JP3770056B2 - 自動変速機の変速ショック軽減装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、常用の変速パターンとは別の変速パターンを有し、これら変速パターンを走行条件に応じ自動的に切り換えて選択し、選択された変速パターンに基づき摩擦要素の締結切り換えにより変速を行うようにした自動変速機の変速ショック軽減装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機は通常、例えば日産自動車(株)発行「RE4RO1A 型オートマチックトランスミッション整備要領書」(A261CO7) に記載の如く、複数の遊星歯車組を具え、これら遊星歯車組を経由する入出力軸間の伝動経路(変速段)を油圧クラッチや油圧ブレーキなど各種摩擦要素の選択的締結作動により決定し、摩擦要素の締結・解放切換えにより他の変速段への変速を行うよう構成するのが普通である。
【0003】
ここで上記の変速に当たっては、上記文献にも記載されている通り、予定の変速パターンをもとに現在の運転状態に好適な変速段を求め、これへの変速が行われるよう摩擦要素の締結切り換えを実行するのが普通である。
ところで上記予定の変速パターンは当然、最も一般的な走行路面である平坦路での走行を念頭において予め求めておくため、当該常用の変速パターンのみに基づく変速制御では、登坂路での走行中においてトルク不足によりきびきびした走行ができなかったり、車両の制動時においてエンジンブレーキ不足によりブレーキペダルを頻繁に踏まなければならなかったりする弊害を生ずる。
【0004】
そこで従来、例えば特許第2685273号掲載公報に記載のごとく、常用される第1の変速パターンのほかに、これよりも低速段選択傾向に設定した第2の変速パターンを付加し、登坂路走行中は変速パターンを自動的に第1の変速パターンから第2の変速パターンに選択切り換えして当該第2の変速パターンに基づき変速制御を行うようにした自動変速機が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かように常用の変速パターンと第2の変速パターンとを切り換え使用する自動変速機においては、第2の変速パターンに切り換えられている間、通常とは異なるアクセルペダル踏み込み量や車速などの運転条件で変速が発生することから、また、常用の変速パターンから第2の変速パターンへの上記した切り換えが自動的になされて運転者がこれを感知し得ないこととも相まって、運転者にとっては予期し得ない時に発生する予想外の変速となることとなり、同じ変速でも第2の変速パターンに基づく変速時のショックは常用の変速パターンに基づく変速時のショックよりも大きく感じる傾向にある。
【0006】
しかるに従来は、変速パターンが切り替わっても変速ショック軽減操作は同じように実行するのが常套であり、変速ショック対策の操作量が、常用の変速パターンに基づく変速時も第2の変速パターンに基づく変速時も同じである。
これがため、後者の第2の変速パターンに基づく変速時に運転者が感じる変速ショックを十分に軽減することができず、変速ショック軽減対策として不十分であることを確かめた。
【0007】
請求項1に記載の第1発明は、変速ショック軽減用の操作量を第2の変速パターンに基づく変速時に大きくすることで上記の問題解決を実現した自動変速機の変速ショック軽減装置を提案することを目的とする。
【0008】
請求項2に記載の第2発明は、動力源のトルク低下により変速ショックを軽減する場合において上記第1発明と同じ作用効果を達成し得るようにした自動変速機の変速ショック軽減装置を提案することを目的とする。
【0009】
請求項3に記載の第3発明は、摩擦要素の締結圧を低下させることにより変速ショックを軽減する場合において上記第1発明と同じ作用効果を達成し得るようにした自動変速機の変速ショック軽減装置を提案することを目的とする。
【0010】
請求項4に記載の第4発明は、自動変速機の入出力回転数比もしくは入力回転数が所定の変化率で変化するよう摩擦要素の締結圧を過渡制御することにより変速ショックを軽減する場合において上記第1発明と同じ作用効果を達成し得るようにした自動変速機の変速ショック軽減装置を提案することを目的とする。
【0011】
請求項5に記載の第5発明は、路面勾配が上り勾配に切り替わる時に必要な駆動トルクを出力可能となるような変速パターンの切り換えを可能にし、併せて当該変速パターンの切り換え時に上記第1発明と同じ作用効果を達成し得るようにした自動変速機の変速ショック軽減装置を提案することを目的とする。
【0012】
請求項6に記載の第6発明は、車両の制動時において所定のエンジンブレーキが得られるような変速パターンの切り換えを可能とし、併せて当該変速パターンの切り換え時に上記第1発明と同じ作用効果を達成し得るようにした自動変速機の変速ショック軽減装置を提案することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
これらの目的のため、先ず第1発明による自動変速機の変速ショック軽減装置は、
常用される第1の変速パターンと、該第1の変速パターンとは異なる運転条件で変速が発生する第2の変速パターンとを運転条件に応じて自動的に選択され、該選択された変速パターンに基づき摩擦要素の締結切り換えによって変速を行うようにした自動変速機において、
前記変速時に生ずる変速ショックを軽減するための操作量を、前記第1の変速パターンに基づく変速時よりも前記第2の変速パターンに基づく変速時に大きくするよう構成したことを特徴とするものである。
【0014】
第2発明による自動変速機の変速ショック軽減装置は、第1発明において、
変速時に自動変速機の前段における動力源のトルクを低下させることにより変速ショックを軽減するようになし、該動力源トルクの低下量を、前記第1の変速パターンに基づく変速時よりも前記第2の変速パターンに基づく変速時に大きくするよう構成したことを特徴とするものである。
【0015】
第3発明による自動変速機の変速ショック軽減装置は、第1発明または第2発明において、
変速時に前記摩擦要素の締結圧を低下させることにより変速ショックを軽減するようになし、該締結圧の低下量を、前記第1の変速パターンに基づく変速時よりも前記第2の変速パターンに基づく変速時に大きくするよう構成したことを特徴とするものである。
【0016】
第4発明による自動変速機の変速ショック軽減装置は、第1発明または第2発明において、
変速時に自動変速機の入出力回転数比もしくは入力回転数が所定の変化率で変化するよう前記摩擦要素の締結圧を過渡制御することにより変速ショックを軽減するようになし、該所定の変化率を、前記第1の変速パターンに基づく変速時よりも前記第2の変速パターンに基づく変速時に小さくするよう構成したことを特徴とするものである。
【0017】
第5発明による自動変速機の変速ショック軽減装置は、第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、
路面勾配が設定以上の上り勾配に切り替わる時に第1の変速パターンから第2の変速パターンに選択を切り換えられ、第2の変速パターンを第1の変速パターンよりも低速段選択傾向な変速パターンとしたことを特徴とするものである。
【0018】
第6発明による自動変速機の変速ショック軽減装置は、第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、
車両が設定以上の制動状態になる時に第1の変速パターンから第2の変速パターンに選択を切り換えられ、第2の変速パターンを第1の変速パターンよりも低速段選択傾向な変速パターンとしたことを特徴とするものである。
【0019】
【発明の効果】
常用される第1の変速パターンと第2の変速パターンとは運転条件に応じて自動的に選択され、自動変速機は、当該選択された変速パターンに基づき摩擦要素の締結切り換えによって変速を行う。
ところで第1発明においては、上記の変速時に生ずる変速ショックを軽減するための操作量を、第1の変速パターンに基づく変速時よりも第2の変速パターンに基づく変速時に大きくする。
【0020】
これがため、第2の変速パターンに切り換えられている間は常用される第1の変速パターンに基づく変速時とは異なる運転条件で予想外に変速が発生するため変速ショックを大きく感じる傾向にあるといえども、この傾向をなくすほどに確実に変速ショックを軽減することができることとなり、第2の変速パターンに基づく変速時のショックも、第1の変速パターンに基づく変速時と同様に軽減することができる。
【0021】
第2発明においては、変速時に動力源のトルク低下により変速ショックを軽減するようになし、該動力源のトルク低下量を、第1の変速パターンに基づく変速時よりも第2の変速パターンに基づく変速時に大きくするため、
動力源のトルク低下により高応答に変速ショックを軽減する場合において上記第1発明と同じ作用効果を達成することができる。
【0022】
第3発明においては、変速時に前記摩擦要素の締結圧を低下させることにより変速ショックを軽減するようになし、該締結圧の低下量を、第1の変速パターンに基づく変速時よりも第2の変速パターンに基づく変速時に大きくするため、
摩擦要素の締結圧を低下させることにより変速ショックを軽減する場合において上記第1発明と同じ作用効果を達成することができる。
【0023】
第4発明においては、変速時に自動変速機の入出力回転数比もしくは入力回転数が所定の変化率で変化するよう摩擦要素の締結圧を過渡制御することにより変速ショックを軽減するようになし、該所定の変化率を、第1の変速パターンに基づく変速時よりも第2の変速パターンに基づく変速時に小さくするため、
自動変速機の入出力回転数比もしくは入力回転数が所定の変化率で変化するよう摩擦要素の締結圧を過渡制御することにより変速ショックを軽減する場合において上記第1発明と同じ作用効果を達成することができる。
【0024】
第5発明においては、上記の変速パターン切り換えを、路面勾配が設定以上の上り勾配に切り替わる時に第1の変速パターンから第2の変速パターンに選択を切り換えられるパターン切り換えとし、第2の変速パターンを第1の変速パターンよりも低速段選択傾向な変速パターンとしたため、
路面勾配が上り勾配に切り替わる時に必要な駆動トルクを上記変速パターンの切り換えにより出力可能にしつつ、当該変速パターンの切り換え後も運転者が変速ショックを大きく感ずることがないようにし得る。
【0025】
第6発明においては、前記のパターン切り換えを、車両が設定以上の制動状態になる時に第1の変速パターンから第2の変速パターンに選択を切り換えられるパターン切り換えとし、第2の変速パターンを第1の変速パターンよりも低速段選択傾向な変速パターンとしたため、
車両の制動時において要求される所定のエンジンブレーキを上記の変速パターン切り換えにより達成しつつ、当該変速パターン切り換え後も運転者が変速ショックを大きく感ずることのないようにし得る。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態になる自動変速機の変速ショック軽減装置を具えた車両のパワートレーンとその制御系を示すもので、該パワートレーンを動力源としてのエンジン1と自動変速機2とのタンデム結合により構成する。
【0027】
エンジン1は、アクセルペダルに連動して決定されるスロットル開度に応じた出力を発生するよう、エンジンコントローラ3により制御されるものとする。
自動変速機2は、運転者が走行レンジを選択しているとき、コントロールバルブ4に挿置したシフトソレノイド5,6のON,OFFの組み合わせにより、同じくコントロールバルブ4に挿置したライン圧ソレノイド7の駆動デューティDにより決定されるライン圧で油圧クラッチや油圧ブレーキ等の摩擦要素を選択的に締結作動させて予定の変速段を選択し、当該変速段でエンジン回転を出力することができる。
【0028】
シフトソレノイド5,6のON,OFF、およびライン圧ソレノイド7の駆動デューティDはコントローラ8により決定するものとし、これがため該コントローラ8には、
エンジン1のスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ11からの信号と、
車速VSPを検出する車速センサ12からの信号と、
変速機入力回転数Ni を検出する変速機入力回転センサ13からの信号と、
車載のナビゲーションシステム14からの路面勾配(θ)情報と、
車両のブレーキシステムにおけるブレーキ液圧PBを検出するブレーキ液圧センサ15からの信号をそれぞれ入力する。
【0029】
コントローラ8は上記した入力情報を基に、まず図2の制御プログラム実行して図3(a)または(b)の変速パターンを選択し、次いで、当該選択された変速パターンを基に自動変速機2を変速制御すると同時に、本発明が狙いとする図4に示した変速ショック軽減作用を行うものとする。
【0030】
先ず図2の変速パターン選択プログラムを説明するに、ステップ21で路面勾配θが所定以上か否かをチェックし、ステップ22でブレーキ液圧PBが所定圧以上か否かをチェックする。
これらステップにおいて路面勾配θが所定勾配未満で、且つ、ブレーキ液圧PBも所定圧未満であると判定する時、ステップ23において、平坦路を念頭に設定された常用されている図3(a)に例示した第1の変速パターンを選択する。
しかして、ステップ21で路面勾配θが所定勾配以上と判定したり、或いはステップ22でブレーキ液圧PBが所定圧以上であると判定する場合は、ステップ24において、図3(a)に例示した第1の変速パターンよりも各変速線が高車速側に位置して低速段選択傾向とした図3(b)に示す第2の変速パターンを選択する。
【0031】
なお図3(a),(b)に示す変速パターンはいずれも、通常通り車速VSPおよびスロットル開度TVOの2次元マップ上に各変速線を表示して変速段(第1速〜第4速)領域を規定したものであるが、各変速線はアップシフト線およびダウンシフト線間にヒステリシスを有し、変速制御のハンチングを防止するものとする。
しかし図3では、図面の明瞭を保つためアップシフト線およびダウンシフト線を共通な変速線として図示した。
【0032】
コントローラ8は、上記のようにして選択した変速パターンを基に以下のごとき変速制御を行う。
つまり、センサ11で検出したスロットル開度TVOおよびセンサ12で検出した車速VSPから、上記のように選択した図3(a)に示す第1の常用変速パターンまたは同図(b)に示す第2の変速パターンを基に、現在の運転状態に好適な変速段を求め、この好適変速段と今の選択変速段とが一致しないとき、好適変速段への変速が生起されるようシフトソレノイド5,6のON,OFFを切り換える。
【0033】
ところで当該変速に際して用いる変速パターンとして、路面勾配θが所定勾配以上である場合や、ブレーキ液圧PBが所定圧以上である場合は、図3(a)に示す常用されている第1の変速パターンよりも低速段選択傾向とした図3(b)に示す第2の変速パターンを選択するから、
登坂路において低速段選択傾向となり、登坂路でもきびきびした走行を実現することができると共に、制動中においても低速段選択傾向となり、制動時において要求される所定のエンジンブレーキを達成することができる。
【0034】
コントローラ8は更に、上記の変速中に図4のごとき変速ショック対策を実行する。
つまり、常用の第1変速パターンに基づく変速中は図4(a)に示すごとく、全ての摩擦要素を締結するのに用いる共通なライン圧PLを図5(a)に基づきスロットル開度TVOに応じて決定した通常通りの変速時ライン圧PL1となし、ライン圧PLを変速指令瞬時t1に非変速時の値からΔPL1だけ低下させる。
【0035】
同時にコントローラ8は、変速開始瞬時t2にエンジントルクダウン量ΔTdとして通常通りの小さなΔTd1をセットし、このトルクダウン量ΔTdを図1に示すようにエンジンコントローラ3に指令する。
エンジンコントローラ3は、エンジン1の点火時期を遅らせるなどの操作によりエンジン出力トルクを上記のトルクダウン量ΔTd=ΔTd1だけ低下させる。
【0036】
上記の変速時における自動変速機2のライン圧低下制御により、当該変速時に締結される摩擦要素の締結容量が低下され、また上記の変速時におけるエンジン1のトルクダウン制御により変速ショックの原因である回転イナーシャが低下され、これらにより変速ショックを図4(a)に示す変速機出力トルク波形のごとくに軽減させることができる。
【0037】
ところで、図3(b)に示す第2の変速パターンに基づく変速中は、図4(b)に示すごとくライン圧PLを図5(b)に基づきスロットル開度TVOに応じて決定した第2変速パターン用の変速時ライン圧PL 2となし、ライン圧PLを変速指令瞬時t1に非変速時の値からΔPL 2だけ低下させて変速ショックの軽減を図る。ここで、図5(b)に示す第2変速パターン用の変速時ライン圧PL 2は、同図(a)に示す常用(第1)変速パターン用の変速時ライン圧PL1よりも低くし、第2変速パターン選択時の変速ショック軽減用ライン圧低下量ΔPL 2(変速ショック軽減のための操作量)を、常用(第1)変速パターン選択時の変速ショック軽減用ライン圧低下量ΔPL 1(変速ショック軽減のための操作量)よりも大きくする。
【0038】
更にコントローラ8は図4(b)のごとく、変速開始瞬時t2にエンジントルクダウン量ΔTdとして前記した通常のΔTd1よりも大きなΔTd2をセットし、このトルクダウン量ΔTdを図1に示すようにエンジンコントローラ3に指令する。
エンジンコントローラ3は、エンジン1の点火時期を遅らせるなどの操作によりエンジン出力トルクを上記のトルクダウン量ΔTd=ΔTd2だけ低下させ、変速ショックの原因である回転イナーシャの低下により、これによっても変速ショックの軽減を図ることができ、上記のライン圧低下制御と相まって図4(b)に示す変速機出力トルク波形のごとくに変速ショックを軽減させ得る。
【0039】
ところで本実施の形態においては、第2の変速パターンに基づく変速時において変速ショックを軽減するための操作量(ライン圧低下量ΔPL 2およびトルクダウン量ΔTd2)を、常用(第1)変速パターンに基づく変速時における変速ショック軽減のための操作量(ライン圧低下量ΔPL 1およびトルクダウン量ΔTd1)よりも大きくしたため、
第2の変速パターンに切り換えられている間は常用される第1の変速パターンに基づく変速時とは異なる運転条件で予想外に変速が発生するため変速ショックを大きく感じる傾向にあるといえども、この傾向をなくすほどに確実に変速ショックを軽減することができることとなり、第2の変速パターンに基づく変速時のショックも、第1の変速パターンに基づく変速時と同様に軽減することができる。
【0040】
なお上記した実施の形態においては、摩擦要素の締結容量を低下させて変速ショックを軽減するに当たり、変速時に摩擦要素の締結元圧であるライン圧PLを低下させて摩擦要素の締結圧を操作する場合について説明したが、この代わりに特開平10−238620号公報に記載のごとく、変速機入力回転数Niと変速機出力回転数(車速VSPから算出し得る)との間における変速機入出力回転数比が所定の変化率で変化するよう、若しくは、変速中における変速機出力回転数を一定と見なして変速機入力回転数Niが所定の変化率で変化するよう、摩擦要素の締結圧を直接的に過渡制御する(摩擦要素の締結速度を低下させる)ことにより変速ショックを軽減する場合においても本発明による対策は同様の考え方により適用し得る。
【0041】
この場合、図4(a),(b)における変速機入力回転数Niの時間変化割合から明らかなように上記所定の変化率を、常用(第1)の変速パターンが選択されている時よりも第2の変速パターンが選択されている時に小さくし、第2の変速パターンが選択されている時は当該小さな変化率で変速機入出力回転数比、若しくは変速機入力回転数Niが変化するよう、摩擦要素の締結圧を直接的に過渡制御する(摩擦要素の締結速度を大きく低下させる)ことにより変速ショックの軽減を実現する。
【0042】
本実施の形態においても、第2の変速パターンに基づく変速時において変速ショックを軽減するための操作量(摩擦要素の締結速度低下量)を、常用(第1)変速パターンに基づく変速時における変速ショック軽減のための操作量よりも大きくしたため、
第2の変速パターンに切り換えられている間は常用される第1の変速パターンに基づく変速時とは異なる運転条件で予想外に変速が発生するため変速ショックを大きく感じる傾向にあるといえども、この傾向をなくすほどに確実に変速ショックを軽減することができることとなり、第2の変速パターンに基づく変速時のショックも、第1の変速パターンに基づく変速時と同様に軽減することができる。
【0043】
なお上記いずれの実施の形態においても、低速段選択傾向の第2の変速パターンとして図3(b)に示すように全ての変速線を高車速側にずらせた変速パターンを用意したが、この代わりに最高速段(図3では第4速)が選択されることのない変速パターンを第2の変速パターンにしてもよい。
ところで最高速段が選択されることのない変速パターンを第2の変速パターンにした場合、最高速段よりも1段低速側の変速段(第3速)でトルクコンバータのロックアップを禁止するようにして、第2の変速パターンが選択されている間において変速ショック低減量を大きくすべきであるという要求を一層確実に満足させるようにするのがよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になる自動変速機の変速ショック軽減装置を具えた車両用パワートレーンを、その制御系とともに示す概略説明図である。
【図2】 同実施の形態における変速機コントローラが、変速パターンを選択するために実行するプログラムを示すフローチャートである。
【図3】 2種類の変速パターンを例示し、
(a)は、平坦路走行を念頭において設定した、常用されている第1の変速パターンを示す変速線図、
(b)は、登坂路や車両制動時を念頭において設定した第2の変速パターンを示す変速線図である。
【図4】 図1に示す制御系における変速機コントローラおよびエンジンコントローラが実行する変速ショック軽減作用を示し、
(a)は、常用の第1変速パターンが選択されている間における変速ショック軽減作用の動作タイムチャート、
(b)は、第2変速パターンが選択されている間における変速ショック軽減作用の動作タイムチャートである。
【図5】 変速ショック軽減用に定めた変速時ライン圧の変化特性を示し、
(a)は、常用の第1変速パターンが選択されている間における変速時ライン圧の変化特性図、
(b)は、第2変速パターンが選択されている間における変速時ライン圧特性の変化特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン(動力源)
2 自動変速機
3 エンジンコントローラ
4 コントロールバルブ
5 シフトソレノイド
6 シフトソレノイド
7 ライン圧ソレノイド
8 変速機コントローラ
11 スロットル開度センサ
12 車速センサ
13 変速機入力回転センサ
14 ナビゲーションシステム
15 ブレーキ液圧センサ
Claims (6)
- 常用される第1の変速パターンと、該第1の変速パターンとは異なる運転条件で変速が発生する第2の変速パターンとを運転条件に応じて自動的に選択され、該選択された変速パターンに基づき摩擦要素の締結切り換えによって変速を行うようにした自動変速機において、
前記変速時に生ずる変速ショックを軽減するための操作量を、前記第1の変速パターンに基づく変速時よりも前記第2の変速パターンに基づく変速時に大きくするよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。 - 請求項1において、変速時に自動変速機の前段における動力源のトルクを低下させることにより変速ショックを軽減するようになし、該動力源トルクの低下量を、前記第1の変速パターンに基づく変速時よりも前記第2の変速パターンに基づく変速時に大きくするよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。
- 請求項1または2において、変速時に前記摩擦要素の締結圧を低下させることにより変速ショックを軽減するようになし、該締結圧の低下量を、前記第1の変速パターンに基づく変速時よりも前記第2の変速パターンに基づく変速時に大きくするよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。
- 請求項1または2において、変速時に自動変速機の入出力回転数比もしくは入力回転数が所定の変化率で変化するよう前記摩擦要素の締結圧を過渡制御することにより変速ショックを軽減するようになし、該所定の変化率を、前記第1の変速パターンに基づく変速時よりも前記第2の変速パターンに基づく変速時に小さくするよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1項において、路面勾配が設定以上の上り勾配に切り替わる時に第1の変速パターンから第2の変速パターンに選択を切り換えられ、第2の変速パターンを第1の変速パターンよりも低速段選択傾向な変速パターンとしたことを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1項において、車両が設定以上の制動状態になる時に第1の変速パターンから第2の変速パターンに選択を切り換えられ、第2の変速パターンを第1の変速パターンよりも低速段選択傾向な変速パターンとしたことを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。
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