JP3763032B2 - 伸長・完全収納可能なアンテナの支持・接続方法、および同装置 - Google Patents

伸長・完全収納可能なアンテナの支持・接続方法、および同装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナを無線機のケースに対して伸縮摺動可能に支承する際、該アンテナを機械的に支持するとともに、電気的に接続する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
小形の移動通信機、特に携帯無線電話機においては、携帯に便利なようにアンテナが伸縮することが望まれ、さらに、収縮状態においても着呼の検知が可能であることを必要とする。すなわち、収納状態においては正常な使用状態ほどの感度は無くても良いが、或る程度の感度を維持していることが要望される。
こうした要請を満たすものとして内蔵アンテナを設ける技術が公知であるが、該内蔵アンテナと伸縮式アンテナとを切り替えるスイッチ手段を設けなければならないことや、内蔵アンテナから放射される高周波が他の実装品に影響を及ぼさないようにする手段を併設しなければならないことや、携帯無線電話機を握った手によって内蔵アンテナの受信電波を遮らないようにする工夫が必要であることの為に、内蔵アンテナの使用は種々の制約を受ける。
【0003】
内蔵アンテナを用いることなく、伸縮式のアンテナが、収納時にも着呼を検知するための技術として、ヘリカルアンテナと線条アンテナとを直列に接続して導通させてなるヘリカルトップ方式のアンテナを用いることが公知である。
ヘリカルトップアンテナを適用すれば、収納姿勢においてもヘリカルアンテナ部分を携帯無線電話機のケース外に突出させておくことにより、着呼検知が可能である。そして、線条アンテナ部分をケース外へ伸長させることにより、安定した通話が得られるようになる。
ヘリカルトップ方式のアンテナを携帯無線電話機のケースに対して伸縮摺動可能に支持するとともに、該アンテナを携帯無線電話機の高周波回路に対して電気的に接続するための最近の技術として、特開平6−196912号公報に開示されたアンテナ、および、米国特許No.5,204,687号(Apr.20.1993)が公知である。
本発明において導通とは、電気の導体同士が接触することによってオーム抵抗が少なくなる、直流的な結合を言う。また、電気的接続という時は上記の導通のみでなく、電磁感応により高周波的に結合されることも含めた広い意味である。
すなわち、(電気的接続)=(直流的導通)+(高周波的結合)である。
【0004】
次に、図5および図6を順次に参照しつつ、上記の公知技術を説明する。図5は特開平6−196912号公報に開示された公知のアンテナを示し、(A)は線条アンテナ部分の大半をケース外に引き出して伸長させた状態を模式的に描いた垂直断面図、(B)は線条アンテナ部分をケース内に押し込んで収納してヘリカルアンテナ部分のみをケース外に突出せしめた状態を模式的に描いた垂直断面図である。
1は携帯無線電話機のケース、2はヘリカルトップ形の複合アンテナである。
上記複合アンテナ2は、電気的長さ1/4波長の線条アンテナ2aの上端に電気的長さ1/4波長のヘリカルアンテナ2bを機械的に接続するとともに電気的に導通させてなり、前記のケース1に貫通固着されたスリーブ状の導通端子3に挿通されている。
電気的長さ1/4波長とは、1/4波長で共振する意であって、以下λ/4と略記する。後述するλ/2も同様に、1/2波長で共振する意である。
【0005】
上記複合アンテナ2が図5(A)のように上方へ引き出された伸長姿勢は、通話に使用される正常使用状態であって、この時、該複合アンテナ2の基端部を回路基板4に導通させるため、前記λ/4線条アンテナ2aの下端部に、前記スリーブ状導通端子3と密に嵌合する下方導通部2cが形成されている。
また、図5(B)のように下方へ押し込まれた収納姿勢は携帯時に使用される状態であって、λ/4ヘリカルアンテナ部分2bがケース1外に突出しているので着呼検知が可能である。この状態で複合アンテナ2を回路基板4に導通させるため、λ/4線条アンテナ2aの上端部に、前記スリーブ状導通端子3と密に嵌合する上方導通部2dが形成されている。そして、上記の収納姿勢においてλ/4線条アンテナ2aの下端部を接地する(詳しくは、回路基板4のアース回路に導通させる)アース接片5が設けられている。
【0006】
前記の米国特許に係るヘリカルトップアンテナの接続構造は、外見的には上述した図5のアンテナに類似しているが、電気的導通状態は基本的に異なる。図6は米国特許No.5,204,687に係るヘリカルトップ形アンテナの接続構造を示し、(A)は複合アンテナの線条アンテナ部分を上方に引き出した状態を模式的に描いてあって、図5に示した公知例の(A)に対応する垂直断面図であり、(B)は線条アンテナ部分をケース内に収納した状態を模式的に描いてあって、図5に示した公知例の収納状態を描いた(B)に対応する、一部を破断した垂直断面図である。
この図6の構成を、前掲の図5と対照・比較して差異を考察すると、
線条アンテナ6aとヘリカルアンテナ6cとが電気絶縁体6eを介して機械的に接続されており、電気的には導通していない。
上記電気絶縁体6eの一部は線条アンテナ6eを包んでいる。
複合アンテナ6が図6(A)のように伸長したとき、線条アンテナ6aを回路基板4に導通させるため、該線条アンテナ6aの下端部に大径の線条アンテナ導通部6dを形成して、スリーブ状導通端子3と密に嵌合するようにした構造は前掲の図5におけると類似の構造である。
複合アンテナ6が図6(B)のように収縮したとき、ヘリカルアンテナ6cを基板4に導通させるため、ヘリカルアンテナ導通部6dが該ヘリカルアンテナ6cに固着,導通されていて、このヘリカルアンテナ導通部6dがスリーブ状導通端子3と密に嵌合するようになっている。
この図6(B)の状態で、線条アンテナ6aはスリーブ状導通端子3に導通していないので、該線条アンテナ6aを接地する手段(図5のアース接片5に対応する部材)は設けられていない。
【0007】
ヘリカルトップ方式の複合アンテナを摺動可能に支持した構造によって、内蔵アンテナを用いることなく、収納姿勢においても着呼の検知を可能ならしめるとともに、伸長姿勢において良好な受信感度を得るという基本的な技術は公知公用である。しかし乍ら、このヘリカルトップ方式の複合アンテナを、どのようにして機械的に支持し、どのようにして電気的に接続するかによって、その特性が変化する。
従って、これを携帯式無線電話機に適用しようとすると、携帯式無線電話機として要求される種々の特性を、いかにして最大限に満たすかということが、技術的な改良,工夫の焦点に浮かび上がってくる。要請される特性の主たるものとしては、
イ. アンテナの収納,伸長に伴って電気接点に導通不良を発生しないこと。
ロ. 機械的強度が充分で耐久性に優れていること。
ハ. 静電耐圧性に優れていること。
ニ. なるべく高い利得が得られること。
ホ. 製造コストが安価であること。
が挙げられる。これらの全項目を完全に満たすことは、現実の問題として恐らく不可能に近いほど困難であろうと考えられるが、携帯無線電話機のアンテナ関係の技術者は、可能な限り多くの項目について、少しでもより完全に近い特性を得ようとして試験,研究を重ねている。先に述べた公知の二つの発明は、それぞれ技術的進歩の先駆的な創作として高い価値を有するものであるが、更に改善の余地を探究するため、前記イ〜ホの各項目について上記2発明の特性を考察すると次のごとくである。
【0008】
イ. 導通不良の虞れについて、
図5の発明も、図6の発明も、(A)図の伸長状態と(B)図の収納状態との導通切り換えが、スリーブ状導通端子3に対する機械的な接触による導通に依存しているので、発錆や異物噛み込みによる導通不良の絶無を期し難し。
ロ. 機械的強度について、
図6の発明に係る複合アンテナ6は、ヘリカルアンテナ導通部6dと線条アンテナ6aとを電気絶縁体6eを介して機械的に接続しているので機械的強度が充分でなく、特に、曲げ外力を受けたとき折損し易い。
また、図5の発明においては、伸長・収納の中間状態において、スリーブ状導通端子3と線状アンテナ2aとの嵌合に大きい遊隙を生じてガタつくので、取扱いが余程慎重でないと損傷を被り易い。
ハ. 静電耐圧について、
図6の発明は電気絶縁体6eが設けられているので、スリーブ状導通端子3を絶縁物で覆うことによって静圧耐圧をとることができるが、構造上工夫が必要である。
ニ. 利得について、
ヘリカルアンテナの電気的長さがλ/4であり、線状アンテナの電気的長さもλ/4であるため、機械的な形状を小形に構成できる利点は有るが、利得を上げることについては限界が有る。
【0009】
前記イ〜ニ各項の不具合を解消して、導通不良の虞れ無く、機械的強度に優れ静電耐圧が高く、高利得の伸縮アンテナを構成するため、
電気的長さが約1/2波長である線条アンテナの片方の端に、電気的長さ約1/2のヘリカルアンテナを接続し、機械的に直接接触させるとともに電気的に導通せしめてヘリカルトップ形の複合アンテナ素子を構成し、
上記ヘリカルアンテナをケース外に位置せしめて、線条アンテナをケースの壁に貫通せしめて摺動可能に支承し、
前記の線条アンテナを高周波回路に対して機械的に直接接触させることなく、電気的にも導通させずに対向せしめて、静電容量を介して電磁的に結合し、
かつ、上記線条アンテナが高周波回路に対して量結合されている個所から、
「線条アンテナにヘリカルアンテナが接続された片方」の反対方向を見たとき、インピーダンスがアンテナ側のインピーダンスよりも格段に高くなる手段を設けた構造が好適である。
以上に述べた技術は本発明者が創作して別途出願中の公知の発明(特開平8−237016号)であって、以下、これを先願の発明という。
【0010】
図7は、先願の発明に係るアンテナ接続構造の1実施例を示し、(A)は複合アンテナをケース外に引き出して通常の通話状態とした伸長姿勢における模式的な要部断面図、(B)は上記複合アンテナの線条アンテナ部分をケース内に押し込んで、ヘリカルアンテナ部分をケース外に突出させた収納姿勢における模式的な要部断面図である。
1はケースであって、その中に高周波回路を形成した回路基板4が設置されている。
7はヘリカルトップ形の複合アンテナ素子であって、電気的長さλ/2の線条アンテナ7aの片方の端に、電気的長さλ/2のヘリカルアンテナ7bが固着,導通されている。
本図7(A)は、携帯無線電話機の通常の操作状態を描いてある。同図(B)は携行状態であるから、上下、左右の姿勢は定まらない。しかし、説明の便宜上、(A)図の姿勢および(B)図に示した姿勢における上方を「上」と呼び、図の下方を「下」と呼ぶことにする。従って、前記λ/2ヘリカルアンテナ7bは、λ/2線条アンテナ7aの上端に固着,導通されていることになる。
【0011】
上記線条アンテナ7aを上下方向の摺動自在に支承する合成樹脂製のガイドスリーブ8が、前記ケース1の頂壁を貫通して固着されるとともに、該ガイドスリーブ8の中に防水用のOリングが取り付けられている。前記複合アンテナ素子7の線条アンテナ7aが上記Oリングと密に嵌合して挿通されており、これによって防水機能が果たされ、かつ、複合アンテナ素子7の上下摺動に適度の摩擦抵抗が与えられて操作フィーリングが良くなるとともに、伸長状態の複合アンテナ素子7がその位置を保持し、意識的に押し込まない限り通常の取扱いによっては収縮する虞れが無い。
前記の複合アンテナ素子7は上下に移動するが、その上下動ストロークの全域にわたってλ/2線条アンテナ7aと対向するように位置せしめて、かつ、該線条アンテナと接触して導通しないように離間させて、λ/4で共振する励振器10が設置されている。本実施例のλ/4励振器10は、当該携帯無線電話機の高周波回路が設けられている回路基板4の上にジグザグ形に形成されている。図8は上掲の図7に示した実施例について、該図7に描かれた部分の周辺を含めて模式的に描いた斜視図である。ただし、図面に簡潔ならしめるため適宜に省略図法を用いて描いてある。
【0012】
図8に示した12は無線機本体を形成している高周波ユニットであって、シールドケース14で覆われて隠れている高周波回路が、回路基板4上に形成されている。上記回路基板4の片面に、前記高周波ユニット12の地板12bが成層されているが、この地盤12bは回路基板4の全面を覆っていない。地盤12bが設けられていない区域に、前記のλ/4励振器10が、ジグザグ形の導通パターンとして形成されている。そして、上記λ/4励振器10の開放端10aが、λ/2線条アンテナ7aに対向・離間して静電結合容量cが形成されている。
上記の結合静電容量cを介して、複合アンテナ素子7は、伸長状態(図7(A)参照)においても収納状態(図7(B)参照)においても、また、これらの中間の状態においても、高周波ユニット12に対して電磁誘導的に接続されて、アンテナとして機能し、特に、伸長状態(図7(A)参照)においては最大利得となる。さらに、前記複合アンテナ素子7はλ/4励振器10に対して直流的には導通することなく絶縁されているので、基本的構造上、静電耐圧が確保されている。
前記の結合静電容量cの値は、設計計算によって所望のごとく設定することもでき、実験的に測定したり増減調節することもできる。この値を臨界結合状態に調整すると優れたアンテナ特性が得られ、特に、複合アンテナ素子7を図7(B)に示した収納状態にしたときも、伸長状態(A図)に近い利得が得られる。
【0013】
(図8参照)回路基板4の「地板12bが成層されていない区域」に、ジグザグ形の導通パターンとして形成されているλ/4励振器10の給電端10bは、「前記回路基板4の、地板12bに対向する反対側の面」に形成されたマイクロストリップ線路13によって高周波ユニット12の出力端12aに導通されている。本例の構成によると、λ/4励振器10や、その導通結線が、回路基板上に導通パターンを焼付・現像・定着する操作の一環として形成され、部品コストや組立コストが著しく低減される。
図7(A),(B)に示されているように、ガイドスリーブ8と同心に揃えて、その下方に金属管11が設置されていて、(B)図に示した収納姿勢になるとき複合アンテナ素子7の線条アンテナ7aが該金属管11に接触・導通しないように収納される。収納されたλ/2線条アンテナ7aが金属管11に接触して導通しないよう、本例においては該金属管11内に電気絶縁性材料で形成された絶縁管12′が嵌着されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
前述した先願の発明(図7,図8)は、接触不良による導通不良を生じる虞れが無く、アンテナの伸長・収縮が円滑であって、静電耐圧が高く、優れたアンテナ特性(特に広帯域性)を示し、非常に優れた発明であるが、さらに改善の努力を重ねるべき課題として、図7(B)に示すように収納姿勢においてヘリカルアンテナがケース1の上方に突出しているので、この突出部分が残らないように完全収納できれば非常に好ましい。
上記のように突出部を残さずに完全収納できたならば、携行時の取扱いが容易であり、不用意に突出部分を外部物体に衝突させて破損する虞れが無いといった純技術面の実用的効果が多大であるのみでなく、意匠的に優れたものになって商品価値を高め、さらに、包装・梱包が容易になって流通コストを低減させるという派生的効果も少なくない。
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、前述した先願に係る発明(特開平8−237016号)の効果であるところの(a)導通不良を生じる虞れの無いこと、(b)伸長,収納操作が円滑であること、(c)静電耐圧が高いこと、および(d)広帯域特性といった長所を損うことなく、しかも収納した状態でアンテナ素子の一部がケース外に突出しないように改良し、併せて、図7(A)に示されている絶縁管12′および金属管11より成るシールド機構を設けなくても良いようにして、アンテナ構造を簡単にすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために創作した本発明の基本的な原理について、その実施形態に対応する図1を参照しつつ略述すると、ケース16に対して伸縮摺動させるメインアンテナ組立体15は、2種類のアンテナ素子を接続した複合アンテナとすることなく、収縮時は同図1(B)のように完全収納する。この状態において着呼検知が充分に可能で、電波状態が良ければ送受信も出来るように、ケース16の壁にサブアンテナ(本例では角形スパイラル)20を設け、かつ、前記のメインアンテナおよびサブアンテナのそれぞれを、アンテナ励振器(略称・励振器)19の開放端に対して静電結合させる。
複合アンテナでなく、単一のアンテナ素子で構成されたメインアンテナを伸縮させるので、機械的強度が大きく、伸縮操作フィーリングが良い。収納時にはサブアンテナで着呼検知するので、メインアンテナは完全収納(図1(B)参照)できる。メインアンテナもサブアンテナも、励振器に対して静電結合しているので、接触不良による導通不良のトラブルを発生しない。
【0016】
以上に説明した原理に基づいて本願の請求項1に係る発明方法は、λ/4で共振するアンテナ励振器の入力端を高周波回路の出力端に接続するとともに、その開放端に対向・離間せしめてλ/2で共振するサブアンテナ素子の入力端を配設して静電容量C2で静電結合せしめ、
前記アンテナ励振器の開放端に対向離間せしめてλ/2で共振するメインアンテナ素子を、上下摺動可能に支承し、
上記メインアンテナ素子を上方へ伸長摺動せしめたとき、該メインアンテナ素子の下端部近傍を前記アンテナ励振器の開放端に対して、前記静電容量C2よりも大きい静電容量1で静電静電結合せしめて、無線機出力の大半をメインアンテナ素子へ導くとともに、該無線機出力の1部分をサブアンテナ素子へ導き、
上記メインアンテナ素子を下方へ収納摺動させたとき、該メインアンテナ素子の上端部を前記アンテナ励振器の開放端よりも下方へ離間せしめて、該メインアンテナ素子の上端部とアンテナ励振器との間の静電容量を無視し得る程度に減少せしめて、メインアンテナ素子をアンテナ励振器から電気的に切り離して、前記無線機出力をサブアンテナ素子へ導くことを特徴とする。
【0017】
請求項2に係る発明方法の構成は前記請求項1の発明方法の構成要件に加えて、前記メインアンテナ素子の上端に、これと同心に電気絶縁性の柱状部材を取り付けるとともに、該メインアンテナ素子の下端に導電性の静電結合用端子部材を取り付けてメインアンテナ組立体を構成し、
前記の電気絶縁性柱状部材に手動操作力を加えてメインアンテナ組立体を下方に収納摺動せしめたとき、該電気絶縁性柱状部材を前記アンテナ励振器の開放端に対向せしめてメインアンテナ素子を該開放端から下方へ離間させ、
前記の電気絶縁性柱状部材の上端付近に手動操作力を加えてメインアンテナ組立体を上方へ伸長摺動せしめたとき、前記の静電結合用端子部材をアンテナ励振器の開放端に対向離間せしめて結合容量を形成することを特徴とする。
以上に説明した請求項2の発明方法によると、メインアンテナ組立体を下方へ収納摺動せしめたとき、メインアンテナ素子の上端に取り付けられている電気絶縁性柱状部材をアンテナ励振器の開放端に対向せしめることにより、該メインアンテナ素子とアンテナ励振器開放端との間の静電容量を、実用上無視できる程度に減少せしめることが確実に行なわれる。
また、メインアンテナ組立体を上方へ伸長摺動せしめたとき、静電結合用端子部材をアンテナ励振器開放端に対向離間せしめることにより、臨界結合状態を現出するに必要な静電容量値を確実に形成することができる。
【0018】
請求項3に係る発明方法の構成は前記請求項1もしくは同2の発明方法の構成要件に加えて、前記のメインアンテナ素子としてテレスコピックアンテナ素子、もしくはヘリカルアンテナ素子を用いることにより、その電気的長さに比してメインアンテナ素子の収納時における機械的長さ寸法を短からしめることを特徴とする。
以上に説明した請求項3の発明方法によると、メインアンテナ素子を収納位置に移動せしめたとき、その電気的長さ(λ/2)に比して機械的な長さ寸法を短縮することができるので、このアンテナ支持・接続方法を適用した小形移動通信機全体をコンパクトならしめることができる。
【0019】
請求項4に係る発明方法の構成は前記請求項1ないし同3の発明方法の構成要件に加えて、前記のサブアンテナ素子として平面的なスパイラルアンテナ素子、もしくは立体的なヘリカルアンテナ素子、または平面的なジグザグアンテナ素子を用いることにより、その電気的長さに比してサブアンテナの機械的長さ寸法を短からしめることを特徴とする。
以上に説明した請求項4の発明方法によると、本発明に係るアンテナの支持・接続方法を適用する対象である小形移動通信機に固定的に設置するサブアンテナの機械的な長さ寸法が、その電気的長さ(λ/2)よりも短くなるので、上記小形移動通信機をコンパクトに構成することができる。
【0020】
請求項5に係る発明装置の構成は、無線機ケースに対して上方へ伸長摺動,下方へ収納摺動可能に支承された電気的長さλ/2のメインアンテナ素子と、上記メインアンテナ素子の上端に同心状に固着された絶縁柱と、該メインアンテナ素子の下端に同心状に固着された静電結合端子とによってメインアンテナ組立体が構成されており、
前記無線機ケースに対して固定的に設置された電気的長さλ/4のアンテナ励振器の入力端が高周波回路の出力端に接続されるとともに、該アンテナ励振器の開放端が前記メインアンテナ組立体に対向,離間しており、
前記無線機ケースの壁に沿って設置された電気的長さλ/2のサブアンテナの入力端が、前記アンテナ励振器の開放端近傍に対向離間して静電容量C2が形成されていて、
前記メインアンテナ組立体が上方へ伸長摺動されると該メインアンテナ組立体の静電結合端子がアンテナ励振器の開放端に対向離間して、前記静電容量C2よりも大きい静電容量C1で静電結合され、該メインアンテナ組立体が下方へ収納摺動されると該メインアンテナ組立体の絶縁柱がアンテナ励振器の開放端に対向して前記の静電結合が消失するようになっていることを特徴とする。
以上に説明した請求項5の発明装置によると、伸長・収納摺動可能に支承されたメインアンテナ素子に絶縁柱と静電結合端子とが固着されてメインアンテナ組立体が構成され、かつ、該メインアンテナ組立体がアンテナ励振器に対向離間していて、上方に伸長摺動したとき静電結合端子がアンテナ励振器に静電結合されるので、機械的な接点を必要とせず、接触不良に困るトラブルを生じる虞れが無い。
一方、サブアンテナはアンテナ励振器に対して常時静電結合されているので、伸長状態のメインアンテナはサブアンテナと協働して広域特性を発揮する。
前記メインアンテナ組立体が収納摺動すると、絶縁柱がアンテナ励振器に対向して結合容量を(実用上)消失せしめるので、常時静電結合されているサブアンテナの機能によって着呼検知が充分なアンテナ利得が維持される。
上述のように、メインアンテナ組立体は、アンテナ励振器に対して電気的に切り離される位置まで下降摺動して収納されるようになっているので、収納状態においてメインアンテナ素子が無線機ケースから突出している必要が無く、完全収納が可能である。
【0021】
請求項6に係る発明装置の構成は前記請求項5の発明装置の構成要件に加えて、前記のメインアンテナ素子が線条アンテナ素子、もしくは多段のテレスコピックアンテナ素子によって構成されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項6の発明装置によると、メインアンテナが作動する状態におけるメインアンテナ素子が直線状をなしているので、電波を有効に捕えて高いアンテナ利得が得られる上に、アンテナ励振器およびサブアンテナと協働して広帯域特性が得られる。
【0026】
請求項に係る発明装置の構成は前記請求項5の発明装置の構成要件に加えて、前記のサブアンテナが、平板状の電気絶縁材料製コア部材に導電線を巻きつけた形状の平板ヘリカルアンテナ素子によって構成されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項の発明装置によると、サブアンテナの機械的長さが電気的長さ(λ/2)に比して短く、平板に近い形状をしているので無線機ケースに対する取り付けが容易である上に、アンテナ素子の実質部分に触れないでコア部材を無線機ケースに固定すれば良いので組立作業性が良い。
その上、サブアンテナ用の部材が単品として、コアに巻回された構造であるから、格別に細心の注意を払わなくても変形させる虞れが無い。このため、アンテナ部品製造工場から小形通信機組立工場までの搬送が容易であり、無線機工業全体の中でアンテナ工業の分業化を容易ならしめ、分業によると専門技術の向上や、分業によるコスト低減にも有利である。
【0028】
請求項に係る発明装置の構成は前記請求項5ないし同の発明の構成要件に加えて、前記サブアンテナが、正常な使用状態における無線機ケースの頂部に相当する壁,もしくは、上記無線機ケースに操作盤が形成されている面の背後部に相当する壁に設けられていて、正常な使用状態において該ケースを掌に握ったとき前記サブアンテナが人体の影響を受け難いようになっていることを特徴とする。
以上に説明した請求項の発明装置によると、無線機ケースを手で握ったとき、掌によってサブアンテナを覆ってしまう虞れが無く、掌で電波を遮ったり減衰させたりしないので、本来のアンテナ特性が損われず、その長所(高利得,広帯域)が充分に発揮される。
【0029】
請求項に係る発明装置の構成は前記請求項の発明装置の構成要件に加えて、前記のサブアンテナがケース壁の外側面もしくは内側面に固定的に装着されており、または合成樹脂製ケースの壁にインサート成形されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項の発明装置によると、サブアンテナが邪魔にならない状態でケースの壁に固定されるので、該サブアンテナの入力端とアンテナ励振器の開放端との相対的な位置関係が安定する。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る伸長・完全収納可能なアンテナの支持・接続方法を実施するために構成したアンテナの支持・接続装置の1実施形態を示し、(A)はメインアンテナを伸長させた通常の使用状態を模式的に描いた斜視図、(B)はメインアンテナを収縮させて無線機のケース内へ完全に収納した状態を模式的に描いた斜視図である。
無線機のケース16の内部に回路基板17が設置され、該回路基板17上に高周波回路(シンボルマークで示す)18が形成されている。上記回路基板17上にアンテナ励振器(以下、紛らわしくない場合は単に励振器と略称する)19が形成されていて、該励振器19の入力端は前記高周波回路18の出力端に接続導通されている。
【0031】
一方、図示の15はメインアンテナ組立体であって、電気的長さλ/2の線条メインアンテナ素子15aの上端に、絶縁性材料で柱状に形成された絶縁柱15bが同心状に固着されている。上記絶縁柱15bの上端に、ツマミとして機能する傘状頭部15cが取り付けられている。本実施形態においては前記絶縁柱15bと傘状頭部15cとを合成樹脂材で一体に成形してある。
前記線条メインアンテナ素子15aの下端に、導電性材料で構成された静電結合端子15dが同心状に固着されて導通している。本図1(A)のようにメインアンテナ組立体15が上方に引き上げられた伸長姿勢になったとき、前記の静電結合端子15dが励振器19の開放端に対向離間してメインアンテナ静電結合部C1を形成している。本実施形態においてはこの静電結合部C1の静電容量が臨界結合容量(最も望ましいアンテナ特性が得られる静電容量値)となるように構成されている。
一方、ケース16の頂面には、電気的長さλ/2の角形スパイラルアンテナ素子から成るサブアンテナ20が固定的に設置されている。この角形スパイラルサブアンテナ20の入力端は励振器19の開放端近傍に対向離間してサブアンテナ静電結合部C2を形成している。
【0032】
前記の傘状頭部15cに手動操作力を加えて押し下げると、メインアンテナ組立体15が下方に収縮摺動して本図1(B)に示した収納姿勢となる。前記の傘状頭部15cは、下降摺動のストロークエンドでストッパとして作用する。また、この傘状頭部15cは、メインアンテナ組立体15を引き上げる際にはツマミとして機能し、この上昇伸長ストロークエンドでは前述の静電結合端子15dがストッパとして作用する。
(B)図の状態でメインアンテナ組立体15は、その絶縁柱15bが励振器19の開放端に対向し、線条メインアンテナ素子15aは励振器9の開放端から離され下降しており、前掲の(A)図におけるメインアンテナ静電結合部C1は消失している。
(B)図に示したメインアンテナの収納状態において、傘状頂部15cは、ケース16の頂面と、ほぼ同一面に位置し、ケース頂面に突出していない。この(B)図の状態においても、角形スパイラルサブアンテナ素子20の入力端は、サブアンテナ静電結合部C2を介して励振器19の開放端に対して静電結合している。
【0033】
本実施形態において、角形スパイラルサブアンテナ素子20は無線機ケース16の頂面に設置されている。このようにケース16の頂面にサブアンテナを配設すると、該ケース16を掌の中に握ったとき、掌によって電波を遮られるなどして人体の影響を受けることが無いので好都合である。こうした観点からサブアンテナの配置個所として望ましい個所は無線機ケースの頂部の壁か背部の壁である。ただし、頂部とは本図1(A)のように正常な使用状態における頂部をいい、背部とは「無線機ケースに設けられている操作盤の反対側」をいう。上記の操作盤とは、独立した部材に限らず、スイッチボタン類が配列されている面の意である。
本実施形態における角形スパイラルサブアンテナ素子20は、金属薄板をプレスで打ち抜いて構成して無線機ケース16の頂壁外側面に貼着したが、本発明を実施する際、頂壁の内側に貼着しても良い。スパイラル形のアンテナ素子は平面的な形状であるから頂壁もしくは背壁の外側に取り付けても著しく膨出せず、内側に取り付けても内部空間を狭めない。また、無線機ケースを合成樹脂材料で構成する際、サブアンテナ素子をインサート成形することもできる。
【0034】
図2は、前掲の図1に示した実施形態のアンテナ支持・接続装置の作用を説明するために示したもので、(A)はメインアンテナを収納した状態を描いた模式図であり、(B)はメインアンテナを伸長せしめてサブアンテナを協働させた状態を描いた模式図である。
前掲の図1(B)について説明したようにメインアンテナ組立体15を下方に収納摺動させると静電容量が消失してメインアンテナ素子が励振機19から電気的に切り離されるので、本図2()にはメインアンテナを描いていない。この状態で、無線機出力エネルギーの全部が、サブアンテナ静電結合部C2を経てサブアンテナ20′に流れる。また、受信の際はサブアンテナ20′によって着呼検知が果たされる。
メインアンテナ組立品が伸長されると、前掲の図1(A)について説明したようにメインアンテナ静電結合部C1が形成されて、本図2(B)に示したようにメインアンテナ15′の入力端が励振器19の開放端に対して静電結合される。この状態でメインアンテナ15′の放射抵抗がサブアンテナ20′の放射抵抗よりも大きい。さらに最適結合容量値の大小関係が、メインアンテナ静電結合部C1>サブアンテナ静電結合部C2であるから、無線機出力エネルギーの大半がメインアンテナ15′に流れ、その一部分がサブアンテナ20′に流れる。
これらの図2(A),図2(B)それぞれの状態で、後に図9を参照して説明するように、優れたアンテナ特性(特に広帯域性)が得られる。
【0035】
図3は、前掲の図1と異なる実施形態を示し、(A),(B)はそれぞれ互いに異なる実施形態を模式的に描いた斜視図である。
前掲の図1に示した実施例においては平面的な角形スパイラルアンテナ素子20によってサブアンテナを構成していた。この変形例として、角形の四隅に丸味を付すなどした角形スパイラルアンテナに類似したスパイラルアンテナを用いても、電気的長さに比して機械的長さが短いのでケース16をコンパクトに構成できるという効果、および、サブアンテナが平面的形状であるからケース16の壁から膨出したりケース16の内部スペースを狭めたりしないとう効果は同様である。
これに比して図3(A)の実施形態は、ヘリカル形のアンテナ素子21によってサブアンテナを構成した。
この図3(A)の実施形態においても、励振器とサブアンテナとの間の静電容量C2よりも、励振器とメインアンテナとの間の静電容量C1を大きく設定して、無線機出力エネルギーの大半をメインアンテナに導く。
ヘリカルアンテナ素子はスパイラルアンテナ素子に比して立体的な形状であるが、巻径を比較的小さくすることによって邪魔にならないように形成することができる上に、その機械的な長さ寸法を電気的長さに比して著しく短くすることができる。
ケース16の壁は当然に若干の厚さを有しているので、ヘリカルサブアンテナ素子21の巻き径の寸法を上記ケース壁の厚さ寸法とほぼ等しからしめて、該ヘリカルサブアンテナ素子をケース壁内へインサート成形し、もしくは適宜な手段で壁に嵌め込むと、該ヘリカルサブアンテナ素子21の形状が平面的でなくて立体的であることに因る不具合は実用上のデメリットとして顕在化させないことができる。
以上の考察から理解されるように、ヘリカルアンテナ素子に類似したアンテナ素子、すなわち、導電線を螺旋に類似した形状に屈曲させたアンテナ素子によってサブアンテナを構成することもでき、ヘリカル形サブアンテナを設けた場合と同様の効果が得られる。
【0036】
図3(B)に示した実施形態においては、平板状の電気絶縁性コアに導電線を巻回してなる平板ヘリカルサブアンテナ素子22によってサブアンテナが構成されている。
この図3(B)の実施形態においても、励振器とサブアンテナとの間の静電容量C2よりも、励振器とメインアンテナとの間の静電容量C1を大きく設定して、無線機出力エネルギーの大半をメインアンテナに導く。
この例のように、平板状のコアに導電線を巻回した構造のサブアンテナ用素子を形成すると、該平板状コアの形状,寸法を規制することによって所定の電気的長さと所定のインダクタンスとを有するサブアンテナが容易に高精度で構成される。
その上、平板状のコアに巻成されたアンテナ素子は、これをケース16の壁に取り付ける際、導電線には触れることなくコアをケースの壁に固着することによってアンテナ素子の実体部分をケースに対して位置決め固定することができるので組立作業性が良く、かつ確実に固定することができる。
さらに、平板状コアに巻成されたアンテナ素子は平面的形状に近いと言い得るほど厚さ寸法が薄いので、これをケース壁の外側面に装着しても該ケース壁を著しく膨出せしめる虞れが無く、またケース壁の内面に装着してもケース内スペースを著しく狭めることがない。また、平板状コアに巻成されたアンテナ素子をケースの壁体内にインサート成形する場合、成形型に対して平板状コアを位置決めして取り付けることにより、容易に、高能率で、高精度にインサート成形作業を遂行することができる。
【0037】
図4は前記とさらに異なる実施形態に係るアンテナの支持・接続構造を示し、(A),(B)はそれぞれ互いに異なる実施形態を対比せしめて模式的に描いた概要的な斜視図である。
図4(A)の実施形態においてはメインアンテナ素子としてテレスコピックアンテナ素子23aを用い、その上端に絶縁柱23bと傘状頭部23cを固着するとともに、その下端に静電結合端子を連絡・導通させてメインアンテナ組立体23が構成されている。これらの構成部材の中で、テレスコピックメインアンテナ素子23a以外の絶縁柱,傘状頭部15c,および静電結合端子は、前掲の図1に示した実施形態および図3に示した実施形態におけるメインアンテナ組立体15を構成している絶縁柱15b,傘状頭部,および静電結合端子15dと同様ないし類似の構成部分である。従って本実施形態(図4(A))におけるメインアンテナ組立体23が前述の実施形態(図1,図3)におけるメインアンテナ組立体15に比して異なるところは、テレスコピックアンテナ素子23aを用いたことである。
本実施形態のようにテレスコピックアンテナ素子を用いると、これを伸長せしめてメインアンテナとして作動せしめるときは前述の実施形態における線条メインアンテナ素子15aと電気的に等価な機能を示し、収縮させたときは機械的長さが著しく減少する。この実施形態を実施する場合、テレスコピックアンテナ素子は2段テレスコピックであっても、それ以上の多段テレスコピックであっても良い。多段に構成すれば多段に構成するほど収納時の機械的長さ寸法は短くなって、無線機ケースを小型化することができる。しかし、無線機ケースの最小寸法を定める要素はメインアンテナの収納スペースのみではないから、テレスコピックメインアンテナ素子23aを過度に多段化することは実用的価値が無く、余り好ましいこととは考え難い。
【0038】
本図4(A)の実施形態においては上述したようにテレスコピックアンテナ素子23aを用いてメインアンテナ組立体23を構成したことと併せて、サブアンテナとして電気的長さλ/2のジグザグ形アンテナ素子25を用いた。該ジグザグ形サブアンテナ素子25の入力端を、サブアンテナ静電結合部C2を介してλ/4アンテナ励振器19の開放端に静電結合したことは前記の実施形態(図1)におけると同様ないし類似の構成である。
この図4(A)の実施形態においても、励振器とサブアンテナとの間の静電容量C2よりも、励振器とメインアンテナとの間の静電容量C1を大きく設定して、無線機出力エネルギーの大半をメインアンテナに導く。
ジグザグ形のアンテナ素子は平面的な形状であるため、これを無線機ケース16の壁に取り付けたとき、外側面に膨出したりケース内スペースを狭めたりする量は実用上無視し得る程度に僅少である。また、ジグザグ形アンテナ素子は平面的な形状であるから、これを無線機ケースの壁の中にインサート成形によって埋設するにも好適である。
【0039】
本実施形態のジグザグ形サブアンテナ素子25は金属薄板をプレスで打ち抜いて構成したが、針金を曲げて構成しても良く、また、小形の回路基板の上に導通パターンとして形成しても良い。回路基板の導通パターンとしてジグザグ形のアンテナ素子を構成すると、公知のプリント回路技術を適用して低コストで、高精度のジグザグ形アンテナ素子を大量に工業的に生産することができる。その上、このジグザグ型アンテナ素子を無線機ケースの壁に取り付ける際に、導電性の構成部分に触れないで、回路基板の非導電性部分をケース壁面に装着することにより、アンテナ素子をケース壁に位置決め固定することができるので組立作業性に優れている。
また、該ジグザグ形アンテナ素子が小形の回路基板上に形成されていると、このジグザグ形アンテナ素子を無線機ケースの壁の中にインサート成形によって埋設する場合、回路基板を成形型にセットすることにより高精度の位置決めを容易に、かつ迅速に行なうことができる。さらに、導通パターンが基板面上に固着されているので、インサート成形に際して溶融した合成樹脂材料が激しく流動してもアンテナ素子部材が変形したり位置ずれしたりする虞れが無く、製品の品質が安定する。
【0040】
先に図3(B)に示したように平板状のコアに巻成したコイル状部材として構成したアンテナ素子、または上述のように小型回路基板上に導通パターンとして形成したアンテナ素子は、これを単品として取り扱う場合に変形させたり折損したりする虞れが無い(コア無しで針金を曲げた部材と比較して考えれば容易に理解できる)。このため、コアもしくは小形回路基板で補強された構造のサブアンテナ素子は、製造が容易であるのみならず、包装,梱包,刻印,輸送,計数,保管が容易であり、独立した商品としての流通性を有している。こうした特性は、アンテナ専門メーカーによる分業生産を促進する無形の要素であり、生産・品質管理の専門化による低コスト高品質が得られて無線機器産業の発展に寄与するところ多大である。こうした効果から明らかなように、平板状コアにアンテナ素子を巻成してサブアンテナを構成するという技術的思想、および、小形回路基板上の導通パターンとしてサブアンテナを構成するという技術的思想は、単なる公知技術の応用ではない。
【0041】
図4(B)に示した実施形態のメインアンテナ組立体24は、ヘリカルメインアンテナ素子24aの上端に電気絶縁性の絶縁柱24bおよび傘状頭部24cを取り付けるとともに、その下端に静電結合端子24dを取付・導通されている。
この図4(B)の実施形態においても、励振器とサブアンテナとの間の静電容量C2よりも、励振器とメインアンテナとの間の静電容量C1を大きく設定して、無線機出力エネルギーの大半をメインアンテナに導く。
このようにヘリカルアンテナ素子を用いると、その電気的長さ(λ/2)に比して機械的長さが短いので、これを収納すべき無線機ケース16の上下方向寸法が短くて足り、当該携帯無線機全体のコンパクト化に有効である。
本実施形態のヘリカルメインアンテナ素子24aは、柔軟な電気絶縁性のチューブ状アンテナカバー24eを被せて保護されている。
【0042】
図4(A),(B)を比較して理解されるように、ヘリカルメインアンテナ素子24aを用いたメインアンテナ組立体24は全体的にフレキシブルであり、外部障害物の衝突を受けたとき弾性的に変形して緩衝されるので折損したり永久歪を生じたりする虞れが無い。
ヘリカルメインアンテナ素子の応用的変形として、必ずしも幾何学的に正確なヘリカル形状でなくても、弾性を有する金属線を細長い立体的な非直線形状に成形することによって同様の効果(機械的長さが電気的長さよりも短く、フレキシブルで破損しにくい)が得られる。また、ヘリカルメインアンテナ素子24aの形状は必ずしも全長にわたって同一の巻き径でなくても良く、全長にわたって同一のピッチでなくても良い。
【0043】
前掲の図1,図3,図4に示したメインアンテナ組立品(15,23,24)は、いずれも単一の素材によって構成されたものではなく、電気絶縁性部材と導電性部材とを相互に結合されている。しかし、先行技術に係る図5〜図8に示されている複合アンテナ(2,6,7)とは基本的に異なる構造の部材である。すなわち、上記複合アンテナが2種類のアンテナ素子(例えばヘリカルアンテナ素子と線条アンテナ素子)を連結,導通して成る部材であるのに比して、本発明に係るメインアンテナ組立体においてはアンテナとして機能する1個の素子によって1本のメインアンテナ組立体が構成されている。例えば図6に示した先行技術に係る複合アンテナ6は、2個の剛性の柱状部材を電気絶縁体6eによって接続した構造であるから、この電気絶縁体6eの中央部もしくは両端で折損しやすいが、本発明に係るメインアンテナ組立体はそのような脆弱性を有しておらず、機械的な強度が大きい。
【0044】
先に図1の実施形態について、メインアンテナ組立体15を押し下げて収納摺動させると絶縁柱15bがアンテナ励振器19の開放端に対向してメインアンテナ静電結合部C1の静電容量が消失して、線条メインアンテナ素子15aが電気的に切り離される作用について述べたが、上述の作用は図4に示した実施形態においてもほぼ同様である(図3の実施形態のメインアンテナ組立体15は、図1に示したメインアンテナ組立体と同一の構成部材であるから、当然に同様に作用する)。すなわち、図4(A)のメインアンテナ組立体23を下方に押し下げると絶縁柱23bがアンテナ励振器19の開放端に対向するようになって、テレスコピックメインアンテナ素子23aが電気的の切り離される。また図4(B)のメインアンテナ組立体24を下方に押動して収納すると絶縁柱24bがアンテナ励振器19の開放端に対向するようになってヘリカルメインアンテナ素子24aが電気的に切り離される。
以上に説明したように、本発明装置の何れの実施形態においてもメインアンテナ組立体を押し下げて納収状態にすると自動的にメインアンテナ素子が電気的に切り離されて図2(A)に示した状態になってサブアンテナ20′による着呼検知が行なわれるようになる(周辺の条件が良ければ通信も可能)。
【0045】
また、本発明装置の何れの実施形態においても、前記メインアンテナ組立体を引き上げて伸長させると、その下端部に設けられている静電結合端子が上昇摺動のストッパとして機能するとともに、アンテナ励振器19の開放端に対向離間してメインアンテナ静電結合部C1を形成し、図2(B)に示した通信状態となって優れたアンテナ性能が得られる。
上述のように、何れの実施形態においてもメインアンテナ組立体を押し下げて収納するとメインアンテナ素子が電気的に切り離されるので、先行技術を示した図7の構成における金属管11に相当するシールド機構を設ける必要が無い。これにより、本発明装置を適用すると上記の先行技術に比して無線機ケース内部構造が簡単になる。
【0046】
図9は、前掲の図1に示した実施形態に係るアンテナの支持・接続構造におけるアンテナのVSWR特性を示し、(A)はメインアンテナを伸長したとき、(B)は同じく収納したときを表している。
本発明に係るアンテナ構造を適用すると、高いアンテナ利得が得られ、かつ、伸長時,収納時共に広帯域特性が得られる。そして、本発明の構成要件の範囲内で主要構成部材の形状,寸法を設計的に変化させ、もしくは実験的に変化させると、高利得・広帯域特性を保ちつつアンテナ特性が変化する。本図9に示した図表は、820MHz付近と950MHz付近に送,受信周波数を設定して構成したアンテナ装置の1例における特性であるが、携帯無線電話機用として実用性の有る簡単なアンテナ装置によって、これほどの優れたVSWR特性が得られたのは本発明によって初めて能く為し得たところである。
【0047】
【発明の効果】
以上に本発明の実施形態を挙げてその構成・機能を明らかならしめたように、請求項1の発明方法によると、メインアンテナ素子を上方へ伸長摺動せしめたとき該メインアンテナ素子下端部近傍がアンテナ励振器の開放端に静電結合されるので、λ/2のアンテナとして作用する。このように、直接接触導通せずにアンテナが高周波回路に対して容量結合されるので、接触不良に関するトラブルを生じる虞れが無く、伸長収納操作が円滑に行なわれて操作フィーリングが良く、接触導通していないので静電耐圧が高い。そしてメインアンテナがアンテナ励振器およびサブアンテナと協働して広帯域特性が得られる。このようにして、先願の発明における種々の長所を損うことが無い。
さらに、メインアンテナを下方へ収納摺動させると、該メインアンテナがアンテナ励振器から離間して下方に移動し、電気的に切り離されるので、サブアンテナが単独で作用して着呼検知に充分なアンテナ利得が得られる。このように、メインアンテナをアンテナ励振器よりも下方へ下降摺動させるので、該メインアンテナの上端をアンテナ励振器よりも上方に残すことなく完全収納することが可能になる。そして、アンテナ励振器とメインアンテナとの間の静電容量を消失させて電気的に切り離すので、切り離して収納されたメインアンテナをシールドするための手段を必要としない。
【0048】
請求項2の発明方法によると、メインアンテナ組立体を下方へ収納摺動せしめたとき、メインアンテナ素子の上端に取り付けられている電気絶縁性柱状部材をアンテナ励振器の開放端に対向せしめることにより、該メインアンテナ素子とアンテナ励振器開放端との間の静電容量を、実用上無視できる程度に減少せしめることが確実に行なわれる。
また、メインアンテナ組立体を上方へ伸長摺動せしめたとき、静電結合用端子部材をアンテナ励振器開放端に対向離間せしめことにより、臨界結合状態を現出するに必要な静電容量値を確実に形成することができる。
【0049】
請求項3の発明方法によると、メインアンテナ素子を収納位置に移動せしめたとき、その電気的長さに比して機械的な長さを短縮することができるので通信機全体をコンパクトならしめることができる。
請求項4の発明方法によっても同様に通信機全体をコンパクトにできる。
請求項5の発明装置によると、伸長・収納摺動可能に支承されたメインアンテナ素子上方に伸長摺動したとき静電結合端子がアンテナ励振器に静電結合されるので、機械的な接点を必要とせず、接触不良に因るトラブルを生じない。
メインアンテナ組立体が下降摺動して電気的に切り離された状態(収納状態)においてサブアンテナが作動して着呼検知するので、前記メインアンテナ組立体は収納状態においてケース外に突出している必要が無く、完全収納が可能である。
【0050】
請求項6の発明装置によると、メインアンテナが作動する状態におけるメインアンテナ素子が直線状をなしているので、電波を有効に捕えて高いアンテナ利得および広帯域特性が得られる。
【0051】
請求項7の発明装置によると、サブアンテナの素子がその電気的長さに比して機械的長さが短いので好都合である上に、平板状コアに巻回された構造であるから厚さ寸法が小さく、かつ、取扱いが容易で組立作業性が良い。
請求項の発明装置によると、無線機ケースを手で握ったとき人体の影響を受けることが無い。
請求項の発明装置によると、サブアンテナが邪魔にならない状態でケースの壁に固定されるので、該サブアンテナの入力端とアンテナ励振器の開放端との相対的な位置関係が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る伸長・完全収納可能なアンテナの支持・接続方法を実施するために構成したアンテナの支持・接続装置の1実施形態を示し、(A)はメインアンテナを伸長させた通常の使用状態を模式的に描いた斜視図、(B)はメインアンテナを収縮させて無線機のケース内へ完全に収納した状態を模式的に描いた斜視図である。
【図2】前掲の図1に示した実施形態のアンテナ支持・接続装置の作用を説明するために示したもので、(A)はメインアンテナを収納した状態を描いた模式図であり、(B)はメインアンテナを伸長せしめてサブアンテナを協働させた状態を描いた模式図である。
【図3】前掲の図1と異なる実施形態を示し、(A),(B)はそれぞれ互いに異なる実施形態を模式的に描いた斜視図である。
【図4】前記とさらに異なる実施形態に係るアンテナの支持・接続構造を示し、(A),(B)はそれぞれ互いに異なる実施形態を対比せしめて模式的に描いた概要的な斜視図である。
【図5】特開平6−196912号公報に開示された公知のアンテナを示し、(A)は線条アンテナ部分の大半をケース外に引き出して伸長させた状態を模式的に描いた垂直断面図、(B)は線条アンテナ部分をケース内に押し込んで収納してヘリカルアンテナ部分のみをケース外に突出せしめた状態を模式的に描いた垂直断面図である。
【図6】米国特許No.5,204,687に係るヘリカルトップ形アンテナの接続構造を示し、(A)は複合アンテナの線条アンテナ部分を上方に引き出した状態を模式的に描いてあって、図5に示した公知例の(A)に対応する垂直断面図であり、(B)は線条アンテナ部分をケース内に収納した状態を模式的に描いてあって、図5に示した公知例の収納状態を描いた(B)に対応する、一部を破断した垂直断面図である。
【図7】先願の発明に係るアンテナ接続構造の1実施例を示し、(A)は複合アンテナをケース外に引き出して通常の通話状態とした伸長姿勢における模式的な要部断面図、(B)は上記複合アンテナの線条アンテナ部分をケース内に押し込んで、ヘリカルアンテナ部分をケース外に突出させた収納姿勢における模式的な要部断面図である。
【図8】上掲の図7に示した実施例について、該図7に描かれた部分の周辺を含めて模式的に描いた斜視図である。ただし、図面を簡潔ならしめるため適宜に省略図法を用いて描いてある。
【図9】前掲の図1に示した実施形態に係るアンテナの支持・接続構造におけるアンテナのVSWR特性を示し、(A)はメインアンテナを伸長したとき、(B)は同じく収納したときを表している。
【符号の説明】
1…ケース、2…複合アンテナ、2a…λ/4線条アンテナ、2b…λ/4ヘリカルアンテナ、2c…下方導通部、2d…上方導通部、3…スリーブ状導通端子、4…回路基板、5…アース接片、6…複合アンテナ、6a…線条アンテナ、6b…線条アンテナ導通部、6c…λ/4ヘリカルアンテナ、6d…ヘリカルアンテナ導通部、6e…電気絶縁体、7…複合アンテナ、7a…λ/2線条アンテナ、7b…λ/2ヘリカルアンテナ、8…ガイドスリーブ、9…Oリング、10…λ/4励振器、10a…開放端、10b…給電端、11…金属管、12…無線機本体高周波ユニット、12a…無線機本体高周波ユニット出力端、12b…地板、13…マイクロストリップ線路、14…シールドケース、15…メインアンテナ組立体、15a…線条アンテナ素子、15b…絶縁柱、15c…傘状頭部、15d…静電結合端子、16…無線機ケース、17…回路基板、18…高周波回路、19…アンテナ励振器、20…角形スパイラルサブアンテナ素子、21…ヘリカルサブアンテナ素子、22…平板ヘリカルサブアンテナ素子、23…メインアンテナ組立体、23a…テレスコピックメインアンテナ素子、24…メインアンテナ組立体、24a…ヘリカルメインアンテナ素子、25…ジグザグ形サブアンテナ素子。

Claims (9)

  1. λ/4で共振するアンテナ励振器の入力端を高周波回路の出力端に接続するとともに、その開放端に対向・離間せしめてλ/2で共振するサブアンテナ素子の入力端を配設して静電容量C2で静電結合せしめ、
    前記アンテナ励振器の開放端に対向離間せしめてλ/2で共振するメインアンテナ素子を、上下摺動可能に支承し、
    上記メインアンテナ素子を上方へ伸長摺動せしめたとき、該メインアンテナ素子の下端部近傍を前記アンテナ励振器の開放端に対して、前記静電容量C2よりも大きい静電容量1で静電静電結合せしめて、無線機出力の大半をメインアンテナ素子へ導くとともに、該無線機出力の1部分をサブアンテナ素子へ導き、
    上記メインアンテナ素子を下方へ収納摺動させたとき、該メインアンテナ素子の上端部を前記アンテナ励振器の開放端よりも下方へ離間せし、該メインアンテナ素子の上端部とアンテナ励振器との間の静電容量を無視し得る程度に減少せしめて、メインアンテナ素子をアンテナ励振器から電気的に切り離し、前記無線機出力をサブアンテナ素子へ導くことを特徴とする、伸長・完全収納可能なアンテナの支持・接続方法。
  2. 前記メインアンテナ素子の上端に、これと同心に電気絶縁性の柱状部材を取り付けるとともに、該メインアンテナ素子の下端に導電性の静電結合用端子部材を取り付けてメインアンテナ組立体を構成し、
    前記の電気絶縁性柱状部材に手動操作力を加えてメインアンテナ組立体を下方に収納摺動せしめたとき、該電気絶縁性柱状部材を前記アンテナ励振器の開放端に対向せしめてメインアンテナ素子を該開放端から下方へ離間させ、
    前記の電気絶縁性柱状部材の上端付近に手動操作力を加えてメインアンテナ組立体を上方へ伸長摺動せしめたとき、前記の静電結合用端子部材をアンテナ励振器の開放端に対向離間させて結合容量を形成することを特徴とする、請求項1に記載した伸長・完全収納可能なアンテナの支持・接続方法。
  3. 前記のメインアンテナ素子としてテレスコピックアンテナ素子、もしくはヘリカルアンテナ素子を用いることにより、その電気的長さに比してメインアンテナ素子の収納時における機械的長さ寸法を短からしめることを特徴とする、請求項1もしくは請求項2に記載した伸長・完全収納可能なアンテナの支持・接続方法。
  4. 前記のサブアンテナ素子として平面的なスパイラルアンテナ素子、もしくは立体的なヘリカルアンテナ素子、または平面的なジグザグアンテナ素子を用いることにより、その電気的長さに比してサブアンテナの機械的長さ寸法を短からしめることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか一つに記載した伸長・完全収納可能なアンテナの支持・接続方法。
  5. 無線機ケースに対して上方へ伸長摺動,下方へ収納摺動可能に支承された電気的長さλ/2のメインアンテナ素子と、上記メインアンテナ素子の上端に同心状に固着された絶縁柱と、該メインアンテナ素子の下端に同心状に固着された静電結合端子とによってメインアンテナ組立体が構成されており、
    前記無線機ケースに対して固定的に設置された電気的長さλ/4のアンテナ励振器の入力端が高周波回路の出力端に接続されるとともに、該アンテナ励振器の開放端が前記メインアンテナ組立体に対向,離間しており、
    前記無線機ケースの壁に沿って設置された電気的長さλ/2のサブアンテナの入力端が、前記アンテナ励振器の開放端近傍に対向離間して静電容量C2が形成されていて、
    前記メインアンテナ組立体が上方へ伸長摺動されると該メインアンテナ組立体の静電結合端子がアンテナ励振器の開放端に対向離間して、前記静電容量C2よりも大きい静電容量C1で静電結合され、該メインアンテナ組立体が下方へ収納摺動されると該メインアンテナ組立体の絶縁柱がアンテナ励振器の開放端に対向して前記の静電結合が消失するようになっていることを特徴とする、伸長・完全収納可能なアンテナの支持・接続装置。
  6. 前記のメインアンテナ素子が線条アンテナ素子、もしくは多段のテレスコピックアンテナ素子によって構成されていることを特徴とする、請求項5に記載した伸長・完全収納可能なアンテナの支持・接続装置。
  7. 前記のサブアンテナが、平板状の電気絶縁材料製コア部材に導電線を巻きつけた形状の平板ヘリカルアンテナ素子によって構成されていることを特徴とする、請求項5に記載した伸長・完全収納可能なアンテナの支持・接続装置。
  8. 前記のサブアンテナが、正常な使用状態における無線機ケースの頂部に相当する壁、もしくは、上記無線機ケースに操作盤が形成されている面の背後部に相当する壁に設けられていて、正常な使用状態において該ケースを掌に握ったとき前記サブアンテナが人体の影響を受け難いようになっていることを特徴とする、請求項5ないし請求項の何れか一つに記載した伸長・完全収納可能なアンテナの支持・接続装置。
  9. 前記のサブアンテナがケース壁の外側面もしくは内側面に固定的に装着されており、または合成樹脂材料製ケースの壁にインサート成形されていることを特徴とする、請求項に記載した伸長・完全収納可能なアンテナの支持・接続装置。
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