JP3762281B2 - テスト回路及びテスト方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路に組み込まれた発振回路のテスト回路及びテスト方法に関し、特にジッタの測定と発振信号のデューティ比率測定とを可能とするテスト回路及びテスト方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路に関する技術の進歩に伴い、LSI の内部処理部や外部機器とのインタフェース部のみをシステムクロックよりも高速で動作させるために、LSI 内部にクロック源としてPLL(Phase Locked Loop)回路を搭載する技術が開発され、広く利用されている。PLL 回路を使用する際には、ジッタ( クロック信号のゆらぎ) が発生する。このジッタは、PLL 回路が組み込まれたLSI とともに使用する他の回路に悪影響を及ぼすことがある。そのため、製造したLSI に組み込まれたPLL 回路の評価及び出荷検査において、ジッタのデータを正確に測定する必要がある。
【0003】
ジッタの測定には、高性能のアナログLSI テスタや計測機器を使用するのが一般的であり、PLL 回路が生成した高速なクロックは、LSI の端子を介して外部に出力され、その端子に計測機器を接続してジッタを計測することになる。この計測方法では、LSI チップのパッド、ワイヤ、パッケージ端子及び計測装置までのケーブルを介して、PLL 回路の出力クロックを取り出すことになる。そのため、配線容量や配線抵抗の影響で、クロック波形が鈍ってしまうとともに、ノイズの影響を受けてしまい、正確なジッタ測定ができないという問題がある。また、前記のようにジッタ測定には、高性能のアナログLSI テスタや計測機器が必要となるため、LSI 生産時の出荷検査のコストが増加するという問題がある。
【0004】
これらの問題を解決するために、PLL の信号を外部に取り出さずに測定する方法がある。例えば、Stephen Sunter& Aubin Roy, LogicVision,Inc."BIST for Phase-Locked Loops in Digital Applications" ,Proceedings IEEE International Test Conference,1999,pp.532-540には、LSI 内部に測定回路を組み込み、ロジックテスタで試験を行う方法が提案されている。図20は、従来技術の回路構成を示したブロック図である。本稿によれば、図20に示したように、組み込みジッタテスト回路101は、Constant Delayブロック111、Adjustable Delayブロック112、Dフリップフロップ113、Error Counter ブロック114、OSC.Freq. Counter ブロック115、セレクタ116から成る。また、PLL 回路102への供給クロックfREFと、PLL 回路102のVCO 124から出力されてN分周器125で1/N倍された信号と、を使用する構造となっている。本回路101での動作は、PLL 回路102への供給クロックfREF、及びPLL 回路102でVCO 124で1/N倍された信号のタイミングの差をAdjustable Delay112を動作させながらError Counter 114で観測する動作と、Adjustable Delay112の絶対遅延時間をOSC.Freq. Counter 115で計測する動作と、から成る。これにより、高精度なジッタ測定及びロジックテスタでの測定を可能にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術である"BIST for Phase-Locked Loops in Digital Applications" では、N分周器125によって1/N倍された後の信号の出力点が、ジッタの測定ポイントとなっている。また、ジッタテスト回路101では、N分周器125によって1/Nされた後の信号と、PLL 回路102への供給クロック(基準クロック)fREFと、を比較することで測定を実施している。しかしながら、実際にLSI 内部で使用される信号は、PLL 回路102のVCO 124から出力された直後のものであり、ジッタ値は、このVCO 124直後で測定した値をスペックとして規定しているケースが多い。よって、この従来技術の測定方法は、実際にLSI 内部で使用される信号と異なる信号を測定するため、採用し難い。また、PLL 回路102に入力されている基準クロックと、N分周器125を介して帰還された信号と、の位相差を検出している回路構成となっているため、PLL 回路以外の発振回路に適用することができない。さらに、従来の回路では、VCO 回路124から出力される発振クロックのデューティ比を測定できない構成となっている。
【0006】
そこで、本発明は上記の問題を解決するために創作したものであり、その目的は精度の高いジッタ測定をロジック回路のみで実現できる発振回路のテスト回路及びテスト方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
(1) 半導体集積回路に組み込まれた発振回路のジッタ試験を行うためのテスト回路において、
前記半導体集積回路の外部から遅延値を調整可能であり、前記発振回路が出力した発振信号を1周期分または半周期分遅延させた遅延信号を出力する第1のディレイ回路ブロックと、
前記半導体集積回路の外部から遅延量を調整可能であり、前記第1のディレイ回路ブロックが出力した遅延信号のエッジが、前記発振回路が出力した発振信号のエッジよりも位相が進んだ状態から位相が遅れた状態まで遅延量を所定量ずつ微増させる第2ディレイ回路ブロックと、
前記第1のディレイ回路ブロック及び前記第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、前記発振回路が出力した発振信号と、の信号到達時間を比較し、前記発振信号が先に到達した回数をカウントする回数カウンタと、
前記第1のディレイ回路ブロックの入力端子と前記第2ディレイ回路ブロックの出力端子とを接続してリングオシレータに構成を切り替える切替回路と、
前記リングオシレータの発振周波数を測定する周波数カウンタと、を備え、
前記発振回路が出力した発振信号と、前記第1のディレイ回路ブロック及び前記第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、前記発振信号が先に到達した回数を前記回数カウンタで計数し、この計数値と前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返して、
前記発振信号が先に到達した回数が、最小値となる直前の計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、最大値となる直前の計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、を検出し、
前記切替回路を切り替えてリングオシレータを構成して、前記両遅延量の設定値におけるリングオシレータの発振周波数を前記周波数カウンタで測定し、
前記周波数カウンタで測定した発振周波数を用いて、前記両遅延量の設定値における遅延量を算出して、その差からジッタを算出することを特徴とする。
【0009】
この構成においては、半導体集積回路に組み込まれた発振回路のジッタ試験を行うためのテスト回路は、発振回路が出力した発振信号と、第1のディレイ回路ブロック及び第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、発振信号が先に到達した回数を回数カウンタで計数し、この計数値と第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す。そして、発振信号が先に到達した回数が、最小値となる直前の計数値における第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、最大値となる直前の計数値における第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、を検出する。続いて、切替回路を切り替えてリングオシレータを構成して、両遅延量の設定値におけるリングオシレータの発振周波数を周波数カウンタで測定し、前記数カウンタで測定した発振周波数を用いて、両遅延量の設定値における遅延量を算出し、その差からジッタを算出する。したがって、発振回路の出力信号のみを使用するため、比較対象となる基準信号を必要としないことより、PLL 回路に限らず発振回路すべてに適応可能であり、発振回路の出力直後のジッタを正確に測定することが可能となる。また、比較的安価なロジックテスタのみで、ジッタを測定できる。さらに、 LSI 製造プロセスのばらつき、温度、電源電圧の影響を受けることなく、正確なジッタ測定が可能である。
【0014】
(2) 前記発振回路の出力端子の直後に、接離可能なインバータ素子を設けたことを特徴とする。
【0015】
この構成において、発振回路のジッタ試験を行うためのテスト回路は、発振回路の出力端子の直後に、接離可能なインバータ素子を備えている。したがって、発振回路の出力信号の立ち下がりエッジから立ち上がりエッジまでの時間を測定することが可能となり、発振回路のデューティ比率試験を行うことが可能となる。
【0016】
(3) 前記回数カウンタ及び前記周波数カウンタに代えて、前記回数カウンタの機能及び前記周波数カウンタの機能を有し、両機能を切替え可能な切替えカウンタを備えたことを特徴とする。
【0017】
この構成において、発振回路のジッタ試験を行うためのテスト回路は、回数カウンタ及び周波数カウンタに代えて、回数カウンタの機能及び周波数カウンタの機能を有し、両機能を切替え可能な切替えカウンタを備えている。したがって、回路規模を小さくすることができ、製品コストを低減することが可能となる。
【0018】
(4) 半導体集積回路に組み込まれた発振回路のデューティ比率試験を行うためのテスト回路において、
前記半導体集積回路の外部から遅延値を調整可能であり、前記発振回路が出力した発振信号を半周期分遅延させた遅延信号を出力する第1のディレイ回路ブロックと、
前記半導体集積回路の外部から遅延量を調整可能であり、前記第1のディレイ回路ブロックが出力した遅延信号のエッジが、前記発振回路が出力した発振信号のエッジよりも位相が進んだ状態から位相が遅れた状態まで遅延量を所定量ずつ微増させる第2ディレイ回路ブロックと、
前記第1のディレイ回路ブロック及び前記第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、前記発振回路が出力した遅延信号と、の信号到達時間を比較し、前記発振回路が出力した発振信号が先に到達した回数をカウントする回数カウンタと、
前記第1のディレイ回路ブロックの入力端子と前記第2ディレイ回路ブロックの出力端子とを接続してリングオシレータに構成を切り替える切替回路と、
前記リングオシレータの発振周波数を測定する周波数カウンタと、
前記発振回路の直後に接離可能に接続されたインバータ素子と、を備え、
前記インバータ素子を切り離して、前記発振回路が出力した発振信号と、前記第1のディレイ回路ブロック及び前記第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、前記発振信号が先に到達した回数を前記回数カウンタで計数し、この計数値と前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返して、
前記発振信号が先に到達した回数が、最小値と最大値との中間値である50%計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の第1設定値を検出し、
また、前記インバータ素子を接続して、前記発振回路が出力した発振信号と、前記第1のディレイ回路ブロック及び前記第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、前記発振信号が先に到達した回数を前記回数カウンタで計数し、この計数値と前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返して、
前記発振信号が先に到達した回数が、最小値と最大値との中間値である50%計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の第2設定値を検出し、
前記切替回路を切り替えてリングオシレータを構成して、前記遅延量の第1設定値及び第2設定値におけるリングオシレータの発振周波数を前記周波数カウンタで測定し、
前記周波数カウンタで測定した両発振周波数を用いて、前記発振回路が出力した発振信号の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの第1平均時間、及び立ち下がりエッジから立ち上がりエッジまでの第2平均時間を算出し、
前記第1平均時間と前記第2平均時間の差からデューティ比率を算出することを特徴とする。
【0019】
この構成においては、半導体集積回路に組み込まれた発振回路のデューティ比率試験を行うためのテスト回路は、インバータ素子を切り離した状態で、発振回路が出力した発振信号と、第1のディレイ回路ブロック及び第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、発振信号が先に到達した回数を回数カウンタで計数する。そして、この計数値と第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す。また、発振信号が先に到達した回数が、最小値と最大値との中間値である50%計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の第1設定値を検出する。また、インバータ素子を接続して、発振回路が出力した発振信号と、第1のディレイ回路ブロック及び第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、発振信号が先に到達した回数を回数カウンタで計数し、この計数値と第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す。さらに、発振信号が先に到達した回数が、最小値と最大値との中間値である50%計数値における第2ディレイ回路ブロックの遅延量の第2設定値を検出する。また、切替回路を切り替えてリングオシレータを構成して、遅延量の第1設定値及び第2設定値におけるリングオシレータの発振周波数を前記周波数カウンタで測定し、周波数カウンタで測定した発振周波数を用いて、発振回路が出力した発振信号の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの第1平均時間、及び発振回路が出力した発振信号の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの第2平均時間を測定する。そして、第1平均時間と第2平均時間の差からデューティ比率を算出する。
【0020】
したがって、LSI 製造プロセスのばらつき、温度、電源電圧の影響を受けることなく、正確なデューティ比率の測定が可能となる。
【0021】
(5) (1)乃至(3)のいずれかに記載のテスト回路により、半導体集積回路に組み込まれた発振回路のジッタ試験を行うためのテスト方法において、
前記発振回路が出力した発振信号と、前記第1のディレイ回路ブロック及び前記第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、前記発振信号が先に到達した回数を前記回数カウンタで計数し、この計数値と前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す計数工程と、
前記発振信号が先に到達した回数が、最小値となる直前の計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、最大値となる直前の計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、を検出し、
前記切替回路を切り替えてリングオシレータを構成して、前記両遅延量の設定値におけるリングオシレータの発振周波数を前記周波数カウンタで測定する周波数測定工程と、
前記周波数カウンタで測定した発振周波数を用いて、両遅延量の設定値における遅延量を算出して、その差からジッタを算出するジッタ算出工程と、を備えたを特徴とする。
【0022】
この構成においては、半導体集積回路に組み込まれた発振回路のジッタ試験を行うために、発振回路が出力した発振信号と、第1のディレイ回路ブロック及び第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、発振信号が先に到達した回数を回数カウンタで計数し、この計数値と第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す。そして、発振信号が先に到達した回数が、最小値となる直前の計数値における第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、最大値となる直前の計数値における第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、を検出する。続いて、切替回路を切り替えてリングオシレータを構成して、両遅延量の設定値におけるリングオシレータの発振周波数を周波数カウンタで測定し、前記数カウンタで測定した発振周波数を用いて、両遅延量の設定値における遅延量を算出し、その差をジッタとして求める。したがって、発振回路の出力信号のみを使用するため、比較対象となる基準信号を必要としないことより、PLL 回路に限らず発振回路すべてに適応可能であり、発振回路の出力直後のジッタを正確に測定することが可能となる。また、 LSI 製造プロセスのばらつき、温度、電源電圧の影響を受けることなく、正確なジッタ測定が可能である。
【0025】
(6) 請求項4に記載のテスト回路により、半導体集積回路に組み込まれた発振回路のデューティ比率試験を行うためのテスト方法において、
前記インバータ素子を切り離して、前記発振回路が出力した発振信号と、前記第1のディレイ回路ブロック及び前記第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、前記発振信号が先に到達した回数を前記回数カウンタで計数し、この計数値と前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す第1計数工程と、
前記発振信号が先に到達した回数が、最小値と最大値との中間値である50%計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の第1設定値を検出する第1平均時間測定工程と、
前記インバータ素子を接続して、前記発振回路が出力した発振信号と、前記第1のディレイ回路ブロック及び前記第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、前記発振信号が先に到達した回数を前記回数カウンタで計数し、この計数値と前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す第2計数工程と、
前記発振信号が先に到達した回数が、最小値となる直前の計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、最大値となる直前の計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、を検出する第2平均時間測定工程と、
前記切替回路を切り替えてリングオシレータを構成して、前記遅延量の第1設定値及び第2設定値におけるリングオシレータの発振周波数を前記周波数カウンタで測定する周波数測定工程と、
前記周波数カウンタで測定した両発振周波数を用いて、前記発振回路が出力した発振信号の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの第1平均時間、及び前記発振回路が出力した発振信号の立ち下がりエッジから立ち上がりエッジまでの第2平均時間を算出し、前記第1平均時間と前記第2平均時間との差からデューティ比率を算出するデューティ比算出工程と、を備えたことを特徴とする。
【0026】
この構成においては、半導体集積回路に組み込まれた発振回路のデューティ比率試験を行うために、インバータ素子を切り離した状態で、発振回路が出力した発振信号と、第1のディレイ回路ブロック及び第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、発振信号が先に到達した回数を回数カウンタで計数する。そして、この計数値と第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す。また、発振信号が先に到達した回数が、最小値と最大値との中間値である50%計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の第1設定値を検出する。また、インバータ素子を接続して、発振回路が出力した発振信号と、第1のディレイ回路ブロック及び第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、発振信号が先に到達した回数を回数カウンタで計数し、この計数値と第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す。さらに、発振信号が先に到達した回数が、最小値と最大値との中間値である50%計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の第2設定値を検出する。また、切替回路を切り替えてリングオシレータを構成して、遅延量の第1設定値及び第2設定値におけるリングオシレータの発振周波数を周波数カウンタで測定する。そして、周波数カウンタで測定した両発振周波数を用いて、発振回路が出力した発振信号の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの第1平均時間、及び発振回路が出力した発振信号の立ち下がりエッジから立ち上がりエッジまでの第2平均時間を算出し、第1平均時間と第2平均時間との差からデューティ比率を算出する。
【0027】
したがって、LSI 製造プロセスのばらつき、温度、電源電圧の影響を受けることなく、正確なデューティ比率の測定が可能となる。
【0028】
(7) (1)乃至(6) の構成において、前記発振回路を、PLL回路とすることができる。
【0029】
したがって、PLL回路で問題となるジッタやデューティ比の試験を正確に行うことが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る発振回路のテスト回路の構成を示したブロック図である。図1は、Oscillator(発振回路)1の出力信号Output2をシステムクロック供給ラインSystem CLK(以下、System CLKと称する。)3として使用する半導体集積回路に対して、ジッタのテスト回路61を組み込んだ例である。テスト回路61は、セレクタ4、第1のディレイ回路ブロックであるBase Delay(基本遅延回路)6、第2のディレイ回路ブロックであるAdjustable Delay(可調整遅延回路)7、Dフリップフロップ8、Meas Counter(回数カウンタ)9、及びFreq. Counter (周波数カウンタ)10から成る。
【0031】
セレクタ4は、一方の入力端子がSystem CLK3に接続され、他方の入力端子がAdjustable Delay7の出力端子に接続され、出力端子がBase Delay6の入力端子及びDフリップフロップ8のデータ入力端子に接続されている。Base Delay6の出力端子は、Adjustable Delay7の入力端子に接続されている。Adjustable Delay7の出力端子は、Dフリップフロップ8のクロック入力端子、セレクタ4の他方の入力端子、及びFreq. Counter 10の一方の入力端子に接続されている。また、Dフリップフロップ8の出力端子は、Meas Counter9の入力端子に接続されている。さらに、Freq. Counter 10の他方の入力端子は、基準クロックであるRef CK11に接続されている。
【0032】
セレクタ4は、Jitter/OSCセレクト信号5が“0”の場合はジッタ測定モード、“1”の場合はBase Delay6及びAdjustable Delay7をリング状に接続したリング発振モードとなる。Base Delay6は、遅延値を外部から可変制御可能で、出力信号Output2を1周期、または半周期分遅らせる役割を持ち、Adjustable Delay7はBase Delay6に比べ、微細なステップで遅延量を外部から制御可能な構造を持った回路である。Meas Counter9は、ジッタ測定モードにおいて、指定された周期分の期間にDフリップフロップ8が“1”をラッチした回数をカウントする機能を持つ。Freq. Counter 10は、リング発振モードにおいて、基準クロックであるRef CK11における指定されたサイクル分の期間で、Base Delay6及びAdjustable Delay7にて構成されたリング発振器の発振回数をカウントする機能を持つ。
【0033】
本回路で測定する周期ジッタ(以下、Period Jitter と称する。)テストについて、概略を説明する。図2は、Oscillatorの出力サイクルを表した波形図である。図3は、周期ジッタの概念を示した波形図である。図2に示したように、Oscillator1から出力された信号のサイクル毎のクロック周期幅12を逐次測定する。その結果は、図3に示したようになる。この時、クロック周期幅の最大値Tmax13と、クロック周期幅の最小値Tmin14と、の差をとった値、すなわちTmax13−Tmin14がPeak-to-PeakのPeriod Jitter 15となる。なお、一般的に、Oscillatorの出力サイクル数は、数万サイクル程度とすることが多い。
【0034】
測定原理は、Oscillator1のクロック周期幅12に対して、Base Delay6及びAdjustable Delay7による遅延量が、小さい時はフリップフロップ8に“0”がラッチされ、逆に大きい時は、Dフリップフロップ8には“1”がラッチされることを利用している。すなわち、Base Delay6及びAdjustable Delay7による遅延量を決定し、予め決めたサイクル数N回に対してDフリップフロップ8が“1”をラッチしている回数をMeas Counter9で数える。サイクル数Nが終了した時点で、Meas Counter9の内容を読み出すことで、その時のBase Delay6及びAdjustable Delay7による遅延量と、クロックのサイクル幅12と、の関係が判る。この時、Meas Counter9の値が”0”であったなら、サイクル幅12>Base Delay6及びAdjustable Delay7による遅延量、となる。また、Meas Counter9の値が“N”であったなら、サイクル幅12<Base Delay6及びAdjustable Delay7による遅延量、となる。さらに、Meas Counter9の値が“1”〜“N−1”となった場合は、フリップフロップ8が“0”と“1”の両方の値をとっているので、その時のBase Delay6及びAdjustable Delay7による遅延量は、ジッタ内にあることとなる。これらの計測をBase Delay6及びAdjustable Delay7による遅延量を微妙に変えながら繰り返し行うことで、Tmax13とTmin14とを求め、Peak-to-PeakのPeriod Jitter 15を算出する。
【0035】
次に、本回路例を用いた場合のジッタ測定方法の詳細を、図4に基づいて説明する。図4は、ジッタ測定方法を説明するためのフローチャートである。図5は、Dフリップフロップの入力信号のタイムチャート図である。
【0036】
半導体集積回路(LSI)に設けた発振回路のジッタ測定を行う場合は、まずJitterモードに設定する(S1)。すなわち、Jitter/OSCセレクト信号5に“0”を入力し、セレクタ4によりOscillator1の出力信号Output2を選択する。
【0037】
続いて、Base Delay6を調整する(S2)。すなわち、図5に示したように、出力信号Output2を1周期分だけ遅延させる。この動作により、Dフリップフロップ8のck入力が、D 入力の信号よりも1周期分遅れて入ることになる。Base Delay6の遅延値が予め判っている場合はその値にする。しかしながら、Base Delay6の値が明らかでない場合は、Base Delay6の値を変えながら1周期分になるように調整する。この時の調整は、大まかに1周期分遅延させれば良いため、Dフリップフロップ8にラッチされる値が“0”から“1”に変わる時のBase Delay6の値を使用する。このS2の処理時には、Adjustable Delay7は調整可能範囲のほぼ中央値としておく。
【0038】
次に、Adjustable Delay7を順次増加させて、Meas Counter値を読む(S3)。すなわち、Adjustable Delay7を最小値にセットし、サイクル数N回分Meas Counter9を動作させた後、Meas Counter9の値を読み出し、Adjustable Delay7の設定値とともに記録する。次に、Adjustable Delay7を微増させ、同様にサイクル数N回分Meas Counter9を動作させた後、Meas Counter9の値を読み出し、Adjustable Delay7の設定値とともに記録する。この動作をAdjustable Delay7の調整が最大値となるまで繰り返す。
【0039】
ここで、本ステップの処理を、図6を用いて詳細に説明する。図6は、Dフリップフロップの入力信号の変化部分を拡大したタイムチャート図であり、図5の1周期遅れた信号17の部分を拡大したもので、Dフリップフロップ8のD 入力波形とck入力波形を記している。ジッタ18は、各サイクルにおいて1周期の幅が微妙にずれていることを示した。S3において、Adjustable Delay7は図6の(1)から(3)まで微増させ、逐次Meas Counter9の値を記録する。ここで、Dフリップフロップ8はck入力波形の立ち上がりエッジでラッチする。よって、図6の(1)のポイントでは、Dフリップフロップ8は常に“0”をラッチするため、Meas Counter9の値は“0”となる。また、図6の(2)のポイントでは、Dフリップフロップ8は“0”と“1”とをラッチするため、Meas Counter9の値は、中間的な値となる。さらに、図6の(3)のポイントでは、Dフリップフロップ8は常に“1”をラッチするため、Meas Counter9の値は測定サイクル数Nと同じ値となる。
【0040】
図7は、ディレイ値とMeas Counterのカウント値との関係を表したグラフであり、S3のステップで測定された結果をグラフ化したものである。縦軸はMeas Counter9の値であり、原点を“0”とし、サイクル数NをFull値としている。横軸はBase Delay6及びAdjustable Delay7によるディレイ値である。図6に示した測定ポイント(1)(2)(3)と、図7に示した測定ポイント(1)(2)(3)とは、同一の値である。ここで、カウント値が“0”から切り替わった所がTmin20であり、カウント値がFullになる直前がTmax21となる。そして、ジッタ値(Period Jitter )は、Tmax21−Tmin20となる。
【0041】
この時、Tmax,Tmin の正確な遅延時間が判っているか否かを判定する(S4)。すなわち、Tmax21,Tmin 20の正確な遅延時間が判っている場合、Tmax21−Tmin20を計算する(S7)。しかしながら、LSI にBase Delay6及びAdjustable Delay7を組み込んだ場合、LSI 製造プロセスのばらつき、温度、電源電圧の影響を受け、その時の真の遅延時間は特定できないのが普通である。よって、その場合は次のステップとして、Tmax21,Tmin 20の時間測定を行う。
【0042】
まず、OSC モードに設定する(S5)。すなわち、Jitter/OSCセレクト信号5として“1”を入力し、セレクタ4でAdjustable Delay7の出力をBase Delay6の入力とし、リングオシレータの構造を作る。ここで、必ず発振動作を行うようにするため、Base Delay6とAdjustable Delay7を合わせた回路が、奇数段のインバータ回路となるようにしておく。
【0043】
次に、Tmin、Tmax値での発振周波数を計測する(S6)。すなわち、Base Delay6とAdjustable Delay7の状態をTmin20に設定し、一定周期のRef CK11を外部から入力し、指定されたサイクル分の期間で、リングオシレータの発振回数をFreq. Counter 10でカウントする。
【0044】
ここで、Ref CK11の周期をW、指定されたサイクル数をMとすると、W×Mの期間において、リングオシレータが何回発振したかが、Freq. Counter 10でカウントされる。そして、そのカウント値をCminとして記録しておく。同様に、Base Delay6とAdjustable Delay7の状態をTmax21に設定してカウント値を計測する。そして、そのカウント値をCmaxとして記録しておく。
【0045】
次に、Jitter幅を計算する(S7)。すなわち、Tmin20とTmax21の時のBase Delay6及びAdjustable Delay7による遅延量を算出する。Base Delay6及びAdjustable Delay7による遅延量は、リングオシレータの周期の1/ 2となることより、以下に示す式1で遅延量を計算できる。つまり、Base Delay6とAdjustable Delay7の遅延量をD、Freq. Counter 10でカウントした値をC、Ref CK11の周期をW、指定されたサイクル数をMとすると、
D=W×M/C/2………式1
で遅延量を求めることができる。ここで、カウント値CにS6で記録されているCminを代入すると、Tmin20の時のBase Delay6及びAdjustable Delay7による遅延値が求まる。この値をDminとする。同様に、Cmaxを代入すると、Tmax21の時のBase Delay6及びAdjustable Delay7による遅延値が求まる。この値をDmaxとする。そして、ジッタ幅22を以下の式2で算出する。
【0046】
Jitter=Dmax−Dmin………式2
以上の方法で、発振回路の信号の立ち上がりエッジから次の立ち上がりエッジまでの1周期を単位としたPeak-to-PeakのPeriod Jitter 22を求めることができる。
【0047】
図8は、本発明の実施形態に係る発振回路のテスト回路でPLL 回路をテストする構成を示した回路図である。図9は、本発明の実施形態に係る発振回路のテスト回路におけるカウンタの変形例の構成図である。図8に示したように、図1に示したOscillator1を、PLL 回路23に置き換えても、図4のフローチャートに基づいて説明した手順と同様に、全く問題なく測定できる。なお、PLL 回路23は、PHASE DETECTOR(位相検出器)24、CHARGE PUMP 25、VCO (電圧制御発振器)26、DIVIDER (N分周器)27からなる。また、VCO 26の出力端子をセレクタ4の一方の入力端子に接続している。
【0048】
また、図4のフローチャートに基づいて説明した実施例において、Meas Counter9及びFreq. Counter 10が同時に使用されることはない。そこで、図9に示したように、Adjustable Delay7の出力端子JitterモードとOSC モードでの接続切替えを行うController28を設けて、Adjustable Delay7の出力端子、Dフリップフロップ8の出力端子、及びRef CK11の入力端子をController28に接続するとともに、Controller28の出力端子をCounter 29に接続して、Counter 29を共有化させる構成とする。これにより、回路規模を小さくすることが可能である。
【0049】
次に、本発明の発振回路のテスト回路で、Oscillator1が出力する信号の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの間におけるジッタの測定方法について説明する。図10は、発振回路の出力の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジを表す波形図である。図11は、半周期のPeriod Jitter の概念を示した図である。図12は、Dフリップフロップの入力信号の第2タイムチャート図である。本測定方法においては、図10に示したように、各サイクルの立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの時間30を逐次測定する。そして、その結果により図11に示した最大値Tmax31と最小値Tmin32の差をとった値、すなわち、Tmax31-Tmin 32が、立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの間におけるPeak-to-PeakのPeriod Jitter 33となる。
【0050】
測定回路は、図1に示したテスト回路61を使用する。また、測定方法の手順については、図4に示したフローチャートに基づいて説明する。まず、Jitterモードに設定する(S1)。すなわち、Jitter/OSCセレクト信号5に“0”を入力し、セレクタ4によりOscillator1の出力信号Output2を選択する。
【0051】
次に、Base Delay6を調整する(S2)。すなわち、図12に示したように出力信号Output2を半周期分だけ遅延させる。この動作により、Dフリップフロップ8のck入力がD 入力の信号より、半周期分遅れて入ることになる。Base Delay6の値が予め判っている場合はその値にする。しかしながら、Base Delay6の値が明らかでない場合は、Base Delay6の値を変えながら半周期分になるように調整する。この時の調整は、大まかに半周期分遅延させれば良いため、Dフリップフロップ8にラッチされる値が“1”から“0”に変わる時のBase Delay6の値を使用する。このS2の処理時には、Adjustable Delay7は調整可能範囲のほぼ中央値としておく。
【0052】
続いて、Adjustable Delay7を順次増加させて、Meas Counter値を読む(S3)。すなわち、Adjustable Delay7を最小値にセットし、サイクル数N回分Meas Counter9を動作させた後、Meas Counter9の値を読み出し、Adjustable Delay7の設定値とともに記録する。次に、Adjustable Delay7を微増させ、同様にサイクル数N回分Meas Counter9を動作させた後、Meas Counter9の値を読み出し、Adjustable Delay7の設定値とともに記録する。この動作をAdjustable Delay7の調整が最大値となるまで繰り返す。
【0053】
ここで、本ステップの処理を、図13を用いて詳細に説明する。図13は、Dフリップフロップの入力信号の変化部分を拡大した第2のタイムチャート図であり、図12の半周期遅れた信号35の部分を拡大しており、Dフリップフロップ8の、D 入力波形とck入力波形を記している。ジッタ36は、各サイクルにおいて半周期の幅が微妙にずれにいることを示した。S3において、Adjustable Delay7は図13の(1)から(3)まで微増させ、逐次Meas Counter9の値を記録する。ここで、図13の(1)のポイントでは、Dフリップフロップ8は常に“1”をラッチするため、Meas Counter9の値は測定サイクル数Nと同じ値となる。また、図13の(2)のポイントでは、Dフリップフロップ8は“1”と“0”をとるため、Meas Counter9の値は、中間的な値となる。さらに、図13の(3)のポイントでは、Dフリップフロップ8は常に“0”をラッチするため、Meas Counter9の値は“0”となる。
【0054】
図14は、ディレイ値とMeas Counterのカウント値との関係を表した第2のグラフであり、S3のステップで測定された結果をグラフ化したものである。縦軸はMeas Counter9の値であり、原点を“0”とし、サイクル数NをFull値としている。横軸はBase Delay6及びAdjustable Delay7によるディレイ値である。図13に示した測定ポイント(1)(2)(3)と、図14に示した測定ポイント(1)(2)(3)とは、同一の値である。ここで、カウント値がFullから切り替わった所がTmin38であり、カウント値が“0”になる直前がTmax39となる。そして、ジッタ値(Period Jitter )40は、Tmax39−Tmin38となる。
【0055】
この時、Tmax,Tmin の正確な遅延時間が判っているか否かを判定する(S4)。すなわち、Tmax39,Tmin 38の正確な遅延時間が判っていれば、Tmax39−Tmin38を計算する(S7)。しかしながら、LSI にBase Delay6及びAdjustable Delay7を組み込んだ場合、LSI 製造プロセスのばらつき、温度、電源電圧の影響を受け、その時の真の遅延時間は特定できないのが普通である。よって、その場合は次のステップとして、Tmax39,Tmin38の時間測定を行う。
【0056】
まず、OSC モードに設定する(S5)。すなわち、Jitter/OSCセレクト信号5として“1”を入力し、セレクタ4でAdjustable Delay7の出力をBase Delay6の入力とし、リングオシレータの構造を作る。ここで、必ず発振動作を行うようにするため、Base Delay6及びAdjustable Delay7を合わせた回路が、奇数段のインバータ回路となるようにしておく。
【0057】
次に、Tmin,Tmax での発振周波数を計測する(S6)。すなわち、Base Delay6及びAdjustable Delay7の状態をTmin38に設定し、一定周期のRef CK11を外部から入力し、指定されたサイクル分の期間で、リングオシレータの発振回数をFreq. Counter 10でカウントする。
【0058】
ここで、Ref CK11の周期をW、指定されたサイクル数をMとすると、W×Mの期間においてリングオシレータが何回発振したかが、Freq. Counter 10でカウントされる。そして、そのカウント値をCmaxとして記録しておく。同様に、Base Delay6及びAdjustable Delay7の状態をTmax39に設定してカウントを計測する。そして、そのカウント値をCmaxとして記録しておく。
【0059】
次に、Jitter幅を計算する(S7)。すなわち、Tmax39とTmin38の時のBase Delay6及びAdjustable Delay7の遅延量を算出し、前記の式1と式2を用いて発振回路の信号の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの半周期を単位としたPeak-to-PeakのPeriod Jitter 40を求める。
【0060】
図15は、発振回路の出力の立ち下がりエッジから立ち上がりエッジまでを表す波形図である。図16は、本発明の実施形態に係るテスト回路にインバータ素子を加えた構成図である。ここで、図15に示した発振回路の信号の立ち下がりエッジから次の立ち上がりエッジまでの半周期を単位としたジッタを求めるには、図16に示したように、Oscillator1の出力端子とセレクタ4の一方の入力端子との間に、インバータ素子であるINV 42を設ける。そして、Oscillator1の出力信号Output2をINV 42にて反転してやることで、先に示した立ち上がりエッジから次の立ち下がりエッジまでの半周期のジッタを求める手法と全く同じ方法で計測できる。
【0061】
なお、図16では、Oscillator1の出力端子とセレクタ4の一方の入力端子との間に、INV 42を設けた構成としたが、実際にはセレクタ等を回路に組み込んで、INV 42を回路に接続するか否かを選択できる構成にすると良い。これにより、図1及び図16の両方の回路を設けることなく、1つの回路で対応が可能となる。
【0062】
次に、立ち上がりエッジから次の立ち下がりエッジまでの半周期のジッタ測定方法と、立ち下がりエッジから次の立ち上がりエッジまでの半周期のジッタ測定方法と、を利用した、発振回路のデューティ比率を求める方法について、図17に示したフローチャートに基づいて説明する。図17は、本発明のテスト回路を用いて発振回路のデューティ比率を求める方法を説明するためのフローチャート図である。図18は、ディレイ値とMeas Counterのカウント値との関係を表した第3のグラフである。図19は、発振回路のデューティ比率を示した波形図である。
【0063】
発振回路のデューティ比率を求める際には、まずJitterモードに設定する(S11)。すなわち、Jitter/OSCセレクト信号5に“0”を入力し、セレクタ4によりOscillator1の出力信号Output2を選択する。
【0064】
そして、立ち上がりエッジから次の立ち下がりエッジまでの半周期についてジッタ測定を行う。まず、Base Delay6を調整する(Sl2)。すなわち、出力信号Output2を半周期分だけ遅延させる。このS2の処理時には、Adjustable Delay7は調整可能範囲のほぼ中央値としておく。
【0065】
次に、Adjustable Delay7を順次増加させて、Meas Counter値を読む(S13)。すなわち、Adjustable Delay7を最小値にセットし、サイクル数N回分Meas Counter9を動作させた後、Meas Counter9の値を読み出し、Adjustable Delay7の設定値とともに記録する。次に、Adjustable Delay7を微増させ、同様にサイクル数N回分Meas Counter9を動作させた後、Meas Counter9の値を読み出し、Adjustable Delay7の設定値とともに記録する。この動作をAdjustable Delay7の調整が最大値となるまで繰り返す(計数工程)。それにより、図18に示したRise to Fall43の結果が得られる。なお、図18において、グラフの縦軸はMeas Counter9の値であり、原点を“0”とし、サイクル数NをFull値としている。横軸はBase Delay6及びAdjustable Delay7によるディレイ値である。
【0066】
続いて、Meas Counter値が50% となるTaを探す(S14)。すなわち、カウント値が“0”〜Fullの中間値となる時のTa45を記録する(第1平均時間測定工程)。
【0067】
次に、立ち下がりエッジから次の立ち上がりエッジまでの半周期について測定を行う。まず、Oscillatorの出力を反転する(S15)。すなわち、Output信号2をINV 42にて反転してやることで、先に示した立ち上がりエッジから次の立ち下がりエッジまでの半周期の測定を行う。
【0068】
次に、Base Delay6を調整する(S16)。そして、Adjustable Delay7を順次増加させて、Meas Counter値を読む(S17)。すなわち、S12、S13と全く同じ処理である。これにより、図18に示したFall to Riseの結果44が得られる。 続いて、Meas Counter値が50% となるTbを探す(S18)。すなわち、カウント値が“0”〜Fullの中間値となる時のTb46を記録する(第2平均時間測定工程)。
【0069】
ここで、Ta,Tb の正確な遅延時間が判っているか否かを判定する(S19)。この時、Ta45,Tb 46の正確な時間が判っていれば、Tb46−Ta45を計算してΔt 47とし、S22で説明する式3, 式4にて、デューティ比率を計算する(S22)。
【0070】
一方、Ta45,Tb 46の時間が不明である時は、OSC モードに設定する(S20)。すなわち、Jitter/OSCセレクト信号5に“1”を入力し、セレクタ4でAdjustable Delay7の出力をBase Delay6の入力とし、リングオシレータの構造を作る。
【0071】
次に、Ta,Tb 値での発振周波数を計測する(S21)。すなわち、Base Delay6及びAdjustable Delay7の状態をTa45に設定し、一定周期のRef CK11を外部から入力し、指定されたサイクル分の期間で、リングオシレータの発振回数をFreq. Counter 10でカウントする(周波数測定工程)。ここで、Ref CK11の周期をW、指定されたサイクル数をMとすると、W×Mの期間においてリングオシレータが何回発振したかが、Freq. Counter 10でカウントされる。そして、そのカウント値をCaとして記録しておく。同様に、Base Delay6及びAdjustable Delay7の状態を、Tb46に設定してカウントを計測する。そして、そのカウント値をCbとして記録しておく。
【0072】
次に、デューティ比率を計算する(S22)。すなわち、Ta45とTb46の時のBase Delay6とAdjustable Delay7の遅延量を式1にて算出する。その結果、Caの時の遅延量DaとCb時の遅延量Dbとを求め、その差分Δt 47をDb−Daにて算出する。Δt 47によって、図19に示した立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの時間と、立ち下がりエッジから立ち上がりエッジまでの時間と、の比率であるデューティ比率を求める(デューティ比算出工程)。図19のTcycleの中央で変化が起こった時、立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでのTr-f49と、立ち下がりエッジから立ち上がりエッジまでのTf-r50と、の比率が同じで、この時のデューティ比率50% となる。つまり、Δt 47が0の場合がこれに当たる。
【0073】
また、Δt 47が0でない場合のTr-f49と、Tf-r50と、の期間は、下記の式3及び式4で計算できる。
【0074】
Tr-f=(Tcycle /2) −( Δt /2) ………式3
Tf-r=(Tcycle /2) +( Δt /2) ………式4
Δt 47が0でない場合、式3及び式4の計算結果の比であるTr-f:Tf-r がデューティ比率となる。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0076】
(1) 半導体集積回路に組み込まれた発振回路のジッタ試験を行うためのテスト回路は、発振回路が出力した発振信号と、第1のディレイ回路ブロック及び第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、発振信号が先に到達した回数を回数カウンタで計数し、この計数値と第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す。そして、発振信号が先に到達した回数が、最小値となる直前の計数値における第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、最大値となる直前の計数値における第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、を検出する。続いて、切替回路を切り替えてリングオシレータを構成して、両遅延量の設定値におけるリングオシレータの発振周波数を周波数カウンタで測定し、前記数カウンタで測定した発振周波数を用いて、両遅延量の設定値における遅延量を算出し、その差からジッタを算出する。これにより、発振回路の出力信号のみを使用するため、比較対象となる基準信号を必要としないことより、PLL 回路に限らず発振回路すべてに適応可能であり、発振回路の出力直後のジッタを正確に測定することができる。また、比較的安価なロジックテスタのみで、ジッタを測定できる。さらに、 LSI 製造プロセスのばらつき、温度、電源電圧の影響を受けることなく、正確なジッタを測定できる。
【0079】
(2) 発振回路のジッタ試験を行うためのテスト回路は、発振回路の出力端子の直後に、接離可能なインバータ素子を備えているので、発振回路の出力信号の立ち下がりエッジから立ち上がりエッジまでの時間を測定することが可能となり、発振回路のデューティ比率試験を行うことができる。
【0080】
(3) 発振回路のジッタ試験を行うためのテスト回路は、回数カウンタ及び周波数カウンタに代えて、回数カウンタの機能及び周波数カウンタの機能を有し、両機能を切替え可能な切替えカウンタを備えているので、回路規模を小さくすることができ、製品コストを低減することができる。
【0081】
(4) この構成においては、半導体集積回路に組み込まれた発振回路のデューティ比率試験を行うためのテスト回路は、インバータ素子を切り離した状態で、発振回路が出力した発振信号と、第1のディレイ回路ブロック及び第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、発振信号が先に到達した回数を回数カウンタで計数する。そして、この計数値と第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す。また、発振信号が先に到達した回数が、最小値と最大値との中間値である50%計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の第1設定値を検出する。また、インバータ素子を接続して、発振回路が出力した発振信号と、第1のディレイ回路ブロック及び第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、発振信号が先に到達した回数を回数カウンタで計数し、この計数値と第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す。さらに、発振信号が先に到達した回数が、最小値と最大値との中間値である50%計数値における第2ディレイ回路ブロックの遅延量の第2設定値を検出する。また、切替回路を切り替えてリングオシレータを構成して、遅延量の第1設定値及び第2設定値におけるリングオシレータの発振周波数を前記周波数カウンタで測定し、周波数カウンタで測定した発振周波数を用いて、発振回路が出力した発振信号の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの第1平均時間、及び発振回路が出力した発振信号の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの第2平均時間を測定する。そして、第1平均時間と第2平均時間の差からデューティ比率を算出する。これにより、LSI 製造プロセスのばらつき、温度、電源電圧の影響を受けることなく、正確なデューティ比率を測定できる。
【0082】
(5) 半導体集積回路に組み込まれた発振回路のジッタ試験を行うために、発振回路が出力した発振信号と、第1のディレイ回路ブロック及び第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、発振信号が先に到達した回数を回数カウンタで計数し、この計数値と第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す。そして、発振信号が先に到達した回数が、最小値となる直前の計数値における第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、最大値となる直前の計数値における第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、を検出する。続いて、切替回路を切り替えてリングオシレータを構成して、両遅延量の設定値におけるリングオシレータの発振周波数を周波数カウンタで測定し、前記数カウンタで測定した発振周波数を用いて、両遅延量の設定値における遅延量を算出し、その差をジッタとして求める。これにより、発振回路の出力信号のみを使用するため、比較対象となる基準信号を必要としないことより、PLL 回路に限らず発振回路すべてに適応可能であり、発振回路の出力直後のジッタを正確に測定することができる。また、 LSI 製造プロセスのばらつき、温度、電源電圧の影響を受けることなく、正確なジッタを測定できる。
【0084】
(6) 半導体集積回路に組み込まれた発振回路のデューティ比率試験を行うために、インバータ素子を切り離した状態で、発振回路が出力した発振信号と、第1のディレイ回路ブロック及び第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、発振信号が先に到達した回数を回数カウンタで計数する。そして、この計数値と第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す。また、発振信号が先に到達した回数が、最小値と最大値との中間値である50%計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の第1設定値を検出する。また、インバータ素子を接続して、発振回路が出力した発振信号と、第1のディレイ回路ブロック及び第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、発振信号が先に到達した回数を回数カウンタで計数し、この計数値と第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す。さらに、発振信号が先に到達した回数が、最小値と最大値との中間値である50%計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の第2設定値を検出する。また、切替回路を切り替えてリングオシレータを構成して、遅延量の第1設定値及び第2設定値におけるリングオシレータの発振周波数を周波数カウンタで測定する。そして、周波数カウンタで測定した両発振周波数を用いて、発振回路が出力した発振信号の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの第1平均時間、及び発振回路が出力した発振信号の立ち下がりエッジから立ち上がりエッジまでの第2平均時間を算出し、第1平均時間と第2平均時間との差からデューティ比率を算出する。これにより、LSI 製造プロセスのばらつき、温度、電源電圧の影響を受けることなく、正確なデューティ比率の測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る発振回路のテスト回路の構成を示したブロック図である。
【図2】Oscillatorの出力サイクルを表した波形図である。
【図3】周期ジッタの概念を示した波形図である。
【図4】ジッタ測定方法を説明するためのフローチャートである。
【図5】Dフリップフロップの入力信号のタイムチャート図である。
【図6】Dフリップフロップの入力信号の変化部分を拡大したタイムチャート図である。
【図7】ディレイ値とMeas Counterのカウント値との関係を表したグラフである。
【図8】本発明の実施形態に係る発振回路のテスト回路でPLL 回路をテストする構成を示した回路図である。
【図9】本発明の実施形態に係る発振回路のテスト回路におけるカウンタの変形例の構成図である。
【図10】発振回路の出力の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジを表す波形図である。
【図11】半周期のPeriod Jitter の概念を示した図である。
【図12】Dフリップフロップの入力信号の第2タイムチャート図である。
【図13】Dフリップフロップの入力信号の変化部分を拡大した第2のタイムチャート図である。
【図14】ディレイ値とMeas Counterのカウント値との関係を表した第2のグラフである。
【図15】発振回路の出力の立ち下がりエッジから立ち上がりエッジまでを表す波形図である。
【図16】本発明の実施形態に係るテスト回路にインバータ素子を加えた構成図である。
【図17】本発明のテスト回路を用いて発振回路のデューティ比率を求める方法を説明するためのフローチャート図である。
【図18】ディレイ値とMeas Counterのカウント値との関係を表した第3のグラフである。
【図19】発振回路のデューティ比率を示した波形図である。
【図20】従来技術の回路構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
1−Oscillator(発振回路)
4−セレクタ
5−Jitter/OSCセレクト信号
6−Base Delay(基本遅延回路)
7−Adjustable Delay(可調整遅延回路)
8−Dフリップフロップ
9−Meas Counter(回数カウンタ)
10−Freq. Counter (周波数カウンタ)
11−Ref CK(基準信号)
23−PLL 回路
26−VCO (電圧制御発振器)
61−テスト回路
Claims (6)
- 半導体集積回路に組み込まれた発振回路のジッタ試験を行うためのテスト回路において、
前記半導体集積回路の外部から遅延値を調整可能であり、前記発振回路が出力した発振信号を1周期分または半周期分遅延させた遅延信号を出力する第1のディレイ回路ブロックと、
前記半導体集積回路の外部から遅延量を調整可能であり、前記第1のディレイ回路ブロックが出力した遅延信号のエッジが、前記発振回路が出力した発振信号のエッジよりも位相が進んだ状態から位相が遅れた状態まで遅延量を所定量ずつ微増させる第2ディレイ回路ブロックと、
前記第1のディレイ回路ブロック及び前記第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、前記発振回路が出力した発振信号と、の信号到達時間を比較し、前記発振信号が先に到達した回数をカウントする回数カウンタと、
前記第1のディレイ回路ブロックの入力端子と前記第2ディレイ回路ブロックの出力端子とを接続してリングオシレータに構成を切り替える切替回路と、
前記リングオシレータの発振周波数を測定する周波数カウンタと、を備え、
前記発振回路が出力した発振信号と、前記第1のディレイ回路ブロック及び前記第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、前記発振信号が先に到達した回数を前記回数カウンタで計数し、この計数値と前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返して、
前記発振信号が先に到達した回数が、最小値となる直前の計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、最大値となる直前の計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、を検出し、
前記切替回路を切り替えてリングオシレータを構成して、前記両遅延量の設定値におけるリングオシレータの発振周波数を前記周波数カウンタで測定し、
前記周波数カウンタで測定した発振周波数を用いて、前記両遅延量の設定値における遅延量を算出して、その差からジッタを算出することを特徴とするテスト回路。 - 前記発振回路の出力端子の直後に、接離可能なインバータ素子を設けたことを特徴とする請求項1に記載のテスト回路。
- 前記回数カウンタ及び前記周波数カウンタに代えて、前記回数カウンタの機能及び前記周波数カウンタの機能を有し、両機能を切替え可能な切替えカウンタを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のテスト回路。
- 半導体集積回路に組み込まれた発振回路のデューティ比率試験を行うためのテスト回路において、
前記半導体集積回路の外部から遅延値を調整可能であり、前記発振回路が出力した発振信号を半周期分遅延させた遅延信号を出力する第1のディレイ回路ブロックと、
前記半導体集積回路の外部から遅延量を調整可能であり、前記第1のディレイ回路ブロックが出力した遅延信号のエッジが、前記発振回路が出力した発振信号のエッジよりも位相が進んだ状態から位相が遅れた状態まで遅延量を所定量ずつ微増させる第2ディレイ回路ブロックと、
前記第1のディレイ回路ブロック及び前記第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、前記発振回路が出力した遅延信号と、の信号到達時間を比較し、前記発振回路が出力した発振信号が先に到達した回数をカウントする回数カウンタと、
前記第1のディレイ回路ブロックの入力端子と前記第2ディレイ回路ブロックの出力端子とを接続してリングオシレータに構成を切り替える切替回路と、
前記リングオシレータの発振周波数を測定する周波数カウンタと、
前記発振回路の直後に接離可能に接続されたインバータ素子と、を備え、
前記インバータ素子を切り離して、前記発振回路が出力した発振信号と、前記第1のディレイ回路ブロック及び前記第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、前記発振信号が先に到達した回数を前記回数カウンタで計数し、この計数値と前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返して、
前記発振信号が先に到達した回数が、最小値と最大値との中間値である50%計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の第1設定値を検出し、
また、前記インバータ素子を接続して、前記発振回路が出力した発振信号と、前記第1のディレイ回路ブロック及び前記第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、前記発振信号が先に到達した回数を前記回数カウンタで計数し、この計数値と前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返して、
前記発振信号が先に到達した回数が、最小値と最大値との中間値である50%計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の第2設定値を検出し、
前記切替回路を切り替えてリングオシレータを構成して、前記遅延量の第1設定値及び第2設定値におけるリングオシレータの発振周波数を前記周波数カウンタで測定し、
前記周波数カウンタで測定した両発振周波数を用いて、前記発振回路が出力した発振信号の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの第1平均時間、及び立ち下がりエッジから立ち上がりエッジまでの第2平均時間を算出し、
前記第1平均時間と前記第2平均時間の差からデューティ比率を算出することを特徴とするテスト回路。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載のテスト回路により、半導体集積回路に組み込まれた発振回路のジッタ試験を行うためのテスト方法において、
前記発振回路が出力した発振信号と、前記第1のディレイ回路ブロック及び前記第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、前記発振信号が先に到達した回数を前記回数カウンタで計数し、この計数値と前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す計数工程と、
前記発振信号が先に到達した回数が、最小値となる直前の計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、最大値となる直前の計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値と、を検出し、
前記切替回路を切り替えてリングオシレータを構成して、前記両遅延量の設定値におけるリングオシレータの発振周波数を前記周波数カウンタで測定する周波数測定工程と、
前記周波数カウンタで測定した発振周波数を用いて、両遅延量の設定値における遅延量を算出して、その差からジッタを算出するジッタ算出工程と、を備えたを特徴とするテスト方法。 - 請求項4に記載のテスト回路により、半導体集積回路に組み込まれた発振回路のデューティ比率試験を行うためのテスト方法において、
前記インバータ素子を切り離して、前記発振回路が出力した発振信号と、前記第1のディレイ回路ブロック及び前記第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、前記発振信号が先に到達した回数を前記回数カウンタで計数し、この計数値と前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す第1計数工程と、
前記発振信号が先に到達した回数が、最小値と最大値との中間値である50%計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の第1設定値を検出する第1平均時間測定工程と、
前記インバータ素子を接続して、前記発振回路が出力した発振信号と、前記第1のディレイ回路ブロック及び前記第2ディレイ回路ブロックによって遅延された遅延信号と、の信号到達時間を一定期間比較して、前記発振信号が先に到達した回数を前記回数カウンタで計数し、この計数値と前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の設定値とを記録すると、前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量を所定量微増させる手順を繰り返す第2計数工 程と、
前記発振信号が先に到達した回数が、最小値と最大値との中間値である50%計数値における前記第2ディレイ回路ブロックの遅延量の第2設定値を検出する第2平均時間測定工程と、
前記切替回路を切り替えてリングオシレータを構成して、前記遅延量の第1設定値及び第2設定値におけるリングオシレータの発振周波数を前記周波数カウンタで測定する周波数測定工程と、
前記周波数カウンタで測定した両発振周波数を用いて、前記発振回路が出力した発振信号の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの第1平均時間、及び前記発振回路が出力した発振信号の立ち下がりエッジから立ち上がりエッジまでの第2平均時間を算出し、前記第1平均時間と前記第2平均時間との差からデューティ比率を算出するデューティ比算出工程と、を備えたことを特徴とするテスト方法。
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