JP3458708B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

Info

Publication number
JP3458708B2
JP3458708B2 JP13637398A JP13637398A JP3458708B2 JP 3458708 B2 JP3458708 B2 JP 3458708B2 JP 13637398 A JP13637398 A JP 13637398A JP 13637398 A JP13637398 A JP 13637398A JP 3458708 B2 JP3458708 B2 JP 3458708B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle speed
shift
range
ahead
deceleration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP13637398A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11325231A (ja
Inventor
明裕 牧山
理 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP13637398A priority Critical patent/JP3458708B2/ja
Publication of JPH11325231A publication Critical patent/JPH11325231A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3458708B2 publication Critical patent/JP3458708B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の変速
制御装置に関し、特に、車両の減速時における変速制御
技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は、例えば日産自動車(株)
が昭和62年3月に発行した「NISSAN RE4R
01A型 フルレンジ電子制御オートマチックトランス
ミッション整備要領書」(A261C07)に記載のよ
うに、運転者がシフトレバーによりマニュアルバルブを
自動変速(D)レンジや、2速エンジンブレーキ(I
I)レンジや、1速エンジンブレーキ(I)レンジのよ
うな前進走行レンジにしている間、クラッチや、ブレー
キ等の複数の変速用摩擦要素を選択的に締結させること
により歯車伝動系の動力伝達経路(変速段)を決定し
て、当該選択変速段で入力軸から出力軸への動力伝達が
可能な状態となり、また、締結する摩擦要素を切り換え
ることにより他の変速段への変速を行うよう構成する。
【0003】ここで選択すべき変速段を決定するに当た
っては通常、上記の文献にも記載されているが、図4〜
図6に例示するような、少なくとも車速VSP(通常
は、これとスロットル開度TVOの組み合わせ)を条件
として予めレンジごとに設定された変速パターン(実線
がアップシフト変速線、破線がダウンシフト変速線)に
基づく変速判断により、選択すべき変速段を決定するの
が常套である。
【0004】ところで、かようにして決定された変速段
への変速に際しては、複数のシフトバルブをストローク
させて油路を切り換え、これにより締結する摩擦要素を
変更することで当該決定変速段への変速を行うことか
ら、変速判断により選択すべき変速段を決定して実際に
この変速段への変速が行われるまでの間に変速応答遅れ
が発生するのを免れない。従って、変速判断は変速線に
より定めた通りのスケジュールでなされるものの、比較
的急な加速や減速を行っている間においては実際の変速
が変速線により定めた車速で行われ得ず当該加減速の状
態により様々に異なってしまい、実際の変速は変速線に
より定めたスケジュール通りに発生せず、運転者に違和
感を与える。
【0005】この傾向は、車速の時間変化割合を大きく
なし得る急減速中において特に顕著となり、上記の違和
感が許容できないほどのものとなる。そこで従来、特開
平3−103661号公報に記載のごとく車両の減速時
は、実車速よりも車両減速度に応じた低車速側の先読み
車速を求め、この先読み車速によって上記の変速線に基
づく変速判断を行うようにした変速制御技術が提案され
た。この変速制御によれば、減速時に変速応答遅れを見
込んで早期に変速判断がなされることとなり、減速に伴
う実際のダウンシフトが、変速線で定めたスケジュール
よりも低車速において発生するのを防止することができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、IIレンジ
や、Iレンジではそれぞれ図5および図6に示すよう
に、図4に示すDレンジ(OD禁止状態も含む)用の変
速パターンとの比較から明らかなごとく、ダウンシフト
(3→2,2→1)変速線をDレンジの対応するダウン
シフト変速線よりも高車速側にずらしてエンジンブレー
キ用変速段(第2速、第1速)ができるだけ長く選択さ
れるよう変速パターンを設定する。しかして、ダウンシ
フト(3→2,2→1)変速線を高車速側にずらすと必
然的にエンジン回転数が上昇することとなり、従って、
IIレンジや、Iレンジのダウンシフト(3→2,2→
1)変速線を高車速側にずらすに際しては、これらをエ
ンジンの過回転が生じない範囲でぎりぎりまで高車速側
にずらすのが普通である。
【0007】これがため、IIレンジや、Iレンジでも
前記先読み車速による変速判断を行うと、ダウンシフト
変速線をエンジンの過回転が生じない範囲でぎりぎりま
で高車速側にずらしているにもかかわらず、先読み車速
による変速判断でダウンシフトが早期に(車速が高い時
に)実行されることとなり、それだけエンジンの過回転
を生ずる可能性が高くなるという問題が有った。
【0008】請求項1に記載の第1発明は、ダウンシフ
ト変速線が高車速側にずれたレンジで先読み車速による
変速判断を行う場合の上記問題を解消した自動変速機の
変速制御装置を提案することを目的とする。
【0009】請求項2に記載の第2発明は、第1発明に
おいて、ダウンシフト変速線が高車速側にずれたレンジ
以外のレンジでの先読み車速に基づく従来通りの変速判
断を可能にした自動変速機の変速制御装置を提案するこ
とを目的とする。
【0010】請求項3に記載の第3発明は、先読み車速
が許容範囲を超えて低下する弊害をなくした自動変速機
の変速制御装置を提案することを目的とする。
【0011】請求項4に記載の第4発明は、先読み車速
の許容下限値を選択変速段ごとに好適値にし得るように
した自動変速機の変速制御装置を提案することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】これら目的のため、先ず
第1発明による自動変速機の変速制御装置は、少なくと
も車速を条件として予め設定された、レンジごとの変速
線に基づく変速判断により変速を行う自動変速機に用い
られ、車両の減速時は、実車速よりも低車速側の先読み
車速によって前記変速線に基づく変速判断を行うように
した自動変速機の変速制御装置において、前記レンジの
うち、ダウンシフト変速線が高車速側にずれたレンジで
は、減速時でも前記先読み車速によらず、実車速により
前記変速判断を行うよう構成したことを特徴とするもの
である。
【0013】また第2発明による自動変速機の変速制御
装置は、第1発明において、前記先読み車速を車両減速
度に応じて求め、ダウンシフト変速線が高車速側にずれ
たレンジ以外のレンジで、先読み車速が、実車速から設
定値を差し引いて求めた限界車速以上である通常減速時
は、前記先読み車速に基づいて前記変速判断を行うよう
構成したことを特徴とするものである。
【0014】第3発明による自動変速機の変速制御装置
は、第2発明において、前記車両減速度に応じて求めた
先読み車速が、実車速から設定値を差し引いて得られる
限界車速未満になる急減速時は、実車速から、前記設定
値よりも小さな一定車速を差し引いて求めた先読み車速
許容下限値を前記先読み車速とするよう構成したことを
特徴とするものである。
【0015】第4発明による自動変速機の変速制御装置
は、上記第3発明において、前記一定車速を選択変速段
ごとに異ならせたことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の効果】第1発明において自動変速機は、レンジ
ごとに少なくとも車速を条件として予め設定された変速
線に基づく変速判断により変速を行い、車両の減速時
は、実車速よりも低車速側の先読み車速によって上記変
速線に基づく変速判断を行う。よって、減速時は変速応
答遅れを見込んで早期に変速判断がなされることとな
り、減速に伴う実際のダウンシフトが、変速線で定めた
スケジュールよりも低車速において発生するのを防止す
ることができる。これがため、車両減速度の如何にかか
わらず実際の変速を常時、変速線により定めたスケジュ
ール通りの車速で変速を行わせることができ、車両の減
速時にその減速程度に応じ実際の変速が種々の車速で生
起するという問題を回避することができる。
【0017】そして第1発明においては特に、上記レン
ジのうち、ダウンシフト変速線が高車速側にずれたレン
ジでは、減速時でも前記先読み車速によらず、実車速に
より前記変速判断を行うことから、当該レンジでの減速
時に先読み車速による変速判断を行うと、前記したごと
く減速に伴うダウンシフトが早期に発生し、当該レンジ
ではダウンシフト変速線をエンジンの過回転が生じない
範囲でぎりぎりまで高車速側にずらすのが常套であるこ
ともあって、絶対に避けたいエンジンの過回転が生じ易
いところながら、第1発明においてはかかるエンジンの
過回転を確実に皆無にすることができるという作用効果
が得られる。
【0018】第2発明においては、先読み車速を車両減
速度に応じて求め、ダウンシフト変速線が高車速側にず
れたレンジ以外のレンジで、先読み車速が、実車速から
設定値を差し引いて求めた限界車速以上である通常減速
時は、先読み車速に基づいて前記変速判断を行うため、
ダウンシフト変速線が高車速側にずれたレンジ以外のレ
ンジでの先読み車速に基づく上記した通りの変速判断が
可能である。
【0019】第3発明においては、上記車両減速度に応
じて求めた先読み車速が、実車速から設定値を差し引い
て得られる限界車速未満になる急減速時は、実車速か
ら、前記設定値よりも小さな一定車速を差し引いて求め
た先読み車速許容下限値を前記先読み車速とするから、
先読み車速が先読み車速許容下限値を超えて低下するこ
とがなくなり、変速判断やエンジンブレーキ用摩擦要素
の締結・解放判定が過度に早くなって、変速が不自然に
なるのを防止することができる。
【0020】第4発明においては、上記第3発明におけ
る一定車速を選択変速段ごとに異ならせるから、先読み
車速許容下限値を変速段ごとに好適値にすることがで
き、如何なる変速段においても第4発明の作用効果を確
実に達成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になる変速制御装置を具えた自動変速機を示し、1は
エンジン、2はトルクコンバータ、3は自動変速機であ
り、エンジン回転はトルクコンバータ2を経て自動変速
機の入力軸4に伝達するものとする。
【0022】自動変速機3は、基本的には前記した日産
自動車(株)発行「RE4R01A型オートマチックト
ランスミッション整備要領書」(A261C07)に記
載されたと同様なものとし、同軸突き合わせ関係に配置
した入出力軸4,5上にフロントプラネタリギヤ組6お
よびリヤプラネタリギヤ組7を載置して具える。
【0023】そして、変速用摩擦要素としてフォワード
クラッチF/C、ハイクラッチH/C、バンドブレーキ
B/B、ローワンウエイクラッチL/OWC、フォワー
ドワンウエイクラッチF/OWC、およびリバースクラ
ッチR/Cを具え、更にローワンウエイクラッチL/O
WCに対し並列的に設けたローリバースブレーキLR/
B、およびフォワードワンウエイクラッチF/OWCに
対し並列的に設けたオーバーランクラッチOR/Cを具
え、これら摩擦要素を選択的に、図2(b)に○印で示
す組み合わせで締結させることにより前進第1速〜第4
速と、後退の変速段を選択し得るものとする。
【0024】なお、ローリバースブレーキLR/Bおよ
びオーバーランクラッチOR/Cに関する図2(b)の
(○)は、第1速〜第3速でエンジンブレーキが必要な
時に(運転者が後述するOD禁止スイッチ13により3
速エンジンブレーキを指令したり、詳しくは後述するシ
フトレバー15を介した図示しないマニュアルバルブの
IIレンジまたはIレンジ選択により2速エンジンブレ
ーキまたは1速エンジンブレーキを指令している時に)
締結させることを示し、これらローリバースブレーキL
R/BおよびオーバーランクラッチOR/Cがそれぞれ
エンジンブレーキ用摩擦要素を構成する。ちなみに第4
速は、図1の場合エンジンブレーキが効くギヤトレーン
であり、第4速のためのエンジンブレーキ用摩擦要素は
存在しない。
【0025】また上記摩擦要素の選択的作動(締結)を
実行するために本実施の形態においては特に、自動変速
機3のコントロールバルブ8に挿置して、シフトソレノ
イドAおよびBと、オーバーランクラッチソレノイド1
0とを設け、コントロールバルブ8には更に、自動変速
機の上記各摩擦要素を締結作動させるための油圧である
ライン圧を制御するためにライン圧ソレノイド11を挿
置して設ける。そして自動変速機3は、シフトソレノイ
ドAおよびBを図2(a)に示すON(ソレノイド圧発
生),OFF(ソレノイド圧消失)の組み合わせとなる
よう制御することにより、対応する前進第1速〜第4速
が選択されるよう図2(b)の締結論理に従って、摩擦
要素F/C,H/C,B/Bを選択的に締結させるもの
とする。
【0026】なお、ローリバースブレーキLR/Bおよ
びリバースクラッチR/Cはそれぞれ、運転者がシフト
レバー15を1速エンジンブレーキ(I)レンジ位置
や、後退走行(R)レンジ位置にする時、これに連動す
るマニュアルバルブ(図示せず)のポートより作動油圧
の供給を受けて所定通りに締結され、第1速でのエンジ
ンブレーキを、ローリバースブレーキLR/Bの締結
と、後述するオーバーランクラッチOR/Cの締結とで
可能にしたり、後退変速段の選択を、ローリバースブレ
ーキLR/BおよびリバースクラッチR/Cの締結で可
能にするものとする。ここでオーバーランクラッチOR
/Cは、上記オーバーランクラッチソレノイド10のO
FF(ソレノイド圧消失)で締結され、オーバーランク
ラッチソレノイド10のON(ソレノイド圧発生)で解
放されるものとする。
【0027】またライン圧ソレノイド11は、ONデュ
ーティの増大により自動変速機のライン圧を上昇させる
ものとする。
【0028】ソレノイドA,B,10のON,OFFお
よびソレノイド11の駆動デューティはコントローラ1
4により決定し、該コントローラには、運転者がシフト
レバー15により選んだ選択レンジ、およびOD(第4
速)禁止スイッチ13からの3速エンジンブレーキ指令
を検知するレンジセンサ16からの信号と、エンジン1
のスロットル開度TVOを検出するスロットル開度セン
サ17からの信号と、車速VSPを検出する車速センサ
18からの信号と、車両の加速度(負値が減速度を表
す)Gを検出する加速度センサ19からの信号と、アク
セルペダルの釈放時にONとなるアイドルスイッチから
の信号と、ブレーキペダルの踏み込み時ONとなるブレ
ーキスイッチ21からの信号とをそれぞれ入力する。
【0029】シフトレバー15およびレンジセンサ16
について補足説明するに、シフトレバー15は前記文献
にも記載の通り周知の、駐車(P)レンジ位置と、後退
走行(R)レンジ位置と、中立(N)レンジ位置と、前
進自動変速(D)レンジ位置と、2速エンジンブレーキ
(II)レンジ位置と、1速エンジンブレーキ(I)レ
ンジ位置とを一直線上に配置されて有する他、Dレンジ
においてOD(第4速)禁止スイッチ13をONする
時、4速への変速を禁止して3速でのエンジンブレーキ
が得られるようにしたものとする。
【0030】レンジセンサ16は、シフトレバー15が
これらレンジ位置のどこに操作されているかを示す信号
をコントローラ14に出力すると共に、OD(第4速)
禁止スイッチ13からの3速エンジンブレーキ指令をコ
ントローラ14に出力するものとする。
【0031】コントローラ14は前進走行中、上記の入
力情報をもとに図3の制御プログラムを実行して本発明
が狙いとする以下の、エンジンブレーキ用摩擦要素(オ
ーバーランクラッチOR/C)の変速時締結・解放制御
を含む変速制御を行うものとする。先ずステップ31に
おいて、レンジセンサ16からの信号をもとに、OD
(第4速)禁止状態を含むDレンジか、それ以外のIレ
ンジまたはIIレンジかを判定する。
【0032】Dレンジならステップ32において、本発
明が狙いとする減速時変速制御を行うべき車速域か否か
を、つまり車速VSPが所定車速VSPS 未満か否かを
判定し、次いでステップ33において、その他の減速時
変速制御を行うべき条件が揃っているか否かを判定す
る。ここでその他の減速時変速制御条件とは、アクセル
ペダルの釈放でアイドルスイッチ20がONされてお
り、且つ、ブレーキペダルが踏み込まれてブレーキスイ
ッチ21がONされており、さらに加えて、センサ19
により検出した車両加速度Gが減速度を表す負値である
ことの3条件を意味し、これら3条件が揃った時に減速
時変速制御を行うこととする。
【0033】ステップ32の車速条件が整わない場合
や、ステップ33の3条件が揃わない時は、ステップ3
4において当該Dレンジ用の図4に例示する変速マップ
中の対応するアップシフト変速線およびダウンシフト変
速線をもとに、車速検出値VSPからアップシフトすべ
きか、ダウンシフトすべきかを決定し、これらアップシ
フト変速判断、およびダウンシフト変速判断に符合する
変速が実行されるよう、つまり図2(b)の締結論理に
もとづき当該変速のための摩擦要素の締結、解放切換え
が行われるよう、図2(a)の論理に基づきソレノイド
A,BのON,OFF切り換えを行う。ただし、OD
(第4速)禁止スイッチ13のONにより3速エンジン
ブレーキ指令を受けている場合、第4速への変速が生じ
ないように変速制御される。
【0034】次いで、当該3速エンジンブレーキ指令が
あればステップ35において、エンジンブレーキ用摩擦
要素(オーバーランクラッチOR/C)の図示せざる締
結領域マップをもとに、車速検出値VSPから当該摩擦
要素の締結・解放判定を行い、判定結果に応じて適宜エ
ンジンブレーキ用摩擦要素(オーバーランクラッチOR
/C)を締結・解放すべくオーバーランクラッチソレノ
イド10をOFF,ON制御することで3速エンジンブ
レーキが得られるようにする。
【0035】ステップ33で減速時変速制御条件が揃っ
ていると判定した場合、ステップ36において、前記し
た特開平3−103661号公報に記載されていると同
じ要領で求め得る、車速検出値VSPよりも車両減速度
Gに応じた低車速側の先読み車速VSPINC をチェック
する。この先読み車速VSPINC が、車速検出値VSP
から設定値ΔVSPL を差し引いた限界車速(VSP−
ΔVSPL )以上である場合(VSP−ΔVSPL ≦V
SPINC <VSP)、つまり通常程度の減速度を生ずる
通常減速時であれば、ステップ37において当該Dレン
ジ用の図4に例示する変速マップ中の対応するアップシ
フト変速線およびダウンシフト変速線をもとに、先読み
車速VSPINCからアップシフトすべきか、ダウンシフ
トすべきかを決定し、これらアップシフト変速判断、お
よびダウンシフト変速判断に符合する変速が実行される
よう、つまり図2(b)の締結論理にもとづき当該変速
のための摩擦要素の締結、解放切換えが行われるよう、
図2(a)の論理に基づきソレノイドA,BのON,O
FF切り換えを行う。
【0036】次いでステップ38において、エンジンブ
レーキ用摩擦要素(オーバーランクラッチOR/C)の
図示せざる締結領域マップをもとに、先読み車速VSP
INCから当該摩擦要素の締結・解放判定を行い、判定結
果に応じて適宜エンジンブレーキ用摩擦要素(オーバー
ランクラッチOR/C)を締結・解放すべくオーバーラ
ンクラッチソレノイド10をOFF,ON制御すること
で選択変速段のエンジンブレーキが得られるようにす
る。
【0037】ところで本実施の形態ではステップ37に
おけるように車両の通常減速時に、実車速VSPよりも
車両減速度Gに応じた低車速側の先読み車速VSPINC
によって変速線に基づく変速判断を行うことから、当該
通常減速時は変速応答遅れを見込んで早期に変速判断が
なされることとなり、減速に伴う実際のダウンシフト
が、変速線で定めたスケジュールよりも低車速において
発生するのを防止することができる。これがため、車両
減速度Gの如何にかかわらず実際の変速を常時、変速線
により定めたスケジュール通りの車速で変速を行わせる
ことができ、車両の減速時にその減速程度に応じ実際の
変速が種々の車速で生起するという問題を回避すること
ができる。
【0038】また本実施の形態では、上記のごとく先読
み車速VSPINC によって変速判断を行う通常減速の場
合、ステップ38におけるようにエンジンブレーキ用摩
擦要素(オーバーランクラッチOR/C)の締結・解放
判定も先読み車速車速VSPINC によって行うため、先
読み車速VSPINC によって変速判断が早期になされる
車両の通常減速時は、エンジンブレーキ用摩擦要素の締
結・解放判定も先読み車速車速VSPINC によって同じ
く早期になされることとなり、減速に伴うダウンシフト
のための変速用摩擦要素の締結が、当該変速時に変速シ
ョック対策のために解放すべきエンジンブレーキ用摩擦
要素(オーバーランクラッチOR/C)の解放よりも先
に行われ、変速ショックが大きくなる可能性を減ずるこ
とができる。
【0039】しかも当該作用効果を、実車速VSPから
先読み車速VSPINC を求める車速の補正のみにより達
成することができ、エンジンブレーキ用摩擦要素(オー
バーランクラッチOR/C)の締結車速を高めるための
補正操作が不要であることから、制御を簡単化し得ると
ともに、制御に要する時間の短縮を図ることができる。
【0040】ステップ36における先読み車速VSP
INC の判定結果がVSPINC <VSP−ΔVSPL とな
る車両の急減速時は、ステップ39でシフトソレノイド
A,BのON,OFFから判定した選択変速段が第1速
または第2速である場合、ステップ40において車速検
出値VSPから上記のΔVSPL よりも小さな第1速ま
たは第2速用の一定車速ΔVSPC1を差し引いて求めた
先読み車速許容下限値(VSP−ΔVSPC1)を先読み
車速とし、これをもとにステップ37におけると同様な
変速判断および変速を行わせる。
【0041】次いでステップ41において、同じ先読み
車速許容下限値(VSP−ΔVSPC1)を先読み車速と
して、これをもとにステップ38におけると同様なエン
ジンブレーキ用摩擦要素(オーバーランクラッチOR/
C)の締結・解放判定および判定結果に基づく締結・解
放を行わせる。
【0042】なおステップ39で判定した選択変速段が
第3速または第4速である場合、ステップ42において
車速検出値VSPから上記のΔVSPL よりも小さな第
3速または第4速用の一定車速ΔVSPC2を差し引いて
求めた先読み車速許容下限値(VSP−ΔVSPC2)を
先読み車速とし、これをもとにステップ37におけると
同様な変速判断および変速を行わせる。次いでステップ
43において、同じ先読み車速許容下限値(VSP−Δ
VSPC2)を先読み車速として、これをもとにステップ
38におけると同様なエンジンブレーキ用摩擦要素(オ
ーバーランクラッチOR/C)の締結・解放判定および
判定結果に基づく締結・解放を行わせる。
【0043】本実施の形態においては、先読み車速VS
INC が(VSP−ΔVSPL )よりも小さくなる急減
速の場合、ステップ40,42におけるように、実車速
VSPから設定値ΔVSPL よりも小さな一定車速ΔV
SPC1,ΔVSPC2を差し引いて求めた先読み車速許容
下限値を先読み車速として変速判断およびエンジンブレ
ーキ用摩擦要素の締結・解放判断に資するから、先読み
車速が上記の先読み車速許容下限値を超えて低下するこ
とがなくなり、変速判断やエンジンブレーキ用摩擦要素
の締結・解放判定が過度に早くなって、変速が不自然に
なるのを防止することができる。
【0044】また、上記の一定車速ΔVSPC1,ΔVS
C2を選択変速段ごとに(第1速および第2速と、第3
速および第4速とで)異ならせるから、先読み車速許容
下限値を変速段ごとに好適値にすることができ、如何な
る変速段においても上記の作用効果を確実に達成するこ
とができる。
【0045】ステップ36における先読み車速VSP
INC の判定結果がVSPINC ≧VSPである場合、車両
が定速走行または加速走行中であって減速時変速制御の
対象外であるから、制御をステップ34,35に進める
ことは勿論である。
【0046】ステップ31において、図5および図6に
破線で示すごとくダウンシフト変速線を図4のDレンジ
用のダウンシフト変速線よりも高車速側にずらしてある
IIレンジおよびIレンジが選択されていると判定する
場合、制御をステップ34,35に進めて、減速時であ
るか否かを問わず、従って減速時でも先読み車速VSP
INC による代わりに、車速検出値VSPによって、図5
および図6の変速パターンに基づく変速判断や、エンジ
ンブレーキ用摩擦要素の締結・解放判定を行うこととす
る。
【0047】ここで、ダウンシフト変速線が高車速側に
ずれたIIレンジおよびIレンジでの減速時に先読み車
速VSPINC による変速判断を行うと、前記したごとく
減速に伴うダウンシフトが早期に発生し、当該レンジで
はダウンシフト変速線をエンジンの過回転が生じない範
囲でぎりぎりまで高車速側にずらすのが常套であること
もあって、絶対に避けたいエンジンの過回転が生じ易く
なるのを免れない。
【0048】しかして本実施の形態においては、IIレ
ンジおよびIレンジで図5および図6の変速パターンに
基づく変速判断を行うに際し、減速時といえども先読み
車速VSPINC によらず、実車速VSPにより変速判断
を行うことから、減速に伴うダウンシフトが早期に発生
しなくすることができ、従って上記した絶対に避けたい
エンジンの過回転を確実に皆無にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になる変速制御装置を
具えた自動変速機の変速制御システム図である。
【図2】 同自動変速機の動作論理図で、(a)は、シ
フトソレノイドのON,OFFと選択変速段との関係を
示す図面、(b)は、選択変速段と摩擦要素の締結との
関係を示す図面である。
【図3】 同自動変速機においてコントローラが実行す
る変速圧制御を示すフローチャートである。
【図4】 Dレンジ用のアップシフト変速線およびダウ
ンシフト変速線を例示する変速パターン図である。
【図5】 IIレンジ用のアップシフト変速線およびダ
ウンシフト変速線を例示する変速パターン図である。
【図6】 Iレンジ用のアップシフト変速線およびダウ
ンシフト変速線を例示する変速パターン図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 トルクコンバータ 3 自動変速機 4 入力軸 5 出力軸 6 フロントプラネタリギヤ組 7 リヤプラネタリギヤ組 8 コントロールバルブ A シフトソレノイド B シフトソレノイド 10 オーバーランクラッチソレノイド 11 ライン圧ソレノイド 13 OD禁止スイッチ 14 コントローラ 15 シフトレバー 16 レンジセンサ 17 スロットル開度センサ 18 車速センサ 19 加速度センサ 20 アイドルスイッチ 21 ブレーキスイッチ F/C フォワードクラッチ(変速用摩擦要素) H/C ハイクラッチ(変速用摩擦要素) B/B バンドブレーキ(変速用摩擦要素) LR/B ローリバースブレーキ OR/C オーバーランクラッチ(エンジンブレーキ用摩擦
要素) L/OWC ローワンウエイクラッチ F/OWC フォワードワンウエイクラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−229145(JP,A) 特開 平10−110816(JP,A) 特開 平3−103661(JP,A) 特開 平4−78370(JP,A) 特開 平10−103494(JP,A) 特開 平9−42438(JP,A) 特開 平10−89455(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/22 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも車速を条件として予め設定さ
    れた、レンジごとの変速線に基づく変速判断により変速
    を行う自動変速機に用いられ、 車両の減速時は、実車速よりも低車速側の先読み車速に
    よって前記変速線に基づく変速判断を行うようにした自
    動変速機の変速制御装置において、 前記レンジのうち、ダウンシフト変速線が高車速側にず
    れたレンジでは、減速時でも前記先読み車速によらず、
    実車速により前記変速判断を行うよう構成したことを特
    徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記先読み車速を車
    両減速度に応じて求め、ダウンシフト変速線が高車速側
    にずれたレンジ以外のレンジで、先読み車速が、実車速
    から設定値を差し引いて求めた限界車速以上である通常
    減速時は、前記先読み車速に基づいて前記変速判断を
    うよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項において、前記車両減速度に応
    じて求めた先読み車速が実車速から設定値を差し引い
    て得られる限界車速未満になる急減速時は、実車速か
    ら、前記設定値よりも小さな一定車速を差し引いて求め
    た先読み車速許容下限値を前記先読み車速とするよう構
    成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項において、前記一定車速を選択
    変速段ごとに異ならせたことを特徴とする自動変速機の
    変速制御装置。
JP13637398A 1998-05-19 1998-05-19 自動変速機の変速制御装置 Expired - Lifetime JP3458708B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13637398A JP3458708B2 (ja) 1998-05-19 1998-05-19 自動変速機の変速制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13637398A JP3458708B2 (ja) 1998-05-19 1998-05-19 自動変速機の変速制御装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003095505A Division JP3912312B2 (ja) 2003-03-31 2003-03-31 自動変速機の変速制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11325231A JPH11325231A (ja) 1999-11-26
JP3458708B2 true JP3458708B2 (ja) 2003-10-20

Family

ID=15173656

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13637398A Expired - Lifetime JP3458708B2 (ja) 1998-05-19 1998-05-19 自動変速機の変速制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3458708B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5193283B2 (ja) 2008-03-13 2013-05-08 ジヤトコ株式会社 自動変速機の制御装置および制御方法
EP2781803A4 (en) * 2011-11-18 2017-03-08 Jatco Ltd Automatic transmission control device

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11325231A (ja) 1999-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7001307B2 (en) Shift control apparatus for vehicular automatic transmission and method thereof
JP2977621B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JPS6084460A (ja) 自動変速機の制御装置
EP0640780B1 (en) Shift control system for automatic transmission
KR20090096346A (ko) 자동 변속기의 변속 제어 장치
JPH09303543A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
KR960007107B1 (ko) 기어식 유단 자동 변속기의 변속제어장치
US5109731A (en) Shift control system and method for automatic transmission
US6878095B2 (en) Automatic-clutch control system of automatic clutch type transmission
JP3912312B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP3458708B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JPS6347940B2 (ja)
JP3770056B2 (ja) 自動変速機の変速ショック軽減装置
JP5050774B2 (ja) 車両の制御装置
JP3494004B2 (ja) マニュアルレンジ付き自動変速機の変速制御装置
KR100383964B1 (ko) 차량용 자동 변속기의 변속 제어 장치 및 방법
JP3458703B2 (ja) 自動変速機のセレクトダウンシフト制御装置
JP4129714B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JPH06270713A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP3619854B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御方法
KR100313793B1 (ko) 자동변속기의정지전4→3다운쉬프트변속제어방법
JPH11294575A (ja) マニュアルレンジ付き自動変速機のロックアップ制御装置
JPH05306762A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP2979448B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
KR0162795B1 (ko) 자동변속기의 제어방법

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030708

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080808

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090808

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100808

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130808

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140808

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term