JP3758348B2 - トロイダル型無段変速機のディスク及びその製造方法 - Google Patents

トロイダル型無段変速機のディスク及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や各種産業用機械等に用いられるトロイダル型無段変速機のディスク及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トロイダル型無段変速機は、例えば、図15に示すように、互いに同軸配置された入力及び出力ディスクa,bと、入力及び出力ディスクa,bの各トラクション面f,i間に介在されたパワーローラcとを備える。
【0003】
入力ディスクaは小径端部dと大径端部eとの間に断面円弧凹状のトラクション面fが形成され、出力ディスクbも同様に小径端部gと大径端部hとの間に断面円弧凹状のトラクション面iが形成されている。入力ディスクaのパワーローラcから離間する側には複数の係合ローラを介してローディングカム(共に図示せず。)が同心に配置されており、ローディングカムと入力ディスクaとの間に供給された油圧により、トルクに比例した入力ディスクa側への推力を付与するようにしている。
【0004】
パワーローラcは、入力及び出力ディスクa,bの各トラクション面f,iに摩擦係合して動力の伝達を行うものであり、トラニオンjによってディスクa,bの径方向に傾動可能に支持されている。そして、図示しない駆動機構でトラニオンjを操作してパワーローラcの入力及び出力ディスクa,bに対する径方向の接触位置を変えることにより、入力ディスクaと出力ディスクbとの間の回転速度比、即ち変速比を連続的に変化させることができるようになっている。
【0005】
ところで、トロイダル型無段変速機は、より高いトルクの伝達が必要とされており、このため、入力及び出力ディスクa,bとパワーローラーcは、通常の機械部品(一般的なギア、軸受)に比べて非常に大きな繰り返し曲げ応力や繰り返しせん断応力を受け、入力及び出力ディスクa,bについては、特に、図17に細いハッチングで示すように、トラクション面f,i、小径端部d及び該小径端部d側の内径面が大きな繰り返し曲げ応力や繰り返しせん断応力を受ける。従って、入力及び出力ディスクa,bの製造に際しては、これらの繰り返し曲げ応力や繰り返しせん断応力に影響されないような耐久性の高い材料を用いる必要がある。
【0006】
入力及び出力ディスクa,bを製造するには、例えば図12に示すような入力及び出力ディスクa,bの軸長と同じ長さの円柱素材(浸炭鋼等)を、削り出しや切り出しによって図16に示すような最終形状に加工している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の入力及び出力ディスクa,bの製造方法においては、材料の歩留りが悪く、しかも、切削時間も長時間を要するため、生産コストが高騰するという不都合がある。
【0008】
また、メタルフロー(組織の流れ)kが軸線方向に沿って配置されるため、パワーローラcが大きな圧力で摩擦係合するトラクション面f,iにおいてメタルフローkが途切れてしまって該トラクション面f,iに沿う部分がなくなり、この結果、トラクション面f,iのパワーローラcの摩擦係合部分に材料の剥離が生じやすくなるとともに、メタルフローkの分断箇所が破壊の起点となって、入力及び出力ディスクa,bに衝撃割れや疲労割れが発生しやすくなり、入力及び出力ディスクa,bの長寿命化を妨げる原因になるという不都合がある。
【0009】
本発明はかかる不都合を解消するためになされたものであり、生産コストの低減を可能にするとともに、長寿命化を図ることができるトロイダル型無段変速機のディスクを提供することを目的とする。
【0010】
なお、円柱素材の中心及び中心近傍の部分(図12及び図16において0.3D部分:Dは円柱素材の直径)は疲労破壊強度に大きな影響を及ぼす非金属介在物の密度が高いため(図13参照)、該介在物がディスクの曲げ応力等の厳しい領域(例えば小径端部側の内径面)やトラクション面のうちで最も厳しいせん断応力を受ける領域に存在しないようすることが望まれる。
【0011】
非金属介在物について説明すると、材料の繰り返し曲げなどに対する材料強度には、その破壊の起点となる欠陥の大きさが大きく影響を及ぼすことが知られており、例えば「微小欠陥と介在物の影響」(村上著、1993年、養賢堂発行)には、繰り返し曲げが加わった場合の材料の疲労限度が
Figure 0003758348
K:1.43(欠陥が表面に存在する場合)
1.41(欠陥が表面に接するように存在する場合)
1.56(欠陥が内部に存在する場合)
σw :疲労限度
Hv:材料の硬さ(材料素材のマトリックスの強さに関するもの)
(area)1/2 :欠陥やき裂を最大主応力方向に投影した投影面積の平方根(欠陥やき裂の寸法を代表する量)
で表わせることが述べられている。
【0012】
従って、トロイダル型無段変速機のような過酷な条件(大きな繰り返し曲げ応力と同時に大きな繰り返しせん断応力を受ける)で使用される機械部品においては、このような破壊の起点となる欠陥を管理した材料を使用することが望ましい。
【0013】
一般に、高強度を必要とする鋼の主な欠陥原因は、酸化物系介在物であることが知られている。このような酸化物系介在物を管理する方法としては、JIS法(JIS−G−0555)やASTM法(ASTM―E45)などが知られている。また、特に高清浄度を要求する軸受材料において、例えば特開平3−294435号公報に開示されているように電子ビーム溶解法を使つて材料を再溶解し、大きな酸化物系介在物を浮遊させて材料の清浄度を管理する方法や、「微小欠陥と介在物の影響」(村上著、1993年、養賢堂発行)に開示されている極値統計法(単位面積S0 あたりの最大酸化物系介在物径を数個の試験片から調査し、その後、統計処理を行なうことにより、必要とする面積Sでの推定最大酸化物系介在物怪を予測する方法)がある。
【0014】
このような清浄度の管理方法を用いて、例えば転がり軸受やギアなどでは、その機能に十分対応できる鋼の清浄度管理が行われているが、トロイダル型無段変速機を構成するディスクやパワーローラにおいては、転がり軸受やギアなどのように通常の繰り返し応力を受ける機械部品に比べて応力の絶対値が大きく(接触面圧4.0GPa程度、曲げ応力90kgf/mm2 程度)、しかも、繰り返し曲げ応力と繰り返しせん断応力が同時に加わるとともに、応力を受ける体積が大きい。このため、トロイダル型無段変速機のディスクにおいては、このような介在物管理法では十分な強度を得ることが困難であり、従って、介在物の影響を受けないようするための新たな手段が望まれる。
【0015】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明に係るトロイダル型無段変速機のディスクは、小径端部と大径端部との間に断面円弧凹状のトラクション面が形成され、該トラクション面を互いに対向させた状態で同軸配置された入力及び出力ディスクと、該入力及び出力ディスクの各トラクション面に摩擦係合して動力の伝達を行うパワーローラとを備えたトロイダル型無段変速機において、全ての仕上加工が行われた完成状態での前記トラクション面側のメタルフローと該トラクション面の接線とのなす角度θが2°以上、30°以下、好ましくは5°以上、20°以下になるような位置関係を前記ディスク表面に対して有するメタルフローを該ディスク表面に沿うメタルフローと定義した場合に、前記ディスクの表面に沿うメタルフローを少なくとも前記トラクション面に備えたことを特徴とする。
【0016】
ここで、トラクション面の接線とのなす角度θが30°を越えるメタルフローは、エンドフロー(ディスク表面に沿わないメタルフロー)と同等となって材料の剥離を発生させるとともに、曲げ疲労等によるディスクの破壊(割れ寿命低下)を招く原因になる。
【0017】
また、θの下限値は限りなくθ≒0°が望ましいが、図5、図9の鍛造後(二点鎖線)と加工完了後(実線)の関係にみられる様に、トラクション面4、内径面2の例で言えば取代が変化することにより、加工後のトラクション面4、内径面2と交わるメタルフロー6の角度は鍛造後に対し変化する。鍛造後の1本のメタルフロー6に着目すれば、上の各面に対しそれぞれの深さ方向(取代量相当)に一定の角度で交わるのではなく、刻々変化していることから明らかである。そして、本願発明でいう各面の接線とのなす角度θ、即ち、剥離や曲げ疲労に影響を及ぼすθの意味は、鍛造後の状態でいうのではなく、加工完了後、即ち、使用状態で定義するものである。
【0018】
従って、鍛造後のメタルフロー6は所定取代によって加工完了時に本願発明でいうθ範囲になる状態になっていれば足りる。とは言え、θが0°又は限りなく0°に近い製品はディスクの性能上最も望ましいことは言うまでもないが、取代をできるだけ少なくしたい。又、取代のばらつき、面に直角に取代を除去するか、角度を以て取代を除去するなどの加工上の必要から、極端にθを0°に厳しく求めると、加工不良など製品歩留りを損ない、製造コストが上昇してしまう。
【0019】
本願発明では、性能と製造コストの両方を満たすディスク及び製法を目的とする意味からθ=2〜30°、好ましくは5〜20°とした。下限は主として性能と歩留りの向上の両方から、上限は主として上述したように剥離、曲げ疲労向上で限定した。
【0020】
以上が本願発明のディスク表面に沿うメタルフローの定義である。
(イ)また、「ディスク表面に沿うメタルフロー」は、上述したトラクション面に加えて、ディスクの軸方向の長さをAとした場合に小径端面から軸方向に少なくとも1/3Aの範囲に渡ってディスクの内径面に存在するのが好ましい。
【0021】
このように、「ディスク表面に沿うメタルフロー」を小径端面から軸方向に少なくとも1/3Aの範囲に渡ってディスクの内径面に存在させるのは、内径面には図17に示すように止め輪の周溝があったりして曲げ応力等の厳しい部分であるため、1/3Aを越えるまでは本願発明のθ範囲にすることがディスクの長寿命化のために必要だからである。
(ロ)この場合、「ディスク表面に沿うメタルフロー」がディスクの小径端部側の端面にも存在するようにすると、曲げ疲労や周溝に対する応力集中を緩和することができるので、ディスクの更なる長寿命化を図ることが可能になる。
(ハ)更に、図14を参照して、トラクション面の曲率中心Oを通る水平線(ディスクの軸線と平行な線)とのなす角度αが45°以上、好ましくは48°以上の範囲に渡って「ディスク表面に沿うメタルフロー」がトラクション面に周方向に沿って存在するようにするのが好ましい。
【0022】
このようにすると、トラクション面のうちで最も厳しい曲げ応力等を受ける領域(図17の細かいハッチング部分参照)を「ディスク表面に沿うメタルフロー」でカバーすることが可能になって、曲げ応力等に起因するディスクの破損を防止することができる。
(ニ)更に、本発明に係るトロイダル型無段変速機のディスクは、型を用いた鍛造(後述する。)によって製作されるが、この場合、図10及び図15を参照して、パワーローラが水平(ディスクの軸線と平行)になったとき、即ち、変速比が1:1のときのトラクション面とパワーローラとの接触楕円の短半径をbとした場合に、トラクション面から深さ方向に1.5b以上離れた領域に高密度の非金属介在物が存在するようにするのが好ましい。
【0023】
トラクション面のうちで最も厳しいせん断応力を受ける領域はトラクション面から深さ方向に1.5b未満の領域であり、この領域に介在物が存在しなければ、ディスクの寿命に影響しないからである(図11参照)。
(ホ)また、上述したように、小径端部側の端面から軸方向に1/3Aの範囲の内径面は止め輪の周溝があったりして曲げ応力等の厳しい部分であるため、該内径面の1/3A以下の部分についても介在物が存在しないようにするのが好ましい。
【0024】
ところで、図18及び図19は特開9−126289号公報に開示されているトロイダル型無段変速機のディスクの製造方法を示している。これらの製法は本発明に係るディスクにおいてθ=0°のメタルフローを備えたディスクの製造にのみ使用することが可能であるが、θ=0°以外のメタルフローを備えたディスクの製造には適応しない他、種々の問題を有している。
【0025】
まず、図18に示す従来のディスクの製法から説明すると、この製法は、外周面に軸方向に沿ってメタルフローmが延在する円柱素材(浸炭鋼等)nを上型oと下型pとの間に同心に挟み込んで所定量成形する(図18(b)参照)。上型oはディスクq1 の小径端部rを成形する小径端部成形面sと断面円弧凹状のトラクション面tを成形するトラクション面成形面uとを有し、下型pは大径端部vを成形する大径端部成形面wを有する。そして、上型o及び下型pを更に接近させて素材nを軸線方向に数回圧鍛し、これにより、素材nの上下端部にそれぞれ小径端部r及び大径端部vを成形するとともに、小径端部rと大径端部vとの間にトラクション面tを成形する。
【0026】
次いで、図18(c)に示すように、上型o及び下型pを最接近させて素材nをディスクq1 の最終形状に型鍛造し、これに研削仕上げを施すとともに内径面xを削り出し、これにより、図18(d)に示すようなディスクq1 の最終製品を完成させる。
【0027】
しかしながら、かかる従来の製法においては、一種類の上下型o,pで円柱素材nをディスクq1 の最終形状まで鍛造するようにしてため、上下型o,pと素材nとの接触時間が長くなって上下型o,pが加工時の熱影響を被りやすくなり、この結果、上下型o,pの表面硬度が低下して型寿命が短くなるという不都合がある。
【0028】
また、成形の最終段階で上下型o,pの空間に密閉状態で素材nが充満するようになるため、上下型o,pの角部に欠肉やバリが発生し易くなり、しかも、無理にディスクq1 の形状を良くしようとすると過大な成形荷重を要することになって上下型o,pが破損してしまうという不都合がある。
【0029】
更に、型鍛造後の工程で研削仕上げを行うようにしているので、研削に要する加工時間の短縮を図るべく研削取りしろを小さく押さえる必要があり、この結果、鍛造時の上下型o,pの摩耗を小さくせざるを得ず、上下型o,pの寿命が短くなるという不都合がある。
【0030】
更に、円柱素材nを上下型o,p内で保持する構造になっていないため、円柱素材nが上下型o,pの中心からずれ易くなり、この結果、加工精度が悪くなるという不都合がある。
【0031】
そこで、かかる不都合を解消するために本発明者等は次に示す従来にない新たなディスクの製造方法を考案した。この製法は本発明に係るディスクの製造、特に、本発明に加えて上述した(イ)及び(ハ)の各手段を備えたディスクの製造に好適なものである。
【0032】
即ち、このディスクの製法は、
外周面に軸方向に沿ってメタルフローが延在する円柱素材を第1の鍛造型を用いて据え込む第1工程と、
据え込み後の素材を第2の鍛造型を用いて成形して前記素材の上端面中央部に内径面の一部を形成するとともに、該第2の鍛造型の成形面を転写する第2工程と、
該第2工程によって得られた素材を第3の鍛造型を用いて成形して小径端部、トラクション面及び大径端部を形成するとともに第2工程で成形された内径面の一部を大径端部の背面との間に残壁が残る程度に更に押し込み、更に、該大径端部の外径面にバリを形成する第3工程とを備え、
各工程を経て得られた型鍛造品の前記バリ及び前記残壁を除去した後、切削加工を施して最終形状のディスクに成形し、これに熱処理及び仕上加工を施すことを特徴とする。
【0033】
かかるディスクの製法においては、型鍛造を3工程に分けて三種類の型で行っているので、型と素材との接触時間が短くなって成形時に型に及ぼす熱影響を少なくすることができ、この結果、型表面硬度を良好に維持することが可能になって型寿命の向上を図ることができる。
【0034】
また、第1工程において円形素材の据え込み量を多くすることにより、第2工程及び製品の最終形状に近い形状を得るために高い成形荷重が必要となる第3工程での成形量を短くすることができ、この結果、第2工程及び第3工程での鍛造型の加工負担を軽減することができ、型寿命の延長を図ることができる。
【0035】
更に、第1工程において円形素材の据え込み量を多くすることにより、第2工程における鍛造型の内径面の一部を成形する部分の押し込み程度及び第3工程において鍛造型の第2工程で成形された内径面の一部を更に押し込む部分の押し込み程度を軽減することができ、この結果、鍛造型の材料の熱影響を最も受けやすい部分の寿命を飛躍的に向上させることができる。
【0036】
更に、型鍛造を3工程に分けて三種類の型で行っているので、鍛造時の材料流動を自由に設定することができ、この結果、最終形状に見合った形状を前工程(第1及び第2工程)で設定することにより、バランスの取れた型鍛造品を作ることができる。
【0037】
更に、型鍛造品に切削加工を施してディスクを得るようにしているので、切削前の鍛造品がラフな鍛造品(例えば熱間鍛造など)でも十分に対応することができ、しかも、型の摩耗をあまり気にする必要が無いため(型の摩耗が進んでも使用できるため)結果的に型費用を安くすることができる。
【0038】
更に、第3工程では成形完了時に大径端部の外径面にバリが発生するようにしているため、密閉鍛造を回避して不必要な成形荷重の増加を押さえることができ、この結果、型寿命の向上を図ることができる。
【0039】
なお、第1工程における据え込み後の素材の中央部の高さH1を第3工程における鍛造品完成時の素材の高さH2の80〜l20%に設定すると、第2及び第3工程における鍛造型の寿命向上を効果的に達成することができる。
【0040】
また、上述した第1工程から第3工程において、各鍛造型毎に素材との芯だし位置決めを行う位置決め手段を設けることにより、各工程で素材が型の成形中心に正確且つ確実に位置決めされるようになるので、素材が常に正しい位置で成形されて精度の良い型鍛造品を得ることができる。そして、本願発明のディスクの表面に沿うメタルフローを後の加工によって得る鍛造品が得られる。
【0041】
次に、図19に示す従来のディスクの製法を説明する。この製法は、ディスクq2 の内径面xの一部を型鍛造時に成形するようにしたものであり、まず、図19(b)に示すように、円柱素材nの上端部に絞り加工を施して該上端部の径を小径端部rの径より小径にし、次いで、円柱素材nを上型yと下型zとの間に同心に挟み込んで所定量成形する(図19(c)参照)。上型yはディスクq2 の小径端部rを成形する小径端部成形面sと断面円弧凹状のトラクション面tを成形するトラクション面成形面uと小径端部成形面sの中心部に設けられて小径端部r側から内径面xの一部を成形する突起a1 とを有し、下型zは大径端部vを成形する大径端部成形面wと大径端部成形面wの中心部に設けられて大径端部v側から内径面xの一部を成形する突起a2 とを有する。
【0042】
次いで、上型y及び下型zを更に接近させて素材nを軸線方向に数回圧鍛し、これにより、素材nの上下端部にそれぞれ小径端部r及び大径端部vを成形するとともに、小径端部rと大径端部vとの間にトラクション面tを成形し、更に、突起a1 ,a2 による内径面xの成形を開始する。
【0043】
次に、図19(d)に示すように、上型y及び下型zを最接近させて素材nをディスクq2 の最終形状に型鍛造する。このとき、内径面xは残壁a3 を残した状態になっている。次いで、ここまで成形された素材nを上型y及び下型zから取り出し、その後、内径面xの残壁a3 を削り出し又は研削により除去して内径面xを完成させるとともに、素材nに更に研削仕上げを施すことにより、ディスクq2 の最終製品を完成させる。
【0044】
かかる従来のディスクの製法においては、図19(b)で円柱素材nの上下端面に現れていたメタルフローmの端点が同図(c )で内部に引き込まれて縮小する現象が示され、これにより、トラクション面tから小径端部r及び該小径端部r側の内径面xにかけて、メタルフローmがディスクq2 の表面形状に沿って存在(θ=0°)する様子が示されている。
【0045】
しかしながら、図19(c)の工程において、メタルフローmの端点を円柱素材nの内部に引き込むように成形するのは非常に難しく、従って、メタルフローmの端点が素材nの上下端面のどこかの表面に残ってしまうことが多い。この結果、θ=0°のメタルフローmをディスクq2 の表面に沿って確実に存在させることが困難であるという不都合がある。
【0046】
また、円柱素材nの中心部近傍に存在する高密度の非金属介在物が、曲げ応力の厳しい部分であるディスクq2 の小径端面から軸方向に1/3Aの範囲の内径面に残存する可能性が大きく、ディスク寿命に悪影響を及ぼすという不都合がある。
【0047】
そこで、かかる不都合を解消するために本発明者等は次に示す従来にない新たなディスクの製造方法を考案した。この製法は本発明に係るディスクの製造、特に、本発明に加えて上述した(イ)〜(ホ)の全ての手段を備えたディスクの製造に好適なものである。
【0048】
即ち、このディスクの製法は、
第1の鍛造型を用いて外周面に軸方向に沿ってメタルフローが延在する円柱素材を据え込むとともに該円柱素材の上端部に絞りを付与する第1工程と、
第2の鍛造型を用いて第1工程によって得られた素材を成形して小径端部、トラクション面及び大径端部を形成するとともに、前記素材の中央部に前記大径端部の背面との間に残壁を残した状態で内径面の一部を形成する第2工程とを備え、
第2工程において前記素材の中央部に前記内径面の一部を形成するに際し、前記第2の鍛造型の一部で該素材の上端部を拘束して該上端部が成形中に拡径しないようにするとともに、前記素材の中心部に存在する高密度の非金属介在物を該素材の下端側に押し込んで該下端側で径方向外方に膨出させ、
更に、各工程を経て得られた型鍛造品の前記残壁を除去した後、切削加工を施して最終形状のディスクに成形し、これに熱処理及び仕上加工を施すことを特徴とする。
【0049】
かかるディスクの製法においては、小径端部側の端面、トラクション面、大径端部の外周面及び該大径端部の背面にそれぞれθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー」が存在するディスク(完成品)を簡単且つ確実に得ることができる。
【0050】
また、型鍛造であるため第1工程における円柱素材の径を小さくでき、しかも、第2工程において素材の上端部を拘束して該上端部が成形中に拡径しないようにするとともに、素材の中心部に存在する高密度の非金属介在物を該素材の下端側に押し込んで該下端側で径方向外方に膨出させるようにしているため、トラクション面のうちで最も厳しいせん断応力を受ける部分であるトラクション面から深さ方向に1.5b未満の領域、及び内径面のうちで止め輪の周溝があったりして曲げ応力等の厳しい部分である小径端部側の端面から軸方向に1/3A(Aはディスクの軸長)の範囲を越えるまでの領域に高密度の非金属介在物が存在しないディスクを簡単且つ確実に得ることができる。
【0051】
なお、この第2工程では成形完了時に大径端部の外径面にバリが発生するように成形するのが好ましく、このバリを発生させることにより、密閉鍛造を回避して不必要な成形荷重の増加を押さえることができ、この結果、型寿命の向上を図ることができる。
【0052】
また、上述した第1工程及び第2工程において、各鍛造型毎に素材との芯だし位置決めを行う位置決め手段を設けることにより、各工程で素材が型の成形中心に正確且つ確実に位置決めされるようになるので、素材が常に正しい位置で成形されて精度の良い型鍛造品を得ることができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態であるトロイダル型無段変速機の入力及び出力ディスクを説明するための説明図、図2はディスクの製法の第1工程を説明するための説明図、図3はディスクの製法の第2工程を説明するための説明図、図4はディスクの製法の第3工程を説明するための説明図、図5はディスクの製法の最終工程の一例を説明するための説明図、図6は本発明の第2の実施の形態であるトロイダル型無段変速機の入力及び出力ディスクを説明するための説明図、図7はディスクの製法の第1工程を説明するための説明図、図8はディスクの製法の第2工程を説明するための説明図、図9はディスクの製法の最終工程の一例を説明するための説明図である。
【0054】
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態であるディスク(完成品)から説明すると、このディスク1は小径端部2と大径端部3との間に断面円弧凹状のトラクション面4が形成されており、小径端部2側の端面中心部には大径端部3の背面まで貫通する穴が形成されて該穴の内周面が内径面5とされている。ここで、図1及び図14を参照して、ディスク1に存在するメタルフロー6のうちで、トラクション面4側のメタルフロー6と該トラクション面4の接線Pとのなす角度θが2〜30°、好ましくは5〜20°になるような位置関係をディスク1の表面に対して有するメタルフロー6を「ディスク表面に沿うメタルフロー6」と定義する。
【0055】
このディスク1においては、トラクション面4にθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」が存在し、内径面5にθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」がディスク1の軸方向の長さをAとした場合に小径端部2側の端面から軸方向に1/3Aの範囲に渡って存在し、大径端部3の外径面及び該大径端部3の背面の一部にθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」が存在している。
【0056】
また、トラクション面4には、θ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」が、図14を参照して、トラクション面4の曲率中心Oを通る水平線(ディスクの軸線と平行な線)とのなす角度αが45°の範囲で周方向に沿って存在している。なお、トラクション面4の接線Pとのなす角度θが30°を越えるメタルフロー6は、エンドフロー(ディスク表面に沿わないメタルフロー)と同等となって材料の剥離を発生させるとともに、曲げ疲労等によるディスクの破壊(割れ寿命低下)を招く原因になる。
【0057】
かかる構成のディスク1においては、パワーローラが大きな圧力で摩擦係合するトラクション面4にθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」が存在しているため、特に低負荷仕様の場合において、トラクション面4のパワーローラの摩擦係合部分における材料の剥離を防止することができるとともに、ディスク1に衝撃割れや疲労割れが発生し難くなってディスク1の長寿命化を図ることができる。
【0058】
また、ディスク1の内径面5にθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」が小径端部2側の端面から軸方向に1/3Aの範囲に渡って存在しているので、内径面5のうちで止め輪の周溝があったりして曲げ応力等の厳しい部分を越えるまではエンドフローが出ないようにすることができ、この結果、ディスク1の更なる長寿命化を図ることができる。
【0059】
更に、トラクション面4には、θ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」が、α=45°の範囲で周方向に沿って存在しているため、トラクション面4のうちで最も厳しい曲げ応力等を受ける領域(図17の細かいハッチング部分参照)が「ディスク表面に沿うメタルフロー6」でカバーされて曲げ応力等に起因するディスク1の破損を良好に防止することができる。
【0060】
次に、ディスク1の製造方法を図2〜図5を参照して説明する。
(第1工程)
図2に第1工程(据え込み工程)を示す。図2の左半分は据え込み前の状態、右半分は据え込み後の状態を表している。この第1工程では、上型11と下型12との間に外周面に軸方向に沿ってメタルフロー6が延在する円柱状材(浸炭鋼等)W1 を配置し、次いで、上型11を円柱素材W1 の軸線方向に移動させて該円柱素材W1 を据え込み、右半分に示すような形状の素材W2 に成形する。ここで、この工程では据え込み比率を通常より大きくしており、この場合、据え込み後の素材W2 の中央部の高さH1を図4に示す鍛造完成時の素材W4 の高さH2の80〜l20%に設定すると、後述する第2及び第3工程における鍛造型の寿命向上に効果的である。
【0061】
下型12の平面部12aには円柱素材W1 の下端部が嵌まり込む凹部13が設けられており、これにより、円柱素材W1 の正確な芯出しが確保されるようになっている。また、上型11の中央部には円柱素材W1 の径より小径の円形凸部14が設けられており、該円形凸部14は据え込み時に円柱素材W1 の中央部を成形して材料を拡径するように作用する。更に、上型11の円形凸部14の外周側の平面部11aと該円形凸部14との間には円形凸部14から径方向外方に向けて次第に上方に膨らむように湾曲して平面部11aに連なる湾曲成形面15が設けられており、該湾曲成形面15は据え込まれた素材W2 に湾曲形状を転写するようになっている。
(第2工程:中押し工程)
図3は第2工程を示す図であり、左半分が成形前の状態を示し、右半分が成形後の状態を示している。第2工程の役割は、第3工程で欠肉やバリが発生するのを防ぐボリューム配分を行うために素材に最適な形状を与えることである。第2工程での素材形状が不適正であると、第3工程で素材を成形した際、素材の内径面角部(上端側)にバリや欠肉を生じたり、素材の大径端部の外径面のバリ(後述する。)に欠肉を生じたりする。また、第2工程のもう一つの役目は、第3工程での素材W3 と型との芯出しを確実に行える形状を付与することにある。
【0062】
まず、上下型21,22について説明すると、上型21の平面部21aの中央部には略円錐状突起からなる中型25が突設されている。一方、下型22は、外周寄りの部分に第1工程で据え込まれた素材W2 の径方向外側に斜め上方に傾斜する傾斜部23が設けられており、素材W2 の下端側外周縁と傾斜部23が接触したところで該素材W2 と下型22の芯が一致するようになっている。このとき、素材W2 の下端面は下型22の中央平面部22aに突設された凸部24の上端面からわずかに浮いた状態になっている。
【0063】
そして、この状態で上型21及び中型25を一体に下降させると、中型25が素材W2 の上端面中央部に侵攻して内径面5の一部である凹部5aを形成するとともに、上型21の平面部21aが素材W2 の上端面を押圧して成形圧力を付与し、この成形圧により素材W2 は、図3の右半分に示すように、その下端部において、下型22の平面部22a、傾斜部23及び凸部24の形状が転写されて素材W3 の形状に成形される。
(第3工程)
図4は第3工程を示す図であり、左半分は成形前の状態、右半分は成形後の状態を表している。上型31はディスク1の小径端部2を成形する小径端部成形面33と断面円弧凹状のトラクション面4を成形するトラクション面成形面34と小径端部成形面33の中心部に設けられて小径端部2側から内径面5の一部を成形する中型35とを有し、下型32は大径端部3を成形する大径端部成形面36と大径端部成形面36の中心部に中型35と同心に設けられた凸部37とを有する。凸部37には上述した第2工程で下型22の凸部24の形状が転写された素材W3 の凹部26が嵌め込まれるようになっており、これにより、素材W3 が下型32の中央部に正確且つ確実に位置決めされるようになっている。また、下型32の外周部には外型38が配置されており、該外型38と下型32とによって凹状の大径端部成形空間が形成されている。
【0064】
そして、この状態で、上型31及び中型35を一体に下降させると、素材W3 に小径端部成形面33、トラクション面成形面34及び大径端部成形面35がそれぞれ転写されとるともに、中型35が素材W3 の凹部5aに侵攻して下端側の凹部26との間に残壁39を残した状態で内径面5の一部である凹部5bを成形し、これにより、図4の右半分に示すように、ディスク1の最終形状に近い形状の素材W4 に成形される。なお、第3工程では成形完了時に上型31と外型38との間にすき間Cを形成して大径端部3の外径面にバリSが発生するようにしており、このバリSを発生させることにより、密閉鍛造を回避して不必要な成形荷重の増加を押さえ、型寿命の向上を図っている。
【0065】
このようにして得られた型鍛造品W4 は後工程にて、図5の二点鎖線で示す状態からバリSをプレスにてトリミング除去するとともに、内径面5の残壁39をプレスにて目抜し、その後、全面に切削加工を施すことにより、図5の実線で示す最終形状のディスク1に成形される。そして、かかる成形後、ディスク1に浸炭または浸炭窒化処理により熱処理を行い、さらに研削により必要精度を付与した後、トロイダル型無段変速機のディスクとして組み込まれる。
【0066】
かかるディスクの製法においては、型鍛造を3工程に分けて三種類の型を用いて行っているので、型と素材との接触時間が短くなって成形時に型に及ぼす熱影響を少なくすることができ、この結果、型表面硬度を良好に維持することが可能になって型寿命の向上を図ることができる。
【0067】
また、第1工程において円形素材W1 の据え込み量を多くしているので、第2工程及び製品形状に近い状態を得るために高い成形荷重が必要となる第3工程での成形量を短くすることができ、この結果、第2工程での鍛造型21,22及び第3工程での鍛造型31,32の加工負担を軽減することができ、型寿命の延長を図ることができる。
【0068】
更に、第1工程において円形素材W1 の据え込み量を多くしていることから、第2工程での中型25の押し込み程度及び第3工程での中型35の押し込み程度を軽減することができ、この結果、材料の熱影響を最も受けやすい中型25,35の工具寿命を飛躍的に向上させることができる。
【0069】
更に、第1工程から第3工程の各工程で素材が型の成形中心に正確且つ確実に位置決めされるようになっているので、素材が常に正しい位置で成形されて精度の良い型鍛造品を得ることができる。
【0070】
更に、型鍛造を3工程に分けて三種類の型を用いて行っているので、鍛造時の材料流動を自由に設定することができ、この結果、最終形状に見合った形状を前工程(第1及び第2工程)で設定することにより、バランスの取れた型鍛造品を作ることができる。
【0071】
更に、型鍛造品W4 に切削加工を施してディスク1を得るようにしているので、切削前の鍛造品がラフな鍛造品(例えば熱間鍛造など)でも十分に対応することができ、しかも、型の摩耗をあまり気にする必要が無いため(型の摩耗が進んでも使用できるため)結果的に型費用を安くすることができる。
【0072】
次に、本発明の第2の実施の形態であるトロイダル型無段変速機のディスクを説明する。
図6に示すように、このディスク(完成品)51は小径端部2と大径端部3との間に断面円弧凹状のトラクション面4が形成されており、小径端部2側の端面中心部には大径端部3の背面まで貫通する穴が形成されて該穴の内周面が内径面5とされている。ここで、図6及び図14を参照して、ディスク51に存在するメタルフロー6のうちで、トラクション面4側のメタルフロー6と該トラクション面4の接線Pとのなす角度θが2〜30°、好ましくは5〜20°になるような位置関係をディスク51の表面に対して有するメタルフロー6を「ディスク表面に沿うメタルフロー6」と定義すると、このディスク51においては、小径端部2側の端面、トラクション面4、大径端部3の外径面及び該大径端部3の背面にそれぞれθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」が連続して存在し、内径面5にθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」がディスク51の軸方向の長さをAとした場合に小径端部2側の端面から軸方向に1/3Aの範囲に渡って存在している。
【0073】
なお、トラクション面4の接線Pとのなす角度θが30°を越えるメタルフロー6は、エンドフロー(ディスク表面に沿わないメタルフロー)と同等となって材料の剥離を発生させるとともに、曲げ疲労等によるディスクの破壊(割れ寿命低下)を招く原因になる。
【0074】
また、このディスク51は、図10及び図15を参照して、パワーローラが水平(ディスクの軸線と平行)になったとき、即ち、変速比が1:1のときのトラクション面とパワーローラとの接触楕円の短半径をbとした場合に、トラクション面4から深さ方向に1.5b以上離れた領域に高密度の非金属介在物52が存在するようになっており、更には、内径面5の小径端部2側の端面から軸方向に1/3A(Aはディスク51の軸長)以下の部分については高密度の非金属介在物52が存在しないようになっている。
【0075】
かかる構成のディスク51においては、パワーローラが大きな圧力で摩擦係合するトラクション面4にθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」が該トラクション面4に沿って連続して存在しているため、特に高負荷仕様の場合において、トラクション面4のパワーローラの摩擦係合部分における材料の剥離を防止することができるとともに、ディスク51に衝撃割れや疲労割れが発生し難くなってディスク51の長寿命化を図ることができる。
【0076】
また、ディスク1の内径面5にθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」が小径端部2側の端面から軸方向に1/3Aの範囲に渡って存在しているので、内径面5のうちで止め輪の周溝があったりして曲げ応力等の厳しい部分を越えるまではエンドフローが出ないようにすることができるとともに、θ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」がディスク51の小径端部2側の端面にも存在しているので、曲げ疲労や周溝に対する応力集中を緩和することができ、この結果、ディスク51の更なる長寿命化を図ることができる。
【0077】
更に、トラクション面4のうちで最も厳しいせん断応力を受ける部分であるトラクション面4から深さ方向に1.5b未満の領域、及び内径面5のうちで止め輪の周溝があったりして曲げ応力等の厳しい部分である小径端部2側の端面から軸方向に1/3A以下の範囲を越えるまでの領域に高密度の非金属介在物52が存在しないようになっているため、介在物によるディスク51の寿命への悪影響を回避することができる。
【0078】
次に、ディスク51の製造方法を図7〜図9を参照して説明する。
(第1工程:据え込み工程)
図7は第1工程(据え込み工程)を示しており、左半分は据え込み前の状態、右半分は据え込み後の状態を表している。この第1工程では、上型51と下型52との間に、外周面に軸方向に沿ってメタルフロー6が延在する円柱素材(浸炭鋼等)W11を配置し、上型51を円柱素材W11の軸線方向に移動させて該円柱素材W11を据え込み、右半分に示すような形状の素材W12に成形する。
【0079】
下型52の平面部52aの中央部には円柱素材W11の下端部が嵌まり込む凹部53が設けられており、凹部53に円柱素材W11の下端部が嵌まり込むことにより、下型2との芯出しが正確且つ確実に行われるようになっている。
【0080】
一方、上型51の中央部には上方に向けて縮径するテーパ凹部51aが凹部53と同心に設けられており、該テーパ凹部51aの底面は平坦面54とされている。テーパ凹部51aの斜面部55には円柱素材W11の上端面の周縁(外周面と上端面との境部)が当接しており、これにより、上型51が下降する際に円柱素材W11の上端部を規制して上型51との芯出しを正確且つ確実に行いつつ斜面部55の形状を転写するようになっている。
(第2工程)
図8は第2工程を示しており、左半分が成形前の状態、右半分が成形後の状態を表している。この第2工程では、下型62と外型65に取り付けられた上型61との間に第1工程で据え込まれた素材W12を配置し、上型61を素材W12の軸線方向に移動させて右半分に示すようなディスク51の最終形状に近い形状の素材W13に成形する。
【0081】
下型62はディスク51の大径端部3を成形する大径端部成形面63を有しており、該大径端部成形面63の中央部には第1工程での素材W12の下端部において下型52の凹部53の形状が転写された凸部56が嵌まり込む凹部64が設けられており、素材W12の凸部56が下型62の凹部64に嵌まり込むことにより、下型62に対しての素材W12のがたつきが防止されて下型62との芯出しが正確且つ確実に行われるようになっている。
【0082】
外型65はディスク51の小径端部2を成形する小径端部成形面66とトラクション面4を成形するトラクション面成形面67とを有しており、小径端部成形面66の中央部には円柱状の上型61が突設されている。
【0083】
上型61の下端面には、上方に向けて次第に縮径する浅いテーパ凹部68が形成されている。テーパ凹部68の底面は平坦面69とされており、該平坦面69の径は第1工程で据え込まれた素材W12の上端面において中心部に存在する高密度の非金属介在物52の領域径より大径とされている。また、テーパ凹部68の斜面部70には素材W12の上端部外周面が当接して上型61との芯出しが正確且つ確実に行われるようになっている。従って、テーパ凹部68の斜面部70の素材W12の当接位置における内径D2 は素材W12の上端面の径D1 より大径になっている。
【0084】
そして、この状態で、外型65及び上型61を一体に下降させると、素材W12に小径端部成形面66、トラクション面成形面67及び大径端部成形面63がそれぞれ転写されとるともに、上型61が素材W12の中央部に侵攻して凹部64との間に残壁71を残した状態で内径面5の一部である凹部5dが成形され、これにより、図8の右半分に示すように、ディスク51の最終形状に近い形状の素材W13に成形される。なお、この第2工程では成形完了時に下型62と外型65との間にすき間Cを形成して大径端部3の外径面にバリSが発生するようにしており、このバリSを発生させることにより、密閉鍛造を回避して不必要な成形荷重の増加を押さえ、型寿命の向上を図っている。
【0085】
また、上型61が素材W12の中央部を侵攻する際には、上型61のテーパ凹部68が素材W12の上端部を拘束して該上端部が成形中に拡径しないようにするとともに、素材W12の中心部に存在する高密度の非金属介在物52を該素材W12の下端側に押し込んで該下端側で径方向外方に膨出させるようになっている。
【0086】
このようにして得られた型鍛造品W13は後工程にて、図9の二点鎖線で示す状態からバリSをプレスにてトリミング除去するとともに、内径面5の残壁71をプレスにて目抜し、その後、全面に切削加工を施すことにより、図9の実線で示す最終形状のディスク51に成形される。そして、かかる成形後、ディスク51に浸炭または浸炭窒化処理により熱処理を行い、さらに研削により必要精度を付与した後、トロイダル型無段変速機のディスクとして組み込まれる。
【0087】
上記記載から明らかなように、かかるディスクの製法においては、小径端部2側の端面、トラクション面4、大径端部3の外周面及び該大径端部3の背面にそれぞれθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」が存在するディスク(完成品)51を簡単且つ確実に得ることができる。
【0088】
また、型鍛造であるため第1工程における円柱素材W11の径を小さくでき、しかも、第2工程において上型61のテーパ凹部68が素材W12の上端部を拘束して該上端部が成形中に拡径しないようにするとともに、素材W12の中心部に存在する高密度の非金属介在物52を該素材W12の下端側に押し込んで該下端側で径方向外方に膨出させるようにしているため、トラクション面4のうちで最も厳しいせん断応力を受ける部分であるトラクション面4から深さ方向に1.5b未満の領域、及び内径面5のうちで止め輪の周溝があったりして曲げ応力等の厳しい部分である小径端部2側の端面から軸方向に1/3Aの範囲を越えるまでの領域に高密度の非金属介在物52が存在しないディスク51を簡単且つ確実に得ることができる。
【0089】
【実施例】
表1に荷重5t、荷重位置がトラクション面の溝底とした場合に、α(図参照)を相違させて各ディスクの耐久性試験を行った結果を示す。ここで、αは、図14を参照して、トラクション面4の曲率中心Oを通る水平線(ディスクの軸線と平行な線)とのなす角度である。
【0090】
表1のNO.1〜NO.6のディスクまでは本発明の実施例であり、NO.1〜NO.4のディスクはトラクション面にθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー」が存在し、このうちのNO.1及びNO.2のディスクはα<45°とし、NO.3及びNO.4のディスクはα≧45°とした。また、NO.5及びNO.6のディスクはθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー」がトラクション面に連続して存在するものを用いた。更に、NO.7及びNO.8のディスクは従来例とし、削り出しによって製作したものを用いた。これらの条件以外は全て同一条件(大きさ、材質及び荷重条件等)として耐久性試験を行った。
【0091】
なお、θ=2〜30°とする調整は、予め鍛造後のメタルフローを調査し、取代を調整することでα°以内は本願発明のθ範囲を満たすディスク表面に沿うメタルフローとし、α°を越える範囲を本願発明のθの範囲外のメタルフローが存在するようにして、破損を観察した。鍛造ディスクは上述した2つの製法を適宜用いて製作した。
【0092】
【表1】
Figure 0003758348
【0093】
表1から明らかなように、本発明のディスク(NO.1〜NO.6)は従来のディスク(NO.7及びNO.8)に比べてトラクション面の耐久性が大幅に向上しているのが判る。
【0094】
また、本発明のディスクのうちでα≧45°のディスク(NO.3及びNO.4)はα<45°のディスク(NO.1及びNO.2)に比べてより耐久性が向上しており、更に、θ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー」がトラクション面に連続して存在するディスク(NO.5及びNO.6)については、350時間経過してもトラクション面に異常は無く、最も耐久性に優れていることが判る。
【0095】
なお、試験は350hrで止めたが、θ≒0°とθ=2°とは共に350hr以上となり、性能上ほぼ同程度と推定される。
表2にトラクション面から高密度の非金属介在物(0.3D部:図10及び図12参照)の領域までの深さを相違させて各ディスクの耐久性試験を行った結果を示す。なお、表2においてbは変速比が1:1のときのトラクション面とパワーローラとの接触楕円の短半径である(図15参照)。
【0096】
表2のNO.1〜NO.8のディスクは全て本発明の実施例であり、各ディスク共、トラクション面にθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー」が存在するものを用い、トラクション面から高密度の非金属介在物領域までの深さが相違する以外は全て同一条件で耐久性試験を行った。
【0097】
【表2】
Figure 0003758348
【0098】
表2から明らかなように、トラクション面から高密度の非金属介在物領域までの深さが深くなるにしたがってトラクション面の耐久性が向上しているのが判り、特に、該深さが1.5b以上になると250時間経過しても異常がなく、最も耐久性に優れていることが判る。
【0099】
表3にディスク内径面の高密度の非金属介在物の存在領域が相違する各ディスクについて、小径端部側の内径面の耐久性試験を行った結果を示す。ここで、Aはディスクの軸長、Bは内径面における小径端部側の端面からの軸方向の長さを示す。
【0100】
表3のNO.3〜NO.8のディスクは全て本発明の実施例であり、各ディスク共、内径面にθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー」がディスクの軸長をAとした場合に小径端部側の端面から軸方向の深さ(B/A)×100%の範囲に存在する各種ディスクを用い試験した。また、NO.1及びNO.2のディスクは従来例とし、削り出しによって製作したものを用いた。これらの条件とディスク内径面の高密度の非金属介在物の存在領域が相違する以外は全て同一条件で耐久性試験を行った。なお、NO.3〜NO.8のディスクにおいて、非金属介在物とその存在領域(B/A)×100%との関係は、取代を調整して製作することによって調整した。この場合も上述した2つの製法による鍛造ディスクを適宜用いた。
【0101】
【表3】
Figure 0003758348
【0102】
表3から明らかなように、本発明のディスク(NO.3〜NO.8)は従来のディスク(NO.1及びNO.2)に比べて小径端部側の内径面の耐久性が大幅に向上しているのが判る。
【0103】
また、本発明のディスクのうちで内径面において(B/A)×100%が33%を越える領域に高密度の非金属介在物が存在するものについては、250時間経過しても小径端部側の内径面に異常は無く、最も耐久性に優れていることが判る。
【0104】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明によれば、トロイダル型無段変速機のディスクにおいて、生産コストの低減が可能になるとともに、ディスクの長寿命化を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるディスクを説明するための説明図である。
【図2】ディスクの製法の第1工程を説明するための説明図であり、左半分は成形前の状態、右半分は成形後の状態を表している。
【図3】ディスクの製法の第2工程を説明するための説明図であり、左半分は成形前の状態、右半分は成形後の状態を表している。
【図4】ディスクの製法の第3工程を説明するための説明図であり、左半分は成形前の状態、右半分は成形後の状態を表している。
【図5】ディスクの製法の最終工程の一例を説明するための説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態であるディスクを説明するための説明図である。
【図7】ディスクの製法の第1工程を説明するための説明図であり、左半分は成形前の状態、右半分は成形後の状態を表している。
【図8】ディスクの製法の第2工程を説明するための説明図であり、左半分は成形前の状態、右半分は成形後の状態を表している。
【図9】ディスクの製法の最終工程の一例を説明するための説明図である。
【図10】ディスクにおける高密度の非金属介在物の存在箇所を説明するための説明図である。
【図11】トラクション面の表面からの深さとせん断応力の分布との関係を説明するためのグラフ図である。
【図12】成形前の円柱素材における高密度の非金属介在物の存在箇所を説明するための説明図である。
【図13】成形前の円柱素材における直径と介在物の数との関係を説明するための説明図である。
【図14】αとθの意味を説明するための説明図である。
【図15】トロイダル型無段変速機を説明するための説明的断面図である。
【図16】従来のディスクを説明するための説明図である。
【図17】ディスクにおいて大きな繰り返し曲げ応力や繰り返しせん断応力を受ける部分を説明するための説明図である。
【図18】従来のディスクの製法を説明するための説明図である。
【図19】従来の他のディスクの製法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1,51…ディスク
2…小径端部
3…大径端部
4…トラクション面
6…メタルフロー
c…パワーローラ
P…接線
θ…トラクション面の接線とメタルフローとのなす角度

Claims (3)

  1. 小径端部と大径端部との間に形成された断面円弧凹状のトラクション面を互いに対向させた状態で同軸配置された入力及び出力ディスクと、該入力及び出力ディスクの各トラクション面間に介在されたパワーローラと、を備えたトロイダル型無段変速機において前記入力及び出力ディスクとして使用される軸方向長さAのディスクであって、
    外周面に軸方向に沿ってメタルフローが延在する直径Dの円柱素材を、該円柱素材のうち直径0.3Dの中心部が、前記小径端部側の端面から軸方向にA/3の範囲の内径面に位置しないように加工することにより得られたものであるとともに、
    前記トラクション面側のメタルフローと該トラクション面の接線とのなす角度θが2°以上30°以下になるような位置関係を前記ディスク表面に対して有するメタルフローを、少なくとも前記トラクション面に備えたことを特徴とするトロイダル型無段変速機のディスク。
  2. 外周面に軸方向に沿ってメタルフローが延在する円柱素材を第1の鍛造型を用いて据え込む第1工程と、
    据え込み後の素材を第2の鍛造型を用いて成形して前記素材の上端面中央部に内径面の一部を形成するとともに、該第2の鍛造型の成形面を転写する第2工程と、
    該第2工程によって得られた素材を第3の鍛造型を用いて成形して小径端部、トラクション面及び大径端部を形成するとともに前記第2工程で成形された内径面の一部を大径端部の背面との間に残壁が残る程度に更に押し込み、更に、該大径端部の外径面にバリを形成する第3工程と
    を備えるとともに、
    前記第1工程における据え込み後の素材の中央部の高さH1を前記第3工程における鍛造品完成時の素材の高さH2の80〜l20%に設定し、
    前記各工程を経て得られた型鍛造品の前記バリ及び前記残壁を除去した後、切削加工を施して最終形状のディスクに成形し、これに熱処理及び仕上加工を施すことを特徴とするトロイダル型無段変速機のディスクの製造方法。
  3. 請求項1に記載のトロイダル型無段変速機のディスクを製造する方法であって、
    第1の鍛造型を用いて外周面に軸方向に沿ってメタルフローが延在する円柱素材を据え込むとともに該円柱素材の上端部に絞りを付与する第1工程と、
    第2の鍛造型を用いて前記第1工程によって得られた素材を成形して小径端部、トラクション面及び大径端部を形成するとともに、前記素材の中央部に前記大径端部の背面との間に残壁を残した状態で内径面の一部を形成する第2工程とを備え、
    前記第2工程において前記素材の中央部に前記内径面の一部を形成するに際し、前記第2の鍛造型の一部で該素材の上端部を拘束して該上端部が成形中に拡径しないようにするとともに、前記素材の中心部に存在する高密度の非金属介在物を該素材の下端側に押し込んで該下端側で径方向外方に膨出させ、
    更に、前記各工程を経て得られた型鍛造品の前記残壁を除去した後、切削加工を施して最終形状のディスクに成形し、これに熱処理及び仕上加工を施すことを特徴とするトロイダル型無段変速機のディスクの製造方法。
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