JP3759738B2 - 免疫原性ペプチド - Google Patents

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Description

本発明はMAGE−1タンパク質由来の免疫原性ペプチドに関する。
腫瘍細胞は、その正常な細胞性対応物上には存在していない又は少量でしか存在していない一定の抗原を発現する。その大半は分化抗原であり、腫瘍及び様々な胎芽細胞により共有される。十分なる特異性を有すると思われる一部の抗原は治療剤にとっての可能性のある標的として働きうる。
40種以上のメラノーマ抗原がモノクローナル抗体により特定され、免疫学的及び生物学的に異なる特徴を有するいくつかの主要抗原ファミリーがもたらされている。これらのファミリーは:(1)高分子量腫瘍胎児性タンパク質;(2)ガングリオシド;(3)成長因子、例えばEGF, PDGF, TGF−アルファー及び TGF−ベーター並びに神経成長因子にとってのレセプター;(4)カチオンの輸送及び結合タンパク質、例えばp97;(5) HLAクラスII抗原;(6)色素沈着関連抗原;更には(7)細胞外マトリックスタンパク質;である。 Herlyn and Koproski, Ann.Rev.Immunol. 6:283-308 (1988)。
このような様々な抗原に対して特異的なモノクローナル抗体を基礎とする治療及び診断による事前の研究が奨励されてはいるが、より優れた試薬及び抗原性標的が同定されうるという期待のうえで研究はくじけることなく続けられている。皮膚の悪性メラノーマの有病率が驚くほどの速さで、特に米国において増大している。
より近年、新しい抗原のファミリーがメラノーマ腫瘍に基づいて述べられている。現在「メラノーマ抗原」又はMAGE抗原ファミリーと呼ばれているこれらの抗原は自己の細胞障害性Tリンパ球(「CTLs」)のパネルにより溶解されるメラノーマ細胞系において同定された。MAGEタイプ抗原を発現しない細胞は CTLによっては殺傷されず、そしてこのような「抗原欠失」変異体を選別することにより、6種の独立の抗原が同定された。 Van den Eyndeら、Int.J.Cancer, 44:634 (1989)。MZ2-E(「E」)と呼ばれる一の抗原をコードする遺伝子がクローニング及び配列決定されている。 Van der Bruggenら、Science 254:1643 (1991) 。この配列はGen Bankに寄託され(受託番号M77481)、そして「MAGE-1」と呼ばれるヌクレオチド配列と比べて、Gen Bankを含むデーターバンクにおけるどの配列とも有意義な相同性を示さない。2つの更なる非同一なcDNAも見つかり(MAGE-2及びMAGE-3)、それらはMAGE-1に対してよりも互いとの方に近縁していたが、しかしこれら3種はほぼ同等に発現された。
小さなMAGE-1遺伝子領域がクローニングされ、そして細胞の中にトランスフェクションされている。これらのトランスフェクト体は抗 E CTLにより認識される抗原を発現する。即ち、この遺伝子は抗原をコードする遺伝子を更に活性化するタンパク質をコードしないようである。Van der Bruggen 前掲。抗原性ペプチドをコードする配列はセグメント同志の重複領域内にあると推測される。Traversariら、J.Exp.Med. 176:1453-1457 (1992)を参照のこと。MAGE-2及びMAGE-3のcDNAはトランスフェクション実験において抗原Eの発現を移入することができなかった。E抗原に関する表示分子はHLA-A1と考えられた。
MAGE遺伝子ファミリーは、 Van der Bruggenら前掲により、多種多様な腫瘍により発現されることが示され、そしてメラノーマに限られないが、それらはほとんどの正常な細胞によっては発現されなかった。即ち、MAGE抗原は癌の免疫療法にとって重要な意義を有しうる。MAGE-1遺伝子の配列は正常組織及び腫瘍の両者において同一であると考えられていた。
当業界に何が必要であるかというと、MAGE抗原の免疫原性腫瘍拒絶性エピトープのより徹底的な理解である。イムノドミナントエピトープが同定できたら、その HLA制限と共に、より有効な治療プロトコールが計画できる。本発明はこれら及びその他の関連の要望を満たす。
本発明はある程度、ヒトMAGE-1タンパク質をコードする従来報告されている遺伝子がC末端において更に58個のアミノ酸をコードするという新規、且つ予測し得なかった観察に基づいている。完全ヒトMAGE-1タンパク質及びそのペプチドは組換又は合成手段により製造でき、且つその意図する用途に応じて天然MAGE-1抗原の生物活性を有しても有してなくてもよい。従って、完全ヒトMAGE-1タンパク質をコードする単離された、且つ精製されたポリヌクレオチドを述べる。全長ヒトMAGE-1タンパク質をコードする DNAは組換 DNAベクターの中に組込むことができ、その中においてそれらは適当な宿主を形質転換するのに利用でき、このcDNAを含むベクターで形質転換した宿主細胞は全長ヒトMAGE-1タンパク質を発現でき、そしてこの全長ヒトMAGE-1タンパク質は回収できうる。
本発明は更に CTL活性を誘導するMAGE-1タンパク質のC末端由来のMAGE-1免疫原ペプチドに関する。本発明の免疫原性ペプチドは、様々な MHCクラスIアレルについての係属中の米国特許出願S.N.07/926,666 号及びS.N.08/027,146 号に記載のモチーフを用いて同定できうる。即ち、MAGE-1 CTL誘導性抗原決定基を免疫学的に擬態する小型の合成又は組換ペプチドを調製できる。本発明の CTL誘導性MAGE-1ペプチドは、例えば、適当な MHC表示分子との関連において、対応のMAGE決定基を発現する腫瘍に対する免疫学的応答を誘導するために治療的に利用できうる。このようにして腫瘍細胞は殺傷又は阻害されうる。 CTLの誘導はin vivo 又はex vivo で達成されうる。即ち、本明細書記載のMAGE-1ペプチドは、特にMAGE-1決定基を発現する腫瘍を発症すると予測される又は既に冒されている個体において免疫学的応答を誘導するために用いるとき、薬理組成物として処方して投与してもよい。
更なる別の態様において、本発明は診断のための方法であって、本発明のペプチドを個体におけるMAGE-1抗原に対して細胞障害性T細胞応答可能なリンパ球の存在を決定するために用いる方法に関する。一般にリンパ球は末梢血液リンパ球であり、そして対象の個体はMAGE抗原が関与する腫瘍に冒しむ。この診断方法及び組成物はMAGE関連障害の治療手法、そして特に悪性メラノーマの処置との関連で使用できうる。
「MAGE」と称されるメラノーマ抗原が CTL誘導抗原との関係で同定された。このMAGE抗原は様々な腫瘍細胞により発現される近縁抗原のファミリーであるものとして発見された。本発明はヒトMAGE-1抗原及びその完全アミノ酸配列をコードする完全ヌクレオチド配列を提供し、これにより完全MAGE-1タンパク質及び免疫活性を有する新たなMAGE-1ペプチドの究極的な発現を提供する。組換 DNA発現系及び化学合成法は大量の組換ヒトMAGE-1及びそのペプチドフラグメントを比較的純粋な状態で獲得するための簡便な手段を提供する。
好適な態様において、本発明のペプチドは、 Seq.ID No.1に示している通りの、MAGE-1抗原のC−末端の58個のアミノ酸領域に由来する:
Seq.ID No.1
Arg-Gln-Val-Pro-Asp-Ser-Asp-Pro-Ala-Arg-Tyr-Glu-Phe-Leu-Trp-Gly-Pro-Arg-Ala-Leu-Ala-Glu-Thr-Ser-Tyr-Val-Lys-Val-Leu-Glu-Tyr-Val-Ile-Lys-Val-Ser-Ala-Arg-Val-Arg-Phe-Phe-Phe-Pro-Ser-Leu-Arg-Glu-Ala-Ala-Leu-Arg-Glu-Glu-Glu-Glu-Gly-Val
この Seq.ID No.1の領域から選ばれるペプチドはMAGE発現細胞に対する MHC HLAクラスI制限型 CTL応答を誘導する。リンホカイン(例えばガンマーインターフェロン)を分泌し、且つ感染された自己細胞又はトランスフェクション細胞におけるウィルス複製を細胞殺傷を伴って又は伴わないで阻害する生成物(例えばセリンエステラーゼの如くのタンパク質分解酵素)を遊離するこの刺激化 CTLは、MAGE発現腫瘍細胞の増殖を妨害又は実質的に阻止することができる。数多くの状況において、特定の腫瘍抗原に対する有効な細胞障害性T細胞応答及び防御抗体応答はMAGE関連腫瘍の処置のために好適であろう。
本明細書に記載のより好適な態様において、 Seq.ID No.1の領域由来の免疫誘導性ペプチドは少なくとも7個のアミノ酸を有し、ここでこのペプチドのアミノ酸の過半数は、天然MAGE-1配列の対応の部分を構成するアミノ酸と対比させたときに同一又は実質的に相同性であろう。この領域の代表的なペプチドを以下の表1において、 MHC制限を表示しながら示す。
このペプチドは、所望するなら、N−及びC−末端の一方又は両方において、MAGE配列、特にMAGE-1由来のアミノ酸、連結を助長するためのアミノ酸、その他のN−及びC−末端改変のためのアミノ酸、担体への連結のためのアミノ酸、等により、隣接及び/又は改変されていてよく、このことは本明細書において更に説明する。このペプチドは CTL応答を誘導し、これは少なくとも表示の MHCクラスI分子により媒介される。
「ペプチド」なる語は、一連の残基、一般にはL−アミノ酸であって互いと一般に隣接し合うアミノ酸のアルファーアミノ基及びカルボニル基間でのペプチド結合により連結し合っている残基を意味するために、本明細書において「オリゴペプチド」と同義語として用いている。本発明のオリゴペプチドは長さにおいて約15残基以下、そして通常は約8〜約11個の残基、好ましくは9又は10個の残基より成る。
本発明の「免疫原性ペプチド」とはペプチドであって、そのペプチドが MHCアレルと結合でき、且つ CTL応答を誘導できるようにするようなアレル特異的モチーフを含んで成るペプチドを意味する。本発明の免疫原性ペプチドはMAGE-1抗原のC末端の58個のアミノ酸残基の特定のエピトープ領域に由来する。この免疫原性ペプチドは適当なクラスI MHC分子に結合して、免疫原性ペプチドが由来するMAGE抗原に対する細胞障害性T細胞応答を誘導できる。
「保存領域」とはアミノ酸であって、ペプチドのモチーフにおける特定の位置において、ランダム分布により予測し得る頻度よりも有意に高い頻度で見い出せるアミノ酸をいう。一般に保存残基とは、そこで免疫原ペプチドが MHC分子との接点を担いうるような残基をいう。規定の長さのペプチド内の1〜3、好ましくは2個の保存残基が免疫原性ペプチドのモチーフを規定する。これらの残基は一般にペプチド結合性グループと密着しており、その側鎖はこのグループ自体の特定のポケットの中に埋没する。一般に、免疫原性ペプチドは3個までの保存残基を、より通常には2個の保存残基を含んで成るであろう。
本明細書において用いている「ネガティブな結合性残基」とは、アミノ酸であって、所定の位置に存在しているとそのペプチドをノンバインダー又は弱バインダーにし、そしてペプチド内の適切な保存残基の存在にもかかわらず CTL応答を誘導しないアミノ酸をいう。
「モチーフ」なる語は、特定の MHCアレルにより認識される規定の長さのペプチド、通常は約8〜約11個のアミノ酸の長さのペプチド残基のパターンを意味する。このペプチドモチーフは一般に各ヒト MHCアレルとは異なり、そして高度保存残基のパターンにおいて相違する。
アレルについての結合性モチーフは精度の上昇に伴って規定できる。あるケースにおいては、保存残基全てがペプチドの中で適正な位置にあり、そしてネガティブな結合性残基が存在していない。
「単離された」又は「生物学的に純粋」なる表現は、天然状態において通常付随している成分を実質的に又は本質的に含まない物質を意味する。即ち、本発明のペプチドはin situ 環境において通常結合している物質、例えば抗原表示細胞上のMHC I分子を含まない。たとえタンパク質が均質又はドミナントなバンドにまで単離されたとしても、所望のタンパク質と一緒に精製されてしまう5〜10%の範囲における天然タンパク質の微量な夾雑物があるものである。本発明の単離されたペプチドはかかる内因性の共精製タンパク質を含まない。
「残基」なる語はアミド結合又は擬似アミド結合によってオリゴペプチドの中に組込まれているアミノ酸又は擬似アミノ酸を意味する。
CTLエピトープを含んで成るペプチドを合成し、そして適当な MHC分子に結合する能力を、例えば精製したクラスI分子及び放射性ラベル化ペプチド及び/又はエンプティ(空虚の)クラスI分子を発現する細胞を用いるアッセイにおいて、例えば免疫蛍光染色及びフロー・マイクロフルオロリメトリー、ペプチド−依存性クラスI集成アッセイ、並びにペプチド競合による CTL認識の阻害により決定する。クラスI分子に結合するペプチドを、冒されている個体由来の CTLにとっての標的としてそれらが寄与する能力、並びに治療剤として腫瘍細胞と反応できる CTL集団を生起させうる一次in vitro又はin vivo CTL応答を誘導できる能力について更に選別にかける。アレル特異的ペプチド及びペプチドモチーフを決定するための方法は係属中の共有出願USSN 027,146及びUSSN 027,746号に記載され、それらは引用することで本明細書に組入れる。
このペプチド又はオリゴペプチドは本明細書において以降に記載されている通り「合成的に」又は組換 DNA工学により調製できうる。このペプチドはその他の天然ヒトタンパク質及びそのフラグメントを実質的に含まないのが好ましいであろうが、ある状況においては、このペプチドは抗腫瘍免疫応答に直接又は間接的に寄与するその他のMAGEフラグメント又はその他のタンパク質もしくはペプチドとコンジュゲーションされていてよい。
ペプチド又はオリゴペプチドなる語は、一連のアミノ酸であって互いと、隣接し合うアミノ酸のアルファーアミノ基及びアルファーカルボキシ基間でのペプチド結合により連結し合ったアミノ酸を意味するために、ポリペプチドと同義語として用いている。このポリペプチド又はペプチドは様々な長さであってよく、中性(非帯電)形態又は塩の形態のいづれでもよく、そしてグリコシル化、側鎖酸化もしくはリン酸化の如くの修飾をされていなくても、又はこれらの修飾をされていてもよく、ただしその修飾は本明細書記載のポリペプチドの生物活性を破綻しないことを条件とする。
所望するには、このペプチドは可能な限り小さく、しかも大型ペプチドの生物活性を実質的に全て維持している。可能なら、本発明のペプチドを9又は10個のアミノ酸残基の長さに最適化することが所望されることがあり、細胞表層上の MHCクラスI分子に結合しているプロセスを受けたペプチドのサイズと均り合わせる。一般には、SchumacherらNature 350:703-706 (1991); Van BleekらNature 348:213-216 (1990); RotzschkeらNature 348:252-254 (1990);及び Falk et al., Nature 351:290-296 (1991)を参照のこと。これらは引用することで本明細書に組入れる。生物活性とは、適当な MHC分子に結合する能力を意味し、そして CTL応答を刺激するのに有用なペプチドの場合、MAGE抗原又は擬似抗原に対する CTL応答を誘導する。
ペプチド類似拮抗因子の場合、この類似体は、もしそれが MHC分子に対する結合についてこのペプチドと競合し、そして天然ペプチドに比べて CTL応答を刺激する実質的に弱められた能力を有するなら、それは生物活性を有するものであろう。 CTL応答とは、対象のMAGE抗原、例えばMAGE抗原ファミリーの構成員に対して特異的な CD8+ T リンパ球応答を意味し、ここで CD8+ , MHC クラスI制限型Tリンパ球は活性化される。前述の通り、この活性化Tリンパ球は腫瘍細胞の複製を阻害し、且つ適当なMAGE抗原決定基を発現する腫瘍細胞又はその他のトランスフェクション細胞を殺傷する又はしない様々な生成物を分泌するであろう。
本明細書において用いている「相同性」「実質的に相同性」及び「実質的に相同」なる語は、ある配列を対照のアミノ酸配列と比較したときに50%以上の同一性を有するアミノ酸配列を意味する。この配列同一性又は相同性のパーセンテージは、一の配列を別の配列と、対照の配列の対応の部分に対して整合させて比較することにより計算する。
本発明のペプチド又は CTL刺激活性を有するその類似性は上昇した血清半減期以外の所望の寄与を担うように改良してよい。例えば、 CTL活性を誘導するペプチドの能力は、Tヘルパー細胞応答を誘導できる少なくとも一のエピトープを含む配列に対する結合により高まりうる。特に好適な免疫原性ペプチド/Tヘルパーコンジュゲートはスペーサー分子により連結する。このスペーサーは一般に比較的小型の中性分子、例えばアミノ酸又は擬似アミノ酸を含んで成り、それらは生理条件下では実質的に非帯電型である。これらのスペーサーは一般に例えばAla, Gly、又はその他の非極性アミノ酸もしくは中性アミノ酸の天然スペーサーから選ばれる。任意的に存在するスペーサーは同一の残基を含んで成るものである必要はなく、そしてそれ故ヘテロ−又はホモ−ポリマーでありうる。存在しているとき、このスペーサーは通常少なくとも1又は2個の残基、より通常には3〜6個の残基であろう。他方、この CTLペプチドはスペーサー抜きでTヘルパーペプチドに連結してよい。
ある態様において、本発明の薬理組成物の中に CTLをプライミング(感作)するのに役立つ少なくとも一種の成分を含ませることが所望されうる。脂質は所定の抗原に対する CTLをin vitroでプライミングするのに役立つことができる。例えば、パルミチン酸残基を Lys残基のアルファー及びエプシロンアミノ基に付加させてよく、次いで例えば Gly, Gly-Gly-, Ser, Ser-Ser等の如くの1又は複数の連結残基を介して、免疫原ペプチドに連結させることができる。次いで脂質付加ペプチドはリポソームの中に組込んでミセル形態で、又は、アジュバンド、例えば不完全フロインドアジュバントの中で乳化させて直接注射してよい。好適な態様において、極めて有効な免疫原は、免疫原性ペプチドのアミノ末端に Ser-Serの如くの連結基を介して付加された Lysのアルファー及びエプシロンアミノ基に付加されているパルミチン酸を含んで成る。
CTL応答の脂質プライミングの別の例として、E.コリE.coli)リポタンパク質、例えばトリパルミトイル−S−グリセリルシステインセリル−セリン(P3CSS) が、適当なペプチドに共有付加されているとき、特異的な CTLをプライミングするのに利用できうる。例えば、 Deresら、Nature 342:561-564 (1989)を参照のこと。これは引用することで本明細書に組入れる。本発明のペプチドを例えば P3CSSにカップリングし、そしてそのリポペプチドを個体に、標的抗原に対する CTL応答を特異的にプライミングするために投与してよい。更に、中和抗体の誘導は適当なエピトープを表示するペプチドにコンジュゲートされた P3CSSによりプライミングされもするため、これらの2種の組成物はMAGE抗原に対する体液性及び細胞媒介型応答の両者をより効率的に誘引させるために組合せてよい。
前述の如く、オリゴペプチド又はペプチドの末端に更なるアミノ酸を、ペプチド同志の連結のし易さのため、担体、支持体もしくは大型のペプチドに対するカップリングのため、本明細書において論じている理由のため、このペプチド又はオリゴペプチドの物理的もしくは化学的特性を改変する等のために付加してよい。チロシン、システイン、リジン、グルタミン酸又はアスパラギン酸等の如くのアミノ酸をこのペプチド又はオリゴペプチドのC−又はN−末端に導入してよい。更に、このペプチド又はオリゴペプチド配列は、末端−NH2 アシル化、例えばアルカノール(C1 −C20)もしくはチオグリコリルアセチル化、末端カルボキシアミド化、例えばアンモニア、メチルアミンによるアミド化等によって改変させることにより、天然配列と相違してよい。ある状況において、これらの改変は支持体又はその他の分子に対する連結のための部位を司りうる。
本発明のペプチド又は CTL及び/もしくはTヘルパー刺激活性を有するその類似体は、その他の所望の寄与、例えば向上した薬理学特性を、未改変のペプチドの生物活性を増強させながら、又は少なくとも実質的に完全に維持しながら供するように改変してよい。例えば、このペプチドは、例えば本明細書において開示する配列由来のペプチドのアミノ末端又はカルボキシ末端のいづれか又はその両者でのアミノ酸の付加又は欠失により、そのペプチドのアミノ酸配列において伸長、短縮する又は置換することにより改変できうる。課題のペプチドの CTL活性は、上記に説明した通り、Tヘルパー細胞応答を誘導できる少なくとも一のエピトープを含む配列に対する連結により高めることができる。
本発明において採用するペプチドは、課題の化合物が適当な MHC分子に結合でき、そしてMAGE抗原を発現する細胞に対する細胞障害性Tリンパ球活性又はTヘルパー活性を司る限り、上記に例示したペプチド又は特定のMAGEもしくはMAGE-1タンパク質配列と同一である必要はない。従って、このペプチドは様々な改変、例えば挿入、欠失及び保存的又は非保存的置換にかけてよく、ここでかかる改変はその用途において一定の利点を供しうる。保存的置換とは、アミノ酸残基を、生物学的及び/又は化学的に類似の別の残基に置き換えること、例えばある疎水性残基を別のものに、又はある極性残基を別のものに置き換えることを意味する。
この置換には、Gly, Ala;Val, Ile, Leu ;Asp, Glu;Asn, Gln;Ser, Thr;Lys, Arg;及びPhe, Tyrの如くの組合せが含まれる。通常、MAGE CTL又はTヘルパー刺激性エピトープを実質的に擬態することを意図する配列部分は、追加のアミノ酸を例えば連結又はカップリングのし易さ等のためにペプチドの物理的又は化学的性質を改変する目的でいづれかの末端に付加している場合を除き、MAGEファミリーの少なくとも一の構成員の配列から約20%以上相違しないものであろう。ペプチド配列の領域がMAGE抗原間で多形態であることが見い出されている状況において、種々のMAGE抗原の異なる細胞障害性T−リンパ球又はTヘルパーエピトープをより効率的に擬態させるために1又は複数個の特定のアミノ酸を変えることが所望されうる。
本明細書記載の方法を用い、特定の領域から異なる又は重複する CTL又はTヘルパーエピトープを規定する2種以上のペプチドが同定されうる。例えば、本明細書記載の方法を用い、2種以上のペプチドは特定の領域、例えばMAGE-1のC末端又は別の領域のペプチド領域から異なる又は重複する CTL又はTヘルパーエピトープを規定することができ、これらのペプチドは CTL又はTヘルパー媒介型応答についての高められた免疫原性を供する「カクテル」において組合せることができる。一の領域のペプチドは異なる MHC制限要素を有するペプチドと組合せてもよい。この組成物は、治療、ワクチン又は診断方法並びに本発明の組成物により供される免疫学的適用範囲を、様々な民族間で有効に広げるのに利用できうる。これらのペプチドを共有又は非共有的手段により連結するとき、その連結は連結されたグループが前述の如く機能する、例えばMAGE細胞障害性T細胞決定基又はMAGE Tヘルパー決定基として機能することを実質的に妨害すべきでないことが理解されるであろう。
別の観点において、本発明のペプチドはMAGE Tヘルパー細胞エピトープを供するその他のペプチド、即ち、MAGEタンパク質又はその他の免疫原タンパク質もしくはその誘導体に由来するTヘルパーエピトープを含む6〜30個のアミノ酸を含んで成るTヘルパーペプチドと組合せる又はカップリングして、例えばMAGE決定基に対する CTL応答におけるMAGE抗原に対する免疫応答の誘導において協力するT細胞を刺激することができる。このT−ヘルパー細胞は例えばT−ヘルパー1又はT−ヘルパー2表現型のいづれかであってよい。従って、T−ヘルパーペプチド及び CTLペプチドの組成物は、MAGE抗原に対する細胞媒介型免疫力及び防御抗体を担うことにより個別の免疫力を高める。
Tヘルパーエピトープは例えばGln-Tyr-Ile-Lys-Ala-Asn-Ser-Lys-Phe-Ile-Gly-Ile-Thr-Glu (QYIKANSKFIGITE)〔Seq.ID No.18〕の配列を有するヘビ毒830-843 ;マラリアサーカムスポロゾイト382-398 Lys-Ile-Ala-Lys-Met-Lys-Ala-Ser-Ser-Val-Phe-Asn-Val-Val-Asn-Ser (KIAKMEKASSVFNVVNS) 〔Seq.ID No.19〕;マラリアサーカムスポロゾイト378-398 Asp-Ile-Glu-Lys-Lys-Ile-Ala-Lys-Met-Lys-Ala-Ser-Ser-Val-Phe-Asn-Val-Val-Asn-Ser (DIEKKIAKMEKASSVFNVVNS) 〔Seq.ID No.20〕;オブアルブミン323-336 Ile-Ser-Gln-Ala-Val-His-Ala-Ala-His-Ala-Glu-Ile-Asn-Glu 〔Seq.ID No.21〕、インレンザエピトープ307-319 Pro-Lys-Tyr-Val-Lys-Gln-Asn-Thr-Leu-Lys-Leu-Ala-Thr 〔Seq.ID No.22〕他である。
好適な態様において、本発明の CTL誘導体ペプチドはTヘルパーペプチドに共有結合している。特に好適な CTL誘導性ペプチド/Tヘルパーコンジュゲートはスペーサー分子により連結されている。他方、この CTLペプチドはスペーサー抜きでTヘルパーペプチドに連結されていてよい。このTヘルパーペプチドは CTLペプチドにコンジュゲートされ、好ましくはTヘルパーペプチドはアミノ末端に配置させる。このペプチドは中性リンカー、例えば Ala-Ala-Ala等により連結されていてよく、そして好ましくはパルミチン酸の如くの脂質残基を更に含み、これは Lys残基((PAM)2Lys) のアルファー及びエプシロンアミノ基に付加され、この Lys残基は一般に Ser-Ser結合等を介してペプチドコンジュゲートのアミノ末端に付加されている。
本発明のペプチドは様々な方法で調製できる。その比較的短いサイズにより、このペプチドは慣用技術に従って溶液中で、又は固相支持体上で合成できる。様々な自動合成装置が市販され、そして公知のプロトコールに従って利用できる。例えば、 Stewart and Young, Solid Phase Peptide Synthesis 、第2版、Pierce ChemicalCo. (1984); Tamら、J.Am.Chem.Soc. 105:6442 (1983) ;Merrifield, Science 232:341-347 (1986);及び Barany and Merrifield, The Peptides, Gross and Meienhofer, eds., Academic Press, New York, pp.1-284 (1979) を参照のこと。それぞれ引用することで本明細書に組入れる。
他方、組換 DNA技術を採用してよく、それにおいては課題の CTLペプチド及び/又はTヘルパーペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現ベクターの中に挿入し、適当な宿主細胞に形質転換又はトランスフェクションし、そして発現にとって適当な条件下で培養する。これらの手順は一般に、例えば開示内容を引用することで本明細書に組入れるSambrookらMolecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York (1982) 及び Ausubelら(編)Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Ins., New York (1987)並びに米国特許第 4,237,224、 4,273,875、 4,431,739、 4,363,877及び 4,428,941号に記載されている。
従って、本発明の1又は複数のペプチド配列を含んで成る融合タンパク質はMAGE-1 CTL決定基を提供するのに利用できる。例えば、 CTL応答を刺激するように、本明細書に記載のペプチド領域のエピトープをより効率的に供するようにアミノ酸配列を改変した組換MAGE抗原ポリペプチドを調製する。
ここで考えられる長さのペプチドについてのコード配列は化学技術、例えば MatteucciらJ.Am.Chem.Soc. 103:3185 (1981) のホスホトリエステル法により合成できるため、改変は単に天然のペプチド配列をコードする適当な塩基を置換することにより施すことができうる。これにより、コード配列に適当なリンカーを施し、そして当業界において一般に入手できる発現ベクターにライゲーションし、そして所望の融合タンパク質を生成するためにそのベクターを適当な宿主を形質転換するのに用いる。数多くのかかるベクター及び適切な宿主系が現在入手できる。発現のため、このコード配列には作動的に連結された開始及び停止コドン、プロモーター及びターミネーター領域、並びに通常は所望の細胞性宿主の中での発現のための発現ベクターを担う複製系が施されているであろう。むろん、細菌、酵母又は哺乳動物細胞宿主を、適当なベクター及びコントロール配列を採用しながら用いてよい。
本明細書記載のMAGE-1タンパク質のC末端の58個のアミノ酸をコードする完全MAGE-1 DNA配列又はフラグメントは培養哺乳動物細胞の中に、当業者に理解されている通り様々な手段を介して導入できうる。例えば、リン酸カルシウム媒介型トランスフェクション(WiglerらCell 14 :725, 1978 ; Corsaro and Pearson, Somatic Cell Genetics 7:603, 1981 ; Graham and Van der Eb, Virology 52 : 456, 1973)、エレクトロポレーション(NeumannらEMBO J. 1:841-845, 1982)又はDEAE−デキストラン媒介型トランスフェクション(Ausubelら(ed.) Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons, Inc., NY (1987), incorporated herein by reference) が好都合でありうる。
クローニング DNAが安定的に組込まれた細胞を同定するため、一般に課題の遺伝子又はcDNAと共に選択マーカーを細胞に導入する。培養哺乳動物細胞において利用するのに好適な選択マーカーには、ネオマイシン、ヒグロマイシン及びメトトレキセートの如くの薬剤に対する耐性を授ける遺伝子が含まれる。更に、選択マーカーは増幅性選択マーカーであってよく、そして好適な増幅性選択マーカーにはDHFR遺伝子及びネオマイシン耐性遺伝子が含まれる。選択マーカーはThilly (Mammalian Cell Technology , Butterworth Publishers, Stoneham, MA) により論じられている。これは引用することで本明細書に組入れる。
トランスフェクションした哺乳動物細胞を、課題のMAGE-1 DNA配列の発現を開始させるために一定期間、一般には1〜2日間増殖させる。次いで安定な状態で選択マーカーを発現する細胞の増殖を選別するために薬剤選択を適用する。増幅性の選択マーカーでトランスフェクションされた細胞に関し、クローニング配列の増大していくコピー数、それ故発現レベルの増大を選択するために薬剤濃度を段階式に増大させていってよい。
植物、鳥類及び昆虫細胞にヒトMAGE-1の如くの外来タンパク質をコードする発現ベクターを導入するためのプロモーター、ターミネター及び方法も当業界において公知である。菌類を形質転換するための技術が論文において公知となっており、そして例えば Beggs (Nature 275:104-108 (1987)) 、Hinnenら (Proc.Natl.Acad.Sci. USA 75 : 1929-1933, 1978)、Yeltonら (Proc.Natl.Acad.Sci. USA 81: 1740-1747, 1984) 、Russell(Nature 301:167-169, 1983)及び米国特許第 4,935,349号に記載されている。これらは引用することで本明細書に組入れる。本発明において利用するための適切な酵母ベクターは一般に選択マーカーを含むものであろう。これはドミナント表現型を示す数多くの遺伝子の一つであってよく、そのための表現型アッセイが形質転換体を選択することを可能とするように存在している。
本発明の完全MAGE-1タンパク質又はそのC末端フラグメントをコードする DNA構築体を含む宿主細胞を次にこのタンパク質又はペプチドを生成するために培養する。これらの細胞は選定の宿主細胞の増殖にとって必要な栄養素を含む培養培地の中で標準の方法に従って培養する。様々な適当な培地が当業界において公知である。この増殖培地は一般に、 DNA構築体を含む細胞を、例えば薬剤選択、又はこの DNA構築体上にあるもしくはこの DNA構築体と共にトランスフェクションされた選択マーカーにより補完される必須栄養素の欠如により選択するであろう。使用する特定の細胞系にとって適当な培地の選択は通常の当業者の技術常識に属する。培養した哺乳動物細胞は一般に市販の血清含有又は無血清培地の中で培養する。
本発明に従って作った完全MAGE-1タンパク質及びそのC末端フラグメントは、例えば、対応のMAGEエピトープに対して特異的な抗体、好ましくはモノクローナル抗体を用いる抗体カラム上でのアフィニティークロマトグラフィーにより精製し得る。更なる精製は、慣用の化学精製手段、例えばとりわけ液体クロマトグラフィー、勾配遠心及びゲル電気泳動により達成し得る。タンパク質の精製方法は当業界に公知であり(一般には、Scopes R. のProtein Purification, Springer-Verlag, NY (1982)を参照のこと;これは引用することで本明細書に組入れる)、そして本明細書に記載の組換ヒトMAGE-1の精製に応用できうる。薬理用途にとっては、好ましくは約50%以上、より好ましくは少なくとも約70〜80%、そして最も好ましくは95〜99%以上の均質性の実質的に純粋な組換ヒトMAGE-1が好ましい。所望通りに部分的又は均質となるまで一旦精製できたら、この組換ヒトMAGEは本明細書に記載の通りに診断、治療等に利用できうる。
本発明のペプチド並びにその薬理及びワクチン組成物はMAGE抗原の発現に関係する腫瘍を処置及び/又は予防するためにヒトを含む哺乳動物に投与するのに有用である。
薬理組成物に関して、このペプチド、即ち、上記の如くの CTLもしくはTヘルパーペプチド又は CTL/TヘルパーペプチドコンジュゲートはMAGE関連腫瘍に既に苦しむ個体に投与されるであろう。腫瘍発達の早期段階にある者は適宜その他の処置とは独立して、又はそれと一緒にこの免疫原ペプチドで処置できうる。治療的用途において、組成物を、MAGE担持腫瘍に対して有効な CTL応答を誘発するのに、且つその症状及び/又は合併症を治癒又は少なくともある程度緩和するのに十分な量で患者に投与する。これを成し遂げるのに適度な量を「治療的に有効な投与量」と定義する。
この用途にとって有効な量は、例えばペプチドの組成、投与方法、処置する病気のステージ及び症度、患者の体重及び一般健康状態、並びにかかりつけの医師の診断に依存するであろうが、しかしながら、70kgの患者にとって約 1.0μg〜約 500μgの初期感作(これは治療又は予防投与のため)の一般レンジ、それに続く患者の血液中の CTL比活性を測定することによる患者の応答及び状態に依存して数週間から数ヶ月にわたるブースティング療法に応じる約 1.0〜約 100μgのブースティング投与量とする。
本発明のペプチド及び組成物は一般に重症な病気の状態、即ち、生命の脅されている状況又は潜在的に生命の脅されている状況において採用できうることを念頭におかねばならない。かかるケースにおいて、外生物質の最少限化及びこのペプチドの相対的な無毒性の観点において、処置医により実質的に過剰量のこれらのペプチド組成物を投与することが可能であり、且つ所望されることがある。
この組成物の一回又は複数回の投与を、処置医により選定される投与量レベル及びパターンにより実施できる。いかなる状況においても、この薬理製剤は患者を有効に処置するに足りる量の本発明の CTL又はTヘルパー刺激性ペプチドを供すべきである。
個体は、腫瘍の発達の早期段階の際の CTL又はTヘルパー応答の不十分さ(又は欠如)のためにMAGE関連腫瘍を発症しうるため、免疫強化量のペプチドを製剤に供すること及び CTL又はTヘルパー細胞応答を有効に刺激するのを満足せしめる投与方法を供することが重要である。投与は、臨床症状又は研究室のインジケーターが、その腫瘍が消失した、又はその進行が実質的に緩和したことを示すまで、及びその後の一定期間、続ける。確立されたインターバル、例えば1〜4週間でのインターバルでの免疫投与、それに続くブースティング投与が、腫瘍を解消するのに必要なとき、可能としては長期にわたって必要とされうる。
治療処置のための薬理組成物は非経口、局所、経口又は局部服用を意図する。好ましくは、この薬理組成物は非経口的に、例えば静脈内的に、皮下的に、皮内的に、又は筋肉内的に投与する。従って、本発明は非経口投与用組成物を提供し、これは許容の担体、好ましくは水性担体の中に溶解又は懸濁された CTL又はTヘルパー刺激性ペプチドの溶液を含んで成る。様々な水性担体、例えば水、緩衝水、 0.4%の食塩水、 0.3%のグリシン、ヒアルロン酸等を使用してよい。
これらの組成物は慣用の公知の除菌技術によって除菌するか、又は除菌濾過してよい。得られる水性溶液はそのまま利用するように包装するか、又は凍結乾燥してよく、凍結乾燥製剤は投与前に除菌溶液と合わせる。この組成物は生理条件に近づけるのに必要な薬理学的に許容される補助剤、例えばpH調節剤及び緩衝剤、等張性調節剤、湿潤剤等、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート等を含みうる。
一定の態様において、薬理組成物の中に CTLをプライミングする少なくとも一の成分を含ませることが所望されうる。一定の脂質は CTL応答をin vivo でプライミングでき、例えばパルミチン酸残基は Lys残基のアルファー及びエプシロンアミノ基に付加させることができ、次いでクラスI制限型 CTLエピトープを含んで成る合成ペプチドに連結させることができる。本明細書に更に説明する通り、脂質付加ペプチドはアジュバント、例えば不完全フロインドアジュバントの中に乳化せしめたリポソームの中に組込むことができる。 CTL誘導性ペプチド/Tヘルパーペプチド/脂質を含んで成るコンジュゲートの成分の配置は変えてよい。
あるケースにおいて、この脂質成分は CTL誘導性ペプチドのアミノ末端に連結してよく、そのペプチドはTヘルパーペプチドにそのカルボキシ末端で連結できうる。別のケースにおいて、この脂質はTヘルパーペプチドのアミノ末端に連結し、このペプチドをそのカルボキシ末端において CTL誘導性ペプチドに連結する。各ケースにおいて、スペーサー分子、例えば Lys-Ser-Serを、脂質成分と CTL又はTヘルパーペプチドとの間に、及びTヘルパーと CTL誘導性ペプチドとの間に選択的に挿入できる。
薬理製剤中の本発明の CTL刺激性ペプチドの濃度は幅広く変えてよく、即ち約1重量%未満から、通常は少なくとも約10重量%に至るまで、そして20〜50重量%又はそれより多くに至るまで変えてよく、そしてそれは主として流体の容量、粘度等により、選定した特定の投与態様に従って選定されるであろう。即ち、静脈内点滴用の典型的な薬理組成物は 250mlの除菌リンガー溶液及び 100mgのペプチドを含むように調製できうる。非経口投与用化合物を調製するための実際の方法は当業者にとって公知且つ自明であり、そして例えば引用することで本明細書に組入れるRemington's Pharmaceutical Sciences 、第17版、Mack Publishing Company, Easton, PA (1985)に詳しく記載してある。
本発明のペプチドはリポソームを介して投与することもできうる。エマルション、フォーム、ミセル、不溶性単層、リン脂質分散体、多重層等が含まれるリポソームは、ペプチドが特定の組織、例えばリンパ組織又は腫瘍細胞を担いうちするためのビヒクルとして、及びペプチド組成物の半減期を増大させることを担いうる。これらの製剤において、このペプチドはリポソームの一部として、単独で、又は例えばリンパ球又は腫瘍細胞において広がるレセプターに結合する分子、例えばモノクローナル抗体と共に、又はその他の治療もしくは免疫原組成物と共に輸送される。様々な方法がリポソームを調製するのに有用であり、それは例えば引用することで本明細書に組入れる米国特許第 4,837,028及び 5,019,369号に記載されている。
別の観点において、本発明は本明細書に記載の免疫学的に有効な量の CTL刺激性ペプチドを活性成分として含むワクチンに関する。このペプチドはそれ自体の担体に連結された状態で、又は活性ペプチド単位のホモポリマーもしくはヘテロポリマーとしてヒトを含むホストに導入されうる。かかるポリマーは増強した免疫学的反応の長所を有し、そしてポリマーを作成するのに異なるペプチドを利用するとき、MAGEタンパク質の異なる抗原決定基と反応する抗体及び/又は細胞障害性T細胞を誘導する更なる能力を有する。有用な担体は当業界に公知であり、そして例えばチログロブリン、アルブミン、例えばヒト血清アルブミン、ヘビ毒、ポリアミノ酸、例えばポリ(D−リジン:D−グルタミン酸)、インフレンザ、B型肝炎ウィルスコアタンパク質等が含まれる。
これらのワクチンは生理学的に寛容される(許容される)希釈剤、例えば水、リン酸緩衝食塩水、又は食塩水を含んでもよく、そして更に一般にはアジュバントを含む。アジュバント、例えば不完全フロインドアジュバント、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム又はミョウバンが当業界に公知の材料である。本明細書に記載のペプチド組成物による注射、エアゾール、経口、経皮又はその他のルートを介する免疫により、そのホストの免疫系はMAGE抗原に対する大量の CTL特異体を生成することによりワクチンに応答し、そしてこのホストはMAGE担持腫瘍に対して少なくともある程度は免疫される、又はかかる腫瘍に対して耐性となる。
本発明のペプチドを含むワクチン組成物はMAGE関連腫瘍、例えばメラノーマが発達し易い又は発達する危険性のある患者に、その患者自身の免疫応答能を高めるために投与する。かかる量は「免疫学的に有効な投与量」と定義する。この用途において、ここでもその正確な量は患者の健康状態及び体重、投与方法、製剤の種類等に依存するが、一般には70kgの患者当り約 1.0μg〜約 500μg、より一般には70kgの患者当り約50μg〜約 100μgに範囲する。 CTL誘導性ペプチドは適当な HLAタイプの個体に投与する。ある状況においては、本発明のペプチドワクチンを、例えばp97腫瘍抗原の如くの腫瘍抗原に対して中和性の細胞又は抗体応答を誘導するワクチンと組合せることが所望されうる。
治療又は免疫の目的のため、本発明のペプチドを虚弱化ウィルスホスト、例えば痘疹又は鶏痘によって発現させてもよい。この手法は、本発明のペプチド又はコンジュゲートをコードするヌクレオチドを発現させるためのベクターとしての痘疹ウィルスの利用を包括する。ホストへの導入により、この組換痘疹ウィルスはMAGEペプチドを発現し、それ故腫瘍細胞上のMAGE抗原に対するホストの CTL又はTヘルパー応答を誘引する。免疫プロトコールにおいて有用な痘疹ベクター及び方法は例えば引用することで本明細書に組入れる米国特許第 4,722,848号に記載されている。本発明のペプチドの治療的投与又は免疫にとって有用な多種多様なその他のベクターが、本明細書の記載より当業者にとって明らかとなるであろう。
本発明の免疫原性ペプチドは CTLをex vivo で誘引するのに用いることができうる。得られる CTLはその他の慣用の治療形式に応答しない、又はペプチドワクチン治療手法に応答しないであろう患者の腫瘍を処置するのに利用できうる。MAGE発現性腫瘍に対するex vivo CTL応答は、組織培養物の中で、患者の CTL前駆細胞(CTLp)を抗原表示細胞(APC) の起源及び適当な免疫原性ペプチドと共にインキュベートすることにより誘導される。CTLpが活性化され、そして成熟してエフェクター CTLへと発展する適当なインキュベーション時間(一般に1〜4週間)の後、この細胞を患者に戻し、そこでそれらは標的の腫瘍細胞を阻害又は殺傷するであろう。
このペプチドは診断試薬としての用途も有しうる。例えば、本発明のペプチドは、このペプチド又は近縁のペプチドを採用する処置療法に対する特定の個体の感受性を決定するのに利用でき、それ故現存の処置プロトコールを改良するうえで、又は冒された個体の予後を調べるうえで有用でありうる。更に、これらのペプチドはMAGE関連腫瘍が発症するかなりの危険性のあるであろう個体を予測するのにも利用できうる。
以下の実施例は例示のためであり、限定を目的として提供するわけではない。
実施例1全長MAGE DNAのクローニング
MAGE-1の推定コード領域を、bp 605〜622 及び bp 1459〜1476に位置するプライマーを用いる PCR増幅により、MAGE-1陽性細胞系 938から合成した第一鎖cDNAよりクローニングした。増幅は高電場熱安定性ポリメラーゼ Pfuを用い、95℃で2分、50℃で2分及び73℃で2分の30回のサイクルにより実施した。これらの条件はMAGE-1について推定されるサイズと一致した 870bpのフラグメントの増幅をもたらした。この増幅フラグメントを更なる特性決定のためにベクター pRc/RSV (Invitrogen)の中にサブクローニングした。
このクローニングしたフラグメントをシーケナーゼ(v 2.0, USB)及びMAGE-1特異的プライマーを用いて配列決定した。クローニングしたフラグメントの配列の特性決定はヌクレオチド1377に挿入されたシチジンを見い出した。この挿入は配列のすぐ3′側にある。 PCR増幅の際にこの挿入が導入されたかどうかを決定するため、オリジナル細胞系由来の及び4人の個々の正常個体由来のMAGE-1のゲノム配列を決定した。ゲノム DNAを単離し、そしてMAGE-1遺伝子をオリジナルのクローニングにおいて利用したのと同じ条件を利用して増幅させた。この増幅フラグメントをヌクレオチド1427−1448に対応するアンチセンスプライマーを用いてサイクル配列決定した。
ゲノム DNAの単離:MAGE-1発現性細胞系由来の細胞を組織培養ストックから直接採取した。個体からのゲノム DNAの単離のための手順は以下の通りである:15mlのヘパリン処理全血を15mlの RPMI 1640培地と混合し、そして20mlのリンパ球分離用媒体の上にかぶせ、そして 400×gで15分、製造者のプロトコール(Ficoll-Paque, Pharmacia) に従って遠心した。この細胞層を集め、そして RPMI 1640培地で2回洗った。そのリンパ球を数、90%の胎児牛血清の中で4×106 細胞/mlで再懸濁し、そして更なる処理まで液体窒素の中で保存した。
解凍した細胞ペレットを 400μlの溶解バッファー(4.2Mのグアニジンチオシアネート、25.5mMの酢酸ナトリウム、 122mMのβ−メルカプトエタノール)の中で溶解させた。このリゼートを等容量のフェノール/クロロホルムで、次いで等容量のクロロホルムで一回抽出した。酢酸ナトリウムを 0.3Mの最終濃度になるまで加え、次いで DNAを2容量のエタノールで沈殿させた。精製したゲノム DNAを 200μlの H2Oの中に再懸濁した。 DNA濃度はフルオロメトリーにより、製造者により供された仕様書に従って決定した(TKO 100フルオロメーター、Hoeffer)。
DNA増幅
0.5μgのゲノム DNA、 0.5μMづつの増幅プライマー(プライマーは上記の通り)、10mMのトリス−HCl(pH 8.8) 、50mMの KCl、 1.5mMの MgCl2、 0.001%(w/v)のゼラチン、 500μMづつの4種全てのデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)を含む 100μlの反応混合物を調製し、1.25単位の Taq DNAポリメラーゼ(Stratagene)を加えた。利用した条件は:95℃で2分、50℃で2分、72℃で2分の30サイクルとした。
PCR DNAフラグメントの精製
100μlの反応混合物を、10μg/mlの臭化エチジウム、40mMのトリス−酢酸、1mMのEDTAを含む1%のアガロース(SeaKem Agarose, FMC Inc.)ゲルによる電気泳動により分画した。所望の DNAフラグメントを含むゲルスライス(MAGE-1増幅フラグメントについて870bp)をUV照射の際に切り出した。 DNAをガラスビーズ精製キット(Qiaex, Qiagen) を用いて精製し、そして20μlの H2Oの中で溶出させた。
DNA配列決定
溶出させた DNAを全て、市販のサイクル配列決定用キット(ΔTaq Cycle-Sequencing Kit, United States Biochemical)の製造者により推奨されている〔35S〕dCTP組込みプロトコールの後に適当なプライマー(MAGE-1増幅フラグメントの49ヌクレオチド下流)により配列決定した。この配列決定用反応は8%のポリアクリルアミドゲル(0.4mmの厚さ)による電気泳動によって分画した。このポリアクリルアミドゲルを乾かし、そしてX線フィルム(XAR-5, Kodak)に16〜48時間曝露した。
5種のMAGE 1遺伝子はそれぞれGen Bankエントリーにおける配列と対比したとき、ヌクレオチド1377でのシチジン挿入を含んでいた。この挿入は有意義であり、なぜならこれは遺伝子のリーディングフレームをシフトさせ、25個のC末端のアミノ酸を変え、そして更に33個のアミノ酸についてのタンパク質にも及ぶからである。このヒトMAGE-1タンパク質の全長 DNA及びアミノ酸配列を図1に示す。図2はヒトMAGE-1タンパク質について新たに発見されたC末端部分のヌクレオチド及びアミノ酸配列を示す。
実施例2C末端由来のMAGE免疫原性ペプチドの同定
様々な MHCクラスIアレルのモチーフを利用し、MAGEタンパク質のC末端をモチーフの存在について分析した。
HLA-A3.2のモチーフはN末端からC末端に至るまで、2位においてL,M,I,V,S,A,T及びFの第一保存残基を、そしてC末端においてK,R又はYの第二保存残基を含んで成る。その他の第一保存残基はC,G又はD、そして他にEである。その他の第二保存残基はH又はFである。この第一及び第二保存残基は6〜7個の残基により隔てられている。
HLA-A1のモチーフはN末端からC末端に至るまで、T,S又はMの第一保存残基を、D又はEの第二保存残基を、そしてYの第三保存残基を含んで成る。その他の第二保存残基はA,S又はTである。この第一及び第二保存残基は隣り合っており、そして好ましくは6〜7残基で第三保存残基と隔てられている。第二保存残基はE又はDの第一保存残基及びYの第二保存残基より成り、ここでこの第一及び第二保存残基は5〜6残基で隔てられている。
HLA-A11のモチーフはN末端からC末端に至るまで2位においてT又はVの第一保存残基を、そしてKのC末端保存残基を含んで成る。この第一及び第二保存残基は好ましくは6又は7残基で隔てられている。
HLA-A24.1のモチーフはN末端からC末端に至るまで2位においてY,F又はWの第一保存残基を、そしてF,I,W,M又はLのC末端保存残基を含んで成る。この第一と第二保存残基とは好ましくは6〜7残基で隔てられている。
9量体のペプチドのHLA-A2.1のモチーフはL及びV位においてアミノ酸I,V,A及びTのいづれかを、そして9位においてL,I,A及びMのいづれかを含む。1位には酸性アミノ酸もPもない。3位においては1個のアミノ酸のみがあり、そして塩基性アミノ酸は見い出せなかった。6及び7位は帯電残基を示さなかった。しかしながら、酸性アミノ酸が8位においてしばしば見い出され、A2.1モチーフの我々の定義に従うと、そこでそれらは寛容される。従って、天然的にプロセスを受けたペプチドの配列の分析は、>90%のペプチドが完全モチーフの規定の法則に従っていた。
10量体のペプチドのHLA-A2.1のモチーフは2位においてアミノ酸L,M,I,V,A及びTのいづれか、そして10位においてV,I,L,A及びMのいづれかを含む。例えば1位において、ここでもP残基及び酸性アミノ酸は10量体において寛容されなかった。更に、10量体における1位において、芳香族残基がA2.1バインダーの中でしばしば認められた。3位において、酸性アミノ酸はしばしば9量体及び10量体の両者の弱い結合能に関連していた。しかしながら、興味深いことに、9量体では3位の芳香族残基が好ましいが、10量体では脂肪族残基(L,V,I,M)が好ましかった。
これらのモチーフを利用して同定した長さが約9及び10個のアミノ酸の免疫原性ペプチドを表1〜2に記載した。
Figure 0003759738
Figure 0003759738
次にこれらのペプチドを、引用することで本明細書に組入れる係属中の共有出願 USSN 08/027,746 号に記載の特異的結合アッセイを利用して、適当なクラスI分子に結合するその能力について評価した。結合アッセイの結果を表3に示す。
Figure 0003759738
強力及び中程度のバインダーである免疫原性ペプチドをin vitro CTL応答を誘導するその能力について試験した。
このアッセイは下記の通りに実施した。
CTLエピトープを同定するため、 CTLを APCとして SAC-I活性化PBMCにより刺激した。それにおいてはβ−2ミクログロブリンが不安定となる MHCの低温発現を、PBMC APCを作製するために、酸ストリッピングに加えて利用した。
完全培養培地。この研究において利用した組織培養培地は、2mMのL−グルタミン(Irvine Seientific)、 0.5mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco) 、 100U/ 100μg/mlのペニシリン/ストレプトマイシン(Irvine)及び5%の熱不活性化AB型ヒト血清(RPMI/5% HS ;Gemini Bioproducts)の添加された Hepes抜きのRPMI 1640(Biowhittaker) より成る。 EBV形質転換化系の増殖において用いた培養培地はヒト血清の代わりに10%の熱不活性化胎児牛血清(RPMI/10%の FCS、Irvine)を含んだ。
サイトカイン。Sandozより組換ヒトインターロイキン−2(rIL-2) 及びインターロイキン−4(rIL-4) を入手し、そしてそれぞれ10μg/ml及び10μg/mlの最終濃度で使用した。ヒトインターフェロン−γ(IFN-γ)及び組換ヒトインターロイキン−7(rIL-7) は Genzymeより入手し、そしてそれぞれ20U/ml及び10ng/mlで使用した。
ペプチド。ペプチドは自動合成装置で合成し、そして表1に記載してある。ペプチドを 100%のDMSOの中に20mg/mlに通常通りに希釈し、小分けし、そして−70℃で保存した。クラスI結合能において5倍以上相違しないペプチドのプールを2〜3種のペプチド/プールで試験した(もしプールが特異的ペプチドについて考えられないのなら、個別のペプチドを試験した)。
細胞系。JY, Steinlin, EHM, BVR及びKT3はそれぞれ HLA A2.1, A1, A3, A11及び A24を発現するホモ接合ヒト EBV形質転換化B細胞系である。これらはRPMI/10% FCSの中で増殖させる。RPMI/10% FCSの中で増殖させたK562, NK細胞感受性エリトプラストーマ細胞系をバックグランド殺傷の低下のために用いた。
末梢血液単核細胞(PBMC)の単離。全血をヘパリン含有シリンジの中に集め、そして50ccのチューブの中で1600RPM(Beckman GS-6KR) で15分遠心した。血漿層を取り除き、そして10mlのバッフィーコートをピペットにより円運動を利用して集めた(チューブの底から更に2mlを10mlの中に含ませた)。このバッフィーコートをよく混合し、そして等容量のRPMIで希釈した。このバッフィーコート(30ml)を20mlのフィコール−パック(Pharmacia) の上に載せ、そして1850RPM (400g)で20分、25℃で、ブレーキをオフにして遠心した。フィコールとPBMC含有血漿との間の界面を分注ピペットで回収し(50mlのチューブ当り2界面)、そして50mlのRPMI(1700, 1500及び 1300RPMで10分)で3回洗った。細胞を10〜20mlの培養培地に再懸濁し、計測し、そして適当な濃度に調整した。
PBMCの凍結。3000万個の細胞/チューブ(90%の FCS/10% DMSO ; Sigma)をイソプロパノール(Fisher)を含むNalgene Cryo 1℃フリージング・コンテナーの中に入れ、そして−70℃で4hr(最短)〜一夜(最長)置いた。イソプロパノールは5分毎に交換した。チューブを液体窒素に長期保存のために移した。解凍のため、PBMCを37℃の湯浴の中で、最後の結晶がほぼ解凍するまで連続振盪した(チューブは常に湯浴又は室温において静置しないようにさせた)。細胞を無血清RPMIに希釈し、そして2回洗った。
APCとして SAC-I活性化PBMCを用いる一次 CTLの誘導
a. APCの調製:PBMCを標準のフィコール・パックプロトコールを利用して精製し、そして 0.005%の Pansorbin細胞(プロテインAを発現する SAC-I細胞;Calbiochem)、20μg/mlのイムノビーズ(ウサギ抗ヒト IgM;Bio Red)及び20ng/mlのヒト rIL-4を含むRPMI/5% FCSの中で1×106 /mlに再懸濁した。ウェル当り2mlの細胞を24穴プレート(Falcon, Becton Dickinson)の中でプレート培養し、そして37℃で培養した。3日後、この培地を除去し、そして細胞を3回洗い、そしてRPMI/10% HS を加えた。細胞はRPMI/10% HS の中で更に2日間培養した後に用いた。
b. APCの表層上でのエンプティークラスI分子の発現及び APCのペプチド負荷
1.低温インキュベーション:
a. APCにおけるエンプティー MHCの発現: APCを、10ng/mlの rIL-4、20U/mlのヒトIFN-γ及び3μg/mlのβ−ミクログロブリン(β2m)を含む完全培養培地(セクション#1)の中で2×106 /mlの濃度に調整した。次いで細胞を5%の CO2の存在下で26℃で一夜インキュベートした。これらの細胞はほんのわずかなクラスI分子を空虚な(empty) 状態で発現する(〜10%)。
b. APC刺激性細胞のペプチド負荷:エンプティークラスI発現性 APCを無血清RPMI(+L−グルタミン及びHepes)で1〜2回洗い、そして全部で50μg/mlのペプチドプール(即ち、3プールにおいては16.7μg/mlづつ;2プールにおいては25μg/mlづつ;そして個々のプールにおいては50μg/ml)、30μg/mlの DNAse及び3μg/mlのβ2mを含む無血清RPMIの中で1×107 において再懸濁した。20℃で4時間のインキュベーション後、これらの細胞を 6100radで照射し(5×106 /ml;2500万細胞/チューブ)、洗い、そして誘導培養に添加するのに適当な濃度に調整した(以下参照)。
2.酸ストリッピング:これは APCの表層上でエンプティー MHCを作るための別の方法として利用した。 SAC-I活性化PBMCを1%の BSAを含む低温の 0.9%の食塩水(J.T.Baker) の中で一回洗った。これらの細胞を1%の BSA及び3μg/mlのβ2mを含む低温クエン酸−リン酸バッファー(0.13MのL−アスコルビン酸〔J.T.Baker 〕,0.06Mのリン酸ナトリウムモノベース〔Sigma 〕、pH3)の中で 107/mlに再懸濁した。2分後、1%の BSA、3μg/mlのβ2m及び10μg/mlのペプチドを含む5容量の低温の0.15Mのリン酸ナトリウムモノベースバッファー、pH 7.5(中和バッファー#1)を加え、そしてこの細胞を 1500RPMで4℃で5分遠心した。
この細胞を1%の BSA、30μg/mlの DNase、3μg/mlのβ2 ミクログロブリン及び50μg/mlのペプチドを含む1mlの低温PBS(中和バッファー#2)の中に再懸濁し、そして20℃で4時間インキュベートした。上記の通りにして、20℃で4時間のインキュベーション後、その細胞を 6100radで照射し(5×106 /ml;2500万細胞/チューブ)、洗い、次いで誘導培地に加えるために適当な濃度に調整した(以下参照)。
c.CD4+の枯渇したPBMCレスポンダー細胞集団の調製(AISフラスコを用いるリンパ球サブ集団の枯渇)
AISマイクロコレクター T-150フラスコ(CD4+ T細胞の枯渇のための製品;Menlo Park, CA)を25mlの PBS/1mMのEDTAを加えることによりプライミングし、表面全体が湿るようにゆらし、次いで結合表層を室温にまで下げて1hインキュベートした。インキュベーション後、フラスコを強く30秒間振盪し、 PBS/EDTAで1回洗い、更に PBSで2回洗い、次いで25mlの培養培地と15分インキュベートした。PBMCを30μg/mlの DNAseを含む無血清RPMI(+L−グルタミン+Hepes)の中で解凍し、そして培養培地の中で15分インキュベートした。
フラスコから培養培地のアスピレーションした後、 18000万個のPBMCを30μg/mlの DNAseを含む25mlの培養培地に加えた。室温で1時間後、このフラスコを10秒間ゆっくりとゆらして非接着細胞を再懸濁した。CD8+ T細胞を含むこの非接着細胞懸濁物を集め、そしてフラスコを PBSで2回洗った。CD4+ T細胞枯渇PBMCを遠心し、そして誘導培地への添加のために計測した。CD4+枯渇細胞集団のCD4+及びCD8+表現型をFACS分析により決定した(以下参照)。一般に、この技術はCD8+ T細胞を2倍濃縮し、平均してCD4+ T細胞を枯渇を経て約40〜50%のCD8+ T細胞及び15〜20%の残基CD4+ T細胞となった。
d.一次 CTLの誘導。刺激性 APCの4時間のペプチド負荷の際、レスポンダー集団として利用するCD4+枯渇PBMCを、CD4+ T細胞を枯渇(上記)を通じてCD8+ T細胞を選択するために AISフラスコを利用して調製した。このレスポンダー細胞を1mlの容量(24穴プレート)の中で3×106 /mlでプレート培養し、そしてペプチド負荷刺激性 APCが調製されるまで37℃に置いた。照射を付したペプチド負荷 APCを無血清RPMI(+Lグルタミン及びHepes)で1回洗い、完全培地の中で適当な濃度に調整し、そして24穴プレートに1ml/プレートでプレート培養した:PBMCに関して、1×106 の刺激性細胞(1mlの容量)をレスポンダー細胞含有ウェルの中でプレート培養した。
SAC-I活性化PBMC及び PHAブラストについては、1mlの3×105 /mlの刺激性細胞を各ウェルの中でプレート培養した。最終濃度が10μg/mlの更なるペプチドを、10ng/mlの最終濃度のrIL-7(全部で2mlの容量)の他に加えた。この細胞を12日間培養した。(「パルスのみ」の誘導プロトコールについては、培地に追加の10μg/mlの可溶性ペプチドは加えなかった)。12日目、その培養物をペプチドでパルスした接着細胞で再刺激し、そして7日後に細胞溶解活性について試験した(以下)。
接着性 APCを利用する一次 CTLの再刺激についてのプロトコール。PBMCを30μg/mlの DNAseを含む無血清RPMI(+Lグルタミン及びHepes)の中で解凍し、2回洗い、そして DNAseを含む培養培地の中で5×106 /mlに調整した。PBMC(2500細胞/5mlのチューブ)を 6100Rで照射した。1回の洗浄後、このPBMCを培養培地に再懸濁し、そして4×106 /mlに調整した。1mlの照射PBMCを24穴プレートのウェル当りに加えた。このPBMCを37℃で2時間インキュベートし、非接着細胞を除くために3回洗い、そして 0.5mlの容量の中に加えた20μg/mlの総ペプチド及び3μg/mlのβ2 ミクログロブリンを含む培地の中で培養し、そして再び37℃で2時間インキュベートした。このペプチドをアスピレートし、そして培養培地の中に再懸濁した 1.5×106 のレスポンダー細胞を1mlの容量に加えた。2日後、20U/mlの rIL-2を含む1mlの培養培地を加えた。
FACS分析。 100万個の細胞/チューブを遠心し、チューブ当り 100μlの PBS/ 0.1%の BSA/0.02%のアジ化ナトリウム(Sigma)とチューブ当り10μlの直接コンジュゲーション型抗体(Becton Dickinson)の中に再懸濁し、そして15〜20分インキュベートした。次いで細胞を PBS/ 0.1%の BSA/0.02%のアジ化ナトリウムで2回洗い、そして PBSの中で再懸濁して FACScanで分析した(Becton Dickinson) 。1〜2日以内にサンプルを分析することができないとき、細胞を1%のパラホルムアルデヒド(Fisher)を含む PBSで固定し、そして1週間以内に分析した。
細胞障害性アッセイ
a.標的細胞の調製。 CTLアッセイの約16〜20時間前、標的細胞(クラスIマッチ EBV形質転換化系)を1回洗い、そして10μg/mlの全ペプチドの存在下又は非存在下でRPMI/5% FCSの中で3×105 /mlで10mlの容量において再懸濁した。
b.標的細胞のラベリング:標的細胞を遠心し、そして 200μl/チューブのナトリウム51Crクロメート(NEN) に再懸濁し、次いで37℃で1時間シェーカー上でインキュベートした。標的をRPMI/10% FCSで3回洗い(10ml/洗浄)、そして10mlに再懸濁した(ラベルの効率を調べるため、50μl/標的をMicromedic自動ガンマーカウンターで計測した)。
c. CTLアッセイ。標的細胞を2×105 /mlに調整し、そして50μlの細胞培養物をU底96穴プレート(Costor Corp.)の各ウェルに1×104 /ウェルの最終濃度となるように加えた。K562細胞を1回洗い、4×106 /mlに再懸濁し、そして50μl/ウェルを2×105 /ウェルとなるように加えた(低K562、対、標的の比は20:1とした)。レスポンダー細胞を1回洗い、9×106 /mlに再懸濁し、そして90:1,30:1,10:1及び3:1のエフェクター、対、標的の比とするために3倍系列希釈を実施した。レスポンダー細胞をデュプリケートのウェルの中で 100μlの容量で加えた。自発的遊離のため、50μl/ウェルのラベル化標的細胞、50μl/ウェルのK562及び 100μl/ウェルの培地を加えた。
最大遊離のため、50μl/ウェルの標的、50μl/ウェルのK562及び 100μl/ウェルの 0.1%のトリトン−X100(Sigma) を加えた。プレートを 1200rpmで5分遠心した。37℃で5時間のインキュベーション後、プレートを再び 1200rpmで5分遠心し、そして 100μl/ウェルの上清液を回収した。標準ガンマー計測技術(Micromedic自動ガンマーカウンター; 0.5分/チューブ)を次の式に従って%比溶解を決定するために用いた:%比溶解= cpm実験値− cpm自発遊離/ cpm最大遊離− cpm自発遊離×100 。
CTLアッセイは、最も高い2つのエフェクター、対、標的(E:T)比で特異的なペプチドで感作した標的の CTLによる溶解力がコントロール標的(即ち、ペプチド抜きの標的細胞)の溶解力よりも15%高いとき、陽性と考えられる。細胞障害性活性は、最も高い2つのE:Tの比で特異的ペプチドにより感作した標的の CTLによる溶解力がコントロール標的の溶解力よりも6%高いときにボーダーラインであると考えられる。表示のアレルに結合する63種のMAGEペプチドのうち、12が一次 CTL応答を誘導した。
本発明を例示の目的で詳しく説明してきたが、一定の変更及び改良を本発明の範囲を逸脱することなく施せることが理解されるであろう。
図1-1は、全長ヒトMAGE-1タンパク質のヌクレオチド配列及びアミノ酸配列を示す。 図1-2は、図1-1の続きである。 図1-3は、図1-2の続きである。 図2は、全長ヒトMAGE-1タンパク質の新たに発見されたC末端部分のヌクレオチド配列及びアミノ酸配列である。 図3-Aは、ヒトMAGE-1タンパク質のC末端部分に由来する新たに同定されたペプチドMAGE1N/A2.1に特異的なCTL応答を示すグラフである。 図3-Bは、ヒトMAGE-1タンパク質のC末端部分に由来する新たに同定されたペプチドMAGE/A3に特異的なCTL応答を示すグラフである。 図3-Cは、ヒトMAGE-1タンパク質のC末端部分に由来する新たに同定されたペプチドMAGE/A11に特異的なCTL応答を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 配列番号:24に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド。
  2. 配列番号:24に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする単離された DNA。
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