JP3763497B2 - 湿式現像剤の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも電気絶縁性分散媒、着色剤及び樹脂からなる湿式現像剤に関し、電子写真用、静電印刷用、静電記録用として適した湿式現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真用、静電印刷用、静電記録用に使用される湿式現像剤は、電気絶縁性分散媒中に顔料、染料等の着色剤粒子を分散させたものであり、着色剤粒子の分散、定着、荷電制御を目的とした樹脂を溶解させたものが使用されている。この種の湿式現像剤は、通常、以下のような種々の方法により製造されている。例えば、ビーズミルなどを使用して着色剤を溶媒中に分散し、該溶媒に可溶性の樹脂を着色剤表面に吸着させることにより分散安定化する分散方法や熱可塑性樹脂中に着色剤その他の材料を混練し、機械式粉砕機で粉砕した後、分散媒中に分散する方法などが一般的に知られている。このような湿式現像剤においては、多くの場合、電気絶縁性溶媒としてはアイソパー等のイソパラフィン系溶媒を用いているため、可溶性の観点からは使用可能な樹脂系が限られている。
【0003】
また、これらの製造方法で使用される樹脂は、一般的に分散媒に可溶性のものであるため、記録媒体に対する現像時の接着性は良好であるが、トナーの定着は分散媒中に溶解した樹脂の乾燥固着によるため、摩擦等による現像後の画像の剥がれを引起しやすいという欠点がある。
【0004】
また、単に着色剤を分散媒に可溶性の樹脂中で分散させるだけでは、着色剤粒子に対する樹脂の吸着が不十分であるため、現像時にバインダーとなるべき樹脂成分が着色剤から脱離して分散媒中に残ってしまい、その結果現像後の画像の着色剤粒子に対して定着させる成分である樹脂が非常に少ない割合でしか現像されないといった問題もある。
【0005】
また、本発明者らは、着色剤粒子の存在下、少なくとも2種以上のモノマー成分よりなる共重合樹脂を溶媒に溶解した後、電気絶縁性分散媒と混合し、共重合樹脂粒子を造粒させる方法を先に出願した(特願平7−46760号)。この場合、得られたトナー粒子は、2種類以上のモノマー単位を有する共重合樹脂の場合、分散媒に不溶性の重合単位が着色剤に吸着した形で核部分となり、分散媒に溶解または膨潤する重合単位がその核部分を包み込むような形で外縁部分を形成するものとなる。このようにして形成された湿式現像剤は、現像時にはこのトナー粒子単位で現像が行われるため、着色剤から樹脂が脱離してしまうという問題を解消でき、現像後の画像の着色剤粒子と樹脂の割合がトナー組成中の着色剤粒子と樹脂の割合とほぼ同等となり、現像性に優れることを見出した。
【0006】
しかしながら、このような湿式現像剤でも、着色剤を包み込む樹脂自体の造膜性が不十分であると、現像後の画像の剥がれを引起しやすいという課題が残り、充分な定着性を得ることができない場合があることが判明した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、現像性、定着性、分散安定性の改良された湿式現像剤及びその製造方法の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の湿式現像剤の製造方法は、(A)共重合樹脂を溶媒に溶解する工程、(B)共重合樹脂を溶解した溶液を着色剤の存在下で電気絶縁性分散媒と混合して共重合樹脂粒子を造粒する工程、(C)溶媒を除去する工程を順次経て製造される少なくとも電気絶縁性分散媒と着色剤を包含した共重合樹脂粒子とからなる分散液に、(A′)ポリエチレン系共重合樹脂を溶媒に溶解する工程、(B′)溶液を電気絶縁性分散媒と混合して樹脂粒子を造粒する工程、(C′)溶媒を除去する工程を順次経て製造されるカルボキシル基またはエステル基を有するポリエチレン系共重合樹脂粒子を混合することを特徴とする。
【0009】
また、分散液が、(A)共重合樹脂を溶媒に溶解する工程、(B)共重合樹脂を溶解した溶液を着色剤の存在下で電気絶縁性分散媒と混合して共重合樹脂粒子を造粒する工程、(C)溶媒を除去する工程を順次経て製造されるものであり、また、カルボキシル基またはエステル基を有するポリエチレン系共重合樹脂粒子が、(A′)ポリエチレン系共重合樹脂を溶媒に溶解する工程、(B′)溶液を電気絶縁性分散媒と混合して樹脂粒子を造粒する工程、(C′)溶媒を除去する工程を順次経て製造されるものであることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の湿式現像剤における構成成分について説明する。
【0011】
電気絶縁性分散媒としては、1010Ω・cm以上の体積抵抗を有するものであり、例えば、液状の脂肪族炭化水素、例えば、n−パラフィン系炭化水素、iso−パラフィン系炭化水素、またはその混合物、ハロゲン化脂肪族炭化水素等が挙げられる。特に好ましくは分岐鎖脂肪族炭化水素であり、例えばエクソン社製のアイソパーG、アイソパーH、アイソパーK、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV等が例示される。
【0012】
着色剤としては、顔料または染料の何れも用いることができるが、主としてその色相の強さから顔料が用いられ、染料は補助的に用いることが多い。しかし、染料の昇華性を利用してポリエステル布等に画像形成を行う用途、すなわち、捺染染色では着色剤として染料のみが用いられ、この場合には、電気絶縁性分散媒に不溶な分散染料が選択される。
【0013】
顔料としては、公知の有機若しくは無機の顔料を使用することができ、例えば、ブラック系顔料としては、無機系のカ−ボンブラック、四三酸化鉄、有機系のシアニンブラックが挙げられる。
【0014】
イエロー系顔料としては、無機系の黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタン黄、オーカー等が挙げられる。また、難溶性金属塩(アゾレーキ)のアセト酢酸アリリド系モノアゾ顔料としては、ハンザイエローG( C.I.No. pigment Yellow 1、以下、同様)、ハンザイエロー10G( pigment Yellow 3)、ハンザイエローRN( pigment Yellow 65)、ハンザブリリアントイエロー5GX( pigment Yellow 74)、ハンザブリリアントイエロー10GX( pigment Yellow 98)、パーマネントイエローFGL( pigment Yellow 97)、シムラレーキファストイエロー6G( pigment Yellow 133)、リオノールイエローK−2R( pigment Yellow 169)、またアセト酢酸アリリドジスアゾ顔料としては、ジスアゾイエローG( pigment Yellow 12)、ジスアゾイエローGR( pigment Yellow 13)、ジスアゾイエロー5G( pigment Yellow 14)、ジスアゾイエロー8G( pigment Yellow 17)、ジスアゾイエローR( pigment Yellow 55)、パーマネントイエローHR( pigment Yellow 83)が挙げられる。縮合アゾ顔料としては、クロモフタルイエロー3G( pigment Yellow 93)、クロモフタルイエロー6G( pigment Yellow 94)、クロモフタルイエローGR( pigment Yellow 95)が挙げられる。更に、ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料としては、ホスタパームイエローH3G( pigment Yellow 154)、ホスタパームイエローH4G( pigment Yellow 151)、ホスタパームイエローH2G( pigment Yellow 120)、ホスタパームイエローH6G( pigment Yellow 175)、ホスタパームイエローHLR( pigment Yellow 156)が挙げられる。また、イソインドリノン系顔料としては、イルガジンイエロー3RLTN( pigment Yellow 110)、イルガジンイエロー2RLT、イルガジンイエロー2GLT( pigment Yellow 109)、ファストゲンスーパーイエローGROH( pigment Yellow 137)、ファストゲンスーパーイエローGRO( pigment Yellow 110)、サンドリンイエロー6GL( pigment Yellow 173)が挙げられる。その他、スレン系顔料であるフラバントロン( pigment Yellow 24)、アントラミリミジン( pigment Yellow 108)、フタロイルアミド型アントラキノン( pigment Yellow 123)、ヘリオファストイエローE3R( pigment Yellow 99)、金属錯体顔料であるアゾ系ニッケル錯体顔料( pigment Green10)、ニトロソ系ニッケル錯体顔料( pigment Yellow 153)、アゾメチン系銅錯体顔料( pigment Yellow 117)、更にキノフタロン顔料であるフタルイミドキノフタロン顔料( pigment Yellow 138)等が挙げられる。
【0015】
また、マゼンタ系顔料としては無機系のカドミウムレッド、ベンガラ、銀朱、鉛丹、アンチモン朱が挙げられる。また、アゾ系顔料のアゾレーキ系としては、ブリリアントカーミン6B( pigment Red57:1)、レーキレッド( pigment Red53:1)、パーマネントレッドF5R( pigment Red48)、リソールレッド( pigment Red49)、ペルシアオレンジ( pigment Orange17)、クロセイオレンジ( pigment Orange18)、ヘリオオレンジTD( pigment Orange19)、ピグメントスカーレット( pigment Red60:1)、ブリリアントスカーレットG( pigment64:1)、ヘリオレッドRMT( pigment Red51)、ボルドー10B( pigment Red63)、ヘリオボルドーBL( pigment Red54)が挙げられ、また、不溶性アゾ系(モノアゾ、ジスアゾ系、縮合アゾ系)としては、パラレッド( pigment Red1)、レーキレッド4R( pigment Red3)、パーマネントオレンジ( pigment Orange5)、パーマネントレッドFR2( pigment Red2)、パーマネントレッドFRLL( pigment Red9)、パーマネントレッドFGR( pigment Red112)、ブリリアントカーミンBS( pigment Red114)、パーマネントカーミンFB( pigment Red5)、P.V.カーミンHR( pigment Red150)、パーマネントカーミンFBB( pigment Red146)、ノバパームレッドF3RK−F5RK( pigment Red170)、ノバパームレッドHFG( pigment Orange38)、ノバパームレッドHF4B( pigment Red187)、ノバパームオレンジHL.HL−70( pigment Orange36)、P.V.カーミンHF4C( pigment Red185)、ホスタバームブラウンHFR( pigment Brown25)、バルカンオレンジ( pigment Orange16)、ピラゾロンオレンジ( pigment Orange13)、ピラゾロンレッド( pigment Red38)が挙げられ、更に縮合アゾ顔料としてクロモフタールオレンジ4R( pigment Orange31)、クロモフタールスカーレットR( pigment Red166)、クロモフタールレッドBR( pigment Red144)等が挙げられる。
【0016】
また、縮合多環系顔料であるアントラキノン顔料としてピランスロンオレンジ( pigment Orange40)、アントアントロンオレンジ( pigment Orange168)、ジアントラキノニルレッド( pigment Red177)が挙げられ、チオインジゴ系顔料としてチオインジゴマゼンタ( pigment Violet38)、チオインジゴバイオレット( pigment Violet36)、チオインジゴレッド( pigment Red88)が挙げられ、ペリノン系顔料としてペリノンオレンジ( pigment Orange43)が挙げられ、更にペリレン系顔料として、ペリレンレッド( pigment Red190)、ペリレンバーミリオン( pigment Red123)、ペリレンマルーン( pigment Red179)、ペリレンスカーレット( pigment Red149)、ペリレンレッド( pigment Red178)が挙げられ、キナクリドン系顔料としてキナクリドンレッド( pigment Violet19)、キナクリドンマゼンタ( pigment Red122)、キナクリドンマルーン( pigment Red206)、キナクリドンスカーレット( pigment Red207)が挙げられ、その他、縮合多環顔料としてピロコリン系顔料、赤色系フルオルビン系顔料、染付けレーキ系顔料(水溶性染料+沈殿剤→レーキ化固着)としてローダミン6Gレーキ( pigment Red 81)等が挙げられる。
【0017】
シアン系顔料としては、無機系の群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー等が挙げられ、またフタロシアニン系として、ファーストゲンブル−BB( pigment Blue 15)、スミトン・シアニン・ブルーHB( pigment Blue 15)、シアニンブルー5020( pigment Blue 15:1)、モナストラルブルーFBR( pigment Blue 15:2)、パロマーブルーB−4810( pigment Blue 15:3)、モナストラルブルーFGX( pigment Blue 15:4)、リオノールブルーES( pigment Blue 15:6)、ヘリオゲンブルーL6700F( pigment Blue 15:6)、スミカプリント・シアニン・ブルーGN−O( pigment Blue 15)、ヘリオゲンブルーL7560( pigment Blue 16)、ファスト・スカイブルーA−612( pigment Blue 17)、シアニン・グリーンGB( pigment Green7)、シアニングリーンS537−2Y( pigment Green36)、スミトン・ファストバイオレットRL( pigment Violet23)が挙げられ、また、スレン系顔料であるインダントロンブルー(PB−60P,PB−22,PB−21,PB−64)、塩基性染料レーキ顔料であるメチルバイオレット・リン・モリブデン酸レーキ(PV−3)等が挙げられる。
【0018】
また、上記の顔料の表面に樹脂をコーティングしたいわゆる加工顔料と呼ばれる着色剤も同様に使用することができる。
【0019】
また、染料は、熱により溶融、拡散もしくは昇華して移行する染料であれば良く、特に分散染料が好ましく用いられる。これらの染料は、約150〜550程度の分子量を有するものであり、昇華あるいは溶融温度、色相、耐光性、樹脂、トナー溶液中での溶解性などを考慮して選択され、一般的には、例えばジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメチン系、キサンチン系、オキサジン系、アゾおよびアゾ系誘導体、アントラキノン誘導体、キノフタロン誘導体、スピロジピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系の染料が好適に用いられる。例えばカラーインデックスで示すC.I.イエロー51、3、54、79、60、23、7、141、 C.I.ディスパースブルー24、56、14、301、334、165、19、72、87、287、154、26 C.I.ディスパースレッド135、146、59、1、73、60、167 C.I.ディスパースバイオレット4、13、26、36、56、31 C.I.ソルベントバイオレット13 C.I.ソルベントブラック3 C.I.ソルベントグリーン3 C.I.ソルベントイエロー56、14、16、29 C.I.ソルベントブルー70、35、63、36、50、49、111、105、97、11C.I.ソルベントレッド135、81、18、25、19、23、24、143、146、182などである。
【0020】
具体的には、例えば3、3−ジエチルオキサシアニンアイオダイド、アストラゾンピンクFG(バイエル社製、C.I.48015)、2,2−カルボシアニン(C.I.808)、アストラフイロキシンFF(C.I.148070)、アストラゾンイエロー7GLL(C.I.ベーシックイエロー21)、アイゼンカロチンイエロー3GLH(保土谷化学製、C.I.48055)、アイゼンカロチンレッド6BH(C.I.48020)、等のモノメチン系、ジメチン系またはトリメチン系等のメチン(シアニン)系塩基性染料、オーラミン(C.I.655)等のごときジフェニルメタン系塩基性染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ブリリアントグレーン(C.I.42040)、マゼンタ(C.I.42510)、メチルバイオレット(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、メチルグリーン(C.I.684)、ビクトリアルブルーB(C.I.44045)等のトリフェニルメタン系塩基性染料、ピロニンG(C.I.739)、ローダミンB(C.I.45170)、ローダミン6G(C.I.45160)等のキサンテン系塩基性染料、アクリジンイエローG(C.I.785)、レオニンAL(C.I.46075)、ベンゾフラビン(C.I.791)、アフィン(C.I.46045)等のアクリジン系塩基性染料、ニュートラルレッド(C.I.50040)、アストラゾンブルーBGE/X125%(C.I.51005)、メチレンブルー(C.I.52015)等のキノンイミン系塩基性染料、その他第4級アミンをもったアントラキノン系塩基性染料等の塩基性染料類があげられる。これらの染料は、そのままの状態で、あるいはこれらの染料をアルカリ処理した形態で用いることができ、またこれらの染料の対イオン交換体あるいはロイコ体も用いることができる。常態では無色あるいは淡色であるロイコ染料等を使用する場合は、画像形成シート側に顕色剤を包含させておけばよい。更に、これらの分散染料は1成分のみで用いるのではなく、2種以上を混合した場合でも用いられる。とくに混合、溶融された場合、両者がどの様な混合体を形成するかによっても熱的挙動は大きく異なり、これに伴って蒸気圧も組成比によって特有な変化をするので融点温度に低下を起こす場合、活性化エネルギーも小さくてすみ昇華感度向上をなし得る。
【0021】
着色剤の粒径としては、二次凝集状態で、平均粒径が0.1〜100μmのものを使用することができ、湿式現像剤中、0.1重量%〜25重量%、好ましくは、0.25重量%〜10重量%とするとよい。
【0022】
本発明の湿式現像剤には、必要に応じて、分散剤、電荷制御剤が添加されてもよい。分散剤としては、ナフテン酸ジルコニウム、ステアリン酸アルミニウム等の金属石鹸類、レシチン等の天然リン酸エステル類、脂肪族アミン類、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等が使用される。分散剤は、湿式現像剤中、0〜50重量%、好ましくは0〜0.1重の割合で添加されるとよい。
【0023】
また、電荷制御剤としては、ジアルキルスルホコハク酸コバルト、ジアルキルスルホコハク酸マンガン、ジアルキルスルホコハク酸ジルコニウム、ジアルキルスルホコハク酸イットリウム、ジアルキルスルホコハク酸ニッケル等のジアルキルスルホコハク酸金属塩、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉄、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸クロム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸マグネシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸カルシウム、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸鉄、オクチル酸鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸クロム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸マグネシウム、ドデシル酸マンガン、ドデシル酸カルシウム、ドデシル酸ジルコニウム、ドデシル酸鉄、ドデシル酸鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸クロム、ドデシル酸亜鉛、ドデシル酸マグネシウム等の金属石鹸、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸バリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸金属塩、レシチン、セハリン等の燐脂質、n−デシルアミン等の有機アミン類等を好ましく添加できる。添加量は、電荷制御効果を示す最低限の量でよいが、通常、湿式現像剤中で0.01重量〜50重量%、好ましくは0.1重量%〜25重量%である。
【0024】
次に、本発明の湿式現像剤における樹脂について説明する。樹脂としては、電気絶縁性分散媒中に分散するタイプとするとよい。
【0027】
また、電気絶縁性分散媒に分散するタイプの樹脂としては、例えばスチレン−ブタジエン共重合樹脂、スチレン−イソプレン共重合樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アクリレート共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−メチルアクリレート共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合樹脂、アクリル酸−メチルメタクリレート共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、2−エチルヘキシルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体等の熱可塑性樹脂が挙げられ、ASTMD−1238で規定されるメルトフローレート(MFR)が1dg/min〜400dg/min、好ましくは2dg/min〜150dg/minのものが好ましい。このMFR値の範囲は、重量平均分子量に換算すると約6万〜25万、好ましくは7万5千〜20万に相当するものが好ましい。
【0029】
また、電気絶縁性分散媒に分散するタイプの樹脂は、次に示すように、造粒工程により粒子化されて電気絶縁性分散媒中に分散されてもよい。
【0030】
以下、電気絶縁性分散媒中に樹脂が造粒工程により粒子化されて分散する場合について説明する。
【0031】
このような樹脂としては、2種以上のモノマー成分より成る共重合樹脂であって、電気絶縁性分散媒との関係が、以下のように規定できるものである。
【0032】
(1)共重合樹脂における少なくとも1種のモノマー成分のみから合成されるホモポリマーの溶解度パラメータ値(以下、SP値という)δp1 と電気絶縁性分散媒のSP値δs1 との差Δδ1 が1.0以上、好ましくは1.5以上であると共に、
(2)他の少なくとも1種のモノマー成分のみから合成されるホモポリマーのSP値δp2 と分散媒のSP値δs1 との差Δδ2 が1.0以下、好ましくは0.5≦Δδ1 ≦1.0の範囲であり、かつ、
(3)Δδ1 とΔδ2 との差Δ(Δδ1 −Δδ2 )が少なくとも0.5以上、好ましくは1.0以上となる関係を満たすものである。
【0033】
ここで、樹脂のSP値としては分子引力定数から求める方法、即ち、樹脂分子を構成する各官能基又は原子団の分子引力定数により求められる値を使用し、また、溶媒のSP値としては、Hildebrand-Scatchardの溶液理論( J.H.Hildebrand,R.L.Scott,「 The Solubility of Nonelectrolytes」3rd Ed.,Reinhold Publishing cop.,New York (1949)、G.Scatchard,Chem.Rev.,8,321(1931) に基づき分子間の引き合う力を考えて得られるもので、
SP値(δ)=(ΔEv /ΔV1 1/2
(式中、ΔEv :蒸発エネルギー、V1 :分子容、ΔEv /V1 :凝集エネルギー)
で示され、K.L.Hoy,「 J. Paint Technol.,42,76(1970)に記載されている、25℃での値を使用する。
【0034】
ここで、指標となるホモポリマー及びそのSP値を記載しておく。ポリエチレン(8.1)、ポリブタジエン(8.4)、ポリイソプレン(8.15)、ポリイソブチレン(7.7)、ポリスチレン(9.1)、ポリビニルアセテート(9.4)、ポリラウリルメタクリレート(8.2)、ポリステアリルメタクリレート(8.2)、ポリイソボニルメタクリレート(8.2)、ポリ−t−ブチルメタクリレート(8.2)、ポリエチルメタクリレート(9.1)、ポリメチルメタクリレート(9.3)、ポリメチルアクリレート(9.7)、ポリエチルアクリレート(9.2)、ポリ{2−エチルヘキシルメタクリレート}( )、ポリ{2−ヒドロキシエチルメタクリレート}( )。
【0035】
電気絶縁性分散媒としては、n−ヘキサン(7.3)、n−ヘプタン(7.5)、n−オクタン(7.5)、ノナン(7.6)、デカン(7.7)、ドデカン(7.9)、シクロヘキサン(8.2)、パークロロエチレン(9.3)、トリクロロエタン(9.9)、また、エクソン社製のアイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーM、アイソパーV等は7.0〜7.3。
【0036】
一般に、SP値は物質同士の相溶性、非相溶性を示すものとして知られているが、樹脂とその溶媒との関係においては、SP値により樹脂のその溶媒に対する溶解性の程度を示すことができ、両者のSP値の差が小さければ、樹脂のその溶媒に対する溶解性が大きく、その差が大きければ溶解性が小さく、不溶性となることを示すものである。
【0037】
また、比較的希薄な状態で樹脂をその良溶媒中に溶解させた後、その溶液を貧溶媒中に添加し、良溶媒を除去する操作を行なうと樹脂粒子を析出させることができるが、これは、良溶媒中では単分子状で、かつ分子鎖が伸びた状態で存在していた樹脂が、貧溶媒中では分子鎖が縮まり、粒子化し、析出するに至るものと考えることができる。従って、貧溶媒として、樹脂が膨潤する程度のSP値の差を有する溶媒とするか、また、SP値の差が大きく、樹脂が完全に不溶性の溶媒とするかにより、溶媒中での粒子の状態が相違する。
【0038】
樹脂とその溶媒との間には、このような一般的な関係があるが、本発明者等は、樹脂として共重合樹脂を使用し、その粒子を特定のSP値を有する溶媒中に存在させると、共重合樹脂におけるモノマー構成の割合が変化するにつれて、析出する樹脂粒子の粒径が比例して変化することを実験的に見出した。
【0039】
また、その法則性を検討する中で、少なくとも2種以上のモノマー成分からなる共重合樹脂を、その少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーと、他の少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーとからなるものと見做すことができ、それぞれのホモポリマーの溶媒に対する溶解性から、溶媒中における共重合樹脂の溶解状態を規定しうるものであり、上述した共重合樹脂と電気絶縁性分散媒とのSP値との関係において、電気絶縁性分散媒中においてポリオレフィン系共重合樹脂粒子は、(1)で規定される溶媒に対する不溶部分と、その不溶部分を包む、上記の(2)で規定される溶解又は膨潤部分とからなる外縁部分を有するものとできる。これにより、分散媒との表面親和性により粒子濃度を高くしても、ゲル化、凝集、沈澱等が生じることがなく、分散安定性に優れるものとできる。
【0040】
重合単位が3成分以上からなる共重合樹脂粒子の場合には、第3成分が分散媒のSP値との関係で溶解または不溶性部分を形成する各成分のいずれか一方と同様のSP値を与えるものであれば、それと同等の成分として見做してよく、また、分散媒のSP値との関係で、SP値がそれぞれ相違する場合は、分散媒のSP値との差の一番大きいものと一番小さいものを選択するとよい。
【0041】
分散するタイプの樹脂としては、粒径が0.1μm〜100μmの範囲内の粒子に調整されるとよい。また、湿式現像剤中、0.01重量%〜80重量%、好ましくは0.1重量%〜50重量%の割合で含有させるとよい。また、着色剤に対して、25重量%〜300重量%、好ましくは、50重量%〜200重量%とするとよい。
【0042】
次に、樹脂の造粒工程としては、(A)共重合樹脂を、溶媒に溶解する工程、(B)共重合樹脂を溶解した溶液を、着色剤の存在下、又は非存在下で分散媒と混合して共重合樹脂粒子を造粒する工程、(C)溶媒を除去する工程とからなる。(A)の工程において使用される溶媒としては、共重合樹脂を室温(25℃)で溶解することができるものであり、少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーのSP値δp1 、及び他の少なくとも1種のモノマー成分のみから構成されるホモポリマーのSP値δp2 のいずれとも類似するSP値を有する溶媒が好ましい。この場合、構成成分によっては溶解または膨潤状態とはならず、不溶状態にあるとしても、単分子鎖の分散状態が良好であればよい。
【0043】
このような溶媒(SP値)としては、下記のものが挙げられ、SP値との関係で適宜選択して使用するとよい。
【0044】
シクロヘキサン(8.2)、酢酸セロソルブ(9.4)、トルエン(8.9)、テトラヒドロフラン(9.1)、メチルエチルケトン(9.5)、シクロヘキサノン(10.4)、アセトン(9.6)、ジオキサン(10.1)、エチルセロソルブ(10.7)、シクロヘキサノール(11.4)、メチルセロソルブ(11.7)、イソプロピルアルコール(11.4)、エタノール(12.8)、メタノール(14.5)が挙げられる。
【0045】
また、分散剤を溶液中に0.3重量%〜0.5重量%の範囲で含有させておくと、樹脂の分散状態を良好なものとでき、また、共重合樹脂の溶媒に対する溶解量は任意とすることができるが、樹脂比率が高すぎると樹脂粒子の析出工程において樹脂粒子が相互に接触し、ゲル状の塊となる恐れがあるので、1〜80重量%、好ましくは5〜10重量%の希薄溶液の状態とするとよい。
【0046】
次に、(B)の造粒工程において、(A)で調製した溶液は、共重合樹脂と上記(1)〜(3)の関係を有する電気絶縁性分散媒と混合される。
【0047】
また、この段階で、必要に応じて着色剤を樹脂溶液中、または分散媒中に添加し、着色剤の存在下で樹脂を造粒させると、共重合樹脂粒子中に顔料を包含させることができる。その際、溶液中に分散した樹脂分子鎖は、貧溶媒である分散媒中に添加されることにより、着色剤を包み込む形で絡まり合い粒子形成がなされるものであり、着色剤を包み込んだ樹脂粒子表面は、共重合樹脂における溶解、または膨潤部分となるもので、着色剤を含有させても、着色剤同士の接触を生じなく、かつ分散安定性に優れるものとできるものである。
【0048】
(C)工程では、樹脂溶液を調製するのに使用した溶媒を、デカンテーション、エバポレーター等により除去するのが、造粒性の観点から好ましい。また、樹脂粒子の粒径を調整するために、ボールミル、アトライター、サンドグラインダー、ケディミル、三本ロール等を使用して更に微粒子化してもよい。
【0050】
電気絶縁性分散媒に分散する樹脂としては、湿式現像中、0.01重量%〜80重量%、好ましくは、0.1重量%〜50重量%とするとよく、また、着色剤に対して、25重量%〜300重量%、好ましくは、50重量%〜200重量%とするとよい。
【0051】
次に、ポリエチレン系共重合樹脂粒子(以下、ポリオレフィン系共重合樹脂粒子ともいう)について説明する。ポリエチレン系共重合樹脂粒子は、トナー粒子に分散性と、造膜性を与え、現像後の画像に対して、充分な定着性を与えることを目的として添加される。
【0052】
このような樹脂としては、カルボキシル基またはエステル基を有するモノマーとオレフィンモノマーとの少なくとも2種以上のモノマー成分より成る共重合樹脂であって、電気絶縁性分散媒との関係が、以下のように規定できるものである。
【0053】
(一)共重合樹脂におけるカルボキシル基またはエステル基を有するモノマー成分のみから合成されるホモポリマーの溶解度パラメータ値(以下、SP値という)δp1 と電気絶縁性分散媒のSP値δs1 との差Δδ1 が1.0以上、好ましくは1.5以上であると共に、
(二)オレフィン成分のみから合成されるホモポリマーのSP値δp2 と分散媒のSP値δs1 との差Δδ2 が1.0以下、好ましくは0.5≦Δδ1 ≦1.0の範囲であり、かつ、
(三)Δδ1 とΔδ2 との差Δ(Δδ1 −Δδ2 )が少なくとも0.5以上、好ましくは1.0以上となる関係を満たすものである。
【0054】
この(一)〜(三)の関係は、上述した(1)〜(3)の関係と同様であり、上述した共重合樹脂と電気絶縁性分散媒とのSP値との関係において、電気絶縁性分散媒中においてポリオレフィン系共重合樹脂粒子は、(一)で規定される溶媒に対する不溶部分と、その不溶部分を包む、上記の(二)で規定される溶解又は膨潤部分とからなる外縁部分を有するものとできる。即ち、ポリオレフィン系共重合樹脂粒子は、カルボキシル基またはエステル基を有するモノマー成分のみから構成される部分を電気絶縁性分散媒に不溶な核とし、ポリオレフィン系成分を分散媒との親和性を有する外縁部とするものであり、分散媒との表面親和性により粒子濃度を高くしても、ゲル化、凝集、沈澱等が生じることがなく、分散安定性に優れると共に、造膜性に優れ、現像後の画像に対して充分な定着性を与えることを可能とする。
【0055】
ポリオレフィン系共重合樹脂としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アクリレート共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−メチルアクリレート共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂等が例示され、ASTM D−1238で規定されるメルトフローレート(MFR)が1dg/min〜400dg/min、好ましくは2dg/min〜150dg/minのものが好ましい。このMFR値の範囲は、重量平均分子量に換算すると約6万〜25万、好ましくは7万5千〜20万に相当する。また、共重合樹脂における、分散媒に対して溶解、又は膨潤部分を形成すると見做される重合単位と分散媒に対して不溶部分を形成すると見做される重合単位との割合は、重量比で95/5〜5/95、好ましくは85/15〜15/85の割合とするのがよい。
【0056】
好ましくは、エチレン−酢酸ビニル共重合体であり、商品名で挙げると、東ソー (株)製ウルトラセン・シリーズ、例えば510X,515F,530,537,537L,537S,525,520F, 540,540F,541,541L,625,630,630F,682,627,631,633,680,681,635,634,710,720,722,725,751,750,760等、住友化学工業 (株)製スミテート・シリーズ、例えばDD-10,HA-20,HC-10,HE-10,KA-10,KA-20,KA-31,KC-10,KE-10,MB-11,RB-11 等、三井・デュポンポリケミカル (株)製エバフレックス・シリーズ、例えば45X,Y-W,150,210,220,250,260,310,360,410,420,450,460,550,560 等、日本合成工業(株)ソアグレン・シリーズ、例えば BH,CH,CI,DH等、同ソアレックスシリーズ、例えば RBH,RCH,RDH等、武田薬品工業(株)デュミラン・シリーズ、例えばデュミランD-219 、D-229 、D-251S、C-2280、C-2270、C-1590、C-1570、C-1550等が挙げられる。また、三菱油化 (株)製ユカロンーエバ、米国デュポン社製エルパックス等を使用できる。
【0057】
その他、ポリオレフィン系樹脂を変性しカルボキシル基を導入したもの、一例を商品名で挙げると、日本石油化学 (株)製Nポリマー、東燃石油化学 (株)製東燃CMP−HAシリーズ、三菱油化 (株)製MODIC、製鉄化学工業 (株)製ザイクセン、三井東圧化学 (株)製ロンプライ、三井石油化学工業 (株)製アドマー等、また、エチレンとアクリル酸との共重合体、商品名で挙げるとダウケミカル社製ダウEAAコポリマー、三菱油化(株)ユカロンEAA、三井・デュポンポリケミカル(株)ニュクレル、住友化学(株)アクリフト等、更に、エチレンとアクリル酸又はメタアクリル酸との共重合体、或いは更にそれらを架橋させたいわゆるアイオノマー、商品名で挙げると米国デュポン社製サーリン、三井・デュポンポリケミカル (株)製ハイミラン、旭化成(株)製コーボレンラテックス等、BASF社製EVA1ワックス添加、また、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体の部分ケン化物、商品名で挙げると、武田薬品工業 (株)製デュミラン等、エチレンとアクリル酸エステルとの共重合体、商品名で挙げると日本ユニカー (株)製DPD−6169等、更に、カルボキシル性のカルボニル基を含有するポリオレフィン系樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂を1種もしくは2種以上を混ぜて使用することができる。
【0058】
ポリオレフィン系共重合樹脂粒子の粒径としては、通常、0.1μm〜100μmの範囲内で適宜調整され、着色剤と樹脂の合計量100重量部に対して、1重量部〜50重量部、好ましくは5重量部〜30重量部の割合で添加されるとよい。50重量部を越えると帯電特性が変化してしまい、目的とする現像特性が得られず、また、1重量部より少ないと十分な定着性が得られない。
【0059】
また、湿式現像剤中における着色剤、樹脂及びポリオレフィン系共重合樹脂粒子の合計の含有割合は、0.01重量%〜80重量%、好ましくは0.1重量%〜50重量%とするのがよい。
【0060】
ポリオレフィン系共重合樹脂粒子の製造方法としては、(A′)ポリオレフィン系共重合樹脂を溶解しうる溶媒と混合し、樹脂を溶解する工程、(B′)溶液を、電気絶縁性分散媒と混合して樹脂粒子を造粒する工程、(C′)溶媒を除去する工程とからなり、溶媒、電気絶縁性分散媒等については上述した(A)〜(C)工程で記載した事項が援用される。
【0061】
このようにして作製されたポリオレフィン系共重合樹脂粒子は、電気絶縁性分散媒における分散液の状態で使用に供せられる。
【0062】
本発明の湿式現像剤は、湿式現像剤中にポリオレフィン系共重合樹脂粒子を添加することによって、トナー粒子の表面をポリオレフィン系共重合樹脂により連続皮膜を形成することが可能となり、その結果、現像性と共に画像の定着性が飛躍的に向上させることができる。
【0063】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。なお、実施例中の「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
【0064】
Figure 0003763497
からなる組成物3.75gをテトラヒドロフラン30g中に溶解した後、超音波ホモジナイザー{日本精機製作所(株)製、US−300T}を使用して室温にて分散させた。
【0065】
次いで、得られた分散液を室温のアイソパーG(エクソン社製)180g中に超音波ホモジナイザーを照射しながら添加し、造粒させた後、エバポレーターを使用してテトラヒドロフランのみを除去し、再度、超音波ホモジナイザーを照射し、着色剤を包含した樹脂粒子分散液を得た。
【0066】
一方、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂{商品名EVAFLEX260、エチレン/酢酸ビニル(重量比)=72/28、三井・デュポンポリケミカル(株)社製}5.0gをテトラヒドロフラン30g中に溶解した後、上記と同様に分散処理し、更にアイソパーG245gで溶解置換し、造粒し、ポリオレフィン系共重合樹脂粒子分散液(a)を得た。
【0067】
上記で得た着色剤を包含した樹脂粒子分散液と樹脂微粒子分散液(a)6.25gを混合し、更に、アイソパーG180gを加えて希釈し、均一分散させ、トナー濃度約1重量%に調整し、本発明の湿式現像剤を調製した。
【0068】
(現像工程)
静電記録紙(DScanセイコー電子(株)製、セイデンプロッターEP−4010用)上に、表面電荷−150V〜−20Vまでの種々の静電パターンを形成させた後、上記で調製した湿式現像剤を使用し、ローラ現像機により現像印刷を行い画像を得た。
【0069】
画像特性の基準として特にハイライト部のザラツキに注目した。○はハイライト部にザラツキのない滑らかな画像、×はハイライト部にザラツキがあることを示す。
【0070】
(定着性評価)
画像表面にステンレス製の字消し板を当て、その上からプラスチック製の消しゴムにより均一な力で3回スクラッチし、テスト前後の画像濃度を測定することでテスト後の画像の残存率(%)により比較、評価した。
【0071】
残存率(%)=テスト後の濃度/テスト前の濃度×100
それぞれの評価結果について、表1に示す。定着性評価の結果、二重丸は残存率が90%以上のもの、○は80%以上のもの、△は50〜80%のもの、×は50%未満であるものを示す。
【0072】
(実施例2)
EVAFLEX450{エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(重量比=81/19)、三井デュポンポリケミカル(株)社製}5.0gをテトラヒドロフラン30g中に溶解した後、実施例1同様に分散処理し、更に、アイソパーG245gで溶媒置換し造粒し、ポリオレフィン系共重合樹脂粒子分散液(b)を得た。
【0073】
実施例1において、分散液(a)を分散液(b)に変えた以外は同様な方法により、本発明の湿式現像剤を得た。
実施例1と同様にして画像出力、及び定着性評価を行った。結果を同じく表1に示す。
【0074】
〔実施例3〕
レクスパールRB5200{エチレン−メチルアクリレート共重合樹脂(重量比=80/20}、日本石油化学(株)社製}5.0gをテトラヒドロフラン30g中に溶解した後、実施例1と同様に分散処理し、更に、アイソパーG245gで溶媒置換し、造粒し、ポリオレフィン系共重合樹脂粒子分散液(c)を得た。
【0075】
実施例1における分散液(a)を分散液(c)に変えた以外は実施例1と同様な方法により、本発明の湿式現像剤を得た。
実施例1と同様にして画像出力及び定着性評価を行った。結果を同じく表1に示す。
【0076】
(実施例4)
EVAGLEX、EEA A−707{エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂(重量比=83/17)、三井・デュポンポリケミカル(株)社製}5.0gをテトラヒドロフラン30g中に溶解した後、実施例1同様に分散処理し、更に、アイソパーG245gで溶媒置換し、造粒し、ポリオレフィン系共重合樹脂粒子分散液(d)を得た。
【0077】
実施例1における分散液(a)を分散液(d)に変えた以外は実施例1と同様な方法により、本発明の湿式現像剤を得た。
実施例1と同様にして画像の定着性評価を行い、その結果を同じく表1に示す。
【0091】
(比較例1)
実施例1で調製した着色剤を包含した樹脂粒子分散液を、樹脂粒子分散液(a)を添加せずに、アイソパーGのみで希釈した他は、実施例1と同様にして湿式現像剤とした。
画像出力、および定着性評価を行った結果を同じく表1に示す。
【0093】
(比較例2)
実施例1で作製した着色剤を包含した樹脂粒子分散液を、ポリ2−エチルヘキシルメタクリレートの2重量%アイソパーG溶液720gで希釈した他は、実施例1と同様にして湿式現像剤を得た。定着性評価、トナー特性評価を行った結果を同じく表1に示す。
【0095】
(比較例3)
クレイトンD1112{スチレン−イソプレン共重合樹脂(重量比=14/86)、シェルジャパン(株)社製}5.0gをテトラヒドロフラン30gに溶解した後、更に、アイソパーG245gで溶媒置換して造粒させ、ポリオレフィン系共重合樹脂粒子分散液(e)を得た。
【0096】
実施例1で調製した樹脂粒子分散液(a)を樹脂粒子分散液(e)に変えた以外は実施例1と同様な方法により、湿式現像剤を得た。
実施例1と同様にして画像出力および定着性評価を行った。結果を同じく表1に示す。
【0099】
【表1】
Figure 0003763497
【0100】
【発明の効果】
本発明の湿式現像剤は、現像性と共に画像の定着性に優れるものであり、ポリオレフィン系共重合樹脂粒子を、特定のものとすることにより、分散安定性に優れるものとでき、又、トナー粒子の分散安定性もより優れたものとなしうるものである。

Claims (1)

  1. (A)共重合樹脂を溶媒に溶解する工程、(B)共重合樹脂を溶解した溶液を着色剤の存在下で電気絶縁性分散媒と混合して共重合樹脂粒子を造粒する工程、(C)溶媒を除去する工程を順次経て製造される少なくとも電気絶縁性分散媒と着色剤を包含した共重合樹脂粒子とからなる分散液に、(A′)ポリエチレン系共重合樹脂を溶媒に溶解する工程、(B′)溶液を電気絶縁性分散媒と混合して樹脂粒子を造粒する工程、(C′)溶媒を除去する工程を順次経て製造されるカルボキシル基またはエステル基を有するポリエチレン系共重合樹脂粒子を混合することを特徴とする湿式現像剤の製造方法。
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