JP3773373B2

JP3773373B2 - エアークリーナ

Info

Publication number: JP3773373B2
Application number: JP07528799A
Authority: JP
Inventors: 博明古賀
Original assignee: Kyoritsu Co Ltd
Current assignee: Kyoritsu Co Ltd
Priority date: 1999-03-19
Filing date: 1999-03-19
Publication date: 2006-05-10
Anticipated expiration: 2019-03-19
Also published as: JP2000274319A; US6391073B1

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、チェーンソー、刈払機、パワーブロワー等の携帯型作業機に搭載される小型空冷内燃エンジンの吸気系に使用するのに好適なエアークリーナに関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種のエアークリーナの従来例を図４に示す。図示例のエアークリーナ６０は、例えば、チェーンソーに搭載された小型空冷２サイクルガソリンエンジンの吸気系に使用されているもので、濾過面積を稼ぐべく通気性を有する濾紙を蛇腹状に形成するとともにそれを丸めて円筒形にした蛇腹式フィルタエレメント６２、このフィルタエレメント６２を円筒形に保つべくその内側に配置された多数の透孔６６ａを有するパンチングメタルからなる補強用内筒６６、及び、前記フィルタエレメント６２及び前記内筒６６の高さ方向両端部に嵌着された円環状のコ字形断面のキャップ６９、６９、からなる浄化用フィルタ６１を備えている。
【０００３】
該浄化用フィルタ６１は、その底面（前記下側のキャップ６９）側がダイヤフラム式等の気化器９０に接続された接続管８０の上端部に設けられている取り付け台８２に乗せられている。該取り付け台８２には、その下面から上方（前記浄化用フィルタ６１内方中心）に突出するように、蓋取り付けボルト７７が固着されている。該蓋取り付けボルト７７には、前記浄化用フィルタ６１の上面開口（前記上側のキャップ６９）を塞ぐようにその内方に回転されながら装入される逆立鍋蓋状の封鎖蓋７０の中央ボス部７２に埋設固定された雌ねじ部材７４が螺合せしめられ、これによって、前記浄化用フィルタ６１は、前記取り付け台８２と前記封鎖蓋７０とによって挟まれるようにして締め付けられ、その内外間のシール性が確保されるようになっている。
【０００４】
このような構成の前記エアークリーナ６０においては、前記封鎖蓋７０により上面開口が塞がれていることから、外部の空気は、前記浄化用フィルタ６１の周側部を形成する前記フィルタエレメント６２部分を通ってその内方に吸入され、このフィルタエレメント６２通過時に、それに含まれている塵埃が除去されて浄化され、浄化された空気は、下面側から前記接続管８０を介して前記気化器９０に導かれ、燃料と混合せしめられて図示しない前記エンジンの吸気口に導かれる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、チェーンソー、刈払機、パワーブロワー等の携帯作業機においては、作業時には、鋸断屑、切り粉、砂塵等の塵埃が発生することが避けられず、この塵埃が空気と共に前記内燃エンジンの吸気系に吸い込まれる際に、その上流端に位置するエアークリーナのフィルタ部分（前記フィルタエレメント６２）に付着して、その目詰まりを引き起こし、吸入空気量不足に基づくエンジン性能の変調低下を招くおそれがある。そのため、当該携帯型作業機においては、前記エアークリーナの清掃を頻繁に行わなくてはならないが、従来のエアークリーナーでは、それを清掃するにあたっては、工具を使用して図示しない機体カバーや前記封鎖部材７０等を取り外して分解する必要があり、清掃作業が面倒で煩わしいという問題があった。
本発明は、上述した如くの問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、フィルタ部の清掃を簡単容易に行うことができて、目詰まりを生じ難くされたエアークリーナを提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成すべく、本発明のエアークリーナは、基本的には、円筒状の浄化用フィルタと、この浄化用のフィルタが回動可能に収納されたケースと、を備え、前記ケースは、前記浄化用フィルタの全周を回動可能に支持する第一支持部と第二支持部とを備え、該第一支持部および第二支持部と共に、前記浄化用フィルタの径方向に二分割され、前記ケースの内部に前記浄化用フィルタのフィルタ部に接触するように塵埃除去用ブラシが配設され、前記浄化用フィルタを前記ケース外から回動させることができるようにされている。
本発明の好ましい態様では、前記浄化用フィルタに一体回動可能にノブを有する操作部材が組み付けられ、前記ノブが前記ケース外に突出せしめられている。
【０００７】
また、他の好ましい態様では、前記塵埃除去用ブラシにより前記フィルタ部から取り除かれて集積した塵埃を外部に排出できるように、前記ケースの一部が開閉可能とされている。
このような構成とされた本発明に係るエアークリーナの好ましい態様においては、ケース外に突出せしめられているノブを回すと、それと一体的に浄化用フィルタが回動せしめられ、このとき、フィルタ部に接触せしめられている塵埃除去用ブラシにより、前記フィルタ部に付着している塵埃が削ぎ落とされて除去される。除去されて集積した塵埃は、適宜、前記ケースの一部を開くこと等により外部に排出される。
前記ケース、前記第一支持部および第二支持部は、それぞれ前記浄化用フィルタの径方向に二分割されるので、組み立て性やメンテナンス性等も向上できる。
【０００８】
このように、本発明に係るエアークリーナでは、清掃作業は、単にノブを回すだけでよく、極めて簡単容易に行える。この場合、圧縮エアー等を使用した本格的な清掃作業のようには塵埃を完全には除去できないが、エンジン性能に悪影響を及ぼす程の大きな目詰まりは略解消でき、清掃作業を手軽に行えることと相まって、常時ある程度の清掃レベルは維持できるので、浄化用フィルタを取り出して本格的に清掃を行う頻度を従来のものに比して大幅に低減でき、気化器等の調整も行わなくて済む。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図１は、本発明に係るエアークリーナの一実施形態が採用されている気化器ユニット１を示している。図示の気化器ユニット１は、ダイヤフラム式気化器５０とエアークリーナ１０とが組み込まれた本体ケース２及び該本体ケース２に被着されたカバーケース３（以下、ケース２、３と記す）を有している。
【００１０】
前記エアークリーナ１０は、図３に示される如くの、円筒状のフィルタ部２１、及び、該フィルタ部２１の両端に連設された円筒状の第一端縁筒部２７及び第二端縁筒部２８からなる浄化用フィルタ２０と、この浄化用フィルタ２０に一体回動可能に組み付けられたノブ３１付き操作部材３０と、を有している。
前記浄化用フィルタ２０のフィルタ部２１は、通気性を有する合成樹脂製メッシュエレメント２４を円筒格子状に組まれたリブ２２で保持した構造となっており、前記浄化用フィルタ２０は、前記合成樹脂製メッシュエレメント２４をインサート物とした合成樹脂射出成形により作製されたものである。
【００１１】
前記ノブ３１付き操作部材３０は、図３に加えて図２を参照すればよくわかるように、一端側から順次、前記ケース２、３外に位置せしめられる前記ノブ３１、後述する第一支持部２ａ、３ａに回動可能に支持される短円柱部３２、前記浄化用フィルタ２０の前記第一端縁筒部２７に設けられた嵌合凹部２７ａ、２７ａ、…に嵌合せしめられる嵌合凸部３４ａ、３４ａ、…が設けられた蓋状部３４、前記浄化用フィルタ２０内に挿入される柱状部３５、円筒格子状部３６、及び、弾性的に拡縮可能なすり割り付きスカート部３７を備えており、該スカート部３７の端部には、前記浄化用フィルタ２０の前記第二端縁筒部２８の端面に係止される抜け止め突起３７ａ、３７ａ、…が設けられている。
【００１２】
前記ケース２、３には、図１及び図２を参照すればよくわかるように、前記ノブ３１付き操作部材３０の前記短円柱部３２全周を回動可能に支持する前記第一支持部２ａ、３ａと、前記浄化用フィルタ２０における前記第二端縁筒部２８の全周を回動可能に支持する第二支持部２ｂ、３ｂが設けられるとともに、該第二支持部２ｂ、３ｂに一体に連なって、外部の未浄化空気を前記フィルタ部２１に導く未浄化空気用通路空間１５を画成する仕切壁部２Ａ、３Ａが設けられ、前記未浄化空気用通路空間１５から前記フィルタ部２１を通過して浄化された空気が、前記第二端縁筒部２８から前記仕切壁部２Ａ、３Ａ外に設けられた、前記ケース２、３内の前記気化器５０を取り囲む浄化空気用通路空間５に導出されるようになっている。
【００１３】
前記浄化用フィルタ２０は、全体が円筒形とされ、前記ケース２、３、前記第一支持部２ａ、３ａ及び第二支持部２ｂ、３ｂ、及び、前記仕切壁部２Ａ、３Ａは、それ等を組み合わせた時に円形支持部が形成されるように、それぞれ前記浄化用フィルタ２０の径方向に二分割されるようになっている。
また、前記浄化用フィルタ２０の前記第二端縁筒部２８と前記第二支持部２ｂ、３ｂとの間のシール性を確保すべく、前記第二端縁筒部２８の外周にはＯリング２９が環装されている。
【００１４】
そして、本実施形態においては、前記カバーケース３の底部に設けられた取り付け部７に、前記浄化用フィルタ２０の前記フィルタ部２１の全幅にわたって接触するように、合成樹脂製の塵埃除去用ブラシ４０が配設されている。
また、該塵埃除去用ブラシ４０により前記フィルタ部２１から取り除かれて集積した塵埃Ｄを外部に排出できるように、前記本体ケース２の下側コーナー部４がヒンジ部材４Ａにより開閉可能とされている（図１参照）。
【００１５】
このような構成とされた本実施形態のエアークリーナ１０においては、外部の塵埃Ｄを含んだ空気ＤＡは、前記カバーケース３に設けられた空気取入口６から前記未浄化空気用通路空間１５を通って前記浄化用フィルタ２０の前記フィルタ部２１に導かれ、該フィルタ部２１を通ってその内部に吸入され、このフィルタ部通過時に塵埃Ｄが除去されて浄化される。前記浄化用フィルタ２０内に吸入された浄化空気ＣＡは、図１、図２において仮想線矢印で示すように、前記フィルタ部２０の前記第二端縁筒部２８から前記仕切壁部２Ａ、３Ａ外に設けられた前記浄化空気用通路空間５に導出され、前記カバーケース３に設けられた気流案内コーン部３Ｃに案内されて前記気化器５０の吸入口５１に円滑に吸入され、燃料と混合せしめられてその導出口５２から内燃エンジン１００の吸気口１０１に導かれる。
【００１６】
そして、本実施形態の前記エアークリーナ１０においては、前記ケース２、３外に突出せしめられている前記ノブ３１を図１において左回り（適宜の逆転防止機構を備えておくと好適である）に回すと、それと一体的に前記浄化用フィルタ２０が回動せしめられ、このとき、前記フィルタ部２１に接触せしめられている前記塵埃除去用ブラシ４０により、前記フィルタ部２１に付着している塵埃Ｄが削ぎ落とされて除去される。除去されて集積した塵埃は、適宜、前記ケース２、３の前記下側コーナー部４を開くことにより外部に排出される。
【００１７】
このように、本実施形態のエアークリーナ１０では、清掃作業は、単にノブ３１を回すだけでよく、極めて簡単容易に行える。この場合、圧縮エアー等を使用した本格的な清掃作業のようには塵埃を完全には除去できないが、エンジン性能に悪影響を及ぼす程の大きな目詰まりは略解消でき、清掃作業を手軽に行えることと相まって、常時ある程度の清掃レベルは維持できるので、浄化用フィルタを取り出して本格的に清掃を行う頻度を従来のものに比して大幅に低減でき、気化器等の調整も行わなくて済む。
【００１８】
また、本実施形態のエアークリーナ１０では、前記浄化用フィルタ２０の支持形態が第一支持部２ａ、３ａ及び第二支持部２ｂ、３ｂによる両持ち支持であるので、強度を持たせるのは両端支持部（前記第一端縁筒部２７及び前記第二端縁筒部２８）だけでよく、そのため、従来のもののようなフィルタエレメント補強用内筒６６等が不要となり、低コスト化、軽量化が図られる。
さらに、シール部が環状面（前記第二端縁筒部２８）となるので、容易にかつ合理的にシール性を確保でき、また、前記ケース２、３、前記支持部２ａ、３ａ、２ｂ、３ｂ、及び、前記仕切壁部２Ａ、３Ａは、それぞれ前記浄化用フィルタ２０の径方向に二分割されるので、組み立て性やメンテナンス性等も向上できる。
【００１９】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において適宜変更できるものである。
例えば、前記塵埃除去用ブラシ４０により除去された塵埃を、前記実施形態のようにケース内に集積させることなく、内燃エンジンの冷却ファンの負圧を利用する等して常時外部に排出するようにしてもよい。
【００２０】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明に係るエアークリーナは、フィルタ部の清掃を簡単容易に行うことができて、目詰まりを生じ難くできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るエアークリーナの一実施形態が採用された気化器ユニットを示す断面図。
【図２】図１のII矢視線に従う、カバーケースを取り去った状態を示す部分切欠図。
【図３】図２に示されるエアークリーナの浄化用フィルタ及びノブ付き操作部材の分解斜視図。
【図４】従来のエアークリーナの一例を気化器等と共に示す部分切欠図。
【符号の説明】
２本体ケース（ケース）
３カバーケース（ケース）
４下側コーナー部（ケースの一部）
１０エアークリーナ
２０浄化用フィルタ
２１フィルタ部
３０操作部材
３１ノブ
４０塵埃除去用ブラシ
Ｄ塵埃

Claims

円筒状の浄化用フィルタ（２０）と、この浄化用フィルタ（２０）が回動可能に収納されたケース（２、３）と、を備えたエアークリーナであって、
前記ケース（２、３）は、前記浄化用フィルタ（２０）の全周を回動可能に支持する第一支持部（２ａ、３ａ）と第二支持部（２ｂ、３ｂ）とを備え、該第一支持部（２ａ、３ａ）および第二支持部（２ｂ、３ｂ）と共に、前記浄化用フィルタ（２０）の径方向に二分割され、
前記ケース（２、３）の内部に前記浄化用フィルタ（２０）のフィルタ部（２１）に接触するように塵埃除去用ブラシ（４０）が配設され、前記浄化用フィルタ（２０）を前記ケース（２、３）外から回動させることができるようにされていることを特徴とするエアークリーナ。
前記浄化用フィルタ（２０）に一体回動可能にノブ（３１）を有する操作部材（３０）が組み付けられ、前記ノブ（３１）が前記ケース（２、３）外に突出せしめられていることを特徴とする請求項１に記載のエアークリーナ。
前記塵埃除去用ブラシ（４０）により前記フィルタ部（２１）から取り除かれて集積した塵埃（Ｄ）を外部に排出できるように、前記ケース（２、３）の一部（４）が開閉可能とされていることを特徴とする請求項１又は２に記載のエアークリーナ。