素酸塩を0.05重量%、安定剤としてビス2エチルヘキシルフォスフェートを0.25%添加し、活性剤としてさらにヘキサブロモステアリン酸を1.3重量%、溶剤としてジエチレングリコールヘキシルエーテルを加えて100重量%とするフラックスを製造した。
このフラックス10gに25〜45μmの粒度をもつSn89/Zn8 /Bi3の組成を持つPbフリーはんだ90gを添加し、窒素雰囲気中、乳鉢中で混練し100gのはんだペーストを製造した。
保存性の評価は実施例1と同様に粘度比で行い、ソルダーボールの評価はJIS Z−3284に準じて窒素雰囲気中で行った。結果を表4に示す。
【0034】
(実施例23)
実施例20と同じ組成のフラックスを用い、はんだ金属粒子としてSn90/Bi7.5/Ag2/Cu0.5の組成のものを用いた。結果を表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】
本発明によるはんだペーストは、電子製品の小型化、ファインピッチの要求に対応するはんだペースト中のはんだ粉末の平均粒子径の低下必要性において、はんだペースト中のはんだ粉末と活性剤の反応を大幅に抑制するために、活性剤として保存中は安定なエステルであり、リフロー時には分解して酸を発生する有機酸エステルを用いることによりはんだペーストとして従来のはんだペーストに比して極めて保存安定性の優れたはんだペーストを開発することに成功した。この活性剤は保存中には安定なエステルとして存在し、リフロー時には分解して活性剤として有効な酸を発生するものであり、極めて少量のエステル分解触媒の作用によりエステルであってもリフロー時には十分酸としての作用を有することが確認できた。
また本発明のはんだペーストは必要に応じて特定のはんだ金属粒子表面の安定剤を加えることにより、更に保存安定性に優れ、かつはんだ付け性に優れたはんだペーストを提供することができる。
特に今まで保存安定性が極端に悪いため実用が困難であったSn/Zn系のPbフリーはんだの保存性を格段に向上することができることが確認できた。
Claims (7)
- 活性剤として、分解して酸を発生する有機酸エステルの少なくとも一種と有機酸、有機塩基のハロゲン化水素酸塩またはルイス酸の少なくとも一種からなるエステル分解触媒をフラックス中に配合したことを特徴とするはんだペースト。
- 有機酸エステルが、スルフォン酸エステル、ターシャリーブチルカルボン酸エステル、イソブチルカルボン酸エステル及びイソプロピルカルボン酸エステルの少なくとも一種である請求項1記載のはんだペースト。
- 安定剤として酸性リン酸エステルまたはキレート剤をさらに配合した請求項1または2に記載のはんだペースト。
- 安定剤として、フラックス全体に対して0.005〜20重量%を配合した請求項3に記載のはんだペースト。
- 活性剤として有機ハロゲン化合物をさらに配合した請求項4に記載のはんだペースト。
- 有機ハロゲン化合物をフラックスに対し0.02重量%〜20重量%を配合した請求項5に記載のはんだペースト。
- はんだ粉末が、少なくともSnおよびZnを含有するPbフリーはんだまたは少なくともSnおよびAgを含有するPbフリーはんだである請求項1ないし5のいずれか1項に記載のはんだペースト。
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