JP3756805B2 - 風力選別装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、異種材料が混じった処理物の風力選別装置に関し、特に、各種廃棄物を可燃物と不燃物とに選別するのに好適な風力選別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種廃棄物を可燃物と不燃物とに選別する際には風力選別装置が用いられている。建築廃棄物等のように、異種材料が結合したり、大形の廃材を含む場合は、事前に破砕機等を用いてこれらの廃棄物を破砕したのち風力選別装置で選別している。このような廃棄物の選別には、廃棄物が投入されるケーシングを振動させながら選別する風力選別装置がよく用いられる。
【0003】
図2は、この種の風力選別装置の一例を示す。この風力選別装置は、一端側の天井に廃棄物の投入口51が設けられ、他端側へ向かって順次配されたメッシュの異なる3種のスクリーン52a、52b、52cにより上下に仕切られたケーシング53と、ケーシング53を振動させる振動手段54と、各スクリーン52a、52b、52cの下側に仕切られた各風箱55a、55b、55cに空気を供給する送風機56と、それぞれのスクリーン52a、52b、52cの終端部上方の天井に設けた3つの吸引フード57a、57b、57cと、これらの各吸引フード57a、57b、57cと1本のダクト58で接続されたサイクロン59と、ダクト58とサイクロン59を介して各吸引フード57a、57b、57cから空気を吸引する排風機60とを備え、各風箱55a、55b、55cの底と、スクリーン52cの終端側のケーシング53の底とに、それぞれ選別された廃棄物の排出口61a、61b、61c、62が設けられたものである。
【0004】
前記投入口51からケーシング53に投入される可燃物と不燃物が混じった廃棄物は、振動手段54で付与される振動により、順次各スクリーン52a、52b、52c上を排出口62側へ向かって移動する。これらのスクリーン52a、52b、52cは、排出口62側のものほどメッシュが粗くなっており、小石や砂等の細かく比重が大きい不燃物は、細かいものから順にいずれかのスクリーン52a、52b、52cを通過して、各風箱55a、55b、55c内に落下し、それぞれの排出口61a、61b、61cから外部に排出される。
【0005】
前記各スクリーン52a、52b、52cを通過しないサイズが大きい不燃物と、木片、プラスチック片、紙片等の可燃物とは、各風箱55a、55b、55cから吹き上げる空気と、ケーシング53の振動とにより、比重の小さい可燃物が上層、比重の大きい不燃物が下層となるように2層に分離される。
【0006】
前記上層に分離される可燃物は、軽くて浮き上がりやすいものから順に各吸引フード57a、57b、57cに吸引され、紙やプラスチックシート等は最初の吸引フード57aへ、紐や布等は次の吸引フード57bへ、木片やプラスチック片等は最後の吸引フード57cへ吸引される。各吸引フード57a、57b、57cに吸引された可燃物は、1本のダクト58にまとめられて搬送され、サイクロン59で捕集される。
【0007】
最後に残ったサイズの大きい不燃物は、スクリーン52cの終端側から排出口62に落下する。このようにして廃棄物から可燃物が選別され、さらに不燃物がサイズ別に分類される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
通常、ダクトはその経路に沿って屈曲部や上昇部(垂直部を含む)を有し、風量調整ダンパ等が設けられることもある。ダクトを搬送される搬送物は、このような屈曲部や上昇部およびダンパ設置部等で引っ掛かったり、堆積したりしやすいことが知られている。このような引っ掛かりや堆積を防止するためには、搬送物の形態に合わせて空気流速やダクトの経路形状を設計する必要がある。
【0009】
しかしながら、上述したように、従来の風力選別装置は、吸引手段としての複数の吸引フードから吸引される可燃物を、1本のダクトにまとめて捕集機としてのサイクロンに搬送しており、それぞれの吸引フードから吸引される形態の異なる可燃物は、ダクトの大部分の経路を同じ流速の空気流で搬送される。このため、木片やプラスチック片のように比較的重い可燃物がダクトの屈曲部や上昇部およびダンパ設置部等で引っ掛かったり、堆積したりしやすい問題がある。
【0010】
この引っ掛かりや堆積を防止する手段としては、ダクトの空気流速を木片やプラスチック片に合わせて高速化することが考えられるが、1本にまとめられた大径のダクトの空気流速を高速化するには多大のエネルギを必要とし、ランニングコストが非常に高いものとなる。また、ダクトの経路形状の設計には、設備レイアウト等による制約があり、屈曲部や上昇部等を完全になくすことはできない。
【0011】
そこで、この発明の課題は、風力選別装置の複数の吸引手段で吸引される処理物のダクト内での引っ掛かりや堆積を安価な手段で防止することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明は、多孔スクリーンにより上下に仕切られ、このスクリーンの上側へ処理物が投入されるケーシングと、このケーシングを振動させる振動手段と、前記スクリーンの下側に空気を供給し、スクリーン上の処理物に空気を吹き上げる手段と、この空気で吹き上げられる処理物を別々に吸引する複数の吸引手段とを備え、前記ケーシングに投入される処理物を、前記スクリーンを通過するものと、通過しないものとに選別して、これらの選別された処理物を別々の排出口に排出するとともに、前記スクリーンを通過しないものから前記複数の吸引手段で別々に吸引される処理物を、各吸引手段に接続されたダクトで1つの捕集機に搬送して捕集する風力選別装置において、前記各吸引手段に接続されたダクトを前記捕集機まで独立に導く構成を採用した。
【0013】
すなわち、複数の吸引手段に接続されたダクトを、それ以後の経路に屈曲部や上昇部およびダンパ設置部等のない捕集機まで独立に導くことにより、屈曲部や上昇部およびダンパ設置部等のある経路でのダクトの空気流速を独立に調整可能として、ダクト内での処理物の引っ掛かりや堆積を防止できるようにした。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。この風力選別装置は廃棄物を可燃物と不燃物とに選別するものであり、図1に示すように、一端側の天井に廃棄物の投入口1が設けられ、他端側へ向かって順次配されたメッシュの異なる3種のスクリーン2a、2b、2cにより上下に仕切られたケーシング3と、ケーシング3を振動させる振動手段4と、各スクリーン2a、2b、2cの下側に仕切られた各風箱5a、5b、5cに空気を供給する送風機6と、それぞれのスクリーン2a、2b、2cの終端部上方の天井に設けた吸引手段としての3つの吸引フード7a、7b、7cと、これらの各吸引フード7a、7b、7cと別々の各ダクト8a、8b、8cで接続された捕集機としてのサイクロン9と、各ダクト8a、8b、8cとサイクロン9を介して各吸引フード7a、7b、7cから空気を吸引する排風機10とを備え、各風箱5a、5b、5cの底と、スクリーン2cの終端側のケーシング3の底とに、それぞれ選別された廃棄物の排出口11a、11b、11c、12が設けられている。
【0015】
前記ケーシング3は、ベース上にばね部材13を介して載置された機台14に、互いに直角方向に向けられた揺動レバー15と圧縮コイルばね16とで支持され、モータ17で回転駆動され、機台14に軸支されたクランク18とレバー19で連結されて、斜め方向に振動を付与されるようになっている。
【0016】
前記投入口1からケーシング3に投入される可燃物と不燃物が混じった廃棄物は、振動手段4で付与される振動により、順次各スクリーン2a、2b、2c上を排出口12側へ向かって移動する。これらのスクリーン2a、2b、2cは、排出口12側のものほどメッシュが粗くなっており、小石や砂等の細かく比重が大きい不燃物は、細かいものから順にいずれかのスクリーン2a、2b、2cを通過して、各風箱5a、5b、5c内に落下し、それぞれの排出口11a、11b、11cから外部に排出される。
【0017】
前記各スクリーン2a、2b、2cを通過しないサイズが大きい不燃物と、木片、プラスチック片、紙片等の可燃物とは、各風箱5a、5b、5cから吹き上げる空気と、ケーシング3の振動とにより、比重の小さい可燃物が上層、比重の大きい不燃物が下層となるように2層に分離される。
【0018】
前記上層に分離される可燃物は、軽くて浮き上がりやすいものから順に各吸引フード7a、7b、7cに吸引され、紙やプラスチックシート等は最初の吸引フード7aへ、紐や布等は次の吸引フード7bへ、木片やプラスチック片等は最後の吸引フード7cへ吸引される。各吸引フード7a、7b、7cに吸引された可燃物は、各ダクト8a、8b、8cで別々に搬送され、サイクロン9で捕集される。
【0019】
前記各ダクト8a、8b、8cには風量調整ダンパ20が設けられており、それぞれ空気流速が独立に調整されるようになっている。この実施形態では、ダクト8cの空気流速が最も高速に調整され、ダクト8aの空気流速が最も低速に調整されている。
【0020】
最後に残ったサイズの大きい不燃物は、スクリーン2cの終端側から排出口12に落下する。このようにして廃棄物から可燃物が選別され、さらに不燃物がサイズ別に分類される。
【0022】
また、本発明に係る風力選別装置は、実施形態のものに限定されることはなく、スクリーンで上下に仕切られたケーシングを振動させるとともに、スクリーン上の処理物に空気を吹き上げ、この空気で吹き上げられる処理物を複数の吸引手段で吸引して捕集機で捕集するタイプのものであればよい。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、この発明の風力選別装置は、複数の吸引手段に接続されたダクトを、それ以後の経路に屈曲部や上昇部およびダンパ設置部等のない捕集機まで独立に導くようにしたので、これらの屈曲部や上昇部およびダンパ設置部等のある経路でのダクトの空気流速を独立に調整でき、ダクト内での処理物の引っ掛かりや堆積を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】風力選別装置の実施形態を示す縦断面図
【図2】従来の風力選別装置を示す縦断面図
【符号の説明】
1 投入口
2a、2b、2c スクリーン
3 ケーシング
4 振動手段
5a、5b、5c 風箱
6 送風機
7a、7b、7c 吸引フード
8a、8b、8c ダクト
9 サイクロン
10 排風機
11a、11b、11c、12 排出口
13 ばね部材
14 機台
15 揺動レバー
16 コイルばね
17 モータ
18 クランク
19 レバー
20 風量調整ダンパ
Claims (1)
- 多孔スクリーンにより上下に仕切られ、このスクリーンの上側へ処理物が投入されるケーシングと、このケーシングを振動させる振動手段と、前記スクリーンの下側に空気を供給し、スクリーン上の処理物に空気を吹き上げる手段と、この空気で吹き上げられる処理物を別々に吸引する複数の吸引手段とを備え、前記ケーシングに投入される処理物を、前記スクリーンを通過するものと、通過しないものとに選別して、これらの選別された処理物を別々の排出口に排出するとともに、前記スクリーンを通過しないものから前記複数の吸引手段で別々に吸引される処理物を、各吸引手段に接続されたダクトで1つの捕集機に搬送して捕集する風力選別装置において、前記各吸引手段に接続されたダクトを前記捕集機まで独立に導くようにしたことを特徴とする風力選別装置。
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