JP3766738B2 - 半導体レーザ装置の製造方法 - Google Patents

半導体レーザ装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報処理或いは光通信用の光源に適する半導体レーザ装置およびその製造方法に関するものである。更には、光情報処理装置、光通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、実用レベルにおけるFabry-Perot型半導体レーザ装置の高出力特性を図る上では、共振器に非対称な反射率を設けたコーティングを施すことにより、一方の端面より光出力を大きくするという手法が取られている。しかしながら、Fabry-Perot共振器では、端面近傍において共振器内部よりも光密度が大きく、発生した熱エネルギーにより構成する半導体材料が溶融するという端面破壊現象により最高光出力が制限される。
【0003】
この現象に対する対策として、共振器端面部の禁制帯幅を大きくして内部で発生したレーザ光に対して透明とする、いわゆる窓構造を形成する手法が取られている。この方法は最高光出力の改善に有効である。窓構造を設けた高出力半導体レーザとその形成手法については、例えばアイイイイ・ジャーナル・クァンタム・エレクトロニクス1993年29巻6号1874-1879頁(IEEE J. Quantum Electron.1993, vol.29, No.6, pp.1874-1879)において示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の半導体レーザ装置の高出力化を図るための代表的方策、即ち、レーザ共振器端面近傍に不純物を拡散させて禁制帯幅を大きくする、いわゆる窓構造の方法は、半導体レーザ装置の高出力特性は改善されるものの、窓構造を形成する工程中に窓領域の結晶性劣化やこれに伴う特性への悪影響が発生する。この問題を最小限に抑さえる方法について、これまで議論されていない。更に、確実に窓構造の効果を得るための工程チェックや再現性や量産性の向上をみた工夫についても考慮されていない。
【0005】
本発明の第1の目的は、より安定に高出力特性を確保可能な半導体レーザ装置を提供するものである。
【0006】
本発明の第2の目的は、半導体レーザ装置における光導波路層内の光の内部損失を最小源にしつつ、出射光に対する発光端面での吸収を抑えるに有効な構造を提案するものである。
【0007】
本発明の第3の目的は、半導体レーザ装置における出射光に対する窓構造を再現性よく形成する製造方法を提供するものである。
【0008】
本発明の第4の目的は、特性のより安定な光情報処理装置を提供するものである。
【0009】
本発明の第5の目的は、特性のより安定な光通信システムを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の目的、第2及び第3の目的の実現の為、いわゆる窓構造を次の如き構成とする。即ち、本発明では、光情報処理或いは光通信システムの光源として要求されている高出力半導体レーザ装置を得るために、端面破壊レベルに制限されない高出力動作を確保する構造を提供する。更には、こうした窓構造を再現性と量産性に優れた窓構造を提供する手法を考案した。
【0011】
不純物を拡散する手法によって、共振器端面近傍に内部より禁制帯幅を大きくした透明窓構造を設けるが、基本特性を劣化させないために、半導体レーザ装置を構成する導波路構造の内部光損失を顕著に増大させない手法を工夫している。本手法では、不純物を拡散した領域の結晶性を極端に変化させず、所定の禁制帯幅増大をもたらす方法である。この詳細については、後述する。
【0012】
次に、本願発明の主な形態を略述すれば、次の通りである。
【0013】
(1)第1の発明は、半導体レーザの光共振器の少なくとも一方の出射端面に、当該共振器の内部より禁制体幅が大きい半導体領域を有し、前記禁制体幅がその共振器の内部より大きい前記半導体領域は前記光共振器を構成する少なくとも活性層領域の半導体母材に不純物を添加して所望の禁制体幅なる半導体領域であり、前記光共振器の光軸方向とは交差する方向より該活性層領域に沿って拡散させる不純物の拡散方向が、当該活性層領域を結晶成長する結晶面内における不純物拡散速度の大きい方向なることを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0014】
(2)第2の発明は、半導体基板の上部に半導体層にて形成された光共振器が搭載され、この光共振器の少なくとも一方の出射端面部分に、当該光共振器の内部より禁制体幅が大きい半導体領域を有し、前記半導体基板の主面が(100)面方位あるいは(100)面テラス領域を有する半導体基板であり、且つ光共振器の光軸と交差する方向が[100]方向に垂直な方向であり、前記禁制体幅がその共振器の内部より大きい前記半導体領域は前記光共振器を構成する半導体母材に不純物を添加して所望の禁制体幅なる半導体領域であり、且つ当該半導体領域は活性層領域および活性層領域近傍に形成されていることを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0015】
結晶成長用の半導体基板としては、ジンク・ブレンド型のGaAs,InPが用いられる。この場合、半導体基板の主面は(100)面あるいは(100)面テラスを有する結晶面を用いる。また、(100)面より傾斜を持った面では、(100)面から0~54.7°範囲でオフした面方位を有している場合、これらの傾斜角の平均面内に、(100)面テラスを有している。このテラスはオフ・アングルにもよるが、数原子層から数十原子層単位でテラスを構成している。この為、この(100)テラスが、(100)面と同等の役割を果たしている。
【0016】
尚、前記オフ・アングルは、好ましくは(100)面から5~16°範囲でオフした面方位である。
【0017】
一方、光共振器の光軸と交差する前記方向は、(100)面内における[100]方向に垂直な方向、即ち、<110>、<010>およびこれと等価な方向となる。
【0018】
尚、半導体レーザ装置の材料系としては、ウルツ鉱型の半導体材料、例えば、GaN系などが有る。この場合、半導体基板の主面は(0001)面を用い、光共振器の光軸と交差する方向は<1000>、<1、―1、0、0>、<1、1、―2、0>となる。
【0019】
次に、前記禁制体幅がその共振器の内部より大きい前記半導体領域は前記光共振器を構成する半導体母材に不純物を添加して所望の禁制体幅なる半導体領域であり、且つ当該半導体領域は活性層領域および活性層領域近傍に形成されていると説明した。当該不純物を添加し、禁制体幅を大きくするのは、活性層領域の光出力端部にこれを必要とするからである。しかし、一般にこの領域は不純物拡散に依っており、この場合、活性層領域近傍の層の上下領域に若干の拡散を生ずる。 前記不純物を導入したストライプ領域では、該発光活性層の禁制帯幅が発生したレーザ光のエネルギーよりも大きく少なくとも50meV以上の差があり、不純物を導入していない領域に比べて該発光活性層の発光強度はほとんど変化ないか或いは一桁以内の強度減少に抑さえられた窓構造領域を設けてある光導波構造が構成してあるのが好ましい。
【0020】
上記の半導体材料系に関する、主面、オフ・アングル、あるいは不純物の活性層近傍への拡散、窓構造の構成などに関する事項は、以下の各発明においても同様である。
【0021】
(3)第3の発明は、半導体基板の上部に半導体層にて形成された光共振器が搭載され、この光共振器の少なくとも一方の出射端面部分に、当該光共振器の内部より禁制体幅が大きい半導体領域を有し、前記半導体基板の主面が(100)面方位あるいは(100)面テラス領域を有する半導体基板であり、且つ光共振器の光軸と交差する方向が[100]方向に垂直な方向であり、前記禁制体幅がその共振器の内部より大きい前記半導体領域は前記光共振器を構成する半導体母材に不純物を添加して所望の禁制体幅なる半導体領域であり、当該半導体領域は活性層領域および活性層領域近傍に形成されており且つ前記共振器の内部領域の半導体材料は前記共振器端部の禁制体幅を大きくする前記不純物を実質的に含有しないことを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0022】
前述した通り、不純物を導入した半導体領域では、該発光活性層の禁制帯幅が発生したレーザ光のエネルギーよりも大きく少なくとも50meV以上の差があり、不純物を導入していない領域に比べて該発光活性層の発光強度はほとんど変化ないか或いは一桁以内の強度減少に抑さえられた窓構造領域を構成する。従って、本願発明(3)には、この活性層領域に接するあるいはその近傍の半導体層にはこの様な濃度の不純物を含有しないことを意味している。
【0023】
(4)第4の発明は、前記光共振器のの出射端面部分に設けられた光共振器の内部より禁制体幅が大きい前記半導体領域は、当該光共振器の両端部に設けられているのが、高出力の目的でより好ましい。この点も、本願各発明においても同様である。
【0024】
(5)尚、前記光共振器端面部分に設けた所望不純物を含有する半導体窓領域に対して、その上部或いは下部の少なくとも一方に電流非注入領域を有するのが、好ましい。更に、前記この電流注入領域は、光軸方向に前記窓領域の長さよりも長く設けてあり窓領域への電流の回り込みを抑制してあるのが、より好ましい。
(6)第6の発明は、半導体基板の上部に活性層領域と光導波層領域を有するストライプ領域が搭載され、前記活性層領域と光導波層領域は前記ストライプ領域の長手方向に延在し、このストライプ領域の少なくとも一方の出射端面部分に、当該光共振器の内部より禁制体幅が大きい半導体領域を有し、前記禁制体幅がその共振器の内部より大きい前記半導体領域は前記ストライプ領域を構成する半導体母材に不純物を添加して所望の禁制体幅なる半導体領域であり、当該半導体領域は活性層領域および活性層領域近傍に形成されており、且つ当該レーザ光は前記不純物を添加した所望禁制体幅なる半導体領域と前記不純物を実質的に含有しない前記半導体領域を伝搬且つ光増幅せしめ、前記ストライプ領域の少なくとの一方の出射端面部分より外部へ出射することを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0025】
(7)第7の発明は、半導体基板の上部に活性層領域と光導波層領域とを有するストライプ領域が搭載され、前記活性層領域と光導波層領域は前記ストライプ領域の長手方向に延在し、このストライプ領域の少なくとも一方の出射端面部分に、光共振器の内部より禁制体幅が大きい半導体領域を有し、前記半導体基板の主面が(100)面方位あるいは(100)面テラス領域を有する半導体基板であり、且つ光共振器の光軸と交差する方向が[100]方向に垂直な方向であり、前記禁制体幅がその共振器の内部より大きい前記半導体領域は前記光共振器を構成する半導体母材に不純物を添加して所望の禁制体幅なる半導体領域であり、当該半導体領域は活性層領域および活性層領域近傍に形成されており、且つ前記共振器の内部領域の半導体材料は前記共振器端部の禁制体幅を大きくする前記不純物を実質的に含有しないことを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0026】
(8)前記活性層領域は量子井戸構造、多重量子井戸構造、歪多重量子井戸構造、歪補償多重量子井戸構造の群から選ばれた少なくとも一者を有することが好ましい。
【0027】
以下に、本願発明の半導体レーザ装置の製造方法について列挙する。
【0028】
(9)本願の第9の発明によれば、半導体基板の上部に、活性層領域および光導波層領域を有するストライプ領域を形成し、当該ストライプ領域を挟んでその両側に局在する不純物拡散源を設けて、ストライプの方向とは交差する方向より該活性層に沿って不純物を拡散させることにより共振器端面近傍の活性層領域を含むストライプ領域に光共振器の内部より禁制体幅が大きい前記半導体領域を形成することを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法である。
【0029】
(10)本願の第10の発明によれば、半導体基板の上部に、活性層領域および光導波層領域を有するストライプ領域を形成する工程、当該ストライプ領域の光導波層領域の所望部分を局所的に除去する工程、この局所的に除去された部分に不純物拡散源を設ける工程、ストライプの方向とは交差する方向より該活性層に沿って不純物を拡散させることにより共振器端面近傍の活性層領域を含むストライプ領域に光共振器の内部より禁制体幅が大きい前記半導体領域を形成する工程を有することを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法である。
【0030】
(11)本願の第11の発明によれば、半導体基板の上部に、活性層領域および光導波層領域を有するストライプ領域を形成する工程、当該ストライプ領域の光導波層領域および活性層領域の所望部分を局所的に除去する工程、この局所的に除去された部分に少なくとも前記活性層領域端部に接して不純物拡散源を設ける工程、ストライプ領域の長手方向とは交差する方向より該活性層に沿って不純物を拡散させることにより共振器端面近傍の活性層領域を含むストライプ領域に光共振器の内部より禁制体幅が大きい前記半導体領域を形成する工程を有することを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法である。
【0031】
(12)本願の第12の発明によれば、前記ストライプ領域の長手方向とは交差する方向より該活性層に沿って拡散させる不純物の拡散方向が、当該活性層を含むストライプ構造を結晶成長する結晶面内における不純物拡散速度の大きい方向なるとなすものである。
【0032】
(14)本願の各発明によれば、従来品に比較して、低閾値での動作が可能である。従って、より高出力にて、長寿命の安定動作を実現できる。本発明の半導体レーザ装置をもちいた、光情報処理装置、例えば光ディスク装置、あるいは光通信システムのおいても、より高出力にて、長寿命の安定動作を確保することが出来る。
【0033】
【発明の実施の形態】
本願発明の実施例を説明するに先立って、本発明に適用した手法を、更に詳細に説明する。
【0034】
本手法では、次の3つの内容を新規に適用し、共振器端面近傍に窓構造を作製して上記目的を達成している。
【0035】
(1)一つには、不純物拡散源を半導体層に対してパターン化しかつ水平方向から不純物を拡散させる手法を適用した。
【0036】
半導体基板の上部に、活性層領域および光導波層領域を有するストライプ領域を形成し、当該ストライプ領域の近傍に局在する不純物拡散源を設けて、少なくとも該活性層領域に沿って不純物をその内部に拡散させることにより共振器端面近傍の活性層領域を含むストライプ領域に光共振器の内部より禁制体幅が大きい前記半導体領域を形成するものである。より具体的な例をもって以下に説明する。 レーザ素子のストライプ構造に対しては、横方向から不純物を拡散する領域を設けることになる。これは、結晶面として(100)面方位を有するか或いは(100)面テラス領域を有する半導体層に対して、水平方向である<110>或いは<010>方向から不純物を拡散することに相当する。尚、この方位は、半導体レーザ用の材料の多くがが、ジンク・ブレンド型が一般的なのでこの例を基に説明した。ウルツ鉱型の結晶系については前述した通りである。本発明の本質は、前記ストライプ領域の長手方向とは交差する方向より該活性層に沿って拡散させる不純物の拡散方向が、当該活性層を含むストライプ構造を結晶成長する結晶面内における不純物拡散速度の大きい方向なることである。以下、結晶系として、ジンク・ブレンド型の代表例をもって説明する。
【0037】
これらの例について、図1,2及び3により説明する。図1,図2及び図3は、各々素子製造工程における不純物拡散源の配置を示す上面図である。
【0038】
図5および図6は各々拡散源を形成した状態の図で、共振器の光軸に平行な面での断面図である。図5は拡散源を活性層領域に接触させた例、図6は拡散源を活性層をつきぬいてその横に隣接させた例である。これらの図は、図1―3での例えば、A-A',B-B'及びC-C'の線の断面に対応する。
【0039】
各図1―3の上面図に示すように、ストライプ構造101の両側に不純物拡散源102を局所的にパターン化して設けておく。多くの場合、図1または図2にみられるように、この局所的パターンの内部がレーザ光の出射端面に対応する位置になるように設ける。尚、特別な目的の場合、図3に見られるように、この局所的パターンの位置を調整する。各図には共振器長103を明示してある。
【0040】
特別な例以外の一般例では、上述の局所的パターンの水平方向で真中のストライプに目掛けて不純物を拡散させる。この不純物の拡散は、結晶の特性より<110>或いは<010>方向から不純物を拡散させる。こうして、レーザ光の出射端面近傍にのみ不純物を拡散し、もってこの領域のバンド・ギャップを大きくする。
【0041】
この不純物拡散を終えると、素子は、図示されるように、各々A-A',B-B'及びC-C'の線で劈開することにより、窓構造領域が端面部近傍に位置して切り出されることになる。この劈開は前述したように、不純物拡散源の局所パターンの内部の位置で行われる。尚、不純物の拡散を、ストライプの両側から所望領域に横方向に拡散させることによって、濃度勾配の緩やかな状態から横広がりした不純物により、比較的ソフトに活性層構造の無秩序化や混晶化を引き起こすことができる。
【0042】
ここで、図1では拡散源パターンを長方形としており主に<110>方向に不純物を拡散させている。他方、図2のような拡散源パターンではストライプに対して主に<010>方向(図1のA−A‘方向)へ拡散させることになる。
【0043】
ストライプの幅は各半導体レーザ装置の要求に依って異なるが、概ね4μm―7μm程度が実用的で、多用されている。このような例では、前記不純物拡散源の局所的パターンは、このストライプの端部より概ね当該ストライプ幅程度の距離をおいて設置することが多い。又、この局所的パターンの大きさは、窓構造の要求にもよるが、共振器長の方向に概ね15μm−25μm程度を用いる。この不純物濃度としては、3×1017cm-3より1×1019cm-3程度である。共振器長に交差する方向は、特に長さの制限はない。
【0044】
この拡散源としては、ZnO,MgO,BeOなどが好適である。ZnOが濃度制御が容易である。
【0045】
第2の局所的パターンの例は、図2に示すように共振器端面部において最も禁制帯幅の変化も大きくなるようにした例である。図1の拡散源パターンでは、拡散不純物量がストライプの端面部拡散領域においてほぼ一定量であるのに対し、図2の拡散源パターンでは、このパターンのへき開面に対応する部分で、最もストライプに近く設けてある。従って、共振器端面部において最も拡散不純物量が多く禁制帯幅の変化も大きくなるようにできる。即ち、図1の場合、共振器内部から端面部にかけて屈折率が急峻に変化し小さくなる導波路構造であるのに対し、図2の場合、共振器内部から端面部にかけて屈折率が徐々に変化する導波路構造となる。
【0046】
また図3のような拡散源パターンを設けると、窓構造を設けるための工程部と劈開位置をずらすことができる。この場合では、窓構造となる不純物拡散領域を設けつつ、拡散源パターンの作製工程に影響されず劈開歩留りを向上させることができた。
【0047】
(2)窓構造を効果的に作製する二つめのポイントは、拡散すべき半導体層の全体或いは一部に圧縮歪を導入しておくことである。(100)面方位を有するか或いは(100)面テラス領域を有する半導体層に対して圧縮歪を導入すると、垂直方向に格子が伸び水平方向には格子間隔が広がる。
【0048】
図4には、不純物としてZnを例にとり、無歪系と圧縮歪系活性層領域の場合において拡散の状況を概略的に比較した。図4の左側が<無歪系の活性層>を用いた場合、右側が<圧縮歪系の活性層>の場合を示す。左右の各図面は各々別入の状態を示している。一般に、半導体レーザでは、発光活性層104を挟んで光導波層(クラッド層)105、106が存在する。活成層104に対して<110>或いは<010>の水平方向から格子間へ不純物が拡散するとき、相対的に無歪系では格子のゆがみを伴うため、不純物の輸送に抵抗が生じて拡散速度は小さくなる。他方、圧縮歪系では広い格子間隔のため無歪系に比べて拡散距離が伸び拡散定数が大きくなる。
【0049】
拡散定数をDとすると、垂直方向[001]と水平方向[110]での関係は次のようになる。拡散定数の大きさは、D[110](圧縮歪)>D[110](無歪)>D[001](無歪)>D[001](圧縮歪)の順になる。即ち圧縮歪系では、水平方向での拡散定数の大きさをうまく利用することにより、選択的な拡散を可能とし、活性層に沿って単位時間当たりにより遠い領域へ不純物を拡散させることができる。この際に、無歪系である光導波層105、106等への不純物拡散を最小限に抑さえることも可能である。
【0050】
尚、圧縮歪は0.9%〜1%程度を多用する。一般の半導体レーザ装置に用いる材料系では、歪みが2%程度で臨界膜厚となる。クラッド層、井戸層の材料系としては、AlGaInP/GaInP,AlGaAs/GaAs,AlGaInAs/GaInAs,InP/GaInAsPなどを挙げることができる。勿論、例えば光ディスク(DVD)用規定では波長が650nmであるので、こうした応用機器の規定を考慮する必要がある。
【0051】
(3)また三つめとして、水平方向からの不純物拡散を促進させるために、拡散源を活性層にできるだけ近づけて設けておく。図5に示す断面のように溝を形成して拡散源を活性層に接触させるか、図6のように活性層をつきぬいて横方向に隣接させて設ける。このようにすることにより、圧縮歪を導入した活性層の<110>或いは<010>の水平方向における不純物拡散を速くさせ、無歪系である光導波層への拡散を最小限に抑さえて、図5に示す斜線部の拡散領域を設定できた。図5の両側の溝に挟まれた中央部に対して、横モードを制御するためのストライプ構造を作製し、ストライプの光導波層には不純物拡散がほとんど生じていない領域を利用できる。これによって、光導波層の内部光損失は最低限に抑えることが可能であった。また上記手法を取り入れることにより、水平方向に不純物拡散した活性層領域において、その結晶性を顕著に劣化させずに、窓構造の効果が明確に得られる程度に禁制帯幅を大きく設定できた。
【0052】
尚、図5、図6において、111は半導体基板、113は第1の光導波層、114は活性層領域、115は第2の光導波層、116は不純物拡散の為のマスク、117は不純物拡散源の層、118は不純物を拡散したあとの不純物拡散領域を示している。この図には省略されているが、実際には、半導体基板111の上部に結晶性改善などの為にバッファ層を挿入することが一般的である。
【0053】
図5に示す、不純物拡散が垂直方向[001]に進んだ活性層領域Iでは、フォトルミネセンス測定における発光強度が不純物拡散を行っていない領域に比べて半分以下から一桁以下に減少するのに対し、不純物拡散が水平方向[110]に進んだ活性層領域IIでは、発光強度はほとんど劣化がないか半分程度までの減少に抑えることが可能であった。例として、図7および図8にAlGaInP半導体レーザの窓構造を作製したときの発光スペクトルを比較する。図7は、活性層にIII族元素の秩序配列構造が含まれた場合を示す。不純物拡散の無い領域を基準にすると、秩序配列構造を無秩序化することにより、ピーク位置では約40nmの短波長化、エネルギーにして114meV禁制帯幅が大きくでき、発光強度では領域Iにおいて半分以下に減少してしまうのに対して領域IIではほとんど変化がないようにできた。また、図8には、活性層においてIII族元素の秩序配列構造を抑制して、不純物拡散の際に活性層の混晶化が伴う場合を示す。不純物拡散の無い領域に比較すると、活性層を混晶化することにより、ピーク位置では約35nmの短波長化、エネルギーにして109meV禁制帯幅が大きくでき、発光強度では領域Iにおいて一桁以下に減少してしまうのに対して領域IIでは20%程度の低下に抑さえることができた。
【0054】
以上のような手法を有効に取り入れて窓構造を作製することにより、半導体レーザの基本特性をほとんど劣化させずに、窓構造の効果を十分発揮させることができた。本素子では、禁制帯幅増大により、端面破壊現象を全く抑さえて、熱の発生によって制限される光出力飽和が見られるまで最大光出力を引き出し、窓構造を設けない場合に比べて、最大光出力を2.5から4倍まで安定に確保した高出力特性を歩留りよく実現した。
【0055】
本願発明の特徴を取りまとめて列挙する。
【0056】
(1)本発明によると、従来技術に比べて不純物拡散による窓構造の簡便な作製工程を採用し、従来手法による窓構造作製工程で不十分であった再現性や量産性を改善した。
【0057】
(2)本手法では、作製工程中に不純物拡散領域やその禁制帯幅をチェックして確実に窓構造を設けることができるようにしたため、素子作製工程歩留まりを格段に向上させた。
【0058】
(3)従来技術の窓構造作製手法と違って、本手法では発光活性層の必要な領域にのみ不純物拡散し、ストライプ構造の光導波層への不純物拡散は行わないため、導波構造における結晶性劣化を最低限に抑さえることが可能であった。
【0059】
(4)これにより、窓構造導波路の内部光損失を従来手法の半分以下に抑さえ、従来素子に比べて低閾値で動作し、窓構造を設けない場合に比べて最高光出力を2.5から4倍まで確保した安定な高出力特性を実現した。
【0060】
(5)本素子を光源として搭載した書き換え可能な光デイスクシステム装置は、80℃の動作温度でも106回以上の書き換え回数を達成し、1万時間以上の連続動作にも安定継続した。また、本素子を光源とする光加入者用システム装置では、90℃の動作温度でもファイバ出射端における20mW以上の光出力の要求仕様を満足できた。
【0061】
実施例1
本発明の一実施例について、図9から図25を用いて説明する。図11から図24は半導体レーザ装置の製造行程順にその光軸方向の断面図である。
【0062】
図9は次の各半導体層を積層した状態を示すものである。 (100)面方位を有したn型GaAs基板1上に、n型GaAsバッファ層2(厚さ0.5μm)、n型AlGaInP光導波層3(厚さ2.0μm )、III族元素の秩序配列構造を有したアンドープ圧縮歪GaInP量子井戸層3層(各層の厚さ6nm)と引張歪AlGaInP量子障壁層4層(各層の厚さ4nm)及び無歪AlGaInP光分離閉じ込め層(各層の厚さ10nm)からなる多重量子井戸構造活性層4、p型AlGaInP光導波層5(厚さ0.3μm)、 p型AlGaInP層6(厚さ0.05μm:エッチングの停止の為の層である)、p型AlGaInP光導波層7(厚さ1.2μm)、p型GaInP層8(厚さ0.03μm)、n型GaAsキャップ層9(厚さ0.5μm)を順次エピタキシャル成長させる。結晶成長は通例の有機金属気相成長(MOVPE)法によった。
【0063】
図10は上記半導体積層のうちレーザ発振の為の電流注入する上部領域を形成した素子断面図である。図9に示すごとく準備した半導体積層体の上部に、絶縁膜マスク10を形成した後、通例のホトリソグラフィー工程を用いてエッチングにより層4まで層9, 層8, 層7,層6及び層5を除去する。ここで、エッチングは層4を越えて層3に到ってもよい。
【0064】
図11は不純物拡散源およびキャップ層を形成した状態を示す。図10の状態の半導体基体の上部に、不純物拡散源としてZnO層11を蒸着する。更に、この上部をSiO2キャップ層12で覆う。ここで、 ZnO層11は半導体基体内に局所的に設けられる。このZnO層11の平面パターンは、例えば図1に示す通りである。或いは、 ZnO層領域は図2又は図3のように設けても良い。これらの例では、一つの半導体レーザ装置に対して4個所のZnO層領域が設けられることになる。
【0065】
その後、温度500〜600℃で熱処理を行い、図11に見られるように、前記のZnO層領域を拡散源として、<110>方向から不純物拡散を促進させた不純物領域13を形成する。
【0066】
次いで、図12に見られるように、不純物拡散源のZnO層11を除去した後、ストライプ構造形成のため、絶縁膜マスク14を形成する。そして、層5に到るまでエッチングを施して、マスク14の下にストライプを形成する(図13)。このとき同時に、最初に設けた図11に見られる溝はさらに深く形成され、図13に示すように層2に到る形状となる。尚、この溝は素子容量の低減用のアイソレーションの為に設けられる。
【0067】
更に、この上部にn型GaAs電流狭窄層15を1.0μmの厚さにMOVPE法により選択成長させる(図14)。半導体積層体が埋め込まれる程度の厚さとするのが、一般的である。
【0068】
ホトリソグラフィー工程を適用して、共振器内部に相当する領域のみマスク14を除去した(図15)後、さらに層9をエッチング除去して図15に相当する共振器内部のストライプ構造を得る。共振器端面部では、マスク14を除去するのみで層9を残した形にして、図16に相当するストライプ構造を得る。次に、MOVPE法によりp型GaAsコンタクト層16を3.0μmの厚さに埋め込む。
【0069】
さらに、ホトリソグラフィー工程を適用して、図17と図18に示される凹部分に対して層16と15をエッチング除去することにより、素子の寄生容量を低減する溝を形成する。
【0070】
尚、図15、図16はコンタクト層16を設ける前の状態を示す図、図17、図18はコンタクト層を形成した後の状態を示す図である。図15および図17は共振器内部のストライプ構造を示す断面図、図16および図18は共振器端面部のストライプ構造を示す断面図である。
【0071】
その後、絶縁膜マスク17を形成し、p側電極18とn側電極19を蒸着する。図19および図20は、各々、共振器内部と共振器端面部にそれぞれ相当する導波路構造を示す図である。このときの共振器方向の素子横断面図を図21に示す。不純物拡散領域13の長さLよりも層9を長く設けておき、領域13には電流注入がなされない非注入領域としてレーザ光に対して利得が発生しないように設定しておく。レーザ光の導波に対して内部光損失を増大させずに窓構造の効果を十分得るためには、領域13の長さLを5〜40μm、好ましくは10〜30μmの最適範囲に設定することが必要であった。共振器端面部において領域13を非注入領域とするため、層9の長くなる部分の差Dを5〜30μm、好ましくは10〜20μmの最適範囲に設定した。
【0072】
本実施例によると、発光活性層の水平方向から不純物拡散を促進させることにより、共振器端面部の活性層における秩序配列構造のみ崩して禁制帯幅を60〜120meV共振器内部より大きくした窓構造を形成できた。この禁制帯幅増大により、窓構造の効果を十分発揮できる。そして、この事によって端面破壊現象を全く抑さえることが可能であり、熱による光出力飽和が見られるまで最大光出力を引き出せた。窓構造を設けない場合に比べて、最大光出力を2.5から4倍まで確保した安定な高出力特性を実現した。
【0073】
また本手法の工程では、形成された領域ごとにフォトルミネセンス測定により結晶性を比較することができる。これにより、窓構造を形成する工程において確実に禁制帯幅を所望の値に設定できているかを確認できる。図7は、各領域の発光スペクトルの測定結果を示す図である。即ち、不純物を拡散しない領域の発光強度を基準にすると、半導体層に対して垂直方向<100>方向に不純物を拡散した発光活性層領域Iでは発光強度が半分以下に減少していたのに対し、本手法に基づいて半導体層に対して水平方向<110>或いは<010>方向に不純物を拡散した発光活性層領域IIでは発光強度を変化させない程度に保てることが可能であった。さらに、このときストライプ構造領域領域の光導波層には、不純物が顕著に拡がっていないため、素子の内部光損失を増大させていない。これらにより、本素子では不純物拡散を行っていない同じ共振器長の素子に比較して閾値電流を上昇させずに発振できた。素子は波長680−690nmで発振し、室温の閾値電流は30−40mAであり、最大光出力は250−300mWを達成し、温度80℃でも70mWの高出力安定動作が可能であり5000時間以上にわたり継続した。
【0074】
実施例2
本実施例は、傾角基板を用いた例である。基本的な製造方法は、傾角基板を用いるほかは、実施例1と同様である。
【0075】
図9に示すように基板に半導体積層体を形成するが、この例では、単結晶基板として、(100)面方位から[011]方向に10度オフしたn型GaAs傾角基板1を用いて素子作製工程を経る。この基板は(100)面テラスを有している。、実施例1と同様の工程を経て、最後の工程を終了後、図19と図20に相当するそれぞれ共振器内部と共振器端面部の導波路構造を示す素子断面図を得る。
【0076】
本実施例によると、実施例1と同様に、水平方向から不純物拡散を促進させることにより、端面部発光活性層の禁制帯幅を共振器内部より大きくした窓構造を形成できた。
【0077】
しかしながら、本実施例では、傾角基板を用いることによりIII族元素の秩序配列構造を抑制しているので、秩序配列構造の無秩序化による禁制帯幅の増大は期待できない。そこで、不純物ZnO層11を十分拡散させて、多重量子井戸構造活性層4の量子井戸層と量子障壁層の混晶化を起こさせる。これにより、窓構造領域の禁制帯幅を共振器内部より50〜100meV大きくした窓構造を形成できた。この禁制帯幅増大においても、窓構造の効果を十分得ることができ、端面破壊現象を全く抑さえて、熱飽和レベルまで最大光出力を引き出すことを実現した。 本実施例の工程で結晶性を比較するため、窓構造でのフォトルミネセンス測定により確認した結果、各領域の発光スペクトルは図8に示すようになった。即ち、不純物を拡散しない領域の発光強度を基準にすると、半導体層に対して垂直方向<100>方向に不純物を拡散した発光活性層領域Iでは発光強度が一桁以下に減少していたのに対し、本手法に基づいて半導体層に対して水平方向<110>或いは<010>方向に不純物を拡散した発光活性層領域IIでは80%以上に発光強度の程度を保てた。さらに、不純物拡散によって、ストライプ構造領域領域の光導波層における内部光損失は顕著に増大していない。これらにより、多重量子井戸構造活性層内の混晶化を引き起こしても、本素子では不純物拡散を行っていない同じ共振器長の素子に比べて、閾値電流を5%程度の上昇に抑えることができた。素子は波長650−660nmで発振し、室温の閾値電流は40−50mAであり、最大光出力は200−250mWを達成し、温度80℃でも60mWの高出力安定動作が可能であり5000時間以上にわたり継続した。
【0078】
実施例3
本実施例は長波長レーザ装置の例を示すものである。
【0079】
図9―図25を用いて説明する。尚、本例は材料は異なるが、その製造方法は基本的に実施例1や実施例2と同様である。
【0080】
(100)面方位を有したn型GaAs基板1上に、n型GaAsバッファ層2(厚さ0.5μm)、n型GaInP光導波層20(厚さ20μm)、アンドープ圧縮歪GaInAs量子井戸層2層(各層の厚さ5nm)と引張歪GaInAsP量子障壁層3層(各層の厚さ4nm)及び無歪GaAs光分離閉じ込め層(上下各層の厚さ15nm)からなる多重量子井戸構造活性層21、p型GaInP光導波層22(厚さ0.3μm)、 p型GaAs層23(厚さ0.05μm)、p型GaInP光導波層24(厚さ1.5μm)、p型GaInAsP層25(厚さ0.05μm)、n型GaAsキャップ層26(厚さ0.5μm)を順次MOVPE法によりエピタキシャル成長させる。次に、実施例1や2と同様にして、不純物拡散を行った後、ストライプの形成を行う。更に、図22に示すように、n型GaInP電流狭窄層27(厚さ1.0μm)をMOVPE法により選択成長させp型GaAsコンタクト層28(厚さ3.0μm)を埋め込む。その後、実施例1や2と全く同様にして装置を製造する。図22および図23は、各々、共振器内部と共振器端面部の導波路構造を示す断面図である。
【0081】
本実施例によると、発光活性層の水平方向から不純物拡散を促進させることにより、実施例2と同様に、共振器端面部の多重量子井戸構造活性層内の混晶化を引き起こさせた。フォトルミネセンス測定により不純物を拡散した領域において結晶性を調べた結果、発光波長は異なるが実施例2と同様な傾向を得ることができた。窓構造の効果により、端面破壊を全く抑さえて熱による光出力の飽和が見られるまで最大光出力を引き出せた。
【0082】
本素子では、不純物拡散を行っていない同じ共振器長の素子に比べて、閾値電流を5%程度の上昇に抑えることができた。素子は波長975−985nmで発振し、室温の閾値電流は15−25mAであり、最大光出力は850−950mWを達成し、温度90℃でも300mWの高出力安定動作が可能であり10000時間以上にわたり継続した。
【0083】
実施例4
本実施例は結晶成長用の基板としてInP基板を用い、活性層領域にGaInAsPを用いた例である。当然、発光波長領域がこれまでの実施例と異なる。その他、基本的な事項はこれまでの実施例と同様である。材料は異なるが、断面の幾何学的構造は図22、図23のものと同様であるので、これらを用いて説明する。
【0084】
(100)面方位を有したn型InP基板1上に、n型InPバッファ層2(厚さ0.5μm)、n型InP光導波層20(厚さ1.0μm)、アンドープ圧縮歪GaInAsP量子井戸層4層(各層の厚さ5nm)と引張歪GaInAsP量子障壁層5層(各層の厚さ4nm)及び無歪GaInAsP光分離閉じ込め層(上下の各層の厚さ20nm)からなる多重量子井戸構造活性層21、p型InP光導波層22(厚さ0.3μm)、 p型GaInAsP層23(厚さ0.05μm)、p型InP光導波層24(厚さ1.2μm)、p型GaInAsP層25(厚さ0.05μm)、n型GaInAsキャップ層26(厚さ0.5μm)を順次MOVPE法によりエピタキシャル成長させる。次に、実施例1や2及び3と同様にして、不純物拡散とストライプ形成を行う。
【0085】
更に、図22に示すように、n型GaInP電流狭窄層27(厚さ1.0μm)をMOVPE法により選択成長させp型GaAsコンタクト層28(厚さ0.5μm)を埋め込む。その後、実施例1や2と全く同様にして装置を製造する。図22および図23は、各々、共振器内部と共振器端面部の導波路構造を示す断面図である。
【0086】
本実施例によると、発光活性層の水平方向から不純物拡散を促進させることにより、実施例2や3と同様に、共振器端面部の多重量子井戸構造活性層内の混晶化を引き起こさせた。フォトルミネセンス測定により不純物を拡散した領域において結晶性を調べた結果、発光波長は異なるが実施例2や3と同様な傾向を得た。窓構造の効果により、端面破壊を全く抑さえて熱による光出力の飽和が見られるまで最大光出力を引き出せた。本素子は波長1310−1330nmで発振し、室温の閾値電流は15−25mAであり、最大光出力は90−150mWを達成し、温度90℃でも50mWの高出力安定動作が可能であり10000時間以上にわたり継続した。
【0087】
実施例5
本発明における実施例1から実施例2の半導体レーザ装置を光源として光ディスクシステム装置を構成した例を説明する。光ディスクシステム自体は通例のもので良い。
【0088】
<光情報処理装置の構成>
本発明の光情報処理装置の例として、コンパクト・デイスク(CD)やデイジタルビデオ・デイスク(DVD)などの光デイスク装置あるいはレーザ・ビーム・プリンタ装置などの光記録装置を挙げることができる。光ディスク装置は、記録媒体に光を照射するための光源と、記録媒体からの反射光を検出する検出器を少なくとも有する光記録装置である。また、光によって記録媒体の一部の状態を変化させて記録を行う光情報処理装置があることは言うまでもない。一方、レーザ・ビーム・プリンタはレーザ光を照射して印字情報を記録媒体としての光導電体の上に書き込み、電子写真方式によって印字画像を得る印写装置である。
【0089】
高性能な光情報処理システムの構成例を説明する。図24は光デイスク装置の例を示す基本構成図である。61は光記録の為の光記録媒体が設けられたデイスク、62はデイスクを回転させるためのモータ、63は光ピックアップ、67はこれらを制御する制御部である。光ピックアップ63はレンズ系64、半導体レーザ装置などの光源65、そして光検出器66を有して構成される。
【0090】
こうした光デイスク装置の一般的事項については、種々報告があるが略述する。記録材料の種類によって、光デイスク装置は大別して読み取り専用形(ROM形)、追記形、および書き換え可能形に分けられる。図24の例での情報の再生は、デイスク61に記録された微細小孔(記録媒体の状態変化部)からの反射光変化を光検出器66にて光学的に読み取って行う。尚、光記録媒体は通例のものを用いることが出来る。
【0091】
読み取り専用形の場合、記録情報は予め記録媒体に記録されており、例えば、読み取り専用形記録媒体の代表例として、アルミニウム、プラスチックなどをあげることが出来る。
【0092】
また、記録する場合は、レーザ光をデイスク上の記録媒体に微細光点に絞り込み、記録すべき情報に従ってレーザ光を変調させることに依って、熱的に記録材料の状態を変化させて列状に記録を行う。この記録はデイスクをモータによって回転(移動)させながら行われる。こうした光源にも本発明の光源を用い得る。
【0093】
こうした光デイスク装置の光源に、実施例1より実施例2に従って製造した半導体レーザ装置を適用すると好都合である。
【0094】
レーザ光のアスペクト比が2以下となると、従来光情報処理装置で必要としたビーム整形用の高価な光学レンズを必要としない。レーザ光を楕円形より円形に変換する為のビーム整形用の光学レンズは多くはガラス製で且つ高価なものであった。
【0095】
更に、アスペクト比が1より1.5の範囲にある低アスペクト比の場合、このレーザ光を楕円形より円形に変換する為のビーム整形用の光学レンズを不要となし得る。このビーム整形用の光学レンズを不要となしうるのは、光情報処理装置において極めて画期的な変革である。安価で、小型、軽量、コンパクトな光学系を構成できる。もって、光情報処理装置自体も安価で、小型、軽量、コンパクトなものになし得る。
【0096】
レーザ装置は温度80℃で少なくとも光出力100mW以上で動作することが確認できた。本半導体レーザ装置を光源として搭載した書き換え可能な光デイスクシステム装置は、80℃の動作温度でも106回以上の書き換え回数を達成し、1万時間以上の連続動作にも安定継続した。
【0097】
尚、本願発明の半導体レーザ装置をレーザ・ビーム・プリンタに用いることも可能である。レーザビームプリンタ(LBP)装置では、半導体レーザ装置のビームをミラーとレンズ系を用いて感光ドラムを走査し、情報を記録する。そして、感光ドラムに記録された情報を、感光紙等に転写して、印刷するものである。
【0098】
実施例6
本例は、本発明における実施例3の半導体レーザ装置を光源として光伝送システムの光増幅器部分の例である。
【0099】
図25は、光伝送、送信、受信システムの概要を示す図である。光入力201は、一般には多重伝送されているので、分波器202により所定の波長の光が分波される。そして、半導体レーザ装置208よりのファイバ増幅器204を増幅する為のレーザ光と入力された光とを混合器203で混合し、ファイバ増幅器に入力する。半導体レーザ装置206は一般に冷却装置207にて冷却され、又これらの各要素は自動制御装置208にて制御されている。こうした光ネットワ−ク自体の例は、例えば「NTT技術ジャ−ナル 1994.8,pp53−pp57」に見られる。
【0100】
一般に送信側では各チャネルを周波数軸上で原情報によって変調された搬送波を割り当て順序に従って並べ、光合波器によって送信信号を合成している。一方、受信側では、光分波器で周波数分離された信号を各チャネルごとに設けられた光検波・復調回路を通すことにより原信号を再生している。一本のファイバでの双方向伝送が行われる。
【0101】
本例では、半導体レーザ装置は温度90℃で少なくとも光出力300mW以上で動作することが確認できた。本半導体レーザ装置を光源とする光増幅器装置のファイバ出射端で、90℃の動作温度においても100mW以上の光出力を達成し要求仕様を満足できた。
【0102】
更に、本発明における実施例4の半導体レーザ装置を光源として光加入者用送信システム装置を構成した。半導体レーザ装置は温度90℃で少なくとも光出力50mW以上で動作することが確認できた。本半導体レーザ装置を光源とする光加入者用システム装置では、90℃の動作温度でのファイバ出射端における20mW以上の光出力の要求仕様を満足できた。
【0103】
【発明の効果】
本願の第1―第8の発明によれば、従来素子に比較し、より低閾値動作、より高出力動作を確保出来る。例えば、窓構造導波路の内部光損失を従来手法の半分以下に抑さえ、従来素子に比べて低閾値で動作し、窓構造を設けない場合に比べて最高光出力を2.5から4倍まで確保した安定な高出力特性を実現した。
【0104】
本願の第1―第8の発明は、光導波路層内の光の内部損失を最小限にしつつ、出射光に対する発光端面での吸収を抑えるに有効な構造を提供するものである。
【0105】
本願の第9―第12の発明は、半導体レーザ装置における出射光に対するいわゆる窓構造を再現性よく形成する製造方法を提供できる。また、量産性に優れる。
【0106】
本願発明によれば、特性のより安定な、光情報処理装置、光伝送システムなどを実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】不純物拡散源の設け方の第1の例を示す基体の上面図である。
【図2】不純物拡散源の設け方の第2の例を示す基体の上面図である。
【図3】不純物拡散源の設け方の第3の例を示す基体の上面図である。
【図4】無歪および圧縮歪発光活性層における不純物拡散状況を示す説明図である。
【図5】不純物拡散源の形状の第1の例を示す断面図である。
【図6】不純物拡散源の形状の第2の例を示す断面図である。
【図7】実施例の不純物拡散領域に依存した発光スペクトル図の第1の例である。
【図8】実施例の不純物拡散領域に依存した発光スペクトル図の第2の例である。
【図9】実施例の製造工程中における装置の第1の断面図である。
【図10】実施例の製造工程中における装置の第2の断面図である。
【図11】実施例の製造工程中における装置の第3の断面図である。
【図12】実施例の製造工程中における装置の第4の断面図である。
【図13】実施例の製造工程中における装置の第5の断面図である。
【図14】実施例の製造工程中における装置の第6の断面図である。
【図15】コンタクト層を設ける前の状態を示す共振器内部のストライプ構造を示す断面図である。
【図16】コンタクト層を設ける前の状態を示す共振器端面部のストライプ構造を示す断面図である。
【図17】コンタクト層を設けた後の状態を示す共振器内部のストライプ構造を示す断面図である。
【図18】コンタクト層を設けた後の状態を示す共振器端面部のストライプ構造を示す断面図である。
【図19】本発明の半導体レーザ装置の共振器内部を示す断面図である。
【図20】本発明の半導体レーザ装置の共振器端面部を示す断面図である。
【図21】実施例での不純物拡散領域を示す光軸に平行な面での断面図である。
【図22】他実施例の半導体レーザ装置の共振器内部を示す断面図である。
【図23】他実施例の半導体レーザ装置の共振器端面部を示す断面図である。
【図24】光ディスクシステムの概略説明図である。
【図25】光増幅器の概略説明図である。
【符号の説明】
1.n型GaAs基板、2. n型 GaAsバッファ層、3.n型AlGaInP光導波層、4. GaInP/AlGaInP圧縮歪多重量子井戸構造活性層、5. p型AlGaInP光導波層、6. p型AlGaInP層、7.p型AlGaInP光導波層、8. p型GaInP層、9. n型GaAsキャップ層、10. 絶縁膜マスク、11. ZnO不純物拡散源、12. SiO2キャップ層、13. 不純物拡散領域、14. 絶縁膜マスク、15. n型GaAs光吸収電流狭窄層、16. p型GaAsコンタクト層、17. 絶縁膜マスク、18. p側電極、19. n側電極20. n型GaInP光導波層、21. GaInAs/GaInAsP圧縮歪多重量子井戸構造活性層、22. p型GaInP光導波層、23. p型GaInAsP層、24. p型GaInP光導波層、25. p型GaInAsP層、26. n型GaAs層、27. n型GaInP電流狭窄層、28. p型GaAsコンタクト層、29. n型InP基板、30. p型InPバッファ層、31. p型InP光導波層、32. GaInAsP層/GaInAsP層による圧縮歪多重量子井戸構造活性層、33. p型InP光導波層、34. p型GaInAsP層、35. p型InP光導波層、36. p型GaInAsP層37. n型GaInAs層、38. n型InP電流狭窄層、39.p型GaInAsコンタクト層、61.ディスク、62.モータ、63.光ピック・アップ、64.レンズ系、65.半導体レーザ、66.光検出器、67.制御回路,101.ストライプ部、102.拡散源パターン、103.共振器部分、104.発光活性層、105、106.光導波層、111.基板、113.光導波層、114.発光活性層領域、115.光導波層、116.マスク、117.拡散源、118.不純物の拡散領域、201.光入力、202.分波器、203.混合器、204.ファイバ増幅器、205.光出力、206.半導体レーザ装置、207.冷却装置、208.自動制御装置。

Claims (1)

  1. (100)面方位の半導体基板の上部に、光共振器に供する半導体層を、当該光共振器の光軸と交差する方向が[100]方向であるように形成する工程、
    前記光共振器に供する半導体層における、当該光共振器の少なくとも一方の出射端面となる部分の、光軸と交差する方向の両側から活性層の積層面内の方向へ主に不純物を拡散させることにより、当該半導体母材の一部で且つ主に活性層領域および活性層領域近傍に前記不純物を拡散し第1の半導体領域を形成する工程を有し、
    当該光共振器の少なくとも一方の出射端面の、且つ前記活性層領域および活性層領域近傍に形成された前記第1の半導体領域は、当該光共振器の内部より禁制帯幅が大きく形成されることを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
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