JP3771004B2 - アキシャルピストンモータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアキシャルピストンモータの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアキシャルピストンモータにあって、シリンダブロックとバルブプレートとの摺動面の押付力は、ポート周囲のランド部のみで受けている。押付力は摺動面のシール性に大きな影響を及ぼし、押付力を小さくするとポート周囲のシール性が低下し、容積効率不良等の不具合が発生する。
【0003】
これに対して押付力を高めればシール性は改善される反面、摺動面の摩擦熱によりサーマルクラック(熱亀裂)が生じやすくなり、耐久性が低下する。とくに、近年アキシャルピストンモータの高回転化の要求を満たそうとすると、摺動面の速度増加に伴うサーマルクラックの発生が避けられなくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、シリンダブロックとバルブプレートとの外周寄りの摺動面に補助パット部を設け、押付比(シリンダ圧力と押付力との比)を有効な値に保ちながら、実面圧を下げることが考えられる。しかし、この場合、摺動面の平滑精度が低いと、摺動面の全域で均等に接触せず、とくに補助パット部のみが摺動接触すると、補助パット部の面圧が過度に高まると共にランド部に隙間が生じ、ポート周囲のシール性が保てずに容積効率の低下やドレンピークなどの問題を起こしたりする。
【0005】
本発明はこのような問題を解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シリンダブロックがバルブプレートと摺接しながら回転するアキシャルピストンモータにおいて、シリンダブロックとバルブプレートとの摺動面にシール領域となるランド部を設け、このランド部の外側に逃がし溝を介して環状の補助パット部を設け、バルブプレートの摺動面と反対側のモータハウジングとの接合面に前記補助パット部に対応した部位に間隙を形成し、前記間隙の間隔がバルブプレート外周にいくほど大きくなっている。
【0009】
【作用】
本発明において、シリンダブロックとバルブプレートとの間にはランド部に加えて、その外側において補助パット部が介在する。このため、シリンダブロックの押付力はランド部と補助パット部とで受け、ランド部の実面圧を下げることができる。補助パット部と対応してバルブプレートの反対面には隙間が設けられているので、補助パット部に過度の面圧が作用したときには、バルブプレートが反対側に変形し、これにより補助パット部の面圧をランド部にかかる面圧とほぼ同一に保つことができる。したがって、ランド部のシール性は良好に維持したまま、摺動面全体としては過度に面圧が高まるのを防止し、ヒートクラックなどの発生を阻止し、その耐久性を向上させられる。また、間隙はバルブプレートの外周側ほど大きくなるので、必要最小限の間隙によって、バルブプレートに良好な追従変形性能を付与することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図面に基づいて本発明の最良の実施形態を説明する。
【0013】
図1、図2において、1はモータハウジング、2はモータシャフト、3はシリンダブロック、4は斜板である。シリンダブロック3にはモータシャフト2と同心円上に複数のシリンダ7が形成され、ここにピストン5が摺動自由に配設される。シリンダブロック3の端面はバルブプレート6に接触し、バルブプレート6に形成したバルブ孔(供給孔と排出孔)からシリンダ7への圧油の供給と排出が行われる。つまり、バルブプレート6の供給孔からのシリンダ7に対する圧油の供給により、ピストン5が伸びだし、このとき斜板4の傾斜角によって生じる円周方向への分力により、シリンダブロック3に回転力が発生し、モータシャフト2を回転させる。ピストン5が最大にストロークした後はバルブプレート6の排出孔からシリンダ7内の作動油を排出させながらピストン5が収縮し、このようにして、ピストン5が1往復する間にシリンダブロック3が1回転する。
【0014】
シリンダブロック3とバルブプレート6との摺接面には、各シリンダ7のポート8の周囲をシールするランド部10が形成され、このランド部10において摺接面からの圧油の漏れを防いでいる。ランド部10の外周には環状の逃がし溝11が形成され、この逃がし溝11に接続した放射方向に伸びる複数の溝11aを介して漏れ出した油をハウンジング内部空間9に逃がしている。逃がし溝11の外側に位置して補助パット部12が形成され、この補助パット部12においても、シリンダブロック3にかかる押付力を受ける。
【0015】
バルブプレート6の摺接面の反対面はモータハウンジング1に対して密着し、回転しないようにピン13で固定される。モータハウンジング1に設けた図示しない圧油の給排通路とバルブプレート6のバルブ孔とが接続するが、この密着面6bには圧油の漏れを防ぐためのシール領域15が設けられ、このシール領域15の外側には環状の逃がし溝14が設けられ、前記と同じく漏れ分についてはこの逃がし溝14を介して内部空間9に逃がしている。
【0016】
前記逃がし溝11と逃がし溝14とはほぼ対応する位置に設けられ、そして、バルブプレート6とモータハウンジング1との間には、この逃がし溝14の外側において、バルブプレート6の摺接面と反対方向への変形を許容する間隙16が設けられる。この間隙16は断面がテーパ状に形成され、外周にいくほど隙間が大きくなる。
【0017】
なお、ランド部10と補助パット部12は、シリンダブロック3の底面に所定の厚さの軸受材料からなる摺動層17を一体に付着形成するなどして、良好な摺動特性をもつ摺動面を形成する。
【0018】
以上のように構成され、次に作用について説明する。
【0019】
シリンダブロック3の各シリンダ7に対し、バルブプレート6のバルブ孔を通してピストン5が下死点から上死点までの伸長領域における圧油の供給により、ピストン5が上死点に向けてストロークし、このときピストン5の先端が接触する斜板4の傾斜角に応じて発生する円周方向の分力により、シリンダブロック3に回転力を発生させる。ピストン5が上死点に達した後は、シリンダブロック3の同一方向への回転に伴いシリンダ7から作動油を排出しながら、ピストン5は下死点に向けて収縮し、このようにして次々とピストン5が往復運動し、これに応じてシリンダブロック3が回転し、モータシャフト2を回転させる。
【0020】
シリンダブロック3とバルブプレート6との摺接面には、ピストン5を押し出す油圧の反力と、シリンダブロック3からのバルブプレート6の押付力とが相反方向に作用し、これらの差力に相当する押付比に応じて摺接面のシール性を保持している。
【0021】
摺接面はシール領域としてのランド部10と補助パット部12とから構成され、ランド部10だけに比較して有効受圧面積が大きいため、前記押付比を所定値となるように設定したときのランド部10にかかる面圧は相対的に低下する。
【0022】
このとき摺接面の精度から補助パット部12に過度の面圧が作用しても、バルブプレート6の裏面側には間隙16があるため、バルブプレート6が反対側へ変形し、面圧を低下させる。このため、補助パット部12にのみ過大な圧力が作用することがなく、摺接面の全域で均一的な接触圧力が維持される。なお、予めランド部10よりも補助パット部12の厚さを大きく設定し、補助パット部12での当たりについては反対側への変形により吸収すると、確実にランド部10の面圧を補助パット部12よりも小さくできる。
【0023】
この結果、シリンダブロック3とバルブプレート6との摺接面の実質的な面圧が下がり、摺動に伴う摩擦熱が大きくなるのを防いでサーマルクラックの発生を回避し、モータ回転数の増大に対しても高い耐久性を維持できる。また一方で、摺接面の面圧は下がっても、ランド部10のシール性が低下することはなく、このため容積効率の悪化やドレンピークなどの発生を防ぐことができ、良好なポンプ性能を維持できる。
【0024】
また、間隙16はバルブプレート6の外周にいくほど隙間が大きくなるので、バルブプレート6の変形は容易かつ適切に行われる。
【0025】
次に、図3の参考例を説明すると、これはシリンダブロック3とバルブプレート6との間の間隙として、全域で同一間隔となる均一な間隙16aを設けたものである。このようにすると、間隙16aの形成が容易となり、バルブプレート6の加工性が改善される。
【0026】
なお、上記の実施の形態では、シリンダブロック3とバルブプレート6との摺接面は球面状に形成されているが、これに限らず、平面接触するものであってもよいことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す全体的な断面図である。
【図2】同じく要部を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の参考例を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 モータハウジング
2 モータシャフト
3 シリンダブロック
5 ピストン
6 バルブプレート
7 シリンダ
10 ランド部
11 逃がし溝
12 補助パット部
14 逃がし溝
16 間隙
Claims (1)
- シリンダブロックがバルブプレートと摺接しながら回転するアキシャルピストンモータにおいて、シリンダブロックとバルブプレートとの摺動面にシール領域となるランド部を設け、このランド部の外側に逃がし溝を介して環状の補助パット部を設け、バルブプレートの摺動面と反対側のモータハウジングとの接合面に前記補助パット部に対応した部位に間隙を形成し、前記間隙の間隔がバルブプレート外周にいくほど大きくなっていることを特徴とするアキシャルピストンモータ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP17806397A JP3771004B2 (ja) | 1997-07-03 | 1997-07-03 | アキシャルピストンモータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17806397A JP3771004B2 (ja) | 1997-07-03 | 1997-07-03 | アキシャルピストンモータ |
Publications (2)
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JPH1122654A JPH1122654A (ja) | 1999-01-26 |
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Family
ID=16041970
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP17806397A Expired - Fee Related JP3771004B2 (ja) | 1997-07-03 | 1997-07-03 | アキシャルピストンモータ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3771004B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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JP5444088B2 (ja) | 2010-03-31 | 2014-03-19 | 川崎重工業株式会社 | バルブプレート、並びにこれを備えたアキシャルピストン式油圧ポンプ・モータ |
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-
1997
- 1997-07-03 JP JP17806397A patent/JP3771004B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1122654A (ja) | 1999-01-26 |
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