JP3759221B2 - 広角レンズ系 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、広角レンズ系に関し、特に、焦点距離の極めて短い結像レンズ系と電子撮像素子との間にプリズムやフィルター等の多くの光学素子を挿入するために、焦点距離に対して長いバックフォーカスを確保し、かつ、加工組立性の良好な小型で構成枚数の少ないシンプルな電子カメラ用広角撮影レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、銀塩35mmフィルム(通称ライカ版)カメラに代わる次世代カメラとして電子カメラ(デジタルカメラ)が注目されつつある。そのデジタルカメラの撮像素子として用いられるもののサイズは、銀塩35mmフィルムの場合と比較すると、対角長で数分の一から十数分の一である。したがって、同じ画角の画像を得る場合、結像レンズ系の焦点距離をそれに比例して極めて短くする必要が出てくる。理屈の上からはレンズ系のサイズもそれに比例して極めて小さくなるため、構成要素も当然その分だけ小さくなる。したがって、レンズの加工は困難を極めることになる。一方では、電子撮像素子の特性上、結像レンズ系からの光線射出角が極力撮像素子に対して垂直であることが望まれる。したがって、従来の銀塩35mmフィルムカメラ用の広角レンズ系(例えば、レトロフォーカスレンズ系)をそのまデジタルカメラ用とするのは困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、レンズ構成要素の緑肉や中肉の厚みや組立上必要なスペースを十分確保することを行いつつも、所定のバックフォーカスや射出瞳位置、かつ、良好な結像性能を有したデジタルカメラに適した小型で構成枚数の少ないシンプルで製作性の良好な広角レンズ系を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の広角レンズ系は、物体側から順に、負・正の2つの群で構成され、さらに、その中間に開口絞りを有し、
前記負の群は、物体側から順に、正レンズ、像側が凹面の負メニスカスレンズの2枚のレンズからなり、
前記正の群は、物体側から順に、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、両凸正レンズ、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズの2枚接合レンズの3枚のレンズからなり、
前記負の群における最も物体側の前記正レンズのパワーと形状に関して以下の条件を満足することを特徴とするものである。
2.5<f1 /f<10 ・・・(1)
−2.5<(r11+r12)/(r11−r12)<−0.7 ・・・(2)
0.25<d1 /f<0.8 ・・・(3)
ただし、fは全系の焦点距離、f1 、r11、r12、d1 は、それぞれ前記の最も物体側の正レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径、光軸上の厚みである。
【0005】
本発明のもう1つの広角レンズ系は、物体側から順に、負・正の2つの群で構成され、さらに、その中間に開口絞りを有し、
前記負の群は、物体側から順に、正レンズ、像側が凹面の負メニスカスレンズの2枚のレンズからなり、
前記正の群は、負レンズと2枚の両凸レンズの3枚のレンズからなり、
最も像側のレンズが前記両凸レンズの一方であり、その最も像側の両凸レンズのパワーと形状に関して以下の条件を満足することを特徴とするものである。
1.4<fR /f<3 ・・・(4)
−0.5<(rR1+rR2)/(rR1−rR2)<0.5 ・・・(5)
0.5<dR /f<1 ・・・(6)
ただし、fは全系の焦点距離、fR 、rR1、rR2、dR は、それぞれ前記の最も像側の両凸レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径、光軸上の厚みである。
【0006】
本発明のさらにもう1つの広角レンズ系は、物体側から順に、負・正の2つの群で構成され、さらに、その中間に開口絞りを有し、
前記負の群は、物体側から順に、正レンズ、像側が凹面の負メニスカスレンズの2枚のレンズからなり、
前記正の群は、負レンズと2枚の両凸レンズの3枚のレンズからなり、
最も像側のレンズが前記両凸レンズの一方であり、その最も像側の両凸レンズ及び最も物体側の前記正レンズのパワーと形状に関して以下の条件を満足することを特徴とするものである。
2.5<f1 /f<10 ・・・(1)
1.4<fR /f<3 ・・・(4)
−2.5<(r11+r12)/(r11−r12)<−0.7 ・・・(2)
−0.5<(rR1+rR2)/(rR1−rR2)<0.5 ・・・(5)
0.25<d1 /f<0.8 ・・・(3)
0.5<dR /f<1 ・・・(6)
ただし、fは全系の焦点距離、f1 、r11、r12、d1 は、それぞれ前記の最も物体側の正レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径、光軸上の厚み、fR 、rR1、rR2、dR は、それぞれ前記の最も像側の両凸レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径、光軸上の厚みである。
本発明のさらにもう1つの広角レンズ系は、物体側から順に、負・正の2つの群で構成され、さらに、その中間に開口絞りを有し、
物体側から順に、前記の負群は、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズ、像側に凹面を向けた負のメニスカスレンズの2枚のレンズであり、物体側から順に、前記の正群は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、両凸レンズ、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズの合計3枚のレンズであり、前記の正群における負レンズは隣接する正レンズと接合され、
前記負の群における最も物体側の前記正レンズのパワーと形状に関して以下の条件を満足することを特徴とするものである。
2.5<f1 /f<10 ・・・(1)
−2.5<(r11+r12)/(r11−r12)<−0.7 ・・・(2)
0.25<d1 /f<0.8 ・・・(3)
ただし、fは全系の焦点距離、f1 、r11、r12、d1 は、それぞれ前記の最も物体側の正レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径、光軸上の厚みである。
本発明のさらにもう1つの広角レンズ系は、物体側から順に、負・正の2つの群で構成され、さらに、その中間に開口絞りを有し、
物体側から順に、前記の負群は、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズ、像側に凹面を向けた負のメニスカスレンズの2枚のレンズであり、物体側から順に、前記の正群は、両凹レンズ、2枚の両凸レンズの合計3枚のレンズからなり、
前記負の群における最も物体側の前記正レンズのパワーと形状に関して以下の条件を満足することを特徴とするものである。
2.5<f1 /f<10 ・・・(1)
−2.5<(r11+r12)/(r11−r12)<−0.7 ・・・(2)
0.25<d1 /f<0.8 ・・・(3)
ただし、fは全系の焦点距離、f1 、r11、r12、d1 は、それぞれ前記の最も物体側の正レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径、光軸上の厚みである。
【0007】
以下に、本発明において上記構成をとる理由と作用、また、更に好ましい構成について説明する。
【0008】
デジタルカメラ用の結像レンズ系は、撮像素子のサイズが小さく、かつ、広角レンズ系であるために、焦点距離は極めて短く、一方では、フィルターや撮像素子のカバーガラスのためのスペースを確保をするために、バックフォーカスを焦点距離以上にする必要がある。そのために、本発明においては、物体側から順に、負・正の2つの群から構成した。したがって、後群にパワーが集中するため、レンズ枚数は後群に多くなり、一方では、レンズ構成要素の縁肉、中肉等を確保するために空気間隔はできるだけ詰める関係上、従来の銀塩35mmフィルム(通称ライカ版)カメラ用の広角レンズ系のように後群に絞りを入れることはせず、前記の2つの群の中間に開口絞りを設けた。
【0009】
また、このように後群の厚みが増える傾向にあるため、バックフォーカスの確保のために、前記2つの群のそれぞれのパワーをさらに大きくする必要がある。これらの群のパワーを大きくすると、著しい湾曲収差が発生し、監視カメラならともかく、一般のデジタル写真用としては甚だ具合が悪い。そこで、本発明では、前記負の群(前群)の最も物体側に以下の条件を満足するような正レンズを配置した。そして、その焦点距離と形状ファクターを次のように規定した。
【0010】
2.5<f1 /f<10 ・・・(1)
−2.5<(r11+r12)/(r11−r12)<−0.7 ・・・(2)
ただし、fは全系の焦点距離、f1 、r11、r12は、それぞれ前記の最も物体側の正レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径である。
【0011】
上記条件(1)の上限の10を越えると、歪曲収差補正効果が不足して、樽型の歪曲収差が発生しやすく、好ましくない。また、このレンズは色収差補正、そして、コマ収差、像面湾曲補正を兼ねており、これらの補正効果も少なくなる。一方、下限値の2.5を越えると、前群の負のパワーを維持するために高次の収差が発生しやすく、広い画角にわたって結像性能を維持し得なくなる。
【0012】
また、条件(2)の上限−0.7、下限−2.5を越えると、コマ収差が悪化するが、特に下限を越えると、高次の倍率色収差、歪曲収差への悪影響が大きい。上限を越えると、非点収差への悪影響が大きい。
【0013】
なお、本発明において、構成上の作用効果が得られる前提条件がある。それは、前述のようなデジタルカメラ用光学系として成り立つ条件である。つまり、レンズ構成要素の加工、組立上の条件、つまり、縁肉を十分に確保するための前提条件であり、次のように規定される。
0.25<d1 /f<0.8 ・・・(3)
ただし、d1 は前記の最も物体側の正レンズの光軸上の厚みである。
【0014】
条件(3)の下限の0.25を越えると、縁肉確保が十分できず、加工が困難になる。一方、上限の0.8を越えると、正レンズ先行型が往々にして陥りやすい径の大型化が問題となってくる。
【0015】
次に、デジタル写真用として、前述の如く射出側テレセントリックにする必要がある。これを実施した場合、従来の銀塩35mmフィルムカメラ用の広角レンズ系と異なり、最も像側のレンズへの軸外光束の入射、射出角が大きく異なり、光軸に対しより小さくなっている。しかも、切る高さが軸上マージナル光線高や焦点距離のわりに高く、元来収差が発生しやすい。この軸外光束に対する収差を極小とするには、入射、射出角をそれぞれ小さくする必要がある。そのためには、最も像側レンズを両凸レンズとする必要がある。さらに、その焦点距離と形状ファクターを以下の範囲とするのがよい。
【0016】
1.4<fR /f<3 ・・・(4)
−0.5<(rR1+rR2)/(rR1−rR2)<0.5 ・・・(5)
ただし、fR 、rR1、rR2は、それぞれ前記の最も像側の両凸レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径である。
【0017】
これらの範囲を何れの方向に越えても、軸上、軸外光束の収差(特に、球面収差、コマ収差、非点収差)の補正が困難となる。さらに、条件(5)については、
−0.1<(rR1+rR2)/(rR1−rR2)<0.4 ・・・(5')
とすればよりよくなる。
【0018】
なお、本発明の構成上の作用効果が得られる前提条件がある。それは、前述のようなデジタルカメラ用光学系として成り立つ条件である。つまり、レンズ構成要素の加工、組立上の条件、つまり、縁肉を十分に確保するための前提条件であり、次のように規定される。
0.5<dR /f<1 ・・・(6)
ただし、dR は前記の最も像側の両凸レンズの光軸上の厚みである。
【0019】
この条件(6)の下限の0.5を越えると、縁肉確保が十分できず、加工が困難になる。一方、上限の1を越えると、径が大きくなりやすく、また、バックフォーカスの確保が困難になる。
【0020】
先にも述べたように、最も像側のレンズでは、軸外光束の切る高さが軸上マージナル光線高や焦点距離のわりに高く、また、このレンズ要素はパワーも大きくなるため、元来収差が発生しやすい。この軸外光束に対する収差を極小とするため、入射、射出角をそれぞれ小さくするような形状にするのがよいが、画素のピッチが細かく、高い解像力が必要な場合、これだけでは不十分である。後群のパワー確保と収差補正を両立させるためには、正レンズの枚数を増加するという常套手段があるが、先にも述べたように、小型化やバックフォーカス確保のため、増加するスペースがない。そこで、構成枚数を増加せずに収差補正を良好に実施するため、前記の最も像側の両凸レンズに非球面を導入し、それを物体側の面にした。それは、軸上、軸外共収差補正効果が著しく高く、かつ、加工がしやすいためである。特に、後の理由は、非球面の有効径の対製品径の比は極力小さい方がよいが、そのためにわざわざ製品径を大きくすると、縁肉が不足してレンズ厚を大きくしなくてはならない。それは、今までの議論から分かる通り都合が悪い。一方、このレンズは像側の方が有効径が大きいため、製品径は像側の事情で決まる。したがって、非球面の有効径の対製品径の比は小さくしやすく、好ましい。
【0021】
0.5<DSR1 /f<3 ・・・(7)
0.2<(DSR2 −DSR1 )/DSR1 <3 ・・・(8)
ただし、DSR1 は前記の最も像側の両凸レンズの物体側の面の開口絞りからの距離、DSR2 は前記の最も像側の両凸レンズの像側の面の開口絞りからの距離である。
【0022】
条件(7)は非球面の絞りからの距離を規定したものである。下限の0.5を越えると、非球面の各収差への補正効果が小さくなり、好ましくない。上限の3を越えると、バックフォーカスの確保が困難になる。条件(8)は最も像側のレンズの非球面(物体側)と像側の面の絞りからの距離の差をその非球面(物体側)の絞りからの距離で割った値を規定したものである。下限の0.2を越えると、両面の有効径の差が小さく、非球面の有効径の対製品径の比は小さくし難く、これを小さくするために製品径を大きくせざるを得ず、好ましくない。上限の3を越えると、バックフォーカスの確保が困難になる。なお、像側面は球面であってよい。
【0023】
さて、前群は負の屈折力を有するので、負レンズ要素が必要である。そして、それは前記の最も物体側の正のメニスカスレンズと開口絞りの間に配置される。また、その負レンズは比較的パワーが大きくなるため、特に軸外収差への影響が大きい。したがって、この軸外光束に対する収差を極小とするため、入射、射出角をそれぞれ小さくする必要がある。そのため、少なくとも像側に強い凹面を向けた負のメニスカスレンズが必要となる。一方、焦点距離に対しかなりの厚肉系であり、かつ、構成要素が少ないため、このレンズ系全体は、特に色収差、像面湾曲の補正も困難である。中でも像面湾曲と色収差を同時に補正するには、後群の正レンズの屈折率、アッベ数共に高く、負レンズはその逆としたいが、現実にそれを満足するガラスが存在しない。一方、前群では正レンズの屈折率は高く、アッベ数は低く、負レンズはその逆となるので、現実の硝材での組み合せがある程度可能である。そこで、
0.2<n1 −n2 <0.45 ・・・(9)
10<ν2 −ν1 <60 ・・・(10)
0.5<D2S/f<1.5 ・・・(11)
ただし、n1 、ν1 はそれぞれ前記の最も物体側の正レンズの媒質屈折率とアッベ数、n2 、ν2 はそれぞれ前記の像側に強い凹面を向けた負のメニスカスレンズの媒質屈折率とアッベ数、D2Sは前記の負のメニスカスレンズの最も像側の面から前記開口絞りまでの距離である。
【0024】
条件(9)、(10)はそれぞれ前群の2枚のレンズの屈折率差、アッベ数差を規定したものであるが、共に下限値を越えると、像面湾曲、色収差の補正が十分に行えない。一方、上限側には現実の硝材がない。なお、後群に比べ前群はパワーが小さいため、少々径を大きくしても縁肉の確保は容易である。したがって、絞り面つまり軸上マージナル光線を決定する面(部材)は極力後群に近付け、絞り関連の部材の挿入等は絞りよりも前にするようにし、そのためのスペースの確保が必要である。
【0025】
条件(11)は負メニスカスレンズの最も像側の面から絞りまでの距離を規定したものである。言うなれば、これは本発明構成上の作用効果が得られる前提条件である。それは、前述のようなデジタルカメラ用光学系として成り立つ条件である。つまり、組立上の条件、すなわち、絞り等の部材挿入に係わるスペースを確保するための前提条件である。下限の0.5を越えると、絞り等の部材挿入に係わるスペースを十分確保できないし、また、前後群の主点位置が近くなりすぎ、バックフォーカス確保のために両群共パワーが大きくなりがちで、好ましくない。上限の1.5を越えると、前群の径が大きくなりやすい。
【0026】
また、前記の像側に強い凹面を向けた負メニスカスレンズを1枚のみとしたとき、その像側の曲率の大きい凹面は前群の主たるパワーとなっているので、極力軸外収差への影響を少なくするために、その曲率中心を絞り面と光軸との交点に近くした方がよい。すなわち、
0.3<r22/f<1 ・・・(12)
ただし、r22は前記の負のメニスカスレンズの最も像側の面の曲率半径である。この条件の下限値の0.3を越えると、軸外収差が悪化しやすく、また、半球に近い凹面となり、加工が困難となる。上限の1を越えると、前群の負のパワーが維持できなくなる。
【0027】
さらに、後群については、パワー、結像性能、バックフォーカスの確保、径の小型化の点で、絞りと最も像側の両凸レンズの間に、正レンズ、負レンズ共各1枚ずつにするとよい。そして、次の条件を満足することが好ましい。
2<(DS41 +DS42 +DSR1 +DSR2 )/2(DS31 +DS32 )<10・・・(13)
ただし、DS31 、DS32 、DS41 、DS42 はそれぞれ開口絞りから負レンズの物体側の面、像側の面と、正レンズの物体側の面、像側の面までの距離、DSR1 は前記の最も像側の両凸レンズの物体側の面の開口絞りからの距離、DSR2 は前記の最も像側の両凸レンズの像側の面の開口絞りからの距離である。
【0028】
条件(13)は収斂面の絞りからの距離の平均値と発散面の絞りからの距離のの比を規定したものである。射出側テレセントリックとするには、絞り位置に対し、後群の前側焦点位置が一致すればよいが、上記条件の下限の2を越えると、絞り位置に対し後群の前側焦点位置が物体側に離れて行き、射出側テレセントリックの確保が難しくなる。上限の10を越えると、同様に、射出側テレセントリックの確保が難しくなり、かつ、最も像側の正レンズの必要有効径が大きくなりすぎ、好ましくない。
【0029】
なお、絞りと最も像側の両凸レンズの間の構成は、バックフォーカス長の確保、各収差補正(特に、色収差、ペッツバール和、球面収差、コマ収差)、組立性の点で、物体側から、負レンズ、正レンズの順で接合したものがよい。球面収差補正の点で、軸上光線高が比較的高く、物体側に向かって凹面を向けた面が必要であるが、一方では、それをコマ収差を始めとする軸外の収差の発生を極力少なくしようとした場合、その面への軸外光束の入射角を小さくする、つまり、瞳像点に対して曲率中心が近いのが好ましい。それらを両立させるには、後群の最も物体側の面を凹面とするのが好ましい。すると、後群の最も物体側のレンズは負レンズとし、次に正レンズの順とするのがよい。なお、この並び順は倍率色収差の補正がし難いので、どうしてもこの2つのエレメントのパワーを大きくする必要がある。したがって、両者を接合として、接合面の曲率半径を小さくするのがよい。すなわち、
1<r41/f<4 ・・・(14)
ただし、r41は前記正レンズの物体側の面の曲率半径である。
【0030】
この条件(14)の上限値の4を越えると、倍率色収差の補正が困難となり、下限値の1をを越えると、正レンズの縁肉が不足して、好ましくない。一方では、その接合面で球面収差の補正効果を得るために、負レンズの方の屈折率を高くする関係上、ペッツバール和が大きくなる方向であることも問題である。したがって、両レンズの屈折率差は極力小さくするのがよい。すなわち、
0<n3 −n4 <0.2 ・・・(15)
ただし、n3 、n4 はそれぞれ前記負レンズ、正レンズの媒質屈折率である。
【0031】
この条件(15)の上限値の0.2を越えると、ペッツバール和が大きくなりすぎ、下限値0を越えると、球面収差補正効果がなくなり、補正不足となる。また、構成枚数も少ないので、屈折率そのものも高い方がよい。
【0032】
1.6<n4 <1.85 ・・・(16)
上限値の1.85を越えると、現実の硝材が存在しなくなり、下限値の1.6を越えると、レンズの曲率が大きくなり、縁肉確保が難しい。
【0033】
なお、レンズ系の絶対的サイズが極めて小さいため、絞りと後群の最も物体側の凹面との間にレンズを固定する鏡枠部位のためのスペースの確保が難しい。一方、軸外光束の光線高の関係上、正レンズの方が径が大きくなるので、径のより小さな負レンズを正レンズに接合してその正レンズの両面を抑えて固定するのがよい。それは、負レンズが正レンズより十分に径が小さいときにのみ可能な組み立て方式である。つまり、負レンズの像側の面の有効径が正レンズの像側の面の有効径より十分に小さくなる条件が必要である。すなわち
0.5<(DS42 −DS41 )/DS41 <4 ・・・(17)
を満足することが望ましい。下限値の0.5を越えると、負レンズの像側の面の有効径と正レンズのそれとの差が少なくなり、正レンズのみを枠に固定し難くなる。上限値の4を越えると、正レンズの厚みが大きくなり、最も像側のレンズの径が大きくなりすぎ、好ましくない。
【0034】
さらに、以下の条件を満足するのが好ましい。
−5<fN /f<−1.5 ・・・(18)
0.7<fP /f<2 ・・・(19)
1<DFS/f<3 ・・・(20)
1<DSR/f<5 ・・・(21)
ただし、fN 、fP は前記のそれぞれ負群、正群の合成焦点距離、DFSは最も物体側の面から開口絞りまでの距離、DSRは開口絞りから最も像側の面までの距離である。
【0035】
条件(18)ないし(21)は、焦点距離が数mmと極めて短く、そのために絶対的サイズの極めて小さな撮影レンズに対し、サイズと組立性や鏡枠設定可能性のバランスを良くするための条件である。これらのパラメータは、全般に焦点距離の長い光学系に比べると大きい。これらの条件の下限値を越えると、レンズの径や空気間隔が小さすぎて鏡枠設計や組立が困難となる。上限値を越えると、光学系が大きくなる。
【0036】
なお、全体を通じ、(1)〜(21)各条件の範囲を以下のように限定すればさらに良好である。
3.5<f1 /f<5 ・・・(1)’
−2<(r11+r12)/(r11−r12)<−0.7 ・・・(2)’
0.3<d1 /f<0.8 ・・・(3)’
1.5<fR /f<2.5 ・・・(4)’
−0.3<(rR1+rR2)/(rR1−rR2)<0.3 ・・・(5)’
0.6<dR /f<1 ・・・(6)’
0.8<DSR1 /f<2 ・・・(7)’
0.5<(DSR2 −DSR1 )/DSR1 <2 ・・・(8)’
0.3<n1 −n2 <0.45 ・・・(9)’
35<ν2 −ν1 <60 ・・・(10)’
0.6<D2S/f<1.3 ・・・(11)’
0.4<r22/f<0.8 ・・・(12)’
2.5<(DS41 +DS42 +DSR1 +DSR2 )/2(DS31 +DS32 )<7・・・(13)’
1.4<r41/f<3.5 ・・・(14)’
0.03<n3 −n4 <0.17 ・・・(15)’
1.65<n4 <1.8 ・・・(16)’
1<(DS42 −DS41 )/DS41 <3 ・・・(17)’
−4<fN /f<−1.5 ・・・(18)’
0.7<fP /f<1.8 ・・・(19)’
1<DFS/f<2.5 ・・・(20)’
1.2<DSR/f<4 ・・・(21)’
ただし、以下の範囲がベストである。
【0037】
3.8<f1 /f<4.7 ・・・(1)”
−1.7<(r11+r12)/(r11−r12)<−0.7 ・・・(2)”
0.3<d1 /f<0.6 ・・・(3)”
1.6<fR /f<2.1 ・・・(4)”
−0.25<(rR1+rR2)/(rR1−rR2)<0.25 ・・・(5)”
0.65<dR /f<0.85 ・・・(6)”
1.0<DSR1 /f<1.7 ・・・(7)”
0.6<(DSR2 −DSR1 )/DSR1 <1.5 ・・・(8)”
0.3<n1 −n2 <0.4 ・・・(9)”
40<ν2 −ν1 <60 ・・・(10)”
0.7<D2S/f<1.1 ・・・(11)”
0.45<r22/f<0.65 ・・・(12)”
3.2<(DS41 +DS42 +DSR1 +DSR2 )/2(DS31 +DS32 )<4.5・・・(13)”
1.8<r41/f<2.5 ・・・(14)”
0.07<n3 −n4 <0.15 ・・・(15)”
1.67<n4 <1.78 ・・・(16)”
1.4<(DS42 −DS41 )/DS41 <2.4 ・・・(17)”
−3.5<fN /f<−1.8 ・・・(18)”
0.9<fP /f<1.5 ・・・(19)”
1.2<DFS/f<1.8 ・・・(20)”
1.6<DSR/f<2.8 ・・・(21)”

【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の広角レンズ系の実施例1〜3について説明する。
図1〜図3にそれぞれ実施例1〜3のレンズ系の断面図を示す。また、図4〜図6にそれぞれ実施例1〜3のレンズ系の収差図を示す。これらの収差図中、(a)は球面収差、(b)は非点収差、(c)は歪曲収差、(d)は倍率色収差である。
【0039】
実施例1は、図1に断面を示すように、物体側から順に、負群GN、開口絞りD、正群GP、フィルター、カバーガラス等の平行平面板群Fからなり、負群GNは、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズとからなり、正群GPは、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、両凸レンズ、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズの2枚接合レンズとからなる。また、正群GP中の正メニスカスレンズの像側の面に非球面を用いている。
【0040】
実施例2及び3は、それぞれ図2、図3に断面を示すように、物体側から順に、負群GN、開口絞りD、正群GP、フィルター、カバーガラス等の平行平面板群Fからなり、負群GNは、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズとからなり、正群GPは、両凹レンズ、両凸レンズの2枚接合レンズと、両凸レンズとからなる。また、正群GP中の像側の両凸レンズの物体側の面に非球面を用いている。
【0041】
各実施例のFナンバーは、実施例1〜3共2.79、像高は、実施例1が3.3、実施例2が3.0、実施例3が3.0、全系の焦点距離(f)は、実施例1〜3共5.15、半画角(ω)は、実施例1が32.65°、実施例2が30.22°、実施例3が30.22°である。
【0042】
以下に、上記各実施例の数値データを示すが、記号は、r1 、r2 …は各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのアッベ数である。なお、非球面形状は、光軸上光の進行方向をx、光軸に直交する方向をyとしたとき、次の式で表される。
Figure 0003759221
ただし、rは近軸曲率半径、A4、A6、A8、A10 はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。
【0043】
実施例1
1 = 17.8851 d1 = 1.8000 nd1 =1.84666 νd1 =23.78
2 = 336.9061 d2 = 0.2500
3 = 9.0262 d3 = 0.7500 nd2 =1.57501 νd2 =41.49
4 = 2.5636 d4 = 4.9923
5 = ∞(絞り) d5 = 2.8885
6 = -10.6871 d6 = 2.5116 nd3 =1.56384 νd3 =60.70
7 = -5.4539(非球面) d7 = 0.3493
8 = 9.1827 d8 = 5.7000 nd4 =1.56384 νd4 =60.70
9 = -4.8522 d9 = 0.8500 nd5 =1.84666 νd5 =23.78
10= -8.4474 d10= 1.5000
11= ∞ d11= 1.6000 nd6 =1.51633 νd6 =64.15
12= ∞ d12= 2.3000 nd7 =1.54771 νd7 =62.84
13= ∞ d13= 1.5000
14= ∞ d14= 0.7500 nd8 =1.48749 νd8 =70.21
15= ∞
非球面係数
第7面
A4 = 2.5592×10-6
A6 = 2.8708×10-5
A8 = 1.0675×10-5
A10= -9.2566×10-7
【0044】
実施例2
1 = 14.7669 d1 = 2.4000 nd1 =1.84666 νd1 =23.78
2 = 77.2137 d2 = 0.2500
3 = 8.6633 d3 = 0.7500 nd2 =1.48749 νd2 =70.21
4 = 2.6379 d4 = 3.8149
5 = ∞(絞り) d5 = 1.1000
6 = -9.4638 d6 = 1.2000 nd3 =1.84666 νd3 =23.78
7 = 12.0733 d7 = 3.6000 nd4 =1.72916 νd4 =54.68
8 = -5.5956 d8 = 0.1500
9 = 9.4226(非球面) d9 = 3.8000 nd5 =1.56384 νd5 =60.70
10= -12.3053 d10= 1.5000
11= ∞ d11= 1.6000 nd6 =1.51633 νd6 =64.15
12= ∞ d12= 2.3000 nd7 =1.54771 νd7 =62.84
13= ∞ d13= 1.0000
14= ∞ d14= 0.7500 nd8 =1.48749 νd8 =70.21
15= ∞
非球面係数
第9面
A4 = -3.1037×10-4
A6 = -2.4543×10-5
A8 = 2.1418×10-6
A10= -7.2117×10-8
【0045】
実施例3
1 = 14.4595 d1 = 2.3000 nd1 =1.84666 νd1 =23.78
2 = 73.2856 d2 = 0.2500
3 = 8.3092 d3 = 0.7500 nd2 =1.48749 νd2 =70.21
4 = 2.6330 d4 = 3.7620
5 = ∞(絞り) d5 = 1.1000
6 = -7.4826 d6 = 0.8000 nd3 =1.84666 νd3 =23.78
7 = 10.0000 d7 = 3.5000 nd4 =1.72916 νd4 =54.68
8 = -5.5677 d8 = 0.1500
9 = 10.1428(非球面) d9 = 3.6000 nd5 =1.56384 νd5 =60.70
10= -8.6705 d10= 1.5000
11= ∞ d11= 1.6000 nd6 =1.51633 νd6 =64.15
12= ∞ d12= 2.0200 nd7 =1.54771 νd7 =62.84
13= ∞ d13= 1.6500
14= ∞ d14= 0.7500 nd8 =1.48749 νd8 =70.21
15= ∞
非球面係数
第9面
A4 = -5.5278×10-4
A6 = -2.0032×10-5
A8 = 2.1245×10-6
A10= -8.0626×10-8
【0046】
次に、上記実施例1〜3の前記条件(1)〜(21)の値を示す。
Figure 0003759221
【0047】
以上の本発明の広角レンズ系は例えば次のように構成することができる。
〔1〕 物体側から順に、負・正の2つの群で構成され、さらに、その中間に開口絞りを有し、最も物体側のレンズが正レンズからなり、その正レンズのパワーと形状に関して以下の条件を満足することを特徴とする広角レンズ系。
【0048】
2.5<f1 /f<10 ・・・(1)
−2.5<(r11+r12)/(r11−r12)<−0.7 ・・・(2)
0.25<d1 /f<0.8 ・・・(3)
ただし、fは全系の焦点距離、f1 、r11、r12、d1 は、それぞれ前記の最も物体側の正レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径、光軸上の厚みである。
【0049】
〔2〕 物体側から順に、負・正の2つの群で構成され、さらに、その中間に開口絞りを有し、最も像側のレンズが両凸レンズからなり、その両凸レンズのパワーと形状に関して以下の条件を満足することを特徴とする広角レンズ系。
【0050】
1.4<fR /f<3 ・・・(4)
−0.5<(rR1+rR2)/(rR1−rR2)<0.5 ・・・(5)
0.5<dR /f<1 ・・・(6)
ただし、fは全系の焦点距離、fR 、rR1、rR2、dR は、それぞれ前記の最も像側の両凸レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径、光軸上の厚みである。
【0051】
〔3〕 物体側から順に、負・正の2つの群で構成され、さらに、その中間に開口絞りを有し、最も物体側のレンズが正レンズからなり、かつ、最も像側のレンズが両凸レンズからなり、それらレンズのパワーと形状に関して以下の条件を満足することを特徴とする広角レンズ系。
【0052】
2.5<f1 /f<10 ・・・(1)
1.4<fR /f<3 ・・・(4)
−2.5<(r11+r12)/(r11−r12)<−0.7 ・・・(2)
−0.5<(rR1+rR2)/(rR1−rR2)<0.5 ・・・(5)
0.25<d1 /f<0.8 ・・・(3)
0.5<dR /f<1 ・・・(6)
ただし、fは全系の焦点距離、f1 、r11、r12、d1 は、それぞれ前記の最も物体側の正レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径、光軸上の厚み、fR 、rR1、rR2、dR は、それぞれ前記の最も像側の両凸レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径、光軸上の厚みである。
【0053】
〔4〕 前記の最も像側の両凸レンズの物体側の面が非球面で構成され、以下の条件を満足することを特徴とする上記〔2〕又は〔3〕記載の広角レンズ系。
0.5<DSR1 /f<3 ・・・(7)
0.2<(DSR2 −DSR1 )/DSR1 <3 ・・・(8)
ただし、DSR1 は前記の最も像側の両凸レンズの物体側の面の前記開口絞りからの距離、DSR2 は前記の最も像側の両凸レンズの像側の面の前記開口絞りからの距離である。
【0054】
〔5〕 前記の最も像側の両凸レンズの像側の面が球面で構成されていることを特徴とする上記〔4〕記載の広角レンズ系。
【0055】
〔6〕 前記の最も物体側の正レンズと前記開口絞りの間に、少なくとも像側に強い凹面を向けた負のメニスカスレンズを有し、以下の条件を満足することを特徴とする上記〔1〕又は〔3〕記載の広角レンズ系。
0.2<n1 −n2 <0.45 ・・・(9)
10<ν2 −ν1 <60 ・・・(10)
ただし、n1 、ν1 はそれぞれ前記の最も物体側の正レンズの媒質屈折率とアッベ数、n2 、ν2 はそれぞれ前記の像側に強い凹面を向けた負のメニスカスレンズの媒質屈折率とアッベ数である。
【0056】
〔7〕 前記の最も物体側の正レンズと前記開口絞りの間に、1枚の像側に強い凹面を向けた負のメニスカスレンズを有し、以下の条件を満足することを特徴とする上記〔6〕記載の広角レンズ系。
0.5<D2S/f<1.5 ・・・(11)
0.3<r22/f<1 ・・・(12)
ただし、D2Sは前記の負のメニスカスレンズの最も像側の面から前記開口絞りまでの距離、r22は前記の負のメニスカスレンズの最も像側の面の曲率半径である。
【0057】
〔8〕 前記開口絞りと前記の最も像側の両凸レンズの間に、正レンズと負レンズとも有し、以下の条件を満足することを特徴とする上記〔2〕から〔4〕の何れか1項記載の広角レンズ系。
2<(DS41 +DS42 +DSR1 +DSR2 )/2(DS31 +DS32 )<10・・・(13)
ただし、DS31 、DS32 、DS41 、DS42 はそれぞれ前記開口絞りから前記負レンズの物体側の面、像側の面と、前記正レンズの物体側の面、像側の面までの距離、DSR1 は前記の最も像側の両凸レンズの物体側の面の前記開口絞りからの距離、DSR2 は前記の最も像側の両凸レンズの像側の面の前記開口絞りからの距離である。
【0058】
〔9〕 前記開口絞りと前記の最も像側の両凸レンズの間に、物体側から負レンズ、正レンズの順で接合されたレンズを有し、以下の条件を満足することを特徴とする上記〔8〕記載の広角レンズ系。
1<r41/f<4 ・・・(14)
0<n3 −n4 <0.2 ・・・(15)
1.6<n4 <1.85 ・・・(16)
0.5<(DS42 −DS41 )/DS41 <4 ・・・(17)
ただし、r41は前記正レンズの物体側の面の曲率半径、n3 、n4 はそれぞれ前記負レンズ、正レンズの媒質屈折率である。
【0059】
〔10〕 以下の条件を満足することを特徴とする上記〔1〕から〔9〕の何れか1項記載の広角レンズ系。
−5<fN /f<−1.5 ・・・(18)
0.7<fP /f<2 ・・・(19)
1<DFS/f<3 ・・・(20)
1<DSR/f<5 ・・・(21)
ただし、fN 、fP は前記のそれぞれ負群、正群の合成焦点距離、DFSは最も物体側の面から前記開口絞りまでの距離、DSRは前記開口絞りから最も像側の面までの距離である。
【0060】
〔11〕 物体側から順に、負・正の2つの群で構成され、さらに、その中間に開口絞りを有し、物体側から順に、前記の負群は、正のメニスカスレンズ、像側に強い凹面を向けた負のメニスカスレンズの2枚のレンズを有し、前記の正群は、両凹レンズ、2枚の両凸レンズの合計3枚のレンズを有することを特徴とする上記〔1〕から〔10〕の何れか1項記載の広角レンズ系。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、電子カメラ(デジタルカメラ)のように撮像有効領域が極めて小さく、そのために焦点距離が極端に短くなるケースであっても、レンズ構成要素の縁肉や中肉の厚みや組立上必要なスペースを十分確保することを行いつつも、フィルター類が挿入できるだけの十分なバックフォーカス、十分遠い射出瞳位置、かつ、良好な結像性能を有した小型で構成枚数の少ないシンプルで製作性の良好なデジタルカメラに適した広角レンズ系を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の広角レンズ系の実施例1の断面図である。
【図2】 本発明の広角レンズ系の実施例2の断面図である。
【図3】 本発明の広角レンズ系の実施例3の断面図である。
【図4】 本発明の広角レンズ系の実施例1の収差図である。
【図5】 本発明の広角レンズ系の実施例2の収差図である。
【図6】 本発明の広角レンズ系の実施例3の収差図である。
【符号の説明】
GN…負群
GP…正群
D …開口絞り
F …フィルター、カバーガラス等の平行平面板群

Claims (13)

  1. 物体側から順に、負・正の2つの群で構成され、さらに、その中間に開口絞りを有し、
    前記負の群は、物体側から順に、正レンズ、像側が凹面の負メニスカスレンズの2枚のレンズからなり、
    前記正の群は、物体側から順に、像側に凸面を向けたメニスカスレンズと、両凸正レンズ、像側に凸面を向けたメニスカスレンズの2枚接合レンズの3枚のレンズからなり、
    前記負の群における最も物体側の前記正レンズのパワーと形状に関して以下の条件を満足することを特徴とする広角レンズ系。
    2.5<f1 /f<10 ・・・(1)
    −2.5<(r11+r12)/(r11−r12)<−0.7 ・・・(2)
    0.25<d1 /f<0.8 ・・・(3)
    ただし、fは全系の焦点距離、f1 、r11、r12、d1 は、それぞれ前記の最も物体側の正レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径、光軸上の厚みである。
  2. 物体側から順に、負・正の2つの群で構成され、さらに、その中間に開口絞りを有し、
    前記負の群は、物体側から順に、正レンズ、像側が凹面の負メニスカスレンズの2枚のレンズからなり、
    前記正の群は、負レンズと2枚の両凸レンズの3枚のレンズからなり、
    最も像側のレンズが前記両凸レンズの一方であり、その最も像側の両凸レンズのパワーと形状に関して以下の条件を満足することを特徴とする広角レンズ系。
    1.4<fR /f<3 ・・・(4)
    −0.5<(rR1+rR2)/(rR1−rR2)<0.5 ・・・(5)
    0.5<dR /f<1 ・・・(6)
    ただし、fは全系の焦点距離、fR 、rR1、rR2、dR は、それぞれ前記の最も像側の両凸レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径、光軸上の厚みである。
  3. 物体側から順に、負・正の2つの群で構成され、さらに、その中間に開口絞りを有し、
    前記負の群は、物体側から順に、正レンズ、像側が凹面の負メニスカスレンズの2枚のレンズからなり、
    前記正の群は、負レンズと2枚の両凸レンズの3枚のレンズからなり、
    最も像側のレンズが前記両凸レンズの一方であり、その最も像側の両凸レンズ及び最も物体側の前記正レンズのパワーと形状に関して以下の条件を満足することを特徴とする広角レンズ系。
    2.5<f1 /f<10 ・・・(1)
    1.4<fR /f<3 ・・・(4)
    −2.5<(r11+r12)/(r11−r12)<−0.7 ・・・(2)
    −0.5<(rR1+rR2)/(rR1−rR2)<0.5 ・・・(5)
    0.25<d1 /f<0.8 ・・・(3)
    0.5<dR /f<1 ・・・(6)
    ただし、fは全系の焦点距離、f1 、r11、r12、d1 は、それぞれ前記の最も物体側の正レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径、光軸上の厚み、fR 、rR1、rR2、dR は、それぞれ前記の最も像側の両凸レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径、光軸上の厚みである。
  4. 物体側から順に、負・正の2つの群で構成され、さらに、その中間に開口絞りを有し、
    物体側から順に、前記の負群は、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズ、像側に凹面を向けた負のメニスカスレンズの2枚のレンズであり、物体側から順に、前記の正群は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、両凸レンズ、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズの合計3枚のレンズであり、前記の正群における負レンズは隣接する正レンズと接合され、
    前記負の群における最も物体側の前記正レンズのパワーと形状に関して以下の条件を満足することを特徴とする広角レンズ系。
    2.5<f 1 /f<10 ・・・(1)
    −2.5<(r 11 +r 12 )/(r 11 −r 12 )<−0.7 ・・・(2)
    0.25<d 1 /f<0.8 ・・・(3)
    ただし、fは全系の焦点距離、f 1 、r 11 、r 12 、d 1 は、それぞれ前記の最も物体側の正レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径、光軸上の厚みである。
  5. 物体側から順に、負・正の2つの群で構成され、さらに、その中間に開口絞りを有し、
    物体側から順に、前記の負群は、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズ、像側に凹面を向けた負のメニスカスレンズの2枚のレンズであり、物体側から順に、前記の正群は、両凹レンズ、2枚の両凸レンズの合計3枚のレンズからなり、
    前記負の群における最も物体側の前記正レンズのパワーと形状に関して以下の条件を満足することを特徴とする広角レンズ系。
    2.5<f 1 /f<10 ・・・(1)
    −2.5<(r 11 +r 12 )/(r 11 −r 12 )<−0.7 ・・・(2)
    0.25<d 1 /f<0.8 ・・・(3)
    ただし、fは全系の焦点距離、f 1 、r 11 、r 12 、d 1 は、それぞれ前記の最も物体側の正レンズの焦点距離、物体側の面の曲率半径、像側の面の曲率半径、光軸上の厚みである。
  6. 前記の正群における負レンズは隣接する正レンズと接合されていることを特徴とする請求項記載の広角レンズ系。
  7. 前記の最も像側の両凸レンズの物体側の面が非球面で構成され、以下の条件を満足することを特徴とする請求項2、3、5、6の何れか1項記載の広角レンズ系。
    0.5<DSR1 /f<3 ・・・(7)
    0.2<(DSR2 −DSR1 )/DSR1 <3 ・・・(8)
    ただし、DSR1 は前記の最も像側の両凸レンズの物体側の面の前記開口絞りからの距離、DSR2 は前記の最も像側の両凸レンズの像側の面の前記開口絞りからの距離である。
  8. 前記の最も像側の両凸レンズの像側の面が球面で構成されていることを特徴とする請求項記載の広角レンズ系。
  9. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の広角レンズ系。
    0.2<n1 −n2 <0.45 ・・・(9)
    10<ν2 −ν1 <60 ・・・(10)
    ただし、n1 、ν1 はそれぞれ前記の最も物体側の正レンズの媒質屈折率とアッベ数、n2 、ν2 はそれぞれ前記の像側に凹面を向けた負のメニスカスレンズの媒質屈折率とアッベ数である。
  10. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項記載の広角レンズ系。
    0.5<D2S/f<1.5 ・・・(11)
    0.3<r22/f<1 ・・・(12)
    ただし、D2Sは前記の負のメニスカスレンズの最も像側の面から前記開口絞りまでの距離、r22は前記の負のメニスカスレンズの最も像側の面の曲率半径である。
  11. 前記開口絞りと前記の最も像側の両凸レンズの間に配された、前記両凸レンズと前記負レンズについて、以下の条件を満足することを特徴とする請求項2、3、5、6、7、8の何れか1項記載の広角レンズ系。
    2<(DS41 +DS42 +DSR1 +DSR2 )/2(DS31 +DS32 )<10
    ・・・(13)
    ただし、DS31 、DS32 、DS41 、DS42 はそれぞれ前記開口絞りから前記負レンズの物体側の面、像側の面と、開口絞りと両凸レンズに挟まれた前記両凸レンズの物体側の面、像側の面までの距離、DSR1 は前記の最も像側の両凸レンズの物体側の面の前記開口絞りからの距離、DSR2 は前記の最も像側の両凸レンズの像側の面の前記開口絞りからの距離である。
  12. 前記開口絞りと前記の最も像側の両凸レンズの間を、物体側から前記負レンズ、前記両凸レンズの順で接合されたレンズとし、前記接合されたレンズについて以下の条件を満足することを特徴とする請求項11記載の広角レンズ系。
    1<r41/f<4 ・・・(14)
    0<n3 −n4 <0.2 ・・・(15)
    1.6<n4 <1.85 ・・・(16)
    0.5<(DS42 −DS41 )/DS41 <4 ・・・(17)
    ただし、r41は前記正レンズの物体側の面の曲率半径、n3 、n4 はそれぞれ前記負レンズ、正レンズの媒質屈折率である。
  13. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から12の何れか1項記載の広角レンズ系。
    −5<fN /f<−1.5 ・・・(18)
    0.7<fP /f<2 ・・・(19)
    1<DFS/f<3 ・・・(20)
    1<DSR/f<5 ・・・(21)
    ただし、fN 、fP は前記のそれぞれ負群、正群の合成焦点距離、DFSは最も物体側の面から前記開口絞りまでの距離、DSRは前記開口絞りから最も像側の面までの距離である。
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