JP3763417B2 - スピンドルのトルクおよび加速を改善したディスク記憶装置 - Google Patents
スピンドルのトルクおよび加速を改善したディスク記憶装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク記憶装置に関し、より詳細にはトルク、加速および振動特性を高めたスピンドルモータを有するディスク記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
(発明の背景)
ディスク記憶装置、特にスピンドルドライブモータのロータに直結され、クリーンルームチャンバ内に収容された1つ以上の剛性磁気データ記憶ディスクを利用するディスク記憶装置は、データ読み出し/書き込みヘッドを通過するように記憶ディスクを回転させるための外側ロータブラシレスDCモータを一般に使用している。ヘッドはディスクの表面にデジタルデータを書き込んだり、これからデジタルデータを読み出すようになっている。外側(アウタ)ロータブラシレスモータでは、環状の永久磁石を有するロータが多極ステータを囲み、このステータはモータの回転軸線を規定するシャフトに対し同心状に取り付けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
外側ロータモータはステータ要素を囲むロータを使用しており、従ってロータの質量および角(回転)慣性を増すと共に、モータが始動時に運転速度に達するまで必要な時間、を長くするような直径がロータに必要である。(ここで、作動速度は6000RPM以上となり得る。)径方向に変位した質量部も、特により高い運転速度ではアンバランスに起因する振動を増加させる。
よって本発明の目的は、回転質量および角(回転)慣性を小さくし、よって始動時において運転速度まで記憶ディスクを加速するのに必要な時間を短縮するスピンドル駆動モータを利用するディスク記憶装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、始動時に多数のディスクのスタック(積層)体を急速に加速するのに充分なトルクを発生する上で、ディスク支持ハブの直径によって制限されないスピンドルモータを利用するディスク記憶装置を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、ディスクの軸線の剛性を高めるよう、直径を大きくしたスピンドル支持構造体を有するディスク記憶装置を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、支持ベアリング内の遊びによって生じるスピンドルの心振れ(run out)の大きさを小さくしたディスク記憶装置を提供することにある。
更に別の目的は、ディスクがその中で作動するクリーンチャンバとスピンドルのモータ要素との間の空気ギャップのシール性を高めたディスク記憶装置を提供することにある。
更に別の目的は、径方向に変位したスピンドルの質量を少なくし、より少ない振動でより高速において作動できるディスク記憶装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(発明の概要)
上記の目的を達成するために、以下に掲げる各視点のディスク記憶装置が提供される。即ち、
本発明の第一の視点のディスク記憶装置は、(a)クリーンチャンバを閉じて囲むハウジングと、(b)前記クリーンチャンバ内に設けられた少なくとも1つのデータ記憶ディスクと、(c)前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクに記憶されたデータを読み出し及び/又は該少なくとも1つのデータ記憶ディスクにデータを書き込むための読み出し/書き込みヘッドと、(d)前記読み出し/書き込みヘッドで読み出し/書き込みするように、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクを回転させるためのモータとを有し、前記モータは:(d1)前記クリーンチャンバ内に位置するディスク取付部分を有しかつ前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクと結合するロータと、(d2)回転軸線に沿って位置し、前記ロータと共に回転するようにこのロータに固定されたシャフトと、(d3)ベアリング支持体を含む前記ハウジングと一体(contiguous)の支持部材と、(d4)前記ベアリング支持体内に取り付けられており、前記シャフトを回転自在に支持する、軸方向に離間した第一および第二ベアリングと、(d5)前記支持部材の、前記クリーンチャンバと同じ側に位置し、前記ベアリング支持体を囲む1つ以上の巻線及び極を有するステータと、(d6)前記ハウジングに固定され、前記ステータの上方に延在すると共に、前記ロータの(ディスク取付部分の放射状に伸びる)フランジの外周部を囲む開口を有するリング要素であって、前記第一および第二ベアリングから前記クリーンチャンバ内への汚染物の移動を抑制する狭いギャップを前記ロータと前記リング要素との間に形成するリング要素と、、(d7)前記ステータに囲まれ、このステータと共にほぼ円筒形の空気ギャップを形成するよう、該ステータの極から離間して配された環状永久磁石と、(d8)前記ロータの一部を成す強磁性部材とを含み、(d8−1)前記強磁性部材が、前記環状永久磁石が取り付けられるほぼ円筒形面と、該環状永久磁石を上方でかつ半径方向に越えるように延在しかつ前記空気ギャップの少なくとも一部を覆う放射状延在部分とを有すると共に、該環状永久磁石が、前記ステータによって発生される磁束と相互作用し、前記ロータを駆動し、前記回転軸線を中心として前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクを回転させることを特徴とする。
【0005】
ディスク記憶装置は、更に、ベアリング支持体が、その内側表面にベアリングを支持する中空シリンダを含むこと、及び強磁性部材のほぼ円筒形部分が、中空シリンダと支持部材との接合部の湾曲面と協働かつ補完するよう形成されるエッジを有し、ロータと中空シリンダとの間のギャップの一部を形成することが好ましい。
【0006】
ディスク記憶装置は、更に、ハウジングが、ステータを囲むほぼ円筒状壁を有する凹状壁部分を含むこと、及びリング要素が、ほぼ円筒状壁の終端部に取り付けられることが好ましい。
【0007】
ディスク記憶装置は、更に、ロータのディスク取付部分が、ほぼ円筒形キャビティとシャフトが該ロータに固定される閉端部とを有し、該円筒形キャビティが、ベアリング支持体を囲むと共に、ハウジングまで延びるほぼ円筒形ギャップシールを形成することが好ましい。
【0008】
ディスク記憶装置は、更に、ベアリング支持体が、その内側表面でベアリングを支持する中空シリンダを含むこと、及びロータのディスク取付部分が、ベアリング支持体と該ロータとの間にラビリンスシールを形成するために該ベアリング支持体と組み合わせ嵌合(mate)する環状溝を含むことが好ましい。
【0009】
ディスク記憶装置は、更に、ベアリング支持体が、その内側表面で第一及び第二ベアリングを支持する中空シリンダを含むこと、及びベアリングとロータのディスク取付部分との間において、ベアリング支持体の一端部の近くに位置するワッシャーが更に含まれ、該ワッシャーは、ベアリングからクリーンチャンバへの粒子の移動を抑制するよう働くことが好ましい。
【0010】
ディスク記憶装置は、更に、ディスク取付部分が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口を貫通するほぼ円筒形部分を含むこと、及び環状永久磁石の内径が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口の直径よりも小さいことが好ましい。
【0011】
ディスク記憶装置は、更に、ディスク取付部分が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口を貫通するほぼ円筒形部分を含むこと、及び環状永久磁石の外径が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口の直径よりも大きいことが好ましい。
【0012】
本発明の第二の視点のディスク記憶装置は、(a)クリーンチャンバを閉じて囲むハウジングと、(b)円形開口を有しかつ前記クリーンチャンバ内に設けられた少なくとも1つのデータ記憶ディスクと、(c)前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクに記憶されたデータを読み出し及び/又は該少なくとも1つのデータ記憶ディスクにデータを書き込むための読み出し/書き込みヘッドと、(d)前記読み出し/書き込みヘッドで読み出し/書き込みするように、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクを回転させるためのモータとを有し、前記モータは:(d1)前記クリーンチャンバ内に位置するディスク取付部分を有しかつ前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクと結合するロータと、(d2)回転軸線に沿って位置し、前記ロータと共に回転するようにこのロータに固定されたシャフトと、(d3)ベアリング支持体を含む前記ハウジングと一体(contiguous)の支持部材と、(d4)前記ベアリング支持体内に取り付けられており、前記シャフトを回転自在に支持する、軸方向に離間した第一および第ニベアリングと、(d5)前記支持部材の、前記クリーンチャンバと同じ側に位置し、前記ベアリング支持体を囲む1つ以上の巻線及び極を有するステータと、(d6)前記ステータに囲まれ、このステータと共にほぼ円筒形の空気ギャップを形成するよう、該ステータから離間して配されると共に、該ステータによって発生される磁束と相互作用し、前記ロータを駆動し、前記回転軸線を中心として前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクを回転させる環状永久磁石とを含み、(d6−1)前記ロータの前記ディスク取付部分は、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口を貫通するほぼ円筒形部分を含み、前記環状永久磁石の外径は、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口の直径よりも大きく構成され、(d6−2)前記ロータの開放端側には、強磁性部材が延在して配され、該強磁性部材は、前記環状永久磁石が取り付けられるほぼ円筒形面と、該環状永久磁石を上方でかつ半径方向に越えるように延在しかつ前記空気ギャップの少なくとも一部を覆う放射状延在部分とを有することを特徴とする。
【0013】
ディスク記憶装置は、更に、ロータのディスク取付部分が、ほぼ円筒形キャビティとシャフトが該ロータに固定される閉端部とを有し、該円筒形キャビティがベアリング支持体を囲むと共に、ハウジングまで延びる円筒形ギャップシールを形成することが好ましい。
【0014】
ディスク記憶装置は、更に、ディスク取付部分の円筒形キャビティが、ベアリング支持体に対し一様なギャップシールを形成する内側表面を含むことが好ましい。
【0015】
ディスク記憶装置は、更に、ロータの前記ディスク取付部分が、ハウジングに対するさらなるギャップシールを形成することが好ましい。
【0016】
ディスク記憶装置は、更に、ベアリング支持体が、その内側表面で第一及び第二ベアリングを支持する中空シリンダを含むこと、及びベアリングとロータのディスク取付部分との間において、ベアリング支持体の一端部の近くに位置するワッシャーが更に含まれ、該ワッシャーは、ベアリングからクリーンチャンバへの粒子の移動を抑制するよう働くことが好ましい。
【0017】
ディスク記憶装置は、更に、環状永久磁石の内径が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口の直径よりも小さいことが好ましい。
【0018】
本発明の第三の視点のディスク記憶装置は、(a)クリーンチャンバを閉じて囲むハウジングと、(b)円形開口を有しかつ前記クリーンチャンバ内に設けられた少なくとも1つのデータ記憶ディスクと、(c)前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクに記憶されたデータを読み出し及び/又は該少なくとも1つのデータ記憶ディスクにデータを書き込むための読み出し/書き込みヘッドと、(d)前記読み出し/書き込みヘッドで読み出し/書き込みするように、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクを回転させるためのモータとを有し、前記モータは、磁束発生および伝導環状部材と円筒形ハブ部分とを有するロータと、少なくとも1つの巻線を有するステータと、ベアリング支持体と、リング要素とを含み、(d1)前記ハブ部分は、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクの中心開口部を貫通すると共に、該ハブ部分の一端部に向かって開口する円筒形中心キャビティを有し、前記磁束発生および伝導環状部材は、該円筒形中心キャビティに同心状に一致するように該ハブ部分の一端部に固定され、及び該磁束発生および伝導環状部材の外径は、該少なくとも1つのデータ記憶ディスクの中心開口部の直径よりも大きく構成されること、(d2)前記ステータは、前記磁束発生および伝導環状部材を囲み、該部材から空気ギャップだけ離間するように位置すること、(d3)前記ベアリング支持体は、前記ハブ部分の円筒形中心キャビティを貫通する回転軸線に整合しかつ前記ロータを回転自在に支持する少なくとも1つのベアリングを有すると共に、該ハブ部分の円筒形中心キャビティの内側壁から離間する円筒形外側表面を有すること、(d4)前記リング要素は、前記ハウジングに固定され、及び、前記ロータのハブ部分上に設けられた放射状に延びるディスク支持フランジと、前記モータから前記クリーンチャンバへの粒子の逃散を抑制するための更なる狭いギャップを形成することを特徴とする。
【0019】
ディスク記憶装置は、更に、ロータに固定され、ハブ部分の円筒形中心キャビティを貫通する回転軸線に整合するシャフトを有することが好ましい。
【0020】
ディスク記憶装置は、更に、ベアリング支持体が、その内側表面に第一及び第二ベアリングを支持する中空シリンダを含むことが好ましい。
【0021】
ディスク記憶装置は、更に、ベアリングとロータのハブ部分との間において、ベアリング支持体の一端部の近くに位置するワッシャーが更に含まれ、該ワッシャーは、該ベアリングからクリーンチャンバへの粒子の移動を抑制するよう働くことが好ましい。
【0022】
ディスク記憶装置は、更に、ロータのハブ部分が、機械加工後、クリーンルーム環境内で使用するのに適した非強磁性材料から構成され、ほぼ円筒形の強磁性支持部材は、前記磁束発生および伝導環状部材を支持することが好ましい。
【0023】
ディスク記憶装置は、更に、モータが、更に、磁気シールド要素を含むことが好ましい。
【0024】
ディスク記憶装置は、更に、磁束発生および伝導環状部材の内径が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの中心開口部の直径よりも小さく構成されることが好ましい。
【0025】
本発明の第四の視点のディスク記憶装置は、(a)クリーンチャンバを閉じて囲むハウジングと、(b)前記クリーンチャンバ内に設けられた少なくとも1つのデータ記憶ディスクと、(c)前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクに記憶されたデータを読み出し及び/又は該少なくとも1つのデータ記憶ディスクにデータを書き込むための読み出し/書き込みヘッドと、(d)前記読み出し/書き込みヘッドで読み出し/書き込みするように、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクを回転させるためのモータとを有し、前記モータは:(d1)前記クリーンチャンバ内に位置するディスク取付部分を有しかつ前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクと結合するロータと、(d2)回転軸線に沿って位置するシャフトと該シャフトを回転自在に支持する少なくとも1つのベアリングとを含むベアリング・シャフトアセンブリと、(d3)前記ベアリング・シャフトアセンブリを支持するための、前記ハウジングと一体(contiguous)の支持部材と、(d4)前記クリーンチャンバに位置する前記支持部材を囲むと共に、1つ以上の巻線及び極を有するステータと、(d5)前記ハウジングに固定され、前記ステータの上方に延在すると共に、前記ロータのフランジの外周部ないし前記ロータのディスク取付部分の放射状に伸びるショルダーを囲む開口を有するリング要素と、(d6)前記ステータに囲まれ、このステータと共にほぼ円筒形の空気ギャップを形成するよう、該ステータから離間して配された環状永久磁石と、(d7)前記ロータの開放端側に延在して配される強磁性部材とを含み、(d7−1)前記強磁性部材が、前記環状永久磁石が取り付けられるほぼ円筒形面を有すると共に、該環状永久磁石が、前記ステータによって発生される磁束と相互作用し、前記ロータを駆動し、前記回転軸線を中心として前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクを回転させることを特徴とする。
【0026】
ディスク記憶装置は、更に、強磁性部材が、前記環状永久磁石を上方でかつ半径方向に越えるように延在しかつ前記空気ギャップの少なくとも一部を覆う放射状延在部分とを有することが好ましい。
【0027】
ディスク記憶装置は、更に、支持部材が、その内側表面に前記少なくとも1つのベアリングを支持する中空シリンダを含むことが好ましい。
【0028】
ディスク記憶装置は、更に、強磁性部材のほぼ円筒形部分が、中空シリンダと支持部材との接合部の湾曲面と協働かつ補完するよう形成されるエッジを有し、前記ロータと前記中空シリンダとの間のギャップの一部を形成することが好ましい。
【0029】
ディスク記憶装置は、更に、少なくとも1つのベアリングとロータのディスク取付部分との間において、中空シリンダの一端部の近くに位置するワッシャーが更に含まれ、該ワッシャーは、少なくとも1つのベアリングからクリーンチャンバへの粒子の移動を抑制するよう働くことが好ましい。
【0030】
ディスク記憶装置は、更に、ロータのディスク取付部分が、ほぼ円筒形キャビティとシャフトが該ロータに固定される閉端部とを有し、該円筒形キャビティは、中空シリンダを囲むと共に、ほぼ円筒形ギャップシールを形成することが好ましい。
【0031】
ディスク記憶装置は、更に、ハウジングが、ステータを囲むほぼ円筒状壁を有する凹状壁部分を含むこと、及びリング要素が、ほぼ円筒状壁の終端部に取り付けられることが好ましい。
【0032】
ディスク記憶装置は、更に、ディスク取付部分が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口を貫通するほぼ円筒形部分を含むこと、及び環状永久磁石の内径が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口の直径よりも小さいことが好ましい。
【0033】
ディスク記憶装置は、更に、ディスク取付部分が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口を貫通するほぼ円筒形部分を含むこと、及び環状永久磁石の外径が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口の直径よりも大きいことが好ましい。
【0034】
本発明の他の好ましい実施の形態は、以下の通りである。
【0035】
ディスク記憶装置は、クリーンチャンバを閉じて囲むハウジングと、前記クリーンチャンバ内に設けられた少なくとも1つのデータ記憶ディスクと、前記ディスクに記憶されたデータを読み出すためのトランスジューサ手段と、前記トランスジューサ手段を通過するように、前記データ記憶ディスクを回転させるためのモータとを備え、前記モータが:前記クリーンチャンバ内に位置するディスク取付部分を有するロータと、前記ディスク取付部分と前記データ記憶ディスクとを結合するための手段と、回転軸線に沿って位置し、前記ロータと共に回転するようにこのロータに固定されたシャフトと、ベアリング支持体を含む前記ハウジングと一体(contiguous)の支持部材と、前記ベアリング支持体内に取り付けられており、前記シャフトを回転自在に支持する、軸方向に離間した第一および第ニベアリングと、前記支持部材の、前記クリーンチャンバと同じ側に位置し、前記ベアリング支持体を囲む1つ以上の巻線を有するステータと、前記ステータに囲まれ、このステータと共にほぼ円筒形の空気ギャップを形成するよう、ステータから離間して配された環状永久磁石と、を備え、該永久磁石が前記ロータに固定され、前記ステータによって発生される磁束と相互作用し、前記ロータを駆動し、前記回転軸線を中心として前記データ記憶ディスクを回転させることが好ましい。
【0036】
ディスク記憶装置は、前記ロータの前記ディスク取付部分が、円筒形キャビティおよび閉端部を有し、この閉端部にて前記シャフトが前記ロータに固定されており、前記円筒形キャビティが前記ベアリング支持体を囲むと共に、前記ハウジングまで延びる円筒形ギャップシールを形成することが好ましい。
【0037】
ディスク記憶装置は、前記ディスク取付部分の円筒形キャビティが、前記ベアリング支持体に対し一様なギャップシールを形成する内側表面を含むことが好ましい。
【0038】
ディスク記憶装置は、前記データ記憶ディスクと前記ロータの前記ディスク取付部分とを結合するための手段の一部が、前記ハウジングに対するさらなるギャップシールを形成することが好ましい。
【0039】
ディスク記憶装置は、前記ベアリング支持体が、軸方向に離間して配された前記第一ベアリングと前記第ニベアリングとの間に延びる中心スペースを囲むことが好ましい。
【0040】
ディスク記憶装置は、前記シャフトがロータのディスク支持部分の閉端部の開口部に圧嵌めされており、前記第一ベアリングが前記閉端部に直ぐ隣接することが好ましい。
【0041】
ディスク記憶装置は、前記第ニベアリングが前記ハウジングの凹状壁部分に一致する平面内にあることが好ましい。
【0042】
ディスク記憶装置は、前記ロータの前記ディスク支持部分が、機械加工後、クリーンルーム環境内で使用するのに適した非強磁性材料から構成されており、前記環状永久磁石を支持する前記ロータの円筒形強磁性支持部材を更に含むことが好ましい。
【0043】
ディスク記憶装置は、円筒形磁性支持部材が前記ステータの一部に向かって放射状に延び、この部分に重なるシールド要素を含むことが好ましい。
【0044】
ディスク記憶装置は、円筒形空気ギャップが前記ロータの前記ディスク取付部分の直径より大きい径を有することが好ましい。
【0045】
ディスク記憶装置は、永久磁石が前記ロータの前記ディスク取付部分の直径より大きい径を有することが好ましい。
【0046】
ディスク記憶装置は、前記ステータの外径が、前記ロータの前記ディスク取付部分の直径よりも大であることが好ましい。
【0047】
ディスク記憶装置は、前記ハウジングに固定されており、前記ロータのディスク取付部分を囲み、前記モータと前記クリーンチャンバとの間の粒子移動路内に位置する付加的ギャップシールを形成するリング要素を更に含むことが好ましい。
【0048】
ディスク記憶装置は、クリーンチャンバを閉じて囲むハウジングと、前記クリーンチャンバ内に設けられた少なくとも1つのデータ記憶ディスクと、前記ディスクに記憶されたデータを読み出すためのトランスジューサ手段と、前記トランスジューサ手段を通過するように前記データ記憶ディスクを回転させるためのモータとを備え、該モータが:前記データ記憶ディスクを支持する放射状に延びるショルダーを含むと共に、前記クリーンチャンバ内に位置するディスク取付部分を有するロータと、前記ハウジングの、前記クリーンチャンバと同じ側に位置し、前記ハウジングと一体(contiguous)の部材に支持された1つ以上の巻線を有するステータと、回転軸線に沿って整合し、前記ロータと共に回転するよう、このロータに固定されたシャフトと、前記シャフトを回転自在に支持するベアリングを有するベアリング支持部材と、前記ロータに固定され、前記ステータ内に位置し、このステータと共に空気ギャップを形成する、環状永久磁石と、を含み、
【0049】
前記ステータおよび永久磁石が前記ロータの前記ディスク取付部分の放射状に延びるショルダーに直ぐ隣接すると共に、このロータの、前記データ記憶ディスクと反対側に位置し、よって前記ステータによって発生される磁束が前記永久磁石と相互作用し、前記回転軸線を中心として前記ロータおよびデータ記憶ディスクを回転させるようになっていることが好ましい。
【0050】
ディスク記憶装置は、前記ロータの前記ディスク取付部分が、円筒形キャビティおよび閉端部を有し、この閉端部にて前記シャフトが前記ロータに固定されており、前記円筒形キャビティが前記ベアリング支持体を囲むと共に、前記ハウジングまで延びる円筒形ギャップシールを形成することが好ましい。
【0051】
ディスク記憶装置は、前記ディスク取付部分の円筒形キャビティが、前記ベアリング支持体に対し厳密な許容差のギャップシールを構成するよう機械加工された内側スリーブを含むことが好ましい。
【0052】
ディスク記憶装置は、前記データ記憶ディスクを支持する前記放射状に延びるショルダーが、前記ハウジングに対する付加的ギャップシールを形成することが好ましい。
【0053】
ディスク記憶装置は、前記ベアリング支持体が、軸方向に離間して配された前記第一ベアリングと前記第ニベアリングとの間に延びる中心スペースを囲むことが好ましい。
【0054】
ディスク記憶装置は、前記シャフトがロータのディスク支持部分の閉端部の開口部に圧嵌めされており、前記第一ベアリングが前記閉端部に直ぐ隣接することが好ましい。
【0055】
ディスク記憶装置は、前記第ニベアリングが前記ハウジングの凹状壁部分に一致する平面内にあることが好ましい。
【0056】
ディスク記憶装置は、前記ロータの前記ディスク支持部分が、機械加工後、クリーンルーム環境内で使用するのに適した非強磁性材料から構成されており、前記環状永久磁石を支持する前記ロータの円筒形強磁性支持部材を更に含むことが好ましい。
【0057】
ディスク記憶装置は、円筒形強磁性支持部材が前記ステータの一部分に向かって放射状に延び、この部分に重なるシールド要素を含むことが好ましい。
【0058】
ディスク記憶装置は、円筒形空気ギャップが前記ロータの前記ディスク取付部分の直径より大きい径を有することが好ましい。
【0059】
ディスク記憶装置は、永久磁石が前記ロータの前記ディスク取付部分の直径より大きい径を有することが好ましい。
【0060】
ディスク記憶装置は、前記ステータの外径が、前記ロータの前記ディスク取付部分の直径よりも大であることが好ましい。
【0061】
ディスク記憶装置は、前記ハウジングに固定されており、前記ロータのディスク取付部分の前記放射状に延びるショルダーを囲み、前記モータと前記クリーンチャンバとの間の粒子移動路内に位置する付加的ギャップシールを形成するリング要素を更に含むことが好ましい。
【0062】
データ記憶装置は、クリーンチャンバを囲むハウジングと、前記クリーンチャンバ内に位置する少なくとも1つのデータ記憶ディスクと、前記ディスクに記録されたデータを読み出すためのトランスジューサ手段と、前記トランスジューサ手段を通過するように、前記データ記憶ディスクを回転するためのモータとを備え、該モータが、磁束発生および伝導環状部材およびハブ部分を有し、前記ハブ部分が前記ディスク内の中心開口部を貫通すると共に、前記ハブ部分の一端部に向かって開口する中心キャビティを有し、前記磁束発生および伝導部材が前記中心キャビティに同心状に一致する、前記ハブ部分の一端部に固定されており、前記モータが更に:前記磁束発生および伝導部材を囲み、この部材から空気ギャップだけ離間するように位置する、少なくとも1つの巻線を有するステータと、前記ロータに固定され、前記ハブ部分の中心キャビティを貫通する回転軸線に整合するシャフトと、該シャフトを回転自在に支持するベアリングを有するベアリング支持体とを含み、前記ベアリング支持体が円筒形外側表面を有し、この円筒形外側表面が前記ベアリングから前記クリーンチャンバへの粒子の逃散を抑制する狭いギャップにより、前記ハブ部分の前記中心キャビティの内側壁および前記磁束発生および伝導環状部材から離間して配されていることが好ましい。
【0063】
ディスク記憶装置は、前記ハブの前記中心キャビティが、前記ベアリング支持体の前記外側表面に対し厳密な許容差のギャップを構成するよう機械加工された内側スリーブを含むことが好ましい。
【0064】
ディスク記憶装置は、前記ハブの外周面が前記モータから前記クリーンチャンバへの粒子の逃散を更に抑制するよう、前記ハウジングに対する付加的な狭いギャップを形成することが好ましい。
【0065】
ディスク記憶装置は、前記ベアリング支持体が、軸方向に離間して配された前記第一ベアリングと前記第ニベアリングとの間に延びる中心スペースを囲むことが好ましい。
【0066】
ディスク記憶装置は、前記シャフトが前記ハブ部分の閉端部の開口部に圧嵌めされており、前記第一ベアリングが前記閉端部に直ぐ隣接することが好ましい。
【0067】
ディスク記憶装置は、前記第ニベアリングが前記ハウジングの凹状壁部分に一致する平面内にあることが好ましい。
【0068】
ディスク記憶装置は、前記ロータの前記ハブ部分が、機械加工後、クリーンルーム環境内で使用するのに適した非強磁性材料から構成されており、磁束発生および伝導環状部材が強磁性支持部材に固定された環状永久磁石を含むことが好ましい。
【0069】
ディスク記憶装置は、円筒形強磁性支持部材が前記ステータの一部分に向かって放射状に延び、この部分に重なるシールド要素を含むことが好ましい。
【0070】
ディスク記憶装置は、前記円筒形空気ギャップが前記ディスクの中心開口部の直径よりも大きい直径を有することが好ましい。
【0071】
ディスク記憶装置は、前記磁束発生および伝導部材が前記ディスクの前記中心開口部の直径よりも大きい径を有することが好ましい。
【0072】
ディスク記憶装置は、前記ステータの外径が、前記ディスクの中心開口部の直径よりも大であることが好ましい。
【0073】
ディスク記憶装置は、前記ロータの前記ハブ部分に設けられた、放射状に延びるディスク支持フランジと、前記フランジの周辺部に隣接し、このフランジから離間し、前記モータから前記クリーンチャンバへの粒子の逃散を抑制するためのさらなる狭いギャップを形成するリング要素を更に含むことが好ましい。
【0074】
ディスク記憶装置は、前記ベアリング支持体が内側表面に前記第一および第ニベアリングを支持する中空シリンダを含み、前記記憶装置が更に前記ベアリングと前記ロータの前記ディスク取付部分との間において、前記ベアリング支持体の一端部の近くに位置するワッシャーを更に含み、該ワッシャーが前記ベアリングから前記クリーンチャンバへの粒子の移動を抑制するよう働くことが好ましい。
【0075】
ディスク記憶装置は、前記ロータの前記ディスク取付部分が強磁性材料から製造されていることが好ましい。
【0076】
ディスク記憶装置は、前記強磁性材料がスチールであることが好ましい。
【0077】
ディスク取付ハブにスピンドルシャフトが固定されており、このハブと共に回転するようになっている内側ロータ(インナロータ)スピンドルモータを使用するディスク記憶装置を提供することにより、上記およびそれ以外の目的が達成される。外側ロータ構造においてディスクスタックを支持するのに典型的に使用される、固定(定置)シャフトないしポストよりも直径および剛性の大きいベアリングチューブによって、スピンドルに対する支持が与えれる。このベアリングチューブはスピンドルシャフトを軸支するベアリングを支持しており、更にベアリングの間の軸方向間隔をより広くできるので、スピンドルの心振れ(ランアウト)を少なくできる。これと同時に、ベアリングチューブはモータの内側スペース内において、ベアリングからの汚染物を捕捉するように働き、クリーンチャンバ内の汚染を低減する。
【0078】
ベアリングチューブの外側直径部のまわりに回転するように、ディスク支持ハブを含む内側ロータを構成することにより、長いギャップシールが形成され、よって高価な強磁性流体シールを使用しなくても、ベアリングからの汚染物をより効率的に閉じ込めることができる。ベアリングチューブの一端部はディスク支持ハブ内に形成された内側キャビティ内に延在している。この構造は、ハブの内側を中空にする必要があり、ロータ構造体の質量を更に低減し、スピンドルの加速および振動特性を更に改善する。
【0079】
【発明の実施の形態】
次の添付図面に示されるような好ましい実施例の下記の説明には、本発明の上記およびそれ以外の目的、特徴および利点が示されている。
【0080】
【実施例】
図1を参照すると、例えば磁気ハードディスクドライブ(HDD)とし得るディスク記憶装置は、上方の仕切りないし壁10と下方の仕切りないし壁12とを有するハウジングを含み、壁10と12とは側壁(図示せず)に隣接し、実質的にシールされたクリーンルームチャンバ(CR)を閉じて囲む(密閉する)。クリーンルームチャンバCRはHDD工業汚染規格に従って製造された最終シールされたクリーンルームである。このクリーンルームチャンバ内には1つ以上のデータ記憶ディスク30が設けられており、これらディスクは読み出し/書き込みヘッド32と協働する。作動(運転)中、ヘッドは回転中のディスクの表面の近くの、空気の薄い層上を「浮遊」し、ディスクの表面にあるトラックとの間でデジタルデータを磁気的に読み出したり、記録(書き込み)するためのトランスジューサ(変換器)として機能する。
【0081】
ディスク30は3,000〜10,000RPMの範囲内の運転速度で回転される。ブラシレスDCスピンドルモータのロータアセンブリ20の一部であるハブ22にはディスクが取り付けられており、クリーンルームチャンバ内にてHDDハウジングの下方壁12の凹状部分13内にスピンドルモータの駆動要素が支持されている。ハブ22は、ディスクの中心開口部に嵌合するような寸法であり、かつ円筒形状となっている。このハブはディスクスタックの一部たり得る下方ディスク30を支持するための、放射状に延びるショルダー28を有する。このハブ22はクリーンルーム環境内で機械加工した後に使用するのに適した材料である、アルミ合金から製造できる。これらディスクは1つ以上のスペーサリング34によって分離されており、ロータ20の閉端部にクランプ要素36が締結されており、このクランプ要素はディスクをハブ22に結合するようにディスクスタックを押圧している。
【0082】
ロータアセンブリ20はロータの閉端部に圧嵌めまたは他の方法で取り付けられたシャフト23上で回転するようになっている。このシャフト23は一対の軸方向に離間したベアリング16および18により、スピンドル軸線15を中心として回転するように支持されている。ベアリング16および18はベアリングチューブ14内または凹状壁部分13の一体的部分であるか、または凹状壁部分13に取り付けられた、他の形態の円筒形支持部材内に取り付けられている。これらベアリング16および18は、ベアリングスペーサ部材39により正しい軸方向位置に位置決めされている。凹状壁部分13はHDDハウジングの壁12と一体的な部品でもよいし、また取り外し自在なアセンブリフランジ状となっていてもよい。後者のフランジ状となっている場合、最終のHDD組み立て時にHDDハウジング内の開口部に取り付けられる別個のユニットとしてスピンドルモータを製造することができる。
【0083】
スピンドルモータは円筒形の強磁性支持部材26に固定された環状リング状をした永久磁石24を更に含む。この支持部材26はロータのハブ部分22の下端部に取り付けられており、ハブ22はベアリングチューブ14の上端部が嵌合される円筒形の中心キャビティ29を有する。ベアリングチューブの外側表面とロータ20の内側表面との間には狭いギャップ50が形成されており、このギャップ50はベアリング16および18から生じる粒子およびその他の汚染物がクリーンルームチャンバ内に進入するのを低減するためのギャップシールを形成する。このシール効果を更に増すために、ベアリング18の上方にはシールワッシャー38bが挿入されており、ハブ22のディスク取付フランジ28のエッジを、順応(対応)するハウジング壁12の内側表面19aおよび19bが囲んでいる。フランジ28の外周部と表面19aおよび19bとの間には狭いギャップ52が形成されており、このギャップはクリーンルームチャンバ内への汚染物の進入を低減するための更なるギャップとして機能する。ベアリングチューブ14の下端部にある開口部を閉じるために、キャップ38aが挿入(嵌合)されている。
【0084】
凹状壁部分13内にはステータアセンブリ40が支持されており、このステータアセンブリはロータ磁石24を囲んでいる。ステータ40はステータの積層体43に巻かれた巻線42と、複数の極とを有し、極は円筒形空気ギャップ25により磁石24から離間されている。図8と同様なスピンドルモータのステータ装置を示す図9に示されるように、ステータ40(図9では140として示されている)は、例えば12個の等間隔の極と、これに関連する巻線とを有し、これら極と巻線とは、例えば8個のロータ極と協働するようになっている。モータの駆動回路(図示せず)がステータ巻線への同期された(timed)電流パルスをスイッチングし、磁石24によって発生される磁束と協働する磁束を発生し、ロータ20にトルクを発生するようになっている。このトルクによりロータは回転し、読み取り、書き込みヘッド32とディスク30の記録表面との間でデータを転送(やりとり)することが可能となっている。
【0085】
図2は、変形されたロータアセンブリ20’を有するディスク記憶装置の第2実施例を示す。アルミ製ハブ22’には強磁性インサート(挿入部材)37が嵌合されており、このインサートは巻線42の上面にほぼ対応し、かつこの面から離間しており、更にハウジングの壁12の内側周辺表面19bから密に(狭い間隔で)離間するギャップまで下方に湾曲している。このインサート37は浮遊磁束がデータ記憶ディスクに入射しないようにするためのシールドとして働く。ベアリングチューブ14のほぼ全長に沿って強磁性磁石支持部材26’が延び、かつこの部材はベアリングチューブのほぼ全長に亘り、一様に離間している。ベアリングチューブ14の外側表面と支持スリーブ26’の内側表面は、両者の間に延びる狭いギャップシールが形成されるように、精密に機械加工されている。
【0086】
図3は、変形されたロータアセンブリ20”を有するディスク記憶装置の第3実施例を示す。アルミ製ハブ22”にはステータ巻線42の上側面から離間した平らな強磁性シールド用インサート37’が嵌合されている。ハブ22’のフランジ28’は面取り(ベベル)された表面(円錐面)35で終端しており、この円錐面35はハウジング12の対応する表面19cと共にギャップシールを形成している。図2の表面19aおよび19bの代わりに表面19cが形成されている。特に、小寸法の装置に対して、図3の構造は製造を簡略化し、コストを低減できる。
【0087】
図4の実施例では、先の実施例のアルミ製ハブの代わりにスチール製ハブ49が設けられており、このハブは別個の磁気ヨークおよび磁気シールド部品を不要にしている。このような構造により製造コストの低減を可能にしながら、更に寸法を小さくできる。
【0088】
図5の実施例では、図2の強磁性インサート37および強磁性磁石支持体26の代わりに、磁気シールドヨーク57が使用されており、このヨークは更に変形され、機械加工された形態のアルミ製ハブ22’’’内に嵌合されている。この実施例は別個のアセンブリフランジ59を示しており、このフランジ59はスピンドルモータを支持すると共に、クリーンルームのハウジングの下方壁12に取り付けられている。
【0089】
図6および7は、図1の実施例で比較的厳しい許容差の機械加工を必要とするベースプレート13およびハブ22の表面が太線で示されている。これら表面には表面19aおよび19b、ベアリングチューブ14の垂直面と、ロータ20の下方エッジが通過しなければならないベースプレート13の表面が含まれる。図7に示されるように、ハブ22の厳しい許容差の表面は、フランジ28の外周およびハブ22の内側キャビティの表面となっている。これら表面は密な嵌合を保証するために1回のチャッキングで機械加工することが望ましい。
【0090】
図8の実施例では、図示されているディスク記憶装置はほとんどの点で図1の装置に類似している。このディスク記憶装置は、上方の仕切り、すなわち壁110および下方仕切り、すなわち壁112を有するハウジングを含み、これら壁は図1のチャンバに類似する実質的にシールされたクリーンルームチャンバを密閉するよう、側壁(図示せず)に隣接する。ブラシレスDCスピンドルモータのロータアセンブリ120の一部であるハブ122にデータ記憶ディスク130が取り付けられている。クリーンルームチャンバの内側では、HDDハウジングの下方壁112の凹状部分113内にスピンドルモータの駆動要素が支持されている。ハブ122はディスクの中心開口部に嵌合するような大きさであり、かつ円筒形状となっている。このハブはディスクスタックの一部である下方ディスク130を支持するための、半径方向に延びるショルダー(フランジ)128を有する。このハブ122はクリーンルーム環境内で機械加工した後に使用するのに適した材料である、アルミ合金から製造できる。これらディスクは1つ以上のスペーサリング134によって分離されており、ロータ120の閉端部にクランプ要素136が締結されており、このクランプ要素はディスクをハブ122に結合するよう上部スペーサリング134を押圧している。
【0091】
ロータアセンブリ120はロータの閉じた端部に圧嵌めまたは他の方法で取り付けられたシャフト123上で(一体に)回転するようになっている。このシャフト123は一対の軸方向に離間したベアリング116および118により、スピンドル軸線115を中心として回転するように支持されている。ベアリング116および118はベアリングチューブ114内または凹状壁部分113の一体的部分であるか、または凹状壁部分に取り付けられた他の形態の、円筒形支持部材内に取り付けられている。凹状壁部分113はHDDハウジングの壁112と一体的な部品でもよいし、また取り外し自在なアセンブリフランジ状となっていてもよい。後者のフランジ状となっている場合、最終HDD組み立て時にHDDハウジング内の開口部に取り付けられる別個のユニットとしてスピンドルモータを製造することができる。
【0092】
スピンドルモータは円筒形の強磁性支持部材126に固定された環状リング状をした永久磁石124を更に含む。支持部材126はロータのハブ部分122の下端部に取り付けられており、ハブ122はベアリングチューブ114の上端部が嵌合される円筒形の中心キャビティ129を有する。ベアリングチューブ114を磁石支持部材126が囲んでおり、ベアリングチューブの外側表面とロータ120の内側表面との間には狭いギャップ150が形成されており、このギャップ150はベアリング116および118から生じる粒子およびその他の汚染物がクリーンルームチャンバ内に進入するのを低減するためのギャップシールを形成している。ハウジング壁112内にリング部材144がセットされており、このリングはハブ122のディスク取付フランジ128を囲んでいる。フランジ128の外周部とリング部材144の内周部との間には狭いギャップ152が形成されており、このギャップはクリーンルームチャンバ内への汚染物の進入を低減するためのさらなるギャップシールとして機能する。
【0093】
凹状壁部分113内にはステータアセンブリ140が支持されており、このステータアセンブリはロータ磁石124を囲んでいる。ステータ140はステータの積層体に巻かれた巻線142と、複数の極とを有し、極は円筒形空気ギャップ125により磁石124から離間されている。図9に示されるように、ステータ140は、例えば12個の等間隔の極と、これに関連する巻線とを有し、これら極および巻線は、例えば8個のロータ極と協働するようになっている。モータの駆動回路(図示せず)がステータ巻線への同期ないし時間制御された(timed)電流パルスをスイッチングし、磁石124によって発生される磁束と協働する磁束を発生し、ロータ120にトルクを発生するようになっている。このトルクによりロータは回転し、読み取り、書き込みヘッド132とディスク130の記録表面との間でデータを転送することが可能となっている。
【0094】
図10は、変形されたロータアセンブリ120’を有するディスク記憶装置のさらに別の実施例を示す。ハブ122’の閉端部の下面には環状の溝154が設けられており、この溝はクリーンルームチャンバに向かう汚染粒子の進入を更に抑制するラビリンスシール156を形成するように、ベアリングチューブ114の伸長した上端部に組合わせ嵌合(mate)している。図10は、この変形されたロータアセンブリ122’が強磁性磁石支持部材126’を使用しており、この部材がディスク支持フランジ128’内に突出する、放射状(半径方向)に延びるリップ127を有することも示している。このリップ127は磁石124の端部、及び空気ギャップ125を横断するように延びており、ステータ積層体の極表面を部分的に囲んでいる。モータの空気ギャップの領域から生じ得る浮遊磁束は、リップ127に吸収され、データ記憶ディスク130に入射することが防止されている。
【0095】
図11は、更に変形されたスピンドルモータを有するデータ記憶装置の更に別の実施例を示す。ロータアセンブリ160には内側スリーブ162が設けられており、この内側スリーブ162はハブ部分164内に圧嵌めまたは接着されている。このスリーブ162の一端部のまわりには永久磁石リング167および強磁性支持部材166が固定されている。スリーブ162はアルミ合金から形成でき、精密に機械加工された内径部を有する。ギャップシール150を極めて狭くし、クリーンルームCRに向かう汚染粒子の移動を抑制するのにより効果的となるように、スリーブ162に対するスペースを密にできるよう、ベアリングチューブ114の外径部も精密に機械加工してもよい。
【0096】
スリーブ162は回転軸線から更に離間するように磁石リング167および空気ギャップも位置決めしている。これにより、磁石およびエアギャップの双方がディスク取付ハブ164の直径よりも実質的に大きい直径を有するように、磁石167および空気ギャップ125の半径が大きくなっている。この点に関し、図11の実施例は図1の実施例に類似している。これによりスピンドルの高さまたはハブの直径を大きくすることなく、より大きいモータトルクを発生することが可能となっている。実際に、本発明のモータ構造により、モータによって発生されるトルクをスピンドルの高さおよびハブの直径の双方からは実質的に無関係とすることが可能となっている。
【0097】
既に示したように、本発明のディスク記憶装置の内側ロータ回転シャフト構造はいくつかの利点を有する。これら特徴のうちで次のものが挙げられる。
【0098】
ロータアセンブリの質量は小さくなっている。その理由は、ハブ部分が実質的に中空であり、外側ロータ式構造で必要とされるような、放射状(半径方向)に延びる支持構造体の磁気リングおよび強磁性支持部材の固定が、なされていないので、ロータの質量を小さくし、ロータを回転軸線のより近くに設けることが可能となっているからである。これら特徴により、同じトルクでスピンドルアセンブリをより短時間に必要な運転速度まで加速することができ、より高い運転速度において振動を低減できる。更に、ロータの質量を比例(対応)して増加させることなく、モータの直径を大きくできる。
【0099】
更に、スピンドルを支持するのに通常使用される固定シャフトないしポストよりも、より剛性である、比較的大径のベアリングチューブないし円筒形構造体によってスピンドル軸が固定される。
【0100】
更に、このスピンドル軸からステータ部品が離間して配されているので、アセンブリの中心の、ベアリングに対するスペースはより広くなり、ベアリングにおける遊びに起因するスピンドルの心振れを低減するように、ベアリングを更に離間させることができる。更に、このロータ構造により、クリーンルームからのベアリングの絶縁分離を高めるよう、伸長された長さの円筒形ギャップシールが可能となる。このギャップシールはクリーンルームチャンバへの汚染物の移動を更に抑制するよう(図10に示されるギャップ156によって形成されるような)1つ以上のラビリンスシールと共に使用できる。
【0101】
以上で所定の実施例を参照して本発明について図示し、説明したが、当業者が上記説明を検討すれば、別の代替例、変形例および変更例が明らかとなろう。従って、本発明は添付した請求の範囲の要旨および範囲内に入るかかる代替例、変形例および変更例のすべてを含むものである。
【0102】
【発明の効果】
本発明の第1の視点(請求項1、基本構成)によれば、回転質量および角(回転)慣性を小さくし、よって始動時において運転速度まで記憶ディスクを加速するのに必要な時間を短縮するスピンドル駆動モータを利用するディスク記憶装置を提供することができる。
【0103】
さらに、始動時に多数のディスクのスタック(積層)体を急速に加速するのに充分なトルクを発生する上で、ディスク支持ハブの直径によって制限されないスピンドルモータを利用するディスク記憶装置を提供することができる。
【0104】
加うるに、ディスクがその中で作動するクリーンチャンバとスピンドルのモータ要素との間の空気ギャップのシール性を高めたディスク記憶装置を提供することができる。
【0105】
上記基本構成に基づき、支持ベアリング内の遊びによって生じるスピンドルの心振れ(run out)の大きさを小さくしたディスク記憶装置を提供することができる。
【0106】
これを、別の観点から見れば、径方向に変位したスピンドルの質量を少なくし、より少ない振動でより高速において作動できるディスク記憶装置を提供することができる。
【0107】
また、ディスクの軸線の剛性を高めるよう、直径を大きくしたスピンドル支持構造体を有するディスク記憶装置を提供することにも通ずる。
【0108】
さらに、請求項2〜8の具体的構成によって、上記の基本効果が一層具体的に明確に達成され、また更に付加的な効果が達成される。
【0109】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例を利用したディスク記憶装置の、スピンドル軸線に沿った横断面図である。
【図2】図2は、スピンドルモータの変形例を示す、スピンドル軸線に沿った横断面図である。
【図3】図3は、スピンドルモータの変形例を示す、スピンドル軸線に沿った横断面図である。
【図4】図4は、スピンドルモータの変形例を示す、スピンドル軸線に沿った横断面図である。
【図5】図5は、スピンドルモータの変形例を示す、スピンドル軸線に沿った横断面図である。
【図6】図6は、下方のハウジング壁、ハブおよびベアリングチューブの対応部分に対する機械加工の細部を示す、先の実施例の部分横断面図である。
【図7】図7は、下方のハウジング壁、ハブおよびベアリングチューブの対応部分に対する機械加工の細部を示す、先の実施例の部分横断面図である。
【図8】図8は、本発明の更に別の実施例を利用した記憶装置の、スピンドル軸線に沿った横断面図である。
【図9】図9は、ステータの積層体および巻線がロータの磁石リングとどのように相互作用するかを示す、スピンドル軸線に対して直角な、図8の9−9線に沿った横断面図である。
【図10】図10は、スピンドルモータの別の変形例を示す、スピンドル軸線に沿った横断面図である。
【図11】図11は、スピンドルモータの更に別の実施例を示す同様な図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク記憶装置に関し、より詳細にはトルク、加速および振動特性を高めたスピンドルモータを有するディスク記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
(発明の背景)
ディスク記憶装置、特にスピンドルドライブモータのロータに直結され、クリーンルームチャンバ内に収容された1つ以上の剛性磁気データ記憶ディスクを利用するディスク記憶装置は、データ読み出し/書き込みヘッドを通過するように記憶ディスクを回転させるための外側ロータブラシレスDCモータを一般に使用している。ヘッドはディスクの表面にデジタルデータを書き込んだり、これからデジタルデータを読み出すようになっている。外側(アウタ)ロータブラシレスモータでは、環状の永久磁石を有するロータが多極ステータを囲み、このステータはモータの回転軸線を規定するシャフトに対し同心状に取り付けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
外側ロータモータはステータ要素を囲むロータを使用しており、従ってロータの質量および角(回転)慣性を増すと共に、モータが始動時に運転速度に達するまで必要な時間、を長くするような直径がロータに必要である。(ここで、作動速度は6000RPM以上となり得る。)径方向に変位した質量部も、特により高い運転速度ではアンバランスに起因する振動を増加させる。
よって本発明の目的は、回転質量および角(回転)慣性を小さくし、よって始動時において運転速度まで記憶ディスクを加速するのに必要な時間を短縮するスピンドル駆動モータを利用するディスク記憶装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、始動時に多数のディスクのスタック(積層)体を急速に加速するのに充分なトルクを発生する上で、ディスク支持ハブの直径によって制限されないスピンドルモータを利用するディスク記憶装置を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、ディスクの軸線の剛性を高めるよう、直径を大きくしたスピンドル支持構造体を有するディスク記憶装置を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、支持ベアリング内の遊びによって生じるスピンドルの心振れ(run out)の大きさを小さくしたディスク記憶装置を提供することにある。
更に別の目的は、ディスクがその中で作動するクリーンチャンバとスピンドルのモータ要素との間の空気ギャップのシール性を高めたディスク記憶装置を提供することにある。
更に別の目的は、径方向に変位したスピンドルの質量を少なくし、より少ない振動でより高速において作動できるディスク記憶装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(発明の概要)
上記の目的を達成するために、以下に掲げる各視点のディスク記憶装置が提供される。即ち、
本発明の第一の視点のディスク記憶装置は、(a)クリーンチャンバを閉じて囲むハウジングと、(b)前記クリーンチャンバ内に設けられた少なくとも1つのデータ記憶ディスクと、(c)前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクに記憶されたデータを読み出し及び/又は該少なくとも1つのデータ記憶ディスクにデータを書き込むための読み出し/書き込みヘッドと、(d)前記読み出し/書き込みヘッドで読み出し/書き込みするように、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクを回転させるためのモータとを有し、前記モータは:(d1)前記クリーンチャンバ内に位置するディスク取付部分を有しかつ前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクと結合するロータと、(d2)回転軸線に沿って位置し、前記ロータと共に回転するようにこのロータに固定されたシャフトと、(d3)ベアリング支持体を含む前記ハウジングと一体(contiguous)の支持部材と、(d4)前記ベアリング支持体内に取り付けられており、前記シャフトを回転自在に支持する、軸方向に離間した第一および第二ベアリングと、(d5)前記支持部材の、前記クリーンチャンバと同じ側に位置し、前記ベアリング支持体を囲む1つ以上の巻線及び極を有するステータと、(d6)前記ハウジングに固定され、前記ステータの上方に延在すると共に、前記ロータの(ディスク取付部分の放射状に伸びる)フランジの外周部を囲む開口を有するリング要素であって、前記第一および第二ベアリングから前記クリーンチャンバ内への汚染物の移動を抑制する狭いギャップを前記ロータと前記リング要素との間に形成するリング要素と、、(d7)前記ステータに囲まれ、このステータと共にほぼ円筒形の空気ギャップを形成するよう、該ステータの極から離間して配された環状永久磁石と、(d8)前記ロータの一部を成す強磁性部材とを含み、(d8−1)前記強磁性部材が、前記環状永久磁石が取り付けられるほぼ円筒形面と、該環状永久磁石を上方でかつ半径方向に越えるように延在しかつ前記空気ギャップの少なくとも一部を覆う放射状延在部分とを有すると共に、該環状永久磁石が、前記ステータによって発生される磁束と相互作用し、前記ロータを駆動し、前記回転軸線を中心として前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクを回転させることを特徴とする。
【0005】
ディスク記憶装置は、更に、ベアリング支持体が、その内側表面にベアリングを支持する中空シリンダを含むこと、及び強磁性部材のほぼ円筒形部分が、中空シリンダと支持部材との接合部の湾曲面と協働かつ補完するよう形成されるエッジを有し、ロータと中空シリンダとの間のギャップの一部を形成することが好ましい。
【0006】
ディスク記憶装置は、更に、ハウジングが、ステータを囲むほぼ円筒状壁を有する凹状壁部分を含むこと、及びリング要素が、ほぼ円筒状壁の終端部に取り付けられることが好ましい。
【0007】
ディスク記憶装置は、更に、ロータのディスク取付部分が、ほぼ円筒形キャビティとシャフトが該ロータに固定される閉端部とを有し、該円筒形キャビティが、ベアリング支持体を囲むと共に、ハウジングまで延びるほぼ円筒形ギャップシールを形成することが好ましい。
【0008】
ディスク記憶装置は、更に、ベアリング支持体が、その内側表面でベアリングを支持する中空シリンダを含むこと、及びロータのディスク取付部分が、ベアリング支持体と該ロータとの間にラビリンスシールを形成するために該ベアリング支持体と組み合わせ嵌合(mate)する環状溝を含むことが好ましい。
【0009】
ディスク記憶装置は、更に、ベアリング支持体が、その内側表面で第一及び第二ベアリングを支持する中空シリンダを含むこと、及びベアリングとロータのディスク取付部分との間において、ベアリング支持体の一端部の近くに位置するワッシャーが更に含まれ、該ワッシャーは、ベアリングからクリーンチャンバへの粒子の移動を抑制するよう働くことが好ましい。
【0010】
ディスク記憶装置は、更に、ディスク取付部分が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口を貫通するほぼ円筒形部分を含むこと、及び環状永久磁石の内径が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口の直径よりも小さいことが好ましい。
【0011】
ディスク記憶装置は、更に、ディスク取付部分が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口を貫通するほぼ円筒形部分を含むこと、及び環状永久磁石の外径が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口の直径よりも大きいことが好ましい。
【0012】
本発明の第二の視点のディスク記憶装置は、(a)クリーンチャンバを閉じて囲むハウジングと、(b)円形開口を有しかつ前記クリーンチャンバ内に設けられた少なくとも1つのデータ記憶ディスクと、(c)前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクに記憶されたデータを読み出し及び/又は該少なくとも1つのデータ記憶ディスクにデータを書き込むための読み出し/書き込みヘッドと、(d)前記読み出し/書き込みヘッドで読み出し/書き込みするように、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクを回転させるためのモータとを有し、前記モータは:(d1)前記クリーンチャンバ内に位置するディスク取付部分を有しかつ前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクと結合するロータと、(d2)回転軸線に沿って位置し、前記ロータと共に回転するようにこのロータに固定されたシャフトと、(d3)ベアリング支持体を含む前記ハウジングと一体(contiguous)の支持部材と、(d4)前記ベアリング支持体内に取り付けられており、前記シャフトを回転自在に支持する、軸方向に離間した第一および第ニベアリングと、(d5)前記支持部材の、前記クリーンチャンバと同じ側に位置し、前記ベアリング支持体を囲む1つ以上の巻線及び極を有するステータと、(d6)前記ステータに囲まれ、このステータと共にほぼ円筒形の空気ギャップを形成するよう、該ステータから離間して配されると共に、該ステータによって発生される磁束と相互作用し、前記ロータを駆動し、前記回転軸線を中心として前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクを回転させる環状永久磁石とを含み、(d6−1)前記ロータの前記ディスク取付部分は、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口を貫通するほぼ円筒形部分を含み、前記環状永久磁石の外径は、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口の直径よりも大きく構成され、(d6−2)前記ロータの開放端側には、強磁性部材が延在して配され、該強磁性部材は、前記環状永久磁石が取り付けられるほぼ円筒形面と、該環状永久磁石を上方でかつ半径方向に越えるように延在しかつ前記空気ギャップの少なくとも一部を覆う放射状延在部分とを有することを特徴とする。
【0013】
ディスク記憶装置は、更に、ロータのディスク取付部分が、ほぼ円筒形キャビティとシャフトが該ロータに固定される閉端部とを有し、該円筒形キャビティがベアリング支持体を囲むと共に、ハウジングまで延びる円筒形ギャップシールを形成することが好ましい。
【0014】
ディスク記憶装置は、更に、ディスク取付部分の円筒形キャビティが、ベアリング支持体に対し一様なギャップシールを形成する内側表面を含むことが好ましい。
【0015】
ディスク記憶装置は、更に、ロータの前記ディスク取付部分が、ハウジングに対するさらなるギャップシールを形成することが好ましい。
【0016】
ディスク記憶装置は、更に、ベアリング支持体が、その内側表面で第一及び第二ベアリングを支持する中空シリンダを含むこと、及びベアリングとロータのディスク取付部分との間において、ベアリング支持体の一端部の近くに位置するワッシャーが更に含まれ、該ワッシャーは、ベアリングからクリーンチャンバへの粒子の移動を抑制するよう働くことが好ましい。
【0017】
ディスク記憶装置は、更に、環状永久磁石の内径が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口の直径よりも小さいことが好ましい。
【0018】
本発明の第三の視点のディスク記憶装置は、(a)クリーンチャンバを閉じて囲むハウジングと、(b)円形開口を有しかつ前記クリーンチャンバ内に設けられた少なくとも1つのデータ記憶ディスクと、(c)前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクに記憶されたデータを読み出し及び/又は該少なくとも1つのデータ記憶ディスクにデータを書き込むための読み出し/書き込みヘッドと、(d)前記読み出し/書き込みヘッドで読み出し/書き込みするように、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクを回転させるためのモータとを有し、前記モータは、磁束発生および伝導環状部材と円筒形ハブ部分とを有するロータと、少なくとも1つの巻線を有するステータと、ベアリング支持体と、リング要素とを含み、(d1)前記ハブ部分は、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクの中心開口部を貫通すると共に、該ハブ部分の一端部に向かって開口する円筒形中心キャビティを有し、前記磁束発生および伝導環状部材は、該円筒形中心キャビティに同心状に一致するように該ハブ部分の一端部に固定され、及び該磁束発生および伝導環状部材の外径は、該少なくとも1つのデータ記憶ディスクの中心開口部の直径よりも大きく構成されること、(d2)前記ステータは、前記磁束発生および伝導環状部材を囲み、該部材から空気ギャップだけ離間するように位置すること、(d3)前記ベアリング支持体は、前記ハブ部分の円筒形中心キャビティを貫通する回転軸線に整合しかつ前記ロータを回転自在に支持する少なくとも1つのベアリングを有すると共に、該ハブ部分の円筒形中心キャビティの内側壁から離間する円筒形外側表面を有すること、(d4)前記リング要素は、前記ハウジングに固定され、及び、前記ロータのハブ部分上に設けられた放射状に延びるディスク支持フランジと、前記モータから前記クリーンチャンバへの粒子の逃散を抑制するための更なる狭いギャップを形成することを特徴とする。
【0019】
ディスク記憶装置は、更に、ロータに固定され、ハブ部分の円筒形中心キャビティを貫通する回転軸線に整合するシャフトを有することが好ましい。
【0020】
ディスク記憶装置は、更に、ベアリング支持体が、その内側表面に第一及び第二ベアリングを支持する中空シリンダを含むことが好ましい。
【0021】
ディスク記憶装置は、更に、ベアリングとロータのハブ部分との間において、ベアリング支持体の一端部の近くに位置するワッシャーが更に含まれ、該ワッシャーは、該ベアリングからクリーンチャンバへの粒子の移動を抑制するよう働くことが好ましい。
【0022】
ディスク記憶装置は、更に、ロータのハブ部分が、機械加工後、クリーンルーム環境内で使用するのに適した非強磁性材料から構成され、ほぼ円筒形の強磁性支持部材は、前記磁束発生および伝導環状部材を支持することが好ましい。
【0023】
ディスク記憶装置は、更に、モータが、更に、磁気シールド要素を含むことが好ましい。
【0024】
ディスク記憶装置は、更に、磁束発生および伝導環状部材の内径が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの中心開口部の直径よりも小さく構成されることが好ましい。
【0025】
本発明の第四の視点のディスク記憶装置は、(a)クリーンチャンバを閉じて囲むハウジングと、(b)前記クリーンチャンバ内に設けられた少なくとも1つのデータ記憶ディスクと、(c)前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクに記憶されたデータを読み出し及び/又は該少なくとも1つのデータ記憶ディスクにデータを書き込むための読み出し/書き込みヘッドと、(d)前記読み出し/書き込みヘッドで読み出し/書き込みするように、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクを回転させるためのモータとを有し、前記モータは:(d1)前記クリーンチャンバ内に位置するディスク取付部分を有しかつ前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクと結合するロータと、(d2)回転軸線に沿って位置するシャフトと該シャフトを回転自在に支持する少なくとも1つのベアリングとを含むベアリング・シャフトアセンブリと、(d3)前記ベアリング・シャフトアセンブリを支持するための、前記ハウジングと一体(contiguous)の支持部材と、(d4)前記クリーンチャンバに位置する前記支持部材を囲むと共に、1つ以上の巻線及び極を有するステータと、(d5)前記ハウジングに固定され、前記ステータの上方に延在すると共に、前記ロータのフランジの外周部ないし前記ロータのディスク取付部分の放射状に伸びるショルダーを囲む開口を有するリング要素と、(d6)前記ステータに囲まれ、このステータと共にほぼ円筒形の空気ギャップを形成するよう、該ステータから離間して配された環状永久磁石と、(d7)前記ロータの開放端側に延在して配される強磁性部材とを含み、(d7−1)前記強磁性部材が、前記環状永久磁石が取り付けられるほぼ円筒形面を有すると共に、該環状永久磁石が、前記ステータによって発生される磁束と相互作用し、前記ロータを駆動し、前記回転軸線を中心として前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクを回転させることを特徴とする。
【0026】
ディスク記憶装置は、更に、強磁性部材が、前記環状永久磁石を上方でかつ半径方向に越えるように延在しかつ前記空気ギャップの少なくとも一部を覆う放射状延在部分とを有することが好ましい。
【0027】
ディスク記憶装置は、更に、支持部材が、その内側表面に前記少なくとも1つのベアリングを支持する中空シリンダを含むことが好ましい。
【0028】
ディスク記憶装置は、更に、強磁性部材のほぼ円筒形部分が、中空シリンダと支持部材との接合部の湾曲面と協働かつ補完するよう形成されるエッジを有し、前記ロータと前記中空シリンダとの間のギャップの一部を形成することが好ましい。
【0029】
ディスク記憶装置は、更に、少なくとも1つのベアリングとロータのディスク取付部分との間において、中空シリンダの一端部の近くに位置するワッシャーが更に含まれ、該ワッシャーは、少なくとも1つのベアリングからクリーンチャンバへの粒子の移動を抑制するよう働くことが好ましい。
【0030】
ディスク記憶装置は、更に、ロータのディスク取付部分が、ほぼ円筒形キャビティとシャフトが該ロータに固定される閉端部とを有し、該円筒形キャビティは、中空シリンダを囲むと共に、ほぼ円筒形ギャップシールを形成することが好ましい。
【0031】
ディスク記憶装置は、更に、ハウジングが、ステータを囲むほぼ円筒状壁を有する凹状壁部分を含むこと、及びリング要素が、ほぼ円筒状壁の終端部に取り付けられることが好ましい。
【0032】
ディスク記憶装置は、更に、ディスク取付部分が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口を貫通するほぼ円筒形部分を含むこと、及び環状永久磁石の内径が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口の直径よりも小さいことが好ましい。
【0033】
ディスク記憶装置は、更に、ディスク取付部分が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口を貫通するほぼ円筒形部分を含むこと、及び環状永久磁石の外径が、少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口の直径よりも大きいことが好ましい。
【0034】
本発明の他の好ましい実施の形態は、以下の通りである。
【0035】
ディスク記憶装置は、クリーンチャンバを閉じて囲むハウジングと、前記クリーンチャンバ内に設けられた少なくとも1つのデータ記憶ディスクと、前記ディスクに記憶されたデータを読み出すためのトランスジューサ手段と、前記トランスジューサ手段を通過するように、前記データ記憶ディスクを回転させるためのモータとを備え、前記モータが:前記クリーンチャンバ内に位置するディスク取付部分を有するロータと、前記ディスク取付部分と前記データ記憶ディスクとを結合するための手段と、回転軸線に沿って位置し、前記ロータと共に回転するようにこのロータに固定されたシャフトと、ベアリング支持体を含む前記ハウジングと一体(contiguous)の支持部材と、前記ベアリング支持体内に取り付けられており、前記シャフトを回転自在に支持する、軸方向に離間した第一および第ニベアリングと、前記支持部材の、前記クリーンチャンバと同じ側に位置し、前記ベアリング支持体を囲む1つ以上の巻線を有するステータと、前記ステータに囲まれ、このステータと共にほぼ円筒形の空気ギャップを形成するよう、ステータから離間して配された環状永久磁石と、を備え、該永久磁石が前記ロータに固定され、前記ステータによって発生される磁束と相互作用し、前記ロータを駆動し、前記回転軸線を中心として前記データ記憶ディスクを回転させることが好ましい。
【0036】
ディスク記憶装置は、前記ロータの前記ディスク取付部分が、円筒形キャビティおよび閉端部を有し、この閉端部にて前記シャフトが前記ロータに固定されており、前記円筒形キャビティが前記ベアリング支持体を囲むと共に、前記ハウジングまで延びる円筒形ギャップシールを形成することが好ましい。
【0037】
ディスク記憶装置は、前記ディスク取付部分の円筒形キャビティが、前記ベアリング支持体に対し一様なギャップシールを形成する内側表面を含むことが好ましい。
【0038】
ディスク記憶装置は、前記データ記憶ディスクと前記ロータの前記ディスク取付部分とを結合するための手段の一部が、前記ハウジングに対するさらなるギャップシールを形成することが好ましい。
【0039】
ディスク記憶装置は、前記ベアリング支持体が、軸方向に離間して配された前記第一ベアリングと前記第ニベアリングとの間に延びる中心スペースを囲むことが好ましい。
【0040】
ディスク記憶装置は、前記シャフトがロータのディスク支持部分の閉端部の開口部に圧嵌めされており、前記第一ベアリングが前記閉端部に直ぐ隣接することが好ましい。
【0041】
ディスク記憶装置は、前記第ニベアリングが前記ハウジングの凹状壁部分に一致する平面内にあることが好ましい。
【0042】
ディスク記憶装置は、前記ロータの前記ディスク支持部分が、機械加工後、クリーンルーム環境内で使用するのに適した非強磁性材料から構成されており、前記環状永久磁石を支持する前記ロータの円筒形強磁性支持部材を更に含むことが好ましい。
【0043】
ディスク記憶装置は、円筒形磁性支持部材が前記ステータの一部に向かって放射状に延び、この部分に重なるシールド要素を含むことが好ましい。
【0044】
ディスク記憶装置は、円筒形空気ギャップが前記ロータの前記ディスク取付部分の直径より大きい径を有することが好ましい。
【0045】
ディスク記憶装置は、永久磁石が前記ロータの前記ディスク取付部分の直径より大きい径を有することが好ましい。
【0046】
ディスク記憶装置は、前記ステータの外径が、前記ロータの前記ディスク取付部分の直径よりも大であることが好ましい。
【0047】
ディスク記憶装置は、前記ハウジングに固定されており、前記ロータのディスク取付部分を囲み、前記モータと前記クリーンチャンバとの間の粒子移動路内に位置する付加的ギャップシールを形成するリング要素を更に含むことが好ましい。
【0048】
ディスク記憶装置は、クリーンチャンバを閉じて囲むハウジングと、前記クリーンチャンバ内に設けられた少なくとも1つのデータ記憶ディスクと、前記ディスクに記憶されたデータを読み出すためのトランスジューサ手段と、前記トランスジューサ手段を通過するように前記データ記憶ディスクを回転させるためのモータとを備え、該モータが:前記データ記憶ディスクを支持する放射状に延びるショルダーを含むと共に、前記クリーンチャンバ内に位置するディスク取付部分を有するロータと、前記ハウジングの、前記クリーンチャンバと同じ側に位置し、前記ハウジングと一体(contiguous)の部材に支持された1つ以上の巻線を有するステータと、回転軸線に沿って整合し、前記ロータと共に回転するよう、このロータに固定されたシャフトと、前記シャフトを回転自在に支持するベアリングを有するベアリング支持部材と、前記ロータに固定され、前記ステータ内に位置し、このステータと共に空気ギャップを形成する、環状永久磁石と、を含み、
【0049】
前記ステータおよび永久磁石が前記ロータの前記ディスク取付部分の放射状に延びるショルダーに直ぐ隣接すると共に、このロータの、前記データ記憶ディスクと反対側に位置し、よって前記ステータによって発生される磁束が前記永久磁石と相互作用し、前記回転軸線を中心として前記ロータおよびデータ記憶ディスクを回転させるようになっていることが好ましい。
【0050】
ディスク記憶装置は、前記ロータの前記ディスク取付部分が、円筒形キャビティおよび閉端部を有し、この閉端部にて前記シャフトが前記ロータに固定されており、前記円筒形キャビティが前記ベアリング支持体を囲むと共に、前記ハウジングまで延びる円筒形ギャップシールを形成することが好ましい。
【0051】
ディスク記憶装置は、前記ディスク取付部分の円筒形キャビティが、前記ベアリング支持体に対し厳密な許容差のギャップシールを構成するよう機械加工された内側スリーブを含むことが好ましい。
【0052】
ディスク記憶装置は、前記データ記憶ディスクを支持する前記放射状に延びるショルダーが、前記ハウジングに対する付加的ギャップシールを形成することが好ましい。
【0053】
ディスク記憶装置は、前記ベアリング支持体が、軸方向に離間して配された前記第一ベアリングと前記第ニベアリングとの間に延びる中心スペースを囲むことが好ましい。
【0054】
ディスク記憶装置は、前記シャフトがロータのディスク支持部分の閉端部の開口部に圧嵌めされており、前記第一ベアリングが前記閉端部に直ぐ隣接することが好ましい。
【0055】
ディスク記憶装置は、前記第ニベアリングが前記ハウジングの凹状壁部分に一致する平面内にあることが好ましい。
【0056】
ディスク記憶装置は、前記ロータの前記ディスク支持部分が、機械加工後、クリーンルーム環境内で使用するのに適した非強磁性材料から構成されており、前記環状永久磁石を支持する前記ロータの円筒形強磁性支持部材を更に含むことが好ましい。
【0057】
ディスク記憶装置は、円筒形強磁性支持部材が前記ステータの一部分に向かって放射状に延び、この部分に重なるシールド要素を含むことが好ましい。
【0058】
ディスク記憶装置は、円筒形空気ギャップが前記ロータの前記ディスク取付部分の直径より大きい径を有することが好ましい。
【0059】
ディスク記憶装置は、永久磁石が前記ロータの前記ディスク取付部分の直径より大きい径を有することが好ましい。
【0060】
ディスク記憶装置は、前記ステータの外径が、前記ロータの前記ディスク取付部分の直径よりも大であることが好ましい。
【0061】
ディスク記憶装置は、前記ハウジングに固定されており、前記ロータのディスク取付部分の前記放射状に延びるショルダーを囲み、前記モータと前記クリーンチャンバとの間の粒子移動路内に位置する付加的ギャップシールを形成するリング要素を更に含むことが好ましい。
【0062】
データ記憶装置は、クリーンチャンバを囲むハウジングと、前記クリーンチャンバ内に位置する少なくとも1つのデータ記憶ディスクと、前記ディスクに記録されたデータを読み出すためのトランスジューサ手段と、前記トランスジューサ手段を通過するように、前記データ記憶ディスクを回転するためのモータとを備え、該モータが、磁束発生および伝導環状部材およびハブ部分を有し、前記ハブ部分が前記ディスク内の中心開口部を貫通すると共に、前記ハブ部分の一端部に向かって開口する中心キャビティを有し、前記磁束発生および伝導部材が前記中心キャビティに同心状に一致する、前記ハブ部分の一端部に固定されており、前記モータが更に:前記磁束発生および伝導部材を囲み、この部材から空気ギャップだけ離間するように位置する、少なくとも1つの巻線を有するステータと、前記ロータに固定され、前記ハブ部分の中心キャビティを貫通する回転軸線に整合するシャフトと、該シャフトを回転自在に支持するベアリングを有するベアリング支持体とを含み、前記ベアリング支持体が円筒形外側表面を有し、この円筒形外側表面が前記ベアリングから前記クリーンチャンバへの粒子の逃散を抑制する狭いギャップにより、前記ハブ部分の前記中心キャビティの内側壁および前記磁束発生および伝導環状部材から離間して配されていることが好ましい。
【0063】
ディスク記憶装置は、前記ハブの前記中心キャビティが、前記ベアリング支持体の前記外側表面に対し厳密な許容差のギャップを構成するよう機械加工された内側スリーブを含むことが好ましい。
【0064】
ディスク記憶装置は、前記ハブの外周面が前記モータから前記クリーンチャンバへの粒子の逃散を更に抑制するよう、前記ハウジングに対する付加的な狭いギャップを形成することが好ましい。
【0065】
ディスク記憶装置は、前記ベアリング支持体が、軸方向に離間して配された前記第一ベアリングと前記第ニベアリングとの間に延びる中心スペースを囲むことが好ましい。
【0066】
ディスク記憶装置は、前記シャフトが前記ハブ部分の閉端部の開口部に圧嵌めされており、前記第一ベアリングが前記閉端部に直ぐ隣接することが好ましい。
【0067】
ディスク記憶装置は、前記第ニベアリングが前記ハウジングの凹状壁部分に一致する平面内にあることが好ましい。
【0068】
ディスク記憶装置は、前記ロータの前記ハブ部分が、機械加工後、クリーンルーム環境内で使用するのに適した非強磁性材料から構成されており、磁束発生および伝導環状部材が強磁性支持部材に固定された環状永久磁石を含むことが好ましい。
【0069】
ディスク記憶装置は、円筒形強磁性支持部材が前記ステータの一部分に向かって放射状に延び、この部分に重なるシールド要素を含むことが好ましい。
【0070】
ディスク記憶装置は、前記円筒形空気ギャップが前記ディスクの中心開口部の直径よりも大きい直径を有することが好ましい。
【0071】
ディスク記憶装置は、前記磁束発生および伝導部材が前記ディスクの前記中心開口部の直径よりも大きい径を有することが好ましい。
【0072】
ディスク記憶装置は、前記ステータの外径が、前記ディスクの中心開口部の直径よりも大であることが好ましい。
【0073】
ディスク記憶装置は、前記ロータの前記ハブ部分に設けられた、放射状に延びるディスク支持フランジと、前記フランジの周辺部に隣接し、このフランジから離間し、前記モータから前記クリーンチャンバへの粒子の逃散を抑制するためのさらなる狭いギャップを形成するリング要素を更に含むことが好ましい。
【0074】
ディスク記憶装置は、前記ベアリング支持体が内側表面に前記第一および第ニベアリングを支持する中空シリンダを含み、前記記憶装置が更に前記ベアリングと前記ロータの前記ディスク取付部分との間において、前記ベアリング支持体の一端部の近くに位置するワッシャーを更に含み、該ワッシャーが前記ベアリングから前記クリーンチャンバへの粒子の移動を抑制するよう働くことが好ましい。
【0075】
ディスク記憶装置は、前記ロータの前記ディスク取付部分が強磁性材料から製造されていることが好ましい。
【0076】
ディスク記憶装置は、前記強磁性材料がスチールであることが好ましい。
【0077】
ディスク取付ハブにスピンドルシャフトが固定されており、このハブと共に回転するようになっている内側ロータ(インナロータ)スピンドルモータを使用するディスク記憶装置を提供することにより、上記およびそれ以外の目的が達成される。外側ロータ構造においてディスクスタックを支持するのに典型的に使用される、固定(定置)シャフトないしポストよりも直径および剛性の大きいベアリングチューブによって、スピンドルに対する支持が与えれる。このベアリングチューブはスピンドルシャフトを軸支するベアリングを支持しており、更にベアリングの間の軸方向間隔をより広くできるので、スピンドルの心振れ(ランアウト)を少なくできる。これと同時に、ベアリングチューブはモータの内側スペース内において、ベアリングからの汚染物を捕捉するように働き、クリーンチャンバ内の汚染を低減する。
【0078】
ベアリングチューブの外側直径部のまわりに回転するように、ディスク支持ハブを含む内側ロータを構成することにより、長いギャップシールが形成され、よって高価な強磁性流体シールを使用しなくても、ベアリングからの汚染物をより効率的に閉じ込めることができる。ベアリングチューブの一端部はディスク支持ハブ内に形成された内側キャビティ内に延在している。この構造は、ハブの内側を中空にする必要があり、ロータ構造体の質量を更に低減し、スピンドルの加速および振動特性を更に改善する。
【0079】
【発明の実施の形態】
次の添付図面に示されるような好ましい実施例の下記の説明には、本発明の上記およびそれ以外の目的、特徴および利点が示されている。
【0080】
【実施例】
図1を参照すると、例えば磁気ハードディスクドライブ(HDD)とし得るディスク記憶装置は、上方の仕切りないし壁10と下方の仕切りないし壁12とを有するハウジングを含み、壁10と12とは側壁(図示せず)に隣接し、実質的にシールされたクリーンルームチャンバ(CR)を閉じて囲む(密閉する)。クリーンルームチャンバCRはHDD工業汚染規格に従って製造された最終シールされたクリーンルームである。このクリーンルームチャンバ内には1つ以上のデータ記憶ディスク30が設けられており、これらディスクは読み出し/書き込みヘッド32と協働する。作動(運転)中、ヘッドは回転中のディスクの表面の近くの、空気の薄い層上を「浮遊」し、ディスクの表面にあるトラックとの間でデジタルデータを磁気的に読み出したり、記録(書き込み)するためのトランスジューサ(変換器)として機能する。
【0081】
ディスク30は3,000〜10,000RPMの範囲内の運転速度で回転される。ブラシレスDCスピンドルモータのロータアセンブリ20の一部であるハブ22にはディスクが取り付けられており、クリーンルームチャンバ内にてHDDハウジングの下方壁12の凹状部分13内にスピンドルモータの駆動要素が支持されている。ハブ22は、ディスクの中心開口部に嵌合するような寸法であり、かつ円筒形状となっている。このハブはディスクスタックの一部たり得る下方ディスク30を支持するための、放射状に延びるショルダー28を有する。このハブ22はクリーンルーム環境内で機械加工した後に使用するのに適した材料である、アルミ合金から製造できる。これらディスクは1つ以上のスペーサリング34によって分離されており、ロータ20の閉端部にクランプ要素36が締結されており、このクランプ要素はディスクをハブ22に結合するようにディスクスタックを押圧している。
【0082】
ロータアセンブリ20はロータの閉端部に圧嵌めまたは他の方法で取り付けられたシャフト23上で回転するようになっている。このシャフト23は一対の軸方向に離間したベアリング16および18により、スピンドル軸線15を中心として回転するように支持されている。ベアリング16および18はベアリングチューブ14内または凹状壁部分13の一体的部分であるか、または凹状壁部分13に取り付けられた、他の形態の円筒形支持部材内に取り付けられている。これらベアリング16および18は、ベアリングスペーサ部材39により正しい軸方向位置に位置決めされている。凹状壁部分13はHDDハウジングの壁12と一体的な部品でもよいし、また取り外し自在なアセンブリフランジ状となっていてもよい。後者のフランジ状となっている場合、最終のHDD組み立て時にHDDハウジング内の開口部に取り付けられる別個のユニットとしてスピンドルモータを製造することができる。
【0083】
スピンドルモータは円筒形の強磁性支持部材26に固定された環状リング状をした永久磁石24を更に含む。この支持部材26はロータのハブ部分22の下端部に取り付けられており、ハブ22はベアリングチューブ14の上端部が嵌合される円筒形の中心キャビティ29を有する。ベアリングチューブの外側表面とロータ20の内側表面との間には狭いギャップ50が形成されており、このギャップ50はベアリング16および18から生じる粒子およびその他の汚染物がクリーンルームチャンバ内に進入するのを低減するためのギャップシールを形成する。このシール効果を更に増すために、ベアリング18の上方にはシールワッシャー38bが挿入されており、ハブ22のディスク取付フランジ28のエッジを、順応(対応)するハウジング壁12の内側表面19aおよび19bが囲んでいる。フランジ28の外周部と表面19aおよび19bとの間には狭いギャップ52が形成されており、このギャップはクリーンルームチャンバ内への汚染物の進入を低減するための更なるギャップとして機能する。ベアリングチューブ14の下端部にある開口部を閉じるために、キャップ38aが挿入(嵌合)されている。
【0084】
凹状壁部分13内にはステータアセンブリ40が支持されており、このステータアセンブリはロータ磁石24を囲んでいる。ステータ40はステータの積層体43に巻かれた巻線42と、複数の極とを有し、極は円筒形空気ギャップ25により磁石24から離間されている。図8と同様なスピンドルモータのステータ装置を示す図9に示されるように、ステータ40(図9では140として示されている)は、例えば12個の等間隔の極と、これに関連する巻線とを有し、これら極と巻線とは、例えば8個のロータ極と協働するようになっている。モータの駆動回路(図示せず)がステータ巻線への同期された(timed)電流パルスをスイッチングし、磁石24によって発生される磁束と協働する磁束を発生し、ロータ20にトルクを発生するようになっている。このトルクによりロータは回転し、読み取り、書き込みヘッド32とディスク30の記録表面との間でデータを転送(やりとり)することが可能となっている。
【0085】
図2は、変形されたロータアセンブリ20’を有するディスク記憶装置の第2実施例を示す。アルミ製ハブ22’には強磁性インサート(挿入部材)37が嵌合されており、このインサートは巻線42の上面にほぼ対応し、かつこの面から離間しており、更にハウジングの壁12の内側周辺表面19bから密に(狭い間隔で)離間するギャップまで下方に湾曲している。このインサート37は浮遊磁束がデータ記憶ディスクに入射しないようにするためのシールドとして働く。ベアリングチューブ14のほぼ全長に沿って強磁性磁石支持部材26’が延び、かつこの部材はベアリングチューブのほぼ全長に亘り、一様に離間している。ベアリングチューブ14の外側表面と支持スリーブ26’の内側表面は、両者の間に延びる狭いギャップシールが形成されるように、精密に機械加工されている。
【0086】
図3は、変形されたロータアセンブリ20”を有するディスク記憶装置の第3実施例を示す。アルミ製ハブ22”にはステータ巻線42の上側面から離間した平らな強磁性シールド用インサート37’が嵌合されている。ハブ22’のフランジ28’は面取り(ベベル)された表面(円錐面)35で終端しており、この円錐面35はハウジング12の対応する表面19cと共にギャップシールを形成している。図2の表面19aおよび19bの代わりに表面19cが形成されている。特に、小寸法の装置に対して、図3の構造は製造を簡略化し、コストを低減できる。
【0087】
図4の実施例では、先の実施例のアルミ製ハブの代わりにスチール製ハブ49が設けられており、このハブは別個の磁気ヨークおよび磁気シールド部品を不要にしている。このような構造により製造コストの低減を可能にしながら、更に寸法を小さくできる。
【0088】
図5の実施例では、図2の強磁性インサート37および強磁性磁石支持体26の代わりに、磁気シールドヨーク57が使用されており、このヨークは更に変形され、機械加工された形態のアルミ製ハブ22’’’内に嵌合されている。この実施例は別個のアセンブリフランジ59を示しており、このフランジ59はスピンドルモータを支持すると共に、クリーンルームのハウジングの下方壁12に取り付けられている。
【0089】
図6および7は、図1の実施例で比較的厳しい許容差の機械加工を必要とするベースプレート13およびハブ22の表面が太線で示されている。これら表面には表面19aおよび19b、ベアリングチューブ14の垂直面と、ロータ20の下方エッジが通過しなければならないベースプレート13の表面が含まれる。図7に示されるように、ハブ22の厳しい許容差の表面は、フランジ28の外周およびハブ22の内側キャビティの表面となっている。これら表面は密な嵌合を保証するために1回のチャッキングで機械加工することが望ましい。
【0090】
図8の実施例では、図示されているディスク記憶装置はほとんどの点で図1の装置に類似している。このディスク記憶装置は、上方の仕切り、すなわち壁110および下方仕切り、すなわち壁112を有するハウジングを含み、これら壁は図1のチャンバに類似する実質的にシールされたクリーンルームチャンバを密閉するよう、側壁(図示せず)に隣接する。ブラシレスDCスピンドルモータのロータアセンブリ120の一部であるハブ122にデータ記憶ディスク130が取り付けられている。クリーンルームチャンバの内側では、HDDハウジングの下方壁112の凹状部分113内にスピンドルモータの駆動要素が支持されている。ハブ122はディスクの中心開口部に嵌合するような大きさであり、かつ円筒形状となっている。このハブはディスクスタックの一部である下方ディスク130を支持するための、半径方向に延びるショルダー(フランジ)128を有する。このハブ122はクリーンルーム環境内で機械加工した後に使用するのに適した材料である、アルミ合金から製造できる。これらディスクは1つ以上のスペーサリング134によって分離されており、ロータ120の閉端部にクランプ要素136が締結されており、このクランプ要素はディスクをハブ122に結合するよう上部スペーサリング134を押圧している。
【0091】
ロータアセンブリ120はロータの閉じた端部に圧嵌めまたは他の方法で取り付けられたシャフト123上で(一体に)回転するようになっている。このシャフト123は一対の軸方向に離間したベアリング116および118により、スピンドル軸線115を中心として回転するように支持されている。ベアリング116および118はベアリングチューブ114内または凹状壁部分113の一体的部分であるか、または凹状壁部分に取り付けられた他の形態の、円筒形支持部材内に取り付けられている。凹状壁部分113はHDDハウジングの壁112と一体的な部品でもよいし、また取り外し自在なアセンブリフランジ状となっていてもよい。後者のフランジ状となっている場合、最終HDD組み立て時にHDDハウジング内の開口部に取り付けられる別個のユニットとしてスピンドルモータを製造することができる。
【0092】
スピンドルモータは円筒形の強磁性支持部材126に固定された環状リング状をした永久磁石124を更に含む。支持部材126はロータのハブ部分122の下端部に取り付けられており、ハブ122はベアリングチューブ114の上端部が嵌合される円筒形の中心キャビティ129を有する。ベアリングチューブ114を磁石支持部材126が囲んでおり、ベアリングチューブの外側表面とロータ120の内側表面との間には狭いギャップ150が形成されており、このギャップ150はベアリング116および118から生じる粒子およびその他の汚染物がクリーンルームチャンバ内に進入するのを低減するためのギャップシールを形成している。ハウジング壁112内にリング部材144がセットされており、このリングはハブ122のディスク取付フランジ128を囲んでいる。フランジ128の外周部とリング部材144の内周部との間には狭いギャップ152が形成されており、このギャップはクリーンルームチャンバ内への汚染物の進入を低減するためのさらなるギャップシールとして機能する。
【0093】
凹状壁部分113内にはステータアセンブリ140が支持されており、このステータアセンブリはロータ磁石124を囲んでいる。ステータ140はステータの積層体に巻かれた巻線142と、複数の極とを有し、極は円筒形空気ギャップ125により磁石124から離間されている。図9に示されるように、ステータ140は、例えば12個の等間隔の極と、これに関連する巻線とを有し、これら極および巻線は、例えば8個のロータ極と協働するようになっている。モータの駆動回路(図示せず)がステータ巻線への同期ないし時間制御された(timed)電流パルスをスイッチングし、磁石124によって発生される磁束と協働する磁束を発生し、ロータ120にトルクを発生するようになっている。このトルクによりロータは回転し、読み取り、書き込みヘッド132とディスク130の記録表面との間でデータを転送することが可能となっている。
【0094】
図10は、変形されたロータアセンブリ120’を有するディスク記憶装置のさらに別の実施例を示す。ハブ122’の閉端部の下面には環状の溝154が設けられており、この溝はクリーンルームチャンバに向かう汚染粒子の進入を更に抑制するラビリンスシール156を形成するように、ベアリングチューブ114の伸長した上端部に組合わせ嵌合(mate)している。図10は、この変形されたロータアセンブリ122’が強磁性磁石支持部材126’を使用しており、この部材がディスク支持フランジ128’内に突出する、放射状(半径方向)に延びるリップ127を有することも示している。このリップ127は磁石124の端部、及び空気ギャップ125を横断するように延びており、ステータ積層体の極表面を部分的に囲んでいる。モータの空気ギャップの領域から生じ得る浮遊磁束は、リップ127に吸収され、データ記憶ディスク130に入射することが防止されている。
【0095】
図11は、更に変形されたスピンドルモータを有するデータ記憶装置の更に別の実施例を示す。ロータアセンブリ160には内側スリーブ162が設けられており、この内側スリーブ162はハブ部分164内に圧嵌めまたは接着されている。このスリーブ162の一端部のまわりには永久磁石リング167および強磁性支持部材166が固定されている。スリーブ162はアルミ合金から形成でき、精密に機械加工された内径部を有する。ギャップシール150を極めて狭くし、クリーンルームCRに向かう汚染粒子の移動を抑制するのにより効果的となるように、スリーブ162に対するスペースを密にできるよう、ベアリングチューブ114の外径部も精密に機械加工してもよい。
【0096】
スリーブ162は回転軸線から更に離間するように磁石リング167および空気ギャップも位置決めしている。これにより、磁石およびエアギャップの双方がディスク取付ハブ164の直径よりも実質的に大きい直径を有するように、磁石167および空気ギャップ125の半径が大きくなっている。この点に関し、図11の実施例は図1の実施例に類似している。これによりスピンドルの高さまたはハブの直径を大きくすることなく、より大きいモータトルクを発生することが可能となっている。実際に、本発明のモータ構造により、モータによって発生されるトルクをスピンドルの高さおよびハブの直径の双方からは実質的に無関係とすることが可能となっている。
【0097】
既に示したように、本発明のディスク記憶装置の内側ロータ回転シャフト構造はいくつかの利点を有する。これら特徴のうちで次のものが挙げられる。
【0098】
ロータアセンブリの質量は小さくなっている。その理由は、ハブ部分が実質的に中空であり、外側ロータ式構造で必要とされるような、放射状(半径方向)に延びる支持構造体の磁気リングおよび強磁性支持部材の固定が、なされていないので、ロータの質量を小さくし、ロータを回転軸線のより近くに設けることが可能となっているからである。これら特徴により、同じトルクでスピンドルアセンブリをより短時間に必要な運転速度まで加速することができ、より高い運転速度において振動を低減できる。更に、ロータの質量を比例(対応)して増加させることなく、モータの直径を大きくできる。
【0099】
更に、スピンドルを支持するのに通常使用される固定シャフトないしポストよりも、より剛性である、比較的大径のベアリングチューブないし円筒形構造体によってスピンドル軸が固定される。
【0100】
更に、このスピンドル軸からステータ部品が離間して配されているので、アセンブリの中心の、ベアリングに対するスペースはより広くなり、ベアリングにおける遊びに起因するスピンドルの心振れを低減するように、ベアリングを更に離間させることができる。更に、このロータ構造により、クリーンルームからのベアリングの絶縁分離を高めるよう、伸長された長さの円筒形ギャップシールが可能となる。このギャップシールはクリーンルームチャンバへの汚染物の移動を更に抑制するよう(図10に示されるギャップ156によって形成されるような)1つ以上のラビリンスシールと共に使用できる。
【0101】
以上で所定の実施例を参照して本発明について図示し、説明したが、当業者が上記説明を検討すれば、別の代替例、変形例および変更例が明らかとなろう。従って、本発明は添付した請求の範囲の要旨および範囲内に入るかかる代替例、変形例および変更例のすべてを含むものである。
【0102】
【発明の効果】
本発明の第1の視点(請求項1、基本構成)によれば、回転質量および角(回転)慣性を小さくし、よって始動時において運転速度まで記憶ディスクを加速するのに必要な時間を短縮するスピンドル駆動モータを利用するディスク記憶装置を提供することができる。
【0103】
さらに、始動時に多数のディスクのスタック(積層)体を急速に加速するのに充分なトルクを発生する上で、ディスク支持ハブの直径によって制限されないスピンドルモータを利用するディスク記憶装置を提供することができる。
【0104】
加うるに、ディスクがその中で作動するクリーンチャンバとスピンドルのモータ要素との間の空気ギャップのシール性を高めたディスク記憶装置を提供することができる。
【0105】
上記基本構成に基づき、支持ベアリング内の遊びによって生じるスピンドルの心振れ(run out)の大きさを小さくしたディスク記憶装置を提供することができる。
【0106】
これを、別の観点から見れば、径方向に変位したスピンドルの質量を少なくし、より少ない振動でより高速において作動できるディスク記憶装置を提供することができる。
【0107】
また、ディスクの軸線の剛性を高めるよう、直径を大きくしたスピンドル支持構造体を有するディスク記憶装置を提供することにも通ずる。
【0108】
さらに、請求項2〜8の具体的構成によって、上記の基本効果が一層具体的に明確に達成され、また更に付加的な効果が達成される。
【0109】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例を利用したディスク記憶装置の、スピンドル軸線に沿った横断面図である。
【図2】図2は、スピンドルモータの変形例を示す、スピンドル軸線に沿った横断面図である。
【図3】図3は、スピンドルモータの変形例を示す、スピンドル軸線に沿った横断面図である。
【図4】図4は、スピンドルモータの変形例を示す、スピンドル軸線に沿った横断面図である。
【図5】図5は、スピンドルモータの変形例を示す、スピンドル軸線に沿った横断面図である。
【図6】図6は、下方のハウジング壁、ハブおよびベアリングチューブの対応部分に対する機械加工の細部を示す、先の実施例の部分横断面図である。
【図7】図7は、下方のハウジング壁、ハブおよびベアリングチューブの対応部分に対する機械加工の細部を示す、先の実施例の部分横断面図である。
【図8】図8は、本発明の更に別の実施例を利用した記憶装置の、スピンドル軸線に沿った横断面図である。
【図9】図9は、ステータの積層体および巻線がロータの磁石リングとどのように相互作用するかを示す、スピンドル軸線に対して直角な、図8の9−9線に沿った横断面図である。
【図10】図10は、スピンドルモータの別の変形例を示す、スピンドル軸線に沿った横断面図である。
【図11】図11は、スピンドルモータの更に別の実施例を示す同様な図である。
Claims (8)
- ディスク記憶装置であって、
(a) クリーンチャンバを閉じて囲むハウジングと、
(b) 前記クリーンチャンバ内に設けられた少なくとも1つのデータ記憶ディスクと、
(c) 前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクに記憶されたデータを読み出し及び/又は該少なくとも1つのデータ記憶ディスクにデータを書き込むための読み出し/書き込みヘッドと、
(d) 前記読み出し/書き込みヘッドで読み出し/書き込みするように、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクを回転させるためのモータとを有し、
前記モータは:
(d1) 前記クリーンチャンバ内に位置するディスク取付部分を有しかつ前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクと結合するロータと、
(d2) 回転軸線に沿って位置し、前記ロータと共に回転するようにこのロータに固定されたシャフトと、
(d3) ベアリング支持体を含む前記ハウジングと一体の支持部材と、
(d4) 前記ベアリング支持体内に取り付けられており、前記シャフトを回転自在に支持する、軸方向に離間した第一および第二ベアリングと、
(d5) 前記支持部材の、前記クリーンチャンバと同じ側に位置し、前記ベアリング支持体を囲む1つ以上の巻線及び極を有するステータと、
(d6) 前記ハウジングに固定され、前記ステータの上方に延在すると共に、前記ロータのフランジの外周部を囲む開口を有するリング要素であって、前記第一および第二ベアリングから前記クリーンチャンバ内への汚染物の移動を抑制する狭いギャップを前記ロータと前記リング要素との間に形成するリング要素と、
(d7) 前記ステータに囲まれ、このステータと共にほぼ円筒形の空気ギャップを形成するよう、該ステータの極から離間して配された環状永久磁石と、
(d8) 前記ロータの一部を成す強磁性部材と
を含み、
(d8−1) 前記強磁性部材が、前記環状永久磁石が取り付けられるほぼ円筒形面と、該環状永久磁石を上方でかつ半径方向に越えるように延在しかつ前記空気ギャップの少なくとも一部を覆う放射状延在部分とを有すると共に、該環状永久磁石が、前記ステータによって発生される磁束と相互作用し、前記ロータを駆動し、前記回転軸線を中心として前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクを回転させる
ことを特徴とするディスク記憶装置。 - 前記ベアリング支持体は、その内側表面に前記ベアリングを支持する中空シリンダを含むこと、及び
前記強磁性部材のほぼ円筒形部分は、前記中空シリンダと前記支持部材との接合部の湾曲面と協働かつ補完するよう形成されるエッジを有し、前記ロータと前記中空シリンダとの間のギャップの一部を形成すること
を特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。 - 前記ハウジングは、前記ステータを囲むほぼ円筒状壁を有する凹状壁部分を含むこと、及び
前記リング要素は、前記ほぼ円筒状壁の終端部に取り付けられること
を特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。 - 前記ロータの前記ディスク取付部分は、ほぼ円筒形キャビティと前記シャフトが該ロータに固定される閉端部とを有し、該円筒形キャビティは、前記ベアリング支持体を囲むと共に、前記ハウジングまで延びるほぼ円筒形ギャップシールを形成する
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。 - 前記ベアリング支持体は、その内側表面でベアリングを支持する中空シリンダを含むこと、及び
前記ロータの前記ディスク取付部分は、前記ベアリング支持体と該ロータとの間にラビリンスシールを形成するために該ベアリング支持体と組み合わせ嵌合する環状溝を含むこと
を特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。 - 前記ベアリング支持体は、その内側表面で前記第一及び第二ベアリングを支持する中空シリンダを含むこと、及び
前記ベアリングと前記ロータの前記ディスク取付部分との間において、前記ベアリング支持体の一端部の近くに位置するワッシャーが更に含まれ、該ワッシャーは、前記ベアリングから前記クリーンチャンバへの粒子の移動を抑制するよう働く
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。 - 前記ディスク取付部分は、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口を貫通するほぼ円筒形部分を含むこと、及び
前記環状永久磁石の内径は、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口の直径よりも小さいこと
を特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。 - 前記ディスク取付部分は、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口を貫通するほぼ円筒形部分を含むこと、及び
前記環状永久磁石の外径は、前記少なくとも1つのデータ記憶ディスクの円形開口の直径よりも大きいこと
を特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。
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