JP3770594B2 - 使い捨て痩身用吸引カップ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、身体の被痩身部の皮下脂肪を減少させるための痩身用吸引カップに関し、特に使い捨て痩身用吸引カップに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、吸圧器あるいは吸い玉と呼ばれる吸引カップの開口部を患部に密着させた状態で、吸引ポンプ等を用いて上記カップ内を減圧して、あるいはアルコール等をカップ内で燃焼させることによって上記カップ内を減圧して、患部を吸引することにより、患部内部の鬱血を表層に誘導し、浅存血管の***作用により患部の鬱血を取り除くようにした吸角療法が知られている。
【０００３】
さらに、この吸角療法を利用して、皮下脂肪の多い被痩身部を吸引カップで吸引することにより、無駄な皮下脂肪を散逸させる痩身美容法も提案されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
従来使用されていたカップは、使用後、被痩身部から取り外すのに、専用の減圧解除のバルブを有する逆止弁を設ける必要があり、高価なものとなっていた。
【０００５】
上記事情に鑑み、本発明は、使用後に簡単に減圧を解除して、そのまま廃棄できる安価な使い捨て痩身用吸引カップを提供することを目的とするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の使い捨て痩身用吸引カップは、被痩身部に密着される開口端部を備え、内部の減圧により被痩身部を吸引するように構成された痩身用吸引カップにおいて、痩身用吸引カップが、この吸引カップの外表面に、吸引後、折り曲げにより吸引カップの表面の一部を破壊し、内部の減圧を解除して吸引カップを被痩身部から取り外し可能とする破壊部を有することを特徴とするものである。
【０００７】
上記破壊部は、吸引カップの外表面に形成された突起と、この突起の根本近傍の吸引カップに形成された、突起の折曲げにより破壊される薄肉部から構成されたものとすることができる。
【０００８】
【発明の効果】
本発明の使い捨て痩身用吸引カップによれば、この吸引カップの外表面に、吸引後、折り曲げにより吸引カップの表面の一部を破壊し、内部の減圧を解除して吸引カップを被痩身部から取り外し可能とする破壊部を有するよう構成したので、使用後に簡単に減圧を解除してそのまま廃棄でき、且つ安価な使い捨て痩身用吸引カップが得られる。
【０００９】
上記破壊部が、吸引カップの外表面に形成された突起と、この突起の折曲げにより破壊される、カップの薄肉部から構成されている場合には、単に突起を折り曲げるだけで、カップの内部と外部との気圧を同じにすることができるので、減圧解除の操作を極めて容易に行うことができる。また、複雑な減圧解除の機構を有さないので、安価な使い捨て痩身用吸引カップとすることができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図１は、本発明の使い捨て痩身用吸引カップ（以下、単にカップという）の第１の実施の形態を示す縦断面図である。このカップ１は、樹脂製であり、下部に円形の開口２を有する釣鐘状の比較的堅固なカップ本体３を有する。カップ本体３は、円筒形の胴部４と、この胴部４の上部を閉鎖する球面状の頂部６を有する。カップ１の開口２の周縁には、身体の一部である、皮下脂肪を散逸させたい被痩身部８に当接するフランジ１０が形成されている。頂部６には、減圧のために外部のホース（図示せず）等が接続されるパイプ１４が一体に形成され、このパイプ１４に痩身用吸引カップ１の内部を減圧するための吸気孔１２が、パイプ１４を貫通するように形成されている。
【００１１】
この吸気孔１２には逆止弁１６が形成され、減圧されたカップ１の内部に空気が逆流しないようになっている。この逆止弁１６によって、カップ本体３の内部４２を吸引ポンプ（図示せず）によって減圧後、ホース等の接続具をパイプ１４から取り外しても、カップ本体３内部の減圧状態が維持されるようになっている。したがって、複数の被痩身部８に対してそれぞれ１個のカップ１を置き、これらカップ１に対し、単一の吸引ポンプに接続されたホースを順次着脱しながら減圧してセットしてゆくことができる。逆止弁１６の詳細な構造については後述する。
【００１２】
また、パイプ１４の近傍には突起（破壊部）２４が頂部６と一体に突設されている。この突起２４は、吸引後に、折り曲げることにより頂部６の薄肉部（破壊部）３５を破壊して減圧を解除するためのものであるが、詳細構造については後述する。
【００１３】
次に、逆止弁１６の構造について詳細に説明する。図２は、逆止弁１６を示す頂部６の部分断面図であり、図２（Ａ）は図１に示す逆止弁１６を、図２（Ｂ）は、他の実施形態の逆止弁を、図２（Ｃ）はさらに別の実施形態の逆止弁を夫々示す。図２（Ａ）に示すようにパイプ１４内には小孔１２ａを有する隔壁２６が形成されている。この隔壁２６上には、円板状の弁体１６ａが取り付けられている。この弁体１６ａは、その一端が隔壁２６に取り付けられており、減圧時に隔壁２６に張り付いて小孔１２ａを塞ぐ閉鎖位置と、吸引時に図２（Ａ）に示すように内部の空気が外側に通過可能な開位置との間を矢印２８で示すように移動可能になっている。パイプ１４の先端部には、ねじ３２が形成され、このねじ３２にリム３０が螺合して弁体１６ａを保護している。パイプ１４の外周には、通常、図示しないチューブ或いはホースが取り付けられて、吸引装置に接続されて、カップ１の内部４２の空気を減圧するように構成されている。この構成については、任意の公知の手段をとりうるので、詳細な説明は省略する。
【００１４】
次に、図２（Ｂ）に示す他の実施形態の逆止弁１７について説明する。図２（Ａ）に示す実施形態と異なる点は、弁体１７ａが、図２（Ａ）と同様な円板状であるが、隔壁２６とリム３０間に遊動するよう配置されている点である。この弁体１７ａは、内部４２の空気を吸引されるときは、弁体１７ａが浮遊して図２（Ｂ）に矢印１９で示すように、空気通路が確保される。吸引を停止してホースを引き抜くと弁体１７ａは、内部４２が減圧されているので隔壁２６に張り付いて内部４２を減圧状態に維持する。
【００１５】
次に図２（Ｃ）に示すさらに別の実施形態について説明する。この実施形態では、頂部６に外方に向け凹所３３が形成された円錐形の突出部３１が頂部６と一体に形成されている。凹所３３内は、環状の段部３３ａおよび３３ｂを有すると共に貫通孔３７と連通している。段部３３ｂの外周には、環状溝３９が形成されている。段部３３ｂには、比較的柔軟なスポンジ状の樹脂で形成された円板形の弁体４１が配置される、そして段部３３ａには、孔４３を有する円板状の蓋４５が、凹所３３の内壁面３３ｃに圧入されて固定される。吸引時には弁体４１が僅かに上方に移動して、空気通路が矢印４６で示すように確保され、空気が減圧された後、図示しないホースを引き抜くと弁体４１は段部３３ｂに押しつけられて、内部４２は減圧状態に維持される。
【００１６】
次に、図３を参照して減圧を解除するための突起２４について説明する。図３（Ａ）は、図１に示す突起２４を有する頂部６の部分断面図である。図３（Ｂ）は、他の実施形態を示す頂部６の部分断面図である。図３（Ａ）に示すように、突起２４が形成された頂部６には、突起２４の根本に対応する裏面に円形の凹部３４が形成されている。それにより、根本の部分の、頂部６の肉厚が薄くなっている。この為、突起２４を横方向に押し倒すと、薄肉部３５が破断して、頂部６の孔を穿設して、カップ１の内部と外部が同じ気圧になる。即ち、内部が減圧されているときは、減圧が解除されてカップ１を容易に被痩身部８から取り外すことができる。また、図３（Ｂ）は、突起２４と位置ずれさせた凹部３６を示す。この場合は、突起２４を矢印３８の方に押圧すると、薄肉部４０が破断するようになっている。上記実施形態の凹部３４、３６は円形の凹部であるが、正方形或いは長方形等の他の任意の形状の凹部とすることができる。
【００１７】
次に図４から図６を参照して、他の実施形態のカップについて説明する。図４は、他の実施形態のカップ５０の正面図、図５は図４のカップ５０の側面図、図６は図４のカップ５０の底面図を夫々示す。なお、説明にあたり、図１と同じ部品については、同じ参照番号を付して説明する。カップ５０は前述の実施形態のカップ１と同様に釣鐘状の本体５３を有し、底部に開口端部５５を有し、頂部５６には逆止弁１６および凸部即ち突起２４が形成されている点は、前述の実施形態と同様である。図１に示した実施形態と異なる点は、本体５３が、図１に示す本体３よりも薄肉の材料で成形され、且つ前後に開口端部５５から上方に向けて本体５３の内面に短い溝５８が形成されている点である。これを底面からみると、図６に示すように溝５８はカップ５０の中心を挟んで対向するように配置されている。
【００１８】
このように構成されたカップ５０を使用状態を図７に示す。図７は図４に示すカップ５０の使用状態を示す斜視図である。減圧すると、溝５８の左右の部分は矢印６０で示すように大気圧により力を受けて凹む。吸引された被痩身部８は、このように本体５３が凹むことにより、両側から押圧されて皮下脂肪を効果的に拡散することができる。この実施形態でも、突起２４を折り曲げて減圧を解除することにより、カップ５０を容易に取り外すことができる。
【００１９】
また、図８に示すように溝５８の数を増やすこともできる。図８は、溝５８を３カ所に形成したカップ７０の底面図を示す。溝５８が３カ所に設けられているので、減圧したときに、開口端部６５は仮想線で示すように略３角形状に内方に潰れるので、この間の被痩身部８は、３方向から押圧されて、一層痩身効果が増大する。この溝５８の数、或いは形成する円周方向の位置については、種々の変形、変更例が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の使い捨て痩身用吸引カップの第１の実施の形態を示す縦断面図
【図２】逆止弁を示す頂部の部分断面図であり、（Ａ）は図１に示す逆止弁を、（Ｂ）は、他の実施形態の逆止弁を、（Ｃ）はさらに別の実施形態の逆止弁を夫々示す
【図３】減圧を解除するための突起を示し、（Ａ）は、図１に示す突起を有する頂部の部分断面図、（Ｂ）は、他の実施形態を示す頂部の部分断面図図である。
【図４】他の実施形態の使い捨て痩身用吸引カップの正面図、
【図５】図４の使い捨て痩身用吸引カップの側面図
【図６】図４の使い捨て痩身用吸引カップの底面図
【図７】図４に示す使い捨てカップの使用状態を示す斜視図
【図８】溝を３カ所に形成した、別の実施形態を示す使い捨て痩身用吸引カップの底面図
【符号の説明】
１、５０、７０ 使い捨て痩身用吸引カップ
８ 被痩身部
２４ 突起（破壊部）
３５、４０ 薄肉部（破壊部）

Claims (2)

1. 被痩身部に密着される開口端部を備え、内部の減圧により前記被痩身部を吸引するように構成された痩身用吸引カップにおいて、
   該痩身用吸引カップが、該吸引カップの外表面に、吸引後、折り曲げにより前記吸引カップの表面の一部を破壊し、前記内部の減圧を解除して前記吸引カップを前記被痩身部から取り外し可能とする、該吸引カップの外表面と一体に形成された破壊部を有することを特徴とする使い捨て痩身用吸引カップ。
2. 前記破壊部が、前記吸引カップの外表面に形成された突起と、該突起の根本近傍の前記吸引カップに形成された、前記突起の折曲げにより破壊される薄肉部から構成されてなることを特徴とする請求項１記載の使い捨て痩身用吸引カップ。

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