JP3765670B2 - 楽音信号発生装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、波形メモリに予め記憶されていて楽音波形を離散的に表す一連の波形サンプル群を音高に応じた速度で読み出して楽音信号として出力する楽音信号発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、楽音波形を離散的に表す一連の波形サンプル群を予め波形メモリに記憶しておき、同波形メモリに記憶されている波形サンプルを比較的低い固定の周波数を有するサンプリングクロック信号に同期させて読み出すために、発生される楽音の音高に応じた速度で変化して波形サンプルを指定する複数ビットからなるアドレス信号を発生し、このアドレス信号の上位ビットで指定される一つの波形サンプル近傍の複数の波形サンプルを読み出すとともに、アドレス信号の下位ビットの値に応じて変化する補間用パラメータを用いて同読み出した複数の波形サンプルを補間して、同補間された波形サンプルを楽音信号として出力するようにしたピッチ非同期型の楽音信号発生装置はよく知られている。
【0003】
【発明の概略】
本発明は、上記従来の楽音信号発生装置の補間用パラメータの発生に着目したもので、相互に異なる特性を有する2つの補間関数に対応した2組の補間用パラメータの間を補間して、同補間された補間パラメータを波形サンプルの補間に使用するようにしたものである。
【0004】
上記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、楽音波形を離散的に表す一連の波形サンプル群を記憶した波形メモリと、音高を指定するための音高指定信号を入力し、同入力した音高指定信号により指定される音高に応じた速度で変化して前記波形サンプル群に属する波形サンプルを指定するための複数ビットからなるアドレス信号を発生するアドレス信号発生手段と、前記アドレス信号の上位ビットにより指定される波形サンプル近傍の複数の波形サンプルを補間用波形サンプルとして読み出す波形サンプル読み出し手段と、複数ビットからなる制御信号を発生する制御信号発生手段と、前記制御信号の上位ビットにより指定されるとともに相互に異なる特性を有する2つの補間関数にしたがいかつ前記アドレス信号の下位ビットにより表される値に応じて変化する2組の補間用パラメータを指定し、前記制御信号の下位ビットに応じて前記指定された2組の補間用パラメータを補間して1組の補間用パラメータを生成して出力する補間パラメータ発生手段と、前記出力された1組の補間用パラメータを用いて前記読み出した補間用波形サンプルを補間して一つの波形サンプルを導出する波形サンプル補間手段とを備えたことにある。
【0005】
この場合、前記補間パラメータ発生手段を、異なる特性を有する複数の補間関数にしたがった補間用パラメータを記憶する補間パラメータメモリと、前記複数の補間関数のうちで前記制御信号の上位ビットにより指定されるとともに相互に異なる特性を有する2つの補間関数を表す補間関数指定データを出力する補間関数指定手段と、前記補間関数指定データにより指定されるとともに相互に異なる特性を有する2つの補間関数にしたがいかつ前記アドレス信号の下位ビットにより表される値に応じて変化する2組の補間用パラメータを前記補間パラメータメモリから読み出す補間用パラメータ読み出し手段と、前記読み出された2組の補間用パラメータを前記制御信号の下位ビットにより補間して1組の補間用パラメータを生成して出力する関数補間手段とで構成できる。また、前記制御信号は、例えば時変動する信号である。
【0006】
上記のように構成した本発明においては、アドレス信号発生手段及び波形サンプル読み出し手段によって波形メモリから読み出された補間用波形サンプルは、波形サンプル補間手段により、補間パラメータ発生手段にて生成された1組の補間用パラメータを用いて補間される。この場合、補間パラメータ発生手段は、複数ビットからなる制御信号の上位ビットにより指定されるとともに相互に異なる特性を有する2つの補間関数にしたがいかつ前記アドレス信号の下位ビットにより表される値に応じて変化する2組の補間用パラメータを指定し、かつ同制御信号の下位ビットに応じて同2組の補間用パラメータを補間して1組の補間用パラメータを生成して出力する。例えば、補間パラメータ発生手段を、前記のように補間パラメータメモリ、補間関数指定手段、補間用パラメータ読み出し手段、及び関数補間手段で構成して、補間関数指定手段が複数の補間関数のうちで制御信号の上位ビットにより指定されるとともに相互に異なる特性を有する2つの補間関数を表す補間関数指定データを出力し、補間用パラメータ読み出し手段が前記補間関数指定データにより指定される2つの補間関数にしたがいかつ前記アドレス信号の下位ビットにより表される値に応じて変化する2組の補間用パラメータを前記補間パラメータメモリから読み出し、関数補間手段が前記読み出された2組の補間用パラメータを前記制御信号の下位ビットにより補間して1組の補間用パラメータを生成して出力する。
【0007】
このように、制御信号の上位ビットに応じて選択された相互に異なる特性を有する関数によって規定される2組の補間用パラメータを、さらに制御信号の下位ビットにより補間した補間用パラメータを生成できる。したがって、本発明によれば、制御信号に応じた相互に異なる補間関数により規定される2組の補間用パラメータを補間して波形サンプルの補間に利用できる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明すると、図1は本発明に係る楽音信号発生装置を適用した電子楽器の全体をブロック図により示している。
【0009】
この電子楽器は、発生される楽音の音高を指定するための複数の鍵からなる鍵盤装置11と、発生される楽音の音色を選択するための複数の音色選択スイッチ12とを備えている。これらの鍵盤装置11及び音色選択スイッチ12はマイクロコンピュータ13に接続されており、同コンピュータ13は、鍵盤装置11の押離鍵及び音色選択スイッチ12の操作に応答して、音源インターフェース14と共に波形発生器15の複数の楽音発生チャンネルにおける各楽音信号の発生を制御する。具体的には、マイクロコンピュータ13及び音源インターフェース14は、下記▲1▼〜▲4▼の機能を有する。
【0010】
▲1▼マイクロコンピュータ13は、鍵盤装置11における押鍵に応答して、新たに押された鍵を複数の楽音発生チャンネルのいずれかに割り当て、音源インターフェース14に対して同割り当てチャンネルに対応した記憶領域に前記押鍵された鍵の音高を表す音高データNN及び同鍵の鍵タッチ強さを表す鍵タッチデータKTを書き込むとともに、音源インターフェース14を介して同割り当てチャンネルに対して楽音の発音開始を指示するためのキーオン信号KONを出力する。これに応答して、音源インターフェース14は、前記記憶した音高データNNを鍵音高周波数に比例して増加する周波数ナンバFNOに変換して、前記鍵タッチデータKTと共に前記割り当てチャンネルに出力する。
【0011】
▲2▼マイクロコンピュータ13は、鍵盤装置11における離鍵に応答して、新たに離鍵された鍵が割り当てられている楽音信号発生チャンネルを探し出し、音源インターフェース14を介して同チャンネルに対して楽音の発音停止を指示するためのキーオフ信号KOFを出力する。
【0012】
▲3▼マイクロコンピュータ13は、音色選択スイッチ12の操作に応答して、同操作された音色選択スイッチ12により指定される音色を表す音色番号TCを記憶する。
【0013】
▲4▼マイクロコンピュータ13は、鍵盤装置11の押鍵及び音色選択スイッチ12の操作に応答し、前記音色番号TC、音高データNN及び鍵タッチデータKTに基づいて楽音信号の音色及び音量を制御するための制御パラメータWN,AS,LS,LE,P1〜P5,FMS,FML,FMDT,EGを計算して音源インターフェース14を介して前記割り当てチャンネルに出力する。なお、制御パラメータWN(以下、波形番号WNという)は、読み出し出力される波形サンプル群の一つを選択するもので、その他の制御パラメータAS,LS,LE,P1〜P5,FMS,FML,FMDT,EGに関しては、同制御パラメータが利用される後述の各回路の説明時に説明する。
【0014】
音源インターフェース14には、前記楽音発生チャンネル数に等しい数の時分割チャンネルを有する波形発生器15及びエンベロープ発生器16が接続されている。波形発生器15に関しては図2及び図5を用いて詳しく後述するが、基本的には、各時分割チャンネル毎に波形番号WNにより指定される波形サンプル群を押鍵された鍵音高に対応した速度で読み出して乗算器17に出力する。エンベロープ発生器16は、各時分割チャンネル毎に、押鍵に応答して立ち上がりかつ離鍵に応答して減衰する振幅エンベロープ波形信号を形成して乗算器17に出力する。この振幅エンベロープ波形信号の形状を決めるアタックレベル、減衰係数などは、マイクロコンピュータ13から音源インターフェース14を介して供給される制御パラメータEGにより決定される。
【0015】
乗算器17は、前記時分割チャンネル毎に、波形発生器15からの波形サンプルにエンベロープ発生器からの振幅エンベロープ波形信号を乗算して累算器18に出力する。累算器18は前記時分割チャンネル毎の各出力信号を累算して、D/A変換器21に供給する。D/A変換器21はこの累算された信号をアナログ信号に変換して、サウンドシステム22に供給する。サウンドシステム22はアンプ、スピーカなどからなり、前記変換されたアナログ信号に対応した楽音を発音する。その結果、サウンドシステム22からは音色選択スイッチ12により指定された音色の楽音が鍵盤装置11における押離鍵操作に応答して発音されることになる。
【0016】
次に、図1の波形発生器15について詳しく説明する。図2は波形発生器15の詳細をブロック図により示しており、同発生器15は波形メモリ31を備えている。波形メモリ31は、複数種類の楽音波形にそれぞれ対応した複数組の波形サンプル群を記憶しており、各波形サンプル群は多数周期からなる楽音波形を離散的に表す一連かつ多数の波形サンプルからなる。なお、データの節約上、各組の多数の波形サンプルは楽音の立ち上がり時に1回だけ読み出されるアタック分とその後に繰り返し読み出されるループ分とに分けられ、波形番号WNにより指定される楽音波形のアタック部のスタートアドレス、ループ部のスタートアドレス及びエンドアドレスがそれぞれ制御パラメータAS(WN),LS(WN),LE(WN)により指定されるようになっている。
【0017】
波形メモリ31には、アドレス発生器32からのアドレス信号ADRの整数部(上位ビット)INTと、補間カウンタ33からのカウント値CNTとを加算器34にて加算した値が読み出しアドレス信号として与えられている。アドレス発生器32は、キーオン信号KON、周波数ナンバFNO及び制御パラメータAS(WN),LS(WN),LE(WN)を入力して、1DACサイクル毎に各時分割チャンネルにて周波数ナンバFNOをそれぞれ累算し、波形番号WNにより指定される楽音波形のアタック部の波形サンプルをキーオン信号KONに応答して1回通り読み出し、その後にループ部の波形サンプルを繰り返し読み出すためのアドレス信号ADRを形成して出力する(図10参照)。したがって、この各時分割チャンネルのアドレス信号ADRは、予め決められた周期毎に周波数ナンバFNOに比例した速度で変化する信号となる。補間カウンタ33は、各時分割チャンネルタイミングの間に「0」から「5」まで繰り返し変化する補間用のカウント値CNTを出力する。その結果、アドレス信号ADRの整数部INTが図11の楽音波形のサンプル値Y0 を表していれば、1時分割チャンネルタイミングの間に、波形メモリ31から6個の波形サンプル値Y0〜Y5がクロック信号φabの一周期毎にそれぞれ読み出される。
【0018】
波形メモリ31の出力は遅延回路35を介して乗算器36に接続されており、同乗算器36は前記波形サンプル値Y0〜Y5に補間係数発生器40から供給される補間用パラメータとしての6個の補間係数a0〜a5をそれぞれ順次乗算する。遅延回路35は、波形サンプル値Y0〜Y5と補間係数a0〜a5の各出力タイミング合わせのために用いられている。この各乗算結果は補間累算器37に供給されて累算され、同累算器37は下記数1に示すように補間係数a0〜a5を用いて波形サンプル値Y0〜Y5を補間して一つの波形サンプル値Yを計算して出力する。
【0019】
【数1】
Y=a0Y0+a1Y1+a2Y2+a3Y3+a4Y4+a5Y5
補間係数発生器40は、補間係数メモリ41を備えている。補間係数メモリ41は、図3に示すように、k個(2以上の整数)の補間係数テーブルからなる。各補間係数テーブルは関数選択部42からの第1補間係数選択信号FS1により選択されるようになっている。各補間係数テーブルはさらに8個の領域(ただし、本件実施例の場合には2領域は不使用)に分けられていて、各領域は補間カウンタ33からのカウント値CNT(0〜5)によりそれぞれ指定されるようになっている。前記6個の各領域には、アドレス発生器32からのアドレス信号ADRの少数部(下位ビット)FRACによりアドレス指定される各補間係数a0〜a5がそれぞれ記憶されている。
【0020】
これらの補間係数a0〜a5は、例えば図4のグラフに示す補間関数により規定されるもので、これらの補間係数a0〜a5を用いた上記数1の演算により複数の波形サンプル値Y0〜Y5が補間されることはよく知られたことである。また、このような補間関数によって規定される補間によれば、出力である波形サンプル値Yはローパスフィルタ処理を施されたものと同等な効果が付加されることもよく知られたことであり、図4の実線から波線方向に補間関数を変化させることは同ローパスフィルタのカットオフ周波数が低く設定されることに相当する。そして、前記k個の補間係数テーブルには、前記のような異なる特性の補間関数により規定される補間係数a0〜a5がそれぞれ記憶されている。
【0021】
関数選択部42は、図5に詳細に示すように、時変動する制御信号を発生するための非周期信号発生器51及び低周波発振器52を備えている。非周期信号発生器51はキーオン信号KON及び制御パラメータP1〜P5を入力して、キーオン信号KONの到来から時間的かつ非周期的に変化する第1制御信号FEGを出力する(例えば、図6参照)。この場合、制御パラメータP1は初期レベルを表し、制御パラメータP2〜P5は第1制御信号FEGの所定時間後の各目標レベル及び各目標レベルに達するまでの各変化率を表すものであり、非周期信号発生器51はこれらの制御パラメータP1〜P5を用いて折れ線上の第1制御信号FEGを形成する。低周波発振器52はキーオン信号KON及び制御パラメータFMS,FML,FMDTを入力して、キーオン信号KONの到来から時間的に振幅が徐々に大きくなる低周波信号を表す第2制御信号LFOを出力する(例えば、図7参照)。この場合、制御パラメータFMSは第2制御信号LFOの周期を表し、制御パラメータFMLは同信号LFOの最大振幅レベルを表し、かつ制御パラメータFMDTはキーオン信号KONの到来から同信号LFOの発生までの遅延時間を表すもので、低周波発振器52はこれらの制御パラメータFMS,FML,FMDTを用いて前記第2制御信号LFOを形成する。
【0022】
これらの第1制御信号FEGと第2制御信号LFOは加算器53にて加算され、リミッタ54にて「0」〜「1」の範囲内に制限されて乗算器55に出力される。乗算器55は、第1テーブル56から出力されたテーブル数TNから減算器57にて「1」を減算した値TN−1をリミッタ54の出力信号に乗算して出力する。第1テーブル56は、図8に示すように、波形番号WNに対応してテーブル数TNを記憶しており、同テーブル数TNは波形番号WNにより選択的に読み出し出力される。このテーブル数TNは、波形番号WNにより指定される波形サンプル群の補間演算のために利用される補間係数テーブル(図3参照)の数を表すものである。したがって、乗算器55の出力は、「0」から利用されるテーブル数TNより「1」だけ少ない数の間で連続的に変化する信号となる。たとえば、テーブル数TNが「4」であれば、乗算器55の出力は「0」〜「3」の間で変化する。
【0023】
この乗算器55の出力のうちで整数部(上位ビット)INTは加算器58を介して第2テーブル59に出力される。加算器58にはインバータ58aを介してクロック信号φabが供給されており、同加算器58は、クロック信号φabがハイレベルにあるとき前記整数部INTをそのまま出力し、かつクロック信号φabがローレベルにあるとき前記整数部INTに「1」を加算して出力するものである。第2テーブル59は、図9に示すように、波形番号WN毎に、同番号WNにより指定される波形サンプル群の補間のために利用される複数の補間係数テーブル(図3参照)をそれぞれ指定するための複数のテーブルデータTDを記憶している。波形番号WN毎のテーブルデータDTの数は前述のテーブル数TNに等しく、波形番号WNにより指定される複数のテーブルデータTDは、それぞれ加算器58の出力により指定されて第2テーブル59から第1補間係数選択信号FS1として出力されるようになっている。
【0024】
例えば、波形番号WNが「1」であれば、第2テーブル59内のテーブルデータTDとしてTD1=2,TD2=5,TD3=6,TD4=0が指定される。一方、第1テーブル56からはテーブル数TN=4が出力され、乗算器55の出力信号の整数部INTは「0」,「1」,「2」のいずれかを表すので、加算器58からは「0」と「1」、「1」と「2」、「2」と「3」を表す信号がそれぞれクロック信号φabに同期して交互に出力される。したがって、第2テーブル59からの第1補間係数選択信号FS1は、非周期信号発生器51からの第1制御信号FEG及び低周波発振器52からの第2制御信号LFOに応じて、TD1=2とTD2=5、TD2=5とTD3=6、TD3=6とTD4=0をクロック信号φabに同期してそれぞれ交互に表す信号となる。そして、図2の補間係数メモリ41(図3参照)からは、前記第1補間係数選択信号FS1により指定された補間係数テーブル内の補間係数a0〜a5であって、補間カウンタ33のカウント値CNT及びアドレス信号ADRの少数部FRACによりアドレス指定された補間係数a0〜a5がクロック信号φabに同期して2つずつ順次出力される。
【0025】
補間係数メモリ41には、ラッチ回路43,44が接続されている。ラッチ回路43,44はクロック信号φab及び同信号φabをインバータ45により反転した信号により制御され、前記各2つずつの補間係数a0〜a5をそれぞれ交互にラッチして補間係数補間回路46に出力する。この補間係数補間回路46には、関数選択部42の乗算器55からの出力信号の少数部(下位ビット)FRACが第2補間係数選択信号FS2として供給されている。補間係数補間回路46は、この第2補間係数選択信号FS2を用いて、ラッチ回路43,44にてラッチされた各一対の補間係数a0〜a5をそれぞれ補間し(例えば、第2補間係数選択信号FS2を混合比として2つの補間係数を混合し)、同補間した補間係数a0〜a5を乗算器36に出力する。
【0026】
上記のように構成した実施例においては、鍵盤装置11にていずれかの鍵が押鍵されると、マイクロコンピュータ13は押鍵された鍵の音高を表す音高データNNを音源インターフェース14に供給し、音源インターフェース14は同音高データNNに対応した周波数ナンバFNOをアドレス発生器32に供給する。これと同時に、マイクロコンピュータ13は、音色選択スイッチ12の操作により指定されている音色番号TC、音高データNN及び鍵タッチデータKTに応じて波形番号WNを決定するとともに、同波形番号WNに応じて制御パラメータAS,LS,LEを決定してアドレス発生器32に供給する。アドレス発生器32は、前記制御パラメータAS(WN),LS(WN),LE(WN)により選択される波形サンプル群に属する波形サンプルを指定しかつ前記周波数ナンバFNOに比例した速度で変化する複数ビットからなるアドレス信号ADRを発生する。したがって、音色番号TC、音高データNN、鍵タッチデータKT、波形番号WNなどが波形を選択するための波形選択信号を構成する。
【0027】
補間カウンタ33は「0」〜「5」まで繰り返し変化するカウント値CNTを加算器34に出力しており、同加算器34は前記アドレス信号ADRの整数部INTとカウント値CNTとを加算して波形メモリ31に供給するので、同メモリ31から、前記整数部INTにより指定される波形サンプル値Y0 及び次の5個の波形サンプル値Y1〜Y5が補間用波形サンプルとして読み出される。したがって、本発明の波形サンプル読み出し手段は補間カウンタ33及び加算器34に対応する。
【0028】
また、関数選択部42においては、押鍵に応答して、非周期信号発生器51(本発明の制御信号発生手段)が音色番号TC、音高データNN及び鍵タッチデータKTにより決定される制御パラメータP1〜P5に応じて時変動する第1制御信号FEGを発生しているとともに、低周波発振器52(本発明の制御信号発生手段)が音色番号TC、音高データNN及び鍵タッチデータKTにより決定される制御パラメータFMS,FML,FMDTに応じた第2制御信号LFOを発生している。一方、この関数選択部42には、前記音色番号TC、音高データNN及び鍵タッチデータKTにより決定される波形番号WNも供給されており、同選択部42内の乗算器55、第1テーブル56、第2テーブル59などの作用により、補間係数メモリ41からは本発明の補間用パラメータとしての補間係数a0〜a5がラッチ回路43,44及び補間係数補間回路46を介して乗算器36に供給される。そして、乗算器36及び補間累算器37の作用により、前記補間係数a0〜a5を用いて波形サンプル値Y0〜Y5が補間されて一つの波形サンプル値Yとして出力される。したがって、乗算器55、第1テーブル56、第2テーブル59、補間係数メモリ41、補間係数補間回路46などが本発明の補間パラメータ発生手段を構成するとともに、乗算器36及び補間累算器37が本発明の波形サンプル補間手段を構成する。
【0029】
上記作動説明からも理解できるように、上記実施例によれば、音色番号TC、音高データNN、鍵タッチデータKT、波形番号WNなどからなる波形選択信号により選択される波形サンプル群に対応して、同波形サンプル群に属する波形サンプルの補間に用いられる補間用パラメータとしての補間係数a0〜a5が変更される。また、複数周期分の楽音波形を表す波形サンプル群が時間経過にしたがって読み出されるのに対応して、第1制御信号FEGは時間経過にしたがって変化するので、時間経過にしたがって変化する波形サンプル群に対応して、同波形サンプル群に属する波形サンプルの補間に用いられる補間用パラメータとしての補間係数a0〜a5も変更される。したがって、読み出される各波形サンプル群に最適な補間関数にしたがった補間係数a0〜a5を利用できて、音色、鍵タッチ、音高などの相違により読み出される波形サンプル群が変化しても、また楽音のアタックからリリースに到る時間経過にしたがって読み出される波形サンプル群が変化しても、同変化に対応した最適な波形サンプルの補間を実現することができる。また、第2制御信号LFOは補間係数a0〜a5を周期的に変化させるようにも作用するので、周期的な音色変化も実現される。
【0030】
なお、上記実施例においては、多数の周期からなり時変動する楽音波形を表す複数種類の波形サンプル群を波形メモリ31に記憶させるようにしたが、単に1,2周期の少ない周期の楽音波形を表す複数種類の波形サンプル群を波形メモリ31に記憶させるようにした楽音信号発生装置にも本発明は適用できる。この場合、アドレス発生器32を前記波形サンプル群を繰り返し読み出すためのアドレス信号ADRを発生するように構成し、非周期信号発生器51及び低周波発振器52を省略して、単に波形番号WNに応じて補間係数a0〜a5を決定するようにすればよい。
【0031】
また、上記実施例においては、6個の補間用波形サンプル値Y0〜Y5を補間するようにしたが、この補間用波形サンプル値の数は6個に限定されることはなく、他の数にしてもよい。さらに、他の回路(例えばディジタルフィルタ)との接続、楽音信号発生チャンネル数の切り換えなどに関係して、前記補間用波形サンプル値の数を選択的に設定できるようにしてもよい。この場合、補間カウンタ33のカウンタ値CNTの最大値を変更するとともに、これに伴いチャンネルタイミングなどを変更する。
【0032】
さらに、上記実施例においては、音色番号TC、音高データNN及び鍵タッチデータKTに応じて波形番号WNが決定され、かつ同番号WNに応じて補間係数a0〜a5を規定する補間関数が決定されるようにしたが、さらに周波数ナンバFNOが大きくなるにしたがってカットオフ周波数が低くなる補間関数及び補間係数a0〜a5が決定されるようにすれば、最終的に出力される楽音波形信号に含まれる折り返しノイズをより効果的に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る楽音信号発生装置を適用した電子楽器の全体を示す概略ブロック図である。
【図2】 図1の波形発生器の詳細ブロック図である。
【図3】 図2の補間係数メモリのメモリマップである。
【図4】 同補間係数メモリに記憶されている補間係数を規定する補間関数を示すグラフである。
【図5】 図2の関数選択部の詳細ブロック図である。
【図6】 図5の非周期信号発生器から出力される第1制御信号の一例を示すタイムチャートである。
【図7】 図5の低周波発振器から出力される第2制御信号の一例を示すタイムチャートである。
【図8】 図5の第1テーブルのテーブルマップである。
【図9】 図5の第2テーブルのテーブルマップである。
【図10】 図2及び図5の回路動作を説明するためのタイムチャートである。
【図11】 図2の補間動作を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
11…鍵盤装置、12…音色選択スイッチ、13…マイクロコンピュータ、15…波形発生器、16…エンベロープ発生器、22…サウンドシステム、31…波形メモリ、32…アドレス発生器、33…補間カウンタ、36…乗算器、37…補間累算器、40…補間係数発生器、41…補間係数メモリ、42…関数選択部、43,44…ラッチ回路、46…補間係数補間回路、51…非周期信号発生器、52…低周波発振器、56…第1テーブル、59…第2テーブル。
Claims (3)
- 楽音波形を離散的に表す一連の波形サンプル群を記憶した波形メモリと、
音高を指定するための音高指定信号を入力し、同入力した音高指定信号により指定される音高に応じた速度で変化して前記波形サンプル群に属する波形サンプルを指定するための複数ビットからなるアドレス信号を発生するアドレス信号発生手段と、
前記アドレス信号の上位ビットにより指定される波形サンプル近傍の複数の波形サンプルを補間用波形サンプルとして読み出す波形サンプル読み出し手段と、
複数ビットからなる制御信号を発生する制御信号発生手段と、
前記制御信号の上位ビットにより指定されるとともに相互に異なる特性を有する2つの補間関数にしたがいかつ前記アドレス信号の下位ビットにより表される値に応じて変化する2組の補間用パラメータを指定し、前記制御信号の下位ビットに応じて前記指定された2組の補間用パラメータを補間して1組の補間用パラメータを生成して出力する補間パラメータ発生手段と、
前記出力された1組の補間用パラメータを用いて前記読み出した補間用波形サンプルを補間して一つの波形サンプルを導出する波形サンプル補間手段と
を備えた楽音信号発生装置。 - 前記請求項1に記載の補間パラメータ発生手段を、
異なる特性を有する複数の補間関数にしたがった補間用パラメータを記憶する補間パラメータメモリと、
前記複数の補間関数のうちで前記制御信号の上位ビットにより指定されるとともに相互に異なる特性を有する2つの補間関数を表す補間関数指定データを出力する補間関数指定手段と、
前記補間関数指定データにより指定されるとともに相互に異なる特性を有する2つの補間関数にしたがいかつ前記アドレス信号の下位ビットにより表される値に応じて変化する2組の補間用パラメータを前記補間パラメータメモリから読み出す補間用パラメータ読み出し手段と、
前記読み出された2組の補間用パラメータを前記制御信号の下位ビットにより補間して1組の補間用パラメータを生成して出力する関数補間手段と
で構成した楽音信号発生装置。 - 前記請求項1又は請求項2に記載の制御信号は、時変動する信号である楽音信号発生装置。
Priority Applications (1)
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