JP3774036B2 - デュオサーボ式ドラムブレーキ - Google Patents

デュオサーボ式ドラムブレーキ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に搭載されるデュオサーボ式ドラムブレーキに関し、より詳しくは、デュオサーボ式ドラムブレーキの制動力を安定させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の走行を制動するために種々の形式のドラムブレーキが用いられているが、これらのドラムブレーキは、ブレーキドラムの内周面に押圧されるブレーキシューの配置によって、リーディングトレーリング式やツーリーディング式、若しくはデュオサーボ式等に分類される。
【0003】
前記デュオサーボ式のドラムブレーキは、一般に、互いに対向して配置されたプライマリシューとセカンダリシューの二つのブレーキシューを備える。前記プライマリシューは、ブレーキドラムの前進回転方向手前側が入力部とされるとともに、ブレーキドラムの前進回転方向前方側は例えばリンク部材であるアジャスタを介して前記セカンダリシューの手前側に接続される。そして、前記セカンダリシューの前方側はバッキングプレートに取り付けられたアンカピンに当接し、プライマリシューおよびセカンダリシューに作用する制動反力を前記アンカピンで受け止めるようになっている。
【0004】
これにより、プライマリシューおよびセカンダリシューを拡開させてブレーキドラムの内周面に押し付けると、プライマリシューに作用する制動反力がセカンダリシューの手前側に入力してセカンダリシューをブレーキドラムに押圧するので、プライマリシューとセカンダリシューとは共にリーディングシューとして作用し、非常にゲインの高い制動力を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述したデュオサーボ式ドラムブレーキは、リーディングトレーリング式やツーリーディング式のドラムブレーキに比較して、極めて高い制動力を得ることができるばかりでなく、小型化し易く、かつ駐車ブレーキの組み込みも容易である等の多くの長所を有している、
ところがデュオサーボ式ドラムブレーキは、ブレーキシューのライニングの摩擦係数の変化に敏感であるため、制動力を安定させにくいという問題点を有している。
【0006】
また、従来のデュオサーボ式ドラムブレーキは、アンカピン側に配置されたホイールシリンダからプライマリシュー側およびセカンダリシュー側にそれぞれ突出する一対の油圧ピストンによって、プライマリシューおよびセカンダリシューを拡開してブレーキドラムに押圧する構造とされており、制動力を安定させるためには高度な油圧制御が必要で、全体的な機構を簡素化することができなかった。
【0007】
また、シューの摩耗時のプライマリシューおよびセカンダリシューのクリアランス調整は極めて微妙で、手作業を必要とし、この影響をなるべく受けないような構成が求められる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、プライマリシューおよびセカンダリシューのクリアランス調整の影響を受けることなく制動力を安定させることができる機構を組み込んだ、デュオサーボ式ドラムブレーキを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のデュオサーボ式ドラムブレーキは、ドラムの内側で対向しつつ互いの端部をリンク結合しているプライマリシューおよびセカンダリシューを備え、プライマリシューに作用するドラムからの制動反力をセカンダリシューを介してバッキングプレートに固定されたアンカピンで受け止め、各シューをドラムに押し付けるデュオサーボ式ドラムブレーキであって:
前記アンカピン近傍の前記プライマリーシュー端部に配置されたレバーピンに回転自在に支持された入力レパーと;
前記アンカピン近傍で前記バッキングプレートに固定されて前記入力レバーの一端と当接して前記プライマリーシューに前記ドラム内面への付勢力を与える作動手段と;
前記入力レバーの他端と前記セカンダリシューとの間で前記アンカピンと重なる位置で両端が非固定に渡されたプレッシャプレートと;
前記アンカピン回りで前記セカンダリシューと該アンカピンとで挟持されて前記制動反力により前記セカンダリシュー方向に揺動するコントロールレバーと;前記アンカピン近傍の前記セカンダリシュー端部に揺動自在に軸支され、一端が前記コントロールレバーの揺動端に当接し、他端が前記プレッシャプレートに当接して前記コントロールレバーの揺動により該プレッシャプレートを前記プライマリシュー側に押動するバランスリンクと;
一端が前記プライマリシューのレバーピンに保持されるとともに前記セカンダリシュー側に延びた他端が前記コントロールレバーの揺動端と係合可能で、前記コントロールレバーが前記バランスリンクに当接後に更に前記セカンダリシューから所定の制動反力を受けると、該揺動端と係合して前記プレッシャプレートに対して前記プライマリシュー押圧力を弱める力を作用するリアクションレバーと;
を備える構成とすることで、本発明の目的を達成している。
【0010】
上述の構成を有する本発明のデュオサーボ式ドラムブレーキにおいては、常用ブレーキ操作によって作動手段がプライマリシューに付勢力を与えると、入力レバーはプレッシャプレートを介してセカンダリシューをブレーキドラムに押圧するとともに、その反力によってプライマリシューをブレーキドラムに押圧する。一方、コントロールレバーは、セカンダリシューからアンカピンに作用する制動反力をその基端に受けると揺動し、その揺動端はセカンダリシュー側に変位してバランスリンクの一端を押動する。
バランスリンクはコントロールレバーによって押動されると揺動し、その他端がプレッシャプレートおよび入力レバーを介してプライマリシューをブレーキドラムに押圧するとともに、その反力によってセカンダリシューをブレーキドラムに押圧する。
すなわち、本発明のデュオサーボ式ドラムブレーキは、セカンダリシューからアンカピンに作用する制動反力を用いて、プライマリシューおよびセカンダリシューをブレーキドラムに対して押圧する動作をも行う。
【0011】
一方、セカンダリシューからアンカピンに作用する制動反力が大きくなり、各部材の間隔等で設定されている所定の制動反力値を上回ると、コントロールレバーが所定の角度以上に揺動する。すると、コントロールレバーの揺動端はリアクションレバーの先端に係合し、リアクションレバーをセカンダリシュー側に押動する。これにより、入力レバーがプライマリシューをブレーキドラムに押圧する押圧力が低下するので、プライマリシューによる制動力が低下し、プライマリシューに作用する制動反力も低下する。すると、セカンダリシューの手前側をブレーキドラムに押圧する押圧力が低下し、セカンダリシューによる制動力も低下するので、セカンダリシューからアンカピンに作用する制動反力が減少する。
【0012】
そして、セカンダリシューからアンカピンに作用する制動反力が、前述の設定値を下回ると、コントロールレバーの揺動角度が小さくなり、コントロールレバーとリアクションレバーとの係合が解除される。これにより、プライマリシューをブレーキドラムに押圧する押圧力が再び高まるので、制動力が再び大きくなる。
すなわち、本発明のデュオサーボ式ドラムブレーキは、制動反力が所定の値を上回ると制動力を減少させる自動調節機能をも有している。
【0013】
さらに、本発明のデュオサーボ式ドラムブレーキにおいては、制動力の自動調節機能を発揮させる場合の制動反力の所定値については、入力レバー、プレッシャプレート、コントロールレバー、バランスリンク、リアクションレバーの間隔設定によっている。そして、本願発明では、これらの部材はいずれもアンカピン周辺に配置されている。
この配置により、プライマリシューおよびセカンダリシューがシュー摩耗のクリアランス調整によりアンカピンを支点として半径方向外側に変位しても、このクリアランス調整に起因する上記各部材間隔の変位量を極めて小さく抑えることができるから、各部材間の隙間の変動を最小限としてその作動を滑らに保つことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるデュオサーボ式ドラムブレーキの第1実施形態および第2実施形態を、図1乃至図6を参照して詳細に説明する。
ここで、図1は本発明に係る一実施形態のデュオサーボ式ドラムブレーキの全体構造の概略をを示す正面図、図2は図1の要部を拡大して示す正面図、図3は図2中に示したホイールシリンダと入力レバーおよびプレッシャプレートの作動を説明する要部拡大正面図、図4は図2中に示したパーキングレバーの作動を説明する要部拡大正面図、図5は図2中に示したコントロールレバーとバランスリンクおよびプレッシャプレートの作動を説明する要部拡大正面図、図6は図2中に示したコントロールレバーとリアクションレバーの作動を説明する要部拡大正面図である。
なお、以下の説明においては、ブレーキドラム前進回転方向の前方側を単に前方側と、またブレーキドラム前進回転方向の手前側を単に手前側と言う。さらに、バッキングプレートの中心に向かう方向を半径方向内側と、またバッキングプレートの外側に向かう方向を半径方向外側と言う。
【0015】
図1に示したように、本実施形態のデュオサーボ式ドラムブレーキ100は、矢印Rで示すように図示反時計方向に前進回転する図示されないブレーキドラムを備える。そして、バッキングプレート1上に拡開可能に支持されたプライマリシュー2およびセカンダリシュー3は、ブレーキドラム内で互いに対向するように配置されている。
【0016】
また、プライマリシュー2の前方側の端部4とセカンダリシュー3の手前側の端部5との間には、これらのブレーキシューのリンク部材として且つブレーキドラムの摺動面との間のクリアランスを調整するアジャスタ6が介装されている。これにより、プライマリシュー2に作用する制動反力はアジャスタ6を介してセカンダリシュー3の手前側に入力し、セカンダリシュー3をブレーキドラムに押圧する。
【0017】
一方、アジャスタ6の対向側で、セカンダリシュー3の前方側には、バッキングプレート1の表面に垂設されたアンカピン10が配置され、セカンダリシュー3に作用する制動反力を受け止めている。また、バッキングプレート1のアンカピン10より半径方向内側の位置には、作動手段としてのホイールシリンダ20が植設されている。
そして、このホイールシリンダ20のピストン21は、例えば本実施形態のデュオサーボ式ドラムブレーキ100を搭載した車両の運転者によるブレーキペダル操作力に応じた押圧力で、プライマリシュー2側に突出するようにされている。
【0018】
プライマリシュー2のウェブ2aには、高剛性材料(例えば金属板)から成形された入力レバー30がレバーピン31によって軸支され、バッキングプレート1の表面に対して平行な面内で揺動自在とされている。また、この入力レバー30は、ドラム半径方向内側の端部32がピストン21の先端に当接するとともに、ドラム半径方向外側の端部33はアンカピン10近傍に配置されている。
【0019】
ここで、アンカピン10が、入力レバー30の半径方向外側の端部33とセカンダリシュー3のウェブ3aの前方側端部に植設された係合ピン3bとの間に渡された、高剛性材料(例えば金属板)から成形されたプレッシャプレート40に遊嵌されている。このプレッシャプレート40の入力レバー30側の端部41は入力レバー30の半径方向外側の端部33と、またそのセカンダリシュー3側の端部42は係合ピン3bとそれぞれ係合し、位置ずれしない程度で支持されている。そして、このプレッシャプレート40の長手方向中央部に貫設された長穴である貫通孔43内にアンカピン10が上記した遊嵌状態で挿通され、このプレッシャプレート40が入力レバー30とセカンダリシュー3の係合ピン3bとの間で往復動しても、アンカピン10とは干渉しないようにされている。
【0020】
従って、ホイールシリンダ20のピストン21がプライマリシュー2側に突出すると、入力レバー30はレバーピン31の周りに図示時計方向に揺動し、半径方向外側の端部33はアンカピン10側に変位しようとするが、プレッシャプレート40の端部41に抑えられるため、レバーピン31に押圧力を加えることになり、プライマリシュー2とセカンダリシュー3とを拡開する方向の押圧力となる。
【0021】
また、アンカピン10によって、コントロールレバー50がバッキングプレート1の表面と平行な面内で揺動可能に支持されている。この状態としては、このコントロールレバー50の半径方向外側の基端51が、セカンダリシュー3の前方側の端部とアンカピン10とで挟持される状態である。
これにより、このコントロールレバー50は、セカンダリシュー3からアンカピン10に作用する制動反力によってその基端51が押圧されると、アンカピン10の周りに図示反時計方向に揺動し、その半径方向内側の揺動端52がセカンダリシュー3側に変位する。
【0022】
また、セカンダリシュー3のウェブ3aの上面には、高剛性材料(例えば金属板)から成形されたバランスリンク60が支軸61により軸支され、バッキングプレート1の表面に平行な面内で揺動自在とされている。そして、その半径方向内側の端部62がコントロールレバー50の揺動端52に当接するとともに、その半径方向外側の端部63はプレッシャプレート40のセカンダリシュー3側の端部42に当接している。これにより、このバランスリンク60は、コントロールレバー50によって押動されると支軸61の周りに図示反時計方向にわずかな角度だけ揺動し、プレッシャプレート40を入力レバー30側に押動する。
【0023】
また、プレッシャプレート40とホイールシリンダ20との間には、プライマリシュー2側からセカンダリシュー3側に延びる、厚い金属板からプレス成形されたリアクションレバー70が配置されている。
このリアクションレバー70の基端71は、入力レバー30をプライマリシュー2のウェブ2aに軸支するレバーピン31により、ウェブ2aに揺動自在に軸支されている。また、その先端72はL字形に折り曲げられ、コントロールレバー50の揺動端52に対してわずかな隙間を開けて対向している。
これにより、コントロールレバー50がセカンダリシュー3により押動されてアンカピン10の周りに所定の角度以上に揺動すると、このリアクションレバー70はコントロールレバー50の揺動端52と係合し、セカンダリシュー3側に押動させられる。
【0024】
なお、ホイールシリンダ20よりドラム径内側では、プライマリシュー2に設けられた係合部7とセカンダリシュー3に設けられた係合部8との間に、高剛性材料(例えば金属板)から形成されたパーキングブレーキ用のストラット9が介装されている。
【0025】
次に、上述のように構成された本実施形態のデュオサーボ式ドラムブレーキ100の作動について、図3乃至図6を参照して説明する。
本実施形態のデュオサーボ式ドラムブレーキ100が搭載された車両の運転者がブレーキペダルを足踏み操作すると、ホイールシリンダ20には、運転者のブレーキ操作力に応じた油圧が作用する。すると、図3に示したように、ホイールシリンダ20のピストン21は、作用する油圧に応じた押圧力Aで入力レバー30の半径方向内側の端部32をプライマリシュー2側に押動する。
これにより、入力レバー30はレバーピン31の周りに図示時計方向に揺動し、その半径方向外側の端部33が、押圧力Aにこの入力レバー30のレバー比を乗じた押圧力Bでプレッシャープレート40をセカンダリシュー3側に押動するので、セカンダリシュー3はブレーキドラムに押圧される。
同時に、入力レバー30のレバーピン31にはプレッシャプレート40を押圧力Bで押動した反力Cが作用するので、レバーピン31すなわちプライマリシュー2はブレーキドラムに押圧される。
【0026】
このようにしてプライマリシュー2およびセカンダリシュー3が共にブレーキドラムに押圧されると、ブレーキドラムの回転は制動される。そして、プライマリシュー2に作用する制動反力がアジャスタ6を介してセカンダリシュー3の手前側に入力すると、セカンダリシュー3による制動力はさらに高められ、制動力はさらに大きくなる。
【0027】
一方、本実施形態のデュオサーボ式ドラムブレーキ100を駐車ブレーキとして作動させる際には、図1に示したパーキングレバー12の揺動端13をプライマリシュー2側に変位させる。すると、パーキングレバー12はストラット9のセカンダリシュー3側の端部を支点として図示時計方向に揺動し、支軸11すなわちセカンダリシュー3を矢印Dで示したようにブレーキドラムに押圧する。同時に、パーキングレバー12は矢印Eで示したようにストラット9をプライマリシュー2側に押動し、プライマリシュー2をブレーキドラムに押圧する。これによりブレーキドラムの回転が制動され、駐車ブレーキが機能する。
【0028】
ここで、通常のブレーキ操作によってセカンダリシュー3がブレーキドラムに押圧されると、図5に示したように、セカンダリシュー3からコントロールレバー50の基端51を介し、アンカピン10に対して制動反力Fが作用する。そして、制動反力Fがコントロールレバー50の基端51に入力すると、コントロールレバー50はアンカピン10の周りに図示反時計方向に揺動する。するとコントロールレバー50の揺動端52はセカンダリシュー3側に変位し、制動反力Fにコントロールレバー50のレバー比を乗じて得られる押圧力Gにより、バランスリンク60の半径方向内側の端部62をセカンダリシュー3側に押動する。
これにより、バランスリンク60の半径方向外側の端部63は、押圧力Gにバランスリンク60のレバー比を乗じて得られる押圧力Hにより、プレッシャプレート40を入力レバー30側に押動する。
【0029】
すると、入力レバー30すなわちプライマリシュー2は、ホイールシリンダ20による押圧力Aに加え、プレッシャプレート40による押圧力Hによってブレーキドラムにより強く押圧されるので、プライマリシュー2による制動力はさらに大きくなる。そして、プライマリシュー2に作用するさらに大きな制動反力がセカンダリシュー3の手前側に入力し、セカンダリシュー3をブレーキドラムに押圧するので、セカンダリシュー3による制動力もさらに高まる。
【0030】
すなわち、本実施形態のデュオサーボ式ドラムブレーキ100は、セカンダリシュー3に作用する制動反力Fを用いることにより、プライマリシュー2およびセカンダリシュー3をより強い押圧力でブレーキドラムに押圧し、より一層大きな制動力を得る自己倍力機能を有している。
このように、本実施形態のデュオサーボ式ドラムブレーキ100によれば、ゲインの高い大きな制動力を得ることができる。
なお、コントロールレバー50のレバー比およびバランスリンク60のレバー比を適宜調節することにより、制動力のゲインを適切な値に設定することができる。
【0031】
一方、プライマリシュー2およびセカンダリシュー3による制動力が大きくなると、セカンダリシュー3からコントロールレバー50の基端51を介してアンカピン10に作用する制動反力Fもまた大きくなる。そして、コントロールレバー50の基端51に入力する制動反力Fが、各部材間で設定してある隙間及び各部の比から決定される所定制動反力より上回ると、コントロールレバー50は所定の角度以上に揺動する。
【0032】
すると、図6に示したように、コントロールレバー50の揺動端52はリアクションレバー70の先端72に係合し、リアクションレバー70を押圧力Gでセカンダリシュー3側に押動する。
これにより、入力レバー30がプライマリシュー2をブレーキドラムに押圧する押圧力が低下するので、プライマリシュー2による制動力が低下し、プライマリシュー2に作用する制動反力も低下する。すると、セカンダリシュー3の手前側をブレーキドラムに押圧する押圧力が低下し、セカンダリシュー3による制動力も低下するので、セカンダリシュー3からアンカピン10に作用する制動反力Dが減少する。
【0033】
そして、セカンダリシュー3からコントロールレバー50の基端51を介してアンカピン10に作用する制動反力Fが、各部材間で設定してある隙間及び各部の比から決定される所定制動反力より下回ると、コントロールレバー50の揺動角度は小さくなり、コントロールレバー50とリアクションレバー70との係合が解除される。これにより、プライマリシュー2をブレーキドラムに押圧する押圧力が再び高まるので、制動力が再び高まる。
すなわち、本実施形態のデュオサーボ式ドラムブレーキ100は、制動力が所定の値を上回ると制動力を減少させる自動調節機能をも有している。
【0034】
すなわち、本実施形態のデュオサーボ式ドラムブレーキ100は、セカンダリシュー3からアンカピン10に作用する制動反力Dを用いて、プライマリシュー2およびセカンダリシュー3をさらに強い押圧力でブレーキドラムに押圧し、より一層大きな制動力を得る制動力の自己倍力機能を有するばかりでなく、制動反力が所定の値を上回ると制動力を減少させる自動調節機能を有している。
したがって、本発明によれば、大きくかつ安定した制動力が得られるデュオサーボ式ドラムブレーキを提供することができる。
【0035】
また、ホイールシリンダ20は、そのピストン21がプライマリシュー2側にのみ突出する構造とされているので、入力レバー30をホイールシリンダ20に対してプライマリシュー2側に配置しており、また、コントロールレバー50、バランスリンク60,パーキングレバー12等をホイールシリンダ20に対してセカンダリシュー3側に配置しているので、各リンクを限られたスペースのなかに容易に配置することができる。
【0036】
しかも、本実施形態発明のデュオサーボ式ドラムブレーキ100においては、入力レバー30、プレッシャプレート40、コントロールレバー50、バランスリンク60、リアクションレバー70が、いずれもホイールシリンダ20よりもアンカピン10側に配置されている。
これにより、プライマリシュー2およびセカンダリシュー3がクリアランス調整によりアンカピン10を支点として半径方向外側に変位しても、上記各リンクの特に隙間に関しての変位量を極めて小さく抑えることができるから、各リンク間の隙間の変動を最小限としてその作動を滑らに保つことができる。
【0037】
以上、本発明に係るデュオサーボ式ドラムブレーキの各実施形態ついて詳しく説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態においては、油圧によって作動するホイールシリンダ20を用いてプライマリシュー2およびセカンダリシュー3をブレーキドラムに押圧する構造とされているが、ホイールシリンダ20に代えて、例えば電動アクチュエータを用いることもできるし、ワイヤケーブルによって動作するリンク機構を用いることもできる。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のデュオサーボ式ドラムブレーキは、セカンダリシューからアンカピンに作用する制動反力を用いて、プライマリシューおよびセカンダリシューをさらに強い押圧力でブレーキドラムに押圧し、より一層大きな制動力を得る自己倍力機能と、制動力が所定の値を上回ると制動力を減少させる自動調節機能とを有している。
したがって、本発明によれば、大きくかつ安定した制動力が得られるデュオサーボ式ドラムブレーキを提供することができる。
また、コントロールレバー、バランスリンク,パーキングレバー等をホイールシリンダに対してセカンダリシュー側に配置しているので、各リンクを限られたスペースのなかに容易に配置することができる。
さらに、本発明のデュオサーボ式ドラムブレーキにおいては、入力レバー、プレッシャプレート、コントロールレバー、バランスリンク、リアクションレバーは、いずれも作動手段よりもアンカピン側に配置されている。
これにより、プライマリシューおよびセカンダリシューがクリアランス調整によりアンカピンを支点として半径方向外側に変位しても、上記各リンクの隙間に関しての変位量を極めて小さく抑えることができるから、各リンク間の隙間の変動を最小限としてその作動を滑らに保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態のデュオサーボ式ドラムブレーキの全体構造の概略をを示す正面図。
【図2】図1の要部を拡大して示す正面図。
【図3】図2中に示したホイールシリンダと入力レバーおよびプレッシャプレートの作動を説明する要部拡大正面図。
【図4】図2中に示したパーキングレバーの作動を説明する要部拡大正面図。
【図5】図2中に示したコントロールレバーとバランスリンクおよびプレッシャプレートの作動を説明する要部拡大正面図。
【図6】図2中に示したコントロールレバーとリアクションレバーの作動を説明する要部拡大正面図。
【符号の説明】
A サーボ力
B プライマリシュー押圧力
C セカンダリシュー押圧力
D 制動反力
E 制御力
F プライマリシュー押圧力
G プライマリシュー戻し力
H プレッシャプレート押圧力
R ブレーキドラムの前進回転方向
1 バッキングプレート
2 プライマリシュー
3 セカンダリシュー
4 プライマリシューの前方側端部
5 セカンダリシューの手前側端部
6 アジャスタ
7,8 係合部
9 ストラット
10 アンカピン
11 パーキングレバーの揺動支軸
12 パーキングレバー
13 揺動端
20 ホイールシリンダ
21 ピストン
30 入力レバー
31 レバーピン
40 プレッシャプレート
50 コントロールレバー
60 バランスリンク
70 リアクションレバー
100 本発明による一実施形態のデュオサーボ式ドラムブレーキ

Claims (1)

  1. ドラムの内側で対向しつつ互いの端部をリンク結合しているプライマリシューおよびセカンダリシューを備え、プライマリシューに作用するドラムからの制動反力をセカンダリシューを介してバッキングプレートに固定されたアンカピンで受け止め、各シューをドラムに押し付けるデュオサーボ式ドラムブレーキであって、
    前記アンカピン近傍の前記プライマリーシュー端部に配置されたレバーピンに回転自在に支持された入力レパーと、
    前記アンカピン近傍で前記バッキングプレートに固定されて前記入力レバーの一端と当接して前記プライマリーシューに前記ドラム内面への付勢力を与える作動手段と、
    前記入力レバーの他端と前記セカンダリシューとの間で前記アンカピンと重なる位置で両端が非固定に渡されたプレッシャプレートと、
    前記アンカピン回りで前記セカンダリシューと該アンカピンとで挟持されて前記制動反力により前記セカンダリシュー方向に揺動するコントロールレバーと、前記アンカピン近傍の前記セカンダリシュー端部に揺動自在に軸支され、一端が前記コントロールレバーの揺動端に当接し、他端が前記プレッシャプレートに当接して前記コントロールバーの揺動により該プレッシャプレートを前記プライマリシュー側に押動するバランスリンクと、
    一端が前記プライマリシューのレバーピンに保持されるとともに前記セカンダリシュー側に延びた他端が前記コントロールレバーの揺動端と係合可能で、前記コントロールレバーが前記バランスリンクに当接後に更に前記セカンダリシューから所定の制動反力を受けると、該揺動端と係合して前記プレッシャプレートに対して前記プライマリシュー押圧力を弱める力を作用するリアクションレバーと、
    を備えることを特徴とするデュオサーボドラムブレーキ。
JP18838897A 1997-07-02 1997-07-14 デュオサーボ式ドラムブレーキ Expired - Fee Related JP3774036B2 (ja)

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