JP3771825B2 - 信号処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号処理装置に関し、特に、被検査対象物を検査する際に互いに異なる時点で2つの信号波形を得て、これら2つの信号波形を比較して被検査対象物の経年的劣化等を調べる際に用いられる信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、被検査対象物、例えば、配管、特に、熱交換器の伝熱管を劣化等を検査する際には、伝熱管等の配管の経年的な劣化状況を知ることが重要であり、このため、伝熱管等の配管の検査は定期的に行う必要がある(以下配管の検査を例に挙げて説明する)。配管の劣化等を検査する際には、例えば、渦電流検査手法が用いられており、この渦電流検査手法では、配管内にプローブを挿入し、プローブを管軸に沿って移動させつつ、配管に渦電流を発生させ、この渦電流に基づく信号波形(ECT信号)を得ている。そして、ECT検査信号に基づいて配管の状態を検査するようにしている。
【0003】
このETC信号は、図8(a)に示すように、リサージュ波形として表され、ECT信号の位相及び振幅がこのリサージュ波形で示されることになる。いま、図8(a)に示すように、X成分及びY成分を規定すると、X成分及びY成分はそれぞれ時間軸に対して図8(b)及び(c)で示すようになる。
【0004】
ところで、配管においては、例えば、配管を支持する支持板部で付着物が付着しやすく、渦電流検査によって、定期的に配管の検査を行うと、この付着物によって、検査の都度、信号波形が経年的に変化する。そして、信号波形の変化量と付着物の量とは、相関関係があり、定期的に得られた信号波形(例えば、2つの信号波形)の差分を定量的に把握して、付着物の量的変化を把握するようにしている。信号波形の変化は、配管の劣化(例えば、損傷部位)等によっても起こる。
【0005】
いま、第1の時点、第2の時点、及び第3の時点で配管の渦電流検査を行い、第1の時点、第2の時点、及び第3の時点でそれぞれ図9(a)、(b)、及び(c)に示す結果が得られたとする。一般的には、図9(a)、(b)、及び(c)を人の目で見比べてその差異を確認し、配管の状態を確認している。例えば、図9(a)に示す波形と図9(c)に示す波形との差異は、人間には、図9(d)に示すようなイメージで捉えられる。なお、図9(d)は図9(c)に示す波形から図9(a)に示す波形を差分した波形のイメージを示す図である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述のようにして、プローブを配管内に挿入して検査を行う関係上、検査の時点において不可避的に誤差等の雑音成分が信号波形に含まれることになる。つまり、検査の際、配管内においてプローブが引っ掛かることがあるが、この引っ掛かりの程度は、例えば、検査器具の状態及び検査対象の内面の状態に応じて異なり、この結果、検査の都度、引っ掛かりの程度が異なることになる。特に、雑音成分には、位相及び振幅のゆらぎとは別に時間軸方向のゆらぎがあり、この時間方向のゆらぎが雑音成分として大きく影響することになる。
【0007】
例えば、プローブに引っ掛かりがないと(正常な状態では)、図10(a)に破線で示すように、信号波形が得られたが、引っ掛かりによって、図10(a)に実線で示す信号波形となったとすると、引っ掛かりによって、二つの信号波形が時間軸に対して非線形となる。つまり、二つの信号波形の間には引っ掛かりによる雑音成分が存在することになって、この結果、二つの信号波形を差分しても精度よく特徴を抽出するができない。
【0008】
上述の点は、プローブの移動速度が変化した際にも生じる。つまり、所定の移動速度でプローブを移動させても、不可避的に所定の移動速度が僅かに変動してしまい、このため、所定の移動速度でプローブを移動させたのであれば、図10(b)に破線で示す信号波形が得られたとすると、移動速度の変動によって、図10(b)に実線で示す信号波形となってしまう。この結果、移動速度の変動によって、二つの信号波形を差分しても精度よく特徴を抽出するができない。
【0009】
上述のように、配管を検査する都度、その信号波形には、プローブに起因して、不可避的に、時間軸方向の雑音成分が付加されてしまい、経年的に配管の状態を調べるためには、特に、時間軸方向の雑音成分を除去する必要がある。言い換えると、基準となる信号波形(基準信号波形)と他の信号波形との差分をとって配管の経年的変化を精度よく調べる際、経年的に変化した部分以外の雑音成分(特に、時間軸方向の雑音成分)を除去して、基準信号波形と他の信号波形とを比べる必要がある。
【0010】
しかしながら、従来の検査手法においては、配管等の被検査対象物の経年的変化を精度よく検査することが難しいという問題点がある。
【0011】
本発明の目的は、配管等の被検査対象物の経年的変化を検査する際に用いられ、精度よく被検査対象物の経年的変化を測定することのできる信号処理装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、被検査対象物の経年的変化を検査する際に、第1の時点で計測して得られた基準信号と該第1の時点と異なる第2の時点で計測された比較信号とを比較して前記経年的変化を検査する際に用いられる信号処理装置であって、前記基準信号及び前記比較信号はそれぞれ第1及び第2のリサージュ波形で表されており、前記第1及び第2のリサージュ波形中の安定点をそれぞれ第1及び第2の照合点として抽出する抽出手段と、前記第1及び前記第2の照合点が時間軸上で一致するように対応付け前記第1及び前記第2の照合点を基準として前記第1及び前記第2のリサージュ波形が線形的関係で規定されるように前記第1及び前記第2のリサージュ波形を軌跡補間処理する補間処理手段と、前記軌跡補間処理後の前記第1及び前記第2のリサージュ波形の差分を求める差分手段とを有することを特徴とする信号処理装置が得られる。
【0013】
上述のようにして、差分を行って差分信号を求めると、雑音成分等が除去される結果、精度よく被検査対象物の経年的変化を測定することができる。
【0014】
なお、前記抽出手段は、前記第1及び前記第2のリサージュ波形を回転移動させて前記第1及び前記第2の照合点を予め規定された位置に位置づけるようにしてもよい。さらに、信号処理装置には、前記軌跡補間処理後の前記第2のリサージュ波形において前記第2の照合点間の距離及び位相角が所定の距離及び所定の位相角となるように調整する校正補正手段を備えるようにしてもよい。
【0015】
このようにして、第1及び第2のリサージュ波形を回転させて第1及び第2の照合点を予め規定された位置に位置づけ、さらに、軌跡補間処理後の第2のリサージュ波形において第2の照合点間の距離及び位相角が所定の距離及び所定の位相角となるように調整するようにすれば、照合点抽出の際、経年変化の影響を受けることが極めて少なくなり、信号波形校正の際のばらつきを低減することができる。この結果、さらに、精度よく被検査対象物の経年的変化を測定することができることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、以下の説明においては、被検査対象物として、熱交換器伝熱管の渦電流検査を例にあげて説明するが、水道管等の配管の検査にも適用でき、さらには、他の被検査対象物にも適用できる。
【0017】
まず、図1を参照して、図示の信号処理装置は、配管(例えば、熱交換器伝熱管)を渦電流検査して経年的変化を調べる際に用いられる。信号処理装置は、第1及び第2の照合点抽出処理部11及び12、信号補間点数計算処理部13、第1及び第2の軌跡補間処理部14及び15、校正補正処理部16、及び信号減算処理部17を備えており、第1及び第2の照合点抽出処理部11及び12にはそれぞれ基準信号及び比較信号が与えられる。
【0018】
ここで、基準信号とは、配管の経年的変化を調べる際の基準とすべき信号波形であり、例えば、配管を敷設した際に、プローブを用いて得られた信号波形である。一方、比較信号とは、基準信号を得た後、所定の期間経過した後、プローブを用いて配管を検査した際に得られた信号波形であり、例えば、基準信号を得て一年を経過した後、プローブを用いて配管を検査した際に得られた信号波形である。
【0019】
ここで、図2を参照して、図9で説明したように、配管をプローブで検査した際得られる信号波形の変化は、局所的である一方で、波形全体ではその形状が安定しているという特徴がある。さらに、そのリサージュ波形はプローブの速度が僅かに変化してもほぼ一定の形状となる。
【0020】
従って、図2に示すように、いま、基準信号の開始点をS、終了点をE、比較信号の開始点をS’、終了点をE’とすると、基準信号及び比較信号ともに、同一の配管を検査した結果得られた信号波形であるから、基準信号及び比較信号はほぼ同様の変化過程を辿ることになる。つまり、基準信号が谷(極小点)A及び山(極大点)Bを有し、開始点Sから辿って谷A、山Bの順に変化するとすると、比較信号は谷A’及び山B’を有し、開始点S’から辿って谷A’、山B’の順に変化することになる。つまり、谷A及びA’と山B及びB’とは安定点と見なすことができ、そして、基準信号においては、谷A及び山Bを照合点とする。同様に、比較信号においては、谷A’及び山B’を照合点とする。
【0021】
上述の説明から容易に理解できるように、基準信号及び比較信号において、破線で示すように、照合点A及びBが照合点A’及びB’E’に対応することになる。上述のようにして、第1の照合点抽出処理部11は、基準信号について、照合点S、A、B、及びEを抽出し、第2の照合点抽出処理部12は、比較信号について、照合点S’、A’、B’、及びE’を抽出する。
【0022】
ところで、基準信号及び比較信号は、リサージュ波形として表現されているから、照合点を抽出するに当たっては、リサージュ波形における山(極大点)及び谷(極小点)が、例えば、垂直線上に位置するように、リサージュ波形を回転させる。図3は、配管の付着物の量が小さい(少ない)場合のリサージュ波形の一例を示す図であり、図3(a)に示すリサージュ波形を右に60度回転移動させて、図3(b)に示すように、山(極大点)及び谷(極小点)を垂直線上に位置付ける。つまり、山(極大点)及び谷(極小点)がそれぞれ上端及び下端に位置づけられるように、図3(a)に示すリサージュ波形を回転移動させて、図3(b)に示すリサージュ波形を得る。そして、これら山(極大点)及び谷(極小点)を照合点として規定して抽出する(図3(c)参照)。言い換えると、配管等の経年変化によって現れる信号成分の位相角方向は、所定の角度(例えば、60度方向)であることが分かっており、従って、信号成分が水平となるように60度回転させる。そして、垂直方向の最大位置(極大点)及び最小位置(極小点)を照合点とする。このようにすれば、経年変化による影響を極めて小さくすることができる。
【0023】
同様にして、図4は、配管の付着物の量が大きい(多い)場合のリサージュ波形の一例を示す図であり、図4(a)に示すリサージュ波形を右に60度回転移動させて、図4(b)に示すように、山(極大点)及び谷(極小点)を垂直線上に位置付ける。そして、これら山(極大点)及び谷(極小点)を照合点として規定して抽出する(図4(c)参照)。
【0024】
なお、図3及び図4に示す例では、リサージュ波形を山(極大点)及び谷(極小点)が垂直線上に位置付けられるように回転移動させているが、山(極大点)及び谷(極小点)が水平線上に位置付けられるように、リサージュ波形を回転移動させるようにしてもよい。
【0025】
上述のようにして、第1の照合点抽出処理部11は、照合点A及びBを付与して、基準信号を信号補間点数計算処理部13に与える。同様にして、第2の照合点抽出処理部12は照合点A’及びB’を付与して、比較信号を信号補間点数計算処理部13に与える。
【0026】
前述したように、プローブの移動速度及び付着物の量等に起因して、基準信号と比較信号とでは、その終了点E及びE’が一致しない。このため、補間処理を行って基準信号と比較信号との長さを一致させる必要がある。補間処理に先立って、信号補間点数計算処理部13によって、補正後の始点、2つの照合点、及び終点の位置を計算する。そして、信号補間点数計算処理部13では、基準波形の始点S、照合点A、照合点B、及び終点Eと比較波形の始点S、照合点A’、照合点B’、及び終点E’の位置がそれぞれ補正後に一致するように補間点を決定する(始点Sから終点Eまで、始点S’から終点E’までの信号点数に基づいて補間点数を決定する)。なお、リサージュ波形においては、なだらかな部分における信号点数は密になり、急な部分においては信号点数が疎となる。
【0027】
いま、始点Sから終点Eまでの信号点数を便宜上Eで表し、始点S’から終点E’までの信号点数をE’で表すと、信号補間点数計算処理部13は、例えば、補間点数L=2×max(E,E’)のように決めて、補間後の位置を、S=S’=1、A=A’=L×A/E、B=B’=L×B/E、E=E’=Lとする。そして、信号補間点数計算処理部13は、これら補間点数を第1及び第2の軌跡補間処理部14及び15に与える。
【0028】
ここで、第2の軌跡補間処理部15に注目して、図2に示す照合点A’から照合点B’の区間を取り出して拡大した図を図5(a)に示す(なお、図5(a)において、黒丸印は信号点を表す)。なお、図5(a)においては、照合点B’が図中左端に位置づけられている。いま、照合点A’から照合点B’の区間を10点の補間点数で補間するとすると、第2の軌跡補間処理部15では、プローブ速度の影響をほとんど受けないリサージュ波形を用いて、図5(b)に黒丸印で示すように、各補間点間の軌跡上での距離が等間隔となるように補間を実施する。
【0029】
上述のようにして、第2の軌跡補間処理部15では、補間点数Lに基づいて、各区間S’−A’、A’−B’、及びB’−E’について軌跡補間処理を行うことになる。同様にして、第1の軌跡補間処理部14では、補間点数Lに基づいて、各区間S−A、A−B、及びB−Eについて補間処理を行うことになる。そして、上述のようにして、軌跡補間処理を行うと、基準信号においては、照合点Aの補間後の点数位置はL×A/E、照合点Bの補間後の点数位置はL×B/Eとなり、終了点Eの補間後の点数位置はLとなる。同様に、比較信号においては、照合点A’の補間後の点数位置はL×A/E、照合点B’の補間後の点数位置はL×B/Eとなり、終了点E’の補間後の点数位置はLとなる。つまり、L=2×max(E,E)とした際には、補間後の位置は、S=S’=1、A=A’=L×A/E、B=B’=L×B/E、E=E’=Lとなる。なお、点数位置を表す式において、A、B、E、A’、B’、及びE’はそれそれの点までの信号点数を表す。また、点数位置とは、例えば、点Aまでに存在する点数(補間点数)をいう。
【0030】
上述のようにして、軌跡補間処理を行うと、基準信号と比較信号との照合点を一致させることができ、例えば、図6に示すように、区間A−Bと区間A’−B’において、基準信号と比較信号との対応関係をとることができる。
【0031】
第2の軌跡補間処理部15では、上述のようにして軌跡補間処理を行った後、比較信号を校正補正処理部16に与える。基準信号及び比較信号の校正のバラツキによる相違を吸収するために、校正補正処理部16では、比較信号の拡大又は縮小を行うとともに回転を行って、比較信号の照合点間の距離及び位相角とを基準信号のそれと一致させる。例えば、図7(a)に示すリサージュ波形において、照合点間の距離が所定の振幅値に一致するようにリサージュ波形を拡大又は縮小する(図7(b)参照)。さらに、照合点間の位相角が所定の位相角に一致するようにリサージュ波形を回転させる(図7(c)参照)。
【0032】
上述のようにして校正及び補正された比較信号は、信号減算処理部17に与えられる。一方、信号減算処理部17には、軌跡補間処理された基準信号が与えられ、信号減算処理部17では比較信号と基準信号との差分処理を実行して、差分信号を得る。
【0033】
前述のように、基準信号及び比較信号ともに照合点を規定して、しかも軌跡補間処理を行っているから、雑音成分等が除去され、差分信号には経年的変化を表す特徴が精度よく現れることになる。
【0034】
このように、上述の例では、基準信号及び比較信号ともに照合点を抽出して、区間毎に軌跡補間処理を行っているから、差分信号からは、プローブの移動速度のバラツキ等雑音成分が除去されて、差分信号は配管の経年的変化を忠実に表すことになる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、被検査対象物の経年的変化を検査する際に、基準信号及び比較信号をそれぞれ表す第1及び第2のリサージュ波形において、その安定点をそれぞれ第1及び第2の照合点として抽出した後、第1及び第2の照合点が時間軸上で一致するように対応付けて、第1及び第2の照合点を基準として第1及び第2のリサージュ波形が線形的関係で規定されるように第1及び前記第2のリサージュ波形を軌跡補間処理して、軌跡補間処理後の第1及び第2のリサージュ波形の差分を求めるようにしたから、精度よく被検査対象物の経年的変化を測定することができるという効果がある。
【0036】
そして、第1及び前記第2のリサージュ波形を回転移動させて第1及び第2の照合点を予め規定された位置に位置づけ、軌跡補間処理後の第2のリサージュ波形において第2の照合点間の距離及び位相角が所定の距離及び所定の位相角となるように調整するようにすれば、雑音成分等によるバラツキを低減することができ、この結果、さらに、精度よく被検査対象物の経年的変化を測定することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による信号処理装置の一例を示すブロック図である。
【図2】 基準信号及び比較信号の信号波形の一例を示す図である。
【図3】 配管への付着物の量が小さい場合のリサージュ波形の一例を示す図であり、(a)は回転前のリサージュ波形を示す図、(b)はリサージュ波形を右に60度回転移動させた状態を示す図、(c)は照合点を抽出した状態を示す図である。
【図4】 配管への付着物の量が大きい場合のリサージュ波形の一例を示す図であり、(a)は回転前のリサージュ波形を示す図、(b)はリサージュ波形を右に60度回転移動させた状態を示す図、(c)は照合点を抽出した状態を示す図である。
【図5】 補間処理について説明するための図であり、(a)は信号点数を示す図、(b)は補間点を示す図である。
【図6】 軌跡補間処理後の基準信号と比較信号との対応関係を示す図である。
【図7】 リサージュ波形の校正補正処理を説明するための図であり、(a)は校正補正処理前のリサージュ波形を示す図、(b)は照合点間の距離が所定の振幅値に一致するように拡大又は縮小した後のリサージュ波形を示す図、(c)は照合点間の位相角が所定の位相角に一致するように回転させた後のリサージュ波形を示す図である。
【図8】 ETC信号を示す図であり、(a)はリサージュ波形、(b)及び(c)は時間軸に対する変化を示す図である。
【図9】 渦電流検査による検査結果(経年的変化)を示す図であり、(a)乃至(c)は互いに異なる時点で計測した際のリサージュ波形を示す図、(d)は差分した結果を示す図である。
【図10】 プローブに起因する信号波形の変化を示す図であり、(a)はプローブの引っ掛かりに起因する信号波形の変化を示す図、(b)はプローブ速度の変動に起因する信号波形の変化を示す図である。
【符号の説明】
11,12 照合点抽出処理部
13 信号補間点数計算処理部
14,15 軌跡補間処理部
16 校正補正処理部
17 信号減算処理部
Claims (3)
- 被検査対象物の経年的変化を検査する際に、第1の時点で計測して得られた基準信号と該第1の時点と異なる第2の時点で計測された比較信号とを比較して前記経年的変化を検査する際に用いられる信号処理装置であって、前記基準信号及び前記比較信号はそれぞれ第1及び第2のリサージュ波形で表されており、前記第1及び第2のリサージュ波形中の安定点をそれぞれ第1及び第2の照合点として抽出する抽出手段と、前記第1及び前記第2の照合点が時間軸上で一致するように対応付けて前記第1及び前記第2の照合点を基準として前記第1及び前記第2のリサージュ波形が線形的関係で規定されるように前記第1及び前記第2のリサージュ波形を軌跡補間処理する補間処理手段と、前記軌跡補間処理後の前記第1及び前記第2のリサージュ波形の差分を求める差分手段とを有することを特徴とする信号処理装置。
- 前記抽出手段は、前記第1及び前記第2のリサージュ波形を回転移動させて前記第1及び前記第2の照合点が予め規定された位置に位置づけられるようにすることを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
- さらに、前記軌跡補間処理後の前記第2のリサージュ波形において前記第2の照合点間の距離及び位相角が所定の距離及び所定の位相角となるように調整する校正補正手段が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
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